経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会CCS実施に係る安全基準検討ワーキンググループ(第4回)-議事録

日時:平成21年1月19日
場所:経済産業省(本館2階)2東6共用会議室

議題

  1. CO2地中貯留における重要事項
  2. CO2貯留候補地が備えるべき地質の条件等
  3. 輸送基準等

議事概要

  • 三橋地球環境技術室長
    おはようございます。月曜日の朝からお集まりをいただきまして、ありがとうございます。
    ただいまから、CCS研究会安全基準検討ワーキンググループの第4回合同ワーキンググループを加えましてちょうど4回目になりますが、4回目の会合を開催いたします。
    それでは早速、座長に進行をお願いしたいと思います。
  • 松橋座長
    皆さま、おはようございます。本日は、これまでに引き続きまして、委員の先生からのプレゼンテーションを行なっていただききますのと、後半はCO 2貯留候補地が備えるべき地質の条件、それから輸送基準等につきまして、事務局のほうで少し原案といいますか、そのメモ書きをご紹介をさせていただきますので、そのへんのご審議等もそろそろ始めていきたいということでございます。
  • 三橋地球環境技術室長
    それでは議事次第と配付資料一覧が一枚の紙になってございますので、そちらに基づきまして、お手元の資料を確認させていただきます。
    まず資料1が、本日、鹿園委員からご説明をいただきますスライドの写しでございます。
    資料2が3点から構成されておりまして、資料2-1が「CO 2貯留候補地が備えるべき地質の条件等」というA4縦書の紙でございます。資料2-2が「関連する規制の事例」ということで、この地質条件に関連するEUのCCS指令案の該当部分の英語及び対訳を左右に書きました資料でございます。資料2-3は同様に、アメリカのUICのプログラム改正案ということで用意してございます。
    資料3が本日2点目の基準の原案ということで、「輸送基準等」という紙をお配りしています。
    それから本日の資料とは異なりますが、参考ということで、まず参考1に後ほどご説明しますが、「今後のワーキンググループの進め方のイメージ」をA4の横の紙で用意してございます。
    参考2と申しますのは、研究会の本日お配りするような紙への、後日、委員の皆さまからコメントをいただきます様式といいますか、何を書いていただくかということの項目と宛て先を書いた紙でございます。
    それから番号が打たれていません紙が一番最後についておりまして、2点ございます。一つが今後のワーキンググループの開催予定。
    そして一番最後にA4横の紙は、皆さん、なんだと思われるかもしれませんが、最初にご紹介しておきますと、このワーキンググループの親の委員会のCCS研究会のほうに東京大学先端研の山口先生がいらっしゃいまして、山口先生のご協力をいただいて、それから産業技術総合研究所への経済産業省からの委託で別途調査を行なっておりまして、そちらの調査事業とこちらのワーキンググループの検討のデマケを、こちらの会合でも資料として参考に配付してほしいという山口先生からの依頼がございまして、資料を配付しております。
    ここの委員の何名かの皆さまは両方に重複して検討に加わっていただいておりますが、まず本研究会のワーキンググループは大規模実証を視野に入れた安全基準ということでございますが、一方で別途行なっております産業技術総合研究所の社会システム基盤の形成検討会はやや長期的な視点に立った事業法としての仕組み、あるいは経済的なインセンティブの付与の手法といったようなことを視野に入れた検討を行なっているということで、整理の一覧表を配付してございます。
    配付資料は以上でございますが、もし過不足、落丁等ございましたら、事務局のほうにご連絡をいただければ手配いたします。
  • 松橋座長
    皆さま、資料のほうはお揃いでございましょうか。ありがとうございます。
  • 松橋座長
    それでは早速でございますが、本日の議題1でございます。鹿園委員のほうから、「CO 2地中貯留における重要事項」という題目でプレゼンテーションをいただくことになっております。約30分ぐらいでお願いできれば、ありがたいということです。それではよろしくお願いいたします。

1.CO2地中貯留における重要事項

  • 鹿園委員
    慶応義塾大学の鹿園といいます。
    本日、「CO 2地中貯留における重要事項」ということでお話させていただきたいと思いますけれども、私、専門が地質学地球化学ということで、長期的な地質事象に関する研究をしておりまして、そういったような観点からお話をさせていただきたいと思います。もしかしたら、長期安全ワーキンググループのところでの話のほうがいいのかもしれませんけれども。

スライド

CO2地中貯留における重要事項
重要事項としまして、最も重要な点としましては、私が考えますには2点ありまして、貯留容量の推定というものをきちんと行うということと、それからCO 2を地中貯留した場合の安全性評価をするということでありまして、そのためにはCO 2を地中貯留するわけですけれども、地下での挙動(トラッピングメカニズム)というものをきちんと理解しておくことが重要であろうというふうに考えております。
CO2地中貯留における検討事項
そういう場合、長期的なことも考えなければいけないと思いますので、今まであまり議論がなっていない点でありますけれども、こういう点に関して、今後議論を進めていくのか、そうでないのか。それに関しての議論も多少しておいたほうがいいのではないかというふうに思いまして、ここに挙げておきました。
まず、どういうものが安全基準というものになるのかということで、CO 2の地表にもしも出てきた場合の濃度であるとか、それのフラックスであるとか、削減量もありまして、これは世界全体、国別のものでありますけれども、京都議定書、クールアース、ポスト京都議定書などでは削減量を決めるわけでありますが、こういった安全基準をきちんと決めていく。
それから時間スケールも重要でありまして、短期的にどれだけ削減するのか。2020年までにどれだけ削減し、そしてもうちょっと中期的に2050年までに例えば半減するであるとか、それから2100年までにどのぐらい削減するのか、550ppm安定化シナリオとか、そのためにはどのくらい削減して、地中貯留でどのくらい削減できるのかということを推定していくと。
それから超長期的な問題もありまして、CO 2を地中に貯留しますと、化石燃料は何百年も使うでしょうから、それがまた出てくるということも考えなければいけないとしましたら、1000年ぐらいまでも考えなきゃいけないかもしれませんので、こういったことも考えていくと。
そうしますと、将来の予測ということをするので、長期的なシナリオというものを考えるということでいろいろなシナリオが考えられまして、例えば地下水についてはもちろん考える必要がありますし、それからいろいろな地学事象の変動が起こりますので、そういったものも考えていかなければいけないんですが、こういったものに関しては高レベル放射性廃棄物、地層処分などで詳しく検討がされております。
このCO 2の地中貯留に関してはすべて考える必要はないとは思っていますけれども、例えば1000年ぐらいですと気候変動シナリオで長期的な海水準変動であるとか、隆起侵食といったことは考えなくてもいいかなとは私は個人的に思っていますが、CO 2を海底下に入れた場合は海底下湧出シナリオとか、この前から議論になっておりますような地震・断層というものが起こったらどうなるのか、CO 2の挙動がどうなるかといった地震・断層シナリオについても考える必要があります。
それからもしも地熱地域にCO 2を地中貯留をするという話もありまして、その場合は火山シナリオ、熱水シナリオといったものも考えなければいけないというふうに思います。
行うべき事項
基本的に、CO 2を地質処理をした地質のサイトの場がどのような地質であるのかという地質モデルというものを作成し、そして地下水の流動などに関します水理モデルというものを作成しなければいけないということであります。
それからこの前から議論になっていますような場、その長期的な安定性、地震とか断層といったものを把握して、長期的な安定性を確認するといったような作業も必要であり、その上に立って安全性評価(CO 2移行シミュレーション)などをしていくと。
それから貯留容量の推定というものが必要になると思います。
CCSの実施に先立つ事前調査
それから具体的にはいろいろなCCSの実施に先立つ事前調査ということでいろいろな調査というものが必要になるわけでありますけれども、調査研究方法としては地質調査で、既存文献調査とか地表調査、ボーリングとか、水理調査では既存文献調査。同じような地表調査、ボーリンク調査、それから岩石、地下水の化学分析であるとか、年代測定といった基本的な調査研究が必要になると思います。
それでCO 2を地中貯留した場合に岩石との反応が起こりますので、そういう反応に関して理解すると。その上に立って水理シミュレーションであるとか、CO 2・物質移行シミュレーションなどを行い、場合によってはナチュラルアナログ研究なども参考になるということであります。
構造性地中貯留
その場合に構造性地中貯留と非構造性地中貯留ということが問題になっておりますので、まずそれについて簡単にお話したいと思いますが、構造性地中貯留というのはご承知のように背斜構造。それもキャップロックのある背斜構造に貯留するということで、非構造性地中貯留は背斜構造でない非背斜構造に貯留するということで、その場合、特にCO 2が地下水に溶けまして、それが流動し、流出したりすると困りますので、そこでどのようにトラップされるのかをよく理解しておくことが必要であろうということで、溶解トラッピングとか鉱物トラッピングについて理解をしておくと。もちろん、構造性地中貯留でもそういったことに関して調べなければいけないわけであります。
海域構造性帯水層
海域構造性帯水層に関しましては、RITEなどが中心になりまして、日本近海で今までの石油などの詳しいデータがありますので、そういうものをコンパイルしまして、どういうところにそういうものがあって、CO 2が地中貯留できるのかという詳しい研究がされておりまして、そういうようなものをもとにしまして地質の構造が把握できますので、構造性地中貯留の貯留量、非構造性に関しての貯留量の推定がされております。
従来のわが国のCO2地中貯留量推定値
初めはエンジニアリング復興協会などが行いまして、そのあとはRITEなどが行なっておりまして、例えば日本沿岸地の油ガス田、基礎試錐、基礎データをもとにした帯水層で約300億トンといった数字が出ております。これは最近はRITEがもっと詳しい調査をして、もっと大きい数字が出ていると思いますけれども、かなりの量が貯留できるんだろうということであります。
これについては基本的には物理トラッピング、超臨界CO 2によるトラッピングというのを基本にして計算がされているということでありますので、もうちょっと長期になりますと溶解トラッピングとか鉱物トラッピングが起こりますので、それによってどれだけトラッピングできるのかということで、物理トラッピングでここでずっと長期にとどまっていればその量だけ貯留できるということになるわけでありますけれども、地下水中に溶けたりいたしまして地下水が流れていきますと、もっとこの量は少なくなってくるということになりますので、溶解トラッピングや鉱物トラッピングをきちんと理解しておく。
それから鉱物トラッピングになりますと、かなり固定化されますので貯留できるということになります。
構造トラッピング(物理トラッピング)
この前のご発表でも図が出ていましたけれども、これはスキマティックの図でありまして、時間とともにいろいろなトラッピングによるCO 2の貯留の割合がどうなるのかを示した図であります。
初めは構造トラッピング、それが残渣ガストラッピングになって、そして地下水に溶ける溶解トラッピングになり、炭酸塩としてトラッピングされる鉱物トラッピングということで、こういうカーブをきちんと書くことが必要であって、これはかなり大ざっぱな図でありまして、これをそれぞれのサイトにおいてきちんと決めておくことが重要だろうというふうに思います。
圧入CO2の挙動、トラッピング
圧入CO 2の挙動、トラッピングはどういうものかをもう一度言いますと、まず液体CO 2を1000mひぐらいの深さに100バールぐらいで圧入して、温度が平均40℃ぐらいで、液体CO 2はそのくらいの温度圧力条件で超臨界CO 2に変化すると。
そしてそれが岩石中の空隙を埋めましてトラップされるわけでありまして、それが物理トラッピングということで、それがスーパー・クリティカルな超臨界のCO 2というものが水と接しますと、それと反応してCO 2ガスというものができまして、CO 2ガスは動きやすいので空隙などにトラップされると。それを残留ガストラッピングと、それからスーパークリティカルCO 2とかガスのCO 2といったものが水溶解して、溶存のCO 2になるということでありますけれども、周りの岩石も存在しておりますので、それとの反応が起こって、さらにこういう溶存CO 2が増えていくということで、そういうものを溶解トラッピングといいます。
そして、こういう溶解反応が起こっていきますと、岩石から陽イオン、カルシウムとかマグネシウムといったものが出てきますので、そういうものの濃度が高くなって、溶存のCO 2、一般的にはHCO3-というものでありますけれども、それと反応しまして、炭酸塩ができて、それを鉱物トラッピングといいます。
トラッピングメカニズム
それぞれのトラッピングというものがどのくらいの時間で、どのくらいの量起こるのかをきちんと定量的に決めていかなければならないということで、そういういろんなトラッピングメカニズムによる圧入CO 2の溶解率とか固定化率を反応速度論モデルに基づいて行うということを、いましております。
帯水層貯留量推定
帯水層の貯留推定ということで、こういうような非構造性帯水層貯留における溶解トラッピングや鉱物トラッピングによる推定というものは、外国ではカナダ、アメリカ、ヨーロッパなどではかなり研究が進められているんですけれども、わが国ではほとんどなされていないので、こういったような研究を始めているわけでありまして、それでわが国のいろいろな代表的な岩石と水、CO 2との反応実験を行なって、反応速度をいま求めるような研究をしております。それでそういった反応速度を用いまして、反応速度論モデルに基づきまして、二酸化炭素貯留量の時間的な変化を推定していこうということをいま始めております。
そういうことでいろいろな岩石について反応速度論モデルとか溶解トラッピング、鉱物トラッピング、短期から長期に関しての貯留量の時間的変化を非構造性帯水層などを中心に行ないたいということをしております。
研究例(実験とシミュレーション:貯留容量の推定、安全性の問題)
具体的な研究例でありますけれども、まず千葉県房総半島の地下水、岩石といったものを使いまして、その反応実験とシミュレーション。房総半島は堆積岩ですが、ほかの地域は玄武岩、花崗岩、超塩基性岩という反応実験などを行なっております。
もう一つはナチュラルアナログ研究というのがありまして、シミュレーションだけですと定量的な議論はできるんですけれども、それが本当に正しいかどうかをもう少し補完するということで、ナチュラルアナログ研究というものも重要でありまして、CO 2に富むような地下水と岩石との反応に関する研究などをしております。
CO2を含む地下水-岩石反応におけるCO2の挙動
基本としましては少し詳しいことになってしまいますが、この場合は炭酸塩ができるという反応でありますけれども、この反応速度がどうなるのかと。逆に、炭酸塩が溶ける速度がどのぐらいか、どういうパラメータによって決まってくるのかということでありますけれども、精製する炭酸塩の量であるとか、ほかの溶存種の濃度の時間的な変化の反応速度と。そういう溶解とか沈殿の反応の速度のカイネティックスによって決まってくるわけでありますけれども、それ以外に拡散であるとか、流動であるとか、流速、流動の効果によって決まってくるんですが、いまのところは拡散と流動に関しては詳しい議論がされておりません。外国では多少あるかもしれませんけれども、わが国は反応速度のところを中心に反応論モデルで求めていくということをしております。
鉱物の溶解反応
その反応論モデルでありますけれども、いろいろなシミュレーションモデルがありまして、PATHARCというものをいま使っているわけでありますけれども、基本的には反応の鉱物の溶解するところの反応の比表面積というものと、それから反応速度係数、平衡からどれだけずれているのかという効果のものとしてあらわされるということでありまして、平衡定数というものがPHであるとか、ほかの溶存種の濃度に依存するものでありまして、こういうものをきちんとKとかを決めていってやれればいいということであります。
岩石というのはいろいろな鉱物がありますので、それぞれの鉱物に関してこういったものが求まればいいということで、こういったような研究は結構やられておりまして、20~30年、アメリカやヨーロッパを中心に、アメリカが多いですけれども、そういうところでかなり調べられておりまして、そういうデータを用いるわけです。
表1 地球化学シミュレーションモデルの種類と特徴
地下水の水質であるとか、水と岩石が反応して、粘土鉱物とかそういった新しい鉱物ができてきますので、そういうものの変化であるとか、水質がどういうものかを求めるというシミュレーションモデルがありまして、マスバランス、熱力学平衡モデルもあるわけですけれども、こういうものでは時間的にどのように水質が変わるといったことがわかりませんので、反応速度というものをきちんと決めなければいけないということで、反応速度モデルは閉鎖系において地下水中に溶けている化学種の濃度が時間とともにどう変化するのか、それから鉱物がどのように変化するのかというのを求めるものであります。
ただ、実際には地下水というものが流動しているので、それの効果というものを考えなければいけないと。流れる速度が非常に速いと、鉱物から溶けても、また水が新しくやってきますから濃度が薄まって、濃度が低くなるという問題があります。それも本当は考慮しないといけないんですが、このモデルは非常に複雑なので、いまのところ私はまだやっておりませんで、反応速度モデルで考えていると。
仮想貯留サイト
仮想貯留サイトとしまして房総半島を考えたんですが、それはなぜかといいますと、堆積岩というものが多く厚くありまして、砂岩、泥岩の互層が多いわけでありまして、泥岩などはキャップロックになるかもしれない。そして砂岩の帯水層中に貯留できるかもしれないということでこのサイトを選びまして、それからいろいろと地質、天然ガスが出てくるところでありまして、いろいろと詳しく地質構造などもわかっているということと、地層水は深いところの塩水もありまして、そういうものの分析などもできますので、そういったところを選びまして、簡単な溶解トラッピングの量がどのくらいになるのかということを計算で求めてみて、厚さが200mぐらいで深さが1000mぐらいで、横の幅を仮定しまして、CO 2を圧入したらどうなるのかと。
溶解トラッピング
まずCO 2が超臨界CO 2になって水と接して、溶解すると。溶解に関して、こういう式がありまして、どのくらい溶けるのかわかるわけで、空隙率などを仮定して、CO 2の超臨界の割合がどのぐらいになるかははっきりしないわけです。
CO2排出量
それを仮定しなければいけないということでいろいろ仮定しまして、かなり多い場合ですね。それからほとんど溶けないCO 2の超臨界の場合はいろいろ違うんですけれども、例えばRが0.2で超臨界のCO 2が少ない場合を考えると14.1ギガトンで、東京、千葉からの1年間が0.06ギガトンですから、14.1を0.06で割ると235年ぐらいだったと思いますが、そのぐらいの数値が出てきます。すべて正しければ、そういうことになります。そうするとCOP3の目標が0.07ギガトンだから、それには十分じゃないかといったような議論ができると。
房総半島堆積岩帯水層 鉱物トラッピング
今度は反応速度定数をもとにしまして鉱物トラッピングを考えてみますと、ドロマイトというものができてくるわけです。カルシウム、マグネシウムの炭酸塩。ここには書いていませんが、長石というものがカルシウムが多くて、それが溶けまして、水の中のカルシウムの濃度が上がってきて、マグネシウムももとの珪酸塩が溶けまして濃度が上がってきて、ドロマイトといったものができてくるわけですが、計算上は100年ぐらいでそういうドロマイトはかなりできるんだというふうになってきます。
房総半島堆積岩帯水層 フィールド反応速度
ただし、ちょっと問題がありまして、反応速度定数が実験室ではきちんと求まってはいるんですけれども、実際のフィールドで反応速度定数を求めるという研究がありまして、それはある地域である河川水が流れておりまして、ある地域でどれだけ鉱物から溶けてくるシリカの量が、フラックスがどのぐらいなのかといったようなことがわかって、そしてある水と反応した岩石、鉱物の量がわかりますと反応速度がわかるということで、フィールドで求めると100倍ぐらい違いまして遅くなります。そうすると、そういう反応速度をもとにしますと、104年オーダーぐらいで鉱物トラッピングが起こるということがわかります。
(1)房総半島に存在する塩水型地下水
そういうことで房総半島でそういったような研究をしまして、ともかく水-岩石反応で炭素が固定されると。ほかの岩石についても、火成岩(蛇紋石)についても調べたんですけれども、かなり固定はされるということです。
それから淡水と塩水と両方あるんですけれども、あまり変わらないと。
また、砂岩とか泥岩の岩石の粒子の大きさをいろいろ変えてもそれほど反応速度は変わらない、鉱物トラッピングはあまり変わらないという結果になりました。
だけれども、そのフィールドから得られた溶解反応速度を求めるのには、その反応が完了するまではかなり時間が、105年、10万年ぐらいかかりそうだと。ただし、それが正しいかという問題もあります。
溶解トラッピング(房総半島)
ちょっとまとめますと、溶解トラッピング(房総半島)で1から10ギガトンのオーダーのCO 2が貯留できるんではないかということで、これはCOP3の目標からいけば十分であろうと。
それから鉱物トラッピングについてはかなりの量がトラップできるんだけれども、フィールドから求められた反応速度定数をもとにすると、かなり時間がかかると。
玄武岩帯水層
玄武岩についても同じように反応実験をしまして、玄武岩と水をいろんなPHで反応させて、溶けだすシリカの濃度の時間的変化をもとにして、反応速度定数を求めるわけですけれども、こういう傾きから反応速度定数が求まってきます。
そういう反応速度定数をもとにして、先程のシミュレーションをしますと、溶液の濃度の時間的変化ですけれども、例えばPHが上がっていくと。100年ぐらいで上がって、アルカリのほうになっていくと。それから溶存の炭素、HCO3 とかH2CO3ですけれども、H2CO3はPHが上がって下がるわけですね。CO 2の濃度は下がって、そのかわり炭酸水素イオンというものができてきて、その濃度が上がると。
それでカルシウムやマグネシウムは、濃度が上がっていくわけです。元の鉱物から溶けて濃度が上がって、そしてそれが炭酸塩として固定化されていくと。炭酸塩とってもいろいろあるんですけれども、炭酸カルシウムが一番多い、カルサイトというものが一番多いんですが、それとシデライトという鉄の炭酸塩とかドロマイトというカルシウム、マグネシウムの炭酸塩というものが少しはできて、カルサイト(炭酸カルシウム)というものが1000年とかそのくらい、かなりできてくると。
で、固定化され、ある一定値になっていくので、最終的にCO 2を圧入して入れた分のどれだけが炭酸塩として固定化されるのかというものを求めたものでありまして、いろいろなシミュレーションの条件があるんですけれども、固定されたカーボンの割合は0.5ぐらいのときもありますが、0.8とか0.9とか、かなり大きいということで、かなりの部分が最終的には固定化されるということがわかると。
わが国におけるナチュラルアナログ研究
それからナチュラルアナログ研究もありまして、一つは山梨県白州地域の地下水の水質を少し調べております。ここでは花崗岩というものと堆積岩が両方ありまして、それぞれのところからの地下水の水質を調べて、その違いを調べて、岩石と水との反応性の違いを調べてみたわけですが、堆積岩のほうが反応性が高いんじゃないかというふうに思っております。
それから群馬県磯部温泉はCO 2を非常に多く含むものがありまして、そういう地下水の水質を調べて、その深さによってどう変化するかといったことを調べております。
また長野県松代での地化学調査を産総研の富舎さんなどが行なっておりますので、簡単に述べさせていただきたい。ここでは1960年代後半に群発地震が起こって、CO 2を大量に含む地下水が地表から漏出したわけですけれども、現在ではあまり出ていないということであります。
山梨県の白州ですけれども、花崗岩があって、周りに堆積岩類があって、第三紀という時代の堆積岩と、もっと古い古生層の堆積岩類がその周りにありまして、真ん中のところに花崗岩があって、これは堆積岩があるところに新しい第三紀という時代に花崗岩が下から上がってきて貫入してきたというものであります。
白州というところは水がいいところで有名で、ミネラルウォーターなどもありまして、ウィスキーもあります。水質が全く違って、花崗岩類のところは電気伝導度というもので、陽イオンとか陰イオンの濃度と正比例しているものですけれども、電気伝導度が花崗岩のところはかなり低いけれども、周りの堆積岩類はかなり高いということがあって、じゃ、なぜ違うのかということですが、簡単に言いますと、こちら(左上)は降水が降って、それが地下に入って反応は多少するけれども、あまり反応しないで出てくると。
堆積岩のほうは、もともと地層中に古い時代の古海水もあって濃度が高いものがあるということと、あとは炭酸塩がありまして、それと水との反応が進んで、カルシウムだとかそういうものの濃度が高くなっているというところであります。
そういうことで炭酸塩がありますと反応性が非常にいいので溶けやすくなって、炭酸水素イオンなどの濃度も高くなると。ところが珪酸塩の場合は反応速度が非常に遅いので、花崗岩ではあんまり反応していないと。
それから粒度のことも考えてみると、古海水の年代は第三紀以前ということなので、かなり古い時代のそういう水がそこにとどまって、現在でもとどまっている。ただ、とどまっているのはそんなに多くはないですけれども、10%以下、数%ぐらいだと思いますが、かなり昔のものも残っているので、堆積岩の地域ではあまり水は流れていないんじゃないかと。ただし、滞留時間とかそういうものをきちんと決めなければいけないということだと思います。
磯部温泉
それから磯部温泉というのがありまして、深度による共存しているものの濃度がどう変化するのかというもので、磯部温泉のところではいろいろと温泉も現在ありますし、天然ガスを以前は採取していたので、そういうところの水のデータもありますし、井戸水も出ておりまして、そういうものをいろんな深度の濃度がどう変化するかというのがわかります。
例えばカリウムでもいいですが、低いものが上がって一定になっているということで、200mとか150mの浅いところですと濃度は低いんですけれども、それより深くなりますと、わりあい一定位置で濃度が高いということがありまして、深いところには濃度の高い地下水というものがあって、浅いところで濃度の低い雨水起源の水が混じるということで濃度がかなり低くなっているということが考えられます。
牧内地区と加賀井地区を結ぶ側線に対する地質概念図
そういうことが松代でも同じように當舎さんなどの調査でわかっておりまして、深いところは火成岩という基盤岩がありまして、浅いところには新しい時代の堆積岩とか火山岩類がありまして、あとは扇状地堆積物があって、こういうところに深いところから深部の地層水、もっと深いところからくるかもしれませんが、CO 2を大量に含む水が上がってきたとしても、そこの浅いところの地層水によってかなり希釈されたり、拡散したり、流動したりしているということで、こういうことがあれば、磯部でもそうですし、松代でもそうですが、1000mぐらいの深いところに埋めたとしても、それが上に上がったとしても浅いところの地下水によって希釈されたりするということで、そういう地下水がキャップロックとして働く可能性もあるということであります。
ただ、松代で地震があったときはCO 2が地表に出てきたり、磯部でもCO 2の濃度の高いものが井戸で出てくるところもありますので、すべてがそういうことはないわけですが、そういうことで地震当時、地表でCO 2が観測されなかったところがあります。
深部地下水起源のCO2
多少観測されたところもありますが、地震当時通路として作用していた割れ目帯が閉塞してしまったためか、比較的厚く堆積している扇状地堆積物の中を流動する深層地下水により、これは間違いですね。「浅層地下水」です。浅層地下水により、CO 2が溶解・希釈・移送されるためと考えられると。
まとめ
きょうのお話をまとめたいと思います。まずCO 2地中貯留における重要事項としては、貯留容量の推定、安全性評価というものが重要であると。そのためには、CO 2の地下での挙動(トラッピングメカニズム)がわからないといけないんじゃないかと。
それから今後の検討すべきというか、多少議論しておいてもいいかなという程度かもしれませんけれども、多少認識しておいたほうがいいかなと思っておりまして、安全基準というものをどのようにするのか、どのように考えていくのか。時間スケールも短期、中期、長期、超長期でどのようにとらえていくのか。シナリオも考えておく必要もあるであろうと。地震シナリオを地下水については考えなければいけないと思います。
それから基本的にしなければいけないこととしましては、地質水理モデルの構築、場の長期的安定性を確認する、安全性評価を行う。ナチュラルアナログ研究は、そのサイトで行うのは難しいかもしれませんが、そういうこともしておいてもいいんじゃないかと思います。
また構造性地中貯留、非構造性地中貯留についての話をいたしましたが、非構造性地中貯留の場合は、貯留できるならば貯留量がかなり多くなるわけでありますけれども、その場合、安全性評価というものをしておかなければいけませんので、そのためには溶解トラッピングとか鉱物トラッピングということを考えておく必要があるんではないかということであります。
それから水-岩石反応のシミュレーションで、溶解トラッピングとか鉱物トラッピングの時間的変化が求められますので、そういうことを研究していく必要があるかなと思っております。
この他の今後の課題
この他の今後の課題としましては、いまのところは反応モデルで考えているんですが、反応-流動モデルというのもありまして、これも考えておかなければいけないんですけれども、なかなか難しい点もあります。
ただし、地下1000mぐらいの地下水そこの場にとどまっている滞留時間というものがかなり長ければ、反応-流動モデルを考える必要もないということなので、滞留時間についてきちんと決めておく必要があろうということですが、1000mぐらいの地下水に関しての研究はほとんどされておりません。
ただし、高レベル放射性廃棄物地層処分では、北海道の幌延とか岐阜県の東濃といったようなところで地下の、300mとか浅いところの地下水の滞留時間の研究もありまして、数千年から数万年とか、かなり古い年代が出ておりますので、それがもし正しくて、ほかの地域でもそうであるといったようなことがあるならば、1000mよりもっと長くなると思いますので、そうなりますと数千年とか数万年という長い時間ですと、流動に関してはあまり考慮しなくてもいいかもしれないということになります。
それから地表湧出モデルについてはきょうはお話できませんでしたが、そういったことに関してのシミュレーションなども多少、松代ではみずほ総研さんなどがやられておりますけれども、そういった研究が必要だろうと。
またナチュラルアナログ研究と。
Time since injection stops(years)
それからきょうお話できませんでしたが、もっと短い溶解トラッピング、鉱物トラッピングの前に超臨界トラッピングとか残渣ガストラッピングが起こりますので、それについての時間的な変化というものが必要だろうということで、これについては長岡の実証試験でRITEさんがたぶん、そのようなところはシミュレーションで研究されたと思います。だから常磐沖とかそういうところでは、そのようなCO 2の挙動についてシミュレーションなどをするんだと思いますが、そういうものを組み合わせて、短期的な構造トラッピングとか残渣ガストラッピングについてのシミュレーション、もっと長期の溶解トラッピング、鉱物トラッピングというものを組み合わせまして、こういう図をそれぞれのサイトでつくって、どれだけの貯留容量があるのか、そして安全なのか、安全性を確認するということが必要ではないかというふうに思っております。
大体、以上です。

論議

  • 松橋座長
    鹿園委員、誠にありがとうございました。大変包括的、また論理的にご説明をいただいたと思います。
    それでは、ただいまのプレゼンテーションにつきまして、ご質問ご意見等ございましたら、ぜひ、この機会にお願いしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。どなたでも結構でございます。もしありましたら、小さくお手をあげていただきまして、それでは佐藤委員、お願いいたします。
  • 佐藤(徹)委員
    スライドの9ページ「圧入CO 2の挙動、トラッピング」ですけれども、まず(1)で深度とか温度から超臨界の状態で地下にCO 2が入ると。(2)で岩石中の空隙を埋め、トラップされる。
    これ言葉の表現の違いでしょうけれども、岩石中には初めから水があるわけですから、水を置換して、それに見合った量の、我々「飽和率」と呼んでいますけれども、空隙の体積の中のガス飽和率にあたる部分ですね。ガスというと、超臨界ですから違うかもしれませんけれども、我々貯留槽工学では、岩石表面に対する濡れ性で、ウェッティングフェーズとノンウェッティングフェーズを分けまして、それによって毛管圧が働くというか、それによってノンウェッティングフェーズのサチュレーション、飽和率が決まるわけですけれども、それに見合った量が増える。皆さん、これを読んで誤解すると困るんですが、空隙を埋めというのは100%ではないということをコメントしたかったものですから。
    それからわからないのは、次の「CO 2が水と反応し、CO 2ガスができ」というのは、超臨界相とガス相の違いということなんでしょうか。
  • 鹿園委員
    ええ。超臨界相とガス相の違いということで、超臨界相が水と反応すると、その温度・圧力条件によるんですが、ガスのCO 2が安定になって、そういうものができるというふうに考えておりますけど。
  • 佐藤(徹)委員
    まず、超臨界のCO 2でも水に溶解しますよね。溶解するという現象は、水の中の隙間に非反応性の分子としてのCO 2が隙間に入り込んで溶解になる。一部はイオン化していくということもあるんでしょうけれども、私たちが今までご説明したのは超臨界のCO 2も非濡れ性、ノンウェッティングですから、ガス層と同じように扱って、それが先程言った毛管圧で動かない。それが「残留ガス飽和率」と呼んで、それを「残留ガストラッピング」と呼んでいますので、ここのメカニズムがちょっと。
  • 鹿園委員
    そうですか。私はそれほど専門ではないので詳しくはないんですけれども、温度・圧力条件によりますが、普通の1000mで水がない状態ですと、CO 2の相図のほうから超臨界、CO 2が安定だということはいえるわけですけれども、水が入ってくると、CO 2はH2O系で、それの安定相図というものがありまして、その相図からいってCO 2のガスの安定領域というのもありまして、そういうところに入ってくるんじゃないかと。専門書というか、文献のほうにそういうような反応が起こるということが書いてありましたので、超臨界CO 2が水に溶けるというのはあるわけです。H2CO3になると。H2CO3が、CO 2ガスと水に分解するという反応があると思っているんですけれども。
  • 佐藤(徹)委員
    量的に言いますと、CO 2の超臨界のボリュームはかなりありますので、CO 2ガスでまたCO 2のほうに入っていってしまって、この温度・圧力条件が大きく変わらない限りは水とその他のCO 2のどちらかのフェーズだと思いますけど、それが超臨界のような気がするんでけど。ですから、それがある飽和率で残留するという考え方でいいんじゃないかと。
  • 鹿園委員
    わかりました。CO 2と水の量比の問題ですよね。それで時間がかかると、それから圧入したその近くですと超臨界CO 2は多いと思うんですけども、それから移動していきますと、水のほうが多い状態もあるわけで、そういうところではいま言ったようなガスができるといったような反応も起こるかなというふうに思っています。
  • 佐藤(徹)委員
    わかりました。先端のほうでガス量が少ない状態ですと、超臨界ではなくてフリーガスフェーズになることもあるだろうと。
    それと最後の絵ですけれども、あるサイトでそれぞれの構造トラッピングとか残渣ガストラッピングを全部足した量をとおっしゃいましたけけど、基本的には一番左の軸で入れた時点でほとんど超臨界のガス量が時間を追って変化していくという考えでよろしいんですよね?
  • 鹿園委員
    そうです。
  • 佐藤(徹)委員
    ですから、固定量というのは全部であるから変わらないと。
  • 鹿園委員
    そういうふうに思っているんですけれども。ただ地下水の流動という問題があって、溶解トラッピングで溶けた地下水が出ていったりすると変わると。
  • 佐藤(徹)委員
    わかりました。
    しつこいですが、「溶解トラッピング」という言葉はちょっと、そうするとトラップされないんで。溶解した量のうち、そこにとどまればトラッピングだし、流れていってしまうとリークみたいな感じにもなっちゃうんで、どうなんでしょう。言葉使いで「溶解トラッピング」というのは。
  • 鹿園委員
    言い方が本当はあれなのかもしれませんが、英語ではソルビリティー・トラッピングというふうにいいまして。ただ流れるといっても、地表まで出ていかなければ問題にはならないと思いますので。ただ、どのぐらい流れるのかというのが本当は問題で、滞留時間からいくと、おそらく1000mですと、それほど流れていかないので、そのまま固定され、溶解トラッピングとか鉱物トラッピングで固定化されるんじゃないかというふうには思っていますけれども、そこのところはもうちょっと調べる必要があるかなというふうに思っています。
  • 佐藤(徹)委員
    詳しく説明していただきまして、ありがとうございました。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。ほかに何かございますでしょうか。
    一点だけ教えていただきたいんですけど、パワーポイントの14ページで、鉱物トラッピングの化学式がございますが、これはちょうど珊瑚が形成されるときの反応と同じなのかなという。
    ひところ、珊瑚でCO 2をトラップするというか吸収するというのが結構流行って、研究がされましたけど、そのときに地質の先生等から、いわば珊瑚を形成する反応は海洋においてはCaと炭酸水素イオンで炭酸カルシウムが形成されてCO 2がガスとして出てしまうんでトラップにはならないんだというのがあって、その後、珊瑚の場合はこういう骨格を形成する反応と、そこについている藻類が光合成をやるので、総合するとCO 2の固定になるんだというような見解になっていったかと思います。
    この反応は、地下においては炭酸カルシウムが形成されてCO 2が1分子出てしまうんだけど、トラップというふうに考えてよろしいんでしょうか。その場合は、このCO 2はどっかよそに流れていって、また炭酸水素イオンかなんかになって、最終的には炭酸カルシウムになっていくと。こういう考えでよろしいんでしょうか。
  • 鹿園委員
    そうですね。これ珊瑚と同じ反応でありまして、この反応でCO 2は出てくるわけでありますけれども、左のカルシウムとか炭酸水素イオンは、カルシウムの珪酸塩とCO 2の反応で出てきたものでありまして、その場合に2つのCO 2というものが反応に関与してきますので、トータルとしてはCO 2は出てこないという反応になります。
    簡単に言いますと、例えばCaSIO3+CO 2がCaCO3+SIO2というふうな反応になりまして、そうすればCO 2は出てこないということにはなります。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
    それでは鹿園委員、誠にありがとうございました。
  • 松橋座長
    それでは次の議事に入らせていただきますが、委員の皆さまからの貴重なプレゼンテーションをたくさんいただきましてこれでひととおり終了いたしましたので、これまでに行われたプレゼンテーション、委員の皆さまからの知見を踏まえて、今後、実証試験にあたって満たすべき安全基準という、本ワーキンググループのテーマのほうにこれから入ってまいりたいと思います。
    まず事務局のほうから、今後のワーキンググループ、本会の進め方についてご説明をいただきたいと思います。それではよろしくお願いします。
  • 三橋地球環境技術室長
    資料2-1、3に入ります前に、全体のイメージを委員の皆さまに共有していただくために参考1という資料を用意してございますので、ご覧いただけますでしょうか。
    この参考1の資料の左側3分の1ほどに「作業項目」が書いてございまして、こちらがこの2つのワーキンググループでどういう作業を行うか、どういう検討を行うかということで、当初のワーキンググループ設置のTORの資料を配付しておりますが、そこで書いてある具体的な項目でございます。
    ご記憶ありますでしょうか。(1)と(2)にあたるところが、このワーキンググループの検討テーマ、(3)の(1)から(6)までがもう一つの長期的な安全確保に関するワーキンググループの作業ということになっておりまして、今後この題目に従って安全性の検討を具体的にガイドラインの策定に向けた作業を行なっていくことにしたいと思いますが、どういう形でやるかということの具体的イメージです。
    まず月1回程度のワーキンググループの開催ということで、今回1月の会合で地質に関する条件。それからCO 2の輸送基準に関する資料を後ほどご説明します資料2-1、あるいは資料3という形で配付をさせていただきまして、議論をここでキックオフすると。
    で、この平場といいますか、このワーキンググループの場のみで意見を完全に出し切るのは難しい側面があろうかと思いますので、期限を切って、委員の皆さまからコメントをいただいて、事務局のほうでその全体を踏まえまして、次回会合、2月のワーキンググループに委員の意見を踏まえました修正版の提示をするような作業のイメージを考えております。
    2月については、今回、資料を配付していません。さらに追加の2種類の紙の配付を2月に検討しておりまして、一つが(2)にあたります施設の設置にかかる安全性の確保、あるいは周辺環境への影響ということで、この2点の資料を2月に追加で配付しまして、同様に3月までの会合までにコメントをいただく、あるいはこの平場でいただいた意見とあわせて修正版を3月に配付すると。こういうサイクルを作りまして、この項目ごとにバラで検討を進めていくという手法をとりたいと思います。
    3月では、最低1回以上の議論を踏まえた資料が概ね揃うのと、追加でこういった項目が意見がありました場合には、その他という形で追加でまとめまして、その後その他検討してきた項目との全体版の統合、それから場合によっては相互にクロスでチェックをする作業の必要性もございますので、合同のワーキンググループの検討で、ここで担当しませんでした(3)のところについても全体図をご覧いただくような場、検討いただくような場の設定を考えております。
    そして、この研究会の検討結果をまとめましたものを、親のCCS研究会にご報告するということ。場合によりましては、そこでさらに問題になっているような点についてのさらなる検討、あるいは検討の方向性に対する指示というのが出る可能性もございますので、それを踏まえた再度の検討ということとあわせて、パブリックコメントと最終的な取りまとめを行うと。こういう作業の工程をイメージしております。
    当初は、このワーキンググループの検討は3月末を目途というふうにしておりましたが、若干、まだ時間かかる見通しである点、あわせてご説明させていただきます。
    参考2のほうに縦書きですが、きょう、2点の資料をご説明させていただきまして、その後期限を切りまして、委員の皆さまにコメントを具体的に後日出していただく。おそらくこの場で出しきるのは難しいであろうということと、急いでやるというよりは、じっくりやることの重要性に鑑みての対応でございます。
    個々のペーパーのどのペーパーにコメントがあるか、どの部分にコメントがあるかということ。そして委員のご意見をいただいて、可能であればテキストの具体的修正箇所もあわせて言っていただきますと、我々事務局としても非常に対応しやすいということですので、ご意見とともに、この部分をこういうふうにすべきではないかというご意見までいただけると、委員の皆さまの多数、あるいはこうするべきという方針の提示になるものであれば、広く採り入れていくようなことを考えたいと思います。
    将来、二論あるいは三論意見が分かれるような場合には、それがはっきりわかるような手法でハイライトして親委員会の報告をする、あるいはこの場で議論を深めてもらうような手法は、そういった分かれた意見が出た場合にあらためて考えていきたいということでございます。
    以上が、まず今後の進め方と、委員からいただきますコメントのフォーマットについてのご紹介でございます。
  • 松橋座長
    ただいまご紹介のありました作業の手続き的なプロセス、コメントの様式。こういった作業の進め方につきまして、委員の皆さまからご質問ご意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでございましょうか。
    特にございませんですか。こういった進め方でよろしいでしょか。やや個別全体がバッと、いきなり完成版が出てくる形ではなく、一つひとつの問題について作り上げていくということになりますが、よろしいでしょうか。
    ありがとうございます。それでは基本的には、このような進め方でさせていただくということで、早速ではございますが、次に資料2-1になりますでしょうか、「CO 2貯留候補地が備えるべき質の条件等」という資料につきましても、いまの作業イメージに従って、事務局のほうからまず原案を説明したいと思います。それではよろしくお願いいたします。

2.CO2貯留候補地が備えるべき地質の条件等

  • 三橋地球環境技術室長
    それでは資料2-1を用意いたしましたので、こちらに基づきまして、地質の条件に関する議論のたたき台をご説明させていただきます。
    まず、この資料の構成でございますが、一番最初の「1.」で箱書きしておりますのが、当初このワーキンググループでこのテーマの検討を依頼されている部分でございます。したがいまして、先程の参考1の資料の一番左側のそもそもの作業項目と同じことがカット・アンド・ペースとされているということでございまして、当初どういうことの検討かということで触れられていますものを復習いたしますと、候補地が備えるべき地質などの条件、及び候補地の検討のために必要な情報ということでありまして、どういった条件を満たす必要があるかということと、その判断をするためにどういった情報が必要なのかというのについて洗い出すことが大きな作業題目となっております。
    まず条件の抽出ということでは、例えば貯留容量の確保、あるいは二酸化炭素の圧入とその貯留を可能とする地質の構造に関する条件。そしてこれを確保するためのデータの取得の方法につきましても、作業項目として具体的に書かれております。
    それから、このCCSを実施するに先立ちまして、その事前の調査を行う場合に、必要とされるデータ、あるいはそのデータの内容がどういったもので、どういった方法によって取得されるべきかということについて触れておるということでございます。これが「1.」のところでございます。
    そして「2.」と「3.」のところはいまからご説明しますが、きょう、鹿園先生からご説明をいただきましたけれども、前2回、すなわち、RITEの村井委員、それから佐藤(徹)委員、澤田委員からプレゼンテーションをいただいておりますので、僣越ながら、地質の条件にかかわるところのポイントを私どもとして抽出いたしまして、簡単化して書いてございます。
    これは委員の皆さまのプレゼンテーションの内容を再度アンダーラインするという性質のものでございますので、そこから何を我々はレッスンとして学ぶかということについてあらためてご覧いただいたうえで、資料ですと3ページ目の「5.」のところから、今後の実証実験にあたって、どういったところを確保することが必要なのかということを具体的に記述するという構成にしておりまして、安全基準、あるいはガイドラインといったものに近づく最終的な仕上がりは、この「5.」に書いてあるところを各ペーパーから集めていくようなことによって仕上げるというイメージを考えておりますが、このペーパー自身は議論の流れをつくるということ、あるいはプレゼンテーションいただいた方のメッセージをしっかり再確認する趣旨で前段がついているというふうにご理解いただければと思います。
    中身に入りますが、まず「2.」のところで、長岡におけます貯留事業で検討した事項ということで、具体的に候補地のサイト選定にあたっての試験地点の評価というスライドが具体的にございました。
    画面をご覧いただきますと、そのときのスライドがご記憶あるかと思いますが、11月のことですので、だいぶ前のような気もいたしますけれども、その中で(1)の対象層のところに具体的な検討にあたっての検討内容としての柱が5つ立っております。
    一つが、そのまま文言を引用しておりますが、「キャップロックのシール性が高く、連続性を有すること」。
    2つ目といたしまして、塩水層の深度を800メートルから1200メールトルとすること。これはプレゼンテーションのときにご説明いただいた内容では、まさしく効率的にCO 2を圧入するということを目的として、超臨界とするということが技術的に望ましいという前提に立っているということであります。もちろん、さらに深いところに貯留するということももちろんなんですが、指数関数的に穴掘りのコストがかかるということで、コスト面を考慮したうえでの配慮であったというご説明をいただいたと記憶しております。
    3点目として、貯留層の地層の厚さについても触れておりまして、10メートル程度が確保できることというのが当初のRITEでの実証実験の前提になっておりますが、何にせよ、貯留するCO 2、当初は8000万トンから1億トンを想定していたとされていますけれども、この貯留が十分可能である層であるということを前提に、今後も10メートルがいいかということでは必ずしもないんですが、もう一つのワーキンググループの2のほうでは、10メートルぐらいの層厚では、具体的には震探調査をかけますとCO 2が入っていることはなかなか確認しにくいといったことも事例としてわかっているということも実際ございましたので。10メートル自身にものすごくこだわるということではなくて、当時の技術的な検討というものを、我々ここから一つの出発点として考えるということでございます。
    それ以外に2点大きくございまして、一つは塩水層・帯水層の地層傾斜が緩やかであること。もう一つは、塩水層の面積1.5平方キロメートル範囲に影響を及ぼす可能性があるやいなやということの検討があったということで、具体的に1.5平方キロメートルにつきましては村井委員からその当時ご説明をいただきまして、円錐の図が参考の資料についておりましたが、ちょうど圧入するところが1100メートルから1200メートルぐらいのところで、そこから60度の傾斜での地表面への広がりの円錐を想定しましたときに、この地表面での円の面積がおよそ1.5平方キロメートルになるという仮定の根拠をご紹介いただいたということでございます。
    重要なポイントは、この5つの柱書きということで、もうすでに圧入実験を終えております実験ですので、この5つの項目の是非論がどうこうというよりは、これを参照して、さらにこれに肉付けすることによって次の地質条件の検討に役立つ、より有効なものにする、あるいは検討にあたって不要であったとするものがあるとするならば、それはむしろ検討のスコープからはずしてはどうかといったような形で議論を前に進めることができればなというふうに思っております。
    それから2ページ目の「3.」に進みまして、佐藤(徹)委員からのプレゼンテーションをいただいた内容でございます。こちら大変中身の濃いプレゼンテーションをいただいたんですが、その中でも冒頭のほうに場所の選定にあたっての柱ということで3点、検討すべき重要な項目を挙げていただいております。
    一つが地質構造に関するものでして、トラップ構造をちゃんと持っているということの確認が非常に重要であるということのご説明をいただきました。このトラップ、背斜、断層トラップ、層位トラップなど幾つか方法があるというご紹介でございました。
    きょうも鹿園先生から、まず基本は背斜というご説明がありましたし、当時の佐藤(徹)委員からのプレゼンテーションも、まず基本は背斜トラップであるということのご説明をいただいたと記憶しております。こういった地質構造の有無の確認、そしてそこで貯留できることという順番であるということが重要な柱であるということでございます。
    それから2点目に、貯留層の特徴として、まずCO 2を圧入して、その結果として、貯留層の圧力が上がってくるわけですけど、その圧力上昇に十分耐え得るといいますか、吸収する十分な貯留キャパシティがあるということの確認が必要であるということであります。
    あわせまして、計画している圧入レートでの圧入の是非、可能かと。
    それからそれは当然、浸透率の測定、あるいは破壊圧をしっかり確認する、あるいは毛管圧の確認というふうに後ほどご説明させていただきますが、そういった項目をきっちり確認のうえシミュレーションも行なって、その圧入レートでの圧入の実現可能性の検討が必要であるということであります。
    当然のことながら、この貯留層は十分な広がり、先程は10メートル、あるいは面積での表示が村井委員のプレゼンテーションでありましたが、連続性の確保ということが非常に重要であるということで、不均質でないこと、あるいは断層がないことなどが挙げられております。
    この断層などに関連しましては、このあと澤田先生のご説明いただいたところでも若干触れます。
    それから3つ目の重要なポイントとして、帽岩(キャップロック)の特徴ということ。その特性として必要なことが書きくだされております。
    一つは、十分な厚さを有していること。そして2点目が、その貯留層をきっちり覆うものであるということも当然のことながら重要でありますし、毛管圧の作用でCO 2の滲出を防ぐ貯留層と帽岩の関係になっている。これは物理的性質がそういう相関になっていることも必要でありますし、さらにCO 2を圧入する際に、キャップロック自身が破壊されない圧力をちゃんと持っているという、強度を持っているということも条件として必要なことというふうにいえます。
    ここはシンプルに3点書かせていただいてありますが、後ほどご紹介しますが、アメリカの規制の「UICプログラム」の中では、貯留サイトの選定にあたってのミニマムのクライテリアが記述されておりますが、ミニマムのクライテリアも同様に地質構造、貯留層、キャップロックのところに触れられたものになっている点をここで一度ご紹介しておきます。米国の規制については、後ほどあらためてご紹介いたします。
    続きまして、「4.」といたしまして、澤田委員からいただきましたプレゼンテーション。これは主として、地震との関係でいただいたプレゼンテーションでございます。いただいたご説明の中では、特に断層の有無の確認、そのための必要な調査を行うこと。これはすなわち活断層、あるいは活褶曲の調査をきっちり行うということであります。
    仮に、付近にある場合には、貯留層やキャップロックにどういう影響を及ぼす可能性があるかということの確認が必要であるという示唆をいただいております。
    一方で、委員からは、日本国内は地質構造的に断層が全くない領域を見つけだすことはなかなか難しい部分があるというご説明をいただきました。その中で、仮にわずかなりでも断層がある場合には、あわせてその規模とシールがきっちりなされているかということを確認することにより、CCSの実施が可能な場合も十分あるというご紹介をいただいております。
    あわせまして3ページのほうに進みまして、地震活動に関連しましては、事後のモニタリングの重要性についても澤田委員から言及をいただいております。
    モニタリングは、ここでの地質の条件は別の項目で記述がなされることになりますが、特に澤田委員からいただいたプレゼンテーションの中で、事前のデータ収集、すなわち圧入を開始する前のバックグラウンドとなる地震の計測といったことの重要性をいただいておりますので、その点についてここで言及しておりまして、付近での過去の地震、あるいは微小地震の発生状況の調査をきっちり行うと。
    当然のことながら、付近と比較して異常がないことを確認するということですが、あわせまして、事後にも地震計の設置などを行う形になりますので、その際のリファレンスとなりますデフォルトの情報をしっかり把握しておくという意思を持って取り組むことということで触れてございます。
    そしてここから「5.」でございますが、ここからが今後の実証実験にあたってということで、委員の皆さまからいただいたこれらのメッセージを踏まえて、どういったところに注目して、どういうところに基準として着目して、その設定が必要かということを順番に書いております。
    まず一つ目が、貯留層。(1)から(4)までございますが、まず(1)として貯留層が存在すること。そして、それが一定の広がりと連続性を持っていること。そしてそれを覆うキャップロックが実際に存在して、その機能を果たすことを確認するということでございます。
    まず原則となる考え方は、貯留容量が想定した根拠がしっかりしたものであることが確認される必要があるということになります。
    2点目として、そのCO 2が広がる領域に断層がないこと。仮に断層がある場合には、そのシール性をきっちり確認するということであります。ただし、活断層でないということをシール性を確認する次のステージで、CCSの実施可能性の検討に移るということである場合には、当然、活断層ではないということを前提にしております。
    それからキャップロックがしっかりした厚さと、その貯留層を覆う形で存在するということ。結果として、貯留層に入っておりますCO 2が漏洩しない状態でそこでリザーブされるということを確認することが原則となる考え方になります。
    したがって、この原則とした考え方を確保するために、具体的にはどういう調査、あるいは実験を通じて何を確認するかということを後段にやや具体化して書いております。
    利用するデータですが、まず公開情報。それから震探調査の結果、そしてコアサンプルの採取と分析、そして原位置試験の結果などを利用いたしまして、貯留層が存在して、その広がりがあるということを確認して、計画している量のCO 2の貯留が可能であるということを確認する必要があるということであります。
    あわせまして、貯留層とキャップロックについて断層がないことをきっちり確認するという流れになります。
    さらに、CO 2圧入地点近傍については、地表面で震探調査といったことにもコスト面での限界等ございますので、例えば陸上から圧入するようなケースを前提に、「踏査」と書いておりますが、地表面に断層がないかを確認して、仮にあるようなケースは、それがどの角度で地中に侵入しているか。そしてそれが最も貯留したCO 2に近づく場合には、どの程度の距離、どの深度で起きるかということについても一定の仮定をおいて、その影響が及ばない、あるいは及ぶ可能性が十分に低いことを確認することが必要であるということになります。
    それから貯留層があるということ。そしてキャップロックがちゃんとその機能を果たす形で存在することとあわせて、トラップ構造がちゃんと存在するということも確認の重要な要素ということになります。実際に背斜構造といったことが基本として、トラップ構造が地層としてちゃんと確認できることが必要であるということであります。
    そして3ページ目、一番最後のドットに書いてございますのが、地質の化学的性状をきっちり確認するということでございます。これは地層水など、あるいは岩石の化学的性質をきっちり確認して、CO 2の圧入の結果、化学反応としてどういうものが起き得るか、起きた場合に目詰まりなどが起きないかといったような最もシンプルな場合が、そういったことが考えられますので、想定される化学反応についてのチェックが必要であるということでございます。
    次に4ページ目の圧入計画で、しっかり圧入をしていくということがそもそもできるかということでございますけれども、これもベースとします考え方です。想定されています地層の深さ、そこでの物性データに基づいて、予定しています年間、あるいは一日当たりの二酸化炭素の圧入が実際に可能かということの検証は必要であるということでございます。
    これは物性データを用いた確認以外にも、シミュレーションなどでその圧入のコントロールをしていくことが必要になりますが、この圧入レートのコントロールとか圧力のコントロールというのは、実はこちらの地質条件というよりは、圧入貯留というところの安全確保というところが、ワーキンググループ2のほうの作業としてございますので、そちらに具体的に書き込むようなイメージを考えております。
    実際に圧入前にどういうことを確認するかということですが、公開情報、震探調査によって地層の確認はもちろんですけれども、コアサンプルの採取などによって孔隙率と浸透率を測定するということでございます。これによって、あるいはステップレートテストなどを行なって、この貯留層をしっかり確認すると。技術的に圧入に耐えうることを確認する必要があるということでございます。
    それから3点目がキャップロックのシール性、その帽岩としての機能を果たすことを確認するということでございます。これは貯留層の上部にしっかりそれを覆う形で存在することを確認することと、圧入の圧力によって破壊されないことを確認するとういことで、これはリークオフ試験によって確認可能なものということになります。
    具体的には、室内の実験によってスレッショルド圧力、つまりキャップロックへのしみ出す限界の圧力をきっちり測定して、貯留層の圧力をきっちり確認しておくということであります。
    それから室内実験で、このキャップロックの浸透率などを確認して、この貯留層との対比においてシール力がちゃんとあることを確認する必要があるということであります。
    あわせて、このリークオフ試験を通じて、キャップロックの地層の破壊圧を確認して、これが圧入した結果として貯留層にかかる圧力との比較において破壊が起きないということを確保することも当然のことであります。
    そして(4)から、澤田委員からのプレゼンテーションに関連しました地震との関係ということになりますが、事前の確認ということになりますけれども、付近の地震活動について公開情報、あるいは大学研究機関などから得られます情報を通じて、地震活動について確認をして、将来の圧入後の地震計による計測の際のバックグラウンド情報をしっかり得ておくということ。
    そして、もともと得ました付近の地震に関連する情報につきましては、付近と比較して異常がないということ。あるいはそれは付近と比較して、著しく地震活動が活発であったりしないということが重要であるという考え方に立っております。
    そして(2)、最後のページでございますけれども、ここまでに触れました確認すべき項目で必要としましたデータというのが、具体的な物理的な実験の中では何と呼ばれる試験で、どれと一緒に取得することが可能かという視点に立って一覧表にいたしました。
    まず調査井掘削とは連動しない形でデータを収集するものということで公開情報、あるいは既存データとか震探調査ですでにあるものがあれば、地層のトラップ構造の確認とか貯留層の確認といったこともできますし、キャップロックの存在もそこでまず地質的な物性はないので、なるのではないかということがわかる想定の前段階ですけれども、最終的にそれのみで大丈夫ということではないですが、まず前提となる情報収集がここでできるということであります。
    (2)以下に、CO 2を圧入する前に具体的にどういうデータを取得すべきかということで、たった今までご説明してきました個々のデータについて、どういった試験からとるかということと、あわせてその試験本来の目的が何であるかということを再確認する目的で、一番右側にその目的をあわせて書きくだしました。
    以上が、資料2-1にかかわる事務局の説明でございます。
  • 松橋座長
    それでは、ただいまの資料2-1につきまして、委員の皆さまからご質問ご意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
    これまでのプレゼンテーションをもとに事務局のほうで作成したということですけれども、いがかでございましょうか。すぐにはご意見を出しづらいかもしれませんが。事務局のほうから、若干、補足の説明があるようでございます。よろしくお願いします。
  • 三橋地球環境技術室長
    議論がなかなか難しいと事務局も想定しておりますが、2つのアプローチがあると思います。
    一つは、ミクロに一個ずつ足りる足りないところとか、見ていく手法と、全体の包括性としてのバランスがちゃんと適切なものになっているかとい2点ございます。
    特に後者について役に立つということで資料2-2と資料2-3にEUの指令と、米国のUICプログラムの改正案の英和を書いてございますので、簡単にご紹介したいと思います。
    まず「EUの指令」ですが、昨年の12月17日に欧州議会と理事会、欧州委員会も含めた合意がなされているテキストで、まだ官報に載っていないバージョンですので、若干、エリトリアの修正がある可能性がありますかが、サイトに関連するところは第4条と第5条にございまして、具体的な基準は、ページをめくっていただいたあとの縦書きで字が小さくなりますが、指令案の別添I、ANNEXIと呼ばれているところに具体的に記述されております。
    EUのこの基準は、どちらかというとシミュレーション重視という感が私どもの受ける印象として強くて、まず1ページ目に書いていますStep1でデータの収集。そして2ページ目にいっていただいてStep2でモデルを構築してシミュレーションしましょうと。Step3で、その動的行動を把握して、このシミュレーションモデルのセンシティビティ・チェック、どういったパラメータの影響を受けるかといったようなことを追求するような形に具体的になっております。
    全体構造の中では、Step1の最初の1ページ目の真ん中あたりに書いてありますところに、例えばとるべきデータの具体的項目などが触れらされていたり、Step2、2ページ目の上半分の(a)から(g)のところに、例えば地質構造としてのトラップ構造などの把握などが求められているところがおわかりいただけるような構造になっています。
    先程、説明の中で少し触れましたアメリカの基準でございますけれども、資料2-3をご覧いただきますと、一番最後のページにセクション146.83というところがございまして、ここに立地にあたっての最低基準というのが具体的に書かれております。
    そこには全体に(a)と(b)と分かれておりますけれども、細項目では(a)のほう2つ書かれているということで、そこに書かれているのは、まず大きく(a)のほうで地質構造がちゃんとしていることを確認しなければいけないということ。(b)のほうは、キャップロックというのがちゃんと存在していて、そこに連続性といいますか、完全性がちゃんとあるということを証明しなければいけないという趣旨のことが書かれておりまして、特に(a)の(1)には、その範囲、厚さを説明することと、あわせてミニマムな条件としては、孔隙率と浸透率というのが求められているということになります。
    もうちょっと細かくなりますと、資料2-3の2ページ目の上のほうに具体的に提出しなければいけないデータが(4)に書かれておりまして、圧入層とか隔離層の深さ、範囲、厚さ、孔隙率、浸透率、毛細管圧、震探のデータ、坑井の検層などが具体的な項目として求められているということでございます。
    こういった横並びといいますか、アメリカではこういったレベルを横断的な基準として求めているということも、この基準を考えるうえでの包括性を考えるうえでの視点として役立つものと考えております。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。いまの点も踏まえまして、いかがでございましょうか。2-1でございますが、いまお気づきの点がございましたら。村井委員、お願いします。
  • 村井委員
    今後の実証実験、実施にあたっての前提として、これは海域地中貯留を想定するのか、あるいは陸域も含めて想定するのか。そこのところはどういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
  • 三橋地球環境技術室長
    現段階で、まだ候補地の選定に完全に至っておりませんので、両方を想定することを前提に、書きくだしたいと思います。
  • 松橋座長
    ほかにいかがでございましょうか。松岡委員、お願いします。
  • 松岡委員
    いまご説明を受けて印象ですが、EUの資料の中でStep1のところで、モデルを作りなさいということを一番初めに明確に述べられているわけですけれども、先程ご説明の資料をザッと聞いた感じですと、例えば「3D」または詳細「2D」反射法地震探査という言葉で表現されていますが、最終的にはEUの例の様に、三次元の地下モデルをつくるんだということだと思いますので、それに資する十分な2Dであればそれでもよろしいし、足りなければ3Dをやるだろうという感じからすると、そういうモデルをつくって、それを検討するんだという流れを、まず述べられたらいいんじゃないかなという感想です。以上です。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。いまの点につきまして、事務局案との関連でございますか。
  • 三橋地球環境技術室長
    若干、モデルをつくらないべきというふうに考えた趣旨ではないんですが、ここのところは少し議論があるかなと思いましたのは、「3.」のところで佐藤(徹)委員からいただいたご説明の中と少し関連するんですけれども、貯留層のところ、3行目、4行目のところ、「必要に応じてシミュレーションによる確認を行う」という感じで、地質を特定するときにモデルが必須かというのは一つの議論をいただくポイントかなと。
    一方で圧入後、あるいはモニタリングを想定しますと、一定のモデルを構築してパラメータを入れたうえでのヒストリマッチングをしていくことは必要なので、やらなくてということは想定しにくいんですけれども、この地質の条件のところから、冒頭からモデルを構築せよという書き方が、地質の条件を設定する書き方としてよいのかどうかというのが事務局として舵を切りきる勇気がなくて、委員の皆さまのご意見をいだたければなと思います。
  • 松岡委員
    私が言っているモデルというのは、決してそういうシミュレーション用という狭い意味ではなくて、通常、石油の探鉱を行うに、一番初めに地質構造のモデルという意味での言葉です。
  • 松橋座長
    そういう意味では松岡委員のご意見は、そういった広い意味でのモデルというのは絶対必要だというご意見だと思ってよろしいですか。
  • 松岡委員
    そうしたほうが、どういうデータを、個々の各論に入ったときに、最終的にはそのモデルをもとに議論をするわけですね。例えば浸透率がこうなっていて、ここに断層があるけど、それは十分遠いとか。ですから、そういう議論をする量的なものをある程度提示して、それで議論をしていって、そのモデルをつくるために必要な情報は集めるんだということのほうがよろしいんじゃないかなという感じがするもんですから。
  • 松橋座長
    わかりました。ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか、鹿園委員、お願いします。
  • 鹿園委員
    EUと米国の規制に関して詳しく見ていないのではっきりしないんですが、書き方としまして、例えば地震活動が封じ込めの障害とならない旨の判定とかそういうような書き方をしておりまして、地震活動が起こってはいけないとか、そういう書き方じゃないと。
    それからEUに関しましても、同じように、例えば4番目で重大なリスクが存在しない場合に限り、地層貯留サイトとして選定するという重大なリスクと言っておりますので、そのような書き方のほうが私としてはいいかなというふうに思っております。そういうものが存在してはいけないとか、そういう調査をする必要があるという書き方で、少し緩めというんですか、あんまり厳しく基準を、こうあってはいけないとか、漏れてはいけないといった書き方はどうかなと思います。
  • 松橋座長
    わかりました。ご意見賜りました。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか、お願いいたします。
  • 柳委員
    EUの規制についてご紹介いただきましたけど、確かにEUは昨年の12月に包括的な指令案を採択して、その中の一つとしてCCSの促進をするための指令を作ったわけですけど、EUの考え方というのは、どちらかというと炭素の貯蔵量ですとか、モニタリングの条件ですとか、漏出事故時の是正措置をどうするのかとか、貯蔵施設の閉鎖状況をどうするのか、といったいわば、基本的にはCCSを行うものに対しての許認可の要件を定めたというものです。これは閉鎖後には各構成国が責任を持つようになっているような構造を持っていて、あわせてEUの環境責任指令が適用されるというものであります。
    EUの環境責任指令は2004年に採択されたもので、これは2007年まで、各構成国は国内法化するように義務づけられたもので、その中では生物生態系ですとか、ヒト健康といったリスクを評価するということが規定されているわけです。
    ですから、きょう紹介のあった第4条第4項の環境とヒト健康への重大なリスク云々というところはそれに関連しているというふうに考えることができると思います。
    また、そういった生物生態系まで含めているということになると、こういった実証実験をやるときに必要なデータとして、そういうところまで踏み込んでちゃんとチェックをされるというようなお考えがあるのか、お伺いしておきたいと思います。
    ご紹介いただいたEUのケースは、EUの一つの仕組みであって、それと日本の制度的な方策については、別途ほかで考えておられるということでしょうか。その点はどういうふうに切り分けて整理されたらいいのかと。いまの現時点でどうお考えになっているのかなとちょっと思いましたので、教えていただければと思います。
  • 三橋地球環境技術室長
    ご指摘ありがとうございます。ここは非常に難しいところでして、すでに海洋汚染防止法の改正がなされておりまして、環境影響評価について、まず海底下貯留について、その影響評価についてまとめた報告をすることが海底下の貯留を行う場合の許可の前提になりますので、一定程度の何らかの作業をする必要があることは間違いございません。
    その作業の量として、どの程度のロードがかかる、あるいはどの程度の理解が得られる作業を本当に行うことができるのかというのは、事業者の負担ももちろんですが、現実的に例えば海底下で貯留する場合に、どういったことまで調査を具体的にできるのかといったこととも連動しますので、そこは一つ、ほかの国の法規、あるいは国際的にやれる、あるいはやることの決まっていることの動向を見ながら、どこまですることでみんなの理解を得られてやれるかと。
    事業者側の立場に立ったときもエチケット、あるいは当然のこととしてどこまでやれるかということの程度を見つけていく必要があるのかなというのが現在の考えているところでありまして、この紙自身が地質の条件について書いてある紙でございますので、例えば地上に人口がどういうふうに分布していて、どういう建物が建っているのかといったような記述が、EUの規制の事例ですと調べることになっていますけれども、これは施設設置の安全性と周辺環境への影響ということで、次回お配りする紙の中に必要な項目を提示して、具体的に議論をいただくということ。あわせて、ここの委員の皆さまの意見以外に、パブリックコメントにおいていただく意見も参考にすることが非常に重要な部分だというふうに考えております。
    答えになっていないんですが、事務局の現在の考えでございます。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。
    時間がかなり迫っておりまして、これについてはまだまだご意見があるかと思いますが、当面、参考2にお示ししたようなコメント提出様式を設けますので、次回の委員会まで、あるいは期限は別途事務局のほうから連絡があると思いますが、これに関する委員の皆さまからのご意見、修正案等積極的に出していただいて、お認めいただいた手続きに従って修正を進めてまいりたいと思いますので、ぜひ、よくお願いをいたします。
    もう一つ議事が残っておりまして、資料3の輸送基準について事務局のほうから説明をいただきたいと思います。

3.輸送基準等

  • 三橋地球環境技術室長
    コンパクトに説明させていただきます。資料3でございます。こちらにCO 2を輸送する場合の基準ということで書かせていただいております。
    これは一部委員の方からのプレゼンテーションの中でいただいている内容の関連がございますが、現行法規制の体系という形で、現行一般にガスを輸送する場合がどうなっているかということを参照にするという書き方をしております。
    具体的には、高圧ガス保安法の中に具体的に一般高圧ガス保安規則というのがございまして、その第48条にガスの輸送についての記述がございまして、51条で具体的にパイプラインを使った輸送の基準が書かれているという形になっておりまして、例えば腐食を受けないためのコーティング、あるいは地上から一定の距離を離してパイプラインを設置すること、あるいは耐用年数において強度上の問題が起きないことなどといったような保安上の基準がそこで定められているということでございます。
    それ以外に、この工作物設置者はガス事業法などに基づく事業国家などが必要なこと以外に、これも若干、実例に従うと、RITEさんのほうが1万トンの貯留を長岡で行なったケースではローリーで二酸化炭素を運んでいるんですが、その運んだ二酸化炭素のトラックでの輸送にあたって、道路交通法に基づく地元の国土事務所の許可を得ていることが事実関係としてわかっております。
    この道路交通法に基づく許可につきましては、大きく分けますと、警察署長の許可を受けるケースと、現在の道交法で条文が完全に確認できないんですが、道路の構造とか保全、あるいは交通の危険防止の観点から、地元の国土事務所の許可を得なければならないケースがございまして、これは車載する重量とか、荷物をおろすところとか載せるところの場所とか、荷物の軸位置がどこにあるかということによって積載重量の大きさとかトン数などによって許可が場合により必要になるというのが、規制の体系になっております。
    私どものきょう書かせていただいた原案では、CCSのために特に輸送上の基準を定めるということではなくて、CO 2が不活性ガスであること、あるいは別途定めます二酸化炭素の濃度基準などの堆積濃度、不純物の割合についても規制を受けるという背景がございますので、ガス自体の輸送にあたって、このCCSのための特化した基準を設けるということではなくて、すでに関連して存在する基準をきっちり遵守していただくことをメッセージとして出すことが適切ではないかと思いますし、これ自身も長谷川委員からいただいたプレゼンテーションと整合するという考え方に立ってペーパーを起こしております。以上でございます。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、もしご質問ご意見ありましたら一、二件お受けいたしますが、いかがでございましょうか。特にございませんでしょうか。
    こちらのほうは、適地の選定のガイドラインと比べますと、現行国内法の関連規制の範囲でなんとかということでございますが、とりあえずはございませんでしょうか。
    わかりました。ただ、この点につきましてももしお気づきの点等ございましたら、先程の参考2のフォーマットに従って、小さいことでも結構でございますので、コメントを出していただければ幸いでございます。
    それでは議事については本日のものはひととおり終了いたしましたけれども、最後に事務局のほうから今後のスケジュール等について説明をお願いします。
  • 三橋地球環境技術室長
    まず、きょう2点出しました資料のコメントをいただく期限の設定でございますが、私どものほうで集計して、次回のワーキンググループでは委員の名前は伏せる方向で、委員からいただいたコメントを具体的に皆さんに見えるように書き並べるようなことを考えております。その中には、委員の皆さまも、そこに出た意見に触発されて気づく点もあろうかと思いますので、それを具体的に皆さまの前に提示したいなと思っております。
    まず1回目の期限として、今週の金曜日の夕方5時を期限にして、皆さまからのコメントをいただきたいと思います。事後、紙のアップデートは、このペーパーについてはもう一回ございますので、気づく点がありましたら、そこで排他的に受け入れないということではないですが、今週の金曜日の夕方5時を一つの区切りにさせていただければと思います。
    コメントを送っていただく際に、毎回こういう表を作っていただく必要はございませんので。順番にテキストのタイトル、指摘箇所、コメント、テキストの具体的修正がそれぞれ柱立てされてわかれば、メールでテキストで送っていただければ十分でございます。
    次回の会合でございますけれども、2月20日ということですでに委員の皆さまのご了解を得ておりますが、さしつかえなければ、この場で3月の会合の日程を確認して決定したいと思います。できますれば、3月16日の週で委員の皆さまの出席を一番いただける日にちに設定したいと思いますが、皆さまのご都合はいかがでしょうか。例えば19日というのはいかがでしょうか。
  • 松橋座長
    19日の木曜日ということですが、ご都合の悪い先生はいらっしゃいますでしょうか。
  • 三橋地球環境技術室長
    それでは、同じように10時から12時で設定させていただきます。
  • 松橋座長
    それでは19日木曜日の10時から12時ということで本ワーキングを開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
    それではこれからまた修正をして、よりよいものにしていきたいと思いますので、ぜひ、ご意見をお願いしたいと思います。今週金曜日の午後5時ということで、よろしくお願いいたします。
  • 松橋座長
    それでは、第4回のワーキンググループはこれにて終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月30日
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