経済産業省
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企業統治研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成21年1月27日(火)15時00分~17時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

神田座長、阿部委員、池尾委員、大崎委員、大杉委員、小口委員、小佐野委員、神作委員、木村委員、静委員、島崎委員、関澤委員、武井委員、田中委員、谷家委員、築舘委員、萩尾委員、藤田委員 他

議題

我が国企業のコーポレートガバナンスの向上に向けたルールの在り方、具体的には、特に上場企業に対する社外取締役の導入問題、社外役員の独立性の問題などについて、ゲストの斉藤惇株式会社東京証券取引所グループ取締役兼代表執行役社長他から投資家サイドの意見を聴取し、討議を行った。

議事概要

斉藤惇株式会社東京証券取引所グループ取締役兼代表執行役社長、企業年金連合会年金運用部コーポレート・ガバナンス担当部長木村祐基委員より、ヒアリングを行った後、討議を行った。ヒアリング及び討議の主な内容は以下のとおり。

コーポレート・ガバナンスの在り方を検討する際の基本的視点と前提

  • 実体経済の冷え込みの中、投資家のガバナンスに対する要求は強くなってくる。長期的視点に立った経営について、投資家に理解されず、企業までもが目先のリターンを追うようになれば、アメリカの二の舞となる。今こそ持続可能な会社の繁栄をもたらすためのガバナンスのスタンダードを確立するいい機会にある。
  • 経済情勢を反映して、米国型とか特定の国の類型を挙げて、それが良かった悪かったと議論する風潮があるが、あまり意味がない。日本の仕組みが必ずしも全てが良いとは限らないので、議論することはよいこと。現実問題として本当に日本のコーポレート・ガバナンスに対する疑念が呈されているならば、きちんと分かりやすく説明する必要がある。

社外役員の意義・役割について

  • 社外役員の一番の効用はアカウンタビリティが高まること。経営者の目線が社外に向かっていくと言うこと。
  • 株主総会は通常一年に一回しか開催されないので、株主には日常的なモニタリングはできない。経営のプロでもないのでモニタリング自体もなかなか難しい。あまり経営の実態もよく分からない中で、株主に評価されるというのは、経営者にとっても不本意なことではないか。株主に代わって日常的にかつ経営に通じた第三者の目で経営をモニタリングする機能を社外役員に期待。
  • 情報劣位の株主の利益を保護する仕組みが必要であり、その役割は社外が担う。

社外取締役導入のルール化について

  • 経営陣の監督、経営陣の暴走を抑止するというチェック機能であれば、社外監査役で十分である。アドバイザー機能であれば、外部にアドバイザリーボードをおけばいい。
  • 社長を解任するときに、社外取締役か社外監査役かでは決定的には違わないのではないか。違法だとか不正ということで解任する場合、監査役は差し止め請求をするなどできる。
  • 形式が問われているところもある。社外監査役は、実態として問題があれば社長の解任もできる、妥当性・経営判断についても意見を述べられるというならば、実態だけでなく、制度として人事権がある、妥当性を判断すると明記すべき。
  • モニタリング機能には効率性と健全性の二つがあるが、本日の議論のモニタリングは効率性の観点からのモニタリング。そうすると、監査役では適法性の監査しかできないというのは大きな障害。また、取締役の選解任権を持っていない点なども社外監査役では十分でないと考えられる。
  • 過半数とはいかなくても、一定の発言力が確保できる程度の人数の社外取締役を入れて経営者の近くで日常的にモニタリングする制度を作ることだけでも相当説得力が高まる。
  • 東証一部上場企業の45%はすでに社外取締役を採用。時価総額トップ30社中24社が社外取締役を入れている。外部の第三者を経営に活用する動きは日本の企業の中にもかなり広まってきている。
  • 社外取締役の導入について、全ての企業に画一的に一律のフォームを押し付けることで、実質的に各企業にとってベストなことをする上で大きな妨げになれば、それは害である。
  • 社外と社内について、どちらがどちらを支配すると言うことではなく、社外の独立な人と社内の取締役の両方のバランスを保つべき。社長に「それは違う」と言えるかどうかが一番重要だが、それは社内の人間では難しい。
  • 独立取締役の採用が一種のシグナルとなり企業価値が上がる。このこと自体は、社外取締役を導入する重要な理由になりうる。

「社外性」の要件の「独立性」への改訂について

  • 社外取締役に期待する役割は少数株主の代表、代理という観点から、親会社、関係会社、大株主、大口債権者、大口取引先、顧問弁護士、会計士など、当該企業と純投資目的以外の利害関係を持つことで、少数株主の立場と利益相反の可能性があって、かつ直接企業に強い影響力を行使できる立場にある方は、独立取締役にはふさわしくない。
  • 子会社上場において親会社からの派遣社員が社外取締役という立場でいるのは納得できない。
  • 経営者のトップの経営判断を止める、更に経営者に引導を渡すなど社外取締役の究極的な目的を達成するのは、かえってメインバンクや同じグループの別の会社のトップなど独立性がそれほど高くない人ではないか。
  • 独立性のない役員はダメということには必ずしもならない。いずれの要素を体現した役員も必要。社外者の一部は独立性も充たさなければならないと整理するのが現実的。

ルールを定める際の手段の選択について

  • 独立性を担保する方法として、抽象的に基本概念だけ示して、取締役会に具体的な選定について説明義務を課した方が効果的ではないか。

以上

 
 
最終更新日:2009年2月25日
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