経済産業省
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企業統治研究会(第4回)-議事要旨

日時:平成21年3月25日(水)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館17階 国際会議室

出席者

神田座長、阿部委員、池尾委員、岩間委員、大崎委員、大杉委員、小口委員、小佐野委員、木村委員、静委員、島崎委員、関澤委員、武井委員、田中委員、谷家委員、築舘委員、萩尾委員、柳川委員 他

議題

これまでの議論を踏まえ、6月の報告書の取りまとめに向けた審議を開始した。

議事概要

事務局より「ご議論いただきたい事項」についての説明を行った後、討議を行った。主な討議内容は以下の通り。

コーポレート・ガバナンスの在り方を検討する際の基本的視点

  • この研究会は日本全体の企業の競争力を考える場。ガバナンスの問題により、日本の企業価値が不要にディスカウントされているという投資家の声がある。そのような不要なガバナンス・ディスカウントがなされず、国際的な納得が得られるようなものとすることが、日本の競争力を維持するのに重要なのではないかと思う。
  • 社外取締役を入れなくても説明をして投資家に十分納得してもらえているという企業は社外取締役を入れず、一方、社外取締役を入れるという見える形にして、調和を図った方が良いという会社は社外取締役を入れている。各社の判断だろう。
  • 外国人投資家が誤解に基づく意見を持っていたとしても、納得してもらうためにガバナンス改革が必要ということであれば理解できるが、投資を呼び込むためにガバナンス改革が必要であるということになると疑問がある。
  • 海外機関投資家が、ガバナンスの問題はR&Dと同じくらい重要だと言っているということは事実としてあるので、それに対する回答を出していくべき。
  • 株主総会やIRなどの機会を通して、ガバナンスが実質的にしっかり働いているのだという説明責任を果たして投資家の理解を得ることが大変重要。ガバナンスは形ではなく実態で評価されるべき。一律的なルールの見直しはそぐわない。
  • 個々の企業の選択や努力目標に委ねるよりは、法制度の方が国際的な納得というのは得られやすい。その際、少数株主が搾取されないことを保証するルールを海外投資家も納得できるレベルで再設計されるべき。
  • 少なくとも立法論としては現行の少数株主保護に問題があるとは考えていない。
  • 最低限、東京証券取引所第一部というところに上場している会社はこうであるというようなミニマムリクワイアメントが必要。その上で、ある程度各企業に自由度をもたせ、画一的でない格好のフォームにしたらよい。
  • 本来は日本のコーポレート・ガバナンスはどうあるべきかという議論であり、あまり海外の投資家の評価や、海外制度との平仄に焦点が合いすぎるのは問題。ただし、欧米型とは違う日本型モデルを採用するのであれば、その日本型モデルにおいて社外者をどう扱うことが望ましいかを明確に示す必要がある。

監査役と取締役

  • 社外監査役は、会社経営の健全性はもとより、効率性の面についても有益な意見を出している。社外取締役の必要性の議論に当たっては、社外監査役とどのように異なる機能・役割を期待するのかを検討すべき。
  • 非業務執行役員に何を期待するかという議論があり、その上で、その非業務執行役員において社内者・社外者がそれぞれ何をすべきかという議論になる。
  • すべての投資家に意を尽くして説明して回るなどということはどの上場会社にもできない。一般投資家へのアカウンタビリティを果たすという意味において、形や制度で担保することが必要なのではないかと考える。
  • 社外取締役を入れると、海外投資家に対する説明責任が効率的・経済的になるという面も否めない。
  • 日本の企業には株主価値や株主共同の利益などを促進してくれるような立場の人がいないのではないか。それは社外取締役に期待されるのではないか。
  • ガバナンスが投資の判断要因かどうか投資家によっても答えは様々であり、本当に海外投資家が社外取締役の義務付けを要求しているかどうか疑問。

「独立性」の要件

  • 何か特定の利益にゆがめられずに、取締役会でなされた判断が外部者にとっても合理的で信頼に足るものだと、外から類推できるような独立性というものが求められる。そういう意味で、利益相反ができるだけない方がよい。
  • その会社から圧倒的に影響力を受けている場合、例えば子会社の役員や系列下請けの役員などは社長の暴走を止めることはできないので、これは社外と言えないと思うが、その会社に影響を与えうる人というのは逆に社外として意味がある。
  • 親会社出身の取締役など、会社の経営陣等に対して影響力を持っている方は、相当の権限、牽制力を有するが、何らかの形で自己の利益のためにそれを使うのではないかと、どうしても外から見えてしまう。効果はあるが、独立かどうかというとまた別の議論になる。
  • 上場子会社の社外監査役の一部は独立性を備えていないといけないというのが落ち着きどころでないか。現行法でいう社外という概念を廃止して、独立性に置き換えてしまうのではなく、現在のような社外概念をおおむね維持しながら、それよりもう少し厳格な独立性という概念も、法令ないし自主規制などで定めていくという整理になるかと思っている。
  • いわゆる投資家サイドから見たガバナンスの透明性の観点と会社サイドから見たガバナンスの実効性の観点、この二つのバランスをどのようにとりながら進めていくかというのが問題。独立性については、一律の要件・ルールを適用するのではなく、社外役員をそれぞれの会社の実態に合わせた格好で導入し、ガバナンス機能を最大限発揮できることを株主が納得する形で開示をして、これを株主に納得してもらうというプロセスだと思う。
  • 兼任の制限というのをこの独立性の要件に付け足しておく必要があるのではないか。また、何年続けてよいかということについてもある程度基準を設けておく必要があるのではないか。
  • 株式の持ち合いのように、三角・四角関係を通じて、取締役の相互就任構造ができあがる懸念がある。それを全部形式基準で排除するのは実際上無理だから、説明をして株主の納得を得るということかと思う。

ルールを定める際の手段の選択について

  • 取引所の規則で定める場合、日本の新興市場の企業は未熟なまま上場してしまっているという現実に注意する必要がある。少なくとも取引所ごと、あるいは取引所の運営する市場ごとに、規制・ルールにはばらつきがあってもいいと考えるべきではないか。
  • 各上場企業が現在開示していることに足りないものが何かあるのであればそこは明確に指摘して議論する必要がある。
  • 原則はかなり厳しく定め、原則を外れるのであれば説明責任を果たす必要があるとする組合せはある程度納得されるのではないか。
  • 取引所のルールが法律の代わりの役割を果たしていくためには、(1)市場関係者、特に上場会社の明確なコンセンサス、(2)国の後ろ盾があることが必要である。また、ルールの形として、投資家や株主が、簡単に判断できる材料を得た上で判断していく形にするのが望ましい。
  • どんな会社でも上場できるとなると問題であるため、取引所が上場審査の管理を行っている。もし上場会社がすべて納得するルールしか取引所では作れないということであれば、取引所として何の役割も果たせない。

以上

 
 
最終更新日:2009年6月19日
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