経済産業省
文字サイズ変更

省エネ化と「省エネ産業」の展開に関する研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成20年12月1日(月)14:00~16:00
場所:経済産業省別館5階526会議室

出席者

中上委員長、片倉委員、竹内代理、川島代理、柴山委員、杉山委員、高村委員、筒見委員、中村委員、南部委員、西村委員、松橋委員、村木委員、村越委員、山下委員、吉高委員

議題

  1. 省エネの今後の展開について(2)(中村委員、西村委員、山下委員からのプレゼンテーション)
  2. 自由討議

議事概要

中村委員より資料3、西村委員より資料4、山下委員より資料5に沿ってプレゼンテーション。その後、自由討議。

「点」のみならず、「システム」、「チェーン」、「面」での展開

  • 省エネルギー効果の試算については、エネルギー削減“量”に加えてエネルギーコスト削減“額”の記載があれば、イメージしやすい。経済効果の観点からすると、エネルギーコスト削減分とCO2排出量削減分の効果を併せて経済効果と判断することはできないか。
  • 設備投資の回収年数の計算については、IRR(内部投資収益率)やNPV(正味現在価値)等いろいろな方法があるが、一番分かりやすいのは単純回収方式。コンビナートの投資判断としては、3~4年の回収で投資判断がなされる場合が多く、5年では長すぎる。この投資回収年数の差分に対して、国などからの補助が後押しになる。
  • CO2削減分をコスト削減効果に加えれば、投資回収年数を短くすることが可能となる。しかし、現在はまだCO2削減分を加味して判断する企業は残念ながら少ない。
  • 熱のカスケード利用について、通常は、道路下に熱配管を設置しなければならず、コストアップ要因の一つとなっている。
  • デンマークのオーデンセンでは、需要密度が低い中で、発電所からの抽気による熱供給が地域内の建物に対して行われている。温熱配管コストが20~30万円/mと安価なことが導入促進に寄与している。一方、日本では熱供給事業法により、長期的に住民に熱を供給し続ける供給義務が発生するため、事業の見直しや更新が難しくなるなどの課題もある。
  • 水素/COの利用を実際に展開するには社会的なインフラが必要で、一事業者だけでは調整・事業化が難しい。行政が長期的な視点で絵を描いて、事業実現を誘導する必要がある。
  • 熱のカスケード利用、地域のエネルギー最適化に関連して、地域に存在するエネルギーを相互活用する視点が重要。こうした考え方は、都市部の省エネにも適用できる可能性も高い。
  • 省エネ産業を確立するためには、ビジネスの継続性が重要であり、既存インフラの活用やネットワーク化などが課題になる。熱の融通はコスト高であるため、コンパクトシティの推進により需要密度を向上させることやCO2の経済価値を高める等のトリガーが必要。この点については、行政によるインセンティブ付与による誘導が必要であり、省エネ産業化の方向性として検討していくべきではないか。

産業のみならず、業務・家庭・公共などの分野での展開

  • 省エネには二つの側面がある。一つは制御や計測、チューニングといった省エネであり、もう一つは製法や熱源の転換である。前者は産業部門から民生部門まで汎用性のあるノウハウ・技術に昇華できる可能性があるが、後者は業種によって異なり、個別業種毎の生産方式に対する理解が不可欠である。したがって、この二つを分けて議論をすべきではないか。

大企業のみならず、中堅・中小企業での展開

  • 中小企業の省エネ取組では、規模のメリットが出にくいという課題があるため、大規模コンビナートのようなオーダーメイドの対応はできない。この課題をクリアするため、例えば、エネルギー多消費産業に絞って、これらに共通するプロセスに対する省エネ機器や炉などのソリューションを設備メーカーと連携して開発することができないか。
  • 1億円近いコストがかかるエネルギー管理システムを5,000万円までコストダウンしたが、それでも中小企業にはまだ手を出すのは難しい。現在、各設備の電気消費量を「見せる化」して、分析・予測・シミュレーションを行い、中小企業が手動でコントロールするという事業に取り組んでおり、将来は自動化できるようにしたいと考えている。
  • 中小企業には省エネ投資の融資・資金が行き渡らないことがあり、金融の役割が重要。中小企業を顧客として一番多く抱えているのは地銀。地銀が資金と省エネサービスをパッケージで中小企業に提供するような支援体制ができれば効果的ではないか。
  • 地銀等の中小金融機関には、技術の分かる人材が余りいないので、ESCO事業者の協力は有効だと思う。

国内の経済社会生活のみならず、国際的な展開

  • 途上国に比べ先進国の方がESCO事業の話は進みやすい。省エネに対するニーズは途上国の方が大きいが、途上国では現地で長期ファイナンスを組むすることが難しく、これがESCOによる技術移転の阻害要因となっている。この点は、コストをかけない省エネ手法やアイデアでカバーしていく必要もある。また、海外進出に当たっては人材の問題もあるので、現地で対象とする事業分野を得意とする企業と組むことも考える必要がある。
  • タイでは、地元の事業者がESCOを展開し始めているが、ファイナンスにまだ課題がある。ファイナンスがつけば、省エネは広がっていく。人材については、東南アジアにも優秀なエンジニアがおり、あまり心配はしていない。

以上

 
 
最終更新日:2009年1月5日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.