経済産業省
文字サイズ変更

二酸化炭素回収・貯留研究会CCS実施に係る安全基準検討ワーキンググループ(第6回)-議事録

日時:平成21年3月19日
場所: 経済産業省本館2階2東6共用会議室

議題

  1. CCS関連施設設置に係る安全確保
  2. 周辺環境への影響評価等
  3. CO2貯留候補地が備えるべき地質の条件等
  4. 輸送基準等
  5. その他

議事概要

  • 三橋地球環境技術室長
    おはようございます。朝からお越しいただきまして、遠くから来ていただいている先生の皆さま、ありがとうございます。
    それでは定刻になりましたので、CCS研究会、本日の安全基準検討ワーキンググループ、合同会合を重ねあわせますと、すでに6回目となります。2つ合わせると10回以上開催しているのだなとふと思いました。
    早速でございますけれども、座長に進行をお願いしたいと思います。
  • 松橋座長
    それでは早速、本題に入ってまいりたいと思いますが、まずは本日配付されている資料の確認のほうを事務局からお願いしたいと思います。
  • 三橋地球環境技術室長
    皆さまのお手元にあります議事次第と配付資料の一枚の紙に従いまして、皆さまのお手許の資料を確認します。
    まず資料1-1が、地質の条件のペーパーでございます。今回も、若干の修正を加えた再修正版ということになります。前回の2月中旬に開きましたワーキンググループ以降にいただきました委員のコメント、それから議場で委員からいただいておりますコメントをそのまま1-2のコメント表に書き入れてございます。
    同様に資料2-1として、CO 2の輸送基準にかかるペーパーと、委員のコメント、これは一つだけで数は少ないですが、前回委員会後に一ついただいておりますので、これを資料2-2に入れてございます。
    ここまでがすでに2ラウンド議論させていただいているものでございまして、資料3のほうが施設設置にかかわる安全性確保の紙でございまして、前回初めてペーパーをお出ししたものです。
    それに対して、委員のコメントを幾つかいただいておりますので、これが資料3-2になっております。
    そして最後、資料4-1が環境影響評価の紙ということです。前回はアンコの部分がない紙というふうに申し上げましたけれども、委員からも自由にいただいた意見が幾つかございまして、その内容を今回含めてテキストを書き下しております。その際、前回以降に委員からいただいたコメントを資料4-2としております。
    参考に、先月末に開催しております長期安全ワーキンググループ、すなわち、もう一つのワーキンググループのほうで配っています資料5点、お手元に参考に配付してございます。
    もし手元に足りないものなどありましたら、ご連絡をいただければ事務局のほうで対応いたします。よろしいでしょうか。
    引き続きまして、本日の会合につきまして、ハウスキーピング的なことをご報告いたしますと、安全基準ワーキンググループの委員の皆さまにご出席いただいておりますけど、本日はもう一つのワーキンググループのほうから、島本委員にご出席をいただいております。これは地質のところとモニタリングの関係のところと掘削のところと連動しているところを、両方広く見ていただいている関係でございます。
    それから長期ワーキンググループのほうから、産総研の當舎委員にずっと両方見ていただいていたんですが、今回、急用で来れないということで古宇田さんに来ていただきました。古宇田さんはずっとオブザーバー席といいますか、後ろの傍聴のほうでずっと会合をフォローしていている関係がございます。
    それから本日は議題に即してということなんですけれども、資料4-1の議論で周辺環境への環境影響評価ということの議論のテーマに合わせまして、東京大学から佐藤徹教授にオブザーバーとしてご参加いただいております。佐藤先生には、環境省がオーガナイスしております環境アクセスの検討分科会の座長もお務めいただいているということで、広く国内の知見を集約して検討に資するという観点でご無理を言ってご参加いただいております。
    以上が、本日の議論に入ります前の事前説明でございます。
  • 松橋座長
    それでは早速、議題のほうに入りたいと思います。非常に蛇足なんですが、オブザーバーとして来ていただいている佐藤徹教授ですけれども、こちらのワーキンググループの委員でいらっしゃいます佐藤委員と同姓同名でございまして、漢字まで同じということで、こちらのワーキンググループの佐藤徹委員のほうは本ワーキンググループの委員ですから、恐縮ながら「佐藤委員」というふうに呼ばせていただきまして、オブザーバーで来ていただいている佐藤徹先生はオブザーバーですので「佐藤先生」というふうに本日は呼ばせていただきますが、全く他意はございませんし、上下も関係ありませんので、オブザーバーの方は「先生」というふうに呼ばせていただきます。
  • 佐藤徹先生
    今日は楽しみにして来ました。
  • 松橋座長
    何かのご縁かと思いますので、よろしくお願いいたします。
    それでは早速、本題に入りたいと思いますが、先ほど三橋室長からもご説明ありましたが、大きな資料、本ワーキンググループで作成している資料が4つございますが、そのうち1-1、1-2、それから2-1と2-2はすでにかなり議論してきております。もちろん残された部分もございますが。それに比べますと3-1、3-2、4-1、4-2はまだ審議を始めてから日が浅いものですから、おそらくこちらのほうが時間がかかるだろうということで、審議の順番としては資料3-1、3-2、4-1、4-2を先に審議させていただきたいと思います。
    それでは早速ですが、まず資料3-1と3-2について事務局のほうから説明を始めたいと思います。よろしくお願いいたします。

1.CCS関連施設設置に係る安全確保

  • 三橋地球環境技術室長
    それでは資料3-1、これが一枚紙の表裏、それから資料3-2がコメントも非常に数少ないので、こちらから両方手元で広げていただいてご説明したいと思います。
    まず、この資料3、この施設の設置、関連する設備を設置するときにどういった法規が関連するかということでございますが、これについてコメントを2つほどいただいております。
    一つは、吸収液に関連するものでございまして、この吸収液については、例えば分解するおそれがあると。これはつまり廃棄するときかそういったことを含めてであろうと思うんですけども、その際の「排ガスの大気汚染防止法や排水の水質汚濁防止法に対する配慮が望ましい」という、予防的観点を含めたコメントをいただいております。
    このコメント自身は、私どもこのコメントをいただいた方、あるいは所属の専門家の方と幾つかやりとりを繰り返しさせていただいている経緯がございますが、結果として、吸収液分解の過程で出てくる、例えば有害な物質の特定とか予想される濃度とか、そういったことがなかなか正確に分析できない現段階で予測しづらいところがございます。
    したがって、どの法規の、すなわち大気汚染防止法、水質汚濁防止法のどの部分の抵触の可能性があって配慮が必要かということを完全に特定しきるのが非常に難しいというのが現段階の分析の状況でありまして、決してないがしろにしていいという趣旨ではないんですけど、施設の設置というペーパーの趣旨とは少し違って、むしろ吸収塔という意味では関連性が近いんですけれども、ここでこれだけの文章をなお書きで書くのはどうかなという問題意識をもって、いま現在テキストには盛り込んでいない状態になっています。委員から追加的なコメントがいただければありがたいなというふうに思っているところでございます。
    それから2つ目のコメントですが、これは表の回収装置のつまり3.のところでございますけれども。リボイラーというのは、そもそも再生塔のシステムの構成の一部分であって、リボイラーと再生塔を併記する必要はないのではないかと。むしろ、再生塔と併記して書くべきは吸収塔なのではないかというコメントをいただいております。
    この点、すでに吸収の施設を設置しているところ、あるいは再生塔をもっているところの企業の方と技術的に相談をさせていただきまして確認したんですが、まずリボイラーそのものについては再生塔の一部分をなすものとしてとらえるということで問題がないということが確認できておりますので、書かなくてもいいのかなと思いますけれども、一応「再生塔(リボイラーを含む)」という記述にさせていただいています。
    他方、吸収塔のほうなんですけれども、吸収塔自身は再生塔と併記するという意味では意味があるんですけど、一方で、該当法令があって、例えば労働安全衛生法のような圧力容器に該当するかというと、そうでないということが確認できておりますので、こちらではあえて吸収塔というのを記述していないということが今回の修正の内容です。
    非常に修正の箇所としては少ないですが、以上が該当法令を正確に反映させた記述であるということでございます。
    前回紹介させていただきましたけれども、すでに施設を設置しているところというのは電発さんとか関電さんとかの協力を得て、この該当法令の確認を行なっているということでございます。
    以上でございます。
  • 松橋座長
    いまの事務局からの説明、あるいはその他お気づきの点等ございましたらコメントをいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  • 佐藤徹委員
    火力発電所の廃棄は大気圧に近いから強くないと思うんですけども、例えば私どもの地下から出てくる天然ガスのCO 2をとるところは加圧状態で炭酸ガスを吸収しているんですけれども、鉱山保安法の中だと思うんですが。高圧状態の地下由来の炭酸ガスを分離した炭酸ガスの場合は、該当するんじゃないかと思って書いたんですが。
  • 松橋座長
    いまのご意見は、発電所の排気ガスなんかの場合は非常に大気圧に近いんで、高圧ガス保安法にあたらないんだけども、地下の場合はあたる可能性があると。
  • 三橋地球環境技術室長
    すみません、ご指摘の点は視点としては漏れていたかなと、今、正直に思います。他方、事例を確認する趣旨で3.をやった関係がございまして、言い訳っぽくなって恐縮なので、きっちり確認のうえ、どう書くかをきっちり検討しますというのが正式な回答になるんですけども。
    設置されているCO 2のアミン法によるCO 2分離回収の実績ベースで私どもが確認した範囲ではこうであったということなので、ご指摘の点を含めて加圧状態のガスで吸収するケースについて、どういう扱いになっているかどうかを可能である範囲で確認しまして、その内容を反映させるようにしたいと思います。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。ほかにいかがでございましょうか。
  • 村井委員
    アミンの吸収で排水とかあるいは大気の話、RITEのほうでも調査しているんですけれども、やはり室長言われたように特定しにくい状況というのは賛成でございます。また海外の動向も少しあると思いますので、もう少し調べて、また機会があればコメントしたいと思います。以上です。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。ということは、もう少し調査を進めて、コメントの上のほうですが、このような配慮が必要になるということが判明した場合は、どこかに書き加える、あるいは注のような格好で書き加える場合もあるというふうに考えてよろしいですか。
  • 三橋地球環境技術室長
    まずファクトベースでの整理を基本にしていますので、この資料の構成はご案内のとおり2.3.は、いずれも頭の中で考える部分はもちろんなんですけれども、むしろ現実に事業をやられた方の経験で、そのときの該当法令がどんなものであったかということを整理しているという位置づけでございますので、その中にきっちり書き加えるような形でその必要性といいますか、該当がきっちり確認されれば、それを記述するようにしたいと思います。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。
    それでは、ほかにコメント等はございますでしょうか。特にございませんでしょうか。よろしいですか。
    ありがとうございます。それではいまの2点、もう少し調査をしたうえで修正の必要があれば修正するということで、資料3-1、3-2については終了させていただきます。
    それでは、引き続きまして、資料4-1と4-2をご覧いただいて、周辺環境への影響評価のほうの審議を進めたいと思います。
    まず事務局のほうから、ご説明をお願いいたします。

2.周辺環境への影響評価等

  • 三橋地球環境技術室長
    少し戻って恐縮なんですけど、先程の資料3-1、あるいは3-2のところですが、今後の事業を実施していただく事業者のために関連法規をきっちり整理をするというオープンな場できっちり行なって整理して字に残すことが事業者の予見性をかなり高めるということが一番の狙いですので、しっかり調べて字にして、みんなの目にふれられるようにしたいと思います。
    それでは資料4-1のほうの説明をさせていただきます。前回は資料が途中までの作成のところで、議論を踏まえて作成しますというやや中途半端な形であった点、大変恐縮でございますが、資料4-1前回お示ししましたテキストに対するコメントを具体的にいただいている部分と、それから新たに書き下した部分の説明をあわせてさせていただきます。
    資料4-1頭のほうからご覧いただきますと、まず2.の現行の国内関連規制ということで、幾つか修正を入れてございます。これは具体的に今日お越しいただいている環境省さんからテキスト上のエラーをディテクトしていただいておりますので、技術的な修正というふうにご覧いただければと思います。条項の引用、あるいは引用している番号の訂正でございますので、内容的な変更は行なっておりません。
    引き続きまして、3.のところをご覧いただきますと、諸外国におきます国内実施法の規定ということで、EUの規制とそれからアメリカの規制を書いてございますけれども、この部分修正を加えていますのは、前回ワーキンググループで柳先生のほうからいただいたコメントを、それぞれEUの指令に基づく環境影響評価の実施、それから米国については州法に基づく環境影響評価の対応が求められているということになるということを議場でいただいているところを、テキストとして反映させた記述にしてございます。
    この資料4-1のほうでご覧いただきますと、4.にはいりまして4.のほうから少しコメントをいただいているところがございます。
    まず3ページ目の一番上のところにIPCCの漏洩経路がABCDEFGとあるうちのDについて、翻訳が適切でないという修正をいただいておりますので、その修正を具体的に加えているのがこのDのところです。これは私どもの誤訳であったということでございます。
    それから4.(2)に進んでいただくとCCSに関連した環境影響評価にかかる研究等の実施状況というテキストを書いておりまして、ここには研究が行われているという状況でありますけれども、まだまだ統一的な環境影響評価の手法を導出するものとは至っていないというテキストを書いているところにひとつご意見をいただいておりまして。
    最近では、海洋表面の生物だけではなくて、海底のほうの生物への環境影響評価に対する検討も始まっているという技術的なコメントをいただいておりますので、その内容を反映させている内容になっております。
    このあと参考以下(3)のところからが、今回の新しいテキストでございます。ここの検討にあたっては、全く白地で書き下したというよりは、正直申し上げますと、環境省さんのほうで委託事業として「二酸化炭素海底下貯留に係る環境管理手法の高度化に関する技術開発事業」という事業が実施されておりまして、そちらでの環境影響評価分科会において、より精緻かつ時間をかけた議論が行われている経緯がございまして、そこの知見を有効活用するという視点に立っております。
    そこでのアプローチをある意味、踏襲させていただくようなところがあるんですけど、それをちょっと復習させていただきますと、IPCCの漏洩経路AからGまでの7つの経路が示されていますが、この7つの経路は大きく4つの漏出の経路に着目したものであるということが言えると。すなわち、その4つの組み合わせであるということで、その4つはなんであるかということを(イ)(ロ)(ハ)(ニ)で書き下しております。
    まず(イ)は、キャップロック自身をしみだしていく、すなわちキャップロックの孔隙を超えて上にあがっていくというケース。
    それからもう一つは、CO 2を圧入しました層に沿って横にといいますか、その層に沿って移動して、最終的に地表面、あるいは漏洩する断層にたどり着いていくという形になるケースでございます。
    それから(ハ)として、断層、あるいはフラクチャに沿って流れ出ていくということ。
    そして(ニ)として、人工的な構造物。すなわち、圧入井や廃止した坑井に沿って移動するもの。
    この4つの組み合わせであるということが技術的に言えるということでございます。
    この環境省さんでの検討では、特に(イ)(ロ)(ハ)(ニ)について一つのものさしをあてておりまして、それを3ページの下から入ります箱書きの(参考)の中に書いているんですけど。。すなわち、(イ)と(ロ)これはキャップロックの孔隙を移動するケースと、圧入層に沿って横に移動していくケースについては非常に長期にわたる漏洩のシナリオである。つまり、その漏洩が10万年から100万年という単位ではないかと。一方で(ハ)や(ニ)は、それに比較しますと短期の漏洩シナリオということができると。
    10万年から100万年ということのケースとしての計算の例が、下の参考のところで具体的にIPCCの報告書の中での研究論文の事例の引用などがされているということであります。
    この環境影響評価は、もちろん影響の時間にかかわらず重要ではもちろんあるんですけれども、特に着目すべきは(ハ)と(ニ)であろうというところは間違いないのかなというふうに思っております。それをあえて、そのように書いております。
    加えて、断層やフラクチャに沿って移動のこの部分については、特に地質条件のほうのペーパーと大きく連動してくるんですけれども、その漏洩経路となる経路があるところ、それが確認できるところについては、サイトとして選定するのはどうかというところが前提とした議論をしている経緯もございますので、論理的にきっちり構成する観点も含めて、やはり絞るべきは(ニ)の人工的な圧入井や廃坑に沿ってCO 2が移動するケースというのに焦点を当てた環境影響評価が適当であるというふうにストーリーを書いています。
    ここは一つのストーリーを書いているところがあるので、広く皆さまの意見をいただきたいと思うんですけども、ある意味あらゆることをやるというよりは、この環境影響評価の部分、やはりマグニチュードとして重要なところをしっかり見るということの重要性というのはやはりあると思いますので、そこにたどり着くためのストーリーをここに書いてございます。
    ページをめくっていただきまして、(2)としてリスクプロフィールということで書かせていただいておりますが、先般のCCSフォーラムでも松岡先生にいただいた講演の中にも入っていたグラフでございますが、国際リスク管理委員会の報告書というものを引用させていただいています。
    下に書いてありますグラフのように、一般にはCO 2の圧入を開始してから、圧入を終了する時点までが総体的な漏洩を含めたリスクというのは極大化する傾向、上がっていく傾向がありますが、圧入を止めた後というのは、どういう係数かどうかは別として減衰していくものであろうというのが、この分野の専門家の皆さんが共有している考えだろうということでございます。
    もちろん、この減衰の傾斜はまだ誰もやったことがないといいますか、圧入はいまだにノルウェーのスライプラーでもまだ依然圧入中でありますし、そういった事例からも、この減衰の傾きなどはまだわからないところがあるというのが正直なところであろうと思いますけども。
    ただ減衰していく傾向自身を否定する向きはないのかなと思いますので、環境影響評価というものにあたっても、例えば定常運転を前提とした影響評価を例えばするという場合でも、このリスクプロフィールの時間的な経過というのは非常に重要な着目点であるということでございまして、これをあえて(2)に書いているということでございます。
    ここまでが考え方のアプローチでございまして、5ページ目のところに(3)ということで、ここまでは比較的ストーリーを書いているんですけども。では、実証事業を実施するにあたって、事前に行うべき環境影響評価の項目は何であろうかということでございます。
    むろんCCSでございますので、例えば穴を掘るときに施設を搬入してきて、実際に穴を掘って、そしてCCSをやるために二酸化炭素を分離・回収して、そして輸送して貯留をしてという一連の過程それぞれについて、どういう項目の環境影響評価が本来あり得るべきかということのマトリックスを見るというのが基本的なアプローチでありますけれども、このCCSの分野、海底下、あるいは陸地からの注入であっても、まずは貯留しているときの状態、あるいは圧入しているときの状態に対する環境影響評価が焦点であることは間違いございませんので、その場合、どういった項目がその対象となるかということについて、この検討会として、一つの項目の示唆ができないかということで提案させていただいております。
    まず大気への影響ということで、二酸化炭素の漏洩はもちろん放出もありますけれども、例えば有害物質となります硫黄酸化物や窒素酸化物、そして粉塵がこれにあたると。
    それから一般に圧入施設による騒音や振動というのが非常に小さいと思われますけれども、人工的な施設を運転する以上、一つの項目かなということでございます。
    それから水に関連しましては、陸域の貯留の場合、つまり比較的浅い地下水への影響を考えるという観点で、その水質についてpH、あるいはHCO3の濃度、あるいは水の汚れや濁り、そして、あとは水温といったようなことが項目として考えられると。
    他方、海水、これは海底下に貯留するケースですけれども、このケースについてはすでに海防法などで項目の指定が具体的に示されていますけれども、CO 2の濃度指標やpH、あるいは有害物質の濃度というのが調査の項目にあたるということでございます。
    委員からの指摘は後ほどご紹介しますけれども、いただいているとおり、やはり生物、生態系への影響が最も重要な部分でございます。ただ、これは貯留するサイトによって、調査すべき項目については若干変わってくるところがあるのかなということで、サイトの状況に応じて項目の選定ということで細目は書いてございませんけれども、重要性は特に広く皆さんに共有していただいているところだと思います。
    それ以外に広くアセスという観点でいきますと、景観あるいはその場での人と自然との活動の関連、あるいは廃棄物というのが出るかと。これは一番最後に書いております土壌汚染、これは掘削をするようなケースなども少し関連してくるのかなというふうに思っています。
    それ以外には、特に陸域の貯留のケースでは、測定が手法によって可能性があるという観点で、例えば地盤、地形への影響といったようなことも、項目としてはサイトの状況に応じて選定すべき項目なのかなということで書いてございます。
    最後に留意事項として書いてございますのは、このCCSの環境影響評価の検討にあたっての大きな特徴でございますけど、一つは環境影響が、それが原因であるかどうかを含めて、非常に因果関係を含めて特定が難しいものである可能性があること。
    それから影響が発現する時点が非常に遠い先である可能性があること。つまり、事業を実施した時点よりはかなり遠い100年、あるいはさらに桁が大きい年月、先の可能性があること。
    それから、この手法自身が国際的にもあるいは国内的にもスタンダードというのが確立されていないというところが特徴かなと思いますので、謙虚にそれを受け止めて、私の作ったルールが未来永劫私のルールということではなくて、この実証事業も一つの契機として活用して、環境影響評価の内容とその方法、その実施の結果をきっちり見直して、その知見を活用して、あるいは諸外国での動きというのをきっちり踏まえたうえで、さらにその後どうあるべきかということについての再検討が必要でありますし、その再検討は必ず行われるべきであるということを最後に書いております。
    これは、書き下しのところがございますので、委員からいただいたコメントとは少し異なりますといいますか、少し離れているようなところがありますので、委員のコメントについて丁寧にご紹介をしたいと思いますので、コメント表の4-2の2ページのほうに進んでいただけますでしょうか。
    2つ目のコメントのところで、委員からのコメントの一つとして、「漏洩したと仮定した場合」という記述が幾つか出てくる一方、漏洩可能性モデルという概念を導入して、漏洩経路のシナリオをしっかり作るということが非常に議論を単純化といいますか、わかりやすくすることができるのでないかという問題提起をいただいております。
    これ自身は直接的に反映させていないのが現状でございますけれども、モデルの構築と漏洩パスのところは非常に大きな関連がありまして、もう一つのワーキンググループの座長の佐藤光三先生も、「漏洩経路がないところで何回モデルを回しても漏洩は起きない」ということを何回もおっしゃっていて、この漏洩可能性ということを一つのモデルにするかということについてなんですけど、基本的には地質のデータに基づいて、あるいは分析している地質構造に従ってきっちりモデルを作って、それを普通に計画どおり運転した場合に漏洩がされるかということをモデルの結果として見るのがアプローチなのかなと思いまして、漏洩の可能性をモデル化するというアプローチをすると、その部分だけが顕微鏡で見られて大きくとられる、むしろ事実を誤解を生む可能性もこの分野だとあるのかなという問題意識も少しございまして、いまこの段階では特に入れておりませんが、委員の皆さまの意見がいただければなというふうに思います。
    それから下にいっていただきますと、少し踏み込んだコメントをいただいておりまして、海防法の申請書類の必要な調査項目について、よりもう少し明確化するような記述ができますでしょうかということなんですが。
    例えば踏み込んで、想定問答集の準備まで書いてくだすっていますけれども、ここのところは基本的に私ども行政の立場として、環境省さんの主管の法律でございますので、すでに指針まで出ているところなので、例えばより明確で必要な項目について、ちょっとクラリファイが必要であるというところが仮にあれば、例えば今後の事業を実施する仮定をおいて、ある場合には、そこの部分について、より貢献できるような記述を盛り込みたいと思います。問題提起をするような記述を盛り込んでいきたいと思いますけど、大ざっぱに風呂敷を広げてしまうと、ガイドラインの指針の2個目を経産省として書いたようになってしまうと、より事業者には動きがしづらくなる可能性もあるかなという視点に立っております。
    ページをめくっていただきますと、これも幅広い意見をもう一ついただいております。特にこの環境アセスの議論にあたっては、人体・生態・地下水への影響をまずは考えるべしと。
    まず実証実験の中で言うと、人体への影響などもあるかもしれないけれども、まずは海洋生態系、あるいは海洋環境への影響評価が重要項目だろうと。その際のシナリオとしては、断層シナリオ、あるいは人工物シナリオなどが考えられるのであるが、これを絞っていくような検討が重要なんであろうと。
    特にトラッピングについても物理的なもの以外に溶解、あるいは鉱物トラップというものについても頭にきっちり置いておくということの指摘をいただいております。
    実際にそのシミュレーションを活用して炭酸塩の生成、あるいは地下水についてもどういうプロセスで影響が起きるかということの評価を行う可能性というのは考えたほうがよいのではないかということですが、同時にこの影響評価について、どのくらいのタイムスパンをとるかということも一つの軸として重要であるという非常に高い視点に立っていただいたコメントもいただいております。
    それから真ん中にいっていただきますと、環境影響評価に関連して、コメントをもう一ついただいております。現実的には独自のガイドラインを作成して対応するのが、現実的な対応方法ということで提案をいただいております。
    現実にパイプラインなどのケースを一つの素材として、評価項目や手法を取り上げるのも一つのやり方ということでございます。その際、一つの項目として景観があるのかなと。
    ここのコメントを踏まえて、少し私どもも表をひとつ提起するような工夫をしておりますが、その項目ベースでの議論、あるいはもうちょっとアプローチも含めてご意見をいただければというふうに思っております。
    そして最後に環境影響評価について非常に重要なポイントですけれども、「定常状態」あるいは「最大の影響時」をベースとして検討するというのが基本的な考え方であるということを記述している点について、コメントであらためて言っていただいているということでございます。
    ここは経済産業省としても、通常の電力、あるいは発電所での環境アセスの経験から、通常に運転しているケースというのを前提とする点については、ごくごく自然にそういうものだという認識をしております。
    一方でこの委員の指摘は、PAの観点からは徐々に漏れるケースについての検討をする必要があると。この分野は皆さん、「ぶくぶく」か「じわじわ」かという点で、「ぶくぶく」か「じわじわ」か、につきましては、先ほどの資料4-1でも触れましたけれども、どちらかというと(イ)(ロ)(ハ)(ニ)のうちの「ぶくぶく」のほうが、まずは重要ということを私はテキストに書いている一方、「ぶくぶく」なんかある程度コントロールされるし、起きないところをしっかり制御してやる以上、やはり見るべきは「じわじわ」のほうではないかというところについて言及いただいているコメントがここにありますので、この点も一つの論点であろうと思います。
    ただ、マグニチュードをしっかり考えるということとタイムスケールというところを常に視点として戻して考えるという必要があって、いまどこに重きをおくかということであろうかなというふうに思います。
    それから最後に、海底生物への生息状況調査の可能性について言及いただいております。
    これが前回いただいたコメントでございます。上手に意見の反映ができていないのですが、全体の議論を非常に広いところから狭めていく必要がありますので、その方向性を与えるのに、そして最終的には事業者が項目を選定して、そのアセスをするということ。自主的に、あるいは別の手法によってアセスをすることがある程度視野に入ってきますので、そうした場合に大きなテーマだけ投げかけられたままでは、事業者にまた無限の作業がいってしまうことになりますので、比較的きちっと、これが要点なのねというふうに伝わるところまで議論をもっていく、非常にバーティカルな軸の長さが長いんですけれども、委員の皆さまの幅広い意見をいただければなというふうに思います。
    長くなりましたが、以上、説明でございます。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。この部分ですが、大量につけ加え終わった文章、内容もございますし、またコメントも数多くいただいているということで、今日の資料の中でも一番議論があるところかと思いますが、まずは委員の皆さま、あるいはオブザーバーの先生も含めてコメントをいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。ぜひ、審議を尽くしていきたいと思います。それでは鹿園委員お願いします。
  • 鹿園委員
    細かいところから、もうちょっと大きいところもコメントをしたいと思いますけども。
    まず、3ページで直されたところで「海洋表面の生物」と「底質中生物」と書いてありますけれども、実際には海洋というのは表層水もあれば中層水、深層水もあるので、そのような深層水、中層水についても環境影響評価というのが検討されているんではないかと。私はこの分野でないのでわからないんですけども、こういう書き方ですと、海洋表面と底質中生物と限られるというふうにちょっと思いました。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。ほかのコメントがありましたら、ひととおり全部お願いいたします。
  • 鹿園委員
    それから4ページ目に、「超長期的シナリオ」と「短期的シナリオ」というふうに書いてあるんですが、こうすると、長期的シナリオというのはどうなっているのかなと思いまして、少し違和感がありますので、こういう2つに分けるのは少しまずいかなと。
    それからその下のリスクプロフィールというところが、報告書には書いてあるのだと思うんですが、ほかの分野からいきますと、リスクというものをどういう意味で使っているのかが少しわからないので。実際には海洋の生態系に対するリスクまで考えているのか、そうじゃなくて、確率的にどのくらいの割合で漏洩するかとか、そういう意味なのかが少しわかりにくいと思いました。
    それから5ページ目の水質のところに、一般的には浅層の地下水ですが、CO 2が多いと酸性なので、ほかの有害な金属とかそういうものも溶けだすということが問題になるとういうふうに聞いておりますので、そういうものも入れたほうがいいんではないかというふうに思いました。
    それから資料4-2の1/2のところで「漏洩可能性モデル」ということが出てきたわけですけれども、放射性廃棄物の分野でもこのようなことを考えておりまして、従来は最も悪いシナリオということで保守的なシナリオというのを考えていたんですが、いまはそういうものではなくて、最も可能性の高いシナリオということでいろんなパラメータがありますので、その幅を考えまして、不確実性モデルというもので検討することが一般的だと思いますので、私の意見としては、この分野でもそういうような検討のほうがいいのではないかというふうに思いました。
    大体、以上です。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。それではいまのコメントについて、事務局のほうからまず回答をお願いします。
  • 三橋地球環境技術室長
    まず研究について、深層あるいは中層の研究、すみません、このコメントは村井委員からいただいているんですけど、どうですか。質問に質問で返すようで大変恐縮なんですが、記述に値する研究動向があるようであれば付記したいと思いますし、あえてこうやって書くと、真ん中をやっていないんじゃないかという誤解を招く懸念があるかどうかということ次第だと思います。
  • 村井委員
    これは海底下地中貯留を考えた場合に、浅い海域を使うであろうという前提で考えると、ここに書いてあるような海洋表面というか、浅海における海洋中の生物と海底の生物のこの2つを考えればいいんじゃないかということで、こういう表現でもいいかなと思ったんですが。いったん海へ出れば、深海まで時間をかければ影響はあるわけですけれども、そこまで議論をする必要はないと思って、これでいいかと思っているんですけど。むしろ佐藤先生のご意見を。
  • 松橋座長
    佐藤先生、いまの点、ご自身もご研究で少しされていると思いますが、いかがでございましょうか。
  • 佐藤徹オブザーバー
    完全な生物の専門というわけではないんですけれども、村井委員のおっしゃっていることは、おそらく「浮遊系」と「底生系」という表現のほうが正しいですね。
  • 村井委員
    正確にはそうですね。
  • 佐藤徹オブザーバー
    そういう表現のほうが、たぶん正しいのだと思います。
    あと(2)に関して言えば、「統一的な手法・アプローチを導出するものとまではなっていないのが現状ということで、これがちょっとつけ加わっているんですけれども、いまの海洋表層酸性化の話で、世界中の生物学者がみんなCO 2の影響データをとろうとしている最中ですので、どんどんそういうデータが出てくると思いますので、そういう表現があっていいのかなというふうに思いました。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。いまの点ですが、「浮遊系」と「底生系」というのはわりと海洋表面近くに漂っているような微生物系のものとかナマコとかというものをイメージするわけですが、「底生系」は底に棲んでいるやつで、そうすると中層、泳いでいるような魚ですとか、そういうものはこの分野ではとりあえずは気にしなくてもいいという感じなんでしょうか。
  • 佐藤徹オブザーバー
    基本的に魚は、たぶんCO 2に強いんだと、今までのデータはたぶんそういうことを言っているんだと思います。だから生物屋さんたちが気にされているのは、浮遊系のプランクトンとかバクテリアも最近考えていらっしゃいますけれども、それと底生系のベントスですね。そういうものは影響があるんじゃないかと思って調べていますね。ただ、やっぱり、一般の方々というのは魚とか身近なものを気にされるでしょうから、そういう表現も確かにあっていいかと思います。
  • 松橋座長
    そうすると、いまの点を勘案して、少し言葉の問題も含めて修正をしていくということですね。「浮遊系」「底生系」というような用語も用いつつですね。
  • 三橋地球環境技術室長
    はい。
  • 松橋座長
    それでは鹿園委員のほかのコメントのほうに戻ります。
  • 三橋地球環境技術室長
    鹿園先生からいただきましたコメントのうち、参考のところの「超長期シナリオ」と「短期的シナリオ」の間の長期はなんだという部分でございます。すみません、これ自身は事前に環境省さんにはお見せしているんですけど、環境省さんの検討の紙をそのまま使っているところがありますので、ここの是非をここで議論をすることは本質的な目的ではないので、こういった議論をしている有識者のグループがあるということを、ひとつリファーしているという趣旨なんですけど。
    非常に時間のスケールで見て長い、10万年から100万年の単位での先の漏洩を見ているのが経路の1と2であるのに対して、3と4は、例えば断層、あるいは圧入井の中身の十分な構成ができていなかったとか壊れていたとか、セメントがちゃんと入っていなかったというケースの現実的な漏洩を考えますと、時間の単位は桁が全然違う可能性があるという意味で、言葉として、単に「長期」と使うよりは、「超長期」と「短期」になっているということだと理解しております。
    むしろ、共有できるかどうかを皆さんとこの現場でテストしたいと思っていますのは、この経路1、2に基づく漏洩というのはやはり時間のスケールとしては相当先であるのに対して、3と4についてはもう少し現実のもの、手元で起きるものとして、その対応について手元リソースを使った対応をすることをまずすべきではないかというところが、皆さんにとって違和感があるかどうかが私どもの関心のポイントでございます。
    それからリスクのプロフィールのところは、このグラフ自身がCCSの関連の分野の皆さんでいろんなところで使われているというのが経緯でございまして、縦軸の実際のリスクの単位がなんであるかということとかそういったところがあまり議論になっているわけではないんですけれども、これ自身はIRGCの報告書の図の中では、漏洩リスクという形で書いておりますので、そういうものとして定性的に理解する補助となるものということで、すなわち、ここから出てくる考え得る常識的な考え方に違和感があるかどうかが皆さんの議論の場として重要なポイントです。
    すなわち、圧入を開始してから圧入が終了するまで漏洩リスクというのは徐々に高まっていって、その圧入が終了したあとは、むしろ漏洩してくるリスクというのは、その時点からはむしろ下がってくるというこの考え方というのは、この環境アセスについては定常運転状態、あるいは最大リスクが起きるときを念頭に考えるというときに、圧入終了時点というのは一つのピークをなすということのストーリーとして使っていただくことができるんじゃないかというところを、委員の皆さまの意見がいただければなという趣旨でございます。
    むしろ、このプロファイル、あるいは定常運転という視点に立って、例えば単純に運転期間の中央、あるいは平均的な圧入量が起きる時点を前提にするという考え方に立つのも論理的には可能なんですけれども、やはり性質がリスク管理ということでございますので、リスクが圧入終了時点でピークをなすという議論が最も、なんといいますか最小公倍数をとることになるのかなという視点に立っております。
    最後に水質、浅層の地下水での有害金属についても溶けだした場合の影響を含めて書き込むべきだという点については、具体的に書き込むようにしたいと思います。以上でございます。
  • 松橋座長
    いまの点なんですが、鹿園委員、いかかでございましょうか。
  • 鹿園委員
    大体いいと思うんですけども、超長期的シナリオと短期的シナリオに分けているわけですけども、経路4についてはいいと思うんですけども、断層とかフラクチャはもっと長期にわたっても短期でも出る場合もあるかもしれませんし、長期的にも出てくる可能性があるんじゃないかなというふうに思いまして、こういうふうに2つにはっきり分けられるのかなというところが疑問な点です。
  • 松橋座長
    わかりました。ありがとうございます。
    それともう一つ、鹿園委員がご指摘された中でこのリスクファイルの図の、例えば縦軸の定義というものもはっきりしていないわけですが、漏洩のリスクということで、三橋室長の説明は、私もよく言わんとするところは理解したんですが、おそらく鹿園委員のご指摘の意図は、サイエンスとかいう視点で考えますと、あまり軸の単位とかそういうものがはっきりしないものを載せてなくてもいいのかなという。上の文章で尽くされておりますよね。この言わんとするところは。「圧入終了時点で最高点に達し、サイト閉鎖後は、時間の経過とともに漏洩リスクは減衰していく」と。その概念をなんとなく絵にしたのがこんなようなあれで、あまり定量的にこの図のとおりになると言えるものでもないかもしれませんね。そうすると公式なガイドラインとして残す場合は、このような図はなんとなく必要ないような気もしますね。文章そのものでございますから。
    それといま委員からご指摘のあった超長期と短期のところで、経路3ですか、必ずしも短期でない場合もあるというようなことですけども、室長の位置づけとしては、ここのカッコの中というか、経路1、経路2、経路3、経路4は、あくまで環境省の委託事業の報告書というか資料から抜粋したリファーであるという位置づけであるという意味で、つまりガイドラインの本文という位置づけではないというご説明ですね。
  • 三橋地球環境技術室長
    ガイドラインかといわれるとあれなんですけれども、皆さまに(イ)(ロ)(ハ)(ニ)から、(ハ)と(ニ)を絞る検討について、もう少しかみ砕いた文章として、私どもの中の分析以外にも第三者の人たちがこういった分析をしているということは、皆さんの検討に資するかなという視点で書いておりまして、皆さんにご提示したのが趣旨ですので。
    ただ、例えば取りまとめをするときの私の個人的なイメージですけど、こういったものがもし引用が可能であれば、図表的なものの一つとして、例えばこういうところで検討しているものの、いまの状況でどういうリファーがなされているかということでの一つの引用、テキスト本文かというとそうではなくて、ということはパーツによっては活用したいなというふうに思っていますが、そこは議論次第です。
  • 松橋座長
    ということです。だから一つには、あくまでリファーということであれば、アペンディックスというか、補足資料みたいな形に入れるという考え方もございますよね。
    それはそれとしてご意見をいただければと思いますが、いまの鹿園委員のご指摘は、その分類が必ずしも当たらない場合もあるかなと。そうすると、上で今回作った資料は最終的には少々検討して(ニ)に焦点を当てることが適当という結論に導いているわけですが、そこにもちょっと影響がある。こちらはまさしく本文なんですけども、これの是非にかかわってくる可能性があるんですが、この点についてはいかがでございましょうか。それでは佐藤先生、お願いいたします。
  • 佐藤徹オブザーバー
    環境省のほうの委員会と比べてみていて、要はこちらの委員会がどこまで考えているかというか、範囲というか、それにかかわる話だと思っています。
    それで、たぶん環境省のほうは海防法があって、そのために事業者が出す環境アセスメントについて規定する、ガイドラインを作るという姿勢だと思うんですね。ある意味で法律対応ですよね。こちらのほうは、むしろ事業者が実際にやるときのことを考えて、先ほど委員のコメントの中にもパブリック・アウトリーチとか自主ガイドラインという言葉が出てきましたけども、そういう位置づけであるんであれば、もう少し広いのかなと。というのは、先まで考えなくてはいけないのかなという気がします。つまり、住民が納得するとか、そこまでのことをある程度視野に入れておかなくちゃいけないのかなと、ちょっとわかんないですけど、そういう気がします。
    そうであるとすると、(3)の流れというのは環境省さんのほうのリファーというか、非常に似ているわけですけれども、環境省さんのほうは(ハ)も考えているんですね。(ハ)と(ニ)、つまり後ろの経路という説明でいくと経路3と経路4ですか、両方とも短期的な位置を考えるということにしているんだと思います。
    それをおいておいたとしても、私が言いたいのは、海防法というか、法律対応はたぶん経路3、経路4でよくて、リスクが最大になるのは圧入終了のときで、だから時間内でちゃんとやっておけばいいんだというのが法律、つまり最低限のことであって、自主ガイドラインとかパブリック・アウトリーチのことを考えると、経路1、経路2という超長期というか、長期のことも考えてちゃんとシミュレーションして、先ほど出てきた漏洩可能性モデルということもやって大丈夫だよと言ってあげると。そういうことなのかなと思います。
    そうするとアペンディックスに持っていくという話もありましたけど、ここの書き方というか、流れ全体が趣旨一貫されていないような感じがあって。というのは、経路1というのはドライビングフォースは浮力ですよね。つまり超臨界のCO 2が途中でガス化して、ぶくぶくとなって出てくるという話。経路2は完全に漏洩力が圧入圧力といっているから、水に溶けるということを言っていて、溶けたCO 2、つまり水溶液になったものが入れている圧力で漏れてくるという話ですよね。経路3と経路4も、たぶん浮力がほとんどですよね。あるいは両方ですか。圧入圧力と浮力と両方の話になってくると。「ぶくぶく」と「じわじわ」という話があったんですけれども、浮力だと基本的にたぶん「ぶくぶく」になると思うんですね。
    何が言いたいかまとめますと、結局、どこまで考えるかによるんだけれども、自主ガイドラインとかパブリック・アウトリーチ、パブリック・アクセプタンスまで考えるんであれば、経路1、経路2まで考慮して漏洩可能性モデルもやるんだという書き方になって、おそらくそうすると、私どもの計算では影響がないという結果が出てきます。漏洩量によるんですけれども、5000t/year以下であればおそらくCO 2濃度は人間が検出できる限界以下ぐらいの濃度になってしまうと思いますので、影響がないという話が出てくると思います。経路3、経路4に関しては、どのぐらいのCO 2濃度になるかは漏洩量次第だと思います。そういうことなのかなという気がします。
    ですから、そういう一つの筋に従って、ドライビングフォースは何なのか、出てくる形態は何なのか、経路は何なのかということをしっかり筋をつけてまとめられて、こうだからこうだと。こういうのはこういうふうに対応するというようなちゃんとした筋書きが、いまのやつは、そのへんがぐちゃぐちゃになっているかなという気がします。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。いまの点に関して、環境省のほうでお気づきの点ございますか。
  • 環境省
    いま私たちが研究しているのは、まさに佐藤徹先生が座長となってやっている研究会なんですが、実を言うと、ここについて私たちもこれでいいのかというのでいろんな資料を見ながらやっておりますが、正確なというか、はっきりとしたような結論は出ていないというのが本当のことでして、それは先ほど先生が言われたように出てくる量や時間等を考えると、何をもって安全、何をもって漏洩というのかどうかも、いま定義をやっているところもあります。
    環境省の研究はあと2年ぐらい事業がありますので、その中で決めていきたいと思いますが、実際上、別の検討会でモニタリングでどのぐらいまでの量だとCO 2を検知できるのかということとかもありますので、そこともからめてうまくまとめていきたいと思っていますが、いまのところ、まだ答えが出ていなく検討中のところです。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。いろいろと重要なご意見をいただいたわけですが、いかがでございましょうか。
  • 三橋地球環境技術室長
    是非、この機会に佐藤徹先生にお伺いしたいなと思うんですけど、漏洩力と漏洩の経路の違いによる分類学をするという点についてはおっしゃる通り、ちょっと今、混ざっている状態になっていると思うんですけど、事業者が活動するときに環境影響評価はもちろんパブリック・アウトリーチを含めて最も自分たちのためになるものを上手にやりたい、しっかりやりたいと思っていると思うんですが、その際に事業者のガイドラインであるから、経路1から4全体をカバーすべきだという議論は私はその部分についてはなんら異議があるわけでは全然ないんですけど、他方、この1から4についてマグニチュードに差がある。
    今も、先生の言葉にありましたように、例えば1と2はたぶん、漏洩しないと出ると思うんですが、という言葉が仮にあるんだとすれば、計算の結果として検出できない程度になる可能性が有為な可能性としてあるということがあるのであれば、その濃淡はある程度示すことが正しい資源の配分を行う道筋なんじゃないかなとも思うんですけど、そこはいかがですかね。
  • 佐藤徹オブザーバー
    濃淡というのは?
  • 三橋地球環境技術室長
    濃淡というのは、例えば環境影響評価というのは、ご案内のとおり事業者がやると、ごっつい報告書を書く。方法を議論するのに2年とか、そういうことが、最終的なプラントの事業だと起きる現実を考えますと、どこにしっかりウエイトをおいてやるべきかということについて、皆さん、広くやったほうがいいし、そうですというよりは、やはり事の重要性に差を与えてあげることがたぶん、よりリソースを上手に使う道筋につながるのではないかなと思うんですけど、そういう意味で焦点を当てたほうがいいというのは、どっちかというとそういう問題意識なんですけど、そこはやはり、それを超えて1、2、3、4だなという感じなんでしょうか。そこの感じをお伺いしたいなと思うんですけど。
  • 佐藤徹オブザーバー
    経路の1、2、3、4ということでいえば、これでいいんだと思うんです。これでよくて、ただ私が言いたかったのは、この経路に対して、それぞれのドライビングフォースは何であって、そのときに予想される漏洩量はおそらくこのぐらいであって、それからその経路がわかっているから、海面から出てくるような亀裂の形状はこのぐらいであってというようなことまで例えばここで書いてしまう。そうすると、実は予測をするモデルのほうは、同じモデルなんですよ。同じようなモデルで、経路1に関しては漏洩量と、それがガスであるか、じわじわ出てくるかであるかとか、そういうのをちょっと変えるだけで、みんな計算できてしまうわけです。そうすると、実はそんなに労力はかからずして、ほとんどカバーすることができるんですね。
    おそらく経路3と経路4をしっかりやっておけば、これが環境省さんは先ほど「まだ決まっていない」とおっしゃいましたけれども、これがおそらく海防法に対するアセスで経路3、経路4のところがしっかりやれればよくて、経路1、経路2に関して言えば超長期の話ですので、こちらになりますと自主ガイドラインとかパブリック・アウトリーチ用というような位置づけかなと思います。
    ですので、それほど事業者さんにとっては労力がかからず、全部できてしまうんじゃないかと。そのためにここで、経路1だったらこのぐらいの漏洩力は何であって、これはこのぐらいの漏洩だよというようなことを数字を出してあげるとか。そこまでいくかどうかわかりませんけれども、そうしてやると、事業者はモデルの計算がやりやすいと思うんですよね。
  • 松橋座長
    よろしいでしょうか。三橋室長と佐藤先生のやりとりを聞いていて、私も委員の皆さまもなんとなく議論の内容がわかってきたと思うんですが、要するに安全を確保するためにリスクと便益を考えて、どこにどれだけ漏洩のリスク等があって、それに対してモデルを開発して、安全性を担保するというか、調査するときに、資源の配分とおっしゃったけど、どこまでコストがかかるのか。
    コストというのはお金という意味だけじゃなく、人間の、専門家の配置も含めたバランスを考えなきゃいけないというのが「資源の配分」とおっしゃった意味だと思いますが、モデルを実際開発しておられる佐藤先生のお立場からすれば、1、2、3、4をすべてやることが(イ)(ロ)(ハ)(ニ)でいえば(ニ)だけをやるということと比べて、そんなにコストがかかるわけではないと。そうすると、全体に対して広くガイドラインを出すときに、「(ニ)に焦点を当てることが適当」とこう書いてしまうと、誤解を招く。つまり(イ)(ロ)(ハ)はあんまり考えなくてよろしいというようなニュアンスを広く与えてしまうと、専門家でない人が見たときに、そこを無視してよいと言ってるように聞こえてしまうと。なおかつ(イ)(ロ)(ハ)をやることは、モデル開発上はそれほどコストが変わらないと。
    そういうことを総合的に勘案すると、なにもこういう記述をしないで全体をちゃんと見るよと書いてもいいんではないかということが、広く国民の皆さまに理解していただくためによいのではないかと。このような趣旨かというふうに理解いたしました。
    松岡委員と澤田委員からお手があがりましたので、お2人からご意見をいただきたいと思います。
  • 松岡委員
    環境評価という問題は、具体的に事業が始まったときにはモニタリングということが必ず議論されますよね。ですから、ここの環境評価とモニタリングの関係が少しわからないというと変ですけれども、そこをもうちょっと明確にされたほうがいいと思うのと、それとモデルで仮に漏洩のモデルを作って、そして漏洩が起き始めたときには実はモニタリングでわかるということをちゃんと説明しておけばいいと思うんですね。
    ですから、一気に1年で地表までくるというのは廃坑なんか、あるいは圧入井の問題があるかもしれませんけれども、通常ではそういうことは起きないというのが一般的だと思いますので、あくまでモデルで計算された結果がひとり歩きしないためにも、実は事業が始まったときにはモニタリングをやっていますから、そういう現象は事前に十分ディテクションできるんだというふうな社会的受容性を求めるときには説明をしないと、「漏れますよ」というのだけがひとり歩きすると、それはちょっとまずいかなと。あくまで具体的なストーリーの中では十分時間的な経過を追って、常に管理しているというコンセプトが一番重要かというふうに思いますので。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。それでは澤田委員お願いたします。
  • 澤田委員
    私も同じ意見だったんですけど、佐藤先生がおっしゃったようになんでも計算できちゃうというふうに受け取ったんですけどね。例えば断層やフラクチャに沿って移動するとしましても、これは実験データがどこまであるのか、それから現実に実験と現実は違いますからね。パラメータが一体どういうものなのかというのは私はちょっと疑問のような気がしていまして。
    私、素人ですからよく知りませんけど、断層といってもいろんな断層があるわけですよね。シーリングもいろんなシーリングがあるわけですね。それがいちいちその場で全部調べられるかといったら、非現実的でしょうね。
    ですから、計算は計算で結構だと思うんですけど、一つはこういう場合にはアンノウンがある場合には、どっかに確率論的な考え方を持ち込むとか、ロジックス的な考え方を持ち込んで、必要な場合にはおっしゃられましたけど、濃淡をつけるためのウエイトをつけるとか、そういう考え方のもとで最後はやっぱりモニタリングということで説得するのが一番いいんじゃないかなと。それが正しい、それ以外はないんじゃないかなというふうに思っております。
    ただし、論理的な構成のときに、専門家がどこまで、このシナリオは100分の1であるとか、このシナリオは半分ぐらいのウエイトをつけるとか、なんかそんなところをどっかで入れたシナリオのほうが説得性あるかなという感じがしますけどね。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。いまのお二方の、今のに関連いたしますね。長谷川委員からもご意見いただきます。
  • 長谷川委員
    いまの議論を聞いていて思ったんですけど、この書き方ですね。経路1、2、3、4と書くと、いろいろ議論を聞いていると、一番起こりそうなのから、4、3、2、1の順番だろうなと思うんですよね。だから書き方も逆に経路4、3、2、1の順番で書いておいて、それを主眼にまとめながら、あと1について、いま言われたような長期的なモニタリングも含めて書いていったほうが、よりわかりやすいんじゃないかと思います。これ最初に1、2を書かれると、1、2のほうがかえって、さっき三橋室長のほうからマグニチュードの話がありましたよね。マグニチュードなんか弱い順に書いているんだから。むしろ強い順に対策を書いていったほうが、やっぱり理解を得やすいんじゃないのかなと思うんですけど。
  • 松橋座長
    わかりました。ありがとうございます。いまのは書きぶりのお話だと思いますが、松岡委員追加でございますか。はい。
  • 松岡委員
    追加ですが、断層を通して地表に漏れるという話は十分起こり得る話なんですけども、おそらく地下1,000メートルのところにある貯留層と、それが断層を介して地表までつながっているかどうかというのは、直感的に言うと、地下がだんだん深くなるに従って静水圧が増していくわけですよね。基本的に。ですから、1,000メートルのところでは上の1,000メートル分の水の圧力がかかっているんですけども、もしも間隙水圧がそれよりも大きいという状況になると、実は地表の水と地下の水はセパレートしているということが直感的ですけども、言えるわけです。ですから油田なんかでは静水圧よりも高い圧力でたまってて、それを穴を掘ると自動的に自噴してくるというストーリーですね。
    ですから、事前にもしも貯留層で掘って入れようとしている帯水層が静水圧よりも大きいというようなところであれば、地表とそこの水とはツウツウではないと。漏れる可能性があるかもしれませんけど、基本的にはツウツウではないということは、まあまあ言えるんじゃないかなと思いますので、事前に断層を通して地表とツウツウのところには入れないという前提ですべて始まると思いますので、そういうことも調べられると思うんですよね。ですから、断層を通して漏れるというストーリーは必ず考えなきゃいけないと思いますけれども、それは何らかのインパクトがあって変わるとかいうふうに考えたほうが考えやすいのかなと思ったりします。
  • 佐藤徹オブザーバー
    澤田委員のお話を聞いていて思ったんですが、私が言っているモデルでなんでも全部できるというのは海の上に出たときの話であって、地面の中のことは実は私は専門でなくて、誤解されたのかなと思いました。それだけちょっとだけ修正します。
  • 松橋座長
    こちら地質の専門家と海洋流体の専門家でございますので、それぞれ力をあわせてやっていかないといけないわけですが、そうですね、やはりここになってきますと、専門分野に入っていきますと非常に記述が難しいんですね。
    その中でガイドラインとして適切なものをつくりあげていかないといけないんですが、ひとつ出た、複数の委員の方から出たのは、やはりモデルで安全性を担保する中でももちろんそこに不確実性もあるので、モニタリングをしっかりやっていかなければいけないと。そのような記述をやはり、そこに入れるんでしょうかね。あるいは、それも含めた文章にきちっとしていくということでしょうか。いかがですか。
  • 三橋地球環境技術室長
    ここのところは、すみません、後ほど、今後の進め方を最後にご報告しますが、ここは後半部分は初めて委員にご覧いただいていて、また1週間の期限でここの部分についてのコメントをいただいて、今日の議論もたくさんの時間、皆さんからいただいたコメントの大勢があるところを字にする工夫を後日したいと思います。
  • 松橋座長
    わかりました。大変貴重なご意見を、この部分、特に重要な部分でして、ご示唆をいただきましたので、それを含めて修文するわけですけれども、それは何らかの形で皆さんにフィードバックできますか。
  • 三橋地球環境技術室長
    一番最後に。
  • 松橋座長
    わかりました。じゃ、そういったことでいただいたご意見をもとに少し、きちっと直していきたいと思います。
    さて、その他の部分についていかがでございましょうか。ご意見ございますでしょうか。柳委員と古宇田先生からお手があがりましたので、その順番でお願いいたします。
  • 柳委員
    3のとこの諸外国の国内実施法の規定のところですけれども、私はコメントをする時間がなくて申し訳なかったんですが、まず最初にEUにおける規制のところですが、(1)(2)とありますけれども、CCSの指令の枠組みというのは基本的にIPCCの指令下にCO 2の回収等をおくということが前提で、アセスの部分については(1)と(2)に書かれたことを行うということになっているわけですけれども、(2)のところにCO 2の回収装置とありますが、これは回収総量が1.5メガトン以上の回収施設ということになっていると思います。
    この場合に官民のプロジェクトの環境影響評価を従来のアセス指令で行うということと、市民との協議の対象になるということを指令では定めているということですね。そこらへんは、もう少しコメントで補充をしたいと思っております。
    それからアメリカのプログラムについてですけれども、アメリカの場合は現在、飲料水法の地下の圧入管理プログラムというのが、これが今、パブリック・コメントが昨年2008年の11月24日までパブ・コメを受け付けるということで、EPAが2010年までに最終規則を公布するということで、EPAは安全飲料水法の地下圧入のプログラムでCCSを規制対象とするということで、2008年7月にその案が公表されていると思いますけれども。この中で安全飲料水法に関する規制プログラムを改正するのは、その目的としては、CCSの実施と地下水資源の保護、これを両立させるためにこういった規則案を現在上程しているんだろうと思いますが。
    その規則案の中で、CCSの許認可についていろいろと規定しておりますので、許認可の中に具体的に立地の許可基準ですとか、それから立地の基準、それから建設時の地下水源等の流入防止等のいろいろと基準、操業時の基準とかモニタリングといった枠組みが規定されておりますので、先ほど来からいろいろと議論のある漏洩の問題は基本的にそういうことが起こらないことを前提に許認可されますので、そういった影響に関連するアセスというものを一応行うことが事業者には求められてくるだろうと。
    ただ、この点についてはまだ十分な記述がありませんので、もう少し諸外国の状況というのはフォローしておかなければいけないかなというように思っております。以上です。
  • 古宇田オブザーバー
    資料4-1の先ほどからご議論のあった(3)の(1)のところの記述についてなんですが、特に真ん中から下のほうの「別途CO 2貯留候補地が備えるべき地質等の条件に関する検討の項目において、(ハ)による漏洩の可能性について十分に吟味されること」ということなんですが、これは当然、十分に吟味されることを前提としてこの仕事は続けると思うんですけども。
    ただ生産に入る前の段階の吟味と、生産に入ったあとのモニタリング中に見つかったものというのはやはり分けて考えないといけないと思いますので、その後見つかるという可能性は当然ございますので、漏洩のリスクの可能性はかなり低くなるとは思うんですが、事前に十分吟味されているから、そのあとは何をやってもこれは影響がないというふうに受け取られると非常に大きな誤解になると思いますので、ちょっとこの記述は変えていただいたほうがいいかなということ。
    それから「確認されていない地層上の裂け目や切れ目」というのは、これまで鹿園先生や澤田委員からもずいぶん出ておられますが、現在こういうものの対象に対しては確率的な手法で扱うということが一般的なもので、例えば地震予知連絡会というところでも地震の確率ということで出しまして、何月何日何時何分という非常に正確な、ここで予知できますよというやり方ではないということになっております。
    ですから、やはり世の中一般の計算方法と合わせた形で考えるべきではないかなと思います。ですから、そういう意味で(2)の(ニ)に焦点を当てるという書き方ではないほうがよろしいのではないかと思います。
  • 松橋座長
    わかりました。いまいただいたご意見等も踏まえて修文を作ってまいりたいと思います。
  • 三橋地球環境技術室長
    一点、自分の頭の整理の問題なんですけど、アセスは事前にするアセスの議論をしているので、モニタリングはモニタリングの章でモニタリングをするという。で、なんかあったときにこういう対応をするという章は別の紙がちゃんとあってということなので。いまのお話は、事業を開始しても延々にアセスをし続けて、アセスをアップデートしろといっている趣旨なんですか。
  • 古宇田オブザーバー
    たぶん事業中のある程度のさらにアセスということがあるかもしれませんけど、いまの焦点はまさにアセスでございますので、アセスの段階で事前に断層が見つかっていないから、見つかっていないということで考えるということではなくて、やはり、もしあった場合の確率的な現象ということでアセスの中にも入れておいたほうがいいのではないかなと。その部分というのは、佐藤先生が言われたようにコスト的にすごくかかるというものではないと思いますので、やはり記述としてはあったほうがよろしいのではないかという意見です。
  • 三橋地球環境技術室長
    すみません。僕の理解がいまいちあれなのは、漏洩経路がなくて、確率的に漏洩が起きるということをモデルにする。
  • 古宇田オブザーバー
    確率的に漏洩経路ができるという可能性があるということです。
  • 佐藤徹委員
    よろしいでしょうか。
  • 松橋座長
    時間がなくなってきましたが、佐藤委員お願いします。
  • 佐藤徹委員
    私たちの油ガス田の開発で、いま確率モデルというのを使っております。それは前によく出てきた孔隙率とか浸透率をどう配置させるかということですね。手法は地球統計学という手法になるんですけれども、それは既存にデータがあって、例えば地表のデータとか、掘削したときのデータ、それでそういう事象がある、例えばいまの話ですと断層ですよね、が幾つか分布している。それを井戸と井戸の間は未知な空間ですから、そこにどのくらいの確率で分布するだろうという。
    ですから、事前調査で断層がかないといわれているところに、地球統計学的に断層を確率で配置するということはできないというか、ゼロになってしまうんで、メチャクチャにランダムな、乱数的に発生したものをそういうところに入れてしまったら、すべての場所は断層がどっかに配置されて漏洩の可能性があるというような、どうも話が収束しなくなるような気がしますので、今までの蓄積したデータベースとか新たに調査井を掘るとか、データに基づいたうえでなければそういう統計的なことはできせんので、誤解されないようにコメントをしました。
  • 古宇田オブザーバー
    石油の生産では、とにかくコストもございますので、あらゆるところに全く同じに均質にやることはないと思いますけれど、ただ地震学とかそちらの方面では、やはり全く未知のところで断層が開かれているということは今まで経験的にたくさんございますので、そういったものを入れて、確かに地球統計学で計算するわけですけど、シミュレーションのときには。ただ、そういうモデルで計算するというやり方は確実にございますので、それはやはりアセスメントの中では取り入れるべきではないかなという意見でございます。
  • 松橋座長
    わかりました。ここはやはり同じ地球科学の中でもいろいろ専門分野によって扱う手法も違ってまいります。しかし、これらの記述そのものはそれらを包含してきちんと理解されるように包括的にやっていかなければいけませんので、いずれにしても、この部分はこのままではやはりまずいと思いますので、何らかの修文をしていかないといけない。そのときに、ここにお集まりの委員、専門家の皆さまのご意見をいただきながら、いまいただいたご意見をもとに、やはりきちっと理解をえられるように適切になるように、大変難しいことなんですが、修文をかけて、また皆さまにお諮りしたいと思います。
    三橋室長はご心労が多くて、せきがずっと前回ぐらいから止まらないんですが、ますます重い荷物を背負っていきそうなんですが、ここのところちょっと進めてまいりたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
    それでは、ここはたいへん重要ですので、たくさんのご意見、貴重なご意見をいただきました。時間が残念ながらきておりますので、次の資料に入ってまいりますが、ほかにもご意見あろうかと思います。またメール等で追加のコメントもいただいてまいりたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
    それでは残った部分、資料1-1、1-2、資料2-1、2-2を両方あわせてやっていくとのことですので、まず事務局のほうから説明をお願いいたします。

3.CO2貯留候補地が備えるべき地質の条件等
4.輸送基準等

  • 三橋地球環境技術室長
    それでは時間もございますので、前回からの変更箇所、委員のコメントなどを順番にご紹介したいと思います。
    資料1-1の1ページ目は、特に変更ありません。2ページ目も変更ありませんので、3ページ目の5.の実証実験実施にあたってというところで、まず、概念モデルに関連しますが、前回、概念モデルを「CO 2が広がる範囲の10倍から20倍程度の領域」と書いていたところが議場の評判が悪かったので、全面的に落としております。
    むしろ「または」以下の「構造的に背斜構造全体や流体トラップにかかる主要な地質構造を完全にカバーするものとする」という記述が適切であるというほうを採用させていただいています。
    後段、「このモデルによって」以下なんですけど、ここは少し議論が分かれたという記憶がございます。地下水流動については1,000メートル程度の深さの地下水流動の研究は現実にはないと鹿園先生からコメントをいただいている一方、やはり大きな水の流れをモデルの中で考慮することの必要性は當舎委員他からも指摘があったということで、私は字句をいじっているだけでございまして、ここに意味があるのかどうかは皆さんに評価をいただきたいんですけれども、地下水流動についてその部分に地質的に可能な知見があるのであれば、それを活用して考慮に入れるという折衷案をテキストにしてございます。
    それから(2)の詳細モデルのほうに進んでいただきますと、ここはブラケットに入っているところは完全に意見がいまのところ2つに分かれているところでございます。この詳細モデルの対象地域を貯留層から上部、すなわち地表面あるいは海底面までを含む広い領域にするか、あるいはキャップロックをちゃんと含んでいればそれでよいとするかについては、いただいた意見が完全に2つに分かれております。ここは、内容は非常にシンプルなので、どっちとするべきかはひとつ議論があるかと思いますが、あらためて限られた時間ですけれども、委員の意見がいただければなというふうに思います。
    前回を振り返りますと、上部領域全体を含むべきというのは、例えばこちらの委員ではないですけれども、當舎さん、あるいは薛先生もワーキング2のほうから、松岡先生からもどちらかというとこちらを指示するコメントをいただいているほか、ワーキンググループ2のほうでは日揮の熊谷さんも比較的こちらの領域であるのに対して、キャップロックをしっかりカバーすることが本質的な問題である点は、こちらの佐藤委員のほうからコメントをいただいているという背景がございます。
    それから次の行、注意書きで引用していますけれども、ワーキンググループ1とワーキンググループ2の両方にまたがって整理が必要だという指摘を受けている調査井の位置づけでございます。そもそも調査井の掘削は義務なのかと。その整理がちゃんと書いていないということで、連動しますのがモニタリングのペーパーでも同様の注意書きを入れておりますけれども、必ずしも調査井や掘削はマストではないけれども、もし補足するデータを活用して、それに代替する手法をとることもできますと。ただ、できれば掘ってみてはどうでしょうかという記述にしております。
    ちょっと下のほうに進んでいただきますと、前回「キャリブレーション」という言葉はちょっと言葉としてはどうかということで「モデルの更新」ということを入れております。
    それから委員からいただいている具体的なコメントとして、モデルの活用用途に長期的なCO 2の挙動予測だけではなくて、環境影響評価やCO 2の漏洩可能性にもこのモデルを活用するという言葉を加えておくべきというところが(2)の一番最後でございます。
    ページをめっくっていただいて、少し、若干マイナーな修正が幾つか入っておりますけれども、一番最後の6ページ目に進んでいただいて、表のところについて前回、全面的に表を書き換えることをご了解いただいたうえで幾つかコメントをいただいております。
    「物理検層」というのが取得方法という言葉となじまないのではないかということで少し説明を補うような表現として「岩相を把握する物理検層」、あるいは「流体飽和率を把握するため物理検層」とこういったような説明を加えております以外、取得するデータといいますか、方法として「掘り屑」の分析を行うということを言葉として加えております。
    それから「貯留層及びキャップロックの毛管圧」というところですけれども、このデータをとる目的のところはシール能力に加えて「圧入上限圧力」と書いていましたが、適切な表現は「貯留時の上限圧力である」という指摘を受けておりますので、それを書き加えております。
    そして一番最後進んでいただきますと、キャップロックの浸透率が極めて低くて、キャップロックの浸透率、孔隙率の正確な測定が必ずしも必要でないケースというのがあるということも委員の指摘からいただいておりますので、それを明記するということを修正として加えております。
    資料1-2のコメント集のほうに戻っていただきますと、盛り込んでいないコメントが具体的にありますので、それについて少し言及させていただきますと、まず1ページ目の一番下のところに佐藤委員のプレゼンテーションの説明をしているところについて、連続性を有しているというところについて「不均質でない、断層がない等」ということをカッコ書きで書くのはいらないのではないかということですが、ここは委員のプレゼンテーションをされた本人の意向を尊重するまま、現在の記述のままにしております。
    ページをめくっていただいて、モデルの関連で一番上に書いてございますのは、委員からモデルを現在、「水理地質及び地質構造モデル」という書き方をしておりますが、この名称について少しコメントをいただいておりまして、「地質・貯留層モデル」のほうがよいのではないかということです。
    これは名前でありますので、皆さんの大勢の同意が得られる名称にして、内容面での共有というか、質的なものについて意識を共有することが最も重要でありますので、一つの名前、こちらのほうがいいということが大勢であれば、それに従った修正を全体したいと思いますので、一応こちらで触れておきたいと思います。
    あとは、委員の皆さまからいただいたそれぞれのコメントが具体的に反映された形になっております。
    それでは、すみません資料2のほうに進ませていただきます。輸送基準は、お配りしている紙は前回ワーキンググループ2月に開いたときから修正していません。コメントは一つだけいただいております。
    その内容は、高圧ガス保安法の輸送に関連するものでして、委員からのコメントは、現実の高圧ガス保安法の運用に際して許認可されている実績が7Mpa以下のものであるということであって、仮にCCSのために輸送する際の圧力がこれを超える場合には、慎重あるいは事前の検討が必要であるということを書いてはどうかというコメントをいただいております。
    これは口頭ベースですけれども、経済産業省の保安院のほうと当局と話をしたレベルでは、現在ある技術的基準が7Mpaを越えた場合に問題がある可能性があるという趣旨ではなくて、現在の運用のたまたまの結果として、許認可がおりているケースが現実としてのこの数字であるということでありますので、記述の仕方によっては、いま申し上げたような疑義を提起する可能性もあって、本質的に高圧ガス保安法当局との関係では、私どもしっかり、この7Mpaが現実的な運用の実績としてあることをきっちり事実関係として理解しておくということにとどめて、テキストはいまのままとしてはどうかということで問題意識を持って入れていないんですけれども、委員の皆さまの意見、この点についても委員のコメントを入れていないという形になっていますので、委員の皆さまの意見をいただければというふうに思います。
    以上、駆け足になりましたが、資料1と2に関する説明でございました。
  • 松橋座長
    ありがとうございます。こちらのほうはすでに2回目になります。一度コメントをいただいて修正をしたあとでございますので、徐々に収束の方向に近づいているかとは思いますが、いまの修文をご覧いただいて、さらにご意見、コメント等ございましたら、よろしくお願いをいたします。いかがでございましょうか。それでは松岡委員お願いします。
  • 松岡委員
    先程の詳細モデル構築のところで、上部領域かキャップロックかの議論のところですけれども、地質の条件等の3ページの(2)のブラケットで併記されて、どちらかというご意見があるということで。私は「上部領域海底面まで」のほうの賛成派というふうにご紹介されたんですけど、意見撤回というかですね。
    つまり、詳細モデルを使ってリザーバー・シミュレーションまでを考えるという、そういうモデルであれば、海底面まで入れるというのは非常に大変であると私は思いますので。つまり、モデルというのはたぶん階層構造を持っていて、例えば漏洩という問題を考えると当然、海底面まで入れて考えなきゃいけないわけですね。その中に詳細モデルも考えなきゃいけない。ただ、具体的な圧入が始まったときのリザーバーの圧力がどう変わるかというリザーバー・シミュレーションになってくると、海底まで入れちゃうと時間的にもコスト的にもかかってしまうと思いますので。さらに言うと、詳細モデルをどう使うかという段階でもうちょっと定義、考え方を変えなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うんですよね。
    ですから、詳細モデル・イコール、そのモデルについてリザーバー・シミュレーションを行うとなると、やっぱりある程度限定されたモデルのほうがいいですし、当然そうだと思います。ただ詳細モデルといっても、漏洩の場所まで考えるようなモデルであれば、やはり海底まで入れなきゃいけないということかと思いますので。
  • 松橋座長
    いまの点に関連して、島本委員のお手が上がっております。よろしくお願いします。
  • 島本委員
    先程の環境アセスメントのところでも同じような議論が佐藤委員のほうからあったと思いますけれども、実際に海底面もしくは地表までのモデリングをするとなると、それなりのデータをすべてとらなければいけない。もしデータをとらないで作るとなると、ある程度模型はできますけれども、それで出た数字というのは社会的影響を考えると、ほとんど意味がないうえに、そのような数字もあまり出したくないのが現実です。
    おそらく地下に貯留する場合は、キャップロックと地表との間は泥岩などの不透層の層があり、それらの浸透率を実験室で図った場合ゼロとなってしまいます。絶対流れない状態。そのような層が途中にあるというモデルを作ることになると思いますけれども、その場合は何万年たったって出てこないというモデルしか作成できませんし、モデル計算の意味はありません。それが現実であり、『途中にこういう層があるから出てきません(漏れません)よ』というのが本当の我々の考え方なのですけれども、わざわざ測定値を無視してシミュレーションモデルに非常に小さい浸透率を入力し、50万年後にもれる量はこのくらいですというようなモデルはほとんど意味がないと思います。
  • 松橋座長
    そうすると、いまの箇所でございますか。それはキャップロックのほうでいいんではないかというご意見ですか。
  • 島本委員
    そうです。キャップロックまでで十分だと思います。
  • 松橋座長
    わかりました。いかがでしょうか。いまの点について、ご意見ございますか。佐藤委員、お願いいたします。
  • 佐藤徹委員
    私はこのキャップロックに書き直したほうなんですけれども、いま島本さんおっしゃったように地表に近いところのデータは細かくとっていません。ですから、分厚い泥岩があればシールするというような解釈は大体いたします。それについては(1)の概念モデルのほうで全体的に考えています。そこで地表に漏れないだろうという計算をして、あとは実際にガスを圧入する貯留層部分を細かくきってモデルを作っていく。それに調査井のデータも入ればさらにいいと。
    そういう使い分けをしますので、境界条件は(1)の方でできますから、(2)は境界条件できって、漏れない下のほう、漏れないという言い方は変ですけれども、どんな圧力でどう広がっていくかというような圧入CO 2の挙動を見る詳細モデルとしては、上の部分を切っても差し支えないと考えています。
  • 松橋座長
    わかりました。いまのご説明で、私もだいぶわかりました。概念モデルと詳細モデルの関係性というか、階層構造が大体わかりました。
    いまの委員皆さまのご意見を総合しますと、詳細モデルのほうは、いまのブラケットのほうでいうとキャップロックのほうでよいということになるかと思いますが、異論をお持ちの委員の方、先生いらっしゃいますか。それでは古宇田先生、お願いいたします。
  • 古宇田オブザーバー
    異論というよりは、松岡委員に近い立場ではあるんですが、キャップロックというのは浸透率が非常に低いことは、我々は期待しているわけですけれど、常にキャップロックの性質が完全にわかっていて、浸透率がゼロであるというわけではない。
    確かに地表の浅いところもデータが少ないといわれましたが、我々も少ないながらもデータをとっておりますので、そういうものは計算の中に入れていこうという立場でございます。
    ですから、非常によくわかっているところであれば、確かに(2)のような記述でもよろしいんですけれども、常にそれが期待できるとは限らない。なおかつ、非常によくわかっているところであっても、必ずしもキャップロックについては、シーリング性については解明されているわけではないので、これコストとの関係になりますから、結論的には松岡委員に近いんですけれども。ただ、キャップロックと貯留層のみに限定するというのはなくて、佐藤委員も言われたように、その上についてもある程度考慮するということが必要ではないかなと思っております。
  • 松橋座長
    わかりました。そうすると、いま古宇田先生がおっしゃったことは、(1)の概念モデルのほうでそれを含んで検討することは可能と考えて。
  • 古宇田オブザーバー
    いや。(1)の概念モデルでは、(2)の想定しているような細かいところまではやっていないので、(1)をエクステンションする形で(2)でもある程度上位層について検討したほうがいいのではないかと。そういう意見でございます。
  • 松橋座長
    わかりました。大変、これ難しい。松岡委員お願いします。
  • 松岡委員
    古宇田先生がおっしゃっていることは重々理解できるんですけれども、たぶん、そうしちゃうと、なんでもありの世界になっちゃうというか、どういうパラメータを与えたらいいかという話になっちゃうんで、ここにあるようにフィードバックをするというのが前提ですよね。ある意味では。ですから、実際に事業が始まってモニタリングして、どうもやっぱりキャップロックおかしいね、なんかちょっと問題があるんじゃないかといったときには、明らかにそれはフィードバックでもう一度ちゃんとやるべきだと思うんですけれども、スターティングのところでそこまで話を拡大しちゃうと、あんまり大変かなという気がする。
    それから、私は、そういう意味で一番最後に、赤で、「また、環境影響評価や圧入したCO 2漏洩可能性の検討にも役立てる」という記述は、どちらかというと概念モデルのほうに移して、全体記述してもこの詳細モデルについては佐藤委員や島本委員がおっしゃったようにリザーバーをターゲットにしたモデルであるという位置づけにしたほうが、すっきりはすると思います。
  • 松橋座長
    わかりました。いまのご意見を総合して、事務局のほうでランディングできますか。
  • 三橋地球環境技術室長
    こういうのを書くのが役所の仕事なので。各省調整よりは楽だと思っています。
  • 中尾地球環境技術室課長補佐
    古宇田オブバーザー言われたように、キャップロックの完全性というのは、確かに今までの石油とかガスの生産について言えば、生産するほうなんで抜くほうなんで、どちらかというとそこに入り込むんですね。ですから、漏れるというのはあんまり考えなくていいんですけれども、やはり今回考えることは逆のプロセスなんで、圧が増える方向であると。
    今まではキャップロックの遮断性ということについてはほとんど完全であるということで考えればよかったんですけれども、そういう逆のプロセスなんで、やはり実証というプロセスを考えますと、PA、安全性ということも考えあわせて、このところで、この実証のプロセスでやはりなるべくキャップロックのデータについて、もっと詳細にデータをとって、コアとかとって、やっていく必要があるでしょうし、そのうえの上位層についてもできる限りして努力してコアとかをとって、データを集めていく必要があるんじゃないかなと思っているところです。
    それで、概念モデルと詳細モデルについても、両極端に二つに分けるということよりも、先ほど松岡先生言われたように、やはり階層というか、幾つかの段階を踏んで検討していくものであって、概念モデルと詳細モデルの中間的な観点から、キャップロックのいろんなパラメータを入れて透水性とか、漏洩しないかどうかみたいなことを感度解析をするととか、そういった観点が必要なのかなと。
    ここに書いてある書き方は両極端に2つこう分けてあるので、そのへんをうまく階層的にやって、いろいろフィードバックとかかけるような書きぶりにすればいいのかなというふうに考えているところです。
  • 澤田委員
    たぶん「概念モデル」というから、いけないんだと思うんですよね。これは、今までの議論の話を聞いていますと、「広域モデル」と呼ぶべきものでございますね。
    私ども地震のほうでも、例えば原子力発電所の地震の影響を考えるときに周期帯で分けて考えますね。地震の周期の長いものは広域モデルが必要、それから原子力発電所の応答に一番きく短周期のものは発電所の周辺の詳細なモデルが必要なんです。ですから、これは「概念」というのは全然いい加減なというイメージがあるのでやっぱり「広域」と、「詳細」は「詳細」でいいと思うんですけど、そういうふうな分け方でとらえたほうがいいんじゃないかと思います。
  • 松橋座長
    わかりました。貴重なご意見、ありがとうございます。それと事務局側でも、いまの点を踏まえて十分に自信をもっていらっしゃる、自信をもっていらっしゃるというとちょっと語弊がありますが、ご尽力いいただけるようですので、いまのご意見を踏まえた形にちょっと直していきたいと思います。ありがとうございます。
    時間がなくなってきましたが、それでは最後になってしまうかもしれません。柳委員にコメントをいただきます。
  • 柳委員
    資料2-1の輸送基準等のところの3の諸外国における国内実施法の規定のところですが、設けてる事例はないということなんですけども、CCSの包括指令の第35条は、2006年の廃棄物の輸送規則の第1条の(3)に、地中貯留のためのCO 2の輸送というものが追加されると規定されておりますので、2006年の規則にかかる規制というものを見ておく必要があるのではないかと思っております。(発言訂正:包括指令の35条は廃棄物輸送規則を適用除外するという規定でしたので、現在のところ、輸送に係る国内規定はないという現状で、理解してよろしいと思います。)
  • 松橋座長
    わかりました。ありがとうございます。その点、ちょっと含めたいと思います。
    それでは、誠に申し訳ありません。非常に、今日は重要な論点が幾つか出ましたので、そして専門家の委員の皆さま、先生方から大変貴重なご意見たくさんいただきました。これをぜひ、今後のガイドライン作成につなげるように努力してまいりたいと思います。
    本日は時間がほぼなくなってまいりましたが、今日のご意見を反映させていただくということと、もう少しコメントを集める時間ってございましたかね。じゃ、事務局からその点について、今後の日程も含めてご説明いただきます。

5.その他

  • 三橋地球環境技術室長
    今後の進め方のイメージを委員にご紹介したいと思います。
    まず予定していた4点の資料は、一応ローリングのプロセスを2回程度、アセスについてはちょっと足りないところもまだあるのが今日あらためて実感しましたけれども、まず地質条件の紙と輸送条件のこの紙の2点につきましては、新たに書面による委員からのコメントは求めません。したがって、今日この平場でいただいたコメントを事務局のほうでペーパーに反映させる努力をしたいと思います。
    その反映のさせ方につきましては、座長と個別に議場での意見がかなりクリアに一つの方向性を与えていた委員の方と必要に応じて調整させていただくという手法をとりたいと思います。
    他方、施設設置の安全性と、こちらはほとんどコメントはあんまりないですけども、あと、今日大部分の時間を使いました環境アセスにつきましては、今日から1週間ということで25日の5時を期限に、あらためて同じ手法でコメントを求めたいと思います。このコメントは、ペーパーに入れる努力をしますが、次回こういったWGでもう一ラウンド、この紙をやるということではなくて、事務局としましては、4月にワーキンググループ1と2の合同会合をやろうと思っております。
    合同会合では全体で9つのペーパーをもっておりますので、これを一つの統合テキストにする作業を、4月の初めの皆さんの委員からのコメントを含めて入れたものを統合テキストに入れるようにして、委員の皆さまにはこの1週間で期限を切った2点の紙のコメントについては、統合テキストの中でそのコメントが反映されているかどうかをご覧いただくというような作業イメージを考えております。
    合同ワーキンググループ自身は、ゴールデンウィークの前にできれば開催したいというふうに思っていますけど、できれば事前に統合テキストを一応、皆さまには概ね全体をご覧いただいているものをガッチャンコするに近いんですけれども、それでちょっとオーバーラップとか、ほかとの重複とか、すでに議論がありました、このガイドラインといいますか、ここで取りまとめた文章の横断的な位置づけとかといったところに議論をしていだたく以外に、シングルアウトされた論点があれば、今日のキャップロックか上位層までかというところのような感じで論点を提示した議論をしていただくようなイメージを考えております。
    日程の調整自身は、ワーキンググループ1と2の双方の委員と全体の調整が必要になりますので、30日以降に、つまり4月1日以降ぐらいに委員全体とメールベースで日程の調整をさせていただきたいというふうに思います。もしご質問などありましたら、いただければと思います。
    あまりにアセスの意見がまた散らかって大変だということであれば、またこのワーキンググループをやりますので、気合を入れて臨んでいただければと思います。
    以上、説明でございます。
  • 松橋座長
    そうしますと、今後は先程、室長から話がありましたように資料3と4については改めて25日の17時までということでコメントをいただくわけですが、それをもとに大変ご苦労ですが、事務局のほうでまた作りますね。そのときに、おそらく深刻なことがあるとすれば、資料4と資料1の詳細モデルを「広域モデル」にしたらどうかというご意見をいただきました、この部分の書きぶりですね。そこの部分だと思いますが、事前に委員の皆さまにいくわけでしょうか。今度の合同WGの。
  • 三橋地球環境技術室長
    統合テキストは議場で一発勝負にするのはあまり民主的ではないので、事前に一読できるような時間をもうけることができるように日程を設定したいと思います。
  • 松橋座長
    そして、そのときに、まだもうちょっとというご意見が出る可能性はありますね。それは合同ワーキングで委員の皆さまから出していただいてかまわないということですね。
  • 三橋地球環境技術室長
    はい。
  • 松橋座長
    わかりました。そういうプロセスになっていきますが、それでよろしいでしょうか。そうしますと、これで本日の議事は全部終了でございますか。
    大変、今日は大変熱いといいますか、貴重なご意見をたくさんいただきまして、誠にありがとうございました。本日の議事はこれにて終了ということで、誠にありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年4月28日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.