経済産業省
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計量行政審議会計量標準部会(平成20年度第1回)-議事録

日時:平成20年11月4日(火)14:00~16:00
場所:経済産業省別館11階1120共用会議室

出席者

今井部会長、石川委員(代理新畑氏)、江木委員、大井委員、杉山委員、瀬田委員、田所委員、田中委員、田畑委員、中村栄子委員、西田委員、長谷川委員、原田委員、本多委員、米原委員

議題

  1. 長さ:特定標準器の指定の取消し並びに特定標準器の指定及び校正等の実施
  2. 交直変換器:校正等の実施(範囲の拡大)
  3. 高周波インピーダンス:校正等の実施(範囲の拡大)
  4. 放射線(X線照射線量):校正等の実施(範囲の拡大)
  5. 放射線(β線吸収線量):特定標準器の指定及び校正等の実施
  6. 放射線(速中性子フルエンス):校正等の実施(範囲の拡大)
  7. 標準物質:値付けの実施(追加)

議事概要

事務局から前回部会で審議・決議された特定標準器の指定等については、平成20年5月15日に官報で公示済みである旨説明した。
また、審議会長から全委員が本部会に指名された旨説明があった。
今井部会長より、資料2について経済産業大臣から計量行政審議会会長への諮問及び計量行政審議会会長から計量標準部会長への付託がなされたので、審議をお願いしたい旨発言があった。
  1. 長さ 特定標準器の指定の取消し並びに特定標準器の指定及び校正等の実施
    参考資料1に基づき、(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門大嶋副研究部門長より説明。
  2. 交直変換器 校正等の実施(範囲の拡大)
    参考資料2に基づき、(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門電磁気計測科電気標準第1標準研究室藤木主任研究員より説明。
  3. 高周波インピーダンス 校正等の実施(範囲の拡大)
    参考資料3に基づき、(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門電磁波計測科高周波標準研究室堀部研究員より説明。
  4. X線照射線量 校正等の実施(範囲の拡大)
    参考資料4に基づき、(独)産業技術総合研究所企画本部黒澤企画主幹から説明。
  5. β線吸収線量 特定標準器の指定及び校正等の実施
    参考資料5に基づき、(独)産業技術総合研究所企画本部黒澤企画主幹から説明。
  6. 速中性子フルエンス 校正等の実施(範囲の拡大)
    参考資料6に基づき、(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門量子放射科放射能中性子標準研究室原野主任研究員から説明。
  7. 標準物質 値付けの実施(追加)
    参考資料7に基づき、(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門千葉副研究部門長から説明。

これらについて審議を行い、いずれの案件も異議なく承認された。主な質疑応答は以下のとおり。

1. 長さ:特定標準器の指定の取消し並びに特定標準器の指定及び校正等の実施

  • 大井委員
    今までの特定二次標準器である633ナノメートルのところはヘリウムネオンレーザ装置と書いてあるのに、新たに指定する532ナノメートルや1.5マイクロメートルの方はレーザを指定しなくて良いのか。これはYAGや色々なものを使うということか。ヘリウムネオンは使わないのか。
  • 大嶋副部門長
    532ナノメートルの方は基本的にはYAGレーザとYVO4レーザの2種類のことを意味している。それを意図してこういう書き方にしている。
  • 大井委員
    1.5マイクロメートルの方は半導体レーザか。固体レーザか。
  • 大嶋副部門長
    アセチレン、シアン化水素のどちらも半導体レーザである。
  • 田中委員
    新特定標準器として「協定世界時に同期した光コム装置」と書いており、図2の方では「協定世界時に同期した原子時計」という標準があるとなっているが、時間周波数の特定標準器のことをなぜ書かないのか。
    時間標準で使っているトップがこれの標準でもあるという表現でなければ、ユーザーの混乱を招いてしまうのではないか。
  • 今井部会長
    日本の国家標準につながるということなら特定して書いた方が良い。
    文言の問題なので、修文案が間に合えばこの部会の時間内に、間に合わなければ最終的に書面審議でご承認いただくということとしたい。
    専門用語についての質問であるが、「光コム」なのか、「光周波数コム」なのか、どちらが一般的なのか。
  • 大嶋副部門長
    光周波数コムの方が言葉としては良いと思う。
  • 大井委員
    意図しているものがどんなものかは分かるが、特定標準器としてはもっと明確に書いた方が良い。田中委員の発言にもあったように日本の時間標準とつながっているという書き方にした方が良いと思う。
  • 大嶋副部門長
    この部会の終わりまでに表現ぶりについて検討させていただく。
  • 今井部会長
    他の国で国家標準に光周波数コムを取り入れているところはどれくらいあるのか。
  • 大嶋副部門長
    例えばオーストラリアやカナダでは我々と同じような状況のようである。アメリカやドイツの国家標準の状況はよく分からないが、少なくとも光コムによる校正に切り替えていく方向にあることは間違いないと思う。

2. 交直変換器:校正等の実施(範囲の拡大)

  • 江木委員
    どうして10Hz以上と限定しているのか。
  • 藤木主任研究員
    国際的に見ても高精度の交流電圧・電流の発生器としては10Hz以上のものはなく、研究ベースで独自に開発された10Hz以下のものがあるだけである。
  • 江木委員
    周波数が正しく計れないから10Hz以上にしたということか。
  • 藤木主任研究員
    交直変換器の構造は交流と直流でのヒータ線の温度上昇を比較するようになっている。交流は電圧が変化するが、周波数が10Hz以下の低い場合、電圧の変化に伴って温度上昇がふらふらと追随してしまって精度良く計れなくなってしまうからである。
  • 田中委員
    図1で被校正器というのは箱の中に入っているところだけか、その下の電圧計までか。
  • 藤木主任研究員
    被校正器と呼ばれているものは交直変換器のみである。電圧計は特定標準器の一部である。2つ示しているが同じものである。
  • 田中委員
    付け替えるということか。
  • 藤木主任研究員
    そうである。この図は、被校正器部分だけを取り替えて校正事業者が持ってきた交直変換器を校正するという原理図も兼ねている。

3. 高周波インピーダンス:校正等の実施(範囲の拡大)

  • 杉山委員
    EMCの試験では9kHzから40MHzのインピーダンス標準の供給ニーズが最近強くなってきている。今後さらに周波数の低い部分の標準供給の予定はあるか。また、参考資料8のp.2でアンダーラインが引かれている高周波インピーダンスの反射及び伝送特性のところの不等号の向きは逆ではないか。
  • 堀部研究員
    9kHzからの要望は結構あり、依頼試験という形で30kHzからについては行っている。JCSS化するために現在9kHzからの独自の標準の開発を進めており、早ければ来年度あたりには確立できる見込みである。また、参考資料8の件はご指摘の通りであり、不等号と1の位置を反対にすべきであった。

4. X線照射線量:校正等の実施(範囲の拡大)

特に質疑なし

5. β線吸収線量:特定標準器の指定及び校正等の実施

  • 今井部会長
    3ページに外挿電離箱と電離箱式吸収線量計に関する条件が寸法とか校正常数の比といった実務的な形で規定されているが、もっと一般化できないのか。
  • 黒澤企画主幹
    β線というのは特殊で、かなり透過率の弱い線源を使っており、空気でも簡単に吸収されてしまうので、こういう定義が必要である。
  • 今井部会長
    外国の標準研でも同じようなやり方をしているのか。
  • 黒澤企画主幹
    そうである。
  • 大井委員
    2ページの5.(2)(b)に「組織等価材で構成され、」とあるが、何が構成されるのか。また、(c)に入射窓厚が1平方センチメートル当たりミリグラムと書かれているが、普通厚さは長さの単位を使わなければならないので日本語としてはこの書き方はおかしいのではないか。
  • 黒澤企画主幹
    外挿電離箱と電離箱式吸収線量計の両方に共通の主要構造材のすべてが構成されるということである。また、組織等価材として指定されている物質が何種類かあり、密度がそれぞれ違うので、それを考慮してこういう表記(厚さ×密度)にしている。
  • 今井部会長
    表現ぶりを工夫したらどうか。
  • 黒澤企画主幹
    専門家であればこの書き方でも間違いなく分かるが、一般にどう言われているか確認する。

【産総研に持ち帰り検討したところ、同様の表現(thickness)がこの分野の国際規格であるISO6980-2004でも用いられ、本参考資料と同等の単位表記であることから、この分野では誤解の可能性は無いと判断している。したがって、産総研としてはこのまま使わせて頂きたい。】

6. 速中性子フルエンス:校正等の実施(範囲の拡大)

  • 今井部会長
    3ページの5.(2)(d)(1)に各測定の統計不確かさとあるが、どういう意味か。他のところと違ってここだけこの表現を使っているのはなぜか。
  • 原野主任研究員
    統計的な要素だけで0.3%の不確かさを持つという意味である。
  • 今井部会長
    各測定の不確かさではだめなのか。
  • 原野主任研究員
    特有の表現だが、普通に使っている。

【産総研で持ち帰り検討し、以後技術指針などの表現において0.3%の統計不確かさという表現を用いる時には、同等の「各測定の計数が105以上」という表現を適宜加筆することにした。】

  • 江木委員
    中性子そのものでなく、ビームとなっているのであるから、1.背景に書かれている「中性子」は「中性子線」ではないのか。
  • 原野主任研究員
    X線、β線という並びからすると「中性子線」と書くのが正しいのかもしれないが、実際には「中性子」が使われている。

【産総研で持ち帰り検討し、中性子という表現が中性子標準や校正に関連する分野では定着しているため誤解の可能性は無いと判断している。したがって、産総研としてはこのまま使わせて頂きたい。】

7. 標準物質:値付けの実施(追加)

  • 今井部会長
    3ページの不確かさのバジェット表で、バナジウムでは合成された不確かさに対する寄与のほとんどを安定性が占めているのはなぜか。この元素としての特徴なのか、たまたまこうなったのか。
  • 千葉副部門長
    バナジウムは水酸基が付いた形をとりやすいので、酸性状態では他の元素より安定性が悪い。この元素としての特徴と理解していただいて良い。なお、参考資料7の1.背景の4行目と7行目の「周期律表」を「周期表」に直していただきたい。

再び 1. 長さについて

  • 大嶋副部門長
    特定するということで、内容的には「産総研が保管する協定世界時に同期した原子時計に同期した光コム装置」ということでいきたいが、他のものとの表現の横並びもあるのでもう少し検討させていただきたい。
  • 今井部会長
    それでは、中身についてはご了承いただいたので、表現ぶりについては、議事録で書面審議ということにさせていただく。

【その後産総研で持ち帰り検討したところ、新たに指定される特定標準器名として「光周波数コム装置」を用い、「協定世界時に同期した原子時計と光周波数コム装置であって、産総研が保管するもの」により特定二次標準器を校正するとして、表現を整理させて頂いた。】

その他

事務局から、本日決議頂いた特定標準器の指定及び校正等の実施について、告示を行う予定であることについて説明した。また、次回の計量標準部会については、来年2月頃の開催を予定している旨説明するとともに、引き続き委員皆様のご指導、ご協力をいただきたい旨発言があった。

以上

 
 
最終更新日:2009年1月20日
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