経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会(平成20年度第1回)-議事録

日時:平成20年10月30日(木)9時30分~11時00分
場所:経済産業省別館3階第4特別会議室

議事概要

  • 三橋地球環境技術室長

    時間になりましたので、本日のCCS研究会を始めたいと思います。

    昨年10月に研究会、一度、中間報告を取りまとめますまでに6回開催しまして、通算しますと、きょうが7回目ということですけれども、年度も新しいですし、検討する課題も新しくなっているということで、本日改めて第1回として今後の回数を重ねていくということで考えております。

    昨年、研究会報告書を取りまとめる前、ちょうど1年前、さらに1年前ということになりますので、2年前にCCS研究会を設置したわけですけれども、昨年10月に報告書を取りまとめるまで、そして、昨年、報告書を取りまとめてからきょうに至る1年の間にも、地球温暖化をめぐる状況といいますか、これに対する取り組み、そして私ども関係者、皆様、お集まりの人たちが直面している課題や取り組みの内容も大きく劇的に変わってきているところだと思います。そういった内容を踏まえて、今後の審議を進めていただければと思っております。

    このCCS研究会の座長は従来から茅先生にお願いしておりまして、引き続き、その座長を続けていただくことをお願いしたいと思っております。

    それでは、茅先生に議事進行をと思います。

座長あいさつ

  • 茅座長

    おはようございます。茅でございます。

    このCCSの研究会、再開ということでございますが、現在CCSに対する関心は非常にふえております。来月16日からワシントンで開きますGHGT9は当初、1000に近い応募があったということで、いかにCCSに対して世界じゅうでの関心が大きいかということをよくあらわしていると思います。

    ここでは、CCSのいろんな側面について、これから少し詰めるということでワーキング・グループも設置されることになると思いますが、皆様方からもいろいろ御意見をいただいて、よろしく進めていきたいと思います。

    どうぞよろしくお願いいたします。

本研究会の公開について

  • 茅座長

    本日の議題に入る前に、この委員会の公開ということだけ、お諮りしておきます。これは資料3ですね。

  • 三橋地球環境技術室長

    事務局から、まず資料全体の確認をさせていただきます。表紙に配付資料一覧というものが書いてございまして、順番に資料1から資料5ということで、資料1に議事次第、資料2に本委員会の名簿、資料3に公開について、そして資料4。きょうの最も主要な審議事項ということで、本研究会の再開についてということで、その検討の内容について触れたペーパーを入れてございます。資料5として、昨年以降のCCSをめぐります国内外の動向をまとめた資料、特に諸外国については規制面に少し着目した資料を用意してございます。もしお手元の資料に不備がございましたら、挙手いただければ事務局のほうですぐ取りかえさせていただきます。よろしいでしょうか。

    続きまして、研究会の公開について、資料3に基づき御説明をさせていただきます。資料3の内容は、この研究会を初めて開催いたしました2年前にも、ちょうど同じ10月30日に皆様にお配りしたものと同じでございます。

    研究会開催の公開に対する考え方は、原則として公開するとして、その議事録は1カ月以内に作成して公表するということ、さらに簡単な議事要旨についても、できる限り早く、約1週間をめどに作成して公開することを考えております。配付資料についても原則として公開、そして、傍聴については会議上あるいは全体の進行に問題がない範囲内で傍聴を可能とする進行としたいと思います。

    それから、研究会開催の日程も毎回、委員の方々と調整させていただいて、事前に御連絡が行くように、また経済産業省のホームページを通じて傍聴可能な方にも伝わるようにしたいと考えております。

    それから、将来、内容によりましては非公開の審議が必要であるような内容が発生する可能性も否定できませんので、そういった個別の事情には座長の御判断をいただいて、内容を非公開にする、しないということの判断をしていくということを考えております。

    以上が事務局の考え方でございます。もし御意見等ありましたら、お願いいたします。

  • 茅座長

    よろしいでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

  • 茅座長

    それでは、そういうことで進めさせていただきます。

新任委員の紹介

  • 茅座長

    この研究会、再開に当たりまして、3人ほど新しく委員になっていただいておりますので、簡単にお一人ずつ自己紹介をお願いしたいと思います。新しい委員は東京大学の佐藤教授、日本CCS調査株式会社の関根部長、それから東京大学の松橋教授の3人でございます。

    佐藤教授からお願いいたします。

  • 佐藤委員

    東京大学の工学系研究科の佐藤でございます。

    私、CCSのSの部分が専門です。今まで岩野原の実証試験等々にかかわっておりました。現場でいろんな知見を得ることができましたので、こういう会でそのあたりのことを還元できればと思っております。よろしくお願いいたします。

  • 茅座長

    関根さん。

  • 関根委員

    日本CCS株式会社の関根でございます。

    後ほど御紹介があると思いますけれども、弊社はオールジャパンの民間企業連合でございまして、ただいま29社ですけれども、今後さらに増加する見込みでございます。社長の石井を初めとして、株主あるいは社員一同、一丸となってCCSの実現と普及に努力していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

  • 茅座長

    松橋委員。

  • 松橋委員

    東京大学の松橋と申します。

    私はエネルギーシステムと地球温暖化対策の評価・研究全般を20年ほど続けてまいりまして、このCCSに関してもかなり以前からシステム的な評価等をやってまいりました。そういった側面から本委員会に少しでもお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

委員紹介

  • 茅座長

    今回、この委員会、再開ということで、しばらく間があいたこともございますので、事務局から委員の紹介をお願いしたいと思います。

  • 三橋地球環境技術室長

    資料2に委員の名簿がございます。順番に一言ずつごあいさついただいて、委員の御紹介にかえさせていただきたいと思います。

    産業技術総合研究所から赤井委員に御参画いただいています。

  • 赤井委員

    産総研の赤井でございます。引き続きの委員ということで、私もいろいろ興味を持っているあたりが審議されるようですので、精いっぱいお役に立つように努力したいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 三橋地球環境技術室長

    引き続きまして、飯嶋委員、お願いします。

  • 飯嶋委員

    三菱重工の飯嶋と申します。前回に引き続き委員をさせていただきます。

    最近、欧米で、特にCCSの大型プロジェクトが動くような動きがあります。我が国も欧米と肩を並べるなり、欧米に先んじるようにできればと思っております。よろしくお願いします。

  • 大野委員代理(市川)

    JOGMECの市川と申します。委員の大野の代理でまいっております。よろしくお願いいたします。

  • 福島委員

    電気事業連合会技術開発部の福島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 村井委員

    RITEの村井でございます。よろしくお願いします。

  • 山口委員

    東京大学の山口です。経済学をやっておりまして、採算性だとか、リスクという側面で、もしかしたらお役に立つかと思っております。

  • 山田委員

    新日鉄・山田でございます。鉄鋼連盟及び経団連で地球温暖化対策関係の座長をしております。よろしくお願いします。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

本研究会の開催趣旨について

  • 茅座長

    本日の議題ということで、まず本研究会の再開の趣旨と今後の進め方について、事務局から説明をお願いします。

  • 三橋地球環境技術室長

    それでは、資料4に基づきまして、今般のCCS研究会の再開の趣旨と、その検討の内容について、TORを案としてまとめてございますので、委員に審議いただく前に事務局より、その内容について説明いたします。

    資料4。今回の再開に当たって、昨年以降、特に10月に報告書を取りまとめて以降の動きを最初の1ページ目、主に触れてございますが、そこから順番に御紹介します。

    既に皆様は十分御案内だと思いますが、2050年に現状レベルから温暖化、温室効果ガスの排出量を半減するという安倍元総理の「美しい星50」の提案の内容を受けて、昨年8月からことしの3月に至るまでの期間、検討を進めまして、「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」の取りまとめが進められてきました。この中でもCCSは重点を置くべき重要な技術の21個の中の一つという形で大変大きくハイライトされております。

    さらに、近いところになりますと、本年は日本がG8の議長国を務めているわけですが、特に関連する会合として、6月に青森でエネルギー大臣会合、7月に洞爺湖で、御案内のとおりサミットそのものが開催されたわけです。そのサミットの首脳宣言の中で、このCCSについて大変力強いメッセージが入っております。この中身は20の大規模なCCSの実証プロジェクトが開始されることを強く支持するという内容でございまして、CSLFにおきます検討の結果といいますか、そのサゼスチョンを強くエンドースする内容になっております。

    さらに、サミットを終了しました後に、福田ビジョンをさらに具体化して行動するための低炭素社会づくり行動計画が本年7月29日に閣議決定されています。この内容は、主として排出権取引の試行的実施などが非常に強くハイライトされておりますが、内容をごらんいただくと、このCCSについても非常に強い記述がございます。すなわち、2009年度以降早期に大規模な実証に着手するということが具体的に書かれております。そして、2020年での実用化を目指すということになっております。

    こういった状況で風が強く吹いているというのがCCS推進の側面からごらんいただけますが、一方で、安全面、環境面での制度整備が内容的に十分でないというよりは、各所で検討が進められていて、全体について長期的な視点あるいは責任の分担といったところで予見性が十分でないということが言えるということなどを背景として、CCSの事業化がどんどんマーケットの力によって進むというよりは、一歩手前であるというのが我々の現状認識でございます。

    こういった状況の中で、2ページ目に書いてございますのは国際的な議論の動きでございます。少し前になりますと、本年の2月にロンドン条約の96年議定書が発効しておりまして、海底下でのCO2の貯留の可能性が、締約国の許認可のもとで例外的に実施が認められる枠組みが整備されております。

    これを受けた形で、日本国内でも海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律、すなわち海防法の一部改正が昨年、通常国会で成立しております。これによりまして、日本でも環境大臣の許可を得て海底下地層への二酸化炭素貯留ができるようになりました。この部分については、昨年の10月のCCS研究会でも報告をさせていただいております。

    その後、非常に大きいところでは1月、ことしに入ってから、欧州委員会がCCS指令の案を発表しております。これは温暖化のパッケージということで、排出権取引指令や再生可能エネルギーの指令などとあわせたパッケージの一角をなすものでございます。現在、欧州の共同決定の手続に基づいて議会と理事会の双方で審議が進められております。

    御案内のとおり、欧州は多様な国といいますか、27カ国のそれぞれの文化と背景がある国が合意する一つの法律といいますか、ルールになりますので、それの普遍化は非常に力があるものでございます。当然、国際的にも影響を与え得るものになると我々は考えております。今後、EUの法制度の整備とあわせて、世界的にCCSを実施するためのルール、環境整備が加速化するというのが我々の考えているところでございます。

    そうした状況の中で、我々として、日本としてどうするべきかということについて、必要な分野で我々としてリーダーシップを発揮する、あるいは我々として非常に都合のいい意見を言っていく、あるいは将来の世界のスタンダードを取っていくといったようなあらゆる視点がございますが、そういったあらゆる視点を視野に入れて、我々として、今般、CCS研究会を再開して、(3)に大きく2つ書いてございますけれども、今後、CCSを実施するに当たって候補地がどのような地質あるいは地層上の条件を整えておくべきなのか、これは候補地の選定に非常に役立つものということでございます。

    それから、その事業を実施するに当たって安全面あるいは環境面においてどういった内容についてあらかじめ検討しておくべきかということについての検討を、このCCS研究会の場を活用して実施していきたいということでございます。その際、守るべき指針を形として最終的に取りまとめるような方向で検討を進めたいと思っております。

    指針というのであれば、その骨格あるいは内容はどういうものになるのかというところが関心の向きになるかと思いますので、御紹介する趣旨で2.書いてございます。決して、これですべてだと申し上げる趣旨はございませんで、議論によって、さらに重点を置くべきところ、むしろこのような議論は後回しでよいということであれば、そういったことも踏まえて議論を進めていきたいと思っております。全体は大きく(1)(2)(3)から構成しています。

    1つは候補地が備えるべき地質の条件、そして候補地の検討あるいは選定に当たって必要な情報収集ということでございます。その内容には貯留のキャパシティもありますし、地質構造として二酸化炭素がとどまるということ、あるいは圧入に耐え得ると、一定の圧入の条件に耐え得るといったようなことも検討の要素として入ってきますでしょうし、近くの排出源との関係での二酸化炭素の回収あるいは輸送。内容によっては、コストといったようなことも当然、選定に際しては検討材料になりますが、ここでは特に安全面、環境面でございますので、どういったことを条件として回収・輸送することをもって、そこでよいとするか。

    そして、特に地質面あるいは地質構造にかかわるところで関連するデータの収集として、あらかじめ必要とするというもの、あるいは実際に一定の候補地として選定を受けた上で、掘削などを通じて追加的に得るべき情報にどういうものを設定するかといったようなことを検討の材料とすべきかなと思っております。

    3ページに進んでいただきますと、実際にCCSを実施する前に調査を行うということで、詳細な物理的な検証・検査が必要になってくると思いますが、そういった内容として、どういうものを求めるか、どのような手法によってデータの取得をすることを条件として求めるかということもあわせて検討の材料になってくると考えております。

    そして、2つ目でございます。実際に施設を建設すると。例えば圧入施設あるいは輸送のために施設を設置する場合などを念頭に置いております。そういった施設の設置に当たっての安全性の確保も視野に入ってくるということでございます。それは計画、そしてその計画における安全性の確保というのが当然のことでございますけれども、近年、非常に広くうたわれております周辺環境に及ぼす影響といったものについて配慮するという視点に立ったときに、どういったことをきちんと対応するべきかということについても検討のスコープに入れていくべきというふうに考えております。

    そして、実際にCCSを行うという段階を(3)から書いてございます。まず圧入井を掘削するということに入るわけですけれども、圧入井の掘削に当たっての安全性といいますか、壊れていかない、あるいは腐食していかないといったような意味での安全基準あるいは掘削による環境影響の評価といったことも検討の視野に入ります。さらに、圧入して貯留するという段階に入りますと、圧入に際しての例えば圧力の限界あるいは、圧力の限界を決定するに当たって事前にとるべき試験の内容、その結果としての環境影響あるいは坑井の腐食状況あるいは、その中での二酸化炭素の浸透といったようなことについての途中段階での検証といいますか、試験なども含めて、どういったことをやっていくべきかというのも検討の視野に入ってくるということでございます。

    それから、ロンドン条約で実際に規定されておりまして、国内法の規定において一つ議論がありますし、既に日本国内では海防法のもとで規定化されております圧入する二酸化炭素の濃度も一つのテーマであろうかと思っております。

    これは分離・回収の手法とも連動してきますが、どういったことをもって条約の条件、すなわちロンドン条約で求められています二酸化炭素が大宗を占めるガスといいますか、そのガスについて定量的あるいは定性的にどういった基準が置かれるということが実施上、必要であるかということ。その他、このガスが満たすべき条件があるかないかといった、ある場合にはその内容が何であるかといったようなことも検討対象になってくるのかなと思っております。

    それから、非常に大きいところでは、4番目、5番目がございます。貯留を開始しますと、貯留した二酸化炭素の挙動についてモニタリングを行うというのがこの分野でのルールになっております。このモニタリングの内容、すなわち計画と書いてございますけれども、どういったところにモニタリングのための関連の検知器などを設置するか、あるいはモニタリングの頻度をどのように行うか、実際の物理的な検証を行うということとあわせて、モデルを設定してシミュレーションを行うこととの関係をどのように設定するかということ、これはモニタリングの方法とモデルのつくり方とあわせた内容になって計画というものをなすことになりますが、そのやり方についても検討の対象とすべきというふうに考えております。

    5番目として、諸外国の規定あるいは日本国内の海防法にも既に規定がございますが、万が一ということで、異常な状態が発生した場合、この異常というのは圧入したCO2の漏洩のおそれがある場合、あるいは実際に漏洩が起きた場合に取るべき措置ということで、緩和措置あるいは是正措置、あるいはコレクティブアクションなどと書かれておりますが、こういった場合に、漏れているところの場所を見つけてシールするといったようなことを含めた、取るべき措置の内容としての基本パッケージといいますか、こういったこと、あるいは最低限の措置の内容、その際の財政的なことは検討上の俎上に乗ってくるのかなと思っております。

    そして、項目としては6番目として、プロセスとしては最後になるんですけれども、坑井圧入を貯留量とあわせて一定のところまで貯留を行った後に坑井を閉鎖することになるわけですが、この閉鎖に当たって、どういう基準のもとで閉鎖をしてもらうか。そして、その後の貯留したCO2の挙動について、あるいは安全性確保のために当たって、どういう体制をとって、その責任の分担はどういうものにしていくかということも、検討の視野に入ってくるのかなと思っております。

    これは非常に難しい課題がございまして、長期的に、例えば2020年、2030年に実用化していくということを念頭に、私どもはキックオフとして検討していくものでございますので、将来、順次その内容がディベロップしていく性質のところはあるかと思いますけれども、何と言いましても、来年度以降、早期に実証に着手するに当たって心得としてどういう形で実施するかというところをしっかりまとめていくということ、足元を求められているという視点に立って検討したいということでございます。

    そして、少し毛色が変わりますが、ページめくっていただきますと、4ページ目、(4)ということで、我々としてどういう安全基準のもと、あるいはどういう環境配慮のもと取り組むかということもございますけれども、諸外国でどういう規制をどの程度やっているかというのは、一つの基準あるいはメルクマールになると考えております。アメリカやEUといったような、実際にルールの制定が進んでいるところももちろんですけれども、実際にはEORという形で既存の法律を有効活用あるいは制度が整備されている前提で石油あるいは天然ガスの増産回収をやっている際に守られているルールというのも参照していくことが必要なのかなと考えております。

    それから、同じように関連法という視点に立ちますと、国内にも関連する法規がございます。先ほど触れております海防法はもちろん、海底下貯留の場合の軸になるものでございますけれども、鉱業法あるいは鉱山保安法、そしてパイプラインでCO2を輸送するようなケース、CO2を圧入するケースなどには高圧ガス保安法なども関連してくる可能性があるということで、こういったものの遵守すべき法律の内容を、こういった検討の場を通じて明らかにして、予見性を高めるということ自身も今後の事業推進あるいは実施者の検討に当たって非常に有用になるものであると考えておりまして、こういったことの整理、そして対外的に公表できるものという形にしていきたいと考えております。

    そして、3.に検討の体制ということで書かせていただいております。現在開催しておりますCCS研究会のもとにワーキング・グループを2つ設置したいと考えております。1つが安全基準検討ワーキング・グループ、2つ目が長期的な安全性確保検討ワーキング・グループということです。

    少しわかりにくいんですけれども、主として、CCSのプロセスで検討すべき論点、2ページ目から3ページ目にわたって書いておりますが、事務局のアイデアといたしましては、この検討の地質構造と施設設置にかかわる圧入に入る前まで、(1)と(2)を主として安全基準検討ワーキング・グループで、そして、実際に圧入する坑井の掘削から入ります(3)以降のプロセスについて、長期的な安全性確保の検討ワーキング・グループという役割分担をしたいと考えております。分担の量の是非あるいは適正は議論が難しいところはありますが、ここは一つのマンデートという形でワーキング・グループに与えてはどうかなというのが事務局の基本的な考え方でございます。

    最後に検討の進め方を触れております。今回、30日に第1回の研究会を開催しておりますが、今後ワーキング・グループにおいて集中的に議論を進めていく、あるいはストックテークと情報の分析をするという形で成果をまとめるべく努力しまして、ここにお集まりの委員の皆様には節目で可能な報告をさせていただいて、取りまとめの段階で再度、あるいは事前段階でという形で、この研究会の開催をしたいと考えております。

    最後に別添で、このワーキング・グループ2つでございますけれども、もう既に事務局で委員候補の方に接触をさせていただいております。委員の案という形で、先生のお名前を実際に書かせていただいております。

    本日、新規に加わっていただいた3名の委員のうち、お二人については、1つ目の安全基準のワーキング・グループ、そして長期的な安全性確保のワーキング・グループから、それぞれ代表する形で松岡先生と佐藤先生に加わっていただいているという考え方でございます。

    以上でございます。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

    今の説明に対して、委員から御意見、御質問をお願いしたいと思います。御意見、御質問がある方は札を立てていただけますか。目の前に名札がありますので、それを立てていただくと、よくわかると思います。

    飯嶋さん。

  • 飯嶋委員

    一つ確認なんですけれども、この研究会の目的はCCSの安全性にフォーカスした研究会であるという理解でよろしいでしょうか。

  • 三橋地球環境技術室長

    そのように考えていただければと思います。特に来年度以降早期に実証に着手するために、現在のルールを整理しまして、あるいは足りないところについてはどういうルールのもと、規範のもと行うかということを明らかにできればと思っています。

  • 茅座長

    よろしいですか。

    佐藤委員。

  • 佐藤委員

    ちょっと細かく具体的なことで恐縮ですけれども、今の御説明、3ページ目の一番下の坑井の閉鎖に当たってどうのこうのの最後の責任主体のあり方です。それぞれのワーキングの代表だと言われたのでお話したほうがいいかなと思ってあれするんですけれども、責任主体のあり方って、私自身は一番難しいところなんだろうなと思います。

    それで、ワーキングの2のほうからも、技術的なとか、貯留のことを考えるとか、モニタリングのことを考えて、技術的に言うと、責任主体というのは、これぐらいの期間で、こういうふうにするほうがいいですねというお話はできるかと思うんですけれども、同時に、片方の基準のほうのワーキングでも、技術的なこととは切り離して、ある側面から言うと、責任主体というのはこうこう、こういうような期間で、こういうふうにあるべきではないかというお考えがあるかと思うんですね。

    ここは、ワーキング両方で、それぞれの立場で考えてみて、突き合わせてみるというほうがよろしいんじゃないかと思うんです。

  • 三橋地球環境技術室長

    きょう審議でいただいた意見、ワーキング・グループ合同会合を間もなく開催する予定ですので、実際に伝えまして、資料にまとめた形で本日いただいた委員の意見を具体的に書きまして、ワーキング・グループの検討に当たって、上位の研究会からの指示という形でメッセージを明確に伝えたいと思います。

    御指摘の責任主体のあり方のところを若干補足させていただきます。既に海防法で事業者側の責任がしっかり規定されているんですけれども、一方で、改めてこういった問題提起をする理由は、既に法規があるので、現状で法律を遵守することは当然ですけれども、今回、EUが発表しました指令案を見ますと、貯留の安定性と漏れがないことをしっかり挙証して、その手続を経ることによって、その後の責任を加盟国の当局といいますか、コンピテント・オーソリティと書かれている許認可を与えている当局に責任をトランスファーする手続が規定されているというのもありまして、そういったところから学べる要素というのはあるのかなと思いますので、せっかくお集まりいただいている委員の御専門にあわせて、そういったことの可能性とか、法律を改正するのは容易でないことはもちろんですし、大変難しい問題であることが前提ですけれども、議論するのはオープンに、一つ大きな課題でもありますし、このCCSを進めていく、事業化を進めていく上で、責任が事業者側に永遠にあるということは一つのネックである可能性もあると事務局として考えておりますので、題材としてあえて取り上げているということでございます。

  • 茅座長

    よろしゅうございますか。

    福島さん。

  • 福島委員

    先ほどのワーキング1と2の検討事項でございますが、先ほどのお話で、安全基準検討ワーキングで(1)及び(2)ということでございましたが、どちらかといえば、(3)の中の(1)から(3)あたりですね、こういったところも実際の施行に関する部分がございますので、そういったところに関しては、ワーキング1の部分にかなり関係が強いところかなと思います。ワーキング2のほうでも、きちんと施行された上で長期的な安全性を確保されるということは検討していくべきだと思いますが、どちらかといえば、そういった観点からいえば、両者で検討すべきところではないかと思います。

  • 茅座長

    関根委員。

  • 関根委員

    先ほど三橋室長からの御説明と若干重複するかもしれませんけれども、我々事業者とすれば、安全性はマストでやらなければならないということに、それは当然のことなんですが、過剰な安全性の確保ということになりますと、それはコストに響いてきますので、結果的には無駄なコストも出てくる可能性もございます。特に(3)(4)(6)は考え方によって相当変わってくるという面を持っておりますので、この辺についてはきっちり議論していただきたいなと思っております。

    それから、(5)でございます。この辺につきましては、CO2の特徴を十分考慮した上で考えていただきたい。CO2というのは、国内法では特に規定がされておりませんので、その辺の運用なり、究極的には法律改正なりをするときに、CO2の特徴を十分考えていただきたいなと思っております。

  • 茅座長

    今の福島、関根両委員に対して、三橋さん、何かありますか。

  • 三橋地球環境技術室長

    もちろん委員の御指摘のとおりだと思います。特にこの議題、(2)で切るということを私、形式的に申し上げましたが、福島委員の御指摘の重複部分については、私ども認識しておりまして、ワーキング・グループ、場合によっては合同開催、委員の出入りは、ある意味自由といいますか、テーマに応じては、相互に議論に参画してもらうようなセッションの設定の仕方を考えております。

    あるいは、過度に片方のワーキング・グループの作業が非常に多いような場合の進行の仕方についても、随時対応して、開催の頻度を上げる、あるいは作業のタスクの分担を変えるとか、柔軟性を持たせたいと思っております。

    それから、関根委員から御指摘のありましたCO2の特徴を十分とらえるということで、例えば他のいろいろ議論があります地層に処分するものと同じような議論とは性質が違う、もともと大気に放出されているものという考え方は当然ございますので、CO2の特徴を十分配慮して、事業者が実際にやれる可能性をそぐことのない最適な安全ルールを追求したいと思います。

  • 茅座長

    赤井委員。

  • 赤井委員

    こういう検討は大変結構だと思うんですけれども、私もいろんなところへ出させていただいていますと、これに関係する検討は、既に先行しているものはRITEさんでもかなりやられていますし、JOGMECさんでもいろいろ検討されています。それから、前回のCCS研究会の課題をそのまま受けて、幾つかの部分については、例えばEU指令なんかは相当詳しい分析等もやられております。

    そういった情報をワーキングの方々にお与えして検討いただくのか、それともゼロから検討いただくのか、その辺によってもアプローチが違うような気がしますけれども、スピード感を考えると、今までの情報を周知いただいて、その上に付加価値をつけていただくのがいいのかなと思っております。

    ワーキングの委員の方々のリストを見ますと、佐藤先生とか、村井さんとか、いろんなところの情報をお持ちの方は既にいらっしゃるんですけれども、ほかの委員の方々で必ずしもそういう情報を持っていらっしゃらない方がいらっしゃるので、そのあたりの工夫というか、運営というか、そのあたりを御考慮いただければと思います。

  • 茅座長

    山口さん。

  • 山口委員

    1つは赤井さんが言われたことと同じなんですけれども、これは政府の委員会で、その下にワーキング・グループが2つあるわけです。ほかに、こういう形でなくて、経済省がかんでいる委員会で、ほぼ同じことをやっているところがあるわけですね。そことの関係がどうか。全部がダブッているわけじゃないんですけれども、赤井さんが言われたのは同じことだと思うんですね。ですから、そこでの検討と相当ダブルなというのが1つです。その関係を教えていただきたい。

    2番目は、これは全くの情報ですけれども、IPCCで第5次報告がこれから始まるわけですけれども、そこでワーキング・グループ3、ミチゲーションですね、ここに経済学者がコーチェアで入ることになって、そこに入ったのがオットマー・エデンホファーというポツダム・インスティテュートの経済学者なんですけれども、彼はCCSの経済のほうにも造詣が深く、論文もいっぱい書いています。したがって、IPCCでは、CCSの問題ですね、第5次報告としてはかなり出てくるかなと。これは単なる情報です。

    そして、3つ目ですけれども、私の立場から見ると、安全性というのは逆に言うとリスクの問題なんですね。さっきもお話がありましたが、今まで何となく安全性、危ないということだけですけれども、どの程度なのかという。要するに、どういうリスクがどの程度かということがわからないと、その対策の打ちようもない。コストも当然違うわけです。

    その点について、今わかっていることはまだ少ないと思いますので、これを通じて、早目に少しずつわかる形で共有していければなというふうに思います。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

    今の赤井さんと山口さんの御意見、もっともだと思います。

  • 三橋地球環境技術室長

    御指摘は、既に関係の機関で蓄積されている情報もございますし、現在、私どもから産業技術総合研究所への委託を通じて検討している内容、例えば事業者へのインセンティブの付与とか、そういったことも含めて議論しています。

    ここで最初に申し上げたいのは、確かに非常に期間が狭く時間が限られておりますので、皆様が既にお持ちで、あるいは既に私どもが手元で、これまでいろんな形で集めてきたものはアップデートした形でシェアする、あるいはストックテークするという最初のセッションをしっかりセットしまして、まず情報をシェアして、そこにある意味、統一性というか、今回提案しました検討すべき論点の項目に応じて項目を抽出して整理するということをきっちりやっていきたいと思っております。

    JOGMECさんとかRITEの中で行われている検討も、私どもとして十分収集して有効に活用して、相互に補完するような形で進めたいと思います。

  • 茅座長

    ここに書いてあるワーキング・グループで議論する論点で不足なものとか、もっとこういう面をやるべきだという御意見もおありでしたら、どうぞ。

    松橋、村井両委員はワーキング・グループのメンバーでもあるんですが、今から注文しておかないと危ないんじゃないですか。

    村井委員。

  • 村井委員

    1と2の二つのワーキングに分けるというのは非常に難しいことだと思うんです。先ほど三橋さんが、委員は出入り自由とおっしゃったんですけれども、RITEとしては、もう少し長期的な安全性確保のほうも基礎的研究として進めたいと思っていますので、もうちょっと御協力できたらなと思っているところです。

  • 茅座長

    松橋委員。

  • 松橋委員

    ワーキング・グループ1のほうですと、例えば(1)(2)ということで候補地が備えるべき条件とか、それに附随して安全性の問題も検討しなければならないと思いますが、システム的な点から申しますと、候補地、そしてCO2をどの排出源から回収・貯留していくか、どこの地下のどういったところに貯留していくかと。これがトータルシステムとして見たときに、実証ということを念頭に置きますと、全体としての経済性とか、そういったことが出てまいりまして、そこにもし将来、実現ということを考えますと、一定の経済性がなければいけない。それが他のCO2の削減策と比べても、それなりに競合でき得る経済性を備えていなければいけないと思いますが、それと安全性のトレードオフですね。

    そうしますと、これが二酸化炭素の濃度の問題になってきて、こちらはワーキング・グループ2のほうの守備範囲ということだと伺いましたが、ここを極度に純度の高いCO2ということが要求されますと、回収のほうでエネルギーとコストを要することになって、トータルシステムとして経済性を考えたときに、他のオプションと比較して魅力のないものになってしまう。

    ですから、その辺をトータルで考えますと、ワーキング・グループ1とワーキング・グループ2の情報の連携をうまく取りつつ、そこの経済性と安全性のトレードオフも念頭に置いた形で検討を進めなければいけない。非常に難しい課題かなと思っておりますが、その辺をどうしたらいいのかということを考えております。

  • 茅座長

    山田委員。

  • 山田委員

    実証実験の開始に当たって、こういう基準を整備するというのは極めて重要なことだと思うんですけれども、先ほどCCS調査会社ですか、今後、実証実験をやるときに、民間主体の会社でやるような印象を受けているんですけれども、今まで出た安全性とコストの問題だとか、そういうことと絡んできますと、そもそも民間の知恵を出して効果的にやる、合理的にやっていく、効率的にやっていくというものと、必ずしもそういった状況になっていない部分があるわけで、国とこういった会社の役割分担だとか責任範囲だとか、安全基準の問題が中心になるんでしょうけれども、それ以前にもっと大枠でそういうところをしっかり議論しておかないと、さっきも言われたように、最後の責任が実行主体に全部来るんだみたいな話になって、とんでもないことになりかねないような気もするんですね。

    だから、これだけでいいのかなということについては、ワーキングの委員の先生も含めて議論していただければいいんじゃないかなという気がしています。

  • 茅座長

    関根さん。

  • 関根委員

    松橋先生や山田委員のお話もごもっともな話で、我々も同じようなことを考えています。

    CCSを論じるときに、えてしてCCS一くくりで議論されているということがございますので、貯留側的に言いましても、例えば生産の終了油田あるいはガス田あるいは生産中の油田のEOR、あるいはカテゴリーAの帯水層やカテゴリーBの帯水層に入れることによって、技術的にかなり違うということがございますので、その辺はきちんと議論していただきたい。

    単純に言えば、生産が終了している油田、ガス田については地下の圧力が下がっておりますし、EORは出して入れるということですし、帯水層は圧力を加えるということですね。ですから、それぞれ観点が違うなというところもございまして、それにあわせて技術も違うし、コストも違うということでございます。その辺は正確な情報で正確に皆さんに知っていただくということが大事なのではないのかなと思っております。

    それから、海外においても類似のことなんですが、例えばスレープナー、スノービットやインサラはガス田からの随伴ガスでございます。M1は石炭ガス化プラント、近々行われるカライドのプロジェクトなんかは酸素燃焼プロジェクトということで、それぞれ技術的に相当違うという部分がございますので、それによってコストも違うし、安全の確保の仕方も違うということで、その辺は十把一からげといいますか、一くくりにして話をするのはいかがなものかなと思っておりますので、実際の事業を進めるに当たっては、その辺、かなり厳密に対処していかないといけないと思っております。

  • 茅座長

    福島さん。

  • 福島委員

    1点だけお願いしたいと思います。

    先ほどから、安全基準とかリスク、経済性というお話がありましたが、国のほうで目指されている大規模実証試験が、まさしくCCSの実現性を評価していくための試験になってくると思います。大規模実証試験の中で、実用化に向けたCCSの安全基準であるとか、実現性、経済性を評価していくということが大きな目的になってくると思いますので、まず実証試験を進めるための枠組みづくりを優先してやっていくことが大事だと思います。

    将来的には法体系の整備も必要になってくるかと思いますが、実証試験を踏まえてという判断もあるのではないかと思いますので、そういった観点から御検討いただければと思います。

  • 茅座長

    飯嶋さん。

  • 飯嶋委員

    いずれワーキングでまとめていただけると思うんですけれども、1つはモニタリングです。岩野原で行ったのは地中での挙動をモニタリングしているけれども、境界面としてはモニタリングされていないんじゃないかなと思うんです。最終的には境界面で入れる前と後で変わっていないということもある程度必要になるんじゃないか。そういうことを踏まえて、どういう方法がいいのか、またはどういう技術開発が要るのか、ぜひワーキングで検討してほしい。

    2つ目に、特に責任のあり方が非常に難しい話だと思うんですね。事業者と国の責任範囲、責任の期間、この辺もきちんと議論して検討してほしいと思っております。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

    山口さん。

  • 山口委員

    ずうっとお話をお伺いしていまして、山田さんのさっきの話にも関係するんですけれども、私、これはきのうの夜、いただいたので、完全には読んでいないんですけれども、どちらかというと、ここは技術の検討会かなと受け取っているんですね。

    本来は、CCSというのは技術と経済性、採算性と、この両方相まって、要するに自然科学と社会科学でいかなくてはいけないわけですね。ただ、技術的なことの検討が進まないと、採算性といっても、とてもだめなので、今年度はそっちを中心にいくんだろうなという理解なんですね。

    そして、さっきほかとのダブリという話をしましたけれども、先ほど三橋室長からお話が出たそちらの委員会で経済性の議論を進めているわけですね。そうなると、責任主体によって経済性がどうなるかというのは全く違ってくる。そこのところは、そちらのほうで、どこまでいくかわかりませんけれども、検討をやるという形で切り分けていかないとしょうがないかな。

    最終的には、CCSをやるというのは技術だけではだめなので、技術とそれ以外のところを融合した国としての施策を、そういうメンバーも入れてつくっていくということではないかというふうに私なりに整理をしております。そんなような考えでよろしいかどうかということをお願いします。

  • 茅座長

    赤井さん。

  • 赤井委員

    いろいろ拝聴させていただいて、ちょっと混乱があるかなと感じますのは、この研究会の目的は、最初、室長が御説明されたように、目前に見えている実証試験をスコープに置いておくということも重要な課題だと思うんですね。

    そうしますと、今回のワーキングとか、この委員会で取り扱うものが短期的なものなのか、中期あるいは将来的な商用化というんですか、コスト効率まで考えたものまで含めて検討するのか。それとも、とりあえず、ことしは足元のところだけに絞ってやるのか、そこによって議論が相当違ってくるかなと思っています。

    責任所在についても、例えば国プロとしての実証試験だったら、責任は最初から国にあるというのは明らかですから、そういった整理をしないといけないかなという感じがしております。

    それから、2つのワーキング・グループのミッションですけれども、いろんな御意見を拝聴しながら紙を見ていたんですけれども、必ずしも明確には分かれないんですが、前半がサイトセレクションに関することかなと。ここに入れてもいいかどうかという判断をするための基準づくりで、後半が、インジェクションを含めた、井戸を掘るというところから含めたオペレーションにかかわる基準づくりということに整理するという手もあるなと思っています。

    それから、ここで議論されている安全性とか、過度な安全基準とかいう御意見もありましたけれども、規制としての基準という意味と、それを技術的にクリアする目標としての基準という意味と、もう一つ大事なのは、CCSが社会的に認知されるためのきちんとした基準が用意されているということを一般的に伝えると、そういった意味合いでの基準という意味もあると思いますので、そのあたり注意しながら作業をしていただければと感じております。

  • 茅座長

    関根さん。

  • 関根委員

    先ほどモニタリング関係のお話がございましたので、技術的なところで、感覚的なものとして御紹介いたします。

    地震探鉱の3Dで行いますと、地下10kmぐらいまでの大きな断層は検出することができます。先般起きた岩手内陸沖地震の活断層も地下10kmぐらいまでのところは十分把握できております。大雑把に言いまして、地下3kmぐらいであれば、20mから30mの分解能でございます。これで言うと、ごく小さな亀裂は検出できませんけれども、漏洩や地震に関連するような割れ目や断層は十分可能であると思っておりますし、回避できるということでございます。ある程度、何かを確認できるのが20m、30mの分解能だということで御理解いただければなと思っております。

    それから、これに関連してコストの面ですけれども、3Dをやたらやりますと、結構お金がかかるということで御紹介します。10km×10kmで、ストリーマーケーブルという計測器を流していくわけですけれども、それでやりますと、船を持ってきて、動復員が5億円、実際の調査費が5億円プラスアルファというぐらいな感じになりますので、滅多やたらに毎年やるとか毎月やるとか、そういうしろものでは全くないということを御承知いただきたいなと思います。

  • 茅座長

    松橋さん。

  • 松橋委員

    先ほど第一義的なワーキングのミッションとして、今後行う予定の実証試験といいますか、実証実験の適地選定と安全性の評価というのがあるというお話でしたが、その際に本研究会ないしはワーキングのミッションとして安全性が第一義であるということは、私もそのように認識しておりますが、同時に経済性の問題について、国のプロジェクトといえども、経済性を全く無視していいということではないと思っております。

    国プロの評価の中にも経済的な意義という項目も入っております。事業者が本当にやるときには、完全にマーケット性というか、市場性がないといけませんので、それほどのものではないかと思いますが、一定の経済性評価をしたときに、こういう形でやれば競合し得るというような一定の経済性は念頭に置かざるを得ないのかな。全くコスト度外視ということではないのかなと考えております。

    それから、先ほど赤井委員がおっしゃられた中で、地元の問題といいますか、理解ということが出てきたかと思います。安全性をやる中で、この問題が、いわゆる廃棄物の処分といいますか、投棄というイメージでとらえられた場合に、パブリックアクセプタンスに若干支障を来すということがあると、それは非常に懸念されることですので、きちんとした安全性を担保すると同時に、候補地の関係者にきちんとした情報を伝えて、正しい情報を伝えることによって、きちんと御理解いただくというパブリックアクセプタンスの問題がどこかに少し入ってくる、ひょっとしたらワーキング・グループ1の中に、好むと好まざるとにかかわらず入ってくるのかなと思っておりまして、そこは重要な問題かなと認識しております。

  • 茅座長

    村井さん。

  • 村井委員

    今のPAの話は、サイトの検討の場合に非常に重要だと思います。

    短期的にどういう基準をつくって決めればいいかという検討が当面の課題だとは思うんですけれども、例えば2050年に日本で1億トンと考えた場合に、100万トン規模のところを100カ所要るわけですね。そうすると、もっともっといろんな貯留ポテンシャルの調査とかいうことが課題になってくる。

    そういう場合には、特に沿岸域の岸から近いところをもっともっと調査する必要がある。そうなると、そこで別の観点から基準を考えたり、POのことも考えて、こういう調査を長期的にやっているから、今回はここまでの短期的な基準としてこういうものを提案しますということで説得していく必要が出てくるので、その辺はもうちょっと視野を広げてやっていく必要があるのではないかと思います。

    赤井さんの長期的、短期的という御意見と、松橋さんの今の御意見をあわせたような意見でございますけれども、よろしく御検討ください。

  • 茅座長

    飯嶋さん。

  • 飯嶋委員

    村井委員の意見に関連するんですが、今回の研究会の目的が安全性ということですけれども、ちょっと離れるんですが、CCSの目的は我が国のCO2の排出を削減することが目的であって、実証が目的ではない。そうしますと、私の理解する範囲では、確かにRITEさんの調査結果では、可能性は相当あるんですけれども、現実的な面でCCSがやれる量としたら、量的な面で若干疑問視しているところもあるんです。

    そういう意味で、1つは、こういうことをやりながら、海外と協力してCCSをやっていくということもぜひ考えてほしい、今回の研究会の目的とはずれますけれども。

    もう一つ、1カ月ぐらい前に英国のさる教授が来て話をしていましたら、おもしろい提案をしてくれました。「今、我々は大陸棚の地下の帯水層への貯留を考えているけれども、3000mより深い深海でも、ある程度、堆積層はあるんじゃないか。そこにCO2を入れますと、CO2のほうが重いし、温度が低いから、基本的にはキャップロックがなくても、少しでも堆積層があれば出てこないよ。こういうことも調査したらどうか。日本は相当できるんじゃないか」という話がありました。

    ですから、そういうことも含めて、将来のことも考えてほしいなというのがお願いです。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

    関根さん。

  • 関根委員

    飯嶋さんのおっしゃるようなことは、我々も考えないわけではないんですけれども、とりあえず、日本において、今年度はこれまでの実績に基づく調査を行いまして、今後は自分のお金ではなかなかやり切れないんですが、全国的な調査を引き続き、これまでと比較して、もうちょっと密な調査をやっていかないと、ポテンシャルは広がらないと思っております。

    それと、技術的にRITEさんのやったものがポテンシャルとしてどうなのかという話に関しては、ラフな調査に基づいているところもありますし、非常に細かいところもありますし、基本的にばらつきがございます。

    日本の基礎調査も含めて、外国と比べれば必要以上に細かいところの調査を行っているということが研究開発方面では、小さい構造をわざわざ探して当てるというのが日本の特徴になっておりますので、より細かい技術を必要とされるということで、その辺の緻密さは外国と比較して相当あるのではないのかなと思っております。

    以上でございます。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

    大分いろいろ御意見をいただきました。この2つのワーキング・グループの役割と、相互の役割分担ということで、この後、ワーキング・グループを開催するときに、この御意見を十分参考にしたいと思います。

    幾つか御質問もありましたので、三橋さん。

  • 三橋地球環境技術室長

    非常にたくさんの御意見、ありがとうございます。全部にお答えするのは内容面で、あるいは時間的にも難しいところがございますので、経済面との関係とか幾つかお話しあった点だけ触れさせていただきます。

    私ども実証を来年度以降、できるだけ早くということで、後ほど御紹介しますが、概算要求もしっかり行っている状況にございます。これ自身行った後に、概算要求を行った予算を通じてプロジェクトをやったのが100%安全だったけど、非常に高くついて、その後につながらないということであってもいけないと思います。程度の問題はあると思いますが、しっかり配慮して、これができるということを世に示すとともに、示す内容には経済性への考慮が一定程度あるということですが、先行するのは技術的なことであるというのは、山口先生が御指摘のとおりでございます。

    それから、赤井委員から御指摘ありました社会的に認知される、あるいは技術的にクリアされるべき基準というものと、ちょっと違った視点の指摘も一つございました。こういった点も踏まえた上で、全体像をしっかり示していくことが必要であろうと思いますし、ワーキング・グループに、この委員会での議論をきっちりメッセージとして伝えていきたいと思います。

    それから、飯嶋委員から御指摘のありました将来的な日本の可能性をきっちりわきまえた上で、諸外国との協力あるいは将来のCCSの世界の中での分担というのも視野にということであろうと思いますので、もちろん当然のことと思っております。

    逆に、やれることを示すという段階にある、今は条件の厳しい日本でやって見せることに別の意味でもあるのかというとらえ方もしているということでございます。諸外国との協力もしっかり並行して進めていければと思います。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

最近のCCSに関する国内外の動向について

  • 茅座長

    資料がもう一つございますので、よろしければ、そちらの説明に移りたいと思います。

    資料5について、事務局から説明をお願いします。

  • 三橋地球環境技術室長

    時間が非常に押しておりますので、かいつまんで五、六分程度で御紹介をしたいと思います。資料5に、昨年からの約1年の間に起きたこと、あるいは経緯にかかわる資料を用意してございますので、内容を触れたいと思います。

    順番にめくっていただきますと、G8の宣言が2ページの中に触れております。冒頭、資料4の概要で御説明しましたので、これはスキップさせていただきます。

    7ページをごらんください。来年度の予算要求ということで、概算要求を行っている予算を書き並べてございます。大きいものでは、一番上に書いてございますCCSの実証試験のための新規の概算要求40億円の要求をしております。可能であれば、サイトをある程度確定させた上での調査井の掘削などに着手できればと考えております。

    3つ下になりますが、革新的ゼロエミッション石炭火力発電プロジェクトということで、約3カ月前、8月に新聞報道ありましたいわき沖に関するプロジェクトのことを8ページに大きく書いてございますので、あわせて御紹介します。いわき市におきますIGCCの実証試験と組み合わせた形でのCCSの可能性調査を、きょう御出席いただいている関根委員のいらっしゃる日本CCS調査株式会社への委託が確定しております。

    ちょっと戻っていただく形になりますけれども、7ページ目の下、2つの項目は、オーストラリア、中国との協力のために予算措置をしているものでございます。

    9ページ目をごらんいただきますと、今般5月に設立登記されましたCCS調査株式会社の概要ということで、株主の構成と設立に至る経緯、非常に簡単でございますが、登記の日付、プレス発表を6月終わりに行っているということで、事実関係を記載してございます。

    ページめくっていただきますと、10ページ以降、今回の検討に当たって関連してきます諸外国の規制の動向について簡単に取りまとめた資料になっておりますので、ポイントを御紹介します。

    11ページにEUが書いてございます。先ほど触れましたように、ディレクティブCCS指令案が発表されております。欧州議会で審議されておりますとともに、並行して理事会で審議されておりますので、11月、12月という議長国の変わり目になるところで取りまとめ、あるいは加盟国全体の共通の立場と呼ばれますコモンポジションが成立する可能性があるということになります。

    非常におもしろい内容になっておりますので、幾つかポイントを御紹介します。詳細は触れませんけれども、サイト選定のための基準とプロセスをステップごとに記述したアネックスIというものが実際についておりまして、そのプロセスが明確にされているということ。それから、モニタリング計画の内容も同じように附属書IIという形で規定されていること。そして、若干議論がありました坑井閉鎖後、一定の証明あるいは手続を経て責任の移転の記述などもある点、非常に興味深いものとなっております。

    審議の見通しですけれども、これ自身は現在、欧州議会の1読会の修正案がもう既に取りまとまっておりまして、理事会の結果待ちでございます。うまくまとまった場合には年末で全体の合意案が再度、議会で議決される可能性もあるでしょうし、大いに議会と理事会の修正点が異なるようであれば、2読会ということで、さらに先に審議が続く可能性もあります。さらに別のオプションとしては、議会と理事会の審議の状況を踏まえて欧州委員会が再度の修正案を提示してくるような可能性も当然ありますし、これらは動向に注視する必要があるかなと思っております。

    同じように審議が進んでおりますものに、12ページにイギリスの法案がございます。非常に大きな法案になっておりますけれども、関連する原子力の関係あるいは再生可能エネルギー、あるいは天然ガスの採掘に関する記述とあわせて記述されておりますので、内容は非常に難しいものですけれども、特に海底下といいますか、海の下の地層に貯留する場合、特にEUの指令に対応することを前提とした法案が審議されております。先週のイギリス政府から得た情報では、11月中に採択できるのではないかということでございます。

    ページ、2つ飛んで14ページをごらんいただくと、アメリカも動きがございます。アメリカでは、最初に書いてございますように、UICと呼ばれています地下圧入管理プログラムというレギュレーションで、CO2の圧入について管理をしようとしております。すなわち、地下水への影響が規制の軸になっているということでございます。それぞれ放射性廃棄物あるいは有害物質などということで、液体の圧入物について、ClassIから順番に規定されておりまして、今回、ClassVIということで、CO2を圧入するケースの規制案が7月に発表されておりまして、現在、パブコメにかかっております。非常に参考になる記述がEUと同様ございまして、幾つか規定されております。例えば圧入する際の圧力の上限などについては定量的な設定がされていることなどは注目に値するかなと考えております。

    ページをめくっていただきますと、15ページに、最後、触れさせていただきますと、オーストラリアがございます。オーストラリアもOPAと呼ばれています法案が現在、審議の最終段階にございます。これも非常に大きな法案ですけれども、この圧入に当たっての事前の掘削の許可制、あるいは圧入の許可制、モニタリングの仕方など、あるいは得られたデータへのアクセスといったようなことが法律の条文として具体的に規定されているということで、いずれも審議中ということで議論が進んでいます。

    逆に、日本はロンドン条約に基づきます海防法の整理を先駆けて行っているところがあるというふうにも申し上げることができます。

    非常に簡単ですけれども、ポイントを御紹介させていただきました。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

    今の資料につきまして、何か御質問がございましょうか。

    特別にございませんか。

    もしないようであれば、後で見ていただいて、これについて何かあれば事務局にお問い合わせください。

    そういたしますと、本日、用意いたしました議題は以上でございます。

審議官あいさつ

  • 茅座長

    最後に、審議官がおいでになっていますので、西本審議官から一言お願できますでしょうか。

  • 西本審議官

    経済産業省大臣官房審議官の西本でございます。

    本日は、茅座長を初め委員の皆様方、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。活発な御議論を聞いていまして、CCSに対する期待をひしひしと感じた次第でございます。

    私、このCCSというのは物すごく重要だと思っております。中長期的に地球温暖化問題を解決するのはテクノロジーであると思います。その中でもCCSは、さきのサミットでも、それから、低炭素社会行動計画が可決されまして、この中でもきっちり位置づけられて、これを早期にやるべしというふうになっているわけでございます。

    ただ、こういう全く新しい技術は、今までるる御説明ありましたけれども、各国、その法制度の整備の話も含め、技術も含め、全部競争状況にあると思うんですね。こういったものをいち早く、日本としても技術的にいいものを持っているわけですから、これをリードするということは重要でございます。他方で、るる御説明ありましたけれども、新しい技術の入り方が物すごく大事だと思います。社会にうまく入っていかないと、難しいことになるということもありますので、ここは技術的な安全性をしっかり押さえるということが重要かなと思います。

    それから、委員の皆様方から幾つも御質問ありましたけれども、経済性ですね。これは非常に重要で、皆様は御承知かと思いますけれども、今月から排出権取引の試行を政府としてもやっていこうということで取り組みを始めたわけでございます。そのときに、前総理から強く言われておりますのは、マネーゲームを廃するんだということでございます。

    今の金融の諸情勢でボラタリーな状況になっていますけれども、こういう画期的なCCSのような技術が出てくれば、それがリーズナブルなコストで提供できるということであれば、そういったものにどんどん変わっていくと、そちらのほうで実質のある削減が行われるということになるのかなと思っております。そういう意味でも、このCCSに関する技術的な検討、安全性の検討、できれば経済的な側面の検討等々、しっかり踏まえて着実に進めていくということが重要かなと思います。

    この研究会の皆様の活発な御議論をいただきまして、いいものが取りまとるようにお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

  • 茅座長

    ありがとうございました。

    よろしければ、本日の研究会はこれで終了いたします。ありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年12月11日
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