経済産業省
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省エネ化と「省エネ産業」の展開に関する研究会(第1回)-議事要旨

平成20年10月21日(火)16:00~18:00
場所:経済産業省別館3階第4特別会議室

出席者

中上委員長、片倉委員、久世委員、川島代理、柴山委員、新宅委員、杉山委員、高村委員、筒見委員、中村委員、南部委員、西村委員、松橋委員、原代理、村越委員、山下委員、吉高委員

議題

  1. 省エネ化と省エネ産業を巡る状況について
    • 事務局からの資料説明
    • 筒見委員からのプレゼンテーション
  2. 自由討議

議事概要

総論

  • 我が国の強みである省エネについて、国内における多様な分野や海外へ幅広く展開していくべき。その際、これを担う「省エネ産業」分野が必要。
  • 省エネの意味する範囲は、単にエネルギーを「節約する」ということから一段と深化しており、カーボン・マネジメントの考え方が重要になってきている。
  • 省エネサービスのビジネス化に当たっては、「サービス・情報はただ」状態を払拭する必要がある。
  • 今後、議論を進める上で混乱を避けるためにも、省エネルギーと省CO2の関係など、論点を整理する必要がある。

「点」のみならず、「システム」、「チェーン」、「面」での展開

  • エンジニアリング会社によるコンビナート内のエネルギー融通については、エンジニアリング会社の利益の源泉である省エネスタディ等について顧客から対価を認められにくい。本研究会では、サービス、情報提供、スタディなどに対して正当な付加価値が認められるような検討を是非してもらいたい。
  • 事務局からの説明で紹介された面的省エネの事例では、関連施設すべてをもともと地方自治体が所有・管理していた等の好条件が重なり、大きな省エネを達成できた。しかし、実際には所有者・管理者が異なる場合が多く、多数のステークホルダーの調整を要する。こうした場合にどのように面的に省エネ効果を実現するかという点で課題がある。

産業のみならず、業務・家庭・公共などの分野での展開

  • ある大学で進められている省エネプロジェクトでは、総長が強い問題意識をもっており、副学長がプロジェクト委員長としてコミットした体制をとり、実際に大きな成果を挙げている。この事例を鑑みると、全国の大学や公共施設には大きな省エネ余地がまだまだあると考えられる。一方、省エネ産業という視点から考えると、職員や教員がボランティアで取り組んでいる状況にとどまっており、ESCO事業者などにコンサルティングフィーを支払うことまでは現時点では考えられない。先の事例ではトップのコミットメントが強かったために進んでいるが、ビジネスに見合う対価を支払うことができるかという点については疑問がある。

大企業のみならず、中堅・中小企業での展開

  • 省エネ講座を開催しているが、最近では大企業の設備担当者が多く参加するようになった。逆に中小企業は、講座が有料になった途端に企業負担が生じるためにほとんど参加しなくなるという状況。このことは、中小企業の経営者の省エネに対する意識はまだあまり高くないということを示唆する。
  • 最近、従業員の省エネ教育という人材育成に継続的に取組む必要性を感じている。また、従業員だけでなく、経営者の教育も通じて省エネに対して敏感な経営者意識と企業風土を育成していくことが大切だと考えている。
  • 省エネのIT化について、中小企業ではあまり活用されていないのが現状。例えば、エネルギー使用量のモニタリング機器を入れても、半年経つと使われていない。1年後にはほこりをかぶり、3年後には蜘蛛の巣が張っているという状況。継続的なフォローが必要である。
  • 中小企業への教育については、エネルギー管理士のような高いレベルは無理があるが、面的な支援制度についてぜひ検討を進めてもらいたい。また、これをビジネス化できないか。中小企業にはまだまだ省エネの余地があると考えている。
  • この研究会の視点の一つに、中小企業で省エネ事業を展開するという命題があるが、検討するには非常にいいタイミングだと思う。現在、資源高や原材料高が中小企業の経営悪化の要因となっている。このため、中小企業においても省エネへのインセンティブは高まっている。
  • 事務局資料をみても1970年後半から1980年代にかけてエネルギー原単位が改善しているが、その時期には中小企業の設備改善もかなり進んだ。現在は中小企業についても一定程度省エネが進んでいるため、また、製品の差別化も進んでいるため、1970年代当時と異なり、中小企業に共通した省エネ技術を導入すれば簡単に省エネが進むかというと疑問に思う。

共通基盤としての標準化、人材の育成、ITの活用による展開

  • ITの活用が重要という指摘があったが、省エネ分野でも標準化と効率化の視点からIT活用を検討することが適当ではないか。
  • 欧州では、電力のスマートメーターなどを使い、リアルタイムでの電力消費量の把握することで、利用機器の適用電気料金の変更や家電機器等の制御にも活用しているケースがある。
  • カーボン・マネジメントの視点も重要。カーボンを経営資源の一つとして捉え、投資判断の材料とすることが重要。また、大企業のみならず、中小企業や一般家庭でも、カーボンの情報をどのように入手し、社会システムとしてどのように導入していくのかといったことが検討課題となる。この際、ITを活用したオープンなネットワークとのつながりが重要になってくる。日本には既に要素技術と技術インフラが整っているので、今後の展開としては、企業の枠を超えて、カーボン・マネジメントを採り入れた社会システムを構築していくことが重要だと考えている。現状において、ITを活用した省エネについては、日本は技術インフラ等が整備されているにも関わらず、出遅れており、危機感を持っている。
  • ITの活用については、日本の商慣行が障壁となっていることがある。

国内の経済社会生活のみならず、国際的な展開

  • 日本の省エネ技術を海外展開していく上で、特に新興国については、日本の技術的な強みが逆に導入における問題となっている。つまり、途上国ユーザーの求める水準よりも日本が提供する知識や技術の水準が高く、両者が釣り合っていないことが障害となっている。この溝をどのように埋めるかを考える必要があるのではないか。日本の成功パターンをそのまま海外に持っていってもうまくいかない。
  • 1980年代から産業部門は省エネ努力を続けてきており、産業界での努力の成果については、世界に高らかに示せるのではないかと思う。日本の製造業が有する高度な制御や日々のチューニング等の技術に着目して、これらを国際展開することが可能ではないか。規制はあるが、支援の部分が不足しているので、支援の検討を行ってほしい。

以上

 
 
最終更新日:2008年11月10日
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