経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会政策小委員会(第2回)-議事録

日時:平成20年10月29日(水)

議事概要

  • 石谷委員長

    定刻になりましたので、総合資源エネルギー調査会総合部会第2回政策小委員会を開催させていただきます。

    本日はご多忙のところ、多数の委員の皆様にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

    まず議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。事務局からお願いいたします。

  • 石崎エネルギー政策企画室長

    それでは、資料の確認をさせていただきます。なお、席上のみでございますけれども、ご議論の参考に前回の資料を別の封筒に配付させていただいております。資料のほうでございますけれども、最初のページ、座席表で、恐縮でございますが、ガス協会の高橋委員がご出席ということで、木場委員と中上委員との間に入っておりますことから、これを追加させていただきたいと思います。それから、それを1ページめくっていただきまして、配付資料一覧がございます。資料1議事次第、資料2が委員名簿、資料2-1が事業者ヒアリング項目、資料2-2から資料2-4までが、各事業者さんからのヒアリング資料となっております。過不足等ありましたら、事務局のほうにお知らせ下さい。

    また、前回御質問がございました、「電源別の特徴」について、補足説明をさせていただきます。当資料は、資源エネルギー庁が作成しております「平成19年度電源開発の概要」からの抜粋でありまして、今回の本小委員会における検討の参考として提示させていただきました。前回、石谷委員長より、石油の経済性について御質問いただきました。これは、石油火力は他の電源と比較して燃料費の割合が高く、したがって燃料コストの値上がりが発電コストの上昇に影響されやすいという点を踏まえて、「経済性は劣位」と表記されているということです。いずれにしても、今回の小委員会での議論を踏まえまして、一次エネルギー源ごとの特性の評価を行ってまいりたいと考えているところです。

    以上、補足でございました。

  • 石谷委員長

    それでは、資料1-1の議事次第に従って進めてまいりたいと存じます。まず事業者ヒアリングを始めさせていただきます。資料2-1の事業者ヒアリング項目に沿った形で資料2-2、2-3及び2-4のとおり、順次、電力事業者、PPS事業者、及び石油事業者に資料を作成いただきました。それぞれのご説明をお願いいたします。まず資料2-2について、廣江委員からお願いいたします。

  • 廣江委員

    電気事業連合会、廣江でございます。それでは、お手元の資料2-2に基づきまして、私ども一般電気業者のこれまでの石油依存度、化石燃料への依存度の低下の取り組み、あるいはこれからの化石燃料依存度低下に向けての取り組みにつきましてご説明申し上げます。

    1ページめくっていただきまして、3ページでございます。電気事業を考える場合には、重要な要素が2つございます。1つは、瞬間的な電力、すなわちkWと、もう一つがこれを積分化した面積的な電力量、kWhでございます。3ページに記載しておりますのは、前者のkWのデータが記載されているということになります。

    折れ線グラフでございますが、これは瞬間的に、正確に申しますと、1時間平均ということになりますが、お客様がお使いになる電気の各年度の最大値、一般的には8月の上旬ないし下旬の14時から15時に発生いたしますが、これを記録したものでございます。1973年と2007年を比較いただきますと、赤い折れ線グラフのとおり、この間に2.5倍増加しているということはおわかりいただけると思います。

    一方、供給側の発電設備、これは棒グラフで記載してございますが、こちらは、今の最大電力にある程度の余裕を持ってお応えをするということで建設をしてまいります。1973年と2007年を比較いたしますと、色分けをしてございますが、原子力、石炭、LNGが主として増加しているということはおわかりいただけると思います。この部分だけごらんいただきますと、実は石油があまり減少していないということになります。

    次の4ページでございます。こちらは、今の設備をどのように稼働し、面積としての電力量をどのように発電したか、生産したかという表でございます。1973年との比較で大きく増加しておりますのは原子力、石炭、LNGであります。石油は、先ほどの3ページでは、あまり減少していなかったわけでありますが、こちらをごらんいただきますと、2007年は1973年と比較すると45%まで減少してしまっている。実は2007年は、後ほど申しますように、いろいろ事情がございまして、若干石油が増えてございますが、このグラフで最も少ない2000年と1973年との比較で申しますと、石油火力の発電電力量は3分の1まで減っていたということになります。石油は1973年当時はベース電源としてフル運転をしておりました。最近は原子力、石炭等々をベースに、よりふさわしい電源が入ってまいりましたので、現在はピーク対応で運用しております。石油は、私どもにとりましてはピーク対応には柔軟性も高く、使い勝手のよい燃料種費でございます。

    ということで、石油の設備量は一定量で推移しているが、発電電力量は減少してきたということになります。

    次の5ページでございます。こちらは、kWh、先ほどの4ページのものを電源構成比で記載したものになります。石油のところをごらんいただきますと、2007年と1973年との比較では40ポイント、構成比率が下がっております。水力も7ポイント減少してございます。これを天然ガス、LNG、原子力、石炭で代替をしたということになるわけでございます。

    なお、ブルーで記載している石炭ですが、1955年の20%から1973年には一旦4.6%まで減少しています。これは当時国内炭の生産が非常に盛んでございまして、これを主として使っていたところ、エネルギー流体革命で、1973年には石油が大幅に増えまして、一旦、石炭は減少したということです。しかしその後、安定供給、あるいはエネルギー価格の低廉化ということを目指しまして、海外炭を導入したことから、2007年には25.3%まで増加しているということでございます。

    次の6ページでございます。私ども、電源の設備形成を行っていく場合の基本的な考え方をここに記載してございます。本委員会の目的もそうでございますが、近年、環境問題、特にCO2の削減が非常に大きな課題になっております。もちろん環境問題を否定するものではございませんが、他方では安定供給、経済性といった観点も非常に重要であろうと考えております。国民経済、そしてそれを支える経済活動を安定的に発展させるためには、この3つの要素を同時達成すること、これが私ども、一般電気事業者の課題であり、使命である、このように認識をいたしております。

    次の7ページ。参考として各電源の特性について書かせていただいております。先ほど少し申しましたが、電源には、ベースの部分を担う電源、ミドルの部分を担う電源、それから、主として夏季の非常に暑い時期の昼間の1週間程度に主として活躍するピーク電源、このように役割が分かれております。したがいまして、7ページの箱の中に書いてございますように、それぞれ電源の持つ特性、これが最大限発揮できるように、今のピーク、ミドル、ベースにそれぞれ割り当てていくということをいたしまして、そのうえで先ほどの6ページの3つの要素の同時達成をするということをやってきたということでございます。詳しい7ページのご説明は省略いたします。

    次の8ページでございます。以上の取り組みの結果として、私どものパフォーマンスをCO2の排出量、排出原単位で見たものでございます。まず黒い線が1本引いてございますが、これがお客様にお使いいただいた使用電力量、私どもで申しますと、販売電力量ということになります。

    1970年と2007年で比較いたしますと、この間に使用電力量は3.5倍増加いたしております。一方でグリーンの線で示したCO2の排出量増加はこの間に約2.5倍であったということになります。その結果、CO2の排出原単位、すなわち1kWh当たりどれぐらいCO2を排出したかということをここでは赤い線で書いておりますが、1970年の0.6kg-CO2/kWhから、1998年の時点では0.353kg-CO2まで低下いたしました。

    その主たる要因は、これは当然のことでございますが、一番下のブルーの線で書いている原子力の発電電力量が増加したということでございます。ただ、この排出原単位は、1998年以降をごらんいただきますと、若干伸び悩みから低下、横ばいから上昇にやや転じてございます。これは一昨日も申し上げましたように、自然災害、あるいは私どものミスによるトラブル、あるいは高経年化してきたことによる工事期間の延長等によりまして、原子力発電所の設備利用率が低下した結果、その他の電源の利用が増加したために、直近の2007年では排出原単位が0.453kg-CO2まで逆に増加してしまったということでございます。

    次の9ページでございます。3つの要素を達成しながら低炭素化社会を実現するための今後の私どもの取り組みの方向でございます。下に2つ箱が書いてございますが、基本的には大きく供給サイドと需要サイド、この2つに分かれます。供給サイドは従来とそう大きく変わるものはございません。まずは供給側のエネルギーの低炭素化を進める。すなわち、原子力の活用、あるいは再生可能エネルギーの利用を拡大するということになります。一方の需要サイドの取り組みでございますが、こちらは、需要側におけるエネルギー利用の効率化ということでございまして、ヒートポンプ、電気自動車等、そもそも非常に効率の高い機器を活用することによりまして、低炭素化した電源を最大限活用していこうというものでございます。

    以下、しばらくの間は供給サイドの低炭素化につきましてご説明を申し上げます。まず原子力発電でございますが、現在我が国では商業軽水炉は55基が運転しております。発電電力量は2000年度で申しますと、1973年時点の約33倍でございます。先ほど申しましたように、若干、 足元では発電電力量は低迷してございまして、2007年度では73年度比で申しますと、約27倍の、レベルに増加しているということになります。

    次の11ページでございます。原子力発電の特徴を記載してございます。これは一昨日も申し上げましたとおり、安定供給、経済性、さらには環境面、すべての面にわたりまして原子力は非常にすぐれた特性を持っているということで、低炭素化社会を支える切り札の電源であると私どもは位置づけてございます。中身は、十分ご承知だと思いますので、省略をさせていただきます。

    次の12ページでございます。現在の我が国の原子力発電の運転並びに建設状況でございます。ブルーに塗ってございますのが、現在運転中のものでございまして、先ほど申しましたように、全部で55基、合計出力が4,946万kWということでございます。大体1基当たり100万kWというレベルでございます。赤と黄色で塗ってございますのが建設中並びに着工準備中ということで、これは合計で13基ございまして、出力は1,723万kW。1基当たりにしますと、既存のものに比べてかなり大きいということはおわかりいただけると思います。

    13ページでございますが、こちらのほうは、建設中あるいは建設準備中の13基の概要をお示ししたものでございます。詳細は省略いたしますが、大間発電所につきましてはこの3月に供給計画を届け出した段階ではまだ建設準備中でございましたが、本年建設中にめでたく移行しております。

    次の14ページでございます。脱石油化の一環として、積極的に開発を進めてまいりました石炭火力の状況でございます。この表の出力欄の一番右端をごらんいただきますと、現在運転しておりますのは3,747万kWということになります。先ほど申し上げましたように、1965年から1979年にかけて、国内炭の火力は減少していたが、以降は、安定供給、経済面の考慮から石油代替電源として海外炭を主として利用する石炭火力を建設した結果、このような形で出力が増えてきているということになります。

    次の15ページ、石炭の特性でございます。既に十分ご承知のことと存じますが、改めて少しご説明をさせていただきます。

    1点目は、供給の安定性でございます。円グラフが4つ並んでございますが、左側の上に石油、下に天然ガスでございまして、どちらも比較的中東地域の埋蔵量が多いということになります。一方、右側の上にウランと、下にここでの主題でございます石炭がございます。これはどちらも比較的政情の安定した地域に幅広く賦存しており、こういったことからも、相当程度の安定供給が期待できるということになります。

    それから真ん中に絵が書いてございますが、可採年限の数字が入っております。現在はこういった数字になってございまして、石炭の安定供給への期待というのは非常に高くて当然と考えます。

    なお、ウランでございますが、ここでは、軽水炉で利用する場合を前提にしておりますが、これをプルサーマルにするとか今後日本が取り組もうとしております高速増殖炉活用いたしますと、最終的には数百年まで延びる可能性を持ってございます。

    次、17ページを先にご説明いたします。石炭の第2の特徴は経済性でございます。ここでは、石油、LNG、石炭の発熱量当たりの単価を経年で比較しております。昨今は石油同様、石炭価格もかなり上昇しておりますが、ここに歴然としておりますように、やはり石炭の経済性の面での優位性は非常に高いということになるわけでございます。

    戻りまして16ページでございます。今申し上げましたように、安定供給面、あるいは経済性という面では非常にすぐれた特性を石炭は持っております。問題は、環境特性ということになります。すなわちCO2の排出量という面で見てまいりますと、LNG、あるいは石油に比べてこれは劣後するということでございます。したがいまして、今後の新たな技術開発は非常に大きな課題でございます。ただ、石炭につきましては、必ずしも大規模な技術開発をしなくても、世界全体としてのCO2の排出量を減らすという方法はあると考えております。

    と申しますのは、ここでは経年の主要国におけます石炭火力の熱効率を記載しておりますが、日本と例えば中国、インドを比較しますと、10ポイント以上の差がございます。これはもちろん導入した時点でのプラントの能力の差というものもありますが、一方では、残念ながらこういった下位の国はメンテの技術がそれほどすぐれていないということもあるようでございます。といたしますと、日本の非常にすぐれたメンテ技術をスムーズに中国、インドに移転することができるならば、世界のCO2排出量を相当減らすポテンシャルを持っている、このように認識いたしております。

    以上が石炭でございます。次が18ページでございまして、LNG火力の開発状況ということになります。1973年と2007年を比較いたしますと、出力では約23倍。kWhすなわち発電電力量では、1973年から2007年には約31倍増加しているということになります。

    次の19ページでございますが、以上ご説明いたしました石炭、LNGの数値、これは新設のもの、それから既設の石油火力から転換をしたもの、この両方を含んだ数字でございます。19ページにお示ししておりますのは、このうち後者、すなわち直接石油火力から石炭、あるいはLNGに転換をしたものの数字を書いてございます。すなわち石油から石炭に移ったものが1975年以降で通算いたしますと285万kW。LNGへ転換したものは1,459万kWに及ぶということでございます。

    20ページでございます。次は石油火力の状況でございます。まず出力は1973年から2007年までで、約5%の減少にとどまっております。一方で発電電力量はこの間に約半分になってしまったということでございます。特に、原子力の稼働が順調だった2000年あたりで申しますと、1973年の70%減のレベルにまで落ちていたということでございます。ただ、繰り返しになりますが、先ほど申しましたように、かつてのベース運転から現在はピーク運転になっておりますので、一定の設備量は引き続き保有をしていくということが必要でございます。稼働時間は大幅に減少しているということでございます。

    次に21ページの火力発電所の赤い線、これが平均値としての現在の発電端の熱効率。グリーンの線が、導入された最新鋭の発電機の熱効率ということでございます。詳細は割愛をさせていただきます。

    次に22ページでございますが、古くからございますゼロエミッション電源の水力の状況でございます。既に相当程度開発済みということもございまして、近年は、一般水力の出力の増加はほとんどございません。一方、石油とともにピーク対応の部分を担う揚水発電所はかなり増加しているということになります。発電電力量でございますが、増えておりますのは、基本的には揚水でございますので、発電電力量そのものはほとんど増加していないということでございます。なお、表でごらんいただきますと、2000年と2007年で若干数字が減少してございますが、これは傾向的というよりは、むしろ出水率の結果ということでございます。

    次の23ページでございます。再生可能エネルギーの利用状況についてご説明しております。各国の使用量の比較をしておりまして、棒グラフは発電電力量の絶対値、折れ線グラフは全体の発電電力量に占める比率ということになります。水力を含めますと、我が国は10%ということでございまして、ドイツあるいはフランスとは全く遜色のない水準にあるということでございます。

    次の24ページでございます。再生可能エネルギー普及のための電力の自主的な取り組みのご説明をいたしております。幾つか項目がございますが、1つが余剰電力の購入メニューというものでございます。これは、ドイツの固定価格買取制度にも匹敵するというものでございまして、ドイツの場合には強制されておりますが、我が国の場合には、電力会社の自主的な取り組みして1992年から実施してございます。具体的に申しますと、私どもが一般的に販売しておりますご家庭の電灯料金が大体1kW当たり20円でございますが、ほぼこれと同レベルの料金で太陽光の余剰分を買い取らせていただくという制度でございます。

    2番目がグリーン電力基金でございまして、これは例えば毎月一口500円といった金額をお客様からお預かりして、それと同額を電力会社が上乗せして、公共施設等で再生可能エネルギーが導入される場合の資金支援をするというスキームでございます。

    3つ目のグリーン電力証書でございます。これは主として自家発電から生まれた再生可能エネルギーの価値を企業等に買い取っていただくという制度でございまして、本小委員会の山地委員が座長を務めました委員会によりまして、このグリーン電力証書の活性化が今年議論がされ、一定の結論に至ったところでございます。

    次の25ページでございます。24ページでは電力会社の自主的な取り組みをご説明しましたが25、26ページは、こういった再生可能エネルギー普及のための法的な強制措置であるいわゆるRPS制度についてのご説明でございます。

    2003年に施行されたRPS法によりまして、電気事業者は、新エネルギー等から発電される電気を一定量以上利用することを義務づけられているということでございます。この義務対象となるのは私ども一般電気事業者だけではございません。本日ご出席のエネットさん等々の新規参入者も含めて、現在のところは電気事業者36社がこの対象になってございます。現時点ではこういった再生可能エネルギー、強制的な買いづけを義務づけられているのは、私ども電気事業者だけであります。

    その下には、RPS制度とドイツ等で行われております固定価格買取制度との比較をしてございますが、これは本日の議論とはあまり関連性がございませんので、ご説明を省略いたします。

    次の26ページでございますが、RPS制度によりまして、新規参入者の方も含めました電気事業者が義務づけられている新エネルギーの義務量をプロットしたものでございます。線が何本も入って複雑ですが、現在生きておりますのは、2003年の32.8から始まり、途中で真ん中の三角の線に移りまして、最終的にブルーの線に移る。最終年度、2014年には160億kWhの新エネルギーの利用等を義務づけられているということになります。

    次の27ページでございます。24ページの余剰電力購入メニュー等によりまして、私どもが買い取らせていただいている太陽光、風力から発電された電力量の推移でございます。これらを26ページのRPS義務量の履行に充当をしているということになります。

    以上、供給サイドのご説明をさせていただきました。この部分を終わるに当たりまして申し上げたい点がございます。それは、石炭についてでございます。繰り返しになりますが、石炭は環境面で制約はございますが、一方、エネルギー資源の乏しい我が国にとりましては、供給安定性、あるいは経済性において原子力と並んで欠くべからざるエネルギー源であると認識しております。環境面の技術開発は当然、進める必要がございますが、原子力、LNG、新エネルギーをうまく組み合わせて活用することが安定した国民生活、あるいは経済活動を維持する上で不可欠と考えているところでございます。

    以上が供給サイドのご説明でございます。

    次に、28ページでございますが、需要サイドの取り組みにつきましてご説明を簡単に申し上げます。ここでは、化石燃料からの代替ではなく、直接的に省CO2ということになるわけでございますが、何と申しましても、最も有効な手だてはやはり省エネルギーということでございます。生活の快適性をあまり犠牲にせずに省エネルギーを達成するということでありますが、そのためには、例えばヒートポンプ式の給湯器、あるいは電気自動車、プラグインハイブリッド車等々、高効率機器の普及拡大による電化の推進が需要側における低CO2化の重要なポイントであると認識いたしております。

    次の29ページでございます。この中の1つ、ヒートポンプでございます。自然のエネルギーである大気熱を最大限に活用して、例えば1の電気の投入で3ないし6の熱を生み出す。このヒートポンプの仕組みを少し書いたものでございますが、内容につきましては省略をさせていただきます。

    次の30、31ページでございますが、こうした高効率機器を導入した場合にどの程度CO2の削減効果があるのかということを試算したものでございます。まず30ページはヒートポンプ。ここには将来の技術進歩もある程度織り込んでございますが、これを導入した場合の効果の概算値をお示ししているということでございます。いろいろ書いてございますが、仮に現在の我が国の暖房、あるいは給湯需要をすべて賄うためにヒートポンプで対応するとした場合、一番上に電力部門がございますが、ここではCO2の排出量は増加するということでございまして、左右の引き算をしますと、矢印の先にございますように、年間で約3千万トンの排出量になります。一方で、その他のエネルギーからの発生は当然ながらゼロになるということで1.6億トン減少する。差し引きしますと、日本全体では1.3億トンの削減。ここの仮定ではこういった計算になるということでございます。

    次の31ページは、同じく電気自動車の効果を概算いたしております。ここでは、軽自動車の日本における1年間の販売台数が約200万台でございますが、これぐらいが電気自動車に置きかわった場合の効果を計算したということでございます。詳しいご説明は省略いたしますが、電力部門のCO2の排出量が75万トン増加いたしますが、一方で、その他の部門の排出量はなくなりますので、最終的には日本全体ではCO2の排出量が200万トン減少する計算になるということでございます。

    以上の30ページ、31ページはあくまでも大まかな試算でございます。一昨日申し上げましたように、電化の推進によりまして、電力需要そのものは増加いたしますが、国全体として省エネ化、あるいは化石燃料からの代替によりましてCO2の削減が図られる。こういった状況をイメージしていただくために概算したというものでございます。

    次の33ページでございます。このページでは、5月23日に私ども電気事業連合会から公表しました低炭素社会実現に向けた電気事業の取り組みの内容を記載してございます。これも詳細にわたりますのでご説明は一部省略いたしますが、2ポツの2つ目の丸をごらんください。風力発電につきましては、現在170万kW程度入ってございますが、これが500万kWまで。また太陽光発電につきましても、現在150~170万kW程度入ってございますが、局所的な集中設置の場合を除いて1,000万kW程度までについては電力系統の安定性を損なうことなく受け入れが可能でございます。また、先ほど24ページでご説明いたしました余剰電力購入につきましても、当面の間はこれを継続するということを申し上げております。

    さらに3ポツでございますが、CO2冷媒ヒートポンプ給湯器につきましては、現在150万台程度でございますが、官民一体となった取り組みのもと、2020年度まででストック量1,000万台の普及拡大を目指すということも表明したということでございます。

    次の34ページは、メガソーラーについてでございますが、これは9月19日に電気事業連合会から公表いたしました。中ほどにございますように、2020年度までに電力10社で全国約30カ所に14万kW建設をするということでございます。さらにその下にございますように、電気自動車の普及につきましても、ハイブリッド車も含んで2020年度までに約1万台を業務用車両として導入してまいります。

    最後の35ページは、電源構成の先行きの見通しでございます。これは毎年3月に届け出しております供給計画に基づくものでありますが、2007年の数字は5ページでご説明いたしました数字と同じもので2007年実績でございます。そこから先行きが2008から2017まで並んでございますが、2017年の欄をごらんいただきますと、原子力が41.5%、さらに水力が10%、ここに新エネルギーも加わりまして、全体としましてゼロエミッション電源が50%を超える、このような見通しを現在持っているということでございます。

    以上、少し長くなりましたが、私どもの説明を終えさせていただきます。あと2点、最後につけ加えさせていただきたいと思います。

    第1点目は、今後こういった問題を考えていくときに、エネルギー間の公平性というものを十分にご留意いただきたいということでございます。これまで我が国のエネルギー業界は競争による切磋琢磨を通じて産業としても発展してまいったと考えております。また、これによりまして、国民生活あるいは経済活動をお支えすることができたと考えております。今後とも一部のエネルギー源に対して特別なハンディキャップをかける、あるいは特別な負担を求める、こういったことのないように、ぜひ公正な競争が行われるような配慮をお願いしたい。これが1点目でございます。

    第2点目は、一昨日も少し申し上げまたしが、民間企業の自主性を最大限に生かしていただきたいという点でございます。

    ただいまご説明いたしましたように、私どもは、第一次石油危機以降、原子力、LNG、石炭火力の開発に努めまして、安定供給、あるいはエネルギーの低廉化に取り組んだ結果、一定の成果を上げることができたと考えております。こうしたことが可能になりましたのは、1つには、電源、特に原子力発電所を受け入れていただきました地域のご協力、あるいは国のバックアップ、さらには産業界のサポート、があったのは当然でございますが、私ども民間企業としての柔軟性、あるいは創造性といったものを最大限に発揮したこと、さらに申せば、使命感を持って頑張ってきたということであろうと考えております。

    今回、時代の要請にあわせて、代エネ法を見直すということでございますが、新たな法を考えられるに当たりましては、今申し上げましたような民間の持つ柔軟性とか創意、あるいは使命感、こういったものを決して損なうことのないような制度をぜひお考えいただきたい、このように願う次第でございます。

    以上でございます。ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして、資料2-3について、中村委員からご説明お願いいたします。

  • 中村委員

    エネットの中村でございます。本日はこのような場で説明させていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。説明に入ります前に少しお断りでございますが、述べさせていただきます。今回の事業者ヒアリングにつきましては、事前に事務局さんのほうから資料2-1のヒアリング項目をいただき、これに基づいて説明するよう依頼を受けてきたわけでございます。しかしながら、PPSにつきましては、電力の自由化施策の中で生まれた事業形態であって、代エネ法の施策に基づく事業を行ってきたというわけではなく、一次エネルギーを直接取り扱うようなことも少ないということがありますし、事業内容が電力の小売を基本としているところでありまして、ここにおられる他の業界とは違いまして、事業のすそ野、範囲が非常に狭いということでもあります。ですから、今回お示しする資料、あるいはこれからお話しする内容につきましては、今回のヒアリング項目に対応したものとは必ずしも一致しない内容となってございます。こういった前提にたって、今回は温暖化対策の観点からご説明の中心ということであらかじめご了解をいただければ幸いでございます。

    それでは、少し前置きが長くなりましたが、お手元の資料に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。まずページをめくっていただきまして、1ページ目でございます。まずここでは、私どもPPS、特定規模電気事業者の概要についての説明でございます。PPSは、ご案内のとおり、電力料金の国際的に遜色のないコスト水準にすることを目指し、平成12年の3月より電力小売の部分自由化が特別高圧のお客様から始まったことによって産声を上げました。まだ歴史が浅い事業者でございます。

    私どもPPSのシェアは、左の下の円グラフにありますように、昨年、平成19年度で一般電気事業者等を含めた電力総需要に占めるシェアは1%強でございます。その1%強の内訳につきまして、右側の円グラフに示してございます。弊社がトップシェアとなっていまして、次いで、新日鉄エンジニアリングさん、サミットエナジーさんなどとなっております。

    また、私どもPPSは、出資母体が商社やエネルギー系の会社など、多岐にわたっていて、各社がそれぞれ出資元の強みなどの特性を生かして事業を行っているということもございまして、現時点では統一的な業界団体はございません。

    次に、2ページにまいります。弊社のことで恐縮でございますが、概要について簡単にご説明させていただきます。社名は株式会社エネット。これはエネルギーとネットワークの融合から命名してございます。NTTのグループ会社である株式会社NTTファシリティーズ、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社がそれぞれ出資いたしまして、平成13年4月から事業を開始し、今に至っております。PPSではトップシェアということもございまして、弊社の武井のほうは、電気事業分科会や新エネルギー部会など、PPSの代表といたしまして意見等を述べさせていただいているところでございます。

    次に、3ページでございます。ここでは、PPSの電力小売事業スキームについてのご説明でございます。我々が調達する電力は、図にありますように、大きく分類しますと、真ん中にあります自社電源と、左側にございます自家発事業者、卸電気事業者等からの余剰電力、それに電力会社さんからの卸電力、常時バックアップの3つがございまして、これらを組み合わせて電力会社さんの送電網をお借りし、電力をお客様に販売するという事業を柱としております。

    ここで下の2つ目の矢で書かせていただいておりますのは、PPSが増えること、PPSが増えるとCO2が増えていくのではないかという指摘をよく聞くのですが、私どもが獲得するお客様は、もともと電力会社のお客様がほとんどですので、したがって、それに伴って需要家が電力の購入をPPSに切りかえれば、その分電力会社さんのほうの発電量は少なくなるということで、短期的な視点では抑制されるのではないかと思っております。つまり、PPSが新たな電源が増えることによって系統全体の環境性がどうなるかといった視点に立つことが重要でないかということでございます。

    次に、4ページにまいりまして、PPSの電源の特徴について、電力会社さんとの違いという点も含めてご説明させていただきたいと思います。電力会社さんは、原子力、水力、火力とベース、ミドル、ピークすべての電源のポートフォリオをお持ちなのに対して、PPSは、事業開始から間もないこともあって、原子力や大型水力などを持つことが困難で、設備構築が比較的短期間にできる火力発電中心の電源ポートフォリオとなっているところでございます。

    また、電源の調達については、電力会社さんは自社発電による発電及びIPP、卸電気事業者からの長期相対契約が大半なのに対して、PPSは、自家発事業者さんや卸電気事業者さんからの余剰電力やPPS向け電源、電力、あるいは電力会社さんからの卸電力、いわゆる常時バックアップと言われるものですが、これらの相対契約による他社受電の比率が高く、また、その多くが5年未満という契約期間の短い契約となっております。

    下の絵は電力会社さんとPPSの電源構成の違いについてデフォルメで示したものでございます。簡単に言いますと、PPSは排出係数の低下に大きく寄与し、非化石燃料の代表選手である原子力や大型水力などの電源をもともと持っていないこと。また、電源調達の期間が短期間なのものが多く、なかなか将来の姿を見通しにくい構造となっているということでございます。そういった中ではございますが、PPSは事業開始当初から、経済性はもとより、温暖化防止に向けた取り組みについて各社が行ってまいりました。

    次のページからは、こうしたPPSの取り組みについて大きく3点紹介させていただきたいと思います。最初に5ページは、最新鋭の高効率、環境負荷のより小さな火力の導入でございます。まず自社や子会社等から出資する発電所を含む自社関連の新規発電所につきましては、地球環境にやさしく、経済性にも優れた最新鋭・高効率の発電所を中心にして構成しております。左下は、弊社の株主の出資しております川崎天然ガス発電所の今年4月に運用を開始した1号機、10月に開始した2号機の写真でございます。PPS向けの発電所のパイオニア的存在でもありまして、ご存じの方も多いかと思いますが、クリーンエネルギーである天然ガスを利用するとともに、最高効率57.65%の省エネルギー性を達成することで、環境にやさしく、効率的なエネルギー供給が実現可能となっているところでございます。

    こういった自社関連、あるいはPPS向けの発電所に加えまして、自家発さんからの余剰電力等、他社からの供給を受ける電力についても、ミドル電源においては、環境負荷のより小さなLNG火力からの調達比率を高くすることなどによりまして、環境性に配した電源調達を実施してまいったと思っております。

    右下の円グラフを見ていただければと思いますが、ここでは、PPSの発電の中で電力会社さんの卸電力や新エネルギー、卸電力取引所からの電力調達等を除きました火力電源の発電量ベースでの燃料別構成を示しております。ごらんのとおり、PPSはここでは、後ほど触れますが、自主行動計画の参加10社のデータでありますが、火力では環境負荷の小さなLNGが半分近くなっております。参考までにその右側に、エネ庁さんの資料から、電力会社さんの同様なデータを並べておりますが、これを見ていただいても、電力会社さんと比べても遜色ないということが言えるのではないかと思います。

    これまでPPSは石炭が中心で、安かろう悪かろうといったような、平たく申せば悪者扱いされるようなことが少なくなかったのではと思うわけでございますが、PPS全体として見た場合、決してそうではないということが実績として言えるのかなと思っております。

    また、先ほど申し上げましたように、少なくとも短期の視点では、CO2が純粋に増えていくというわけではないと思っておりまして、3つ目の矢で触れておりますが、むしろ競争原理の導入で誕生いたしましたPPSの効率性や環境性のすぐれた電源というものが効率性等で劣った火力発電による発電の抑制を促すことによりまして系統全体のCO2削減に貢献しているのではないかと思っております。

    また、少し視点を変えて、電力の安定供給の観点でございますが、当然その役割の太宗は電力会社さんに担っていただいているわけでございますが、系統につながる供給力の増加という観点からは、電力の安定供給にも、微力ではありますが、貢献しているのではないかと思っているところでございます。

    続いて6ページでございます。2点目といたしまして、現在稼働中の既存の火力発電所における熱効率向上に関する取り組みでございます。といいましても、先ほど申し上げましたように、PPSはどちらかといいますと、他社様の電源調達が多いということで、他社様の設備をどうこうするというわけではありませんし、自前で建設したものやPPS向けの電源についてもそもそも最新鋭、高効率のものが多いということで、既存の発電所における熱効率向上の取り組みといたしましても、余地はあまりございませんが、ここでは公表資料といたしまして、東京都環境局様のエネルギー環境計画書、エネルギー状況報告書集計結果報告書において、PPS各社が熱効率向上に関する取り組みとして報告している事例を掲載させていただいております。

    競争上のライバルでもあり、PPS各社の個々の具体的な内容まで熟知しているわけではございませんし、時間も限られていますので、詳しくは説明いたしませんが、改めて見ていただければと思います。熱効率の向上によってCO2排出原単位がドラスティックに改善するということはなかなか期待できないものの、各社とも熱効率の向上に向けた地道な努力を行っているのではないかと認識しております。

    次に7ページにまいりまして、大きな3点目の取り組みといたしまして、私どもが現在の事業環境の下で利用可能な非化石燃料である新エネルギーの電気の利用でございます。先ほど電事連さんからもご説明ありましたが、電気事業者はRPS法に基づきまして、前年度の販売電力量に応じて新エネルギーから発電された電気の利用が義務づけられておりまして、この義務対象者には、電力会社さんだけでなく、私どもPPSもその対象となっているところでございます。

    法の施行後、これまでPPSも、主として比較的安定的に電気を受電することができますバイオマス発電設備などから電力の調達を積極的に行ってまいりまして、すべての会社が義務量を達成しているところでございます。

    その中で、少し手前みそではございますが、弊社のPRをさせていただきますと、下のグラフをご覧いただければわかりますように、弊社は電気事業者全体で見ても、北海道電力さんと並んでRPS義務量比率のトップランナーとなっておりまして、義務量で見ても一般電気事業者である沖縄電力さんよりも多くなっているというところでございます。

    ただし、今回の小委員会での検討内容を踏まえまして、3つ目に書かせていただいておりますが、先ほどバイオマスや清掃工場の電気を比較的安定的に受電できると申し上げましたが、太陽光や風力といった電源については、ご存じのとおり、使用条件等に左右され、出力が不安定ということで、30分同時同量の義務がありますPPSにとっては非常に使いづらいということがありますし、特に今後飛躍的普及が期待されている家庭用の太陽光、これは基本的には低圧になるかと思いますが、これらの余剰電力は利用できないなど、PPSの小売用電源としての利用拡大についてはなかなか難しい課題が多いと認識しているところでございます。

    続いて8ページは、これまでの取り組みを踏まえて、今後の取り組みということでございます。PPSの事業というものは、冒頭申し上げましたとおり、電力の小売というものにかなり特化している部分がありまして、例えばグリーン電力証書にかかわるビジネスなど、今後期待できるような付随的なものもいろいろあるわけでございますけれども、それも電力小売の柱というものがあってこそだと認識しているところでございます。したがって、今後の取り組みのベースラインといたしましては、電力小売の事業の中でこれまで取り組んできた内容についてPPS各社がそれぞれの事業の生い立ちや強み等を生かして、今後さらに深掘りしていくということになると認識しております。

    今後の取り組みについても、東京都地球環境局様のエネルギー環境計画書、エネルギー状況報告書集計結果報告書に書かれております内容について記述させていただいておりますけれども、PPS他社の個々の具体的な内容までは熟知しておりませんので、ここでは内容については省略させていただきます。

    次のページでございます。東京都の報告書では定性的なものが書かれているわけでございますが、ここでは、こうした取り組みについてPPSの行動計画としてコミットする必要があるだろう、そういったご指摘等を踏まえまして、昨年の7月のことでございますが、PPS10社で環境自主行動計画を作成したところでございます。冒頭申し上げましたとおり、PPSには業界団体がありませんので、業界としての参加ではないのですが、昨年度PPS全体の販売量の97%を占めております10社が参加しております。目標につきましては、PPSは新たに参入したということで、電力販売量は年々増えておりますし、また電力販売量は天候やお客様の電気の使用事情といった諸状況によって増減するなどを考慮いたしまして、自らの努力が適切に反映される原単位の低減を目標指標といたしまして、2008年から2012年度の平均排出係数原単位を2001年度の実績から3%削減するよう努めるとしているというところでございます。

    私どもPPSといたしましては、最新鋭、高効率、環境負荷のより小さな火力の導入、稼働中の火力発電所における熱効率の向上に関する措置、新エネルギーの利用等を引き続き積極的に取り組むことによりまして、目標達成に向けて最大限努力してまいる所存でございます。

    最後に10ページでございます。せっかくの機会ですので、今後の小委員会における議論に当たってぜひ留意していただければありがたい事項について2点ほど書かせていただいております。まず1点は、今回の総合部会での検討項目とされております非化石燃料の導入拡大、裏を返せば化石燃料を減らしていくという方策に対してのPPSの立場としてのコメントでございます。これまでご説明しましたとおり、私どもPPSは、原子力や大型水力の電源には直接アクセスできないということで、したがって、非化石燃料の電気の比率を高める選択肢といたしましては、新エネルギーの電気の調達を増やすなど、極めて限定的にならざるを得ないということでございます。PPSとしても、安定的に受電を得ることができますバイオマス発電などの電気を中心に今後も新エネルギーの電気を積極的に利用していく所存でありますが、今後飛躍的に普及が期待されております太陽光、あるいは風力といった電気の利用については、先ほど申し上げましたとおり、どうしても制約があって、限界があるということでございます。

    こういった点についてご理解をいただき、例えばでございますけれども、非化石燃料の電気の比率を過度に引き上げることをお求めになるような方策の検討については、十分慎重であっていただきたいということでございます。これがまず1点目のお願いでございます。

    次に2点目ですが、これは仮に化石燃料を加速度的に減らしていくというようなことになった場合、かねてから電力セクターにおける自由化、規制緩和が目指してきたものと乖離する方向になっていかないかという懸念からのコメントでございます。資料に書かせていただいておりますように、電力セクターにおいては、原子力発電を国策として着実に推進しつつ、火力発電については、電力会社、PPS双方が競争を通じて環境性や効率性にすぐれた立地・調達を進めることで効率化、環境性、供給安定性の向上が期待できると認識しておりまして、これはエネ庁さんとしてこれまで推進してこられた電力セクターにおける自由化、あるいは規制緩和の発想の原点、基軸ではなかったかと認識しております。仮に化石燃料を一律に減らしていくというようなことになってしまいますと、こうした基本軸に大きなぶれが生じることで、今後効率的な火力発電を地域に立地するというインセンティブが疎外されることが懸念されます。部分最適に陥ることなく、全体最適を志向することが重要であって、ぜひそうした視点に立った検討をお願いしたいということでございます。

    以上でございますが、冒頭に申し上げましたとおり、与えられた宿題に対する回答には必ずなっていない点はご容赦いただきたいと思います。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。それでは、最後に資料2-4について、山浦委員からご説明お願いいたします。

  • 山浦委員

    石油連盟の山浦でございます。本日このような場所でプレゼンテーションの機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。せっかくの機会でございますので、石油危機以降の我が国の石油あるいはエネルギー政策の骨幹でございました石油代替エネルギー政策の見直しについてかねてからお願いしておりましたので、その必要性について意見を申し上げたいと思っています。それがまたこの無資源国である我が国にとりまして、エネルギーセキュリティーに貢献するだけでなく、グローバルな観点からも非常にプラスになるのではなかろうかと思っています。また、そのためには、エネルギー間の競争といいますか、政府から見れば、民間の企業の競争をより刺激させる、そういう競争条件の公平化を要望させていただきたいと思っております。

    お手元の資料の1でございますけれども、これまでのエネルギー政策とその成果ということをレビューしたいと思っておりますが、今までも各説明がございましたように、1970年代の一次エネルギーに占める石油が80%ありまして、非常に我が国の経済に大きな打撃を与えたわけでございますが、それをベースに80年代に代替エネルギー法が制定されたわけでございます。その後、このグラフにありますように、特に産業・業務部門を中心に石炭、天然ガスの燃料転換ということで、赤線にありますように、大きく転換し、棒グラフにありますように、石油も、LPGを入れても、47%ぐらい、50%切った段階になってきておるわけでございます。そういう意味で、代替エネルギー政策というのは非常に大きな成果を上げたと考えております。

    しかしながら、この線グラフにありますように、一部の業務部門、あるいは民生部門、天然ガスや電化が進んでいるところもございますけれども、さらなる代替エネルギーということは困難になっているのではないかという判断をしております。また運輸部門では代替エネルギーが進展しないまま、ガソリン、軽油などの自動車燃料を安定的に供給するという供給責任がある一方で、燃料転換により産業用、業務用などが非常に減少しております。これは重油の需要が減少しているもので、重油は供給余剰が発生する。そういう石油生産、あるいは石油製品のバランスが大きく崩れているというのが実態でございます。

    そういう意味で、代替エネルギー一辺倒であった石油危機以降のエネルギー政策を見直すということが行われるということは、石油業界の連産品であるという特徴から考えますと、できるだけ石油資源を有効利用する、あるいは高度化し、全体としては石油の処理量、すなわちあるいは輸入量を削減すること、あるいはオイルサンド等の非在来型の重質系石油資源の活用という観点から、非常に時機を得たものではなかいと思っております。

    そこで、世界のエネルギー政策の流れということで、この資料に掲載させていただきましたけれども、IEAあたりにおきましては、オイルショック以降、先進国は、当時は一斉に石油代替政策をとったわけでございますけれども、その直後、石油需給の緩和を背景に、エネルギー政策のプライオリティーが既に変わってきておるというところを示してございます。エネルギーの多様化、あるいはエネルギーのクリーン利用化、利用効率、そういう観点に着目されておりますし、その例示として、右側にありますように、既に93年にはIEAでは、脱石油、あるいは石油代替という政策が既に落ちております。その代表例として、右側にありますように、石油火力発電所の位置づけも変わってきておるわけでございます。我が国では長年とられた石油火力の新設禁止、あるいは既設石油火力の石油以外への燃料シフトという方針が、このIEAベースでは早くに見当たらなくなっていたということでございます。現に柏崎の地震による原子力発電のバッファーとして、先ほどもありましたように、大量に重油が消費されました。これは、逆に言いますと、一方的に石油火力を放棄いたしますと、石油の船舶、港湾等のインフラが今後とも維持されなくなるという意味で、今後は、バッファーではなく、一定割合、きちんと役割を果たせる量を確保する、そういう見直しが必要ではないか、こういうふうに思っているわけでございます。

    次に3ページでございますけれども、現在のエネルギー政策の基本法と実際行われています代替エネルギー法、あるいは新エネ法の関係を整理させていただきました。エネルギー政策基本法は2002年に制定されたわけでございますけれども、その基本原則は、3E、安定供給、環境、市場原理の同時達成を目指すということであったわけでございます。

    そういう意味では、エネルギー種別に関しましては、安定供給の確保に対してエネルギーの多様化を図る、あるいは輸入依存度を低減するという目的はありましたけれども、既に脱石油という点はここではなかったわけでございます。そういう意味で、新しい政策としては、資源開発、あるいは備蓄、そういう点が大きく挙げられると同時に、エネルギー利用の効率化というところが視点に挙げられてきたわけでございます。

    ただ、残念ながら、この中間に書いてありますような現在の実施法というのは、代替エネ法と新エネ法でございますけれども、石油以外の燃料・エネルギー、あるいは石油を起源としないエネルギーの開発・普及を促進するという前提で政策が立てられておりまして、そういう意味では、基本法と実施法との間の大きなギャップがございます。石油サイドから見ますと、入り口段階で石油が排除された体系になっておる。本来ですと2002年に基本法が制定された時点で実施法のほうも見直すべきであったとは考えておりますけれども、昨今の世界的なエネルギーの需給の緊迫、あるいは高エネルギー時代、そういうことを背景に考えますと、今回の政策の見直しは非常にパラダイムに合った、時機を得たものであると考えております。

    次の資料番号4でございますけれども、これは一昨日の小委員会でも示されておりますように、2030年におきましても、石油は我が国の一次エネルギーの供給の40%という主要なエネルギーであるわけでございます。そういう認識につきましては、実は経産省におきます石油分科会、あるいは自民党の総合エネルギー戦略中間報告、日本経団連等におかれましても、その認識と展望は一致しているわけでございます。そういう意味でも、従来のエネルギー政策を見直して、新しい観点から石油を基幹エネルギーとして位置づけて、諸外国の石油資源との獲得競争に向けた取り組み、あるいは我が国でも、石油開発、備蓄などのセキュリティー対策を進めると同時に、石油についてのクリーンかつ効率的な利用について積極的に取り組むべきではなかろうかと考えております。

    そういう意味で、5ページにありますようなエネルギーの高度化利用促進法というような、私どもが勝手に名前をつけたわけでございますけれども、こういうことを内部で検討し、あるいはシンクタンクといろいろと考えたわけでございます。

    ここでは、既存のエネルギー関連法案、中ほどに省エネ法、省エネリサイクル法、代替エネルギー法、新エネルギー法等々があるわけでございますが、それらの目的や対象分野の検討をしたものでございます。大きな課題としては、エネルギーセキュリティーの強化、あるいは温暖化対策と、右側の課題が書いてございますが、その解決の方法として、青印のエネルギーの需要の削減を行うこと、あるいは未利用利用、あるいは低利用のエネルギーの拡大を図ること、エネルギー源の多様化を図ること、こういう観点があろうかと思いますし、温暖化対策としては、GHGを発生しないエネルギーの利用を拡大する方法、あるいは排出エネルギーについての効率を向上させる法等々が考えられるわけでございます。上半分の点につきまして、例えば省エネ法につきましては、工場の連続的な日常的な技術利用改善というものが省エネ法で決められておりますが、利用者サイドでの飛躍的なイノベーションを含んだ開発・普及の促進というものは不十分ではなかろうかと思っております。

    また、安定調達が可能な未利用あるいは低利用資源のエネルギーとして有効活用するというための技術開発のものも、必ずしも法律的な手当てもされておりません。石油でいいますと、アスファルトのようなものについて、あるいはGTLのようなものについて、あるいは非従来型の石油についての十分な活用というものがここではあまり認められていない。そういう意味では、エネルギー源の分散の促進という点についても、代エネ法については不十分ではないかということでございます。

    また、温暖化対策につきましては、一番決め手は、再生可能エネルギーの利用拡大でございますが、従来自主的な自主エネルギーという観点からいいますと、地熱、風力、あるいはバイオ、太陽についての対応は可能ではありますけれども、逆に、その下に書いてございますような利用技術については、十分な技術、あるいは設備の開発・普及について、されていなかった。そういう意味で、私どもの今考えておりますのは、右側にございますように、省エネ法は従来の日常的なものではございますので、イノベーションを含んだ技術的な開発、利用者サイドでの開発、あるいは真ん中にございますような未利用、低利用のエネルギーのイノベーション的な技術開発、さらには、一番下にある利用サイドにおける、設備の開発、それの普及、そういうものについて、まとめて、新しい時代に沿ったエネルギー高度化利用、あるいはエネルギーをつくるという意味での技術、これについて十分に手当てをして、資源と資金を投入していくべきではなかろうかと考えています。

    一つそのための環境整備ということでは、従来新エネルギー法につきましてはいろいろ議論はされているようでございますけれども、自給率の向上という観点を踏まえた安定供給の確保という意味で、これに相当集中をする必要があるのではなかろうかと。そういう意味で、地熱、中小水力、あるいは太陽光等々につきまして、電力及び熱分野におきまして定義をし直し、相当強力に進めていくべきではなかろうか、こういうふうに思っております。それ以外のサイドについては、新しい法律の高度化利用とか、あるいは新しいエネルギーをつくるという技術に焦点を絞った体系にすべきではないか。そういう意味で、実は化石燃料につきましては、政策的に落ちこぼれたということもございまして、いろんな面で不都合な点がございます。エネルギー全体のベストミックスを実現するため、エネルギー間の競争条件の公平性を図って、ある意味では、非常に民間同士を厳しくする、厳しい競争にさらせるというのも1つの意味でございますし、また、支援対策もその公平性を図っていただきたいということでございます。その一例として、現行の石油石炭税について、カロリー当たりの税負担をここに参考にのせておりますが、石油に過度の税負担なっているというところをご認識いただければと思っております。

    石油業界の取り組みにつきましてご説明させていただきます。石油業界につきましては、従来から石油製品の品質向上によるサルファーフリーということで、より燃費の高い自動車が生産できるようにということで対応してきましたが、さらに1つ、バイオ燃料を導入するということがございます。政府からの要請に基づきまして、2010年度を目標に原油換算の21万KLのバイオエタノールを導入するということでございました。このため、2007年からガソリンスタンドで一般のレギュラーと全く同じスタイルで販売することを2007年の4月からスタートいたしまして、社会的な公約の位置づけを行ってきたところでございます。

    2008年度はさらにそれを拡大いたしまして、2009年は10年の本格的導入の1年前ということで、4分の1程度を導入し、そして2010年におきましては、主要都市で本格的に導入するということでございます。

    このため、青い、下のほうに書いてございますが、石油業界におきましては、バイオマス燃料、エタノールでございますけれども、これの安定的かつ低廉な調達を統一的に行おうということで、事業組合を設立いたしまして、ブラジルなどのバイオエタノール生産国と交渉に当たって、長期輸入契約を進めておるわけでございます。さらに、当面は輸入が中心でございますけれども、今後、バイオエタノールの国内生産、それに基づくETBEの国内生産というのもスケジュール的には乗ってきておるわけでございます。

    これに付言いたしますと、本年3月に政府目標でございます原油換算50万KLの拡大要請も受けたわけでございますが、この拡大に当たりましては、ご存じのとおり、バイオ燃料については、食料と競合するということも言われておりますし、あるいは、森林破壊などの問題があるというような点も指摘されております。持続可能な開発利用が果たして可能かどうかという点をしっかりと見定めて、きちっとこの拡大を図る必要がある。また中長期的には、食料と競合しないセルロース等の利用が必要ですが、このための技術開発というものが非常に重要であるわけでございます。

    また、石油業界の取り組みの2つ目といたしまして、エネルギーの供給の高度化ということも考えております。先ほどの法律的な手当てと沿いましてお話し申し上げますと、2030年、依然として約4割を占めるエネルギーでございますので、そのための有効活用、高度化利用ということは、地球温暖化対策、あるいは有限資源のノーブルユースと言っておりますが、こういう点からも非常に有効でございます。

    若干それらについてご説明を申し上げますと、次の9でございますけれども、石油の高度化利用技術の例といたしまして、石炭でも行われていますけれども、石油残渣のIGCCがあるわけでございます。アスファルト留分をガス化いたしまして、高効率かつクリーンな発電をする。考え方は全く石炭と同じでございまして、この結果、従来の火力発電の熱効率が39から46%に高められる。同時にCO2の排出量の低減にもなるということで、世界的には米国、シンガポール、イタリア、日本等でも行われておりますし、日本でも根岸でも行われている例があるわけですが、設備費、あるいは負荷調整の困難という点の問題点があるわけでございます。いずれにいたしましても、そういう意味では、石炭、石油のエネルギーの生まれにかかわらず、こういう利用が非常に重要であるということでございます。

    また、2につきましては、High SeverityFCCと称しておりますけれども、重油から高オクタンのガソリン、あるいは石油原料となるプロピレンを高収率で生産するということで、2003年にはサウジアラビアで、国営のサウジアラムコ社と実証実験を行いまして、これのいよいよ商業化に進めておるというところでございます。

    また、石油残渣分解装置というのがございまして、ご存じのとおり、重油については非常に需要が落ちております。これをさらに水素化分解や熱分解をいたしまして、ガソリン、軽灯油の収率を上げていくということでございます。また、この技術は、重質のオイルサンド、オリコタールなどの非在来型の石油資源の有効活用に資する非常に貴重な技術であるわけでございます。こういうことで、逆に言いますと、使える石油資源が、先ほど40年という話になりましたが、200年ぐらいになるというような、この技術であるわけであります。

    さらに、石油残渣のIGCCを発展させますと、一段と効率的な、有効な利用方法になるということでございます。通常の常圧蒸留装置、あるいは減圧蒸留装置から重油ができ、脱硫装置でLPG、プロピレン、ガソリン、こういう石油製品もできますけれども、これをガス化することによりまして、発電もできる。また、IGCCの途中で、CO2のガスが出てくるわけですが、これをFTの合成によりまして、GTLが生まれてくる。こういう組み合わせによりまして、重油硫分、あるいはアスファルト留分をゼロにする。ボトムレスと言っておりますけれども、こういうことによって結果的には全体としての原油の処理量を削減し、あるいは輸入量を削減することができるわけでございます。

    次の10のほうは、さらに石油の高度化利用ということで、未利用、低利用分の有効活用という例示を挙げさせていただきました。これは製油所のコンビナートの連携によりまして、それぞれ持っている設備の有効活用、副産物の高度化利用によりまして、原油のトータルの処理量が削減できるというものでございます。こういう2つの製油所間の余剰となった残渣を分解、処理いたしまして、そしてボトムレスを達成するということになるわけでございます。こういうための2つの製油所の統合的な運転システム開発導入というのが行われておるわけでございます。

    そういう意味では、左下にあります石油コンビナートにつきましても、いっそこのような連携を進めることによりまして、石油資源の有効利用、あるいは高度化利用、そして、東南アジアの近代的なコンビナートとの競争力を高めていくということになりますし、原油の輸入量も減ってくるということになるわけでございます。

    今までが供給サイドの高度化であります。これからは、石油の、あるいはエネルギーを使うユーザーサイドの高度化利用技術の例を二、三挙げさせていただきます。既にガス、あるいはLPG、電力業界の方も、るる述べられていますので、簡単に申し上げます。1つは、定置用の燃料電池がございます。これは既に何回も説明されておりますので、省略させていただきます。いずれにしても、エネルギー源にかかわらず、需要サイドでの効率が図られるということに着目していただきたいと思います。また、燃料電池車、これは水素直結供給におきましても、製油所は既に水素を一番製造している製造業でございます。これを既存SSとインフラを活用することによりまして、水素燃料の電池車というものが利用できると考えておるわけでございます。

    次のページも、これも需要サイドにおきます高度化利用の例でございます。これは電力、ガス、すべてのエネルギー源でいかに高効率の利用を需要サイドで行うかという、ある意味では非常に厳しい競争の結果であると考えております。石油におきましても、潜熱回収型の給湯器を開発・供給するということで、熱効率も当然アップいたしますし、排気ガス温度も減少するということがあるわけでございます。右側にはボイラーの効率上昇ということで、低NOxと同時に、熱効率も上げていくという形になるわけでございます。いずれもエネルギーセキュリティー、あるいは地球環境などの課題に向けて、これらのユーザーサイドの利用高度化、供給サイドの高度化というものが求められているわけでございまして、こういう意味でエネルギー全体の高度化利用のための支援対策というものをぜひお願いしたいということでございます。

    どうもありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。それでは、今までのご説明を踏まえまして、各委員よりご意見等をいただきたいと思います。恐縮ですが、時間が限られておりますので、各委員とも2分程度でお願いいたします。ご意見のある方は、ネームプレートを立てていただくようにお願いいたします。それでは、まず高橋委員、どうぞ。

  • 高橋委員

    ありがとうございます。ガス協会の高橋でございます。一昨日電事連さんから、「電源の低炭素化を進めることは当然だが、これを拡大するためには、需要サイドで、家庭用、産業用、業務用といった、あらゆる面で全電化を進めていくことが低炭素化、省エネルギー化に繋がるものと確信している」という発言があったので、本日そのような資料が出るかと思いましたが、出ていないようです。いずれにいたしましても、仮にすべて需要側でオール電化だということになると、電源を決めるのは電力会社であるということになるため、他の事業者は関係がないという論理になってしまうので、これはおかしいのではないかと申し上げようと思いましたが、資料が出ていないので、申し上げられないということでございます。

    ただ、いずれにいたしましても、供給側でのベストミックス、つまり電源のベストミックスとエネルギー供給のベストミックス、それから、需要側は、適材適所のエネルギーのベストミックス、こういうことに取り組む必要があるのでははないかと思いますので、あえて申し上げさせていただきたいと思います。

    あと、時間軸と産業組織論等々で申し上げたい。資料2-2の30ページを拝見いたしますと、ヒートポンプが有効であり、全部ヒートポンプに入れかわると1億3,000万トンのCO2がなくなる、こういうふうに書いてありますけれども、これはいつそういうことになるのでしょうか。現在電気事業者さんが推薦し、機器メーカや、いろいろな方が努力しつつ、ヒートポンプを売っておられますが、実際はヒートポンプではなくて、約3分の1は電気温水器を売っておられます。これは電気温水器が安いからでありますが、熱効率の非常に悪いものを売っておりますので、まずはそれをヒートポンプに変えていくなどの、そういう努力をなされるべきではないだろうかと思っているところでございます。

    また、数値的に、29ページを拝見いたしますと、ヒートポンプの仕組みが、エアコン暖房の例で、COP3~6と書いてあり、下に「エコキュートは同様の仕組みを活用してお湯を作るもの」と書いてあるため、この表現だとエコキュートもCOPが3~6出るかのごとく誤認をするおそれがございます。神戸で行われた環境展に参りましたときに、関西電力の方に「クーラーがCOP7で、エコキュートが3なのは何故ですか」とお聞きしましたら、「エコキュートは出たばかりで3ですが、すぐ7になります」、こういうふうにおっしゃっていました。しかしながら、これは多分機械の仕組みが違うものなであるのに、こういうふうに並べて書くと誤認をするおそれがありますし、また電気事業分科会や新エネ部会でも、COPの件については、カタログ値ではなくて、実際に使用する効率を使ったらどうかというような指摘もございますので、こういう資料に何も注釈がなく書いてありますと、誤解を招くおそれがありますので、ぜひ資料をお作りになるときには気をつけていただきたいと思っております。

    その他公平性の問題でございますけれども、何を持って公平性と言うのかということでございまして、競争状況の公平性といった場合に、同じ負荷を与えればいいというわけではなくて、それぞれの産業構造、産業組織が違うわけでございます。大企業だけの電力会社と、中小企業、大企業が混在したLP、それからガス会社とでどういう負担をさせるのが公平かということは、違う観点があるのではないかと思います。LP業界とともに同じようなことを申し上げることになりますけれども電力業界と同じ規制をかけられても、無理なことがございます。また、石油の税金の件ですが、これは単に石油は重くということでなくて、入っている炭素の量、エネルギー単位での炭素量の関係があって、これはその意味で炭素税だとも言われております。炭素の量との関係もあるわけでございますので、同じカロリーだから同じ税金にすべきだというのは、やや誤った考えになるのではないかと思うところでございます。

    以上でございます。ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。電力、ガスは切磋琢磨して、競争していらっしゃいますので、いろいろ技術的な細かいご質問もあるかと思います。ただ、現在相当の名札が立っていますので、一通りご質問を伺ってから、それぞれ応答をとっていただきたいと思います。高橋委員、今のご質問に対しての応答は後でよろしいでしょうか。

  • 高橋委員

    結構です。

  • 石谷委員長

    それでは、まず橘川委員、続いて山地委員、柏木委員、葉梨委員の順番に発言をお願いします。まず橘川委員からどうぞ。

  • 橘川委員

    どうもありがとうございました。この場は、需要面からの業界間論争をする場ではなくて、代エネ法の見直しということですから、供給サイドの問題を考える場だと思うんですけれども、きょう暑くて眠かったんですけど、よく聞いていると、非常に注目すべき2つの業界の意見が出たと思います。簡単に言うと、代エネ法の見直しに石油業界は比較的積極的で、電力業界は比較的消極的な意見が出たと思うんですが、まず石油業界が前の代エネ法が脱石油法と事実上言われるような形で、中東なんかに行っても、「脱石油なんていう法律を掲げているのが、何、石油もらいに来ているんだ」とかということを現に私も言われたことがありますけれども、そういう意味で、これを変えたいと。ただし、きょうの山浦さんのプレゼンにはっきり出ましたけれども、石油業界が目指しているのは高度利用なんですね。化石燃料の高度利用を目指しているわけです。ところが、事務局からのペーパーは、化石燃料の高度利用という面も打ち出されていますけれども、化石燃料の代替、つまり、脱石油を脱化石燃料に置きかえていくという方向もかなり出ていまして、きょうのヒアリング項目を見ますと、事実上そちらに重点を置かれた、化石燃料代替についてどういうことやっているのかということを聞かれているわけですね。そうすると、石連の方の言われていることは非常に正しいし、高度利用をちゃんとやらないと、今や下流で上流を攻めるというのは常識ですから、石連が言われるような高度利用法ができることには私は大賛成なんですけれども、同床異夢で、石連の方が考えられていることが脱石油が脱化石燃料に終わるのではないかということがきょうのプレゼンを聞いていて強く感じた1点目であります。

    それから2点目は、電事連の方の非常におもしろかったのは、4ページの電力需要の推移ですね。kWhベースで変わったという点を説明されました。今代エネ法を変えて、やや省エネ法的な、少し強制の枠組みを入れて、エネルギー転換を進めていくという方向が打ち出されていると思うんですが、この4ページのグラフが示しているものは、実は代エネ法が入ったのが1980年ですか。しかし、いわゆる脱石油の方向に行って、紫なり緑なりが増えていく動きというのはそれ以前から始まっているんですね。もっと言ってしまえば、73年にこれだけ石油火力がたくさんある。火力がたくさん増えた、石油が増えたということ自体が、私、電力の歴史をやっている者ですけども、国際的に見ますと、そこが異様であって、むしろ政府はそれを抑えたのに対して、民間が経済性の論理でそれを進めた結果だったわけです。そこから修正していく過程でも、民間の活力によって非常にスピーディーな調整が行われたというのが電力の歴史が示しているところでありまして、私は、大きく言うと、上から何らかの強制力で調整するというよりは、どちらかというと、強制よりは誘導、技術革新を誘導するような方向の政策で民間活力という組み合わせ、それが今までの日本人の知恵だったし、多分電事連の方が消極的である裏にはそういう意味での自信がおありなんじゃないかと思います。

    ただし、きょうは1回しか発言できそうにないので、あと1点だけ申し上げますと、柏木委員からRPSの話が出ると思いますが、ある程度RPSを入れるためは、多少の強制といいますか、そういうものがあってもいいんじゃないかと私は思います。ただし、そのときは、RPSを入れる理屈というのは、低炭素という理屈なわけですから、一方の原子力に対しても、従来の枠を超えた、相当強烈な支援、2005年のブッシュの包括エネルギー法的な、例えば許認可が遅延した場合には、一原発当たり、日本円だと250億円ぐらいの政府支援を許認可リスクを下げるために入れるだとか、大型原発に対しては、税金控除を入れるんだとか、それから、一たん停止した原発を立ち上げるためのルールを簡素化・単純化することだとか、あるいは、これはちょっと電力会社も反対されるかもしれませんけれども、原子力の稼働率と地元の電気料金とを連動させる仕組み、要するに動いている間は極端に言っちゃえば地元の電力料金はただにするぐらいの、そういうような思い切った枠組みをあわせて入れないと、例えばゼロエミッション電源50%とか60%とかという枠だけ決まりますと、その後何が起きるかというと、プロセスが政治化しますと、原発がとまるとそれだけ新エネを持っていかなきゃいけないということで、新エネ対原発というのが悲しいことに対立関係になると思うんですね。両方が進むような仕組みを入れるということが必要なんじゃないかと思います。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございます。たまたまきょうの午前中に新エネ部会がございました。後で必要でしたら、柏木部会長からご説明いただきたいと思いますが、同じような意見も出ておりました。互いに整合性をとって進めていくということでございますが、また必要に応じて事務局からほかの関連部会の報告もいただきたいと思います。とりあえずご質問だけ承っておきます。次、山地委員、お願いします。

  • 山地委員

    ありがとうございます。私、11月初めの次の小委員会に出られないものですから、きょうのお話も踏まえますけれども、全体に今回議論しなきゃいけない項目について発言させていただきます。

    事務局からの議論いただきたい項目の中でエネルギー供給構造の高度化という言葉が使われているんですけれども、私もその点、重要だと思っています。今、橘川委員も言われたように、脱石油化、石油代替というのが脱化石、化石代替へ向かうべきがというふうに単純に言ってしまうのは非常に危険だなと私も思っているところで、非常に共感を持ってお話を聞きました。そういう点で、私も山浦委員の説明をされた資料の5枚目の図ですか、「『エネルギー高度利用促進法(仮称)』の新設」というところを非常に興味深く伺いました。ここに整理されているように、省エネ法と新エネ法と今あるわけですけれども、省エネ法のほうを、ここの整理によれば利用者側と書いてある、私の言葉で言えばエンドユースのところの利用効率向上というところにフォーカスを当てる。それから、新エネ法のほうは、これは新エネ部会が大分前に議論したように、再生可能エネルギーという供給サイドの新エネと利用サイドの新エネとあってわかりにくかったのを、供給サイドのほうに絞る。これは再生可能エネルギーということにして、新エネ法を純化させる。ここは私、全く同じ意見です。あと、原子力はまた原子力で別途体系があるんだから、それはいいと。それ以外のところをどういうふうにまとめるかということが重要だと思います。

    ここに書かれているまとめ方も非常に参考になるのですけれども、1つは、新エネとか省エネのちょうど中間にあってわかりにくいものがあるんですね。位置づけにくいもの。私、何と言っていいかわからないので、環境に賦存するエネルギーみたいな言い方をしているんですけれども、未利用と言われているエネルギー、温度差とか、あるいは、低温地熱ですね。低温地熱のカップリングでヒートポンプと組み合わせるとか、あるいは、ここまで言うと現状では新エネ法のところに入ってしまうんですけど、太陽熱利用ですね。こういうのはどこが特徴かというと、エネルギー供給技術といっても、利用のところにオンサイトで置かれる供給技術ですから、非常に省エネに近いんですね。こういうのを何かいいネーミングを考えて、未利用でもいいですけれども、今まで使っているのは未利用ですから、未利用という1つのカテゴリーがあって、これを推進するというのが1つ。

    それからもう一つは、エネルギー利用の高度化の中のエネルギー変換の部分ですかね。エネルギー変換の効率化で、水素利用、燃料電池とか、あるいは変換の効率化じゃなくて、エネルギーセキュリティーにかかわることかもしれませんけれども、GTLとか、CTLとか、BTLとか、変換に関する技術で、いろいろエネルギーの柔軟性を増す技術ですね。エネルギー変換に効率性と柔軟性を持たせる。これがもう一つのカテゴリーかと思います。

    その次に、ここで特に言われている化石燃料利用の高度化、残渣油とか、それから、それが非在来型の化石資源の利用にもつながるというのは、これは重要なことであって、単純に脱化石というのは私も非常におかしいと思っているので、そういう技術開発。これは、化石系資源の効率利用・クリーン利用として前のカテゴリーと一緒にしても良いかもしれない。

    今3つ言いましたが、もう一つは、自動車というのはちょっと違う部分なので、昔は、利用サイドの新エネルギーにクリーンエネルギー自動車というのがありましたけれども、自動車はちょっとその他のエンドユースとは少し位置づけが違う。あるいはこれは管轄が違うかもしれないんですけれども、自動車向けの次世代燃料という分野がある。

    それともう一つは、これはまた環境との境目にあるんだけれども、CCSというのがありますよね。それも化石燃料のクリーン化のカテゴリーに含めることも考えられる。

    つまり、省エネと新エネは純化しておいて、それ以外に未利用エネルギーなど、省エネなのか新エネなのかわからないような新エネ、それと、エネルギー変換における高効率化とクリーン化、化石利用の多様化、柔軟性向上などの、化石燃料利用高度化、ここにはCCSを含めることも考えられる。それと自動車用次世代燃料。これくらいの仕分けができるかなと思っていました。次回発言できないのも含めて申し上げさせていただきました。

  • 石谷委員長

    ありがとうございました。必要ならペーパーでコメントをまた出していただいても構いません。私も、IPCCの第二次のときに、省エネというときは、今山地先生のおっしゃったエンドユースだけではなくて、供給部門も全部含んで省エネと言っていたのであまり抵抗感はありませんでした。日本の省エネ法はほんとにエンドユースだけですから、それ以外の部分の省エネというのが全部どこか他のところ、大体は新エネに入っていたのだと思います。ですから、その辺は整理する必要があるかと思います。

    それでは、柏木委員、どうぞ。

  • 柏木委員

    どうもありがとうございます。今の話をずっと聞いていまして、各業界の現状、あるいは今後の取り組みはよくわかりましたけれども、この背景というのは、あくまでも国家戦略、エネルギー政策を通して、あるいは産業政策にもうまくWin-Winモデルになるような国家戦略を考える場だと思っていますので、こういうプレゼンをベースにして、事務局のほうでグランドデザインをきちっと構築していくことが重要だと思いました。

    21世紀の我々日本の成長エンジンというのは、低炭素型の経済モデルをつくっていくというコンセンサスが得られているのであれば、省エネ国家になった背景には、79年の省エネ法という規制法ができたからです。エネルギー源の多様化だとか、あるいは地球環境により代エネ法や新エネ法という支援法、ここに来て国家戦略を積極的にやるということであれば、低炭素型に対し化石から非化石、あるいは、化石燃料の高度化利用というのは、今の延長線上にありませんから、省エネ同様きちっとした規制を引いていかないと。ウィナーになるにはそのぐらいの考えを持たないといけないと思っています。例えば化石から非化石へと考えますと、もちろんベースは、私は、メガインフラの原子力があって、この稼働率の向上、新設をできる限り立地をするというのは当たり前のことだと思います。これは私個人の考えですが。ただし、それだけでは、全体最適化にはならなくて、地産地消のシステムというのは、このメガインフラの上に自然エネルギーが、ランニングコストはただですから、そういう意味では、クラスター状に適材適所の新エネが入っていく。このときに考えることが社会コスト、ミニマムがどういうふうにしたら達成されるか。間違っても新エネ対原子力のような対立構造になるなんてことは、国家戦略としてはあり得ないことだと思っています。どこでグランドデザインを書くのか。きちっとしたものをつくらないといけません。業界はそれぞれ自分の持っているシステムを目いっぱい動かさないと、株主に対応できませんから、きょうのプレゼンはごく当たり前のことであり、当然のこととして聞いていました。ただ、どうやって社会コストミニマムのグランドデザインを書いていくかというのは、どこでどうやるかというのは1つ大きな問題だろうと思っています。

    それからもう一つ、低酸素型に大きく貢献するのが今度は化石燃料の高効率化という話になる。例えば石油残渣IGCCだとか、電事連の廣江さんもおっしゃっておられたように、石炭はベースだとか。この分野で、技術立国、環境立国日本としてのエネルギー政策戦略が出てくる。ガス化技術だと思うんですね。ガス化すれば、いろんな意味で高効率発電もできるし、CO2リサイクルもできる。もちろんCCSにもリンクしますし、バイオマスを積極的に燃料源として変換することもできる。このガス化プロセス時にCO2の分離ができ、グリーンリファイナリーが可能となる。どんな残渣分の多い原油を持ってきても日本に来れば、ピカピカにして全部きれいに使い尽くすことができる。この分野の支援策は手厚く持っていかないと。支援と規制というのは、両方うまくバランスして、その資金をどこからどうやって持ってくるか。新しい型の低酸素型公益事業として位置づけるべきだと私は思っています。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。それでは、あと、葉梨委員。

  • 葉梨委員

    発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。一昨日の業界の説明、さらには本日の電力、石油、PPS業界のお話を聞いていて、大きな共通項として、化石エネルギーが非常に重要なエネルギーであるということが、各業界が持っている考えであるということであるかと思っております。2030年の最大ケースを目標にこれから制度設計に入ることになるかと思いますが先般、総合部会で久内委員から発言しましたように、その段階でさえ、化石エネルギーの比率は70%です。従って、資源のない我が国としては、化石エネルギーに依存していかなければならないという事実認識を持たなければならないと思います。一昨日の廣江さんのコメントの中で、2030年、原子力の比率は19%を期待されておるわけですが、それに対して懸念が示され、努力継続ケースの16.5%が1つの妥当な線じゃないかと発言されました。そういうような実態というものをしっかりと認識した上で、制度設計をしていかなくてはいけないと思います。

    その中で、1つは、化石燃料をいろんな角度から高度化利用していく。それは供給の段階でも高度化していくし、需要の段階でも高度化利用していくというのが大変重要な視点であるだろうと思っております。電力さんのペーパーの7ページにも、各電源の特性と活用ということが示されておりますが、需要についても同じことが言えるわけです。したがって、需要の電化という電気一辺倒にいけばいいというものではなくて、ガスはガスとしての良さ、石油は石油としての良さ、電気は電気としての良さがあるわけですから、各エネルギーの特性をうまく活用しながら、全体としてエネルギーセキュリティーを日本は考えなければならない。そのエネルギーセキュリティーなしの環境というのは、日本の場合あり得ないだろうと思っています。その基軸を忘れない制度設計を是非お願いしておきたいということでございます。以上です。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、ただいまのいろいろなご意見の中で、全体にかかわる部分がありますので、まず事務局から応答願いまして、その後廣江委員、場合によりましては山浦委員にお願いしたいと思います。

  • 伊藤総合政策課長

    ありがとうございました。山地委員からの、いろいろな技術が幾つかに分類されるというお話に関連してお答えさせていただければと思っております。エネルギーの長期需給見通しをつくる際には、エネルギー技術開発戦略を踏まえており、これをほぼ毎年見直してきているところです。その中で、幾つかのカテゴリーをつくって、2020年、30年ぐらいまでの技術水準の目標と経済性の目標を描き、それが実現されることを前提に、需給見通しにおける先進技術がどの程度導入されるかというケースを描いています。それはあくまで、そういうふうに進めばこういうことが起こるというビジョンといいますか、見通しとして示しているわけです。国として、あるいは民間として、それを見ながら努力をしてきているわけですが、そういった技術開発の進展を加速化するという観点から、おっしゃられたような幾つかの重要な技術を一定の期間の間に実用化していくことを何らかの形で制度的に位置づけていくということが、重要ではないかと思っております。そういったような位置づけのものは今ははっきりとしたものはないのが現状でございます。

    それから、仮にそれが技術として実用化されるとしても、先進技術ですから、導入がきちっと行われるかどうかというところが次の問題であります。ひとつには、化石燃料を非常に有効に、あるいは高度に使うための技術を実現した設備投資につながるかどうかという点。。それから、非化石燃料、あるいは化石系を含む未利用エネルギーが実用化されるに当たって、それをエネルギーの供給サイドとして導入を計画的に取り組むこととなるかどうかという点の、2点が重要ではないだろうかと考えているわけです。この部分についても、支援策とか、民間の自主的な取り組みというところは現在あるわけですが、それらが体系的、あるいは全体として総力を挙げてやるような形での取り組みといったようなものが現時点においては枠組みとしてはないのではないかと考えております。今申し上げました技術開発の戦略と、それから、そういった技術を実際に実用化していくといったところを含めて、供給構造の高度化という形でとらえて、それが計画的に官民の総力が統合されるような形でうまく誘導できる枠組みが今回必要ではないかということを事務局としては考えているところでございます。

    したがいまして、範囲としてはかなり広いものが入っているということでありますが、非常に重要な化石エネルギーがまだまだ効率的に利用できるのに、そこから単に撤退すべきであるといったような非現実的なことを考えているということでは全くありません。技術面で世界最先端のものをできるだけ早い段階で開発し、それを早期に導入していくといったようなことを、いかに制度的にうまく誘導していくかといったところが、我々として今、考えている大枠であるとお考えいただければと思います。

    あと、原子力については、推進にあたってのひとつひとつ現実の課題もあるわけでありまして、国としては民間企業と一体となって最大限円滑にいくように取り組んできているわけでありますけれども、そこを超えて規制として国が民間企業に原子力を進めなさいといってもできないことができるようになると思っているわけではありません。そこはこれまでの努力を格段強化して、原子力の推進を図るというところが基本的な考え方であるということを補足させていただきたいと思っております。

    あとは、ご意見として承りましたとおりだと思います。

  • 石谷委員長

    廣江委員にいろいろとご質問がございましたが、あまり微細に入りますと、ほかの委員がついていけませんので、ごく簡単にお願いします。

  • 廣江委員

    ありがとうございます。先ほど高橋委員から3点ご指摘いただいたように私は理解しております。まずは1点目、あらゆるところの全電化を進めるといったのに資料がないじゃないかというご指摘がありました。私は全電化と言った記憶は全くございません。できるだけあらゆる分野で電化を促進する、こういうふうに言ったつもりでございます。そこは議事録で確認をいたしたいと思いますが、私自身の意図はそういうことでございます。先ほど申し上げましたように、必要のないところを電化する必要はないわけでありまして、全体として最適な部分での電化はできるだけ進めることがよろしいのではないでしょうかということを申し上げたつもりでございます。

    それから2点目、現在ヒートポンプの3分の1は従来型のものが入っているじゃないかということ。それはおっしゃるとおりであります。現在、実際に売られているうちの六十数%がエコキュートと言われるものでありまして、残ったところは在来型が売れている。これは事実でございます。ストック量でもまだ二十数%がヒートポンプにとどまっていると思います。ただ、この数年間、相当な勢いで増えてきたことは確実でございますが、若干イニシャルコストが高いということで、一般の電気温水器も売れているのは事実でございます。ただ、早晩この状況は解消すると考えています。

    それから、3点目、COPのお話を伺いました。私はそこはよく理解できませんでしたので、もしかすると正確にお答えできないかもわかりませんが、例えば前提として30ページの下のような計算をしております。家庭用の給湯器ですと、ヒートポンプCOP4、それから、業務用の空調式で申しますと、COP6というようなものに置きかえたという計算をしていると申し上げました。業務用のヒートポンプでは既にCOP5、6というのがあると私は認識しております。それから、家庭用も、貯湯いたしますと、少し性能が落ちるのは事実でございますが、単機の性能ではCOP4というのがございます。いずれにいたしましても、ご説明の際再三申し上げましたように、これは一昨日申しましたことの1つの定量的な姿、イメージとして、将来の技術進歩を盛り込んでご説明をいたします、こう言ったつもりでございます。以上でございます。ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。中上委員、何か補足ありますか。

  • 中上委員

    ここの場で議論することではないんだろうと思うんですけれども、しかし、非常に重要なことは、今の議論にもつながってくると思いますけれども、どういう絵姿が需要側としてバランスがとれた社会なんだろうというのが必要だと思うんですね。これから成熟社会から世の中がシュリンクしていくということになると、設備過剰になるから、生き残り戦略という意味で、今までのエネルギー産業間と話が違うのかなという気もしますし、縮小した社会というのはどういう構造になるんだろうかということを思いますと、必ずしも全部電気でやることはあり得ないと思いますし、全部ガスもないと。どこか落としどころがあるはずで、それはどこで議論するのか。多分この場所じゃないような気もするので、それをお聞きしたいなと思ったんですけど。

  • 石谷委員長

    ありがとうございました。それでは、ほかによろしいでしょうか。また本日の議論を後で取りまとめていただきますが、終わる前に上田審議官に一言。

  • 上田審議官

    支援か、規制かという議論が多々ありまして、それに関するおもしろい議論があったように思います。さっき伊藤課長から話がありましたが、どちらか一方、ということではおそらくないのではないかと思います。再生可能エネルギーで、RPSがあったということが、RPSのなかった時代と比べてみれば、それによってものすごく市場が創造されたという機能は大きいと思います。私は再生可能エネルギーの分野は、まだまだ進めなければいけないと思っていまして、ガスにしろ、石油にしろ、ある種の市場を創造するということを政府が旗を掲げながらやっていくという意味は非常に大きくて、そういうことがあるからこそ、風力も太陽光もついてきた。支援か規制かという問題については、規制といってもいろんなやり方もありますし、どう総合化していくかということだと思っています。

    それから、2つ目に化石燃料の高度利用、これについても非常におもしろい議論がありました。1つは、山地先生が言われたように、確かに中間領域の整理というのは非常に難しいことだと思います。需要サイドの省エネ法でやっている工場みたいな話と、供給サイドの、まあ、需要サイドと言えば需要サイドでもあるけれども、しかし燃料電池や、ヒートポンプのように、実際上供給サイドと需要サイドの努力が相まって初めて市場が創造されていく領域というのがあるわけでありまして、そういう省エネ、新エネの中間領域を少し整理しながら、そこのところでどういうふうに市場を創造していったらいいのかというのを、これは私どもの宿題かもしれませんけれども、勉強してみたいと思っております。

    それから、新エネか、原子力かという議論があります。私は新エネも原子力も両方ともまだまだ足りないと思っております。この中にはそう思っておられる方はいらっしゃらないかもしれませんけれども、世の中には、日本は新エネさえやれば、あるいは世界は新エネだけやれば足りると思っておられる方が多々あります。例えば、で、ドイツはすごい、原発やめて新エネやると言っているといった類の話であります。しかし、ドイツでも石炭火力発電所は多く、全電源の約5割は石炭でありまして、実はドイツは石炭と再生可能エネルギーの国であるんだと私は思っております。また、再生可能エネルギーには安定性やコストなどの課題もあるわけで、再生可能エネルギーを電気だけじゃなくて、さまざまな分野にしっかりやっていくとともに、原子力をしっかりやっていかないことには、2030年、2050年の絵は書けないと思っております。そういう意味では、私は原子力政策、あるいは官民両方の努力を、さっきいろんなご指摘いただきましたけれども、まだまだ足りない部分があると率直に思っておりまして、こういった部分についても、この場ということではないかと思うんですけれども、いろんな場でしっかり議論していく必要があると思っております。

    それから、これはこの間申し上げましたが、やっぱりタイムフレームというのは重要なファクターでありまして、2030年まで化石燃料がまだ非常に重要な役割を果たすというのは、おそらく僕もそのとおりだと思います。それに向かってできるだけ高度利用を進めていくという軸と、2050年に向けた化石燃料というか、CO2がほんとうにほぼなくなってくる社会に向けてどういう準備をしていくのか。それが日本の競争力につながっていくために、どういうことを官民挙げてしなければならないのか。その2つの軸はあるんじゃないかと思っています。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。大変有益なコメントをいただきました。

    数々の有益なご指摘、ご議論、ありがとうございました。次回の本小委員会は11月6日の13時より経済産業省本館17階の第1共用会議室にて開催させていただきます。内容としては、本小委員会の委員である財団法人日本エネルギー経済研究所の小山委員からプレゼンをお願いするとともに、外部の有識者からのヒアリングも行いたいと存じます。また、これまでの議論について一定の整理を事務局にお願いしたいと思います。一昨日は、なか1日でしたので、まだ何ら準備ができていませんが、今度は時間がありますので、まとめていただけると思います。委員の皆様におかれましては、引き続き精力的なご審議をお願いいたします。

    それでは、これをもちまして総合資源エネルギー調査会総合部会第2回政策小委員会を閉会いたします。本日はご多忙のところ、長時間にわたり熱心にご議論いただき、まことにありがとうございました。


以上
 
最終更新日:2008年12月19日
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