経済産業省
文字サイズ変更

二酸化炭素回収・貯留研究会CCS実施に係る安全基準検討ワーキンググループ、長期的な安全性確保検討ワーキンググループ合同会合(第1回)-議事要旨

日時:平成20年11月6日(木)10時00分~12時00分
場所:経済産業省別館3階第4特別会議室

出席者

CCS実施に係る安全基準検討WG:

松橋座長、岩田委員、佐藤(徹)委員、澤田委員、鹿園委員、長谷川委員、松岡委員、村井委員

長期的な安全性確保検討WG:

佐藤(光三)座長、熊谷委員、島本委員、薛委員、當舎委員、福島委員

オブザーバー:

環境省及び経済産業省内関係課室

議題

  1. 本ワーキンググループの公開について
  2. 本ワーキンググループの開催趣旨について
  3. 長岡実証試験の成果と今後の課題
  4. 諸外国及び日本のCCSに関連する規制の概要
  5. ワーキンググループにおける検討を進めるにあたって

議事概要

本ワーキンググループの公開について

資料2のとおり、原則公開につき了解。

本ワーキンググループの開催趣旨について

資料3と資料4に基づき事務局より説明。これに対する意見は、以下のとおり。

  • 短中期からの検討と長期からの検討では、違いが生じる。短中期からの検討ということで当面は海底下の地質条件に焦点をあてるのか。

  • 実証試験の実施を見据え短中期を想定し検討した事項であっても、長期を想定した検討の時にも必ず言及される。今回行われる議論はかなりの波及効果があるということを念頭に置く必要がある。

長岡実証試験の成果と今後の課題

資料5に基づき、村井委員より説明があった。質疑における意見は、以下のとおり。

  • 資料の5について、帯水層の直径については、幾何学的な計算や推定によるものである。帯水層自体はもっと大きなものであり、CO2の広がりという理解。

  • 長岡での試験の知見は、枯渇ガス田等の帯水層以外への貯留への準用は、条件等がかなり異なるものと考えられる。枯渇ガス田はこれまでの生産量から圧入可能量を想定しやすいが、帯水層は初期状態からの圧入となり、データも少ないことから評価が難しい。

  • 異常事態が発生した際の処置について、工学的な問題点として、緊急時のCO2排出が考えられる。CO2の圧入時は地層を壊さないようにゆっくりと行うが、緊急時にCO2を排出した場合に急激に行うと、地層は剛体ではないため、変形の可能性もある。ゆっくりの変化であれば、変形しても割れる事は起こりにくい。

  • 圧入時はドライな状態でCO2を圧入するが、排出時は水と混じっている状態であるため腐食性の問題もあるが、基本的にそういった可能性を考えて耐腐食性材料を使うと考えられる。

  • 排出されたCO2をどうするのかという問題についても考慮する必要がある。CO2が溶け込んだ状態の水を地上で分離、脱水、再加圧というプロセスを行うと、それに伴って圧入量の10%程度のCO2が発生するが、これは許容されるのではないか。

  • 長岡での試験は実証試験ということもあり非常に多くのデータを取得しているが、具体的な実施段階となると、これだけのデータをそろえるのは難しいのではないか。これまでの経験をもとに、本当に必要不可欠な調査を整理することが必要。

  • 漏えいが起きた際に発生すると考えられる被害や補修時にかかるコスト等とモニタリング実施に係るコストを考慮しつつ、バランスを考えたモニタリングの項目を定めるべき。

  • モニタリングに関して、安全、漏えいに関してのモニタリングも重要だが、操業後の運営管理も要であり、全体のバランスを考慮すべき。

  • 排出側としては、貯蔵するところで何か問題があってはいけないということが一番重要。長岡でのケースは構造性(カテゴリーA)の帯水層であったが、非構造性(カテゴリーB)の帯水層や枯渇ガス田の場合の違い等を明らかにし、それぞれに応じた安全基準やモニタリングを決める必要がある。

  • 長岡での実証試験ではCO2の移行調査や計算からCO2はあまり広がらないとわかった。これから、どの程度の余裕があればカテゴリーBの帯水層に貯留できるかのイメージができるのではないか。

  • モニタリング手法で、漏れてから何年後に検知できるのか、その間の漏れを補修する技術としてどういうものがあるかという、時間感覚を含めた検討が必要。

  • CCSの実証試験中に起きた地震に対し健全性が保たれたが、地震とCCSの関連性を懸念されることがあった。日本には高精度の微小地震の観測網が存在し、それらを調べた結果、影響が圧入の前後でないことが確認された。しかし、海での微小地震の観測網の精度は非常に悪くなる。また、陸でも真上に観測井がないと深さの精度が非常に悪くなり、信用できない数値となる。

  • モニタリングについて、程度や手法に限度はあるが、情報を持っておくことが非常に重要。日本はその一つとして、周辺の地震活動を刺激するかしないかがわかる程度のものを行わないと、民意的に賛同を得られないと考えられる。

  • 事業者の立場として、圧入サイトの地上設備近辺でモニタリングを行っても、それを広域的に実施するのは大変な負荷がかかるため、国との役割分担の中で考えるべき。

  • 長岡での試験は高濃度のCO2の圧入であったが、海外では窒素が混じっている場合について議論がある。圧入するCO2に窒素が混じっている場合、地下でのCO2の挙動が変わるのではないかという論文がいくつか出ているため、機会があれば紹介したい。分離回収のコストに関わってくるため重要なテーマとして、今後検討する必要がある。

  • 圧入井に想定通りのレートで圧入できるかどうか、圧入性能の評価の研究も必要と考えられる。

諸外国及び日本のCCSに関連する規制の概要

資料6に基づき事務局より説明。これに対する意見は、以下のとおり。

  • 将来事業者がCCSを始めたときに、基準に基づき様々な証拠を出してくるが、どういう立場の人がどのように判断するのか。

  • 地質的なデータやシミュレーションのデータについて、専門家が判断を行うのか。工学的に数値を出せる分野とそうではない分野があるが、専門家集団が中立的な立場で行うのか、国が指導的に行っていくように考えているのかがよくわからない。
    →一定の有識者に審査の仕組みと意見、勧告を受ける形にする場合と、行政の中に専門スタッフをチームとして養成する場合と、両方が想定される。具体的な法令として、海洋汚染防止法が存在し、環境省に担当部局があり、そこが具体的な審査を行うことが想定されている。
    →(環境省)海洋汚染防止法との関係で、CCSに関する環境影響評価やモニタリングの知見の確立について検討中であり、経産省と情報を共有しながら進めていく。有識者の意見を踏まえ、知見を確立していくことを検討中。

  • 規制についてはもちろん大切な事であるが、過剰規制とならないよう注意する必要がある。

  • 資料6の(3)(2)の米国の圧入圧力の記載について、原文では「スティミュレーションを行うとき以外は90%を超えないこと」と記載されている。「スティミュレーションを行うとき以外は」という文言がないと事業者としては大変困るため、事業者側の立場に十分配慮した検討が必要。

  • 安全基準の問題に関して、サイト選定以前の段階、事業後の段階、閉鎖後の段階における安全基準をそれぞれ整理し、どういう事を議論するのかはきちんと整理するべき。

ワーキンググループにおける検討を進めるにあたって

資料7に基づき、事務局より説明。

以上

 
 
最終更新日:2008年12月8日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.