経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会CCS実施に係る安全基準検討ワーキンググループ(第2回)-議事録

日時:平成20年11月19日(水)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館2階東6共用会議室

議事概要

  • 三橋地球環境技術室長

    環境省あるいは経済産業省の職員が一部来ておりませんが、既に委員はお集まりでございますので、お待たせするのも何でございますので、早速、本日の会合に入らせていただきたいと思います。

    早速、座長に進行をお願いするということで進めてまいりたいと思います。

  • 松橋座長

    おはようございます。前回がCCS実施に係る安全基準検討ワーキングと長期的な安全性確保検討ワーキングの合同会議であったということで、今回が安全基準検討のワーキングに関しては第2回ということになっております。

    このワーキング・グループは大変勤勉なワーキングでございまして、1回にお二方ずつ委員の先生方にプレゼンテーションしていただいて知識を深め、そしてガイドラインの作成等につなげていくということでございます。早速ではございますが、本日、第1回でございますが、佐藤委員と長谷川委員からプレゼンテーションをしていただくことになっております。

    その前に、事務局から資料の確認をお願いいたします。

  • 三橋環境技術室長

    お手元に議事次第と配付資料を一枚に書いた紙がございます。本日、プレゼンテーションをしていただく2名の委員から御提出いただきました資料、投影されますスライドのプリントされたものでございますので、よろしくお願いいたします。

    資料1点目が佐藤委員からいただきました「炭酸ガスの地中貯留」、資料2点目は長谷川委員からいただいています「CO2貯留に関する安全確保について」ということ。この2点の後に、資料番号を打ってございませんが、12月と年明け以降の会合開催予定を一枚の紙にして入れてございますので、最後に確認させていただきます。それが資料全体でございます。

    それから、本日、委員の皆様の出席、御欠席について簡単に御報告させていただきます。電事連から岩田委員御出席が本来でありますが、本日は代理で福島さんに出てきていただいています。福島さんには、もう一つのワーキング・グループの委員を兼ねていただいているという形でございますし、電事連の代表で来ていただいている関係で、情報を十分にシェアしていただけるということでございます。

    このほか、鹿園委員、松岡委員の2名が本日は御欠席でございますが、いただきました資料などは直ちに送付するような手配を考えております。

炭酸ガスの地中貯留<地質条件設定のための地質情報>

  • 松橋座長

    先ほどお話ししました2名の委員からプレゼンテーションをしていただきます。

    最初は佐藤委員から、「炭酸ガスの地中貯留について」という資料1をもとに、50分ぐらいをめどにお話をいただきたいと思います。佐藤委員、よろしくお願いいたします。

  • 佐藤(徹)委員

    御紹介あずかりました佐藤でございます。

    私は専門が地下の貯留層エンジニアリング、普通、油ガス層なんですけれども、水層についても似たようなものという考え方で、長らくCCSには携わっております。もっぱら地下の関係について知見といいますか、前回、岩野原プロジェクトで総括的にいろんなお話がありましたけれども、それにかなり関連したところも多いと思います。それと、基本的な考え方というか、それも御説明したいと思います。

    きょうのお話の内容は、ここに書いてありますように、貯留システムを構成する条件、いつもよく出てくる言葉で、地質構造があること、貯留層があること、帽岩があること、三つがキーワードになっているかと思います。それから、それに関する地質データの取得方法として、三次元地震探査と、適当な場所を選んでの調査井の掘削、どんな手法でデータを取るかということ。それから、ちょっと話は変わりますけれども、3番目として、掃攻率と俗に呼んでいますけれども、どういうことかという考え方ですね。最後に、私ども大分昔になりますけれども、EORとして油田をターゲットに炭酸ガスを注入して油の増産を図るというのを秋田県の申川油田でテストしておりますので、その簡単な御紹介をしたいと思います。

    1番目、貯留システムを構成する条件ということです。地質構造については、当然ですけれども、トラップが形成されていること。個々のことは、この後で詳しく御説明いたします。

    CO2を地中に閉じ込める方法として、一番簡単なのはトラップができていて、そこにフリーガスとして炭酸ガスを入れる。それ以外に、例えば水に溶解してしまえば地上に漏れにくいのではないかとか、また地下の水だとか岩石と化学反応を起こして鉱物に吸着させるといいますか、そういう方法もありますけれども、ここでは大規模にCO2を入れるとなりますと、フリーガスに近い形で地下に閉じ込めるということを考えられますので、まずはその考え方でトラップが必要でしょう。

    それから、貯留層。これは実際に炭酸ガスが地下に閉じ込められるレザーバーですね。ここでの条件は多量のCO2が容易に、簡単に圧入できるかどうか。その項目としては、例えば容量の点、浸透性がどうか、あるいは貯留層の中の不均質性だとか、シェールがはさまっているのはどう影響するか、あるいは断層がどう影響するか。それから、地下に入れた炭酸ガスが上方へ移動しないようにというか、その帽岩、キャップロックですね、そのシール能力があるかという点で、そういうような厚さだとか連続性、透過性、強度、断層といったことについて、これから御説明します。

    まず地質構造の構造性のトラップであるということ。トラップはどういう意味かといいますと、地下に炭酸ガスを入れますと、基本的にガスです。超臨界ですけれども、水よりは軽いということで、必ず浮力で上へ上へと移動していきます。ですから、上への移動をとめるためにはふたがされていなくちゃいけない。一番簡単なのはドーム状の形。背斜構造と我々は呼びますけれども、これは山の絵の等高線と同じだと考えてください。地下に等高線をかいた等深度線ですけれども、山があって、断面を見ますと、上に閉じていて、ここにたまる。これが一番議論されている形です。

    そのほかに、これはもちろん油やガスがどこにあるかというお話と同じなんですけれども、断層トラップ。断層がずれていて、この絵は、横線引いてあるのが泥岩類、浸透性がなくてシールとなり得る岩石、この点々が砂、砂岩ですね、物が流動しやすい浸透性のある岩石。例えば断層で切れて、こういうふうにトラップしているというところにも油ガスがあります。逆に言えば、そういうところにも炭酸ガスを入れる可能性はある。

    あるいは、不整合といいまして、地層は海底下で堆積をして、どんどん積み重なって厚くなってできます。それが一たん上昇して海面より上がりますと、浸食を受けて削られます。また沈むというと、基層の面とずれた構造ができます。この面で例えば砂がシールされている。あるいは、砂が薄くなって尖滅してトラップしているところ。昔の河川の形です。川の跡に砂がたまっていて、その上に泥がたまったために、川の形に砂がたまっている。こういうのを層位トラップと呼びます。確かに油ガスを探鉱する上ではありますけれども、恐らくCO2の地中貯留の対象としては、規模の大きさとか、地上から地震探査かけてわかりやすさという点では、これはかなり難しいトラップではあると思います。ですから、大きな背斜構造をねらうというのが基本的な考え方だと思います。

    次は入れ物としての貯留層です。3つの要素を書いてあります。容量。最もシンプルな枯渇ガス層に炭酸ガスを入れるという方法は、今までガスが入っていたところですから、少なくとも初期の圧力程度までにはガスが入れられる。それから、例えばEORで油層に入れる。こういう場合は非常に簡単ですけれども、水が入っている帯水層に入れる場合、ガスが入った部分だけ、その水がどこかへ簡単に移動してくれないと詰まってしまうというか、圧力が上がってしまいます。ですから、ガスを圧入して水を排除した分だけ、全体でこの圧力を吸収してくれるような大きさ、容量が必要になります。それについて、ざっと概算したものをこの次にお見せいたします。

    それから、浸透性のよさ。1本の井戸からどれだけたくさんのガスが入れられるか。これは浸透性のよさ。緻密な岩石よりは、例えば皆さんが台所で使われているスポンジみたいにザクザクな、理想的にはそうですけれども、あれだけズボスボとよく通るところですと、1坑井当たりの圧入量がふえますので、必要な井戸の数も減らせる、経済的にできる。これも必要な条件になってくると思います。これについては簡単なシミュレーションを置くこともできます。

    それから、不均質性・頁岩の挟みとか断層というんですが、ガスがうまく広がっていってくれるかどうか、それを阻害する要素がどのくらいあるんだろうかという情報もとらなければいけない。基本的には、容量としてはそれほど大きく影響しないと思いますけれども、例えば近くに断層なんかあれば流動がとまってしまう。

    ここで、先ほど言いました単純な水層だけを考えまして、CO2を100万トン、5億m3圧入するとします。深度1000mぐらい。本当は、圧力はもうちょっと高いんでしょうけども、100気圧ぐらいの圧力。5%ぐらいの上昇を許容するとしたら、どのくらいの水層が必要になるか。そこで、砂岩と考えて、その圧縮率と、中に塩水が入っていますので、その圧縮率、孔隙率20%と、いろいろと設定しまして、溶解度も、いろんな測定値ありますけれども、1klの水に20m<sup>3</p>ぐらい溶けると。これは粗い数字ですけれども、炭酸ガスが地下で地上の200分の1ぐらいのボリュームに減る。理想気体よりは圧縮しやすい気体です。炭酸ガスが入ったところでは、50%水で、50%ガスの状態。

    ざあっとここで計算しますと、100万トン、5億m3、地下で200分の1のボリュームになります。溶解分も考えますと、フリーガスで228万m3ぐらいになるだろう。その領域は半径600mぐらいに広がる。ざっとした水層の大きさをかいたんですけれども、厚さ20mとしますと、半径600mぐらいのところに広がるでしょう。ただし、この分だけ水がどこかへ移動して圧力を吸収しなければいけません。

    「ksc」という単位は、正しいSI単位じゃないんですけれども、「キログラム重」ということですね。5気圧と同じぐらいです。5気圧上がる分ぐらいだと、大体50kmの30kmで、厚さ20mぐらい。ですから、実際に入れる場所の大きさ、CO2が実際に入る、アクセスする場所プラス、附随している横の広がりがかなり大きくないと、圧力上昇は防げない。そういう地質構造を探さなくちゃいけないということですね。そうでないと、水を排出しないとガスが入っていかないという計算になってしまいます。

    これは非常に有名な北海のSleipnerでCO2を普通の帯水層に入れている絵ですね。例えばどんな不均質性があるかというと、ここから入れて、丸く広がっていない、南北に広がっているものですから、浸透性のよさが南北にあるんだろう。こういうのは事前に把握するのは難しいかなという気はします。ですから、ある程度のモニタリングが必要かと思います。

    それから、わかりにくいですけれども、黒丸の点からこういうふうに注入をしていて、その変化をずうっと追っているんです。ガスは上昇していって、普通の地震探査ではバリアになっているかどうかわからないような泥岩層、薄いシェールですね、頁岩の挟みにぶつかっては、そこを迂回して少しずつ上がっていく。ですから、実際に注入すると、恐らくこういう薄いシェールが挟まっていて、最終的に大きな帽岩部分、キャップロックのところでとまるでしょう。ですから、その過程においては、どういうポイントで注入するのが一番効率がよいかとか、深度だとか、場所だとか、最終的には詳しい情報をとっていかなければいけないでしょう。

    最後にキャップロックの点です。ガスが貯留層に入れて、それから上へしみ出していくわけですけれども、それを防ぐのに十分な厚さがあるかどうか。普通、油ガス層が成立しているところを見れば、数十メートルとか、100m単位で泥があります。ですから、そのくらいあればいいんじゃないかとは思いますけれども、これについては地質の専門の方がいらっしゃると思うので、そこで議論をしなくちゃいけないかと思います。この連続性ですね、貯留層を十分覆っているかどうか。

    それで、簡単な試験といいますか、実験室ではかるコアのスレショルド圧力測定という方法があります。これは水で飽和した泥岩ですね、シェールだとか、頁岩をどれだけガスが通過しないで持たせることができるかという圧力をはかります。この圧力までならば、ガスは抜けることはないと、そういうものは実験室で、現場の地下の石を取ってきて測定できる。それから、圧力をかけて割れてしまうと漏れるんじゃないかということで、キャップロックの強度ですね、破壊強度をはかる方法で、掘削時にリークオフテストを行います。これについて、後で説明をいたします。

    それから、断層ですけれども、断層はあっても、ずうっと泥が続いているような中で断層が少しずれても、普通はそこを漏れるようなことはありません。断層面そのものは、場合によりますけれども、先ほど断層トラップと言ったぐらいで、シールしているものもかなりあるし、中には通るものがあるかもしれない。これも別に地質屋さんが議論しなくちゃいけない点で、できれば断層のない、そういうのを避けた場所を選ぶことは大事かと思います。

    ここで違う話ですけれども、模式的に考え方なんですが、これは別に炭酸ガスを入れた絵ではなくて、メタンリッチな天然ガスがあるレザーバーを想定しています。こういう砂層が陸上のどこかまで続いている。スケールは全くでたらめです、これで1000m、これが100mですから。普通はガス層の一番のところで静水圧、水の重さに対する圧力がかかっています。ざっと言いますと、1000mならば100気圧分、100kscかかっている。

    天然ガス層がもしこういうふうにかなり急傾斜で立っている場合ですね、このカラムが厚い場合、高いといいますか、ざっと計算しますと、例えば100mガス層があると、水は1なんですけれども、ガス層はメタンリッチですとかなり軽いものですから0.1ぐらい。すると、100mでも1気圧分しか重さで圧力を減らせない。ガス層の頭では99キロ。そのすぐ外の帽岩、キャップロックのところでは、水の静水圧勾配かかっていますので、90キロ。ですから、ガス層が厚い場合は、必ず周囲の圧力より高くなっています。ですから、このガスカラムが厚いほど、キャップロックにかかる負担は、深度に対しては多少多くなる。この場合、比重換算にしますと、水で1だったところが1.1ぐらいになる。

    普通、油ガス層ですと、この水が地上まで達していない、どこかで終わってしまっている。閉じた水層ですから、例えばビニール袋に入ったものの上に岩石が乗っています。水より岩石の重さのほうが重たいわけですから、水のビニール袋に入ったものが地下にドカンとあって石が乗っていれば重たいということで、地下へ行くほど、帯水層に限りません、油ガス層ですけれども、水の勾配1よりはどんどん大きくなってきます。ですから、我々、石油井戸を掘るときも、比重が1.0なんていうことでなくて、1.2とか1.3、重いと2.0という、重たい掘削流体で抑圧してやらないと、地下の圧力で噴いてくる。

    ですから、ここで言いたいのは、急傾斜で立っているレザーバーに対してガスを入れると、キャップロックの負担が大きくなりますので、できれば緩やかな、余り高低差がなくて広い、横に広がった、Sleipnerなんかは本当に横に広がっちゃっただけという構造ですけれども、そういうところのほうが負担は軽くなるんじゃないか。これは、条件というよりは、こういう考え方もしているということです。

    次から、今まで言いました構造とか貯留岩、キャップロックについての地質データの取得方法について御説明します。

    最初に、地質構造をどう把握するか。一番多く使われている方法が地震探査ですね。最近は、測線を一本引いて2次元でとるのを何本も引くよりは、3次元地震探査で一遍にとるという形が、かなり作業の仕方が効率化しているといいますか、昔は結構高かったんですけれども、費用も余りかからなくなってきて、海外の海域なんかではごく当たり前に行われていますし、日本の国内でも3次元地震探査の実績はかなりあります。

    当社が海域とか陸域いろんなところで実績ありますので、その方法を簡単に御説明します。海と陸と、海と陸の境目でやり方が全く異なりますので、その御説明を。地震探査の目的は、ここに書いた3つですね。先ほど言いましたトラップができていること。ですから、貯留層の規模を把握する。それから、キャップロックがちゃんと存在しているか。要するに、地質構造全体を見ること。これが地震探査の目的です。

    ただ、地下の地層の境界面で反射した地震波、弾性波を調べますけれども、要するに何秒後に返ってきたという時間断面しかわかりません。実際の深度、深さはわかりませんので、地下の岩石での弾性波速度という情報が必要になります。速度場といいますけれども、それが全く未知なところ、新しい地域ですとよくわからない。そういうときは、地上で同じような地層が山のほうで出ていれば、そういう石の弾性波速度とか、井戸が一本あれば、そこではかったVSPといいますけれども、地下での弾性波速度をはかる手法ですけれども、できれば、こういう情報がないと正しい深度断面ができない。

    これは海で地震探査をしている絵の模式図です。地震探査すると、こういう絵が得られるわけです。地下で地層が砂から泥、砂から泥に変わるとか、音響インピーダンスといいますけれども、石の密度と音速度、弾性速度をかけたもの、この数字が違う面で反射が起きます。その反射を拾ってくる。模式的にかいたものです。

    海の場合ですと、発信船、エアガンで空気を海中でボンボンと打ち出すわけです。その信号を拾うストリーマーケーブルを3kmから6kmぐらい引っ張って、ある一瞬で反射したものをとって、動いている最中にやるんですけれども、ある間隔を置いてどんどんとっていく。

    漫画で見ると、こんな感じですね。船が引っ張っていく。これが普通の2次元地震探査なんですけれども、なかなか効率が悪いものですから、最近は海の場合、3次元がかなり多くなされています。この例ですと、100m置きにストリーマーケーブルが4本。実際に写真があります。右端切れていまが、ストリーマーケーブルを4本引っ張って、ここでエアガンを打つ。これをずうっと引っ張っていきます。多いものですと、10何本と引っ張るのもあります。

    ですから、海に障害物が全然ない場合、海外のそういうところですと、かなり幅を広くとって、一気にとっちゃおうと。ただし、国内は漁業関係者が、定置網だ、何だってありますので、なかなかそう簡単にいかない。実際は、3キロ、6キロとかなり長いものを引っ張っていますので、急に船は曲がれませんから、ゆっくり回っていって、ずらしながら対象領域の中はずうっと行ったり来たりしてデータをとっていける。こういう方法です。

    陸の場合ですけれども、後で写真出ますけれども、バイブロサイスというバイブレーター、地下にそのパッドを押しつけで、ダダダッと振動を与えるものがあります。道路工事でアスファルトをタンパーというか、振動で固めているのを皆さん、ごらんになっていると思いますけれども、あれの巨大なものですね。それで信号を送って、受信機は陸地に一定間隔で差し込んでおいて、そこで反射を拾ってくる。

    これは弊社が行った3次元地震探査の一例です。とにかく、日本で陸上は大変です。まず住宅地があって、バンバン振動来ますので、住民の方、町内会の方みんなに事前説明して了解していただかないと。もちろん夜は作業できません。それから、工場ですね。工場は、地震があって揺れがあると自動的にシャットダウンかかるとか、そういうところだとできませんし、非常に嫌がられることが多い。あとゴルフ場ですね。受信機とか測線を張ります。そうすると、フェアウェイが荒らされるとか、これも非常に嫌がられる。

    ここはたまたまある場所ですけれども、ラムサール条約の湖があるところ、そこは絶対入らせてくれないわけですね。だから、こういうところを避けながら、これは紫色がバイブレーター、バイブロサイスというので、下のパットを当てて揺するんですけれども、主に南北系といいますか、紫と赤い線のところで発信して、緑の北東、南西系で受信をする。少しずつパターンをずらしながら、全体と。陸上は結構大変です。

    もう一つ、海と陸の境目。先ほどの巨大な3次元地震探鉱船はある程度水深がないとできません。水深が浅いところ、海岸沿いは海底にケーブルをおろして測定をする。オーシャンボトムケーブルといいます。

    オーシャンボトムケーブル、小さな船で最終的に人間が引っ張って陸上をつないだりしますけれども、例えばこの例ですと、3本引っ張っていって、船の上で、こういう方向でどんどん動いていく。この3カ所が終わると、これを移動して、こういうふうにやっていく。これをだんだん面的に広げていきます。これもなかなか手間がかかります。

    一例ですけれども、こうやっていろいろ苦労してとった地震探査の例です。これはどういう面かといいますと、3Dでとった地層の境界がこういうふうに見えているわけです。これはある時間断面でスパッと切ります。背斜構造があると、バームクーヘンの皮が傾いたようなところですね。ですから、斜めにサインカーブみたいに出てきます。海域は非常によくわかりやすい。ノイズが少ない。陸域は道路、トラックがたくさん走っているとか、いろんなノイズがあって、はっきり言って、よくわからない。ですから、苦労した割には、陸域は結構難しい。山が深いようなところでも、作業するほうが大変ですね、測線をどう張るか。道がないようなところもありますので。ですから、3Dでいい地質情報をとるには、海域のほうが非常によくわかりやすくて、簡単、要するに、安価にもできるということです。

    先ほどから地層の絵みたいな地震探査の結果の絵を見ていますけれども、実際は音の周波数ですから、かなり波長が長い。一つの地層とかいているような絵は、実際の露頭で見ると、砂泥、砂泥が幾つかたくさん入っているようなものです。ですから、大きないいターゲットとなるCO2が入る砂層があったかなと思っても、中は不均質性がありますので、この中で十分炭酸ガスが水を置換するかどうかということは、最終的には、ある程度井戸を掘って細かい状況を見ないと、大きな目で見た地質構造は地震探査でわかりますけれども、その次の段階としては井戸を掘って、実際の地質がどうなっているか、炭酸ガスが効率よくここに入っていくのか、後で言いますけれども、掃攻率といって何パーセントぐらいうまく水を置換してくれるか、それが必要な規模、容量ということになりますので、情報としては必要になってきます。

    そういう大きな目で見た地質構造で入れ物となるトラップがある、帽岩もありそうだ、レザーバーもありそうだというところで調査井を掘削するわけです。これはイントロの絵で、直接調査井と関係あるかどうかわかりませんけれども、もし海域でこういう背斜構造を探すと、陸域から掘る場合、大偏距掘削、ERDと呼んでいます、エクステンド・リーチ・ドリリング。イメージとしては、海へ5キロ飛ばして浅いところ1500掘るとか、こういう技術があります。鉄管を回しながら井戸を掘りますので、ひきずられるので、結構難しいのではありますけれども、石油を掘る業界では、例えばサハリンですと、これが10キロ飛んで、2000幾らの深度あります。そのくらい横へ飛ばすこともできる。そういう技術はあります。

    ここで掘削して、どんなデータをとるかということで、まず物理検層。掘った井戸にいろんな種類の検層器というものがあります。それによって岩相とか孔隙率とかこういうものをはかる。これはちょっとした漫画ですけれども、施工例の絵を借りてきましたが、キャップロックがあって、油があって、水がある。これは油田の場合です。例えば密度検層、孔隙がわかるような検層をする。掘削していると、炭酸ガスの場合は関係ないんですけれども、油ガス徴といって、ショーイングを見られて、我々でここを探すわけです。

    ざっと、どんな種類があるか。γ線検層とか密度検層、γ線を出して、その散乱から地下での密度を見るだけです。それから、中性子を使う方法。中性子は水素の原子核、陽子と同じ重さを持っていますので、ぶつかるとエネルギーが吸収されるということで、水素のインジケーターとして中性子検層を使います。例えば炭酸ガスを入れた場合、CO2には水素がありません。もともと水が入っていたので、H2Oは水素がたくさんありますから、CO2がふえれば非常にわかりやすい検層ではあります。事前調査の段階では関係ないですけれども、モニタリングのときにはそういう目的にも使える。

    あと、音速度をはかる音波検層あります。少しでもガスがあると音速は急速に下がりますので、ガスがあるないということがわかります。こういうもので岩相とか、石の種類ですね、砂岩である、泥岩である、頁岩であるとか、石炭層が入っているところもありますけれども、そういうものがわかる。それから、孔隙率。ガスのインジケーターになる。

    そのほかに、基本的に電気比抵抗をはかります。比抵抗をはかることによって飽和率がわかる。我々がこれからターゲットにするのは水層ですから、水だけ100%で問題ないんですけれども、油ガスを探すときは、油ガスは電気通しませんので、比抵抗が変わる。

    それから、核磁気共鳴、NMRという原理を使って、水分子のNMRを利用して、動く水、動かない水、要するに、岩石表面に吸着している水だとか、粘土鉱物に取り込まれて固体相になっている水と、フリーで動く水の違いを見て、フリーで動く水が浸透性をあらわしています。浸透率そのものではないんですけれども、浸透が高い低いを見るためには核磁気共鳴を使った検層器というものも使える。

    あとVSP。vertical seismic profilingというんですけれども、地震探査のための速度場を、井戸を掘っていって地下に受信機を置いて、地上でバイブレーターで揺すって、その到達時間で時間と深さとの関係、要するに、音速度ですね、岩石の音速度をはかっていく。

    あとは、サーマルニュートロンを使った方法で塩素イオン濃度だとか、γ線スペクトルで炭素と酸素の比率を見ると、いろんな道具がありますので、モニタリングのほうではいろいろ使えるかと思います。基本的な使い方としては、孔隙率をまず見たい。石の種類と孔隙率ですね。どこに、どのくらいの層があって入れる。そのくらいの情報で最初は十分かと思います。

    もう一つ、井戸を掘りますと、コアをとってきます。我々、コアと呼んでいるのは岩心ですかね、地下での石、例えば帽岩のところ、キャップロックでも、レザーバー、貯留層の石でも、こういう円筒状で掘ってきます。これを地上に上げて実験室で分析をする。ここに例がありますけれども、砂岩だとか、石灰岩、火山岩とか、顕微鏡で孔隙状態を見たのがこういう例です。基本的に、我々は、日本国内ですから、砂岩をターゲットにしています。石灰岩レザーバーは日本には発達していない。火山岩は不均質性が大きいですから、これはターゲットにはできないと思います。砂粒の間の青いところが空隙になっています。

    コア分析はどんなことをするかといいますと、石自体の鉱物がどんなか。なぜかといいますと、CO2を入れて水に溶けて弱炭酸になります。それと化学反応を起こして溶けないかとか、再沈殿して目詰まりさせないかとか、例えば方解石みたいな炭酸カルシウムが多いと、炭酸ガスで溶けていきますので、鍾乳洞をつくるようなものですね、そういう反応が起こるとどうか。CO2を入れているような短い区間で、この反応はそれほど早くは進まないと思います。それから、先ほど言いました孔隙率、コア自体から直接はかれます。これは貯留の容量には関係してくる。それから、浸透率を測定します。これはガス、水の移動、流動のしやすさ。あとは毛管圧とか相対浸透率。ガスが水を置換しますので、そのとき何パーセント分ぐらいガスのボリュームが入れるか。ですから、空間のうち例えば4割入れるのか、6割入れるのか、8割ぐらい入れるのかによって、必要とされる広さが変わってきます。

    もう一つ、帽岩ですね。キャップロックでスレショルド圧力。スレショルド圧力については、こちらに絵をかきました。模式図ですけれども、ここから上がキャップロックになっていて、ここから下が貯留層になっている。こちら側が砂岩で、こっちが泥岩。ミクロに言いますと、こういう泥の粒があって、水で飽和した状態。これが泥岩ですね。実際、ガスが入ってきますと、ガスと水との間の界面張力と、このすき間によって、毛細管圧力が生じます。その圧力によって、このガスがここから先、進めない。基本的に、泥岩の粒子のほうが水濡れ性ということです。ガスが非濡れ性、濡れない。こういう場合は、こうやってトラップされます。ただし、圧力をどんどんかけていくと、この毛管圧に打ち勝って移動していく。

    ここは完全に漫画みたいな絵ですけれども、縦軸が圧力、横が時間なんですが、実験室で泥岩のコアの端っこからガスを圧入していく形にするんですけれども、圧力を少しずつかけていくと、あるところで水が流出し始める。水が流出し始めるということは、ここから水が出るということですから、ガスが入ってきている。それをスレショルド圧力といいまして、これよりも低い圧力でガスが接触している分にはガスが透過しない。そういう目安になります。

    それから、掘削中なんですけれども、先ほど言いましたリークオフテスト。キャップロックの破壊圧の測定を行います。こちらに漫画をかきました。井戸をどんどん掘っていく。掘っていけば地層の面が裸の面でこういうふうに露出されていきます。我々、ボアホールとか裸孔とか呼んでいますけれども、裸の状態で泥岩があった、砂岩があったとか、火山岩があったとかいう順番で出てくるわけです。地下での圧力が深度によって、岩相によってどんどん変わってきますので、あるところまでいきますと、我々はケーシングパイプをおろします。ここで黒くかいたケーシングですね。周りをセメントで囲んで、ここから下の地下の状態とその上の状態を遮断して、地下の高圧層のところを掘っていけるようにしていきます。

    こういうところですと、ターゲットが限られている。ターゲットが限定されているということですね。裸孔が広いところで加圧テストなんかしますと、どこで入っていくかわからない。ちょうどケーシングをセットして、セメント決めたところですと、ここの部分だけに圧力かかりますので、必要なところによっては、泥岩のところで決めることが多いんですけれども、そこでかなり加圧していって割れる状態を調べる。これをリークオフテストといいます。

    地層圧には砂の粒子だとか、粘土の粒子とかあるわけですけれども、空間は地層圧が持って、流体圧が持って、あとは岩圧が持っているわけですけれども、地層圧を上げていくことによって岩圧に打ち勝って、割れを開いていく。それをリークオフテストといいます。地層を破壊するわけですけれども、ここではもう少し丁寧に、単純にリークオフプレッシャーだけじゃなくて、さらにいろんな岩石、力学的なパラメータをとろうということで、エスクテンディド・リークオフテストの説明をします。

    基本的にターゲットとしますのは浸透性がほとんどない泥岩です。ですから、ここにケーシング圧力、水をゆっくり押していきます。そうすると、横軸は入れた水の量なんですけれども、縦軸が圧力で、入れた量に応じてずうっと直線的に上がっていきます。あるところで急に圧力の上昇の仕方が減ってくる。つまり、圧力かけた水がどこかに抜けていく。これがリークオフプレッシャー、亀裂ができ始めて管内にある水が外へ逃げ始めているという状態ですね。

    一定レートで圧力を上げていきます。そうすると、圧力の上昇の仕方が鈍ってくる。要するに、亀裂が進展していくわけですけれども、あるところで、これがFormation Breakdown pressure、最高圧に達して急激に割れが広がり始める、急速に進展し始めます。そうすると、加圧していたもの、圧力が逃げやすい状態になってきます。時間とともにプロットしていますから、水が入り始めますので、ここの圧力が下がってくる。このままずうっと一定のレートで水を押していきます。そうすると、どんどん割れが広がっていく。一定した圧力でずうっと進行していく。これをFracture propagation pressure、亀裂が安定成長していく圧力と呼んでいます。こういう感じの絵ですね。

    ここでポンプをバッととめます。一瞬圧力が落ちます。今までポンプで送っていた管内の粒度の摩擦抵抗の分がありますけれども、ポンプをとめると、それがなくなりますので、一瞬下がった圧力、これが実際の地層圧を反映しています。

    この後、時間を追っていきますと、徐々に入れた水が地層へ逃げていきますので、フラクチャー割れが閉じていく。閉じたところがFracture closure pressureと呼んでいます。基本的にFracture closure pressureより、リークオフの始まった圧力が地層の最終主応力に近いだろう。ですから、この圧力を超えなければ石は割れない。これがその後のキャップロックのシール性で、どこまで圧力をかけられるかの基準となるテストの一つですね。

    それから、調査井掘削。井戸を掘りましたので、何をするかといいますと、生産テストで地下の貯留層の水はどんな水か。これも先ほど言いましたけれども、変な金属イオンがあって炭酸ガスと反応しないかどうかとか、それは一応チェックしなくちゃいけない。孔隙を閉塞させたりしないこと。

    それから、大事なのは、我々がよく圧力テストと呼んでいます原位置、井戸を使ったテストです。生産するときに圧力ビルドアップテストというのがあります。横軸が時間軸、これが圧力なんですけれども、生産し始めると圧力がすうっと下がっていきます。あるところでパタッと密閉すると、圧力がゆっくり上昇してもとの地層圧に戻っていく。これを圧力ビルドアップといいます。この形から、浸透率とか、いろんな情報をとることができます。反対に圧入テストですね、水を圧入して、これは圧力ビルドアップですから、引っ繰り返したような圧力がだんだん上がっていってストップすると、ヒューッとゆっくり下がってくる。そのフォールオフをはかる。これで浸透率を測定することができます。

    それから、貯留層自体の話。先ほどキャップロックの話をしましたけれども、貯留層がどこで壊れるかというのを見るためのステップレート圧入テストというのもあります。

    圧力テストの方法はいろいろありますけれども、赤で書いたプレッシャービルドアップとかフォールオフですね、圧力変化分を縦軸に、横に時間をとって、両対数でプロットしますと、圧力が黒線のようにプロットされていきます。この変化率を微分でとると、こういう形になってくる。

    早期のデータからは、掘った井戸の周りに生産障害が起きているかどうか、例えば掘削泥水が中へ入って浸透性を悪くしている、ダメージができているというような情報はわかります。そういう場合は、後で三次処理をするとか、圧入性の改善をすることができる。それから、中期のデータからは浸透率が大体わかります。そのほかいろいろわかる情報があります。終わりのほうの情報からは、もっと遠いところでノーフローバウンダリーがあるか。ノーフローバウンダリーといいますのは、物が流れてこない。これは基本的に無限の遠くから流れてくることを想定していますので、圧力に変化が出てきます。断層がどこにあるだろうか、またフローバリアがどこにあるだろうかという情報も得られます。

    ですから、井戸を掘って周囲にこういうものがたくさん出てきちゃうと、ロケーションとしては流動障害が起きるものが近くにあるということで、また考えなくちゃいけないということにはなります。

    これはリークオフテストとは違って、貯留岩の破壊圧、ブレークダウン圧力をはかるときで、圧入レートを変えていって圧力を見ますと、どこかで折れ曲がるところがあります。ある圧力で貯留岩が割れて、フラクチャーに沿って入りやすくなる。ですから、圧入性を重視する場合、フラクチャーの影響がそれほど大きくない場合は、ある程度フラクチャーを起こして圧入レートを大きくとる。この圧力で帽岩が割れなければ、キャップロックが割れなければ問題ないわけですから、我々は油ガス生産するときは生産性をよくするために、フラクチャリングといいまして、これ以上の圧力をかけて、できたすき間に粗い砂粒を詰めて流動を確保するという方法をとります。

    ですから、こういう方法で圧入レートを確保することは、レザーバードックの中ならば多少フラクチャーをつくっても問題はないんじゃないか。もちろん岩質だとか、厚さがどうかとか、どの位置でやるかということは十分に検討する必要はあると思います。もちろん、必ずフラクチャーをつくれと言っているわけじゃありません。心配になれば、なるべく圧力を抑え目にというのは構わないと思います。

    ここで話は変わりまして、掃攻率。置換効率とか、面積掃攻率、垂直掃攻率という言葉があります。何で掃攻率というかといいますと、地下にアクセスするボリューム、帯水層の水としてのボリュームはわかっても、そのうちどれだけガスがそこに入っていけるのか、この置換する効率が悪いと、より広い面積、広いボリュームで、大きなボリュームをターゲットにしないと、ガスがうまく入っていかないということになります。

    例えば置換効率という言葉の定義は、漫画なんですけれども、ここからガスを圧入して、ここから水を抜いていくという、水攻法とかいう言葉がありますけれども、5点法といって、その一つを切ったものです。ガスがこういうふうに広がっていって、最後は生産井へ抜ける。ガスがスウィープ、入っていったというか、掃攻した部分の中でミクロに見て、局所的に見て、ガスが水をどれだけ置換したかが置換効率です。ミクロに見て、ガスが水をどこまで押していったか。これはガスが入っていた領域。それから、ガスが入る領域について、面積掃攻率という言葉があります。面積的にこのエリアの何パーセント分をガスが入っていっただろうか。

    それから、これは垂直掃攻率。実際に掘ると、砂層が何枚もたくさんあった。それぞれの浸透率が違う。浸透性が高いものほどよく入っていくし、悪いものは入っていかない。ですから、バーティカルに見て、必ずしもきれいに、ところてんを押していくようにはいかない。これら全部をかけ合わせたものが容積的にどういうふうに置換できるか。例えば垂直掃攻率で均質な場合でも、ガスは水よりも軽いですから、必ず上のほうへいきます。重力分離が起きます。こういう場合でも流速が速ければ、比較的それが抑えられるというデータもあります。実際に、いろいろこういうものが複雑に絡みあってくる。

    今までところを全部まとめまして、データ取得に関するまとめとしまして、調査井掘削前、どんな調査をするか。基本的にほしいデータはトラップがあるかないか、構造があるかないかですね。それから、CO2を実際に入れる貯留層があるか、その規模はどうか、容量はどうか、広さがどうかとか、厚さはどうかということですね。それから、ちゃんとしたキャップロックがあること。断層がどういうふうに分布しているだろうか。こういったものは、先ほど言った地震探査とか、既存の日本の国内、日本海側の油田地帯は特に既存データはかなりたくさんあります。ですから、こういうものも利用して、ターゲットとなり得る候補、候補地選定(1)(2)(3)といいますけれども、第1段階、第2段階、第3段階と、まず入れ物がなくちゃだめ。入る層がなくちゃだめ。だったら、それをシールしているかどうか。大体こういう順番で考えていくのではないか。断層がなるべくないような場所を選んでターゲットにしましょう。

    次に、必要な場所を選んで調査井を掘削するわけですけれども、先ほど言いました物理検層でわかるものとか、コア分析でわかるもの、リークオフテスト。先ほど説明したものをまとめたものです。

    ここで時間切れになるかと思ったんですけれども、もう50分ぐらいたったんですけれども、炭酸ガス工法を申川で行いました。これはCCSとは大分違いますので簡単に御紹介します。炭酸ガスを入れたのは1997年から99年。もう10年ぐらい前になります。

    申川油田といいますのは、秋田県男鹿半島の根元、北部にあるちょっと海へ出たところの油田になります。ここはかなり古く1958年に発見しています。50年たちます。50年というのは、かなり寿命が長い油田になります。申川でも日産50キロ程度の油を出しています。今までに105坑、いろんな井戸を掘っています。範囲はかなり狭い。南北6kmで、幅が600m、非常に縦長なもので、累計生産量は250万klほどの油田です。ここでは、例えば水を圧入する水攻法をやったり、EORなんですけれども、界面活性剤を使うケミカル工法、それから、今回の炭酸ガスを入れる炭酸ガス工法。これはフィールドテストで、実用までには至らない。

    CO2工法の原理は難しいので飛ばします。

    どんなことかといいますと、CO2のようなガスを高圧にして油に触れさせますと、油から抽出分が蒸発していって炭酸ガス層に移ってきます。炭酸ガスは一般的に抽出作用が強いといいますね。洗浄剤なんかでも使いますね。高温高圧にして油分を含むようなところを洗浄する。要するに、抽出する。溶かし出してくる力が強い。油の抽出分が炭酸ガス層に移ります。炭酸ガスと油との境目で成分のやり取りが起きて境界面がなくなる。この状態をミシブルと呼んでいます。これは安定状態じゃなくて、流動している過程の途中で成分の移動が起きている。放っておいて単一層になるという意味ではありません。境目がなく動いていく。

    そういう実験をしてガラス窓からのぞいたところですけれども、油を炭酸ガスで押し出していく実験をして、その出口で見て、まず原油が出てきます。炭酸ガスまじりの原油はだんだん色が薄くなってきて、炭酸ガスになっていく。境目がない。地下に残った油をこうやって効率よく押していく。これが炭酸ガス工法です。

    申川では深度が浅い、垂直深度で700mぐらいしかありません。深度といいますのは、1000mだと100気圧、700mだと70気圧、その辺を上限にして余り高圧をかけられない。キャップロックを割ってしまうことになりますので、浅いと高圧がかけられない。高圧にならないとミシブルにならない。申川は、残念ながら、この油ではミシブルにならなかったんですけれども、油に溶け込むことによってボリュームがふえる。3割ほど堆積増加します。それから、油の粘性が下がる。3割ほど下がって、より流れやすくなる。こういう効果で、申川では、インミシブルですけれども、炭酸ガス工法で増油を見ています。

    あと炭酸ガスの有利な点です。炭酸ガスを圧縮すると、圧縮性がいいというか、かなり縮んで、100気圧ぐらいかけても密度が0.4ぐらい、ガスとしては非常に重たい。ということは、地下では同じ圧力が必要なわけですから、地上の押す圧が低く済む。自分の重さがかかっていますので、地上でのコンプレッサーの圧力が多少低く済む。メタンとか窒素を入れるのに比べれば、数倍圧力が違ってきます。注入性がいいというか、地上のオペレーションがしやすい。

    これは密度の変わり方みたいですが、あるところからは、そんなにふえていかないということで、炭酸ガスを入れるのは深度にして1000mから1500mぐらい。そこからは余りふえていかないので、地下で一番縮みやすくて、しかも重たくて、地上から圧力かけやすいという点では、この辺の深度が炭酸ガスを入れるのには適しているのではないか。これは油だけじゃなく、帯水層に入れる場合も、いかに効率よく労力を減らすことができるかということで考えていく。

    申川では、5点法という方法をとっています。大体四角の頂点からCO2を入れて、真ん中の生産井から油をとる。実際の配置で見ますと、大体100mの菱形というか、平行四辺形みたいになっています。真ん中に生産井。炭酸ガスは四方八方へ広がりますので、もったいないというので、上のほうにも生産井、既存井を置いてモニターしました。こういう構造の非常に細長い構造ですから、背斜のトップがここで東翼に落ちていく斜面のところになります。

    ここは油田ですので、キャップロックが十分にある、油がたまっていますので。余りデータがないので古い絵で申しわけないんですけれども、地上からずうっとシルト岩、泥岩が数百メートル続き、申川タフという多少浸透性のある層の下に、また泥岩が数十メートルあって、主要な油層が4枚、I層、IIa層、IIb層、III層とあります。ですから、こういう感じで泥岩があればシールができているという実例です。

    ターゲットとした砂層はIIaL層というところで、9mから10mぐらいの厚さを持っています。スペックは飛ばしまして、井戸も、今回、井戸の話をしませんので。ただし、4号井で、これがCO2を圧入していったレートですけれども、本当は正方形の四隅から同じ圧入レートできれいに真ん中に押さないと油はとれないんですけれども、残念ながら、背斜構造の頂部と東翼部は圧入性が違う。背斜構造の一番高いところでは、これが圧入レート、こちらが同じですね。1万m<sup>3</p>/日ぐらい入るところと2000しか入らないところは100mしか離れていないんですけれども、圧入性がかなり違っていたという事実はあります。

    ですから、先ほど言いましたように、こんなに傾斜が急な背斜構造よりは、急激に落ちていく、もう少し雄大なというか、緩やかな大きなドーム構造みたいなところのほうが、こういう物性の違いが小さいんじゃないか。背斜構造、断層見ますと、背斜トップでは引っ張りの力がかかりますので、多少あれができて浸透性がよくなっているということで、浸透率の分布の違いが出ているんじゃないか。

    あと炭酸ガスのブレークスルーです。圧入開始からかなり早い時期に出始めてはきています。ただ、濃度が非常に低い。生産井から出てきた炭酸ガスの濃度なんですけれども、90%まで出てきたら再利用しようと考えていました。炭酸ガスは買ってきて使うには高いものですので、もったいないので再利用したいんですけれども、こういう薄い濃度で入れると、ミシブルでも効果がないですから、残念ながら、この試験ではこのあたりで使いようがないので、放散していた。90%いったら再利用しようと思ったんですけれども、油に意外と溶けやすくて、濃度上昇が遅い。ここでは油の話です。水の場合はどうなるかというのは、こんなことはないというか、水にもかなり溶けますので、フロントは進みが遅くなるかと思います。ここでは約1万トンの炭酸ガスを注入して、真ん中の生産井から10%ぐらい、1割ぐらいが生産して放散されたという結果になりました。

    あとはモニタリングの話になりますので、時間過ぎたので、これで終わりたいと思います。

  • 松橋座長

    ありがとうございました。

    佐藤委員から大変興味深い御説明、御発表をいただきました。せっかくの機会でございますので、委員の皆様方から、あるいは行政官の皆様方からも御質問、コメント等ございましたらいただきたいと思います。いかがでございましょうか。もしあれでしたら、小さく挙手をいただきましたら、村井委員のお手が挙がりかかっておりますので、村井委員からいただきたいと思います。

  • 村井委員

    キャップロックのところで、リークオフテストというお話があって、もう一つ貯留層のほうでステップレートテストがあったんですが、今回、アメリカの地下水の規制のほうでクラス6が出て、その中にスティミュレーションテストが出てくるんです。刺激法によって地層破壊圧を決めるような話が出てくるんですが、キャップロックのほうの話なのか、貯留層のほうの話なのか、どちらに相当するのか。

  • 佐藤(徹)委員

    私、そこは読んでいないので、申しわけございません。

    リークオフテストは、浸透性があると、あのテストはできないんですね、いつ割れ始めるかって。ゆっくりポンプで押すと、どんどん逃げていっちゃうので、いつまでも壊れない。ですから、基本的に浸透性がある貯留層では、ある程度のレートをどんどん上げていって、どこで割れるか見るだけしかできないんですけれども、泥岩のところですと、ケーシングで上は鉄管だけですから、ゆっくりゆっくり押していってピュッと抜けるというか、どこかで割れ始めるのが微妙にはかれる。その境目ぐらいになると、わからない。実際は、確かに貯留層の砂があって、その直上に泥岩がありますよね。ですから、地下応力からいいますと、最小主応力の向きが横ですから、割れは縦にできてしまう。そうすると、それが延長していってしまうかどうか。

    ですから、気にしなくちゃいけないのは、貯留層を割って入れてもいいんですけれども、薄い貯留層だと、それが帽岩層まで入っていってしまうので、そのときの岩石の強度、力の入り方がどうかはよく考えないと、帽岩層を割ってしまう。それも十分厚ければ、そんな遠くへは届かないはずなんですけど。

  • 村井委員

    わかりました。どうもありがとうございました。

  • 松橋座長

    長谷川委員、お願いします。

  • 長谷川委員

    初歩的な質問で恐縮ですけれども、ガスを入れたときに、水を押し退けていく掃攻率ですか、何か説明あったときに、通常の地下でガスを入れて、水の動きは単純に置換される水がどういう方向に動きをするのか、それとも行く場所がないときはそれ以上入らないのか、そういうところの知見はもしありましたら、教えていただけませんか。

  • 佐藤(徹)委員

    皆さんのお手元にお配りしたのは、5点法でフィンガリングを起こしているという絵かと思います。これはプレッシャーシンク、こういう絵ですけれども、ここから水を抜いているわけですね。プレッシャーのソースとシンクがありますから、必ずこっちへ流れる勾配ができている。というので、極端にフィンガリングが起きやすい。特にちょっと不均質性があるとビュッと走ってしまう。

    ただ、これは油層にやっている場合でありまして、帯水層に入れる場合、基本的に水を抜くことは考えていません。ということは、たとえ不均質性があっても同心円的に広がっていく。Sleipnerの絵を見ても、縦長ではありますけれども、こういうふうに枝分かれしているというのはないですね。ですから、多少の不均質性はあっても、大局的にそれが変形するとか、同心円じゃなくていびつになるとか、どっちかの方向に行きやすくなるとか、そのくらいであって、結構きれいに押していくんじゃないかと私は思っていますけど。

  • 長谷川委員

    そうすると、CO2を地下貯留するときに、非常にいい背斜構造があるといったときに、そこに大量にやろうと思ったら、水を抜くとか、そういう工程はあったほうがより望ましいんですか。それとも、なくて、入る分だけ入れているのと余り変わらないとか、そういう知見はあるんですか。

  • 佐藤(徹)委員

    水を抜くと、その水処理は簡単ではないわけですね。地下から出てきた水はそのまま海洋に放流できません。SS分を除いたり、いろいろ分析したりしなくちゃいけない。コストを考えますと、実用的じゃないと思います。ですから、それをカバーするような大きな入れ物を見つけて、そこに入れる。それが、初めのほうに言いました必要な水の量ですね。水とか孔隙は圧縮するものです、圧力かけると。だから、そこで吸収できる量、例えば圧力1割ぐらいまでなら上がっていいということが石の強度からわかれば、その中で吸収できるような水層がずうっと広々とつながっている、Sleipnerもウトシラ層という非常に巨大な水層ですね。ですから、あそこでみんな圧力を吸収しちゃっていますので、極端に圧力上昇が起きていません。

    日本の油ガス田で見ますと、非常に規模が小さいものですから、入れ物が小さくて、入れるとすぐに圧力が上がってしまいます。ですから、我々、探すのは違う帯水層ですね。油ガスの構造とはちょっと違う、もっと大きなもので、浸透性がよくて、広々と水層がつながっている、そういうところで圧力を吸収してもらう。それを考えています。

  • 松橋座長

    澤田委員、続けてお願いいたします。

  • 澤田委員

    簡単なシミュレーションをされて、帯水層圧力が5%という計算されていますね。そのときの帯水層の面積が30×47kmという仮定ですね。この大きさで一様の水があったときに、5%上昇するという結果ですね。

  • 佐藤(徹)委員

    パラメータがちょっと変なところはあるかもしれませんけど、ざあっと手で計算したものです、シミュレーションではなく。

  • 澤田委員

    厚さはともかく、30×50kmって相当な大きさですね。

  • 佐藤(徹)委員

    相当な大きさではないかと思います。

  • 澤田委員

    しかも、5%上がっていると。100万トン以上のときですね。現実には一様じゃないでしょうから、もっと広い面積を考えなきゃいかんということになるんですかね。

  • 佐藤(徹)委員

    ただ、背斜をつくっている部分だけじゃなくて、地質的にそれがずうっとつながっていればいいわけです、これは。ガスが移動する領域じゃなくて、水がつながっていればいい領域ですから。

  • 澤田委員

    それをどう考えるかですね。30km×50kmというとかなり広いので、びっくりしたんです。

  • 佐藤(徹)委員

    あとは厚さにもよりますけどね。これは20mしか見ていませんので。スピルまで考えた背斜の量と話は全然違います。その先にもどんどん水はつながっている。帯水層の規模がどれだけあるか。

  • 澤田委員

    それを事前に調べるようなことは可能ですかね。

  • 佐藤(徹)委員

    ですから、震探をかけて、広がりでしょうね。

  • 澤田委員

    探査しかないと。

  • 佐藤(徹)委員

    その層が追っていけるというかですね。

  • 澤田委員

    わかりました。

  • 松橋座長

    各委員からの御質問に関係して、私も専門外で勉強させていただいたんですが、先ほどのエクステンディド・リークオフテストで泥岩が割れるといいますか、クラックが入るところの力学的な試験のお話がございましたね、28,29あたりですが。

    その前の泥岩の毛管圧トラッビングというところですが、こちらですと、イメージとしては固体と水がまざっているようなイメージで泥岩をとらえているのかなと思うんですけれども、次のリークオフのほうは、いわゆる固体が割れるというイメージでされていると思うんです。ここはどう理解したらいいんですか。いわゆる岩石が割れるという力学的な試験と、ガスが泥岩のすき間の水に入っていくというのがイメージとして違うように思うんですけども。

  • 佐藤(徹)委員

    この絵は天ガスさんが準備したものを使わせてもらっているんですけれども、こうやって水の中に浮いているわけではなくて、ほとんど接触して、しかも固結してくっついているところがあるわけです。この絵がわかりにくいかと思ったんですけれども、実際はくっついて石の状態になっていますので、どこかでそこが剥がされて開かれる。ですから、非常にゆっくりのレートでは、水を水で押せば毛管圧働きませんで、動くかと思います。

    ただ、実験室レベルで0.何ミリリットルという単位の実験をすればいいかもしれませんけれども、実際に井戸を掘って現場でのテストでは検知できない、ポンプのレートにしても、実験室とは違いますので。だから、原位置の試験としては、非常に低いレートだと水は入っていくんだと思います。ただし、それを超えてどこかで粘土粒同士がくっついたものは固結が剥がれて、どこかで割れる、開くという考え方です。

  • 松橋座長

    わかりました。

    それとCO2が水に溶けていくということは考えなくてよろしいんでしょうか。つまり、帯水層に溶けて炭酸水として接していく。

  • 佐藤(徹)委員

    それも考えなくちゃいけないかと思います。ですから、水とガスの界面張力ですけれども、炭酸水とガスの界面張力はどうかとか、そんなに大きく違わないかと思いますけれども、厳密に詰めていけば、いろんな測定をして、より精度が上がるということはあるし、もしここに炭酸カルシウムみたいな、方解石みたいのがたくさんあると溶けるということになりますので、岩石鉱物分析をして炭酸に溶けやすいかどうかのチェックは考えなくちゃいけないかと思います。

  • 松橋座長

    わかりました。

    ほかにいかがでしょうか。

    福島さん、お願いします。

  • 岩田委員代理(福島)

    初歩的な質問で申しわけないんですけれども、貯留量の観点から言うと、RITEさんが言われているようなカテゴリーAとカテゴリーBという構造性、非構造性の定義がありまして、どちらかというと、一般的なイメージとしては、構造性は背斜構造があって、非構造性は背斜構造が余りないというイメージがあるんです。きょうのお話だと、傾斜がなるべく緩いほうが圧入しやすいというお話だったかと思うんですが、その辺との関係はどういったことになるんでしょうか。

  • 佐藤(徹)委員

    本日は非構造性の話は全然していません。基本的に構造性で必ず閉じていること、それが漫画でかいたグニャッと曲がったような立っている絵だと、ガスからの圧力もかかってしまうので、緩くて広いほうが物性変化も小さいしいい。緩い傾斜という意味は、背斜は背斜です、いわゆる単斜構造とかそういうことではなくて。

  • 岩田委員代理(福島)

    一応背斜構造ではあっても、傾斜が緩いほうが貯留には望ましいという。

  • 佐藤(徹)委員

    余り緩いとスピルポイントが余裕なくなってしまうので、そのバランスはあると思います。極端に立っている場合ということで、特にそうこだわられることはないかと思います。それと、余り急に背斜していると断層が入りやすいということがありますので、石が割れてしまっているんじゃないか。そういう点を考えると、緩やかな構造のほうが断層が入りにくいのかなという。それは調査してということになりますけども。

  • 岩田委員代理(福島)

    ありがとうございました。

  • 松橋座長

    今の点ですが、とりあえずCO2を貯留する点で最初に入れる場合には安全性を考えると、背斜構造を探してみましょうということで、構造性ではなくてもCO2が入れられないということではないけども、第1号の安全性を考えたときには、構造性というふうに我々は考えてよろしいでしょうか。

  • 佐藤(徹)委員

    きょうはその範囲で第1ステップといいますか、その御説明に限らせてもらっています。

  • 松橋座長

    わかりました。ありがとうございます。

    よろしいでしょうか。時間が若干過ぎておりますので、次の御発表に移らせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

CO2貯留に関する安全確保について

  • 松橋座長

    続きまして、長谷川委員から、「CO2貯留に関する安全確保について」という資料2に沿いまして御発表いただきたいと思います。

    長谷川委員、よろしくお願いいたします。

  • 長谷川委員

    出光興産の長谷川でございます。

    きょうはCO2貯留に関する安全確保ということで、今まで、CO2を本格的に取り扱う産業というのは余りないので、我々は石油精製業とかいろいろやっている関連のところで、これに類するようなことの安全をいろいろまとめまして、今後、CO2を取り扱うときにはどういうことを考えていかなければいけないのかという観点から、これを説明して、もう一点は、我々が資本参加している北海油田のほうで、CO2じゃないんです、天然ガスの漏洩事故がありましたので、今後、地下貯留するときに安全上、どういうことを考えていかなければいけないのかという参考になるというので、その事故事例の説明と、この2点に絞ってきょうは説明させていただきたいと思います。

    まず、CO2の事故なり、そういうのを考えるときに、どういうことを考えればいいかということを考えますと、これから、CO2を回収して、輸送して、貯留して、地下貯留して閉鎖するという工程が考えられます。そういう中で、建設・工事段階、運転・保守段階という形になって、それでどういうリスクが考えられるか。こういうことで一応わかりやすいものにつきますと、回収・輸送の段階では、建設はありませんから、回収設備・機器、これがもし漏れれば大気に出るということでございます。

    それから、閉鎖の場合は、地下貯留するために工事をやりますが、その段階でCO2の問題があります。それから、圧入安全設備、地下貯留構造、これは先ほど佐藤委員からいろいろあった、問題的にいろいろとあると思います。この辺を考えて、CO2が漏れる場合は大気に漏れるのと海中とか、こういうことで出るだろう。安全として考えなければいけないのは、リスクとして考えなければいけないのは、回収・輸送としては人への健康とか安全の問題、要するに、人に対する害の問題。それから、地下貯留すれば、生態系、海洋と深海・大気、こういうことを考える。もちろん、これがどんどん外へ漏れるということは温暖化対策としてどうなのかということもありますが、こういう分で安全を考えていかなければいけないんだろうと思います。

    まずCO2の特性です。これは一般的な常識だけなんで、今さらこうでというのはありますけれども、おさらいの意味で説明させていただきます。御存じのように、物理・化学的性質としては無色無臭であり、分子量は44だと。5.11が三重点で、昇華点は常圧でマイナス78℃、比重が空気と比べ1.5、水に溶解すると腐食の問題があります。

    これは水への溶解度でございます。0℃から100℃まで、こっちが分圧で0.01から、ほかの酸素、COとか空気に比べますと、CO2のほうは溶解度が非常に高い。特に温度が低くなると相当溶ける。こういう特性をほかの気体と比べて持っているのがCO2の特徴だと思っております。

    それで、毒性ですが、普通の危険なガス、例えばCOだとか塩素と比べますと、CO2はそれほど毒性があるものとは思っていません。ただ、ここに書いていますように、濃度が上がっていくと、こういう形でめまい、頭痛が起こる、意識レベルが低下するとかいうことがあります。通常の大気中には一切ありませんけれども、こういうぐあいにかなり濃度が高いと、こういう弊害が起きてくるので、CO2を大量に取り扱うような設備だとか、そういうものについては、こういうものに対するケアをしていかなければいけないということになるのではなかろうかと思っております。

    もう一つは、炭酸腐食の問題。先ほども炭酸の話が出ました。CO2は水中に溶解して、生成した炭酸が配管とかそういうのを腐食しています。溶存酸素が存在すると腐食がさらに促進されます。炭素鋼の腐食速度はCO2の分圧に伴って上昇します。

    我々は石油精製業をやっておりますけれども、石油精製装置の中で炭酸ガスが出ているものは水素製造装置って、いわゆる原油、重油とかが硫黄分を含んでいますから、これを脱硫しなければいかん。脱硫するときは、油に水素を反応させて、硫黄硫化水素という形で取り出して硫黄を分離している。そういう精製工程になっていますので、水素を取り出すために、ナフサとかLPGを分解して、水素とCO2に分けてやっています。そこでCO2が相当大量に出てきているという状況になっています。

    そういう設備で今までCO2による腐食の問題というのはありますので、そういう対応をしているんですけれども、今まで常時に流れている場所の腐食は可能性はないんですけれども、ドレインノズルとかベントノズル等、常時流体の流れがない箇所で水分が立ち上がるようなところで炭酸腐食が発生しております。

    水素ガスの処理工程です。炭酸を含んだミストが高速で槽内の壁に衝突して異常減肉を発生した事例があります。これは平成18年4月で、先ほどの事故報告にもあります。こういう例もありますので、炭酸というと、普通は炭酸ソーダとかそういう面で考えると、我々は余り毒でないような感じするんですけれども、高圧とかそういうのになると、こういう問題点があります。

    もう一つは石油開発におけるCO2。石油開発において、炭酸腐食は非常に一般的である。スイート腐食と言っております。炭酸腐食の軽減にはクロム鋼を採用しています。

    これは耐CO2ステンレス鋼材の一覧表でございます。耐食を強くするためにクロムを入れたり、モリデブンを入れたり、ニッケルを入れたりと、こういう形でしまして、用途に応じてマルテンサイト系とか二相系というのを使い分けています。ただ、こういうのになると当然コストがかかりますから、全部一番いいのを使えばいいというわけには、経済性の問題から、いずれ大量に使うときには、その辺の使用限界とこの辺の基準なり、そういうことも考えていく必要がある。

    ただ、ずうっと装置として使うのか、一過性でやるのでは基準は違うと思いますけど、鋼材等の使用も含めて考えなければいけないのかなと、安全性のところはそういうことも必要かなと思っております。

    それから、CCSに関する事故の発生要因として、我々は石油精製業界で、今までそういう設備やったときに、どういうことが事故で考えられるのかということで紹介します。事故というのは設備の問題、ハンドリングの問題と環境の問題、いろいろな要因が考えられます。

    一つは、CO2の物質の特性の要因から言うと、石油精製なんかのガスだとかオフガスなんかと比べて、CO2というのは燃える可能性ありませんから、まず爆発とかこういう心配はない。だから、通常、石油業界なんかで使っているガスから比べると、そういう面での取り扱いは非常に楽である。ガス本体での腐食性もそれほどはないということもあります。

    今度は、地下貯留を考えると、プロセスにおいて、先ほど言いましたような腐食の問題とかありますから、地下圧入の配管、地下への封入技術、地下の漏洩対策。このあたりは特に、後でノルウェーの事故の事例やりますけど、かなり作業が特殊ですから、ハンドリングの人材のレベルの水準ということも必要になってくるんじゃなかろうかと思います。

    それから、設備の劣化要因としては、水分共存による腐食の問題、振動による疲労、長期安定性を考えること。

    それから、当然、人的要因。知識・経験を不足すると作業ミスもふえますから、この辺の人材等の確保。それから、作業なんかをやるときの管理体制だとか、責任とか権利の所在をどうするか。こういう問題をある程度考慮して決めていく必要があるかと思っております。

    石油業界でCO2はどう取り扱われているかといいますと、類似事例ということで、先ほど言いましたように、我々の石油業界でCO2を唯一取り扱うのは、先ほどの水素製造装置がありますので、それから出てきたCO2を分離しまして、食品業界に販売しています。いわゆるドライアイスの原料ですね。今まで食品業界は、石油精製の、回収しないで、自分でつくっていたんですけれども、今は近くに精製工場があって、どこの製油所でも脱硫設備は必ずありますから、その原料として水素を供給する必要がありますから、水素製造装置は各製油所にありまして、そこで附随的にCO2が出てくるので、こういう形でやっているということでございます。最終的には、固形フレークというか、ドライアイスとして我々の生活に役立っているという形になっています。

    もう一つは、先ほど言いました石油開発におけるEORの段階と貯留の段階で、我々出光興産が多少権益を持っていますノルウェーのスノーレでEORに係るトラブルがあったので、それを御紹介させていただきたいと思います。

    最初に、製油所の事故事例の回収のシステムでございます。基本的には、設計基準に基づき配管とか材料等を選定して、CO2の腐食を回避するにはステンレス配管を採用している。非可燃物であるから、通常の安全管理の範疇で対応。漏洩に伴う酸欠事故に対しては重点配置している。特に槽内だとか室内でCO2が大量に貯留された場合、そこに人間がいたときは当然、そういう危険がありますので、こういうことを考えながらやっております。流れとしては、水素製造装置があって、それから水素と分離してから、こういう形になって、ここでCO2を取り扱っているという形になります。

    通常の設備の日常点検はどういうことをしているかというと、送気開始時に漏れのないことを確認する。日常点検における外観の観測だとか。安全対策としては、コンプレッサー防音壁内は酸欠のおそれがあるため点検の際、酸素検知器により酸素濃度を事前に確認するようにして現場をやっている。そういうところに入るときは、必ず酸素濃度を測定してから入る。これはCO2だけじゃなくて、石油業界では槽内に入るとき酸欠の問題がありますから、タンクとか何か槽内に入るときは、必ずそういうことをやっていますから、石油精製業とか化学では一般的に常識の範疇なので、それほど難しい話でもございません。

    それで、万一緊急対策として、漏れてやった場合はコンプレッサーを緊急停止して、こういう対応をやっていく。立入禁止にしてすぐ対応する。こういう形でやっております。

    それから、CO2の輸送の問題ですけど、陸上部の輸送は既存の高圧ガス保安法及び関連規則でカバーされております。官庁の前でこういう説明をするのは何ですけど、こういうのがちゃんと整備されています。特にCO2の場合は、先ほど言いましたように、塩素だとか、ほかのガスに比べて、毒とかそういう危険性は少ないので、通常ある高圧ガス保安法で十分カバーされるだろう。特にCO2大量となって輸送するためにとって必要なことは恐らくないだろうということで、ここはこれで十分カバーされているんだろうと思っております。

    ただ、それを大量に取り扱うとなったときに、公道の下を通る高圧配管7MPa以上に関する基準だとか10MPaとか、こういう高圧になったとき、その辺をどう考えるか。この辺については、CO2を大量に取り扱う事例がないものですから、そういうところは余りないんですね。この辺を腐食性の問題とか、そういうのを考えるときにどうするか。

    それから、埋設配管とかになると腐食の問題、耐久性の問題とあるので、こういうあたり。

    それから、液化炭酸ガスローリーで運ぶ場合は、交通安全だけ気をつければ、それほど大きい問題ではないのかなと思っております。CO2の輸送については、それほど大きい問題がないのではなかろうかと思っております。

    次は、CO2が漏れたわけじゃなくて、天然ガスが漏れた場合のEORのケースで、参考までに、将来、地下貯留していくときに、こういうことを考えないといかんのかという事例ということで説明しておきます。

    ノルウェー沖のスノーレ油田で天然ガスが漏れた事故が2004年11月28日、19時にございました。海上プラットフォームにて生産停止中井戸のスロットリカバリー中にガス漏れを検知した。プラットフォームの南西コーナーの海面にガスのバブルを発見した。当然、天然ガスが漏れてきたわけです。緊急事態として、そこのプラットフォームにいた総員216名中、141名が避難した。天然ガスですから、万一引火したら大爆発になっちゃうので、これは当然ですね。そういう面で避難した。

    それで、PSA(Petroleum Safety Authority)、当局が、状況は極めて深刻と表明して、緊急対策センターを設立した。11月29日、同井戸を閉鎖して、原因調査を実施した。その他同様の井戸への対策をやって、2005年2月には生産再開するという、3カ月後に再開しているんですけど、この内容についてもう一回、詳しく説明させていただきます。

    場所はノルウェーの北海油田のここでございます。ノルウェーベルゲン地方の北西方ですね。200km離れてノルウェーの領海内の海洋油田でございます。量的には、16億6100万バーレル、ガスで2340億立方フィートと、結構大きい油田でございまして、発見は1979年、開発開始が10年後の1988年、生産開始が1992年で、現在、まだ生産中の油田でございます。

    海底面のガス漏れの位置なんですけれども、ここのプラットフォーム、テンプレートのところから、この黒丸が全部井戸でございますけれども、大きく漏れたのが赤丸のところで、1カ所、2カ所、小さいところが3カ所、こういう形になっています。こういうところから、バブルがどんどん出てきたということで、まさにプラットフォームの真下から漏れてきたということの内容でございます。漏れたところは、約1100mの地層を経由して海面に到達した。

    そっちの資料につけていませんけれども、これが一番大きい穴の漏れた後、海面で撮った写真でございます。一番大きい穴ですね、ここから天然ガスが漏れて、ちょうど海底のところでございます。上から撮った写真でございます。

    こちら、3カ所ぐらい、左のほうにあったところですね。こことこことここ。こういうところからガスが漏れてきた。これは取扱注意になっていて、資料をつけなかったのは、余りオープンにしたくないという先方の予定もあるので、添付資料にはつけていませんで、このスライドだけにさせていただきます。そういう内容でございます。

    事故の発生経緯というのは、この辺は石油開発の専門家に聞いていただきたいんですけど、スカブライナーとケーシングの穴の間の接続、要するに、今までガスを生産していたのをやめて今度、EORに切りかえようと思って作業中に、このすき間から漏れてきて、こっちに残っている天然ガスを伝わって海面に出てきたということで、地下からとっているパイプラインをずうっと掘っていったこの途中から、こういう穴があきまして、これから漏れてきたということでございます。これが1100m上ってきて、このプラットフォームのところまで来て、ここから、先ほど言ったように大きな穴があいて外に出てきたということです。

    CO2をこれから地下貯留するときに、当然のことながら、こういう工事上の問題とか、こういうところの安全確保をやらなければいけないんだろうということです。工事の経緯としては、これを完成させて、ケーシングの穴の補修用にスカブライナーを入れた。それで、2003年にウォーター・アンド・ガスの圧入へ転換、今度、EORを使おうということで、圧力試験の結果、転換を中止したときに、開始作業中にケーシングの穴から漏洩したという事故でございます。

    今のが大きい事故の概要ですけれども、CO2の作業をするときに、そういうところの安全に対するという考えで参考に考えていかなければと。

    漏洩事故のケーシングの穴の情報伝達不足とセメントの固定不足だろうということでございます。こういうのを考えるに当たって、貯留を行う地層構造の健全性の確認、ガス圧入に耐える井戸の仕上げの確認、もちろん人間のやる作業ですから、こういうオペレーターの質だとか、長期にやる貯留槽の管理体制、責任体制。もちろん、CO2の場合、それで封印すれば関係ないんじゃないのかということもありますけれども、作業中のことを考えると、こういうことも考えなければいけないのかと。

    この事故が起きて、ノルウェーは地下掘削作業に伴うWell Barrierの設置の設計図面の提出を義務化させたということで、そういうところの安全対策を図るようにしたということで聞いております。

    まとめとして、国内外含めて、CCSの実施に対する法的な仕組みに対する提言というか、考え方でございます。回収とか輸送ということは、基本的には既存の法規でカバーされるだろう、特に大きい問題になれば。ただ、高圧配管のところへどうかということが少し必要なのかなと思います。

    それから、地下貯留については、地下貯留を行うための健全性の事前確認方法、ガス圧入に耐える井戸の仕上げ方法の基準、掘削作業の実施に関する承認手続き、それから、オペレーターとかそういうところの基準、こういうものも要るだろう。

    その他、明確にする必要があるとしたら、貯留層の所有権の問題と、義務と責任、温暖化対策のCCSの法的な位置づけ、このあたりがあるんじゃなかろうかと思っています。

    概略は以上でございます。何か御質問ありましたら、お願いいたします。

  • 松橋座長

    長谷川委員、どうもありがとうございます。

    まだ若干時間もございますので、委員の皆様方あるいは行政官の皆様方から御質問、コメント等ございましたら、せっかくの機会ですので、いただきたいと思います。

    村井委員、お願いします。

  • 村井委員

    安全性への示唆のところで、Well Barrier設置という言葉が出てきたんですが、Well Barrierというのはどういうものか、教えていただきたいんです。

  • 長谷川委員

    これは私よりも佐藤さんから答えたほうがいいと思います。

  • 佐藤(徹)委員

    私もわからない。

  • 長谷川委員

    私も石油開発の専門家じゃないんですけれども、周りをコンクリートで固めるんですよね、掘削したとき。この辺の基準のところで、強度を保つためとか、そういうことの基準で決められたんだろう。もしあれでしたら、きょうはそこまでの情報は持っていませんので、再度調べます。

  • 松橋座長

    よろしいですか。

    天然ガス漏れの事故に関して、もしこれがCO2の場合、CO2が漏れないように、今のWell Barrierをしっかりやるということと、しかし、フェールセーフみたいなことも考えないといけないんでしょうか。もしCO2が海上に漏れてきたということを想定した場合に、どのように復旧していくかということも考えておく必要があるんでしょうか。

  • 長谷川委員

    もともと地下貯留するためにやっているので、漏れたんじゃ、何やっているか、作業分に伴ったCO2だけ余分に出してということになっちゃうので、入れた以上、逆に言うと、余り漏れちゃまずいわけで、天然ガスみたいにすぐ火災になるとか、そういうリスクはないにしても、何らかのあれは必要になるんじゃなかろうかと思いますけど。

  • 松橋座長

    最初に御説明されたときに、濃度が大きいとめまいがしたりということも出てくるんですが、ちょっと漏れたぐらいではそっちの心配は要らないですか。私が聞いたのは、避難とか。

  • 長谷川委員

    作業環境とのあれですね。すぐに大気に分散される場合だったら、もちろん量との兼ね合いだと思いますけれども、そこまでの濃度に。密閉状態とか、そういう作業場のところであれば、こういう問題点はありますので、それは考えなければいけないと思います。

  • 松橋座長

    そうすると、貯留地点の近辺でプスッと何かの拍子に出てきたとか、輸送中にパイプラインのどこかが破損してシューと道路上に吹き出してくるとか、開放された空間では窒息等の心配は要らないということでしょうか。

  • 長谷川委員

    ただ、物理学でいうとあれですけれども、密度が1.5ですよね。だから、空気よりちょっと重いですから、空気の対流がないところで、例えば窪地みたいなところですと滞留する可能性がありますよね。だから、そういうところでは当然リスクを伴うので、海の上ぐらいで風が吹いていれば、すぐ拡散していくので海では余り心配ないですけど、仮に陸上なんかでやるときには、きっと考えなければいけないのかなと思います。空気よりちょっと重いですからね、1.5ですからね。

  • 松橋座長

    話が長くなって恐縮ですが、ニオス湖とかいう例がありますよね。湖底にCO2があって、それが出てきて家畜や何かが死んだと言われているんですが、あれは本当にそれが出てきて、こんな高い濃度になって死んだという検証はされているんでしょうか。

  • 長谷川委員

    私は知見がないんですが、ニュースで見ただけです。村井さん、もしあれでしたら。

  • 村井委員

    前にRITEにいた大隅が現地まで行って調査しておりますので、詳しいことは大隅から聞きたいと思うんですけれども、確かにCO2が大量に出て、ふもとへCO2の流れがおりてきて、そこの家畜が死に、人が亡くなったということなんですね。

    ただ、あれは火口湖の水の中に大量に溶けていたCO2が温度か何かの拍子で、湖の底にたまっているべきものが急に外に出始めてしまったという非常に特殊な事例なんですね。ですから、それが帯水層貯留とは別のものじゃないかと言われております。

  • 松橋座長

    それにしても、相当高い濃度で10%、30%と、これを見ますと、かなり長く人や動物のいる居住地域にとどまらないと死ぬという事態にならないと思うんですが、その辺はちゃんと検証されているんでしょうか。

  • 村井委員

    かなりのレポートが出ていますので。

  • 松橋座長

    そうですか。そうだとすると、さっきの輸送中ということは少し気にしておかないといけないところではあるんですね。地層の話はともかくとしまして、高圧で。

  • 長谷川委員

    既存法規で例えばLPGとかありますね。プロパンガスとか、ここら辺はCO2よりももっと密度が高いですから、そういうやつの安全性と全く一緒でいいんだろうと思います。特にこれ以上CO2で強化する必然性はないと思います。それよりももっと重いやつで既に世の中、相当運ばれていますからね。

  • 村井委員

    輸送の場合はパイプラインのいろんなところにバルブを置いておいて圧力管理をしていますから、異常があればバルブをとめて、バルブとバルブの間のCO2だけが出てきます。あとはそれがどれだけの濃度で出てくるか、ソフトで出てくるかということの管理ですから、無限に出てくるわけじゃない。

  • 松橋座長

    わかりました。ありがとうございます。

    三橋さん。

  • 三橋環境技術室長

    1点だけ。先ほどのノルウェーの事例の最初のボコボコは何がきっかけで発見されたんでしょうか。もし御存じであれば。

  • 長谷川委員

    海上から、下から泡が水面に出てくる、それを発見したということです。

  • 三橋環境技術室長

    地下に潜って見ている人がときどきいるということではなくて。

  • 長谷川委員

    じゃなくて。

  • 三橋環境技術室長

    海水面の表面で。

  • 長谷川委員

    海面に出てきた段階で発見した。

  • 松橋座長

    ありがとうございます。

    ほかに委員の皆様からコメント等ございますでしょうか。あるいは行政官から御質問等、もし。

    澤田委員、よろしくお願いいたします。

  • 澤田委員

    先ほど漏れてきて穴があいた写真がございましたね。大きさがわからなかったんですけど、書いてありましたか。どれくらいでしょうか。

  • 長谷川委員

    このサイズは、大きいやつで10mですね。

  • 澤田委員

    2枚目は。

  • 長谷川委員

    これは小さいやつですね。

  • 澤田委員

    それは小さいやつですね。

  • 長谷川委員

    3カ所。大きいやつは、ここですから、そのぐらいの。

  • 松橋座長

    この穴はガスの圧力でボコッとあいちゃったということですね。

  • 澤田委員

    海底はゴワゴワですからね。泥ですからね。

  • 長谷川委員

    下のほうは小さいんでしょうけど、上になればなるほど、パアッと広がっていくでしょうから。それで海底の一番上のところですから、穴は最大に拡大された状態だと思っています。

  • 佐藤(徹)委員

    これはすべての井戸が、どこの井戸が漏ってというのはすぐにはわかったんですか。井戸がたくさんあるかと思うんですけど、どこの井戸が漏れてきたかとか。

  • 長谷川委員

    そこまで調べていません。

  • 佐藤(徹)委員

    閉鎖していて、密閉じゃなくて、井戸そのものを。

  • 長谷川委員

    すべてじゃなくて、恐らく一気にいくと思わないので、1本か2本だと思いますけどね。それは確認していません。こういう事故ですから、2本、3本同時になるとは考えにくいですから、恐らく1本じゃなかろうかと思います。済みません、情報を持っていません。

  • 松橋座長

    よろしいでしょうか。

    佐藤委員が今のようにお尋ねになるということは、油田、ガス田では余りない事故だということでよろしいんでしょうか。

  • 佐藤(徹)委員

    ええ。普通はないですね。ちゃんとセメントで固めて漏らないように。

  • 長谷川委員

    先ほどのWell Barrierですかね、そういうやつで本来。だから、これもしょっちゅう起こるわけじゃないんでしょうけど、たまたまそういうのがあったもので、安全性を考える上での参考ということで、しょっちゅう起きるというわけじゃございませんので、その辺だけは誤解のないように。

  • 松橋座長

    ありがとうございます。

    ほかにいかがでございましょうか。特にございませんでしょうか。

    もしないようでしたら、長谷川委員の御発表をこれで閉じさせていただきます。長谷川委員、どうもありがとうございました。

その他

  • 松橋座長

    きょうのお二方のプレゼンテーションをこれで終了いたしまして、事務局から今後の日程について御説明をいただきます。よろしくお願いします。

  • 三橋環境技術室長

    最後に参考の資料として予定表を入れてございます。来週の25日に、もう一つのワーキング・グループ、すなわち長期的な安全性確保ワーキング・グループが午前中、同じように10時から12時まで開催の予定となっていますことをあわせて報告させていただきます。

    それから、本ワーキング・グループにつきましては、12月24日の午前中、クリスマスイブの日で御無理を申し上げまして恐縮です。第4回目は、既にメールで時間の調整させていただいていますが、1月19日という日にちを予定しております。

    12月24日までは前回の会合でお示ししました項目に従った主要な題目によるプレゼンテーションを準備してもらっている方向でして、年明けから、これまで出てきました材料を踏まえた取りまとめの文書を短冊で切り出して項目ごとに御議論を集中的に行っていくといいますか、一回でチョンと上げていくよりは、複数回ラウンド回して、お持ち帰りいただいて意見も再度もらうようなプロセスを行っていきたいと思います。

    こうやって一つのワーキング・グループにしますと、これぐらいの人数でございますし、もし傍聴者を入れなければ、マイクはなしでもやれるぐらいのサイズと思っていますので、そのほうが議論も意見もいただけるのではないかなと思っております。

    もう一つのワーキング・グループ、委員でないほうのワーキング・グループの出席も各委員にはオープンになっています。議論の動向、特に双方に関連する部分も指摘されておりますので、時間が許す範囲で御出席いただければと思います。ただし、その場合はあらかじめ事務局に御連絡をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

  • 松橋座長

    ありがとうございました。

  • 松橋座長

    きょうの議事はこれで終了ということで、第2回のCCS実施に係る安全基準検討ワーキング・グループですが、これにて終了させていただきます。

    どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年12月16日
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