経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会政策小委員会(第1回)-議事録

日時:平成20年10月27日(月)9:30~11:30

場所:経済産業省別館10階1020会議室

議事概要

  • 石崎室長

    定刻になりましたので、ただいまから、総合資源エネルギー調査会総合部会第1回政策小委員会を開催させていただきます。

    本日は、御多忙のところ、多数の委員の皆様に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

    本日、傍聴者多数のため、会場が狭くなり申し訳ございません。皆様どうぞ上着をお取りいただきますようお願いいたします。

    それではまず、本小委員会の開催に当たりまして、上田資源エネルギー庁審議官より、御挨拶させていただきます。

  • 上田審議官

    審議官の上田です。本日は早朝よりお集まりいただきまして、ありがとうございます。

    第1回政策小委員会ということで、これからしばらく、供給構造の高度化について議論をお願いさせていただきたい次第です。

    なぜ今、この供給構造の高度化が必要か。私どもは今、大きな2つのことを念頭に置かなければならないと思います。1つは、京都議定書以来の環境問題です。ご案内のとおり、サミット以降少し穏やかになった気もしますが、しかし消して物事が終わったわけではありません。福田前総理もビジョンを出されました。以前私は省エネルギーを担当し、省エネ法改正などさせていただいたが、日本は省エネは強いと思います。ただ、省エネだけでは限界がある部分があり、今後は供給サイドに議論を進めていく必要があると思います。

    もうひとつは、原油価格高騰をはじめとした、一連のエネルギーのセキュリティの話です。近年、原油価格は150ドル近くまであがりました。現在は70ドルを切っており、非常に不安定な市場にありますが、このようなことに振り回されてはいけないと思います。安定で低廉なエネルギーの供給構造はどうあるべきか、ということが、我々の大きな課題です。

    総合資源エネルギー調査会でも様々な御議論させていただいているところですが、是非ここでも専門的な観点で御議論をさせていただきたいと思います。

  • 石崎室長

    ありがとうございました。それでは審議に先立ちまして、本小委員会の設立の経緯について御説明させていただきます。

    今般、資料1-2にありますとおり、経済産業大臣より「昨今のエネルギーを取り巻く各種情勢の変化を踏まえた今後の石油代替エネルギーの開発・導入政策その他のエネルギー供給構造高度化政策はいかにあるべきか。」が総合資源エネルギー調査会に諮問され、総合部会に付託されました。

    本小委員会は、本諮問について、より専門的な観点から集中的に御審議いただくことを目的として、資料1-3にありますとおり、黒田総合部会長によって設置されたものであります。

    本小委員会の委員長につきましては、黒田総合部会長の御指名により、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科石谷久教授に御就任いただいております。

    それでは、本小委員会の石谷委員長から御挨拶をいただきますとともに、以後の議事進行をお願いしたいと存じます。

  • 石谷委員長

    ただいまご指名いただきました、小委員会委員長の石谷でございます。

    今、審議官からご挨拶がありましたとおり、非常に難しい課題だと思います。しかも、極めて短い時間で議論をしなければなりませんが、なにとぞよろしくお願いいたします。

    審議に先立ちまして、ひとつだけお願いがあります。このような議題についての議論は、おおよそ総論はわかるが各論についてはいろいろな問題が出てくることになります。先般の総合部会の際にも色々御議論がありましたが、今後の制度として何が望ましいか、何が問題となるか、そしてそのためには何を解決するべきか、といった各論について踏み込んで議論させていただきたいと考えております。委員の皆様におかれましては、是非忌憚のない御議論をいただきますよう、お願いいたします。

    それでは、委員の皆様方の御紹介並びに配付資料の確認をさせていただきます。事務局からお願いいたします。

  • 石崎室長

    それでは委員の御紹介をさせていただきますが、本日はお手元の資料1-4のとおり委員名簿が配布されておりますので、紹介は省略させていただき、可能な限り皆様の貴重なお時間を議論に当てさせていただきたいと存じます。御了承をお願いいたします。

    なお、本小委員会の委員につきましては、上位機関である総合部会長より指名があった旨、御報告させていただきます。

    続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。座席表をめくりますと、配付資料一覧がございます。

    資料1-1の議事次第から、1-5の「政策小委員会の設置について」までが、今回の議事関係の資料でございます。資料2-1「政策小委員会において議論いただきたい項目」から、資料2-5「長期エネルギー需給見通しの部門別内容」までが、事務局から提出させていただいた各種の資料でございます。使用3-1から資料3-3までが、事業者ヒアリングとして今回ご提出いただいた資料でございます。最後に参考資料として、今月10日の第1回総合部会にて配布させていただいた、エネルギーの供給構造の高度化にかかる論点についてでございます。以上の資料につきまして、過不足等ございましたら、随時事務局までお知らせいただければ幸いです。

  • 石谷委員長

    ありがとうございました。それでは審議に先立ちまして本小委員会の公開について確認させていただきます。

    本小委員会においては、審議会の公開に係るこれまでの閣議決定を踏まえ、資料1-5のとおり、原則公開するということで運用することといたします。特に御異議がなければそのように進めさせていただきます。どうもありがとうございます。

    それでは、資料1-1の議事次第に従って、進めてまいりたいと存じます。

    まず、配布資料について事務局から説明をお願いいたします。

  • 石崎室長

    それでは、まず、資料2-1の「政策小委員会において議論いただきたい項目について」をご覧ください。前回お示しした論点メモを、資料の最後に参考資料として付けておりますが、そういった中でも、今回の小委員会で集中して審議をいただきたい事項を掲げております。

    まず第1に、代エネ関連施策の評価でございますが、代エネ法とそれに基づく施策をどのように評価するか。次に、一次エネルギー源ごとの特性でございますが、代エネ法の制定から30年が近くが経過したわけですが、一次エネルギー源ごとの評価も、エネルギーセキュリティや環境という観点から、変わってきている点もあると思われます。今日の状況を踏まえ、それぞれの特性をどう評価・見直すべきか。第3に、目指すべきエネルギー需給構造の方向性として記載しておりますとおり、これまでのエネルギー政策上の目標・見通し、これはエネルギー基本計画、新・国家エネルギー戦略、長期エネルギー需給見通し、低炭素社会づくり行動計画などがありますが、こういったものの位置づけを十分に踏まえ、それらに示されている需給構造の姿の実現を、エネルギーセキュリティの観点を考慮しつつ目指すことを大枠とすべきではないか。第4に、エネルギー供給構造の高度化に向けた取組の具体的内容ですが、国内におけるエネルギー供給構造の高度化の取組としては、第1に、革新的エネルギー技術や未利用エネルギーの開発、第2に、非化石エネルギーの導入拡大、第3に化石燃料の高度・有効利用、この三つの分野が考えられるが、具体的にどういった内容の取組がすでに行われており、今後予想されているか。また、国全体として目指すものと乖離する可能性はないか。こういったことが、本小委員会において御義論いただきたい内容です。

    次に、「我が国のエネルギー供給の推移について」、資料2-2にありますとおり、先般の審議会の繰り返しになりますが、我が国のエネルギー供給の推移についてみると、石油依存度は、第一次石油ショックの8割から5割まで下がり、発電シェアでは、1割まで下がっております。ただ一方で、石油、ガス、石炭を含めた化石燃料全体で見ると、依存度は依然として80%を超えており、しかもその大半を海外に依存しているという状況にあります。

    次に、資料2-3ですが、さきほどのご議論していただきたい項目の中でエネルギー源毎の特性を評価する参考資料として、エネルギー源毎の政策的な位置づけを、平成19年3月に閣議決定をされたエネルギー基本計画をもとに示しております。また、資源ナショナリズムの推移、価格動向など、安定供給、経済性などの状況についても、下の部分に記述しております。

    まず、石油については、経済性、利便性の観点からは今後とも重要でありますが、中東依存の高さ、資源ナショナリズムの動きなどを踏まえれば、安定供給の確保や徹底的な有効活用が求められております。

    次に、天然ガスは、ほぼ全量輸入だが中東依存度は少なく、環境負荷が化石燃料の中では少ない。価格変動が石油に比べて小さいとしていますが、近年では、上昇基調にあります。

    次いで、石炭は、世界各国に分散しており供給安定性が高いが、一方で、二酸化炭素など環境面での課題があると評価できると思います。

    LPガスは、中東依存度が高く価格も上昇傾向にあるが、環境負荷が小さく、また、分散供給型、支店供給型であり、国民生活に密着したエネルギーと評価されております。

    原子力は二酸化炭素の排出がない一方、開発・利用にあたっては、安全の確保を大前提に国民の理解を得ることが重要であると示されております。また、他の電源にくらべて価格変動の影響を受けにくいという特徴をもっております。

    新エネルギーは、温暖化対策に貢献し、技術開発による経済活性化の効果もありますが、一方で、出力の不安定性、電力品質の確保など、事業性確保に向けた課題があります。

    最後に、電源別の特徴として、資源エネルギー庁が作成している平成19年「電源開発の概要」より、石油、天然ガス、石炭、原子力、新エネルギーのそれぞれについて、電源別の特徴から、供給の安定性、環境性、経済性の点でのメリット、デメリットを大まかに示しております。

    石油については、燃料貯蔵が容易で供給弾力性に優れる、天然ガスについては長期契約中心で調達先が分散、石炭は安定して価格が安い、原子力は、発電過程でCO2を排出しない、新エネルギーも同様、などメリットがある一方で、それぞれのデメリットもあげられており、たとえば、石炭は二酸化炭素の排出が多い、新エネルギーは出力が不安定で経済性が劣位にあるなどとされております 次の資料、2-4は、エネルギー政策上の見通し、目標についてです。先般の総合部会の中でも、新国家エネルギー戦略などのエネルギーとしてのあるべき姿についてご議論がありましたが、さきほどのご議論していただきたい項目の中で「目指すべきエネルギー需給構造の方向性」の参考として、政策上の見通し・目標の位置づけを、2010年、20年、30年、さらには、50年という中で、整理しました。

    まず、新国家エネルギー戦略は、2030年までのエネルギー安全保障を核とした戦略を策定したもので、省エネ、石油依存度低減、原子力発電比率など、2030年の数値目標を含めて策定をしております。これと整合する形で、長期エネルギー需給見通しが策定されており、2010年、2020年、2030年の見通しが示されております。これは新国家エネルギー戦略と整合的にされております。また、特に、石油代替エネルギー供給目標は、長期エネルギー需給見通しを踏まえて閣議決定されており、現在は、2010年の目標が定められております。

    また、技術開発については、エネルギー技術戦略が2030年ころまでに実用化され、政策目標に寄与するとされる、235の技術のロードマップを示し、さらに、革新的太陽光発電など2050年を見据えたエネルギー革新技術計画が策定されております。

    次のページは、低炭素社会実現のための低炭素社会づくり行動計画ということで、環境関連の記載がされております。右側は、これについての来年度の予算要求です。この低炭素社会行動計画の中で、革新的技術開発とともに、ゼロエミッション電源を2020年を目途に50%以上へ引上げ、太陽光発電導入を10倍、40倍へ。さらに、次世代自動車の新車販売に占める比率を2台に1台に引き上げ、などが示されております。長期エネルギー需給見通しにおおよそ乗っ取った形となっております。

    最後に、資料2-5ですが、これは国の政策目標ということで、長期エネルギー需給見通しの内訳、これは既に公表されている数字をもとにしておりますが、これによって、各供給セクターの将来の方向を示しました。

    まず、電力について、左側の折れ線グラフには、発電電力量に占めるゼロエミッション電源比率、つまり、水力、原子力、新エネルギーの非化石燃料の比率ですが、青色の線が現状固定ケース、赤色がこれまでの努力を継続するケース、緑色が需要側での最大限の省エネルギーを進めたと想定した場合のケースであります。2020年で見ますと、赤色の努力継続ケースで49%となっておりあす。このほぼ上、すなわち、努力継続から最大導入の幅がありますが、ここはゼロエミッションが50%以上となります。右側は、発電電力量自体の見通しであり、これをもとに左側の比率の表をつくっております。

    なお、次の枠囲い、長期エネルギー需給見通しの前提として、原子力、火力について、原子力比率、ストックペースの発電効率の前提を置いております。

    また、一番下の枠囲い、同じく、電力に関連する長期エネルギー需給見通し上の取り組みとして、ヒートポンプなどを示しております。たとえばヒートポンプですと、2030年には家庭用が1430万台とみています。

    次に、石油についてですが、枠囲いで示している通り、2030年に、非化石燃料を700万キロリットル導入、また、運輸部門の石油依存度を80%にまで低減する、といったことを前提にすると、石油一次エネルギーの国内供給量は左のグラフのとおりであり、これを右側の一次エネルギー国内供給全体に占める石油の比率で見てみると、これはいわゆる石油依存度であるが、たとえば2020年については、LPGを含むか含まないかによって若干変わるが、40%近くあり、2030年には40%を割るところまで進んでいきます。

    天然ガスは、長期エネルギー需給見通しは、一次エネルギー国内供給の数字を示しておりますので、ここでもその推移を示しております。努力継続では若干の増加、最大導入ではマイナスとなっております。なお、下の枠囲いは、燃料電池・コジェネなどの取り組みで、よくみると、前のページと石油セクターの記載内容と同じなのですが、これは、石油、ガスの合計の数字を記載しているためであります。

    最後に参考ということで、長期エネルギー需給見通しにおける「エネルギー生産性」ということで、あまり耳慣れないかもしれませんが、おおざっぱにいえば、化石燃料の投入当たりのGDPがどのようになるかということで、どれだけ有効に化石燃料を使って経済成長が進むか、これを長期エネルギー需給見通しの各ケースで描いてみたものです。2030年に向けて、エネルギーが有効に使われ、生産性が向上し、投入当たりのGDPが大きくなっていく、最大導入ケースでは、化石燃料当たりのGDPは2倍になるという姿になっています。

    さらに、供給側と需要側に分解したのが下側の(1)と(2)です。(1)の化石燃料変換効率は、いわば供給側のほうの効率です。これはわかりやすくいうと、供給事業者が、化石燃料を投入して、どれだけ効率的に、エネルギーに変換できるかという数字です。

    また、(2)の付加価値効率は、需要側の効率です。需要側、例えば、鉄鋼メーカーが省エネルギーの努力をして同じエネルギー消費でも生産量をあげていくということで、要するに、マクロでいえば、エネルギー消費当たりのGDPがどれだけ大きくなっていくかを示しております。

    長期エネルギー需給見通しの示す将来の需給構造は、(1)(2)とも最大導入ケースでは供給側、需要側それぞれが効率向上に努力して、その総和として、エネルギー生産性が上昇していくという構造となっております。受給両面の努力というのが、エネルギー生産性を高めるためには必須になってきます。

    以上で、事務局側からの資料の説明を終わります。

  • 石谷委員長

    ありがとうございました。続きまして、事業者ヒアリングに移ります。

    資料3-1の事業者ヒアリング項目に沿った形で、資料3-2、資料3-3のとおり、ガス事業者及びLPガス事業者に資料を作成いただきました。

    それぞれからの説明をお願いしたいと存じます。ではまず、資料3-2について、高橋委員、お願いいたします。

  • 高橋委員

    日本ガス協会の高橋でございます。本日、エネルギー供給構造の高度化の検討にあたりまして、説明の機会を与えていただき感謝申し上げます。

    私ども一般都市ガス事業者は、当時の通産省からの提案を受けて1990年に策定されたIGF21計画に基づき、天然ガス化を中心とした高カロリー化を進めてきました。石油分科会でも申し上げましたが、燃焼器具の調整費用だけでも約1兆数千億円をかけ、さらにLNG基地や導管などに莫大な投資をしてきました。これは石油代替エネルギー政策と歩調をあわせて行ってきたものと認識しております。

    2010年には供給ガスがほとんど100%天然ガス化されることから、IGF21計画が成功裏に終わるということであると考えております。

    天然ガスの特性については、先ほど事務局より説明いただいておりますので、その特性の観点から天然ガスの重要性を見ていただきまして、さらに導入・利用拡大を推進すべきものと位置づけていただきたいと考えております。政府におかれましても、そのように理解していただきたいと考えております。

    本日は、「エネルギーの高度利用に向けた天然ガスの役割」につきまして、その骨格をなす技術開発・導入促進の取組み、またその期待効果を中心に、日本ガス協会エネルギー利用多角化推進委員長、東京ガス常務執行役員の村木より、ご説明させていただきます。

  • 発表者(村木)

    村木でございます。本日は天然ガスの高度利用に向けた取組みとして、これまでの取組みと今後の取組みの方向性の大きく2つに分けて説明させていただきます。

    資料の3ページの、天然ガスの位置づけについてですが、新・国家エネルギー戦略、エネルギー基本計画の中で、CO2負荷の少ない天然ガスはエネルギーセキュリティと環境保全の面で重要なエネルギーとして、その利用を拡大・推進することが謳われております。また、コージェネレーション、燃料電池など分散型電源の導入を促進し、その排熱利用やエネルギーの面的融通を通じて都市、地域レベルでの取組みを進めることも謳われております。昨今、地球温暖化対策の強化が求められる中、新エネルギーの導入促進が進められておりますが、2030年において最大導入ケースでも一次エネルギー供給の70%を化石燃料が占めると見通されており、今申し上げたエネルギー政策上の天然ガスの位置づけは変わらないものと認識しております。

    4ページ、石油依存度の低減という代エネ法の趣旨に基づいて、ガス業界は都市ガスを原料として天然ガスの導入を進め、ガスの高カロリー化を進めてきました。その結果として、都市ガス原料における石油依存度はグラフにありますとおり大幅に下がり、また販売量を大きく伸ばしていくことでも石油依存度低減に貢献してきました。とはいえ、都市ガスとして供給される天然ガスの一次エネルギーシェアは我が国では6%と、欧米先進国に比べて半分以下と低く、まだまだ利用拡大の余地は大きいと考えております。

    5ページ、CO2負荷の低い天然ガスへの燃料転換は代エネ法の中での補助制度など政策的支援も受けて着実に進めており、エネルギーの安定供給と環境負荷の低減に貢献してきました。

    6ページ、重要な課題である安定供給は、天然ガスの強みの一つであり、LNGの購入は現在環太平洋を中心に14ヶ国、主に長期契約は7ヶ国ですが、それらの国からその太宗を15~20年の長期契約で確保しております。またLNG取引がグローバル化するなか、エジプト、トリニダード・トバゴ、ナイジェリアなどからスポットや短期契約で購入するなど、その購入の柔軟性も高まってきております。さらに来年はいよいよサハリンからのLNGの供給も開始されるなど、さらなる供給先の分散化が進められ、エネルギーの安定供給に貢献していくことは間違いないことであります。

    7ページ、高度利用に向けたこれまでの取組みとして、都市ガスの製造に関しては、石炭、そして石油を原料としていた時代に比べ、天然ガス化したことにより大幅な製造効率の向上が図られております。現在では輸入したLNGを都市ガスとして供給するプロセスでのエネルギーロスはわずか1%と、極めて少ないプロセスが確立されております。

    その他、LNG基地などでのエネルギー利用高度化等も進めており、最大限の効率化が製造過程では達成されております。

    8ページ、供給段階の取組みであるが、今年4月から大手ガス事業者がバイオガス買取制度を開始し、天然ガスの環境負荷低減と新エネルギー導入への取組みを推進しております。

    9ページ、利用側の話であるが、天然ガスを原料とする都市ガス供給では製造供給段階でのエネルギー消費は石油換算で21万kLと極めて小さいところであります。それに対して消費される天然ガスは3,800万kLであり、天然ガスの高度利用の鍵は消費段階での高効率化であると考えております。こうした観点から、都市ガス事業者はメーカーと共同して高効率機器の開発とその普及を推進してまいりました。まず家庭用機器の代表例を申し上げると、潜熱回収型瞬間湯沸器・エコジョーズ、ガスエンジンコージェネレーション・エコウィル、そして重要な革新的エネルギー技術と位置づけられ、これからのエース商品として期待されている、燃料電池・エネファームが挙げられます。また全口にセンサーを装備し安全性を向上させたSiセンサーコンロは、エネルギー効率も高く電磁調理器のほぼ倍の省エネ性能を発揮しております。

    10ページ、空調分野では吸収式冷温水機、ガスエンジンヒートポンプの効率を向上させ、その導入を進め、環境負荷の低減、石油依存度の低減に貢献してきました。

    11ページ、工業用機器に関しましては、低温から高温まで幅広い分野で天然ガスの高効率機器を開発・導入し、単純な石油からの燃料転換であれば25%のCO2削減効果がありますが、高効率化をすることでそれ以上のCO2削減効果を達成してきております。

    12ページ、エネルギー基本計画のなかでも重要性が謳われているコージェネレーションについては、高効率コージェネレーションの導入を進め、2007年度末で累計431万kWのコージェネレーションが導入、稼動され、一次エネルギー換算で320万kL、CO2で1,200万トンの削減効果を発揮しており、環境面、そしてエネルギーの安定供給面で大きく貢献してきております。

    13ページ、高効率機器の普及だけでなく、こうした機器を地区や地域のエネルギーシステムのなかで最適な配置と運用を行うエネルギーの面的利用を行うことにより、機器効率を最大限発揮させ実効ある省エネやCO2削減を達成する取組みを進めてきております。この代表例が地域冷暖房ですが、ここに示したのは横浜市において3棟の建物間でエネルギーの面的融通を行い、大きな省エネを達成した例です。面的なエネルギー利用により個別空調で起きる部分負荷による効率低減を極力避け、約18%のエネルギー削減を達成しております。このエネルギー削減の半分がコージェネレーション導入による効果で残る半分がまさに面的エネルギー利用による効果です。

    続きまして、今後の取り組みの方向性について説明させていただきます。

    15ページ、LNGの需給の見通しがどうなるのかについてですが、図に示したように数多くのLNGプロジェクトが環太平洋をはじめ世界全域で計画されています。これに加えまして、中小海底ガス田のガスを洋上で液化するプロジェクトも数多く検討されており、ナイジェリアなどで具体的な計画が進んでおります。このようにパイプライン供給を含めた天然ガス全体は言うまでもなく、LNGに関しても大きな潜在供給力があるといえると思います。

    16ページ、アジア太平洋地域の需給見通しについてですが、2020年あたりで最大2億トン程度の需要が発生すると見込まれていますが、それを上回る供給潜在力があると言えます。

    17ページ、ガス事業者はLNGの長期安定調達を目指し、上流の天然ガス生産・液化、中流のLNG輸送分野での取組みを既に進めていますが、今後はこうした事業展開をさらに強化し、LNG調達力のさらなる強化を進めていく予定です。

    18ページ、また国家プロジェクトでメタンハイドレートの開発計画が進められており、ガス事業者も参画しています。2030年の商業生産を目指すという長期的な取組みで、まだまだハードルは高いものでありますが、将来の天然ガス安定供給の可能性として期待されているものであります。

    このように中長期的なLNG、天然ガス供給の確保は十分可能であり、安定供給の面でも天然ガスが重要な役割を果たしていけるものと確信しております。

    19ページ、本日申し上げたい最も重要なポイントである天然ガスの高度利用に向けた今後の取組みについて説明させていただきます。

    まず家庭用市場を中心とした機器の高効率化への取組みですが、現在高効率給湯器として既に60万台以上が普及している、潜熱回収型瞬間湯沸器・エコジョーズについて、2015年までに全出荷給湯器をエコジョーズ化し、ストック分も含めた全給湯器を2030年までにエコジョーズ化するという取組みを現在進めております。また、革新的エネルギー技術として期待され、これからの戦略商品である燃料電池について、都市ガス、LPG、石油仕様すべてを「エネファーム」として名称を統一し、この固体高分子形燃料電池については、4年間の大規模実証プロジェクトを経て、いよいよ来年2009年度から本格市場導入を行ってまいります。次世代型燃料電池として45%以上の発電効率が得られる固体酸化物形については、現在実証試験中で、数年以内の市場導入を目指して現在開発を鋭意進めております。

    20ページ、コージェネレーションのさらなる高効率化についてですが、今後導入するコージェネレーションは発電効率が火力発電所の需要端での平均発電効率、LHV41%と同等以上の効率があり、その排熱を活用することにより分散型電源として高い省エネルギー性とCO2削減が達成できるものを目指していきます。ガスエンジンコージェネレーションの高効率化が進んでおり、数百kWクラスで火力平均を超えるレベルまできており、7,000~8,000kWクラスの大型のエンジンでは、発電効率が50%に到達しております。また小型コージェネレーションとしては、燃料電池が火力発電平均以上の効率を発揮します。高温型の固体酸化物形燃料電池では、排熱タービンと組み合わせることにより、65%以上の発電効率が期待されております。こうした高効率の分散型電源と大規模集中型の電力システムを最適にバランスさせ調和させることにより、効果的な省エネ、CO2削減とエネルギーセキュリティの向上が達成できると考えております。

    21ページ、省エネ法改正のなかで、チェーン店舗など複数事業者の一括管理や中小企業の省エネ支援による省エネ推進に取組むことが謳われております。私どもは、天然ガスのネットワークを通じて設備の計画段階から運転のフォローアップまでの最適なエネルギーマネジメントを提供するプログラムを既に実施しており、これをさらに強化・進化させていくことを計画しております。

    22ページ、面的なエネルギー利用の更なる進化についてですが、これまでも推進してきているエネルギーの面的利用に関して、地域冷暖房間でのエネルギー融通など地域レベルでの取組みを推進することが、更なる省エネ、CO2削減につながるものと考えております。ここに示しているのは、東京における4つの隣接する地域冷暖房に高効率分散型電源8,000kWクラスのコージェネレーションを導入し、エネルギー融通を行う場合の効果を検証した結果である。27%の省エネと40%のCO2削減効果の可能性があることが示されております。このようにエネルギーの面的・ネットワーク的利用はエネルギーの高度利用を進める上で重要な取組みの一つであります。

    23ページ、次に新エネルギー導入への取組みについてですが、天然ガスシステムの新エネルギーとの親和性を活用して新エネルギー導入に貢献していくことに、積極的に取組みを開始しております。すなわち変動の大きな新エネルギーに制御可能な天然ガスシステムを組み合わせて、安定的な新エネルギー導入を目指すものです。ここに示していますのは、取組みを開始している太陽熱温水器と、高効率瞬間湯沸器エコジョーズとの組合わせ、そして太陽光発電と燃料電池の組み合わせであるダブル発電です。

    24ページ、バイオマスの利用に関して、バイオマスの購入制度を既にスタートさせていますが、バイオマスの有効利用としては地産地消が最も有効であると考えています。バイオマスをガス化して都市ガスと混合しガスの性状を安定化させ、そのガスで発電し、その排熱を活用する地産地消型システムが、バイオマスの有効利用に対する天然ガスの貢献として非常に重要な取組みと考えております。

    25ページ、先ほど申し上げましたとおり出力が不安定で変動の大きい新エネルギーと天然ガスシステムを調和させることにより、新エネルギーや未利用エネルギーの導入促進に貢献していくことも、天然ガスの今後の重要な役割であると認識しております。

    26ページ、今後の先進的エネルギーシステムとして実現を目指していくべきシステムは、高効率な機器やシステムを適材適所に導入し、そこに新エネルギーや未利用エネルギーを有効に組み込み、エネルギーの地域ネットワークを形成するスマートネットワークだと思います。そしてこのスマートネットワークと大規模集中システムを調和させることにより、エネルギーセキュリティの向上とCO2削減の促進が期待できます。また将来はここに水素供給ネットワークを加え、更なるCO2削減を進めていきます。これは省エネ先進国日本として更なる進化をとげるためにも重要な取組みであると考えています。

    これからの低炭素社会に向けては需要側でのベストミックスが非常に重要であり、供給側では低炭素エネルギーの選択を進めていく必要があります。こうした取組みにおいて天然ガスの果たすべき役割は一層重要になると考えております。

    27ページ、水素についてですが、将来エネルギー供給の一翼を担うと期待されている水素の利用においても天然ガスの役割は重要であると考えております。天然ガスを原料とした高効率改質で水素を製造することによりCO2発生量を最小限に抑制し、そこで出てくるCO2は燃焼排ガスと異なり窒素が入っておらず非常に高純度のCO2であり、分離が非常に容易であるため、これを回収・固定化する方式はCO2貯留量が限られているなかで、有効なカーボンフリー水素供給になりうると考えている。水素利用に向けて天然ガスと水素のネットワークを両立させていくことで、更なるCO2削減を実現することを目指していくことを考えております。こういう意味で、天然ガスは水素利用への「架け橋」的役割も担うエネルギーでもあると認識しております。

    28ページ、その結果として、ガス事業者はこうした天然ガスの高度利用に向けた取組みを通じて2030年には一次エネルギーとして石油換算1,200万kL、CO2を4,800万トン削減することを目標としております。2030年以降は水素利用を通じて更なるCO2削減を目指してまいります。

    29ページ、今申し上げた一次エネルギー換算で1,200万kL、CO2で4,800万トンの削減の内訳を示しております。この数値につき、詳細は必要であれば質問として受けますが、これは今年発表された長期需給見通しの最大導入ケースの中での2005年から2030年までの間の一次エネルギー削減量6,100万kLの約20%に相当する数字です。

    31ページ、本日申し上げた内容をまとめたものを示しております。内容については重複するために説明はいたしませんが、今後の低炭素社会構築に向けた「化石燃料の高度利用」、「新エネルギー導入への貢献」、「水素利用」といった取組みを進めていく上で、天然ガスの役割は一層重要になると考えております。今後も化石燃料が一次エネルギー供給の太宗を占めるなかで、低炭素社会を構築していくためには、化石燃料の高度利用が、新エネルギー導入と並ぶ重要なテーマであると考えます。この課題をガス業界、LPG業界、石油業界が共有化して推進していくとともに、政策支援など、その取組みが効果的に推進されるような制度設計を是非お願いしたいと思います。以上でご説明を終了いたします。ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    ありがとうございました。続きまして、資料3-3について、葉梨委員、説明をお願いいたします。

  • 葉梨委員

    日本LPガス協会の葉梨でございます。本日は発表の機会をいただきありがとうございます。資料2-1に記載された項目、更には資料3-1のヒアリング項目をふまえ、資料をとりまとめさせていただいきました。

    1ページ、LPガスについては、まず、ガス体エネルギーであるということであります。LPガスは、原油および天然ガスそれぞれの随伴ガスとして産出されておりますが、地下貯留層においては、左の図に示してありますように、メタンやエタンのいわゆる天然ガスとプロパンやブタンのLPガスがガスとして賦存しております。それが地上に産出されて、それぞれのガスの蒸気圧の差によって分離されることで、天然ガス又はLPガスとして生産されております。また、原油の中に溶け込んでいるLPガス成分は製油所のトッパーで分離され、LPガスとして生産されます。こういうことを踏まえ、LPガスは、ガス体エネルギーとして基本計画上位置づけられております。

    2ページ長期エネルギー需給見通しにおける位置づけですが、2005年現在、LPガスの一次エネルギー供給に占める割合は、わずか3%でありますが、2020年、2030年を見ていただければ分かるとおり、2030年の最大導入ケースにおいても、3%、1800万kLについて、その役割をLPガスが担っております。

    3ページ、LPガスの今後の供給安定性について述べたいと思います。2005年、世界全体のLPガス需要は2億トンありますが、輸出という形で貿易上流通しているものは2005年は、5200万トンです。スエズ以東は3000万トン、スエズ以西で2500万トンとなっております。2010年前後に、先程の日本ガス協会の御説明のように、天然ガス田からの生産が盛んになります。今後それに伴い、2500万トン、これは現在の貿易量の半分に相当する量でありますが、これが増産される予定です。将来にわたっても、LPガスの流通としての安定供給は確保されていると認識しております。

    4ページ、一方、需要の面では、中国の需要がどうなるのかという点が注目されます。2001年、2002年を見ていただきますと、輸入は500万トンから600万トンに形で増えておりますが、現時点では、輸入はむしろ減って10年前と同じ水準になっています。この下がった部分の寄与は、石油の精製からのLPガス、そしてDMEからの供給が増えて、全体として輸入が減っていることになります。これが世界のLPガス関係者の共通認識となっております。

    5ページ、エネルギーの安定供給の中で、LPガスを直接の目的として資源開発をすることはできないので、私どもは資源調達先の分散化に努めています。ひとつは、これまで中東依存度を低減させようと地域の分散化を図ってきました。しかし残念ながら2007年度中東依存度は90%であり、むしろ2000年度から増えてしまっています。そのひとつの理由は、インドネシアから2000年度に6%程度の輸入がありましたが、現在この供給が無くなっております。その中で、供給国の分散化を図っており、サウジアラビアの比率を下げる等の工夫に取り組んでおります。

    もうひとつ、技術開発の観点ですが、現在政府の支援を受けながら、過去数年間、DMEの研究開発を進めております。現在、製造メーカーが、今年8月に新潟県ではじめて8万トン規模の商業プラントを完成させたところです。また海外においては、中国で現在300万トン程度の生産をしているということで、これは自国の石炭を活用したDMEですが、将来的には、2020年には2000万トンの製造計画を持っていると聞いています。

    次に6ページ。安定供給においてもうひとつ重要な観点は、備蓄です。現在LPガスについては、備蓄制度がありまして、緊急時にも安定供給確保が図られているところであります。現在、国家備蓄の建設が進んでいまして、すでに3基地が完成し、2基地が建設中であります。民間備蓄については既に50日分が備蓄中であります。

    7ページ、LPガスと代エネ法との関係ですが、総合部会で久内委員からコメントがあったとおり、LPガスはエネルギー基本計画においてガスという位置づけになっており、またその特性もガスではありますが、現実は地球環境への貢献というものが、法律が壁となってうまく機能していないということを申し上げました。代エネ法の中で、LPガスは石油に位置づけられております。こうした観点もあり、長期エネルギー需給見通しにおいて、LPガス自動車は次世代自動車とはなっておりません。また、京都議定書目標達成計画においても、ディーゼル代替として位置づけられるにとどまっております。

    8ページ、エネルギー需給構造改革投資促進税制についてです。燃料電池については、大変重要な技術として来年度より普及の段階に入っていく訳ですが、LPガスについては、代エネではないということで、税制上も除外されており、対外的なイメージが悪くなってしまっています。また、LPガス自動車を普及させようと努めていますが、こうした観点から、地方自治体にもその重要性がなかなか認識されていない状況にあります。

    9ページ、世界におけるLPガスの位置づけですが、例えば昨年のG8ハイリゲンダムサミットにおいて、LPガスは、バイオ燃料・水素・LPG・CNC・電気・ハイブリッドと、同列の位置づけとなり、普及を促進することとなっています。アメリカのエネルギー政策法においても、同様です。

    10ページ、LPガスの高度利用についてですが、まずLPG車の環境性能について述べさせていただきます。LPG車は、環境対策における現実的な手段のひとつと考えています。最近は、ミキサータイプから、電子制御、燃料噴射の新しい次世代型の自動車が誕生しております。現在、我が国のLPG車は約30万台弱でありますが、これを普及拡大させようと取り組んでおります。CO2削減についても、この図にありますように、例えばガソリン車に比較して13%CO2を減少させるという数値がでております。また、LPG車のハイブリッド化の検証を、トヨタプリウスを用いて行っています。9%~13%の更なるCO2削減が可能となっております。

    11ページ、数値について修正をお願いします。地域別普及台数ですが小数点が一桁違っており、欧州が7.8,アジアが4.2、南米が0.8、北米が0.3、その他が0.3であります。世界的にはLPG車は1300万台が普及しており、2000年からでみると、年率9%で急拡大しております。韓国については、全車両の13%に相当する230万台が、現在普及しております。約10年前は、普及台数は日本とほぼ同じでありますが、何が違ったかというと、政府の政策であります。韓国では経済危機を契機にして、LPG車への転換を国が弱者救済対策と環境対策とを併せて取り組んだことが大きく効いております。2005年には、政府は燃料税の調整により、ガソリン、軽油、LPGの価格を、それぞれ100:85:50に調整しました。

    12ページ、様々な省エネ機器がありますが、日本ガス協会の御説明のとおり、ガス体エネルギーということで、環境に十分貢献できる熱効率を持っているものであります。

    13ページ、高効率ガス機器ということで、長期エネルギー需給見通しの中で、しっかりと位置づけがされております。2.にあるとおり、都市ガス業界とガス体エネルギー普及促進協議会、通称「コラボ」を設立し、潜熱回収型給湯器、ガスエンジン給湯器等の普及に努めております。さらに住宅設備機器業界とも連携し、ウィズガスCLUBを設立し、普及に取り組んでいるところです。LPG車についても、26万台という目標を業界として掲げており、国からも当初予算に加えて5億円の補正予算をいただき、普及拡大に取り組んでいるところです。

    14ページ、いよいよ来年度から普及段階に入ります燃料電池の導入については、大規模実証事業について2008年度3300台ですが、LPガスはその半数を占めています。

    15ページ、こうしたガス機器等の普及拡大をどう進めて行ったら良いか。我々業界をあげて取り組んでいますが、民間の活力とこうした自主的努力を国がサポートする形が適当なのではないかと考えております。

    16ページ、非化石エネルギーへのシフトについてですが、LPガスは、容器による個別供給なので、バイオガス由来のメタン、これは蒸気圧が高く設備上または燃焼上にも問題があり、LPガスに混入することは技術的にそぐわないということです。

    17ページ、非化石エネルギーの導入についてですが、LPガス業界としても、分散型としてのLPガスの特性を活かしながら、非化石エネルギーの不安定な出力をLPガスで補うことにより、非化石エネルギーの導入をし易くすることなどについて検討を始めているところです。ただし、エネルギーの特性やそれぞれの事業者の公益事業か民間企業か、個別供給かネットワーク供給か、といった特徴を慎重にふまえた上で慎重な制度設計を行うべきだと考えております。

    18ページ、LPガスの流通体制については、元売り業者18社、卸売業者1100社、小売業者24000社であり、これで1800万トンの需要を支えています。こういうLPガス業界の事情を理解した上で、制度設計をしていただきたいと考えます。

    19ページ、低炭素社会の実現に向けた政策誘導に当たって、今各エネルギー間の競争が大変厳しいという点にも十分配慮して対応いただきたいと思います。

    20ページ、以上、LPガスの特性、安定供給確保への取り組み、高度利用への取り組み等について述べてきました。ここにありますように、LPガスの、ガスとしての特性を生かして環境に貢献したいと考えておりますので、LPガスを是非ガス体エネルギーとして、法的にも位置づけて欲しいと考えております。以上です。

  • 石谷委員長

    ありがとうございました。それでは、これまでの御説明を踏まえまして、各委員より御意見等をいただきたいと思います。特に、資料2-1に示した項目に沿った形で、御議論を進めていただけますと幸いでございます。

    時間が思ったより多く残りました。第1回目ですので、多くの課題があることですし、是非皆様に御意見を述べていただきますようお願いいたします。ただ、1回の御発言は、できるだけ2分程度でお願いいたします。

    それでは御意見等のある方は、ネームプレートを立てていただくようお願いします。

  • 橘川委員

    代エネ法をどうしていくのかという会議であるので少々整理すると、一次エネルギーに関わる範疇が、まず化石燃料か、非化石燃料であるのかで分かれており、また、その化石燃料の中が石油か、非石油かと分類され、本日は、LPGをガス体燃料とすると、化石燃料の中の非石油の部分についての議論であります。

    資料2-1に「国全体として目指すものと乖離する可能性はないか」とあるが、会議に諮るためには、国全体として目標とするものはどこなのかを明確にする必要があります。化石燃料の非石油分野については、新・国家エネルギー戦略でも、少なくとも数値目標の中には明確な目標がないと思います。定性的には、天然ガス、LPGの重要性はいわれていますが、例えば、最終的に一次エネルギーの中でどれくらいのところを長期的に目指すのかは明確ではありません。むしろ業界の側というよりも政策の側の問題であり、目標が明確でないために会議に諮れないということになっているのではないかと思います。結論としては、非石油分野に対してある程度の高い位置づけを与えるような数値が必要ではないかと考えます。例えば、電力分野で「ゼロエミッション電源を2020年までに50%以上にする」とありますが、現状は化石燃料系の電源は60%であり、現状より10%削減する必要があります。しかし、どこを削減していくのか。あるいは、福田ビジョンで「60~80%に削減する」とありますが、原子力と新エネで系統電源のほとんどをまかない、火力を出力調整程度にしないと、この数字は達成できません。このような点からも天然ガスが将来的にどのように位置づけられるのか、という不安が残ります。よって、その点を明確に位置づける必要があるのではないかと思います。

  • 山地委員

    資料2-5のp4「参考」の下段について。いろいろな指標を作ることはよいが、エネルギー生産性(GDP/化石燃料一次エネルギー供給量)は、指標として適切かどうか疑問に思います。エネルギー生産性という指標の定義は、当然ありますが、一次エネルギーの原単位や最終エネルギー消費の原単位が通例です。その上で、一次エネルギーの中での化石燃料のシェアをみるべきであって、化石燃料供給量を分母に持ってくると、何を示すか分からない数字となり、人を惑わす数値になるのではないか。特に(1)化石燃料変換効率で、化石燃料一次エネルギー国内供給量を分母、最終エネルギー消費量を分子としていることについて、これをどのように解釈できるかをいろいろ考えてみたが、非常に難しい。いろいろ考えて資料を出されたとは思うが、この指標はいただけないと思います。

    ガス協会、LPガス協会の説明は理解したが、先ほど橘川委員が指摘された「非石油分野をどうするか」についてですが、特に都市ガスの場合には、天然ガス転換がほとんど進んでいることから、結局、下流すなわち利用側のところで対応していくしかないと思います。ただし、資料3-2のp23について、太陽熱あるいは太陽光発電は非常に重要なことであると思うが、どのようにインセンティブを与えるかが難しいと思います。つまり、太陽熱と給湯器を組み合わせると、明らかにガス業界は販売量が減ることになることから、新しいビジネスモデルを考えないと、今のままではインセンティブがないと思います。今回のように太陽熱導入など、非化石のエネルギーを導入する場合、どのような市場をつくるのか。ビジネスモデルと市場の考え方が課題ではないかと思います。

    また、太陽光発電と燃料電池の組み合わせについて、どこにシステム効果が出るのかが、十分に理解できておりません。太陽光を多く導入しようとすれば、逆潮流のために配電電圧が上がるため、バッテリーのように電力を吸収・貯蔵する側との組合せであれば理解できます。しかし、燃料電池のように発電する側と組み合わせた場合、どのようなシステム効果をねらっているのかが理解できません。

  • 石谷委員長

    資料2-5の指標は、確かに分かりにくいところがあるので、事務局より説明いただきたい。また、橘川委員の御質問は本質的な部分であり、従来は石油か非石油かと分けられてきたが、CO2か非CO2で分けることも重要です。しかしそれだけで済まないのがエネルギー安定供給の問題です。CO2の問題だけで議論できないとなると、折り合いをどこでつけるのかということになりますが、それは先般の総合部会でも十分に議論されていませんでした。この点について、事務局の見解を伺いたいと思います。

  • 伊藤課長

    山地委員ご指摘の資料2-5のp4についてですが、これは参考として出したものです。今夏の経済産業省の来年度に向けた新政策の中で、日本の経済構造をできるだけ資源生産性の高いものに変えていくことを目指したいと、産業構造審議会総会の議論として行っています。これはエネルギーだけではなく、日本は資源のほとんどを海外に依存しているので、いわゆる鉱物系資源を含めたものとしてで考えています。

    エネルギーの資源生産性を考える場合、日本を一つのシステムとしてみて、マクロ的に資源の投入があり、それを活用して実際にどのように経済成長していくのか、その状況をどう分析したら良いのかを考えてみると、長期需給見通しを使ってこれを一つの指標として計算すれば、資料のような形に分解できるのではないかと考えております。

    化石エネルギーの一次エネルギーとしての投入に対して、どの程度の生産性を見込むかを上のグラフで示しており、その内訳として2つに分ければ、右側のグラフにある需要サイドでの省エネルギーでどの程度貢献しているかを示し、さらに左側のグラフにある、供給サイドにおいても示すと、こうなるという分析です。

    もちろん、左側のグラフの化石燃料変換効率は、化石燃料だけの変換効率ではなく、これが高くなるということは非化石燃料のウェイトが高くなることと、化石燃料の利用が効率化するという両方のファクターがあって、このようなグラフになっています。

    もともと、最大導入ケースや努力継続ケースなどはそれぞれ前提を置いたうえでの見通しになっており、その幅の中での分解なので、二重の意味でわかりにくいと思います。もう少し議論の材料としてわかりやすくならないか考えてみたいと思います。

    資料2-4のp2では、目標・見通しがこれまでどういったものがあったかを示しています。化石燃料等の内訳など様々な目標をひとくくりで示していますが、ある程度分解できないこともありませんが、対外的に打ち出している数値を、ここには出しています。政策目標としてさらに細分化していくことや、技術的なこともさらに細かく検討していくことは引き続き必要であります。長期エネルギー需給見通し自体についても来年度に見直すことを想定しており、その作業中で今回の議論を踏まえて、どの程度細かい目標が必要なのか、あるいは大くくりの目標のままで良いのか、などを検討した上で、目標を打ち出していくことが今後の課題であると考えております。

    国の目標は今の時点のものは、こうしたものであり、各エネルギー供給サイドの取組をひと通り伺わせていただき、それらを合計したものが需給見通しとどの程度乖離があるかを考えていきたいと思います。今の時点では内訳ごとに目標がないものもありますが、これから議論していくつもりです。

  • 石谷委員長

    山地委員のご発言にもありましたが、資料2-5のp4のエネルギー生産性について、一次エネルギーのシェアとの違いが非常にわかりにくい。このあたりどのような説明力があるのか疑問が残ります。

    続きまして、ガス協会への太陽熱に関する質問について、御返答いただきますようお願いいたします。

  • 発表者(村木氏)

    太陽熱を利用すれば確かにガスの販売量は減ります。ただ、CO2削減や新エネの導入について考えると、ガスの販売量が減るからやらないのではなく、より高効率の機器を入れて積極的に推進することで、ガスの良さを理解してもらい、ガスを使い続けていただくことが重要であると考えています。特に太陽エネルギーを利用する場合、熱で回収すると非常に回収効率が高いです。利用・放熱ロスはあることは事実ですが、その意味で太陽熱を利用することにおいては、ガス体エネルギーが持つ瞬間湯沸器とうまく組み合わせることによって導入が進むものと考えており、この融合を進めていきたいと考えています。このような、新エネルギーをビジネスとしてどうするのかの検討は個社の考えによるものではないかとも思っております。

    また、太陽光発電と燃料電池のダブル発電についてですが、効率が良く、CO2削減効果のあるものを組み合わせて、CO2削減量を少しでも増やそうとする考え方からでありますが、確かに山地委員の御指摘のように電力のネットワークとの関連をどう考えるかが問題であり、先の課題として取り組んでいかなければならないと思います。ただそこにはいくつかオプションがあると考えており、小型のバッテリーが安価で搭載できるようになれば、燃料電池側でバッテリーを積んでそこで電気を吸収することもできますし、ネットワークの関連としてある程度の規模の都市開発であれば、それをネットワーク化することにより、例えばスマートネットワークの中に蓄電池を採用することで、電力ネットワークとのバランスをとりながら取組むことができますので、これによってシステム的な効果をきちんと出していく必要性があると考えております。

  • 石谷委員長

    インセンティブの話でもあり、大変大事なことであると思います。ただこれは今のテーマとは多少異なる話なので、追って議論させていただきたいと思います。続きまして御意見があればお願いいたします。

  • 廣江委員

    3点意見があります。

    1点目は、資料2-3のp.7【参考】電源別の特徴についてですが、原子力については、安定性、環境性について記載いただいているが、経済性については空欄になっています。先般開催された低炭素電力供給システム研究会においては、原子力発電のコストの部分について長期安定運転ができるならば、他の電源に比べて同等あるいはそれを遥かに上回る優位性があるとの記載があったと記憶しています。化石燃料価格が高騰している中で、原子力はバックエンドコストを含めても経済性を十分に持っていると自負しております。したがって、原子力発電は、安定供給、環境性、経済性という全ての要素を備えており、低炭素化社会の切り札になるものと自負しております。今後については、自然災害、ミス、あるいは一部は規制もありますが、設備利用率が海外と比べて非常に低くなっており、また過去に比べても低くなっている状況について、十分に反省をして、安定・安全運転について、資料にも記載されている社会的受容性の問題、共通的原因により運転が制約されるといったマイナス面を克服できるよう、努力してまいりたいと考えております。

    2点目は、資料2-5のp1にある長期エネルギー需給見通しについてです。右上に発電電力量の予想が記載されていますが、発電電力量は、努力継続ケースと最大導入ケースを比較すると、2020年では約10%、2030年では20%以上も差が開いているという状況です。最近のCO2削減等に関する議論では、最大導入ケースが前提とされているケースが多くあると認識しています。電気事業者としては、国民生活あるいは経済活動の安定的な発展のため、常に必要とされている電気を必要とされているときに必要な量を届けるという供給義務を負っていると認識しています。こういった責任を全うしていくためには、当然ながら長期にわたる開発計画については、相当現実的なものをベースにしなければならないと認識しています。翻って、最大導入ケースは、いろいろと議論のあるところですが、現時点において電力業界としては、相当強制的あるいは強制一歩手前の措置によって、ようやく実現できるものと認識しており、これを前提に2020年、2030年の電源、送電線の建設計画を立てていくとすると、将来、もしかすると供給支障、電力不足が生ずる可能性があるのではないかと大変危惧をしております。したがって、比較的現実的であると考えられる努力継続ケース等の数字を参考にしながら、基本的には私ども電気事業者の供給計画にしたがって様々な計画を進めてまいりたいと考えており、理解をいただきたいと思います。また、次回、詳しく説明したいと思いますが、電力会社としては、まず電源の低炭素化を進めることは当然でありますが、これを活用するためには、需要サイドにおいて、家庭用、産業用、業務用など、あらゆる面で電化を進めていくことが、低炭素化・省エネルギー化に繋がるものと確信しています。したがって、こうした需要についての議論をする際には、低炭素化および省エネルギー化に寄与する電化の効果というものを、是非考慮のうえ議論を賜りたいと思います。

    3点目は、日本LPガス協会の資料についてです。資料3-3のp17で、各業態をマトリックスで分類されているが、電気、都市ガスが公益企業であると分類されています。まさに電力会社は公益企業ではありますが、対極側に民間企業と記載されております。電力会社は公益企業ではありますが、民間企業ではないという訳ではありません。電力会社も資本構成から見れば100%民間資本であり、したがって常に株主あるいは資本市場に対する説明責任も負っています。細かい点ではあるが、今後の小委員会の議論のうえで重要な点だと思い、敢えて指摘させていただきました。

  • 石谷委員長

    ありがとうございました。続きまして、山浦委員から、お願いいたします。

  • 山浦委員

    ガス業界、LPG業界からの説明を聞いて、石油ばかり見ている者として目から鱗という感じでありました。このような会議を開くベースにあるのは、代エネ法等が創設されたオイルショック当時から30年、40年が経ち、非常に状況が変わったという前提があるものと認識しております。

    ひとつは、世界的にエネルギー資源の需給が逼迫しているという前提があるということです。オイルショック当時に比べると、中国、インド、ブラジルが先進国並みの生活を維持することになった場合、エネルギーが必要となり、それに向かっての資源獲得が各国のあらゆる経済成長の命綱となり、これがひとつの前提になっているのではないか。これを見通したうえで、エネルギー政策、日本のエネルギー供給安定をどうするかということが、ひとつの基本的な議論ではないかと思います。そのような意味では、本日の資料において、各エネルギーの価格をみると、石油は7倍、LPG、LNG、石炭も数倍になっているが、こうした新しい価格水準のなかで、今後どのようにしていくのかと。このような高価格エネルギー時代が、2030年でもあり得るだろうという前提の議論であることが重要であると考えます。

    オイルショック時代から研究開発・普及してきた燃料電池といった新しいエネルギーが、新しい価格水準のなかで、どの程度実現性があるのか、太陽光も相当の補助金を入れなければ、今の価格水準のなかでも、なかなか普及しない状況にあり、はたしてこうした新エネルギーが新しい価格体系、エネルギー需給の中で、従来のオイルショック以降の数十年間とくらべて、どのような展望が開けるだろうか。それは非常に大胆に長期エネルギー需給見通しの中で反映されていると思います。こうした供給サイドにおける大きな見直しを、ここで行うべきかどうかについては議論になるだろうと思います。

    そのような意味では、石油業界、ガス業界、LPG業界が、競って燃料電池を開発しようとしており、水素についても2050年を照準にして、水素製造業として最も大きな業種である石油業界も含めて、研究開発、インフラ整備等を行っています。そういう視点が、供給サイドでも見えてくるのではないかと思います。

    オイルショック当時と異なるもう1点は、地球環境対策です。クリーンなエネルギーをユーザーサイドに供給しなければなりません。ガス業界、LPG業界からも、末端で効率の良いクリーンなエネルギー供給を行う旨の説明がありました。高効率の燃焼機器は、どの業界でも競争しており、エネルギーを問わず、クリーンで環境にやさしい、CO2を削減するエネルギーの技術開発、普及促進を行うという観点で見ていく必要があると思います。そういう意味で、利用面では、化石、非化石の議論よりは、あらゆるエネルギーについて高効率な利用方法、クリーンな利用方法を継続的な支援の下で行っていくことが必要であり、先の見通しのつかないものは研究開発に相当資金を投入していくことが必要であると思います。これらによって、グローバルな観点からも、今後の日本のエネルギー政策が、世界から納得されるものになっていくのではないかと思います。

    常日頃、マーケットにおいてガス業界の皆さんとは現場で競争していますが、狙いは大体同じではないかと。それに向けて一種の政策的なインセンティブを与えていただければ、そこを分担する業界は、厳しい競争のなかで一層政策にあったものを出していけるのではないかと思います。そういう意味では、政府にはいろいろな方向付けだけはしていただき、一種の緩い規制のようなものを付けていただいたなかで、いかに各エネルギー供給主体が競争していくかという点を見逃さないようにしていただきたい。

  • 石谷委員長

    廣江委員と山浦委員には、明後日の第2回政策小委員会でプレゼンいただくことになっていますが、いかに高効率化を図るか、またそのときにどういう施策が必要なのかも含めて、プレゼンいただければと思っております。

  • 中上委員

    代エネ法は石油代替法であるので、石油代替の対策を考えることになるが、これがいつのまにか新エネに変わり、代エネ法の趣旨を見失ってしまった感があります。しかしこのことも含めて議論していかなければならないということだろうと思います。

    石油ショックのときの石油代替があり、その後エネルギー政策にいくつかのエポックがあったかと思います。80年代の半ばには、電源立地がうまく進まず電力供給が逼迫したため、ガス冷房の普及促進施策が打たれました。90年代に入り電力需給が緩和すると、経済成長や我々の生活水準の上昇も加わり、産業間の協調よりも競争という時代に入っていきました。そこに、悩ましい話として地球環境問題が入ってきました。

    このように35年間を振り返ると、非常に大きな変化があったわけだが、どこに軸足を置いてどの辺の時点で議論をするのかが大事で、これだけ変化が激しいと、あまり欲張って長期的に物事を考えてしまうと無理が生じる気がするので、時間軸の取り方については慎重に考えていただきたいと思います。

    先ほど村木氏が需要側のベストミックスの話をされました。供給側のベストミックスの話は安全保障の面からこれまでも出ていますが、需要側のことはあまり議論されてきませんでした。例えばLPガスと都市ガスは相互補完的なエネルギーであり、役割が全然違います。理由は、エネルギーコストが、LPガスの方が高いので、都市ガスのようにLPガスが使えないという状況があるためです。その意味では、LPガスは目立ちにくいためこれまであまり深く議論されてこなかったと思われます。そこにきて、エネルギー産業間の競争が起き、世帯の所得も上がってきたため、昔では考えられなかったオール電化というものがごくごく常識的になり、全国ベースで普及するようになってきました。このような状況をふまえ、相互補完的なエネルギーであっても、それぞれの位置付けをきちんと行ったうえで議論していかなければならないと思います。同じガスであっても、都市ガスとLPガスで役割が違います。

    石油にも同じことが言えます。これだけオール電化が選択される時代になっても、一般家庭の暖房の7割は依然灯油です。もちろんこれに替わるものとしてヒートポンプ技術など様々な技術があるが、こうした現状があることを前提に議論しておかないと、目の前の技術が大変進んでいるからといって、それだけにシフトしてしまうのは大きな禍根を残すことになりかねません。基本的にどの辺の時点を睨んで重点的に話をするのか。これから先、15、20、30年後先を見据えた議論は必要になるのだろうが、今回の議論はどの辺に一番の重きを置くのか、予め教えていただければ少しは議論が集約できるのではないかと思います。

  • 石谷委員長

    今回の議論におけるタイムスパンの考え方と、追加の質問になるが資料2-3のp7で、石油の経済性が△になっているのはなぜかについて、事務局より説明いただけますか。

  • 伊藤課長

    タイムスパンの考え方についてですが、資料2-4にタイムフレームが示されていますが、2010年は目前であり、2020年、30年そしてその先を見据えた方向性までを視野に入れています。資料2-1の供給構造の高度化の取組みとしてあげている、革新的エネルギー技術や未利用エネルギーの開発については、現時点では直ちに導入に至らないものの、ロングスパンの中で見通しをもって検討しなければならないものと認識しており、それがこの絵でいいますと技術革新の部分です。これにはロードマップ的なものは既にありますが、更に一層、政策的・技術的観点から見直す必要があります。そうしたものを世界最先端のエネルギー分野における技術として実現していくことがまず1つあります。加えて、ある段階では実用化してくるもの、あるいは新エネルギーのような経済性の制約はあるものの見通しが立ちつつあるものについては、2020年、30年のなかで具体的にプロットしながらエネルギー供給構造の中に入れ込んでおく必要があります。

    技術にも非化石エネルギーと化石エネルギーの高度化という技術があり、それらを長期エネルギー需給見通しの前提としておいているものの、より精緻に議論しつつ、具体化していく方策について、民間の役割を位置づけ、実行を後押しできるような制度的な枠組みを整理する必要があります。具体的な枠組みは今後議論をしていく必要があるものの、今ある需給見通し、技術戦略を前提におきつつ検討を進めていく必要があると考えます。

    資料2-3の内容については、確認、整理したうえで回答させていただきます。

  • 石谷委員長

    確かに根本のところがまだはっきりしていないようであり、タイムスパンとしては目の前も大事だが、先を見据えて今何をする必要があるのかについて考える必要があります。橘川委員ご指摘の通り、国の目標において石油だけがなぜか80%と決められ、他の化石燃料についてははっきりしていないのもいかがかという疑問が残ると思います。

  • 橘川委員

    今日の話に即して言うと、政策と実態が一番ずれていて考えてみる価値があると思われるのはLP業界です。今、流通課の管轄におかれていて、どちらかと言えば石油として扱われています。今回議論しているのはエネルギーセキュリティの○・△・×と低炭素化の○・△・×の組合せであり、LPGは石油よりは△と△の位置にあると考えられ、石油とは位置が違うと感じられます。大きく見ると、ガス体の一部として考えなければいけないのですが、ただし都市ガスが取り組んでいるように、本格的な上流へのアクセスまで考えないとエネルギーセキュリティのメリットが出てこないので、その点について考える余地があるのではないかと思います。

    資料3-3のp17は非常に重大な問題を孕んでいます。石油ショック以降、日本の業界と政策当局はいろいろ頑張ってきたと感じています。ポイントは公益事業でありながら民間でやってきたという点です。民間事業の活力を使いながら、政策課題を実行してきた点にメリットがあり、これを活かさなければならないと思う。

    ところが、資料2-5の長期エネルギー需給見通しの今一番注目されている最大導入ケースの場合、「発電電力量が2030年までに10%減、石油の国内供給量が28%減、ガスの国内供給量は17%減」という状況であり、単純に考えると企業経営として成り立つのかどうか、という話になると思います。ここに描かれているようにエネルギー生産性が上がっていく議論は一見夢のような世界に見えるが、日本が豊かではなくなり縮小均衡に陥ることで結果として達成されるイメージではないでしょうか。この点を考慮すると、プレーヤーの視点が重要で、彼らが頑張れるような仕組みをつくることが重要です。確かに国内では困難であるため、あらゆる業界が海外に出ることにならざるを得ないとは思いますが、根本的にはプレーヤーが強くなっていく視点が重要ではないかと思います。

  • 石谷委員長

    確かに橘川委員の指摘は重要とは思いますが、最大導入ケースについては、ここまで努力しないといけないとの観点から考えると、2020年や2050年に温暖化がどの程度になっているのか、あるいは温暖化に対する議論がどうなっているのか、などにもよるところがあります。あくまでもケーススタディであり、現実にできるかどうかは別途議論する必要があるのではないでしょうか。

  • 上田審議官

    役に立つ議論が多く、感謝しております。

    ベースとして、我々が究極的に何を目標にやっていくのかという点について、今後のひとつの制約はやはり環境問題です。地球環境問題には、まだ不明瞭なところがあります。しかし世界全体として、我が国として、この問題の解決に向けて踏み出しているのも事実である。福田前総理が言われたとおり、2050年に我が国として温暖化ガスを60~80%を減らしていくことは、政府として大きな所与の前提と考えざるを得ないところであります。最大導入ケースも、そのようなことをむしろ念頭に考えております。あるいは世界全体では半減するためには、発展途上国が経済成長をすることを考えると、先進国は大幅な削減が必要となります。日本も経済成長をするわけであり、60~80%の減少を2050年に本当に実現するには、石油であれLPGであれ石炭であれ、CO2が出る形での使用は極めて限定的なことにならざるを得ません。このことは是非、念頭に置いていただかなければなりません。

    勿論、先程ガス業界の委員からの指摘もありましたが、ガスであっても中長期的な話として、例えばCO2を回収していく技術、これはLPGでも同様の技術があるかもしれませんが、このような技術が開発されれば、また石炭でもCCSが技術開発されれば、化石燃料にも長期的に大きな可能性がありうると思います。長期的な目標を所与のものとして、だからこそ逆にエネルギーの供給構造を本格的に考えていかなければならない段階にあると思います。委員から御指摘があったように、時間軸は重要であり、今すぐできることと、時間をかけてやっていくものがあります。今すぐできることとなると、まずエネルギーの高度利用を徹底的に進めるということではないでしょうか。

    もうひとつ重要な議論として、エネルギーセキュリティの話がありました。橘川委員が指摘されたように、セキュリティと環境問題はマトリックスで考えるという側面もあります。セキュリティとは何かについては、まだ十分議論されていなかった部分でもあり、中東に依存しないものでもセキュリティの問題はあるのではないか、それではロシアに依存すればいいのか、といった問題があります。さらに石油であっても、例えば先進国に存在するような非在来型のオイルシェールであれば、セキュリティは高いのかもしれないし、再生可能エネルギーであっても、輸入バイオマスであればセキュリティの観点から、必ずしも高いものとはいえないかもしれない。したがって、セキュリティといっても、かなり議論は難しいことであり、これにどのように縦横のマトリックスをかけて、かつ中長期の時間軸で見ていくのかは重要な問題です。

    また、日本としての最大の目的として、競争力の維持があります。エネルギーの需給構造を変えながらも、日本の競争力を高めていく、雇用を確保していくという視点も忘れてはなりません。

    今日の議論で、そういう方向で事業者の方々が多くのことを考えていることをうかがって元気づけられる面がある一方、中長期的な物事の厳しさも、一層心に置いていただかなければならないのではないかと感じました。エネルギーへの投資は、5年では足らず20年や30年かかるものもあり、2050年といっても実はもう今から準備を始めてようやく実現できるかどうかというものであります。

  • 石谷委員長

    問題意識が揃っていなかったように感じていますが、本日、明後日の議論を少しずつ詰めていけば、問題がはっきりしてくるのではないかと思います。これらを取りまとめて事務局より論点を整理いただきたいと思います。

    次回の小委員会は明後日13時より経済産業省本館17階国際会議室にて開催させていただきます。本日のヒアリングに続き、電力、PPS、石油事業者へのヒアリングを予定しています。委員の皆様におかれましては、引き続き精力的に御審議願いたいと思います。

    それでは、これをもちまして総合資源エネルギー調査会総合部会第1回政策小委員会を閉会いたします。本日は、御多忙のところ、長時間にわたり熱心に御議論いただき、誠にありがとうございました。


以上
 
最終更新日:2008年12月19日
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