経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会料金制度小委員会(第6回)-議事要旨

日時:平成21年4月24日(金)16:00~18:30
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

委員:
金本委員長、大橋委員、長見委員、大日方委員、木場委員、木村委員、河野委員、下田委員、寺本委員(稲田委員代理)、中村委員、西村委員、松村委員、山内委員、山地委員、横尾委員
資源エネルギー庁:
西山電力・ガス事業部長、増田電力市場整備課長、後藤政策課長、高橋原子力政策課長、山口電力市場整備課課長補佐、遠藤電力市場整備課課長補佐、大竹電力市場整備課課長補佐、殿木政策課課長補佐

議題

  1. 地球温暖化問題への対応の必要性の高まり等を踏まえた料金制度の在り方(原子力発電、省エネルギー、負荷平準化関係)
  2. 電気料金に関する今後の行政関与の在り方
  3. その他

議事概要

  • 原子力発電推進の観点から要望を申し上げたい。第二再処理の費用については、白地問題と呼ばれており、企業会計上、引き当てを行っているものの、電気料金による回収が認められておらず、世代間の負担の公平性という視点から問題がある。低炭素社会実現のためには原子力発電の推進が不可欠であり、これを支える仕組みとして第二再処理費用の原価算入について、可能な限りでよいので議論いただきたい。第二再処理の見積りに係る具体的な検討の結果が出揃うまでには、相当の期間がかかると思うが、原価算入が認められない期間が長期になった場合の問題の大きさを考えると、今すぐにということではないが、安定供給に資する原子力発電の使用済燃料の費用が料金で回収されていないという実態を踏まえて議論いただきたい。
  • 資料3で選択約款メニューについて触れられているが、あまり一般の方々には知られていないので、もっとPRをしていただきたい。工務店や建築家にも情報がまだ行き届いていない印象。工務店などの専門家にもPRをお願いしたい。
  • 第二再処理について、近年、不確実性が問題になっており、事業の不確実性に関する議論が起こる可能性がある。
  • 第二再処理工場をどこで誰が主体になって取組むのか。今の延長線上で当たり前に存在すると思っているのか。これも不確実である。それらを理解されたうえで今回問題提起されていると思うが、完全に再処理に取組まないという選択を政府がするならば状況が変わると思う。ただ、オバマ大統領が再処理を断念しても、日本が従来どおり全量再処理を選択するならば、誰が再処理の主体となるかを含め、色々な国内議論を誘発するのは間違いない。そのような状況変化を踏まえながら、今回問題提起された点について対策をとる必要がある。政治的決定の要素が強く予測不可能なので、今の段階では今回の内容は問題提起として間違っていないことを確認しておけばよい。
  • 不確実性は存在するが、いつまで放っておいてよいのかという問題もある。合理的コストの算定をどう考えるのかということである。今後の見通しをつけながら、不確実性が晴れていくのを待つということではないか。
  • 白地の問題について、合理的な根拠を決めていくことは重要なこと。現状は全く算入されていない状況であり、現状も到底合理的とはいえないことを前提にして、それよりはるかに合理的ならば原価算入に踏み切るべき。その際に、引当金の議論があるが、会計上で引き当てる際の保守的とは引き当てが過少にならないように配慮することであり、料金での保守的とは逆の方向である。これをそのまま料金として考えることには、もう一段慎重な議論が必要。負荷平準化が環境に良いという記述はやめるべき。ただし、負荷平準化によってボトムアップすることがゼロエミッション電源である原子力の推進に役立つ限りにおいて環境に良いとして、限定的に使うのならば良い。原子力部会において、原子力の推進は国策であり、そのためにボトムアップが重要という議論をすることは問題ない。一方で負荷平準化によるボトムアップは石炭のインセンティブも高める。現在、経産省が出している排出係数のデータから言えば、昼夜で排出係数は大して変わらない。石炭を推進することは環境以外の面での理由から重要であり、単純に止めれば良いというものではない。環境の点で言えば、負荷平準化はメリットもデメリットもあり、一般電気事業者が正確な排出係数のデータを出していないので、環境に良いのかどうかはこれ以上良く分からないのが正しいのではないか。平均排出係数で昼夜の差が4%程度の差しかないならば、もしビルドマージン(Build Margin)を計算すれば、明らかに今の推計値よりも夜の排出係数は高くなるはずであり、負荷平準化が環境に良いと安直に言い続けて良いのか、きちんと考えてほしい。これではまるでダブルスタンダードであり、データを都合良く使っているのではないかとの疑いすら招くことになるので、限定的に使うべき。原子力の推進に役に立つという文脈以外で、負荷平準化が環境に良いという印象を与えないよう、限定的に使用すべきであり、負荷平準化の影響は環境にとってあくまでニュートラルというのが正確な理解。
  • 負荷平準化に関する料金メニューについては、今後とも検討が求められるとされており問題ないが、現状においても一般電気事業者間で契約の形態がかなり違っている。取組みが進んでいる事業者は休日の昼間でも割引を適用しているが、他方でゴールデンウイークもそれ以外も昼間の料金が同額という運用をしている事業者もいる。太陽光が大量導入される際にはゴールデンウイークのような特異日は電気を捨てるとの議論をしているが、現在の料金メニューが最も効率的かどうか疑問の余地があるとの認識は持っておくべき。
  • 三段階料金制度について、ここで解説されていることは非常に理屈に合った内容。何年か先に中期目標が決まり、それを実現するために様々な議論を行うことになる。いつも話題になり分かりやすい手段としては、制度論ではなく政策論として電気料金を上げたらどうかということ。その場合に三段階料金制度では、生活が貧しい消費者に対してもっと料金的に(良くなるような)発想が必要といった課題が表に出てくる可能性があるが、この状態になるには時間がかかる。現段階の内容はこれで結構。
  • 第二再処理について、我々にとっては具体性のない実感しにくいテーマではあるが、今回この資料を拝見して今後確実に必要になってくることは実感できた。
  • 今使っている電気をつくる際に原子力発電所から発生するゴミの半分くらいが、第二再処理工場で処理される使用済燃料であることに気づいて驚いた。我々が使う電気をつくる際に出るゴミを全て次世代に負担させるのはいかがなものか。「確実性のない話なので今から議論することは早い」といった意見もあるかも知れないが、事務局提案のように今から整理しておくことは必要。ただ電気料金への転嫁を検討する際に重要なことは、前段として国民から原子力発電に対する理解を得ることが先決。内閣府などの調査を見ると、原子力発電の環境性への優位性を十分に理解いただけていないので、経産省と電気事業者がもっと原子力発電の環境的メリットや経済的メリットを示していくべき。資源小国である日本がエネルギーセキュリティの面で自立するために原子力発電が必要であることをもっと打ち立てて、国民に周知していくことが重要。
  • 使用済燃料の処理の問題において、目に見えているものについてはきちんとした計算ができるが、先ほどの発言に「白地」という言葉が出たように、見えていないものについても今から注意していくという考えは理解。検討していく必要はあるが、お金を事前に引き当てておくことが必要なのか疑問。物価がインフレやデフレで大きく動き、ついこの1年でも原油価格が非常に大きく動いた時期もあったが、超長期的にわたってどのような状況が起こるかが分からない段階で、必死に積み立ててもインフレとなり、インフレ率と消費者物価をかけて上手く積み立てていける制度であっても、インフレの影響がそれをはるかに超えてしまう。逆に言えばデフレで過度に積み立てても余分なものとなってしまうこともあるのであまり急ぐ必要はない。六ヶ所再処理工場の計画のように見えるものに取り組んでいくことは結構だが、過大なものを積み過ぎると無駄になってしまう可能性がある。見えてきた段階で取り組んでいくことが望ましい。
  • 三段階料金制度について、消費者はあまり理解していないのだと実感した。省エネを進めるためには、大量に電気を使う消費者ほど料金が高くなるという考え方は正しいが、その点を実際消費者はよく理解していない。資料のグラフでは、昭和63年に比べて平成19年は増加している。生活様式が変わりやむを得ない結果だが、消費者の意識を高めるためにPRが必要。
  • 積み立ての話と料金を上げる話は別の問題。料金を上げても積み立てずに使ってしまうことは当然あり得る話。積み立て方式問題や税制の問題もあり様々な縛りがかかる。今引き当てている部分は電力会社で上手く運用されていると思うが、その点についても議論は必要。
  • スマートメーターについては導入を期待する意見が高まっていることが示されている。その費用対効果の議論も行われているとのことだが、時間帯別料金メニューの導入、電力会社の業務の効率化、お客さまの省エネ意識の向上、また昨日の新聞にも載っていたが、自治体が一般家庭の太陽光発電の環境価値を購入するような「グリーン電力証書」を用いたビジネスモデルも出てきており、将来的に多様な付加価値サービスを期待できるので、様々な視点でスマートメーターの効果について検討を深めていただきたい。
  • 「今後の具体的な検討の方向性」については、基本的には結構。特に(4)には、「料金原価算入を検討する際に六ヶ所再処理工場での再処理に係る費用を前提に用いる場合には稼働の状況等を踏まえた上で考えていくことが必要である」とも記載されており、難しい面もあるが、実際の原価計算がされたときの説明のあり方が重要なポイント。
  • 「原油価格が150ドルくらいまで上がって供給力は大丈夫か」という状況のなか、省エネルギー料金体系はどうか、どのようなメニューを消費者に提供するのが望ましいのかと問題提起していた時点と、状況が変わってきている。なぜ今、三段階料金が議論されるのかと若干戸惑うところがあるが、このような形でチェックを行って頂くことはよいこと。自由化して10年、家庭用は自由化していないが、「たくさん買うと高くなる商品は市場にはあまりない」と揶揄されて久しい。多く使えば安くなるのが道理だが、一段と三段の料金に差があるからといって、これを止めて第一段階料金を値上げすることはとても納得いただけないため、三段階料金を継続している。三段階料金は今後この方向で良いという点については同感。
  • 「PRや説明を十分に」というお叱りを色々なところでいただいており、反省も多いところだが、色々なところで努力をしている。ホームページには大量の内容があるが、パソコンを使用できる人だけではないので、紙での情報提供や「この機会ではこういった説明をする」など、人や状況に応じたPRを心がけてきている。通常は興味がないが、いざ必要になると資料やデータがないと感じることが多いと思うので、気楽に問い合わせができ答えがきけるワンストップサービスを電力会社として今後目指していければ良い。工務店への質問の話があったが、工務店でなく、私どもに一報いただければ色々な説明をさせていただけると思っている。
  • 石炭のCO2等の話や夜間負荷平準化がどうかという話については、各電力会社でそれほど差がないと説明しているが、実際は限界的なところだけ見るのか、中長期的に見るのかでも違ってくる。原子力発電の運転のあり方も電源構成を変えていく要素となる。燃料についても資源が少ない我が国としてコミットメントのあり方も関連してくる。
  • 3段階目のお客さまが多くなっていることについて、家庭用全体の使用量は増えているが、核家族化で一軒あたりの使用量は減るなど色々な要素が混じっている。単独の機器では当然消費量は減っており、例えば冷蔵庫やエアコンでは10年前では電力多消費だが、機器単体では省エネルギーが進んでいる。一方で機器の能力や数数が増えたので、3段階目のお客さまが増えてきたのではと分析している。
  • スマートメーターについて、双方向通信によるお客さまの利便性、全体の効率化、太陽光発電との関係等が資料に記載されているが、実施することでコストが安くなれば良いので、コストアップをできるだけ回避しながら効果的な対策を打てるように検討していきたい。
  • 資料3について、現時点ではまだ分からないことが多く、この程度であると思っている。GNEPで考えている再処理・高速炉は、日本の政策で検討しているものとはだいぶ違う。GNEPは原子力の平和利用と核拡散防止とを調和させるための手段であって、使用済燃料が途上国等に溜まらないようにアメリカなど再処理能力のあるところが再処理ことを目指したものである。アメリカ国内でも使用済燃料を処分しようとしているが、処分場の容量の問題があり、再処理するととりあえず量が減るため、処分しやすいということでやっている。プルトニウムを利用しようという積極的意図はない。ファーストリアクターという高速炉での再利用ではなく、プルトニウムを燃やして減らそうという目的なので、日本の再処理・高速炉とは同じ意味ではないということは理解しておく必要がある。 三段階料金は、ナショナルミニマムということで第一段階にいてメリットを享受している人たちのことを考えると、やめるという現実の手段はないと思うが、古い制度であり、理論的には、本来はなくても良いのではと思っている。ナショナルミニマムという第1段階を導入したのは1974年の日本という時代だったからであろう。もっと色々な政策手段でナショナルミニマムをやるべきで、電気料金が政策要素を担っているというのはおかしな話。本来、負荷平準化や省エネルギーというのは、季時別料金の拡充の部分でやるのが基本であり、月々の使用量を三段階に分けて程度を変えているのは、マージナルコストの上昇を反映しているとはいえない。
  • 逓増型の三段階料金について。基本的には、どのようなセグメントにマーケットを分け、そのセグメントに対してどう料金を設定するのかの問題。その際、マーケットごとのマージナルコストと弾力性を見ることが基本。基本的には逃げない(弾力性が低い)顧客には高く、逃げる(弾力性が高い)顧客には安く設定するということが一つの理屈であるが、本来ミニマムのところは逃げない顧客であり、使用量が多くなるほど弾力性が大きく逃げる顧客と判断できることから、逓増型の料金はそのような意味では理屈とは反対のことをしている。これには元々政策的な意図があって、効率性だけではなく、公平性、所得分配といったナショナルミニマムという考え方があったため、このような形になっている。ナショナルミニマムを電気料金で見なくても良いという指摘は正論であるが、様々な公共料金は多かれ少なかれそのような要素を含んでいる面もある。ただし、ナショナルミニマムの考え方を残すとしても、ミニマムや所得再分配的な要素が、どこまで必要なのか、どのマーケットに必要なのかについて精査が必要である。消費量が少ない層が、本当に生活水準や所得が低いかと言えば必ずしもそうではないため、その辺りの精査が必要である。また、3段階という形を取るにしても、どこまでの使用量の区切りとするのかについて不断に見ていかなければならない。そのようなことを総合すると、スマートメーターを活用した季時別、時間帯別といった料金体系に向かっていくと思われ、基本的にその方向に進むことが望ましい。
  • 細かい点であるが、資料3p12(4)最終行の表現について。「同工場の稼働の状況等を踏まえた」との表現は、内容的には問題ないだろうが、ここで言っているのは事前の見積もりと事後の実績の差が大きいか小さいかという次元の話で、物的な作業進捗状況が計画通り行くかどうかという話ではないはず。「稼働の状況」という表現は若干ミスリードするのではないか。例えば、フル稼働する予定の施設が半分しか稼働していないので見積もりが違っていたということではなく、コストの計画値と実績値の差が大きいかどうかの話だと思うので、可能であれば分かりやすく修正して頂きたい。
  • 料金メニューの見直すべき点の有無について。(電力会社に)問い合わせをすると親切に教えてくれるが、自分達の電気使用量の状況に合った有効な料金メニューを探しきれない業態も多い。業界内で勉強会を行う必要があり、協力をお願いしたい。コンビニエンスストアについては、電気自動車の普及に伴い、低炭素化に向けてサービスステーションとして充電機能の拡充を推進していくことも決議している。電気事業法上の問題もあると思われるが、このような点も確認していきたい。
  • 東京電力の場合、また他の電力会社でも私どもが知り得る限りでは、最も料金的に安くなるベストメニューでご提案しているはず。電気の使い方が変わっていくこともあるので、色々相談させていただきながら対応している。電力需要に対応できる設備量、設備コストが安くなる方式が、電気料金としても安くなるため、それを負荷平準化と称している。料金的なメリットを考えていただき、お客さまが負荷を動かしていただけるか、ということである。家庭のように負荷を動かしづらい分野もあるが、相談しながら今まで以上にやってまいりたい。
  • ヤードスティック査定において、スマートメーターを導入した場合、どの項目の費用になるのか。電源以外にかかる設備形成に入るのか。
  • スマートメーターの取り扱いについては決まっていないが、備品扱いとなれば、資産計上されるため電源以外の流通部門の変電・配電に入る。ただし、20万円から30万円以下といった備品以下の金額であれば消耗品扱いとなるため、その場合は一般経費に入る。
  • スマートメーターの価格が20万円、30万円を超えるかに依存するため、どちらに入るか分からないと理解した。仮に一般経費に入るとすると、設備形成において指摘している弊害と同じ問題が起きる。一生懸命スマートメーターを導入した事業者のコストが高くなって、低く評価されることがないようにお願いしたい。
  • 設備形成に関してヤードスティック査定から外すという結論は妥当だが、その理由と善後策について確認したい。ヤードスティック査定の方法が設備投資に対してディスインセンティブを与えているとすれば、そのような不味い方法を改め、設備投資のインセンティブを損なわないようにコントロールしながら算定するという方法もあり得るので、当然に外すべきだという提案には異議がある。一方で、認可プロセスを合理化して期間を短縮したいという大きなニーズがあるため、大きく仕組みを変えることで複雑になり、査定の期間が長くなると大きな流れに反することから、そのような対応はせず、現行の方法でディスインセンティブの弊害がある項目は除くという発想は良いこと。
  • 設備形成は色々な意味で一層重要になってくる。新エネルギーが大量に導入された場合、バックアップをどう対応するのかによって、大きくコストが変わる可能性も出てくることから、ある意味でヤードスティック査定のニーズが増えているという考え方すらできる。今後、デマンドサイドマネジメントを先進的に導入して設備費用を抑えた事業者と、漫然と火力発電所を維持した事業者とで、後者にお墨付きを与え、ノーチェックで料金に転嫁していくことを許して良いのかという問題が起きるため、査定のニーズ自身が減っているという訳ではない。ただし、そのようなチェックをヤードスティック査定で行うことが適切かどうかについては、ヤードスティック査定よりも、より効率性の高い一般経費のチェックに資源を集中して、(設備費用に関して)そのような問題があるとしても別の方法で対処する方が効率的だから、ヤードスティック査定に関しては一般経費に集中するという定義であれば、非常にリーズナブル。
  • 設備形成コストの妥当性についてしっかりチェックする必要があるというニーズが減っているというわけでは決してなく、代替的な手段を講ずべきである。ただし、ヤードスティック査定を使わないで、個別事情を勘案した査定を強化するという措置は、強化策にはならないと考える。その理由は、これまでヤードスティック査定の対象としてきた費用についても、ヤードスティック査定だけで査定していた訳ではなく、個別の査定も行っていたから。より重要性が高まったので、今までの個別の査定に力を入れるという事はあり得るが、今までの査定に付加されていたものではないため、長期的には何らかの対策を考える必要がある。その際には、設備形成であるので長期的な意思決定の問題であり、それを3~4ヶ月という短い時間で行う料金認可の手続きで扱うよりも、もっと長期的な視点で見た方が効率的にできるという点に留意すべき。例えば、3年から5年で行うある種の制度評価、市場評価の際に、重点的な項目として各社の設備形成が適切に行われているかについて評価し、大きな問題があれば対処し、こうした問題は評価の方に委任する発想で、設備形成をヤードスティック査定から外すのであれば前進である。チェックする必要性が小さくなったので、あるいは認可まで期間を短縮するために、他の利益を犠牲にしてまでヤードスティック査定から外してしまうということであれば、問題が大きいと思う。必要性は大きく残っており、何らかの形でチェックしていく必要があると認識した上での提案であれば賛成するが、そうでないとすると直ちに賛成することは難しい。
  • 個別の料金原価査定において重要なポイントで使用した減価償却費、修繕費を考慮する必要があるという点について全く認識は変わっていない。
  • ヤードスティック査定の見直しは、言葉を注意して言わなければならないが、ディスインセンティブにならないという言い方が適切。
  • 昔から公共料金の査定を行う審議に携わってきたが、政治がからむため、非常に審議に時間がかかる。今の国民は、電気、ガソリン価格が変動しても、色々な状況変化がおこって料金に反映することは当たり前だと理解しており、料金変動に慣れている。特に燃料費調整制度により料金が上下することは十分理解している。今回の制度変更により、認可期間を4ヶ月から2ヶ月に短縮するということは大変な方針転換だと思うし、大賛成である。
  • 今回制度変更があったとしても、自由化時代には電力会社は値下げ届出しか出してこないだろう、値上げのことなど心配することはないと役所は考えているのだと思う。しかし仮に原価上昇があった場合にはこのように対応するということをあらかじめ留意することとされている。これはどの程度先に、どういう事態で料金が上がることを想定しているのか。
  • 「大規模災害や燃料価格等の極端な上昇等が生じ、短期間で資金が不足するような特殊な事態が生じた場合には、値上げ認可申請を前提に、認可に至るまでの暫定措置として、それが使用者利益に合致する場合には、電気事業法21条但書きの特例認可も対象たり得る」とされている。先般東電は柏崎刈羽原子力発電所が震災により停止するという事態に見舞われたが、値上げということは全く考えなかったのか。役所からも「緊急事態なのだから我慢することなく値上げしてこい」と言われたことはなかったのか。
  • 柏崎刈羽原発停止時だが、電気料金の中では原子力は稼動することを前提として計算されているため、燃料が上昇したとしても全てを反映できないという点と、上限値の1.5倍を超えるという点の2つのマイナス面があり、値上げを考えなかったわけではない。しかしながら、緊急的なこともあり、またお客さまへの負担がないように歯を食いしばってがんばるという当時社長の思いもあり、値上げを行わずに対応したもの。
  • 何が正しく、何ができなかったのかは、現時点でお答えすることは難しく、回復途上にあるなかでは柏崎刈羽原発の問題を解消するよう、精一杯努力したい。
  • 電気事業者における自主的な定期的評価について。我々がホームページなどで直接確認できるかと思うが伺う。「規制料金の妥当性に関しては、説明の程度に各社間で大きな差異があるのが現状」とあるが、この差異はどの程度なのか。簡単に終えるところから相当詳細に説明されるところもあるということだと思うが、ある程度10社で共通の項目を設けていただきたい。
  • 共通の項目については、電気料金情報公開ガイドラインに書かれている。個別具体的に明記をしている。また、必要に応じて見直しを行っている。
  • 収支状況や利潤が発生したときの使い方、効率化努力など、電気事業者として色々と行っていることに定期的に目に触れていただけるよう、紙やホームページで公表している。我々としてはさらに理解していただけるよう、充実、強化していかなくてはならない。
  • 料金認可プロセスが4ヶ月から2ヶ月に短くなることは、消費者にとっては早く負担が増えることだが、遅らせればかえって金利などがプラスになってくるのでトータルで見れば早くなればなるほど良いのではないかと思っている。
  • 資料4では電気料金が安くなってきてはいるものの、国際比較をすると隣国の韓国はもっと安い。原子力に力を入れている点など韓国は日本と似ていているのだが、差があることにショックを受けており、電力会社にはもっと頑張ってもらわないといけないと感じている。
  • 電気事業者の情報公開の議論について、記載内容にやや驚きを感じている。以前から情報公開を重視して、その実現に向けガイドラインの策定などの取組みを行っていると思うが、当初は事業者の開示内容は横並びで「ガイドラインを作っておけば皆同じように料金の説明を行ってくれるだろう」という認識だったのではないか。実際は資料の記載のように「説明の程度に各社間で大きな差異がある」という状況となっているのでは、目論見が外れたことになる。そのような状況であれば、強制力のある形で最低限公表すべき事項を決めなくてはならない。伝えるべきものを越えた部分は各社の自主性に任せて良いが、もし最低限伝えるべきことも伝えていないのであれば問題。資料の表現の問題かもしれないが、楽観的に自主的な情報公開に期待することは疑問がある。
  • ガイドラインに望ましい行為としての記載があって、事業者が実施していないとなると、ガイドラインに強制力はないとしても、別の手段を論じることとなる。この資料に記載されている内容は、料金についての説明の記述の分量の問題や何故事業者が実施していないかの要因説明の詳しさの問題のことである。最低限伝えるべきことを越えた部分に関しては、それぞれの需要家の関心の程度に応じて、どの程度適切に説明しているかが重要である。この資料で「程度の差」と記載しているのは、その部分を詳細に開示している会社もあればそうではない会社もあり、後者に対しては情報を持っているのであればいずれ開示していただくようにするためである。
  • 自主的評価と定期的評価について。赤字の時の評価のあり方は難しい。電気事業者は状況をみて自主的な判断を行っており、「一時的な要因によるものか構造的な要因によるものかや、当該赤字の解消の見通しを中心に、評価を行い、その評価結果を公表することとしてはどうか」とあり、このあたりは慎重であるべき。電気の場合は、ガスと違って変更認可申請命令に結び付いていくので、そこに至る過程はかなり慎重であるべき。
  • 「自由化の進展等に伴う効率化の成果として、競争環境を制度的に創出するヤードスティック査定は有意義なもの」と述べられている。また、一方「自由化の進展、安定供給や環境対応といった政策的要請の高まりを踏まえ、査定の対象を見直すべきこと」と述べられている。その見直しを行う上で自由化領域における競争の促進のための環境整備について引き続き留意していただきたい。
  • 自由化については数度の制度改正による競争環境の整備もあり、段階的に進展しているものと思っている。現在のPPSの状況は、シェアも伸び悩み、地球温暖化問題でも原子力発電を持ち得ないために大変苦慮している。また昨年のように燃料費が急激に高騰すると収支が大幅に悪化するなど、ここ数年企業を取り巻く環境は大変厳しいものとなっている。そのため今回の行政関与の見直しにおいて、現在の制度が意義あるものとするならば、今後も自由化部門の効率化の成果が規制部門へ一定程度及ぶことが必要であり、引き続き一層の環境整備の検討を進めていただきたい。
  • 定期的評価について、記載内容に関して異論はない。説明程度の大きな差異については問題視している方もいるが、情報公開とはすべてを透明化すれば良いわけではなく、公開内容は実質的に公開側の自主性に任せるべき。その上で受け手である需要家の公開内容に対する不満や要望に対応する組織があってそれがきちんと周知されていれば良い。その点はきちんと実施されており、記載の内容も問題ない。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2009年5月15日
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