経済産業省
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省エネ化と「省エネ産業」の展開に関する研究会(第5回)-議事要旨

日時:平成21年1月20日(火)10:00~12:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

中上委員長、片倉委員、久世委員、斉藤委員、柴山委員、新宅委員、杉山委員、高村委員、筒見委員、南部委員、西村委員、村木委員、村越委員、山下委員、中村代理

議題

  1. 共通基盤としての標準化、ITの活用について
    1. 事務局からの論点説明
    2. 久世委員からのプレゼンテーション
    3. 事務局からの補足説明
  2. 公共施設の抜本的な省エネの推進について

議事概要

共通基盤としての標準化、ITの活用について、事務局より資料3に基づき議論の論点を説明。久世委員より資料4に沿ってプレゼンテーション。事務局より資料5に基づき追加説明。その後、自由討議。

公共施設の抜本的な省エネの推進について、事務局より資料6に基づき説明。その後、自由討議。

標準化に向けた課題

  • 中小企業の観点からは、省エネだけを取り出して標準化するというアプローチでは限界がある。例えば鋳物であれば、融点が各々異なる金属を電気炉で溶解し、顧客別の小ロットで対応が求められることが多く、そのたびに加工条件が変わる。このように、簡単に標準化できない領域で中小企業が強みとしていることもある。
  • 中小企業による省エネとの関わりを考えると、中小企業が世の中全体の省エネ実現に貢献しているという側面もある。例えば、自動車の燃費効率向上のための軽量化に資するアルミ部品の技術開発には中小企業が多く関与している。
  • 標準化について、技術戦略の分野ではデファクトを取れば確かに大きな利益確保に繋がるが、単にオープン化することでは利益には繋がらない。利益と標準化を両立させるためのポイントは、各企業が差別化して競争力を保持したい領域については標準化せず各社の仕様と創意に委ね、その周辺分野のみを標準化することだと思う。例えば電子部品の場合、部品の中身は完全にブラックボックスだが、大きさや電気容量などは標準化されている。省エネについても、標準化すべき基盤領域と、個々の企業が競争すべき市場化領域とをきっちりと分けて議論をしなくてはならない。また、企業が置かれている立場によっても、オープンにしたい領域とクローズしたい領域は異なる点に留意が必要。
  • 「省エネノウハウの見える化」という考え方には違和感がある。「見える化」をすることは必要だが、「見える化」だけでは省エネは進まない。その後の対策こそが課題であり、ノウハウが求められる領域である。ノウハウは、企業間の競争で深化する。
  • 「標準化」という言葉の対象範囲がどこまでを指しているのか不明確に思う。どの領域・技術・ノウハウについて標準化の議論をすべきか整理が必要。委員からの発表の中でインターフェースやデータ仕様の標準化という指摘があったが、これについては標準化が求められる領域だと考えている。
  • 今までのエネルギーサービスは、事業者がユーザーにサービスを売るという一方通行だったが、この枠組みが変わろうとしている。事業者は、ユーザーに認知され選択されるサービス業に変わることが求められている。エネルギーサービスが広く認知されるためには、ユーザーが抱える問題に対して専門家を派遣して両者でコンセンサスがとれる形にならなくてはならない。そのためには、IPMVPのようにユーザーと専門家とが共に理解を深めるためのオープンなプラットフォーム、標準化が不可欠。
  • 省エネにとって計測・検証は要であるが、実態として、中小企業にとって数十万円近くかかる計測の費用負担は大きな壁となっている。この課題への対応策の一つとして、イニシャルコストを下げるべくハード、ソフト、メンテナンス・データ取得を一体化させて、計測機器をリースで貸し出すサービスを展開している。
  • 標準化における課題の一つは、装置施工のスキルアップである。例えば、設置するセンサーの方向が違うだけで、データの位相が変わり、誤ったデータが取得される。実際、施工業者によってスキルが異なり、期待したデータ収集ができないということがよくある。施工技術はまさに標準化すべき領域だと思う。
  • 計測装置の標準化は、ぜひ検討をお願いしたい。装置メーカーが違うと設定やデータフォーマットなどが全部異なり、違う機器を使う労力が極めて大きい。データ解析にコストがかかるとESCO事業者は経営が困難になる。
  • 「見える化・標準化」は必要な検討課題だが、他の委員から多く指摘があったとおり、どこまで標準化をすべきかを見極めることが重要。汎用的な省エネ技術の提供により簡便かつスピーディーな測定を可能とする装置の標準化は可能だと思うが、一方で、例えばビル構造の違いによって生じる個別対応の標準化は難しい。
  • 省エネは付加価値を生むものであり、地方自治体も税制優遇措置などを展開している。こうした中で省エネに関するアドバイザーを設けることで、省エネ促進につながるのではないか。例えば税務申告における税理士のような役割。
  • 「省エネサービスに必要なスキル」について、解決策がエネルギー管理士に集約されていることに違和感がある。例えばスマートグリッドが実現すれば、サービス内容が拡大するので、エンジニアリング会社が貢献できる場面が生まれてくる。また、すべてのスキルをエネルギー管理士に集約するのではなく、施工までを含めて考えて職能・資格を広く定義する必要があるのではないか。
  • サービスの対価については、エネルギー管理士や技術士への対価とともに、企業への対価のあり方も検討してほしい。
  • 省エネを実施する場合、設備の運転・稼動をコントロールするケースと、省エネ機器を新たに導入するケースの2つが考えられる。このうち、省エネ機器を新たに導入する場合は、設備導入の初期コストを下げることで如何に省エネ効果と合わせられるかという入り口論が、実は一番大きなネックになっているのではないか。
  • 省エネ産業は特定の産業ではないと思う。エネルギーもユーティリティも建設もすべて省エネ産業である。その視点に立ち多くの事業者、ユーザーが利用できる共通基盤を検討していくことが重要。

ITの活用について

  • 資料4の中のIT産業と省エネ産業とのアナロジーはわかりやすい。省エネ産業は、今、IT産業の70年代の状況にある。
  • 省エネ支援ソフトの開発については、ソフトウェアを無償でダウンロードさせるやり方はワークしない。むしろ、ソフトウェアはいかにバージョンアップしていくかが重要であり、国費で開発したソフトはソースコードをオープンにし、自由に開発できる環境にしていく等が必要。
  • スマートメータのいい面が強調されているが、ウラの面の問題もある。つまり、ピーク時に電源を切らせるためには、そのときの電気料金を上げることが前提となる。また、スマートグリッドは、電力の品質を変える議論に及ぶことになるが、品質に幅が出るのであれば、料金体系自体も品質に応じて幅を設けるといったことも考えられる。こうした取組みは、プラスの側面が評価されがちだが、デメリットも併せて評価することが重要。

公共施設の抜本的省エネの推進について

  • 省エネ保証量を超えるインセンティブ制度の導入をぜひお願いしたい。提案型のESCO事業者にとっては非常に大きな励みになる。
  • 推進策の中には非常に難しい課題も含まれているが、このような提案をしていただいたことに感謝。経済産業省がその方向性で働きかけてくれることに強く期待している。

以上

 
 
最終更新日:2009年1月27日
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