経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会政策小委員会(第6回)-議事録

日時:平成20年12月18日(木)

議事概要

  • 石谷委員長

    それでは、定刻になりましたので、ただいまから総合資源エネルギー調査会総合部会第6回政策小委員会を開催させていただきます。

    本日は、ご多忙のところ多数の委員の皆様にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

    それでは早速、資料1-1の議事次第に従って進めてまいりたいと存じます。

    本日の議事進行ですが、まず、事務局から「政策小委員会中間報告(案)」の、主に前回からの変更点について10分程度でご説明いただいた後、残りの時間を使って議論を行いたいと存じます。

    それでは早速、資料2-1からお願いいたします。

  • 石崎エネルギー政策企画室長

    それでは、お配りしております資料2-1というのを見ていただきますと、今回、前回一通りご説明をいたしましたので、主な修正した部分のみのご説明といたします。

    2ページからでございますけれども、ここでは、15行目あたりからでありますけれども、本年9月に閣議決定された「新経済成長戦略」においての「資源生産性」の向上の重要性、これについて言及しております。それから、27行目からでありますが、一次エネルギー源の定義をしっかり書くことというご指摘がありましたので、ここに括弧内、「石油、天然ガス、LPガス、石炭、原子力、水力、地熱、新エネルギー等」ということで、記述をさせていただいております。

    2ページほどめくっていただきまして、4ページの中ほどでありますけれども、ここでは、地球温暖化、2013年度以降の次期枠組み交渉の中で、我が国として主張しておりますセクター別アプローチの活用についての言及を追加しております。さらにページをめくっていただきまして、5ページの最後のころから6ページの間でありますけれども、ここには「我が国の誇る、世界最高水準の省エネ技術・高効率技術(石炭火力発電所の発電効率の高効率化技術等)等の海外展開にも積極的に取り組むとともに、革新的技術開発を積極的に推進することにより、世界全体の排出量削減に一層の貢献を行うべきである」ということをつけ加えております。

    次、7ページでございますけれども、エネルギー政策基本法の柱であるところの「安定供給の確保」「環境への適合」「市場原理の活用」ということで、3Eというものの中身、それからエネルギー政策基本法との関係を記述してあります。それから、7ページの33行目からでありますけれども、ここでは丁寧に記述いたしまして、国内自給率の向上との関係で、「既存の化石燃料の供給確保とともに、原子力、再生可能エネルギーの更なる推進」というのをつけ加えております。

    さらに8ページでありますけれども、29行目あたりからでありますけれども、「長期エネルギー需給見通し」と「新・国家エネルギー戦略」との関係について前回若干のご議論がありましたので、その関係について記述をしております。「新・国家エネルギー戦略」に掲げられた、2030年までにエネルギー効率を30%以上改善する、そして運輸部門の石油依存度を80%程度とする、それから原子力発電の比率を発電電力量の30~40%以上とする、こういった長期的な方向性を実現することを目指して、長期エネルギー需給見通しというのはつくられておりまして、「新・国家エネルギー戦略」に掲げられた幾つかの目標というのを目指すということで、つくられております。

    それから、ページめくっていただきまして、9ページの3行目からでありますけれども、前回のご指摘を踏まえて、長期エネルギー需給見通しに関しての幾つかの事例を載せております。具体的には民生・運輸部門における太陽光パネルを新築の7割に導入して現状の10倍まで普及、それから次世代自動車の販売を新車販売の半分まで増加させる、高効率給湯器・コジェネを全世帯の半分に相当する約2800万台まで普及させるといった導入を想定しているということを記述しております。

    次に、10ページにおきましては、(2)(1)のiからii、iiiのところの記述を若干丁寧に書いております。技術開発の推進ということで、革新的太陽光発電や先進的原子力発電などの開発、オイルサンド・メタンハイドレートなどの非在来型資源、それから非化石エネルギーのところでは、原子力、水力、地熱、新エネルギーなどの導入を拡大すること、そして化石資源の高度・有効利用については、有限な化石資源、原油、天然ガス、石炭などの生産性を徹底的に高めるために、その高度利用を推進することを図っていくということを書き加えております。

    その他、10ページの下のほうでは少し、長期エネルギー需給見通しの内容について、若干の修文を行っております。

    それから、11ページから12ページにかけてありますけれども、新エネルギー部会の緊急提言の内容、それを新エネルギー部会ということを明確にしたということと、それから、12ページの上段からでありますけれども、原子力に関する記述について、国家的な目標との関係について、追加的に記述をしております。「原子力政策大綱」、これでは「2030年以後も総発電電力量の30~40%程度維持用を担う」という目標、そして「低炭素社会づくり行動計画」においては、「2020年を目処に発電電力量に占める「ゼロ・エミッション電源」の割合を50%以上とする目標の中で、低炭素エネルギーの中核として位置付けられている」と。それから、「電気事業者においては、国による事業環境整備の下、これら政策目標が実現されるよう、徹底した安全の確保を前提に、立地地域を含む国民の理解を得つつ、原子力利用の推進に最大限の努力を行うことが期待される」という旨を書き加えております。

    ページをさらにめくっていただきまして、13ページでありますけれども、幾つか修正がありますが、主なところは22行目からでありますけれども、バイオマスエネルギーに関して、特にエネルギーの資源を保有する方々の協力ということについて言及がしてあります。すなわち「バイオマスのエネルギーとしての活用に当たっては、その発生源が多岐にわたるため、様々な主体との協力が不可欠である。このため、国としては、関係省庁間の連携を強化し、地方公共団体をはじめとする関係者の協力を得られるように支援すべきである」ということで、それから、下のほうでも地方公共団体、「非化石エネルギーの導入拡大を進めていく上で果たしている役割の大きさを認識した上で、その役割・責務を明確にし、国、事業者との連携を深めていくべきである」ということを書いてあります。

    さらにページをめくっていただきまして、15ページの6行目ぐらいから、若干の修文を入れてあります。すなわち省エネ法の誘導的な枠組みについて少し丁寧に書いてありまして、「省エネ法を参考とした適切なポリシーミックスによる誘導的規制」、そしてなお書きとして、「実際に枠組みを検討するに当たっては、今回の枠組みが、供給側に対する誘導的規制を行うものである点に留意しつつ、民間活力を最大化するための制度設計を行うべきである」ということを記述してあります。

    それから、16ページにつきましては、前回の「(3)エネルギー供給事業者を対象とすることについて」の後段の部分に関しては、もう1つ項を設けまして、「国及び地方公共団体の役割」という項目をつくりまして、そちらのほうに重立ったことを記述しております。すなわち「エネルギー供給構造高度化が実現するためには、エネルギー供給事業者における相当の投資や取組が必要となることから、単にエネルギー供給事業者に任せるのみでは実現が困難な場合がある。したがって、官民一体となって取り組むべき必要のある課題と考えられることから、国や地方公共団体も一層の役割・責任を分担すべきである」ということを記述してあります。

    次の17ページでありますけれども、幾つか若干の修正がありますけれども、主なところは(3)の「セクターを超えた取組」、30行目からでありますけれども、「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー導入への取組は、エネルギー供給事業者が自ら供給サイドでの非化石エネルギーを導入することが大原則であるが、需要サイドと協力した取組を供給サイドの努力として積極的に比価することも考えられる」ということで、化石資源の利用の高度化についての例として、例えば、コンビナートにおける石油精製業者と石油化学製造業者との連携などについて、記述をいたしております。

    18ページの一番下のほうでありますけれども、34行目ぐらいからですけれども、「各セクターが公平な枠組みの下でエネルギー供給構造の高度化に向けて努力する」ということを加えております。

    19ページに行きますと、幾つか修正がありますけれども、特に(8)の「コスト、ベネフィット」のところは少し丁寧に書き加えさせていただいておりまして、特に中段のあたりからですけれども、可能な限り定量的な検討が必要であるということと、国民全体とエネルギー供給構造の理解促進を図ることが重要であると。それから、制度の実施により発生するコストについて、「国による積極的な支援を行うとともに、エネルギー供給事業者の企業努力による削減を図りつつ、最終的には、国民全体で負担することが必要であり、その方策についても今後の検討が必要である」ということを加えております。

    最後、20ページでありますけれども、中ほどの5行目からでありますけれども、民間事業者の自主的取組、政府の支援強化、そして国民一般の努力等も含め、新エネルギー導入の枠組みについての十分な議論が必要であるということ。そして最後の「(10)エネルギー使用者」のところでありますけれども、幾つか事例を書き加えましたほか、最後のところで、「その際、新たな技術の特性がエネルギー供給構造高度化に与える影響を十分勘案しながら制度設計を進めなければならない」という記述をつけ加えております。

    以上が前回から若干加わりました内容でありまして、主な修正した部分についてを中心にご説明をさせていただきました。以上であります。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、各委員からの活発なご議論を賜りたいと存じます。ご意見のある方はいつものようにネームプレートを立てて、ご発言をお願いしたいと思います。

    本日は最終回にしたいと願っておりますので、あまり活発にされても困るのですが。今までの会合におけるすべてのご意見、特に前回会合以来のご意見は最終案にしっかりと反映してあるとは思いますが、最後の機会ということで、ぜひご意見を賜りたいと思います。

    では、廣江委員、どうぞお願いします。

  • 廣江委員

    ありがとうございます。前回、まだ議論が煮詰まっていないのではないかということで、何点か申し述べさせていただきましたが、これらの点について十分にご検討、ご配慮いただき、今回修文いただいたという点について、委員長並びに事務局の皆様方に御礼を申し上げたいと存じます。

    この報告書につきましては、もうほとんど異論はございませんが、今後法案を検討されるに当たりまして、前回申し上げたこととやや重複いたしますが、確認の意味で、2点ほどお願いを申し上げたいと思います。

    まず1点目。既に今回の報告書に相当書いていただいておりますが、国、地方公共団体の役割、責務という点でございます。これまでも申し上げてまいりましたが、従来私ども電気事業者は自主的に、また着実に低炭素電源、ゼロ・エミッション電源の開発に取り組んでまいりまして、一定の成果を上げてきたと考えております。ここに規制が入ったからといって、突然、大幅にそうした低炭素化がさらに進むということでもないと思っております。むしろ今後、大切なことは、国なり地方公共団体のご支援だと思っております。

    そういう面から申しますと、資料の15ページ10行目以降に、「民間活力を最大化するための制度設計を行うべきである」といったくだり、さらに16ページには、1項を設けまして、「国及び地方公共団体の役割」を書き込んでいただいたことについて、改めて感謝を申し上げたいと存じます。

    今後、法案の検討に入られますが、事業者への責務のみを一方的に書くということではなく、国、地方公共団体が果たしていただくべき役割等についても明記いただいて、バランスのとれた内容にしていただきたいと、お願いする次第でございます。

    改めて申すまでもございませんが、例えば省エネ法においては、国の講ずべき義務として、財政上、金融上及び税制上の措置、あるいは研究開発の推進及びその成果の普及といった項目等々が記載されております。また、新エネ法においても、その基本方針の中で、政府の講ずべき措置として、普及促進策、地域における導入支援策、技術開発や実証試験の推進等々、また、さらには地方公共団体の講ずべき措置等についても明記されております。ぜひこうした点を踏まえていただきたいということでございます。

    2点目は、エネルギー間、エネルギー事業者間の公平性という点でございます。今回の報告書の中にも記載していただいているところでございますが、まさにこの報告書にもございますように、エネルギー事業者がフェアな競争条件のもとで、今後とも切磋琢磨しながら、健全な発展を遂げるような枠組みをお願いしたいという点でございます。

    以上がお願いでございます。

    最後になりますが、今回の資料の9ページの下の方に、最大導入ケースについて、「国全体として目指すべき目標のベンチマークとして位置づけるべきものであると考える。そして、こうした観点から、今後、別途、国全体として目指すべき目標について更に検討を深めることを提言するものである」と書いていただいておりますが、この記載について、これまでの小委員会での議論を通じた私どもの認識は、現状をしっかり踏まえた現実的な目標を検討するということであると理解しております。

    私どもは毎年、供給計画を届け出をいたしておりますが、これこそが私ども事業者にとって現実を踏まえたあるべき姿であると考えております。ローリングというプロセスはありますが、これが現実のものとなるよう、引き続き謙虚に、粘り強く取り組んでまいりたいということを最後に申し述べまして、発言を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。今の最初の2点については、後で事務局のほうからお答えいただきます。

    どうぞ、高橋委員。

  • 高橋委員

    私どもが前回お願いをいたしました点を反映いただき、ありがとうございます。

    今回13ページの22行目に、バイオマスの活用に当たって、国としての関係省庁間の連携や、地方公共団体に対する協力を得られるように支援すると書いていただいている。そうしていただくことが、私どもがバイオガスに取り組む上で大変重要だと思っております。先ほどご説明にもありましたが、バイオマスを持っている方にご理解をいただき、それをバイオガスになるようにお願いをしなければいけませんが、いろいろ設備投資等かかるものでございますので、私たちも技術開発等努力してまいりました。今後、様々な地方公共団体や国土交通省等が、有効利用の観点から、バイオマスの発生への取り組みによりご協力をいただくということであれば、我々としてもこの取り組みを進められるのではないかと思っているところでございます。

    それから、エネルギー間の公平性については、同床異夢なのかもしれませんけれども、報告書の18ページの「競争条件の公平性」という部分と、それから(6)番に「実現可能性への配慮」と、この2つがセットになっていると私は読みました。公平な枠組みの中で行うということは、どの世界でも同じでございますけれども、そのエネルギー事業者の取組みが実際に実現可能性があるかどうかということと、何が実質公平性であるかということをきちんとご理解していただき、また私どもにお示しいただいて、行っていただくということであれば、私どもとしてはそのもとで、エネルギー供給事業者として一層供給構造の高度化の実現に取り組んでいきたいと思っております。重ねて申し上げますがこの(5)と(6)というのが一緒になっていると理解をいたしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

    以上でございます。ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    葉梨委員、どうぞ。

  • 葉梨委員

    ありがとうございます。質問を1点申し上げたいと思います。

    先ほど廣江委員からもお話がありましたように、政策小委員会としては、本日の中間報告書案の取りまとめをもって、エネルギー需給構造の高度化を目指した制度設計の方向性を示したわけで、今後新たな法体系の整備に向けた作業に取りかかることになるかと思っております。

    中間報告書では、19ページに、省エネ法との関係について、二重規制を避ける、また一体的な法運用面からも言及しておりますが、代エネ法との関係につきましては、4ページの5行目に、代エネ法を中核としたこれまでの政策見直しの必要性について言及はしているものの、制度設計上の同法の取り扱いについては見えておりません。

    可能な範囲で結構ですが、代エネ法の廃止、見直しを含め、新しい法体系の中で代エネ法がどうなるかなど、法体系の方向性をコメントいただければ幸いでございます。以上です。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    順番からいうと山浦委員、どうぞ。

  • 山浦委員

    まずは、今回の取りまとめに尽力いただきました石谷先生、上田審議官はじめ、資源エネルギー庁の皆様方に感謝申し上げます。

    中間報告の基本的な柱として、代替エネルギー政策の見直し、あるいはエネルギー政策の基本法の理念というものに基づきまして、いろいろエネルギーの特性を分析していただき、また供給構造の高度化を進めるという方向性を示していただきましたことは、非常に時宜を得た有意義なものと考えています。

    そういう意味で、今後総合部会で、まとめを受けて具体的な制度設計に入るということになろうかと思っておりますが、繰り返しになりますが、大事な点をもう一度確認させていただきたいと思います。

    この資料10ページに、一番エネルギーの供給構造の高度化で何が大事かということで、技術革新等の推進、あるいは非化石エネルギーの導入の拡大、化石資源の高度・有効利用という点を、赤い字で修正していただきましてありがとうございます。これの実現に当たりましては、政府による誘導的な措置、あるいはエネルギー供給事業者の創意工夫、最大限のコスト削減努力、最終的には国民の負担になるという点も書いていただいております。そういう意味で、具体的な目標なり取り組みを構築していく際には、今後タイムフレームに基づいて、基本的な供給確保ということを維持しながら、費用対効果を踏まえて実現可能性のある、そういうフレームワークをぜひつくっていただきたいと思っています。

    14ページ以降に、エネルギーの制度設計ということで書いてございます。これに書かれたとおりでございますし、今回の取り組みについては、最終的には15ページに修正していただきましたとおり、我が国の国民生活の質的向上を図るというのが最終目標でございますけれども、同時に民間活力を最大に活用し、制度設計を行っていただく。これを通じて、我が国の産業の競争力が強化されるという戦略的な意味づけをしていただいているわけでございます。ここが産業にとっては非常に大事なところではなかろうかと思っております。

    そういう意味で、16ページにも書いてございますように、国、地方公共団体、そして実際に事業を担当する産業界、これらが一致協力して取り組んでいくということで、タクトを振る政府サイドにおいては、供給事業者の意見を十分聞いていただき、そして実効性のある取り組みをぜひ構築していただきたいと、こう思っております。

    大変ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    では、中村委員、どうぞ。

  • 中村委員

    ありがとうございます。電気事業の新規参入者として一言。

    今回の議論につきましては、私どもプレゼンもさせていただき、また中間報告をまとめるに当たって、2回にわたって丁寧な議論をさせていただいているということで、非常に感謝しているところでございます。

    私どものほうといたしまして、繰り返しになりますけれども、やはり電気事業の中の新規参入者として、我々の事業の特性を踏まえた形の中で、19ページのRPS法との関係というところを書かれてございますけれども、やはり事業者の自主的取り組みと誘導的規制のミックスが、ここの中間報告でまとめられている中での大きな柱となってございますので、ぜひRPS法の関係につきましては、我々の自主的な取り組みといったところ、あるいは我々の事業の特性、我々の制度上置かれている立場といったところを十分ご理解いただいて、ここでも十分な議論が必要ということで書かれておりますけれども、お願いしたいということでございます。

    以上でございます。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    一通り、事業者サイドの委員の皆様のご意見を伺いましたが、ちょっとご発言が切れましたので、ここで事務局から今までのご質問、ご意見について応答を願います。

  • 伊藤総合政策課長

    ありがとうございました。

    今回小委員会においては諮問の内容であります、これまでの石油代替エネルギー政策を含むエネルギー供給構造の高度化政策について、どういうふうに方向づけていくべきかという点について、いろいろな議論をいただき、供給構造の高度化という方向性を出していただきました。結果として、10ページにあるとおり、技術開発と非化石エネルギーの導入と化石資源の高度利用を合わせたものとして方向づけていくという考え方をいただきました。今後は、この方向性の下で、法制度の検討プロセスに入りたいというふうに考えております。けれども、現行法の石油代替エネルギーの開発及び導入に関する法律は、基本法といいますか、エネルギー政策の関連法制全体をカバーする法律であります。また供給事業者に対する制度的枠組みをつくる場合、どういう形での法律が必要かといった点は、政府の法体系全体を見ながら考えていくべきことでありまして、これから法制局とも議論をしていくことになります。今後については、報告書にお示しいただいた考え方のもと、いろいろな観点から検討を行い、新たな領域についてどういった法律事項があるかを考えつつ、制度設計するということになります。

    具体的な内容はこれからの議論でございます。

    それから、エネルギー間の公平性、あるいは、実現可能性などの論点と考え方は報告書の中に示していただいております。制度設計の段階では、こうした論点は十分踏まえて対応したいと考えております。また、制度ができた後においても、具体的な目標なり内容なりを決めていく時に、当然、こうした考え方をしっかりと踏まえるべきものと思っております。

    ご質問を受け、今の時点の検討状況をご報告しました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございます。よろしいでしょうか。

    今まで短い時間でしたが、かなり率直というか忌憚のないところを、何回か議論していただく時間がありました。この最終案にご意見の主旨は大体は反映されていると思います。私が受けた感じでは最初から各委員の間にそんなに大きな理解のギャップがあったとも思えないのですが、表現の仕方とか重点の置き方には相当な違いもありました。ただ数回の小委員会における活発な意見交換などで、この辺の理解、表現も今までに大体落ち着いたのではないかと思います。これから後はかなりの委員の方は総合部会委員も兼ねていらっしゃいますので、総合部会で続けて更に議論を深めていただきたいと思います。

    橘川委員、どうぞ。

  • 橘川委員

    ありがとうございます。他の委員の方々と同様に、石谷委員長及び事務局の方が非常に皆さんの意見をたくさん酌んでくださいまして、改善されたという点は非常に感謝いたします。

    誘導的規制というものを前提とするのであれば、必要な目配りはもうほぼされたというふうに思います。ただ、私自身としては、このタイミングで、このスピードで誘導的規制を入れるということについての意見は前回申し上げましたので、いろいろ辞書を調べて、ベンチマークという言葉を調べたんですが、やはりみんな「基準」というふうに書いてありましたので、それほど軽くない言葉だと了解いたしましたので、前回とその点、基本的な姿勢は私は変わりません。

    特に性急だと申し上げたのは、この小委員会を始めたタイミングと現在の経済情勢の違いなんですけれども、ご存じのような世界同時不況が進む中で、エネルギーセキュリティー、エンバイロンメントと、ここのところその意義が強調されてきましたけれども、やはりエコノミーという面がかなり重要な、前面に出てきたんじゃないかと。その地合いを見た上で、もう少し落ち着いて考えてもいいのではないかというのが私の理解であります。例えば、産構審の地球問題小委員会の委員長をやられている茅さんも、ごく最近『低炭素エコノミー』という、「エコノミー」が入った本を出されたというところが非常に特徴で、その中で、福田ビジョンですとか最大導入ケースに対して、かなり慎重なご意見を展開されているわけですね。そういう意味で考えると、大事な問題なので、もう少しじっくり議論したほうがいいのではないかというのが私の考えであります。

    ということで、基本的なテーマを申し上げてきたんですが、特に石炭火力に対する最近の、産構審と中環審の合同委員会に参加したり何かしている印象からしますと、石炭火力が非化石シフトの中で、極言するとやや悪者扱いされているような傾向が強まっているというところを特に懸念しております。キロワットアワーベースでいくと、日本は28%、石炭火力に対して、アメリカは51%、中国は79%、インドは69%、あれだけ再生可能エネルギーが進んでいると言われているドイツでも50%あるわけですね。

    そういう現実を踏まえますと、ほんとうに世界のCO2を減らしたいのならば、ベストプラクティスを実現している日本に石炭火力を置いて、そこでどんどん技術革新して、それをてこに、今のベストプラクティスでも10億トン減らせる、福田ビジョンを達成できる水準まで行くわけですから、そういう一種ダイナミックな、地球環境問題なので、グローバルなアプローチというのが重要だというふうに思います。

    例えばそういう意見もあると思うんですけれども、そういうことも踏まえて、今後ともやはりこの問題について、あまり性急ではなく、ちゃんと問題を考えていかなければいけないのではないかというふうに思います。以上です。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    確かにご指摘の点については、私も共感をおぼえます。今の京都の枠組みを守ろうと、日本だけがまじめに動いていて、この小委員会でもこれを遵守するために厳しい議論をしていますが、一歩外へ出ると今おっしゃったような矛盾がある。その中でこういった対応が経済的に成り立つかどうかといった議論もいろいろあるかと思いますが、国内でいかにして低炭素社会を実現するかを検討するということがこの小委員会の使命として最初から与えられていました。今のような点についての議論は、しかるべき場所でぜひ進めて頂きたい、どうせ多くの先生方が何らかの形でこういった議論に関与していらっしゃるわけで、是非広い視点から議論を進めていただきたいと思います。ただ、今のご意見は非常に重要なので、議事録にはしっかりと記録して頂きます。

    今の点について、伊藤課長、もし何かコメントがありましたらどうぞ。

  • 伊藤総合政策課長

    石谷先生のおっしゃったとおりでございますが、この委員会の事務局というよりは、エネ庁として申し上げれば、どういった形で地球規模の温室効果ガスを減らしていくかといったときに、進むべきアプローチというのは、日本が今持っている最先端の技術を、引き続きその最先端の状況、地位というものを維持、向上させていくというところが不可欠だと思っています。こうしたところで、海外を引っ張りリーダーシップを発揮するというのが、世界の排出量の4%しかない日本にとって一番重要な役割ではないかというふうに考えております。前回小山委員からも同じようなご指摘もあって、報告書の中の4ページあたりにも記載があります。こうした観点をしっかり踏まえていきたいと思っています。より国際的な問題も含めてしっかりと議論して、発信していかなければいけないテーマだろうと思っております。

    それから、石炭については、この委員会で議論がありましたが、これからのエネルギーセキュリティーと温暖化と両方考え合わせて、やはり引き続き重要なエネルギー源と考えられます。先端の技術をできるだけ早く実用化させて、石炭を使うに当たっても、最も効率的な、よい技術というものを実用化していくというところは外せないところだと思っております。そういう方向と、そごのないような形で、今回の、制度設計を狭めていきたいと考えております。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    10ページのiiiのところに、括弧の中ですけれども「石炭」という言葉が明記されておりますので、それを今の橘川先生のお話の意味に理解していただくといいのかと思います。

    もしご意見がなければ、極めて早い終了ということになりますが、よろしいでしょうか。

    はい、どうぞ。

  • 柏木委員

    前回も私申し上げたんですけれども、これに関しては異論はなくて、これでいいと思っています。要するに低炭素型社会とこのエネルギーとの関連性でいきますと、これはあくまでもエネルギー法案として出しているわけで、あくまでも低炭素型社会の実現はエネルギー起源によるCO2の排出削減がメジャーだからです。低炭素型社会というのは、インター省庁の問題で、いろいろな省庁に係って、全体でつくり上げていかなければいけないんだけれども、どこがイニシアチブをとって、この社会を構築していくかということがすごく重要で、この観点からうまく書いてあると思っています。あまり出過ぎてもいけないし、この4ページ目の上の「さらに」というところなんですけれども、私はそういうふうに読んでいるんですが、「さらに、世界のエネルギー需給構造の中長期的な変化や地球環境問題を解決するための低炭素社会の実現」と。「低炭素」という言葉は、あまり書いていないんです。ここと、あと9ページの低炭素型社会を日本は目指しているという福田ビジョン。福田ビジョンの場合には、低炭素型社会全体として言っていて、その中でエネルギーのゼロ・エミッション型の電源という形で、エネルギー起源のCO2に触れている。

    ですから、この4ページの、低炭素社会の実現の必要性を十分に踏まえた対応を行っていかなきゃいかんと、この観点に立って、代エネ法を中核とし、これまでの政策を見直すことが必要ではないかと。要するにエネルギーを管轄しておられる経済産業省系が、この低炭素型の一番のネックであるエネルギー起源のCO2に関して、きちんとした、スピーディーな対応を打っていくということが、ある意味では極めて広い範囲に影響を及ぼすこの低炭素型社会の、牽引者、フロントランナーとしてやるんだという意気込みを示す制度設計をするんだと、私はとらえています。今後の展開というのが、エネルギー法案として誘導的規制と支援との双方から考えることが大切。

    景気が悪くなるというのは一時的なもので、CO2問題というのが今世紀の課題だとすれば、悪くなったとき、公益性のある事業により起爆剤とするのが、公共事業ですから、こういう規制と支援とを通して、新しい公益性のある事業をうまくつくり出していくというところに、スピーディーさというのは重要だと私は理解し、そういう発言をしてきたわけです。これをよく読んでみますと、そこら辺がうまく、それほど出過ぎることなく書いてあるというのが、私は非常に高く評価したいというふうに思います。コメントです。私の考え方を申し上げた。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。そういう趣旨も相当含まれていると思います。ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。最後なので一般論でも感想でも結構ですが、それでしたら逆に指名させて頂きましょうか。

    山地委員、どうですか。

  • 山地委員

    皆さんおっしゃっていることと共通で、今まで議論してきたことをうまく盛り込んでいただいたと思って感謝しております。

    特に、前回申し上げたところの、10ページのところですか、各分野における取り組みということで、「技術開発等の推進」というふうに、1項目目のタイトルも少し書きかえられて、これで整理が随分、わかりやすくなったかなと思っています。「技術開発等の推進」と、2番目に「非化石エネルギーの導入拡大」、3番目に「化石資源の高度・有効利用」ということで、大分わかりやすくなったかなと思っております。

    どうもありがとうございました。

  • 石谷委員長

    ここには順番に書いてありますが、必ずしもその順番が優先順位に対応するというわけではなく、長期的な視点の対応から順番に並べたのだと思います。これでこの位置づけが大分わかりやすくなりました。

    あとご発言のない委員、特になければ無理にとは申しませんが、今後のことについてもいかがでしょうか。

    どうぞ。

  • 中上委員

    もうこれは皆様もおっしゃったので、今次の取りまとめについても全く異論ございません。私の言ったところも、ややこしいのを書き込んでいただきまして、ありがとうございました。

    個人的感想で恐縮ですけれども、先ほど柏木先生から「低炭素社会」という言葉が出ましたが、私は「低炭素社会」という言葉は嫌いだというふうに言っているほうでございまして、なぜかというと、これは先進国向けの言葉であって、途上国は低炭素社会というのは、今でも十分低炭素社会であります。昨日帰ってきたバンコクはさすがに低炭素ではなくて、炭素社会になっておりましたが、ベトナムに行きますと、農村部はほとんど薪、稲藁や柴といった現代風に言えばバイオマスエネルギーによる低炭素で生活しているわけでありまして、彼らは炭素社会にむしろ移行したいと思っているわけであります。そういう意味でこの「低炭素社会」という言葉が、いつからこれだけはやったのか、若干私としてはちょっと問題だなと思っております。これは個人的な感想ですから、これほど有名になってしまえば今さらこれを否定するわけにいかないと思いますが、アジアの開発途上国に向けて「低炭素社会」なんていうことは、あまり大きな声で経済産業省は言わないほうがいいのではないかということでございます。

  • 石谷委員長

    さっき申し上げたように、あくまでもこれは国内向けの政策ですので、海外には海外向けの翻訳の言葉もあるかと思います。ただ日本の場合には、すでに高炭素社会になっているのを低炭素社会に持っていこうということですから、それはそう理解していただけば良いかと思います。

    せっかくですから、小山委員、最後に一言。

  • 小山委員

    報告書案につきましては、ほかの委員の皆さんがおっしゃったとおり、いろいろな議論をきちんと配慮して踏まえていただきまして、それから私自身のコメントについても取り込んでいただいたということで、非常にきちんと整理されて、まとまってきているということですので、これについては私も、このまま全く問題ないと思っております。

    その上で1つ、昨日まで私はアメリカに行っておりまして、いろいろと意見交換をしたのですけれども、それに関連して、最後にコメントだけさせていただきます。1つは、先ほど橘川先生からもお話があったとおり、現実の世界、現実のエネルギー、経済情勢が非常に激しく動いているということを非常に実感しております。金融危機、経済の状況が非常に厳しいということがあり、日本での情報以上に、エネルギーセクターにもいろいろな影響があるのではないか、と思います。ただ、それと同時に、米国での意見交換の中では、今のような低エネルギー価格の世界の中でも、どうやって将来のエネルギー供給構造の高度化をやっていったらいいのかとか、環境対策をしていったらいいのかということを、悩みながら、真剣に議論しているというところもありました。やはりこうした世界の動きというのを日本としてもきちんと追いかけていく必要があるのではないかと思います。そのあたりのポイントは、報告書の4ページのあたりにも書き込んでいただいたということで、日本の議論をしていく上で、やはり世界の情勢をきちんと分析していくことが非常に大事であると感じている次第です。

    以上です。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    以上で一通り皆様のご意見も伺うことが出来ましたが、今まで有益なご指摘、ご議論をいただきまして、ほんとうにありがとうございました。

    本日皆様からいただいたご意見等、本文についてはほぼ修正は必要ないという話でございますが、これを踏まえまして、来年に開催予定の総合部会に報告させていただきたいと考えております。最終的に、もし“てにをは”、その他の修正がございますようでしたら、その辺の修正については小委員長である私にご一任いただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。

    (「はい」の声あり)

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    本日は極めてスムーズにすすみましたので、予定の時間の半分以下で終わったようでございます。最後に、上田審議官からごあいさついただきたいと思いますが、その前に私もちょっとごあいさつさせていただきたいと思います。

    橘川先生がおっしゃったように、10月末からの2カ月間ということで、非常に短い時間にこういう議論をするということは、確かにいろいろ問題が残ったかもしれません。しかし、皆様方からの非常に積極的なご意見、ご発言によって、各種エネルギーの供給状況も正確にご披露いただきました。また各委員の多大なるご協力によって、とにかく2カ月間で一応取りまとめができたことを感謝しております。これも私以上に事務局の非常なご努力と、それから精力的な、ネゴと言う言葉は不適切でしょうが、いろいろと意見のすり合わせと調整をやっていただいたおかげかと思います。

    その意味で、私が申すのも何ですけれども、事務局の多大なご努力が、今回は実を結んだものと思っておりますので、委員の皆様方にはもちろん、事務局にも心より感謝いたしたいと思っております。

    先ほどもいろいろご意見があった最後のところで、やはり経済の問題というのが最大の問題であると思います。ただいろいろな考え方がございまして、非常にコストの高いエネルギーに転換するということは、ある意味では国内に多大の資源を投入するということでもあり、場合によっては地方の活性化にもつながると思います。こういう状況を契機に、それを何とかポジティブな方向へ持っていくようなことを同時に考えていただきたいと思います。また今後の制度設計その他で、そういったことを念頭に置いた方向に持っていって頂きたい、ここにはそういった配慮は書いてありませんが経済産業省のやることは常に産業政策と結びついていますので、ポジティブな方向に働くように考えていただけると思っております。

    事務局というのか、資源エネ庁では、ぜひこういう経済、産業の活性化といったことも念頭に置いて、“災いを転じて奇貨とする”というようですが、新しいエネルギーシステムへの転換を考えていただきたい。同時にそのための支援なども含めて、その実現への努力をお願い致したいと思います。ただ、こういったことは経済産業省単独ではできませんので、関連する、もっと豊富に予算を持っている省庁にもぜひ協力を働きかけていただきたいと思っています。

    いずれにしろ、2カ月間、つたない司会でございましたけれども、ご協力いただきましてほんとうにありがとうございました。

    最後に上田審議官から、一言ごあいさつをお願いいたします。

  • 上田審議官

    全部で6回、政策小委員会を開催させていただきました。ほんとうに短い時間に、大変お忙しいところを、非常に積極的にご議論いただきまして、誠にありがとうございました。

    また、石谷委員長には、多くの議論を上手に、適切にさばいていただきまして、ここまで来れたということを、心から感謝を申し上げたいと思います。

    私ども、今後はこれを踏まえまして、今いただいたご意見を心に刻みながら、しっかりと制度設計を行っていきたいと思っております。

    本日はほんとうにどうもありがとうございました。

  • 石谷委員長

    それでは、以上をもちまして、本日のというよりは、この政策小委員会を閉会いたします。

    どうも長い間、ご協力ありがとうございました。


以上
 
最終更新日:2009年3月6日
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