経済産業省
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省エネ化と「省エネ産業」の展開に関する研究会(第6回)-議事要旨

日時:平成21年2月19日(木)14:00~16:00
場所:経済産業省本館17階第1共用会議室

出席者

中上委員長、片倉委員、久世委員、川島代理、柴山委員、高村委員、筒見委員、中村委員、南部委員、西村委員、村木委員、村越委員、山下委員、吉高委員

議題

  1. 国際展開について
    • 事務局からの説明
    • 吉高委員からのプレゼンテーション
  2. 報告書骨子(案)について

議事概要

国際展開について、事務局より資料3及び資料4に基づき説明。吉高委員より資料5に沿ってプレゼンテーション。その後、自由討議。
報告書骨子(案)について、事務局より資料6に基づき説明。その後、自由討議。

国際展開の課題

  • 省エネの意義を考えるに当たって、マクロの視点とミクロの視点がある。マクロ的な視点からいえば、省エネは資源配分の観点から非常に大きな意義がある。したがって、省エネのコストが高いという点だけではなく、CO2削減のメリット、海外からの排出枠獲得量を削減できるという点から捉えれば、省エネ設備投資の費用対効果だけで結論を急がないほうがよい。
  • 国際展開について、自分が中国で展開してきた経験からすると、中国では、省エネ性能よりも導入コストで判断され、短期的な回収が求められることが多い。また、中国側の制度緩和と日本政府の支援が不可欠。具体的には、日本のPSEに相当する中国CCC認証制度の簡素化と、カントリーリスクが大きいことを踏まえた融資保証などが挙げられる。
  • 日本企業が海外でプラントを設計・建設する際に、省エネについても必ず検討している。しかし、日本企業が海外で設備投資をする際には、省エネ投資の補助金がないため、設備投資意欲が喚起されにくい面がある。したがって、日本企業が海外で工場建設をする際にも、補助金を活用できる制度が重要ではないか。
  • 日系企業の海外工場は国内工場に比べると省エネの点では遅れている。これは省エネ投資のインセンティブが働きにくいことに起因している。しかし、見方を変えれば、海外の工場で省エネが進めば、それ自体が日本の省エネ技術のショールームのような位置づけになることが期待できる。省エネ法改正により、事業者単位の規制となるが、今後、海外工場についても省エネ投資に対するインセンティブを高める観点から、規制範囲に含めることを考えてもよいのではないか。
  • 中国ではカーボンの価格が存在するのでCDMの事業化が可能である。ただ、レバレッジが効く取組みとしては、バイオマス活用やフロンガス対応等の投資に対するCO2削減効果が大きいもの。他方、省エネ対策については、2~3年での投資回収が困難であるため、CDM事業では件数がほとんどない。排熱回収がなんとか事業化にのる程度。
  • 中国では投資回収年数が1年前後ということも少なくない。一方で5年~6年という契約のESCOも見かけるが、これについてはESCO事業者が過剰に儲けているケースもあるように思う。倒産処理や契約のあり方等の中国の商習慣見直しという点が課題だと思う。
  • 吉高委員からのプレゼンの中で、「ヨーロッパ企業はメンテナンスに力をいれている」と指摘があったが、その通りだと思う。ただ、現地でのメンテナンス体制の整備には課題や負担も大きく、日本企業はこの辺りの力が弱い。
  • 省エネによるカーボン削減コストは、2~5万円と試算される。一方、CDMを2~3年で回収するには、カーボンが10数万円で取引される必要があるが、これは現時点では想定しにくい。このため、省エネに限定したクレジット市場でもない限り、省エネでCDM事業化は難しいのではないか。

報告書骨子(案)について

  • 日本のCO2排出量の42%は産業部門。にもかかわらず産業部門のエネルギー消費量は増加していない。日本が誇るべき省エネ技術はここにある。従来のエネルギー管理士は、ユーティリティ部分での省エネを担っており、プロセス・ライン設備のマネジメントはエネルギー管理士だけではカバーできていないのが実情。したがって、生産設備をカバーするためには「工場診断士」(仮称)のような役割が必要ではないか。この部分の育成に政府支援の必要性があると思う。
  • エネルギー管理士はユーティリティだけでなく工場全体を管理できる。しかし、企業内のセクショナリズムでユーティリティしか管理できていないなら、組織体制を見直していくべき。
  • エネルギー管理士の提言について、既存のエネルギー管理士の「上級」というくくりではなく、従来のエネルギー管理士とは異なる役割を担う職種であることが明確に分かるような名称を考えて頂きたい。
  • 試験制度の見直しについては慎重に扱うべき。現行の試験制度は現場のニーズに基づき検討されたものであり、このレベルを下げるべきではない。むしろ実力を上げるための方法を考えるべき。今の試験制度の内容を変えるのではなく、分けて考えるべきである。
  • 計測機器の標準化は重要な論点。しかし現状では、計測のための計器の種類は少なく、価格は高く、ボイラーやヒートポンプの性能を調べる計器がないことが省エネにおける課題となっている。計器装着を標準化するなどの対応が必要。
  • 東京都が地球温暖化対策条例として、罰金制度や公告制度などを進めたことにより、省エネに関心が高まり、省エネサービスに関する問い合わせが増加している。東京都内のテナントビルでは、設備更新・リニューアルを省エネとあわせて施工することで設備投資を早める事業者が出てきている。また、事業者名の公表制度は、設備投資にむけた良い刺激となっている。このような制度を日本全体に展開していくことが有効ではないか。
  • サービスに対して適正な対価を払ってもらうためには、人材育成、標準化、省エネ効果の見える化の強化が重要である。このためには、省エネを評価するための資格が必要ではないか。中小企業が省エネ評価の有資格者を活用できる方向に導くべき。資格を持った人が市場において適正で品質の高いサービスを提供し、市場全体が機能するという制度設計が必要だと思う。
  • 公共施設の省エネ改修・ESCOの導入については、なぜ公共ESCOが推進されていないかという課題を踏まえ、具体的な取組みに展開していくべきだと思う。また、このような取組みを日本特有のものとして特徴づけるためには、「見える化」「カーボンマネージメントの徹底」とうメッセージが強調されることが重要。
  • 日本の標準を国際的にアジア標準、世界標準へと展開していくことが重要。産業界は、環境コストの内部化に苦労してきたが、省エネのコストについても製品に内部化していくことが重要。
  • 国交省の担当範囲かもしれないが、古いビルを改修することでCO2排出を削減することについて、新築時の限界削減費用と既築の費用は異なるのでわけて議論すべき。新築対策はCASBEE等で対応が可能だが、既築ビルに関する評価は別途必要。
  • 投資と融資は異なるので、分けて考えるべき。投資の場合、リスクについて投資家に対する説明責任があるが、見えにくいリスクについては説明が難しい。ESCOの場合はここが課題。また、ESCOでの連携における金融機関の関わりについて、金融機関は技術に対して理解が低いことが障害となっている。金融機関は継続的に技術を目利きする人を配置できないことから、この部分を踏まえた制度設計が必要。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月3日
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