経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会政策小委員会(第4回)-議事録

日時:平成20年11月27日(木)15:00~17:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議事概要

  • 石谷委員長
    定刻になりましたので、ただいまから、総合資源エネルギー調査会総合部会第4回政策小委員会を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ、多数の委員の皆様に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。それでは早速、資料1-1の議事次第に従って、進めてまいりたいと存じます。
    本日の議事進行の全体像ですが、まず、事務局から「中間論点整理(案)」について20分程度で説明いただいた後、残りの時間を使って議論を行いたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、資料2「中間論点整理(案)」の説明に移ります。事務局から、説明をお願いいたします。
  • 石崎エネルギー政策企画室長
    それでは、ご説明させていただきます。
    この資料の全般についてですが、(1)これまでの主な議論、(2)事実関係等、(3)抽出される論点という整理とさせていただいております。
    まず、(1)代エネ関連施策の評価ですが、これまでの主な意見としては、石油は、入口段階で排除されてきたが、エネルギー政策基本法の考えを踏まえると、石油のみを問題視するような法制度は不整合。LPガスをガス体エネルギーとして定義し、環境対策において本来の役割を果たせるような改革が必要。電力は、火力の大型化や原子力へと電源開発の軸を移しながら、3E(安定供給・環境保全・経済性)を推進し、石油依存度を大幅に低減。天然ガスの拡大は、石油依存度の低減とCO 2削減に貢献してきたが、都市ガス用(天然ガス)の一次エネルギーに占めるシェアは6%であり、諸外国と比べると利用拡大の余地あり。といった意見がございました。
    次に、事実関係等ですが、代エネ法制定当時の長期エネルギー需給暫定見通しにおいては、1990年度までに、一次エネルギー供給に占める輸入石油依存度を5割に引き下げる旨の努力目標があった(実際、1990年度では54%)。第一次オイルショック以降、代エネ関連施策への取組などにより、石油依存度は8割から、2001年には5割を下回る水準まで低減。一方、一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合は、依然8割と高水準。といったことがございます。
    次に、抽出される論点ですが、代エネ関連施策への取組により、石油依存度は低減し、一定の成果は見られるものの、一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合は依然として高い水準にあり、その効率的な利用が必要ではないか。エネルギー政策基本法の考えを踏まえると、安定供給の確保を図る観点からは、石油を単に抑制するのではなく、エネルギー源の多様化を図ることを目指すべきではないか。世界のエネルギー需給構造の変化や地球環境問題を踏まえた対応とすべきではないか。といったことがございます。
    次に、(2)一次エネルギー源ごとの特性に移ります。
    これまでの主な意見ですが、石油は、2030年においても依存度が約40%を占める見通し。例えば、石油火力発電は電力需要の変動への対応が容易であり、需給のバッファとしても一定量の活用が必要。LPガスは、PMの排出がない等、天然ガスとともにクリーンなエネルギーであり、長期エネルギー需給見通しでも一定の役割が期待されている。国際的には、環境対策としてバイオ燃料や天然ガス等と同様、石油代替燃料として位置づけられている。石炭は、政情の安定している国々を中心に広く分布しており、可採年数も比較的長い。我が国の石炭火力発電の効率は世界トップクラス。原子力は、基幹電源として位置づけられており、3Eに対する切り札。新エネルギーは、出力が不安定なため他電源との代替は困難であるが、再生可能エネルギーとして最大限活用していく。天然ガスは、化石燃料の中で最もクリーンなエネルギーであり、石炭・石油からの燃料転換の際に単位発熱量当たり25~40%のCO 2削減が可能。産出国と長期契約を締結するなど安定供給を確保。一方、エネルギー政策基本法で規定されている「一次エネルギーの特定地域過度依存の低減」については、対応する政策が無いのが現状。といったご意見がございました。
    事実関係等としては、第一次オイルショック後、石油依存度の低減を目指してきたが、石油であっても特定地域へ過度に依存していない場合には、安定供給上のメリットはある。他方、石油以外の一次エネルギーであっても特定地域への過度依存は安定供給上デメリット。一方で、地政学リスクや資源埋蔵量、外交関係等も、安定供給の確保を図るためには重要な要素。事業者は、資源調達先の分散化に取り組み、状況に応じて、共同での調達や緊急融通を実施している。といったことがあります。
    また、抽出される論点としては、一次エネルギー源ごとにメリット・デメリットがあるため、地政学的な要素等も考慮しつつ、メリットを最大限活用する一方で、デメリットも克服するような取組が必要ではないか。という点があげられます。
    次に、(3)目指すべきエネルギー需給構造の方向性ですが、1国全体としての方向性について、これまでの主な意見としては、2030年の「最大導入ケース」を目標に制度設計しなければならないが、その途中段階においても70%を化石燃料に頼らざるをえないことを踏まえ、化石燃料の重要性を認識すべき。他方、世界の流れの中で、低炭素社会の実現に向け、姿勢を示すことが必要であるが、ある程度の制約がないとその姿勢を示すことができない。あらゆるエネルギーの高効率・クリーンな利用を制度的に支援し、先の見通しのつかないものに対しては研究開発に資金を投入することで、世界が納得するエネルギー政策になるのではないか。「最大導入ケース」の場合、企業経営として成り立つのかどうか。「最大導入ケース」を前提に、2020年、2030年の電源、送電線の建設計画を行うと、将来的に供給支障が発生する可能性もある。といったご意見がございました。
    事実関係等については、長期エネルギー需給見通しにおける「最大導入ケース」は、省エネ性能の格段の向上が見込まれる機器・設備について、国民や企業に対して更新を強制する一歩手前のギリギリの施策を講じた状態を想定。2020年に2005年比でCO 2を14%削減するという数値は、福田ビジョン(2008年6月9日)において、セクター別アプローチを緻密に適用し、 コストのかかる技術的開発も考慮した上で、その時々で最も進んだ省エネ・新エネ技術の導入可能性を詳細に検証した結果得られたものである旨、言及されている。低炭素社会づくり行動計画(2008年7月閣議決定)では、電力供給面の対策の一環として長期エネルギー需給見通し等を踏まえつつ、2020年を目途にゼロ・エミッション電源比率50%以上とすると言及されている。なお、同計画において、2009年に国別総量目標(中期目標)を発表することとされている。といった点があげられます。
    抽出される論点としては、長期エネルギー需給見通しの「最大導入ケース」は、福田ビジョンで引用されているものであり、その前提条件を十分踏まえた上で、それを重く受け止めるべきではないか。他方、エネルギーの安定供給の確保という最も基本的な使命を果たすために必要な電源開発等、エネルギーのインフラ構築を着実に進めていくことが重要ではないか。また、天然ガスについても同様に、様々な事態に対応できるようにすべきではないか。エネルギー政策基本法や低炭素社会づくり行動計画の内容を十分に踏まえた対応をすべきではないか。といった点が上げられます。
    続いて、(2)エネルギー供給構造高度化の方向性について、これまでの主な意見としては、2030年の「最大導入ケース」を目標に制度設計しなければならないが、その途中段階においても70%を化石燃料に頼らざるをえないことを踏まえ、化石燃料の重要性を認識すべき。技術の進展を加速化するという観点から、一定の技術について、制度的に支援することが重要。どこに軸足を置いてどの時点の議論をするのかが大事であり、あまり長期的に物事を考えると無理が生じる可能性がある。日本が技術立国となるためには、戦略的な観点から化石燃料の高度利用を図ることが必要。他方、需要側における取組も重要。といったご意見がございました。エネルギー供給構造高度化に向けた各事業者における取組の現状については、記載のとおり事例の紹介がございました。
    事実関係等としては、「エネルギー技術戦略」においては、エネルギーセクター別に主要技術の実用化シナリオがローリングプランとして示されている。「長期エネルギー需給見通し」では、「エネルギー技術戦略」を踏まえた最先端のエネルギー技術の進展・導入の効果が最大限発揮された場合に想定される、我が国のエネルギー需給構造の姿が描かれている。エネルギー政策基本法には、事業者の責務として、エネルギーの安定的な供給に努める旨規定されている。といったことが重要な点であります。
    抽出される論点としては、エネルギー供給構造の高度化の取組としては、(1)革新的エネルギー技術や未利用エネルギーの開発、(2)非化石エネルギーの導入拡大、(3)化石燃料の高度・有効利用の三つの分野が考えられるのではないか。社会経済活動の基盤となるエネルギーを供給する事業者については特に、セクター(石油、電力、ガス)ごとの特性を踏まえ、供給構造高度化を目指すべきではないか。また、そのための枠組みが必要ではないか。また、セクターごとに供給構造高度化に向けた具体的な取組を明らかにするべきではないか。といった点があります。
    続きまして、(4)エネルギー供給構造の高度化に向けた取組の具体的内容の、(1)取るべき政策の方向性についてですが、これまでの主な意見として、化石から非化石あるいは化石燃料の高度化については、適切な規制を設けるべき。国家としてのグランドデザインを描くことがまず大事。政府からなんらかの強制をするよりも、技術革新など民間の活力を使って誘導していくべき。再生可能エネルギーを入れるには、原子力への強烈な支援を条件として、多少の強制はあっても良いと考える。民間の持つ自主性を最大限活かし、柔軟性、創意、使命感を損なわない仕組みにすべき。といったご意見がありました。
    次いで、事実関係等としては、個別の技術や設備の立地地点の状況等、産業内の各企業が置かれている状況の違いを踏まえる必要がある。省エネ法やRPS法、温対法では、共同での取組が容認されている。基準となるべき事項または供給目標については、省エネ法や代エネ法では、エネルギー需給の長期見通しや技術水準、開発状況その他の状況を勘案して必要な改定をすることとしており、RPS法では災害等やむを得ない事由により義務量を減少させる措置が規定されている。といった点が重要でございます。
    抽出される論点としては、非化石燃料の導入や化石燃料の利用高度化の目標は、最大限の努力は必要だが各企業にとって技術的・経済的に可能なものとなるよう、各エネルギーの特性やこれらを勘案した取組とすべきではないか。セクター内で個社単位に一律の数値を適用することが困難である場合には、セクター単位での目標を目指して事業者が取り組む体系とすることが望ましいのではないか。また、化石燃料の利用の高度化については、異業種連携のような、セクターを超えた事業者の取組も評価される仕組みとすることが望ましいのではないか。災害や企業の取組が直接及ばない外部的な要因など、やむを得ない事情等については、特別の考慮をするべきではないか。目標年度をどのように設定するべきか。
    最後に、(4)エネルギー供給構造の高度化に向けた取組の具体的内容の、(3)競争公平性の確保に移ります。これまでの主な意見については、過去、公平な競争による切磋琢磨を通じて産業として発展してきた。一部のエネルギー源に対して特別な負担を求めることなく、公平な競争が行われるよう配慮するべき。産業構造によって負担のかけ方を考えるべき。大企業中心の電力業界と、中小企業と大企業が集まったガス業界では様子が違う。電力業界にはRPS法の義務が課されている。石油は電力、ガスと違い、完全に自由化されている。自由化されている業界とそうでない業界で競争条件が異なっている点を考慮すべき。といったご意見がございました。
    事実関係等としては、各種措置により、自由化の進展が図られてきた(電気事業法及びガス事業法の改正による、数次にわたる自由化範囲拡大や2001年度の石油業法廃止、等)。エネルギー政策基本法にも「市場原理の活用」が謳われており、エネルギー間の競争の高まりがみられるところ。一方、新エネルギー導入促進や安定供給対策など、義務の内容について各セクターに違いが存在する。といった点がございます。
    抽出される論点としては、エネルギー事業間の公平性に配慮した制度設計を図ることが重要ではないか。他方、各エネルギー事業の特性に十分留意した上で、公平性を検討するべきではないか。という点があります。
    以上が中間論点整理案でございます。ご意見がございましたら、質疑の際にお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
  • 石谷委員長
    ありがとうございました。
    この資料は、これまでの本小委員会での議論を踏まえ、論点の整理を行ったものです。本小委員会のとりまとめに向けて、各委員の活発な御議論を賜りたいと存じます。
    それでは御意見等のある方は、ネームプレートを立てていただくようお願いします。
  • 山浦委員
    中間論点の整理をとりまとめ頂きましてありがとうございました。意見を、2点ほど申し上げさせていただきます。民間事業者の経営の役割についてと、エネルギー間の競争の公平性について、でございます。
    福田ビジョンで言及されています、長期エネルギー需給の見通しにつきましては、最大導入ケースということをベースに議論されているということで理解しておりますが、エネルギー供給面の対策を民間事業だけで取り組むということは非常に難しいことであると十分承知しています。石油業界だけでいいますと、今後バイオ燃料の導入を政府と約束した21万kLや、さらに政府から要請されている50万kLの検討を行い、また石油需要が減少するなかで国際的な競争や有効利用をしなければいけないということに向けて最大限努力をしなければいけないと思っております。しかしながら通常の産業政策とは異なり、供給安定という意味や、安全保障という観点からは、政府も一定の役割や責任というものを担って頂きたいと思っております。これは大前提だと考えます。
    資料の9ページ、25ページに書いてありますが、エネルギー供給事業というのは原油や天然ガスの原料調達から始まり、製造設備、供給インフラの整備等、非常に巨額な費用と長期的にわたる準備期間が必要です。電力においてもあてはまるものであると思います。そして、新しい状況に合わせたエネルギー供給構造の構築に関して、我々でいえば高度化という点についても、経済の変動の中で、新たな道に進むことと同時に、古いところを整理する必要があります。
    また再生エネルギーを導入するという点では、各種制約規制がある中で、エネルギー全体として供給安定を維持しなければならない。そうした点では二重投資という可能性にも注意しなければならない。そういった意味で、民間の創意工夫や自主取組みが大前提ではあるものの、そこも新しい21世紀の低炭素社会あるいはそれに向けての政策を担う上では、政府も長期的、継続的で強力な政策をお願いしたいと思います。さらに将来の目標や見通しを作成する場合には、行政や環境問題なり我々サイドの事業者の状況をふまえて頂きたい。
    エネルギー間の競争条件について資料12ページに書いてありますが、エネルギー供給構造の高度化、当然セキュリティの確保を前提としていますが、依然として石油が一定のウェイトを有しております。抽出される論点に記載されている「エネルギー事業の間の公平性」は大企業、中小企業という意味かと思いますが、もうひとつ私どもが要望したいのは「エネルギーの公平性」であります。被害者意識が強いかもしれませんが石油については大きく負荷がかかっております。電気・ガスのような他のエネルギーについては料金制、地域独占等の別な事業規制があるという、ある意味で偏った市場において効率的かつ非合理的な政策をしていかなければならない。「エネルギー事業間」の公平性もありますが、「エネルギー間」の公平性にも留意頂きたいと思います。
  • 石谷委員長
    ありがとうございます。1点目は政府の役割を明確にすることについて、2点目はエネルギー間の公平性に留意との意見ということで理解しました。では、森委員代理。
  • 森委員代理
    中間論点整理案について意見をさせていただきたいと思います。これまでの我々の意見を概ね取り入れていただいたという点では中間論点整理案に賛同させていただくものの、今後の取りまとめの作成にあたり、3点意見を述べさせていただきます。
    1点目は、p3の「一次エネルギー源ごとにメリット・デメリットがある。」という点について。事務局からは今回の制度改正ではエネルギーセキュリティの観点を重視するという説明も行われてきました。ガス事業者は、供給安定性の向上に資するべく、天然ガスについては、来年供給開始予定のサハリンなども含め、供給源の分散化に努めるとともに、また次なる時代の天然ガスの可能性として、国産エネルギーともなりうるメタンハイドレートにも期待するところであります。加えて、エネルギー政策基本法に掲げられたもう一つの柱である環境適合性を踏まえた場合、地球温暖化対策、CO 2削減の観点から、天然ガスの環境優位性について引き続き重要なものであると認識しております。こうした点から、供給安定性、環境適合性に優れた天然ガスのメリットを最大限活用できるよう、今回の制度設計でも天然ガスの重要性について適切に位置づけていただけるよう改めてお願いしたいと思います。
    2点目は、p7の「エネルギーを供給する事業者が、セクター(石油、電力、ガス)ごとの特性を踏まえ」について。第1回の小委員会のプレゼンテーションでも申し上げたとおり、都市ガス事業者は、今後も製造・供給サイドの高度化に取り組むことはもとより、需要サイドの高度化に今まで以上に取り組んでいきます。我々は需要サイドにおいて天然ガスの高度利用を行うことが、お客さまの省エネルギー、生産性の向上を推進し、ひいては我が国の産業の国際競争力の向上にもつながるものと確信しております。こうした都市ガス事業者のような、供給サイドよりも需要サイドに高度利用余地があるという、セクターの特性も踏まえた上で、供給サイドの高度利用を推進するような制度設計としていただけるようお願いしたいと思います。
    3点目は、p12の、「エネルギー事業者間の公平性に配慮しつつも、各エネルギー事業の特性に十分留意した上で、公平性を検討するべきではないか」とされている点について。この点はこれまでも意見を述べさせていただいたように、まさにご指摘のとおりであると考えており、p11の2行目に記載がある「その取組みが各企業にとって技術的・経済的に可能なものとなることを前提として」という観点を踏まえ、公平性が担保されるような制度設計として頂きたいと思います。
  • 石谷委員長
    1点目は、天然ガスのエネルギー政策上の位置づけ、2点目は需要サイドの高度利用、3点目はエネルギー事業者間の公平性、に関する意見と理解しました。それでは、葉梨委員。
  • 葉梨委員
    我々の意見を中間論点整理案についても、資料の中に多々反映いただき感謝申し上げます。LPガス業界の立場から、前回の繰り返しになりますがが、意見を1点と質問・確認を2点申し上げたいと思います。
    まず意についてですが、9ページの「(3)抽出される論点」の3行目に、「どのような選択や組合せが適切か」とあります。特に高効率ガス機器等のように、需要家に選択権のある設備の普及拡大にあたっては、規制的手法ではなく、民間活力を活用して、8ページに示されている「自主的手法」と「経済的手法」を組み合わせた手法を採ることが適当と考えております。
    質問・確認の一つ目として、5ページ「(3)抽出される論点」の2行目に、「それを重く受け止めるべき」と書かれているが、「それ」とは何を示しているのでしょうか。解釈の仕方はいくつかあり得ると思います。4ページの「(1)これまでの主な意見」のポイントにあるように、最大導入ケースにおいても化石エネルギーが依然70%を占め引き続き重要なエネルギーであるという点も、そのひとつとして考えてよいでしょうか。
    次に、7ページ「抽出される論点」の5行目に、「セクター毎(石油・電力・ガス)の特性を踏まえ」と記載があり、その中で、セクターは石油・電力・ガスと記載されておりますが、「特性を踏まえ」ということから、LPガスも「ガス」に含まれると理解しますが、それでよいでしょうか。
  • 石谷委員長
    どういうケースの場合に民間活用を利用するのでしょうか。例をお願いいたします。
  • 葉梨委員
    高効率のガス機器などのように需要家に選択権のある設備の普及拡大の場合には、規制的手法ではなく民間活力を活用したいということです。
  • 石谷委員長
    承知いたしました。では、廣江委員。
  • 廣江委員
    ありがとうございます。前回申し上げたとおり、現行の代エネ法については強制的な手段がとられているわけではありません、民間事業者が基本的に真摯に取組んだ結果、石油依存度の低下に相当程度の成果を挙げたと思っています。さらに申せば、自主的な電源のベストミックスの追求によって、低CO 2化にも相当程度の成果を挙げてきたと自負しているところでございます。7ページにある「エネルギー供給構造の高度化」の狙いについては異存はありませんが、今申し上げた過去の経験に従えば、規制的手法を用いなくても、事業者は今後ともそれぞれの立場で具体的な取り組みを行い、十分な成果をあげていけるものと確信しております。そのうえで以下4点申し上げます。
    まず1点目。本日の資料では9ページが一番のポイントと考えており、事務局の提案は規制的手法の導入であると受け止めておりますが、先ほど申し上げた趣旨から、諸手を挙げて賛成することはできません。仮にこうした規制的方法に進むならば、ここに何点か書かれている留意点が重要となるので強調させていただきます。まず、6行目後半の「目指すべき目標を下回った場合でも実際に措置の対象とするかは他の事情を総合的に勘案する」という点。さらにその1行下で「民間の創意工夫や自主的取組が阻害されないような仕組み」ならびに「国際競争力が削がれたりすることがないような仕組み」とあり、さらに、「国も、必要な政策支援により民間の取組を後押しする等の積極的な役割を果たすべき」とされておりますが、こういった点が大事だと考えております。特に最後の点について、電源開発を考えた場合、電力会社だけが頑張ってもスムーズに進むという性格ではないし、規制が入って一気に進むというわけでもなく、重要なのは国のバックアップであります。従って、仮にこうした規制的枠組みを検討するならば、国がその中で一体何をしていただけるのかも十分に議論をいただきたい。
    2点目は、一部の委員から指摘が既にありましたが、11ページに「各企業にとって技術的・経済的に可能なもの」という記載があり、これもやはり非常に重要な点であります。仮に新たな法律を策定するならば、この点を仕組みとしてきちんと入れていただきたい。日本の電力会社はそれぞれの歴史的・地理的事情から、電源構成にかなりのばらつきがあるのも事実であり、こうした事情をどのように適切に斟酌するかという点が非常に重要であります。少なくとも安易に一律基準を適用することがないようにお願いしたいと思います。
    3点目は前回もお願いした点で、既に他の委員から指摘もありましたが、5ページの「最大導入ケースを重く受け止めるべき」との部分であります。最大導入ケースは資料にもあるように最先端の技術をぎりぎりまで導入して劇的に省エネが進み、電力需要も相当程度減少することが前提になっております。この点は電源設備や送電設備を作っていく際に問題となります。これまで申し上げているように、電力会社は安定供給に責任を負っているわけであり、現実的な需要想定を前提とした議論を進めていただきたいと思います。
    4点目は、先程来いくつかの事業者からも意見がありましたように「エネルギー間の公平」についてです。各社各様の解釈で議論をしている様な印象を持ちますが、例えば新エネルギーという面を取り上げますと、現在のところRPSの義務を負っているのは電力会社だけであり、こういった点を充分に斟酌いただきたいと思います。
    いずれにせよ、規制的な手法を導入することは、企業経営の手足を縛ることになるわけであり、時間をかけて慎重な議論をすべきだと考えます。今回、スケジュールがタイトで残された時間があまりないように認識しておりますが、拙速な議論のまま見切り発車的に進まないよう、十分にご配慮願いたいと思います。
  • 石谷委員長
    規制を検討するならば条件を十分に詰める必要があること、それは国の役割分担、またセクター単位だけでなく各社の事情もあること、可能な現実的なもので特に最大導入ケースだけでなく現実的に対応する考え方で議論を進めていくこと、エネルギー業種間の公平性にかんしても十分配慮すべきといった意見と理解いたしました。それでは、中村委員。
  • 中村委員
    今回の中間論点整理からは、エネルギー供給事業者に対して、主として、「非化石燃料の導入拡大」と「化石燃料の高度・有効利用」という2つの観点に基づき、何らかの目標を目指して取組むことが求められていると認識しております。
    ただPPSは、そもそも電力自由化の施策の中で生まれた事業形態であって、代エネ法の施策に基づいて事業を営んできたというわけではありません。また、その多くは一次エネルギーを直接取り扱うことは少なく、そこから生じた電力という二次エネルギーを調達して需要家に売るというビジネスを基本としております。従って、「化石燃料の高度・有効利用」というよりは、「非化石燃料の電源からの電力の調達の拡大」にどう対応できるかが目下の課題になると認識しております。
    電力セクターにおいて、1つのメルクマールとなり得るのは、資料2の4ページに「事実関係」として記載されている「ゼロエミッション50」ということになるのではないかと思っています。しかし、電力会社はともかくとして、PPSは、これまでこの場でも申し上げたとおり、原子力などのゼロエミッション電源は持っておらず、また新エネルギーの利用もいろいろな制約があり、極めて限定的であるため、PPSだけの範疇で、「ゼロエミッション50に取り組む」と言われても、当然できないということは容易に理解いただけると思います。
    それでは、PPSは何ができるかについて。PPSがゼロエミッション電源として利用できるのは、事実上バイオマス等一部の新エネルギーに限られています。現行のRPS法で義務が課されていることで、非化石燃料の電源からの電力調達は既に一定程度カバーされている。それ以上を求められても現実的にはできないということに帰着するのではないか。これで我々は十分といえる立場でもありませんが、PPSというカテゴリーで見た場合に採りうる現実的な対応としては、RPS法の義務をしっかり履行すること以外にないのではないかと思います。
    PPSは、電力市場全体で未だシェアは未だ1%強であり、現時点では残念ながら社会経済活動の基盤となるエネルギーを供給するような大人の事業者ではなく、同じ電力セクターでも、電力会社とは性格や求められる役割は全く異なると感じております。そういった事業者に対して、過度な規制をかけても、実効的な効果は期待できないと思います。また規制によりPPSの居場所がなくなるようなことになっては、結果として国全体のCO 2が増える可能性もあります。また、自由化による経済面の需要家の利益も失われることになり、総合的に見た場合、ベネフィットよりもロスの方が大きくなる可能性も考慮するべきではないでしょうか。
    先程来、エネルギー事業者間あるいはエネルギー間競争の公平性との発言があったが、我々としては、同じ電力セクターにおける事業者間の公平性についても配慮願いたいところであります。つまり電力セクターにおけるPPSの位置づけや、国としての電力自由化の政策との整合性についても考慮していただき、エネルギー供給構造の高度化に向けた取組みについて具体的な目標を新たに課す事業者として、PPSを対象とすることについては、十分慎重な検討をお願いしたいと思います。
    省庁の環境配慮型電力入札に代表されるように、既に電気事業者は、個々のCO 2の平均排出係数の多寡で評価される時代です。我々としては、自主行動計画の目標を達成するうえで、非化石燃料の可能な限りの導入拡大を行はかっていかなくてはならない環境下に既にあると考えております。そのために我々としては身の丈の範囲ではあるが、新エネルギーの利用のほか、発電効率に優れ、環境負荷のより小さな火力の発電設備からの積極的な電源調達や、既存の発電所における地道な熱効率向上の措置などに、引き続き今後とも取り組む所存です。是非そうした自主的な取組みのインセンティブが高まるような枠組みとなるようお願いしたいと思います。
  • 石谷委員長
    ご意見の趣旨としては、PPSの特殊性、位置づけに配慮いただきたい、ということで理解しました。それでは、柏木委員。
  • 柏木委員
    一昨日、新エネルギー部会があったが、今回の新しい法体系の整理に関して大きなインパクトを与えるものは新エネルギーであると考えております。一つ目は、エネルギーと環境は一体として対応していくべき国内外の政治課題であるが、そうすると(新エネ部会では)世界の流れの中で我が国の低炭素化、エネルギー政策がどうなっているのか、国内だけでなくて国際的動向のなかで考えるべきという意見がありました。私も同感である。特に今のアメリカの流れをみてますと、最近、米国の新聞社の取材を受けたが、オバマ政権の極めて積極的な再生可能エネルギーに対する政策が打たれようとしていますが、それに対してどう思うかということでありました。今回の資料2には、国際的流れの中での我が国の法体系といったことに余り触れられておりません。一番怖いシナリオは、今のポスト京都の問題でもそうであるが、EUが米国に極めて接近してくると日本が浮いてしまう可能性があります。国内をどのように整備していくかは政治的に一番大事な課題です。そのような視点を考えた上で今後のエネルギー政策を考えなければならず、国内だけでなく世界の流れにきっちり乗った形での国内の政策が非常に重要です。
    二つ目の点であるが、新エネルギーは、現状では割高であるがゆえに新エネルギーとして定義されているが、誰が負担するのかという話になります。誰でもあまり負担はしたくないわけです。答えは一つで、マジックは無いのだから、割高は誰かが負担しなければならない。税金で払っても最終的には国民負担ということになります。ただ、やはり社会コストミニマムといことを考えなければならない。これをどのように達成するのかというと、これが私の考えになるが、官の役割、民の役割、我々のような中立的な立場のものの役割があり、全員が上手くリンクしなければならないと思います。そのなかで官の役割は、ポリシーミックスであると考えております。先ほど廣江委員も指摘されたとおり、資料2の9ページの部分が最も重要であると考えています。官は規制と財政支援の両方を上手くポリシーミックスにより上手く持っていくことが役割であると思っております。そのような意味では、規制をどの程度にするかが問題となります。財政支援があって規制がある、規制があって財政支援がある、その両方があると思います。そこをどの程度規制するかが重要で、恐らく、最低限、省エネルギーで成功しているような民間の活力が最大限引き出せるような誘導的な規制というものがあろうが、もう一つは、世界の流れを見ると、もう少し財政支援が出来るならば、もう少し厳しい規制のフレームワークを作ることも非常に重要であると考えております。規制には3つあり、ひとつは安全規制のように絶対に抑えるもの、ひとつはRPSのように一定の水準(を決めるもの)、もうひとつは誘導的な支援です。何故そのようなことを言うのかというと、エネルギー業界はインフラを伴っているため、どうしても自主的な行動だけで低炭素化に持っていくことはできない。グランドデザインのベースには原子力があり、要所要所に地産地消システムが入ってくるため、系統も随分と変わってくる話になることから、インフラ投資の考え方が、今まで各業界が担ってきた責務の延長線上には無いと考えております。新しいインフラを整備しなければならないとすると、どうしても民間の力だけでは上手く行かず、財政支援が必要です。財政支援を行うということは、国民経済で考えれば公的資金すなわち税金で対応することになるので、ある程度の規制があって初めて成り立つことになる。このポリシーミックスの両立性について考えるべきである。グランドデザインとして私が申し上げたいのは以上です。
  • 石谷委員長
    やはり中立的委員の意見は安心して聞いていられます。今のお話で、国際的環境への配慮という指摘がありました。日本国内の問題は非常に重要であるが、ポスト京都を睨んで今後どうなるのかという観点での長期的エネルギーシステムの構築を同時に考えた上でグランドデザインを構築していく必要があるとの指摘がありました。また、ミニマム・リクワイアメント(最低基準)という話もあるかもしれない。ポリシーミックスで効率的に政策目的を達成すべきという指摘もありました。社会的負担は誰かが負わねばならず、結局は国全体で負担する必要があるということです。では、山地委員。
  • 山地委員
    今回の中間論点整理は、上手く書けていて尻尾が掴みにくくて、事業者の意見を伺ってどのように解釈すれば良いか考えていたところですが、事業者の意見については大体分かりました。結局、今回は代エネ法を改正するということだが、エネルギー政策基本法があって、新国家エネルギー戦略、あるいは長期エネルギー需給見通し、福田ビジョン、低炭素社会づくりということ、色々なものがある中で、今回これらを上手く受け止めていくべきと考えています。その中で、今回の論点整理のなかで、かなり文学的で難しいと感じたのは、何人かの方がご指摘されている「重く受け止めるべき」という表現です。この表現は、最大導入ケースを特に言及されていると文脈的には読めるのだが、「重く受け止める」というのはどういったことを言っているのか、やはりもう少し取っ掛かりがないと議論しづらい。誘導的規制というものに持っていくのかかもしれないと思っていますがはっきりメッセージが伝わらない。以上は感想めいたことであるが、今回このなかで言及されていない事について考えてみてはどうかということについて、および既に言われたことであるが私の考えについて述べたいと思います。
    1点目は、今回、エネルギー供給事業者と国のことだけが記載されているが、特に新エネルギーなどは地方自治体の役割が重要です。エネルギー政策基本法では言及されていることから、地方自治体の役割や責任についてもある程度の配慮があっていいのではないでしょうか。
    2点目は技術開発にも書いてあるが、研究開発について、個別にはもちろん中間論点整理に示したとおりではありますが、資料7ページでは(1)革新的エネルギー技術や未利用エネルギーの開発、(2)非化石エネルギーの導入拡大、(3)化石燃料の高度・有効利用と記載されているところでありますが、このなかで特に(1)については研究開発が深く関係するところです。研究開発では、経済産業省だけでなく、文科省や大学等についても配慮した書き方かできれば拡がると思います。原子力は文科省も関係しますので。
    既に言われたことではあるが、ガス業界が特に強調されている、電気事業でもヒートポンプが該当するが、需要サイドの取組みについて是非注目してほしいとの発言がありましたが、これは当然のことです。言葉としては「エネルギー供給構造高度化」となっているが、「供給構造」という表現では需要サイドが読み取りにくい。なので「供給利用構造高度化」といったようにネーミングを考えて頂きたいと思います。需要サイドの努力は非常に大きいものがあり、供給サイドと強いリンクがあるが、供給と需要の壁をなにか上手く取り払う概念を持ち込む工夫をお願いしたいと思います。そうすることによって事業者がやれることが出来て、しかもそれが認知される面が出て来ると思います。ぜひそこに工夫をしてほしいと思います。
    次に、言われていることではありますが、コスト負担問題というのは非常に大きな問題であると思います。例えばコストを負担するということは、一方で公益的役割・メリットがあるといえます。例えば、ゼロエミッション電源50%というのは、CO 2削減という話です。しかしこれは、CO 2削減であれば、PPSの中村委員が発言されたように、排出係数と捉えても同じことであります。やろうとしている制度のなかで目的としていることにコストが伴うわけだが、それにどのようなベネフィットがあるのかを定義したうえで、それでコストがどのように発生していて、そのコストをどのように分担するのかを考える必要があります。もう少しベネフィットとコストの関係をもう少し明確にしたほうが良い。単に何かを重く受け止めて、コストが発生してしまい、その負担だけを考えるということではなくて、やはり重く受け止めることにはベネフィットがあるのだから、ベネフィットを受ける対象を考えてコスト負担を考える話になるので、コスト負担の議論の整理ができると思います。
    最後は個人的に関係したRPS制度について。RPS制度は色々言われて、私は弁護することが多いのですが、同じゼロエミッション電源でも再生可能エネルギーと原子力とでは、ずいぶん実力の差が歴然としてあります。そういう中で、再生可能エネルギーを推進するために、いわゆる規制法ができている。従って、原子力に真っ向から勝負しているわけではありません。再生可能エネルギーは明らかにまだ弱いが、強く育てるためにRPS法があります。低炭素社会作りにおけるRPS法の重要性を認識して頂きたいと思います。この小委員会の中で雲散霧消するとは思っていないが、単に非化石エネルギーであれば良いと一括りにするのではなくて、再生可能エネルギーは再生可能エネルギーで焦点を当てた政策が必要であると思います。
  • 石谷委員長
    色々と新しい観点からの御意見に感謝します。確かに「重く受けとめる」は非常に文学的で、なかなか分かりにくいと思います。昔、アメリカの人が「ゴールとターゲットは違う」と言っていたのを聞きましたが、そのような感じなのかと思い聞いていました。その辺りは、後ほど事務局から回答いただきたいと思います。
    国とエネルギー事業者の関係に地方自治体の役割がある、あるいはR&Dについては国全体としての整合性が必要との指摘がありました。また、供給構造といっても、特にこれからの新しいエネルギーシステムに対しては需要構造と結びついて考えていくことが重要との指摘がありました。良い例かどうか分かりませんが水素のようような燃料は今までの供給構造とは違う形であって、どこがエネルギー源になるのか、それをどういう形で転換していくか、そういったことも含めて考えるべきであろうと思います。更にコストベネフィットの議論についてご指摘頂きました。特にベネフィットは非常に多様であります。一つはCO 2削減ですが、もう一つは資源の流出といったこともあろうかと思います。最後にRPSはRPSで考えてやっていくべきとのご意見を頂きました。それでは、中上委員。
  • 中上委員
    いくつかご意見はでましたが、他の委員と同様に、資料2の5ページの「重く受け止める」とはどのような意味なのかと思っていたところであります。廣江委員からご指摘があったが、ベースラインとしてこのラインから話を進めた方がよいのではないか。徹底して削減を進めたケースとして最大導入ケースがあると理解すればよいのではないかと思っております。絶対的な数字ではなく、これを達成できれば一番よいということであり、大変長い道のりになるかもしれないが、ここに至る道筋を考えていけばよいと思います。
    山地委員からご指摘があったが、気にかかるのはユーザーサイドの視点が落ちていることであります。前回欠席していたので既に議論があったのかもしれませんが、私は民生分野が専門なので、その観点から考えますと、消費者が何を基準にエネルギーを選ぶのかと言えば、やはり最初はコストであります。貧しさから脱却し豊かになるにしたがって、より快適で利便性の高いエネルギーにシフトしていくことになります。どんなに良いエネルギーであってもコストが高ければ使わないのであり、ここがLPガスと都市ガスが若干違うということにつながります。コスト差があるので、同じガス体エネルギーと考えてしまうと、ミスリードになることは以前に申し上げたところであります。一方、一次エネルギーであるガスはどちらかといえば熱が主体であり、しかし二次エネルギーである電気をつくることもできますが、いわゆる電気とは全然ちがっているもので、豊かさの順序でいって序列をつけると、叱られるかもしれないが、オイル、ガスがあり、その上に電気がある構造ではないかと思います。だからといって、全部電気にしたらよいかというと、なかなかそのようにはいかず、電気は違った特性があり、ワットばかりが増えても困るのであり、それなりのアワーが発生しないと発電所の稼働率が下がってしまいます。どこかにバランスポイントがあるのではないかと前に申しあげましたが、そのような観点からの議論は、この場では拙速と先ほどもおっしゃっていましたが時間が足りなくてできないかもしれない。しかし、そういった論点をどこかできちんと詰めておかないと、何か重要なポイントを見過ごしたまま過ぎてしまって、今日の議論にもあるように供給者サイドだけの議論で終わってしまう。ユーザーサイドから見た場合に何か自分たちと関係のないところの議論となってしまうのではないか。それが最大の懸念でございます。
    もう一点は山地委員からもお話がありましたようにエネルギー供給事業者にとって、色々なプラントや精製基地、発電所等の立地地点が必ずあり、それは各市町村にあるわけではなく、ある地点に集中する訳であります。そのため議論をする際に、公平に自治体一般として議論ができないかもしれませんが、やはり地方自治体の役割をもう少し浮き彫りにしておかないと、例えば東京都等は「あなた作るひと、わたし使うひと」のようになってしまい、全然供給サイドの話については深い認識を持たなくなってしまいます。先日もそのようなヒアリングで、「柏崎の件、あるいは福島の件を東京の方はどのように考えているのか」と現地の人から聞かれたところであります。そういった地方自治体の問題は悩ましい問題でありますが、今回の論点整理のどこかに書き込むか、もしくは地方自治体の役割を明確化しておかなければならないのではないかと思います。
  • 石谷委員長
    「重く受け止める」点については、皆さん重く受け止めていただいているようですが、言われたように最大導入ケースは上限に近く、先ほどの言い方ではゴールのようなものではあるが、現実にそこをターゲットにするのは難しい。しかし、やはり重く受け止めなければならないのではないか、という理解だと思います。
  • 中上委員
    これまでの社会はある種のアローワンスをもって設計できたが、アローワンスを取りにくくなったことが、このような議論になっている要因ではないかと思います。
  • 石谷委員長
    確かに今までのような議論で済むのならば、このような委員会は必要ないことになります。
    ユーザーサイドの視点についても、長期のエネルギーシステムを革新的に変えていかなければいけない時に、供給側だけ変えても受け取る側が変わらないのでは意味がない。これは先ほど山地委員からご指摘をうけたとおりです。
    最後に、木場委員。
  • 木場委員
    山地委員、中上委員と重なるが、これまでの資料には供給側の議論は載っているが需要側、ユーザー側視点での提案はなく、今回やっとみつけたものが「他方、需要側の取組も重要」という1行のみであります。
    また、「国民」という言葉を見つけ、『最大導入ケース』の説明の箇所4ページの下枠のところですが、1行目から2行目にかけて、「省エネ性能の格段の向上が見込まれる機器・設備について、国民や企業に対して更新を強制する一歩手前のギリギリの施策を講じた状態を想定。」となっており、ギリギリまで頑張った結果が最大導入ケースという意味だと思います。このような状況を現実的な目標として、それを基盤として規制を考えるのが妥当かどうか疑問であります。目標は目標としてこういうものがあるのは賛成であるが、これを基本として、どの程度規制をかけていくのか心配な部分があります。同じページの下から2つめ、1つめ、この2つに関して「『最大導入ケース』の場合、企業経営としてなりたつのかどうか。」2つめに電源、送電線の建設計画を行う、こういう心配な箇所は、翻って消費者の方にもふりかかってくるので、慎重な検討をお願いしたいと思います。
    以前も申し上げたが、誰が、どれだけ、どういったことに取り組むのかということの中で、地方自治体と国民が抜け落ちがちである。最大導入ケースは国民がかなり努力しなければ達成できないので、ユーザー目線の取組も取り入れて欲しいと思います。
    代エネ法の大前提として安定供給、環境性等があるが、安定供給という部分では資源少国として企業がどのように世界で安定的に資源を調達する目途をたてているのか、あまり資料に反映されていない気がします。
    もう一つは素人、生活者の立場から言うと、高度化とか高効率化とか記載されていますが、高効率化したときにCO 2が今より何%減るかや経済的なコストの削減率等、具体的に想像できる数値を見せてもらうとより見えてくる気がいたします。
  • 石谷委員長
    最大導入ケースは規制をかける問題とは少し違うのではないか。環境省は視点が異なるかもしれませんが、経済産業省は経済や産業育成の観点から物事を考えていくのではないかと思います。また、国民や地方自治体の役割は御指摘のとおりです。最終的にはコスト負担は国民の役割ということにはなるが、その前段階でもう少しコストパフォーマンスを明確にしていく必要があります。資源の安定供給に向けた企業の方針は、これまでの本小委員会において、それぞれの意見の中で示されたところと思います。それでは、事務局から。
  • 伊藤総合政策課長
    いろいろな観点から幅広くご意見をいただき感謝申し上げます。
    最大導入ケースに関して重く受け止めるべきと書かれていることについてですが、基本的に石谷委員長のご発言のとおりであります。長期エネルギー需給見通しにおける最大導入ケースは、先端の技術がきちんと導入されることを想定した上で、エネルギー需要が省エネで減少する一方で、これに供給側も対応するとした試算であります。こうした前提がきちんと実現した場合のものです。今後新しい制度ができた場合に、どういう方向で国全体としての需給構造を考えるのか。さらに供給側の目標をどう考えるのか。これらを改めて検討した上で決めなければならないが、そうした目標を考える際のベンチマークとして考えるべきものであると思います。最大導入ケースの前提条件や実現可能性については、今年の春の段階での試算で検討しておりますが、さらに精緻な分析が必要との指摘もあるかと思います。実際に制度ができた場合に、具体的に、特に供給サイドの事業者に取組んでいただかなければいけないことを考える際のベンチマークとして、しっかり重く受け止めるべきではないかとの意味で表現したものであります。
    需要サイド、ユーザーサイドの取組みについてご指摘がありました。エネルギーの法体系としては、需要サイドは、例えば工場やビルなどの大口使用者には省エネ法の規制でカバーされています。なお家庭など小口のエネルギー使用者については省エネ法の規制対象にはなっていません。今回はエネルギー需給をめぐる情勢を踏まえ代エネ法関連施策を見直すものであります。石油代替エネルギーを国全体でいかに開発導入するのかが、代エネ法の考え方であります。今回、石油代エネの思想を見通し、供給サイドからどこまで日本国内の需給構造全体を変えられるのかを考えているわけですが、供給事業者側が自らの事業としてやっているエネルギー転換の部分に加えて、需要サイドのところについても、いろいろな形で支援を行い、需要サイドが選択するものについてもかなり対応できる部分があるのではないかと思っております。今回の制度設計の検討においても、供給事業者の方々に担っていただくべき役割として、そのような分野までカバーし、その取組みを評価できる形にするべきではないかと考えているところでございます。
    コスト負担について、ご指摘がありました。新しい制度を作った場合に、どのようなコストが発生するのかを考えていく必要があります。社会全体のコストで言えば、仮に最大導入ケースを実現することになれば、2020年までの52兆円という初期投資額の累計額という資産があります。この内数の中でどのようなものがあるのかを考えていくことになろうかと思います。反対にこのコストを負担することにより、様々なベネフィット、例えば今回のように原油価格が上がった際の資金の海外流出をどの程度避けられるのかといったこともあると思います。これらをあわせて考えながら、中長期的な制度の意義とコストをできるだけ明らかに示していきたいと考えております。
    これ以外の部分についても、できるだけ取り込みながらまとめてまいりたいと思います。
  • 石崎エネルギー政策企画室長
    LPガスの位置づけについて。本資料ではそれはガス体エネルギーとして考えており、ガスの中に含まれていると考えております。
  • 石谷委員長
    十分に議論を尽くしていただいたようですが、資料2は案であるものの、当然これをベースに最終案をまとめていくことになる。現時点で議論がないようならば、後は個別に調整いただきたいと思います。
    これまで4回にわたり、エネルギー需給構造の高度化について議論してきましたが、それぞれの業界の事情、課題などは十分ご発言をいただき、資料の中にも事実関係を含めてまとめられているものと思います。もしさらに追加すべき点があるのならば、事務局まで伝えていただきたいと思います。
    確認というわけではないですが、今までの議論としては、化石燃料が太宗を占める中で安定供給が重要ではあるが、同時に福田ビジョンを重く受け止め環境面の考慮が必要ということであります。柏木委員も指摘されていたが、中期的に見れば日本だけの問題ではなく、欧米でも同じ問題があり、そもそも地球環境がもたないとの側面があります。長期的にはやはりエネルギーシステムを少しずつ低炭素化しなければ環境がもたないということだと思います。そのためには、今の段階からこの方向を十分意識していかなければならず、現在の経済体制のみを維持しようとすると地球環境がもたない。そのようなことを一応、エネルギー供給事業者の方々にも理解いただいたのではないかと認識しております。具体的な施策になると、いろいろな事情があり、需給部会、総合部会でも今後議論していくことになろうかと思いますが、その前提条件だけは理解いただいたものと考えております。
    安定供給に関して、今の資源の安定だけではなく、新しい再生可能資源も、ある種の安定供給に資する点があります。同時にベネフィットの部分もCO 2の削減だけではなく、産業育成の側面などがあり、コストが高いと言われるが、国内に技術が蓄積され、結果的に利益になると思います。このようなメリットを明確に考慮した上で、規制というと語弊があるかもしれないが、それを促進するような取組としてご理解いただきたい。現実には各エネルギー業界にはいろいろな問題があるとは思いますが、今のような状況を御理解いただいた上で、具体的に支障のない形で報告案とりまとめを進めていきたいと考えております。残された時間はわずかではありますが、最適な枠組みが実現するよう議論を深めていただきたいと思います。
  • 木場委員
    1点質問だが、タイムスケジュールについて、来月、政策小委員会や総合部会が予定されているようだが、今後どのように今日の議論を本部会に報告していくのでしょうか。
  • 伊藤総合政策課長
    次回の小委員会は12月8日を予定しております。そこで小委員会としての報告書案を議論いただき、それを踏まえて総合部会にあげていきたいと考えております。
  • 石谷委員長
    12月8日の次回の小委員会で中間報告をまとめて、総合部会に報告する形になります。あと1週間ほどで今回の案を報告書として細かいところまでまとめていきたいと思います。骨子は今回の資料2の流れに沿ってのとおりでありますが、何か御意見がありましたら、挙げていただきたいと思います。
    それでは最後に、上田審議官。
  • 上田審議官
    規制なのか、誘導的手法なのか、民間の創意工夫なのかとの議論がありましたが、多分それは二律背反の問題ではないと思っております。日本が世界に誇る一つの制度にトップランナー制度があります。省エネ法の世界で、今存在する一番省エネ性能にすぐれたものをトップランナーとし、それに追いついていない方々には、例えば5年後にその水準に追いついてもらうことを目標とする措置です。世界の中で日本が初めて取り組んだことでありますが、その効果は絶大であり、5年間でクーラーや車など、エネルギーの省エネ性能は3割4割を改善するのが当たり前となり、日本の産業力強化につながり、輸出を通じて企業の利益にも貢献しております。このような制度は他の国から注目を浴びており、最近もインド政府は、このトップランナーを取り入れることを表明しております。EUでも関心をもっております。こういった措置を規制というのか、誘導的手法というのか、ポリシーミックスというのか、ほとんど言葉の問題のような感もあります。いろいろな措置を複合的に講じることによって、スピードアップが図られ、世界の中での日本の競争力が強くなったといえると思います。そのような意味で経済的手法か、規制か、企業の創意工夫かについてはそれらが並存するような仕組みがあると考えます。資料2の表現は微妙な表現で分かりにくい点があるとは思うが、この分かりにくさに事の真髄が書かれているのではないかと思います。これまでの議論でこの方向性を否定される意見はなかったと理解しております。
    米国もオバマ大統領になると、CO 2を2020年に1990年レベルで安定化させ、2050年になると80%削減すると表明しました。米国は、今後相当なリーダーシップを発揮しようとしています。このような議論の中で、この頃つくづく思うことは、エネルギーの現場の関係者は、何ができるかを一所懸命に考え、できることを一所懸命に取り組み、できないことはできないと考えています。他方、環境派の人は2050年に半減しないと人類が生存できなくなるので、CO 2を安定化させることが目標であり、どう取り組むかは後で考えればよいとのスタンスです。そこでエネルギー関係者は「理想であり、できないことばかりを言っている」となり、他方、環境派からは「できることしかやらない。人類の生存を考えるべき」となり、ここにかなりのギャップがあります。その答えは簡単ではないが、技術で社会の構造変化を行い、何とか目標を現実的な目標に近づけていくということではないでしょうか。車のトップランナーを導入した時も、今の燃費の水準が達成できるとは誰も思っていなかった。供給サイドの議論も同じであり、今できることと10年先にできることは違うわけであり、できることからはじめてスピードを上げていけば、社会全体の構造を変えていくビジョンが作れるのではないかと思います。
  • 石谷委員長
    過去の省エネの議論に携わった時も業界代表、消費者代表から「もっと進めるべき」「それはできない」などの議論がありましたが、やってみると取り組めるものであり、これが日本のよいところではないかと思います。ただ、エネルギー供給の効率化、低炭素化はそのように簡単にはいかず、時間もかかるとは思いますが、だからこそ、上田審議官のご発言のとおり、少しでも早く方向を決めていかないといけないのではないかと思います。世界的趨勢に乗り遅れるとむしろより厳しいことになってしまいます。そうはいっても現実を見ながら進めていくものであり、経済産業省がやることなので現実という範囲は逸脱しないと思いますが。
    次回の本小委員会は、12月8日月曜の9時半より、本日と同じく、経済産業省本館17階の国際会議室にて開催いたします。
    内容としては、本日の議論を踏まえて「政策小委員会中間報告書(案)」を提示し、本小委員会のとりまとめに向けた御議論をいただきたいと思います。資料の作成は、事務局にお願いいたします。委員の皆様におかれましては、引き続き精力的な御審議をお願いいたします。それでは、これをもちまして総合資源エネルギー調査会総合部会第4回政策小委員会を閉会いたします。 本日は、御多忙のところ、長時間にわたり熱心に御議論いただき、誠にありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年2月4日
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