経済産業省
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ソーラー・システム産業戦略研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成21年1月16日

議事概要

基礎研究・製品開発

  • 工場や空港の倉庫など大規模なものは、薄膜が良い。私共の薄膜は全並列というシステムで、接続コストが大変安く済む。1枚ダメになっても、他は大丈夫。そのため、発電量、安全面の確保という面でも薄膜は良い。
  • 住宅用の太陽光発電については、一戸建てが2,500万棟で、最近まで50万棟/年と言われていたのが30万棟/年となっている。これからの屋根の中心は、新築でいくのか既築でいくのかによって、太陽電池メーカーの商品開発への対応が変わっていく。現在は、屋根置きベースで考えて商品開発しているのが実情。
  • 新築用に建材一体型となると、太陽電池パネルに屋根機能を持たせることによって、w当たりの値段が上がる。補助金を考えると、上がったものに対しては上限が決まっているので、なかなか対象になりにくい。既築に対するものと新築に対するものについて、補助金を分けることなどが必要になってくる。
  • 先程区分けされた4つのカテゴリーの中で、住宅系がいいのか、ソーラーの発電所がいいのか、スタンドアロンがいいのか、ソーラーパネルの位置づけを明確にすることが必要。ばらばらにやっても仕方ない。
  • 建材一体型など、住宅メーカーと違ってオーダーメイドのものが多いので、なかなか、その都度の設計でコストダウンを図れるものが無い。
  • 今後、モジュールの価格が低下して全体的なコストダウンが図れれば、今は建物の屋根の上に設置するようなものがほとんどだが、立体型を扱う形になってくると思う。
  • 重点の強弱が見えにくくなっているところがある。第2世代の中にも、シリコンの薄膜のところと、そうでない有機系のものがあって、シリコン薄膜は第2世代でもずいぶん製品化され、そうでないものはまだまだ研究段階であり、そこのところを重ねてお願いしたい。

太陽電池を中心とした「システム化」

  • それぞれのバリューチェーンの中で、産業の育成というものを真剣に検討していかないと、日本が遅れてしまう。
  • 太陽電池そのものに焦点が絞られているが、システム技術が太陽電池の中では非常に重要で技術的課題はかなりあるが、そういうトラブルというのは実は表面にはあまり出てこない。悪いモジュールがどうして悪いのかという問題が重要。
  • 太陽電池、パワコンをトータルするシステムの集まりというものが無い。課題が出たときに個別に解決しようとするのではなく、システム技術というものをきちんとやらなければならない。
  • パワコンについても、商用電源ありきのインバータのシステムをそのまま使っているだけで、自然エネルギーのコンディショナーではない。トータルで、部品、モジュールから、パワコン、システム全体で検討するという体制がまだできていない。
  • エネルギーセキュリティの観点で、安全性の確保が重要。

生産・施行技術の高度化

  • 周辺機器を含めた発電の現状コストに関して、私共が結晶系を選択しているということについて、結晶系は小スペースで変換効率が高く、住宅メーカーの新築に取り込んでいかなければならない。既築では、施工コストが高くなる。
  • 2010年度レベルで私共がターゲットにしている変換効率20%、新築用のハウスメーカー専用のモジュールを開発することによって、周辺コストの部分は十分に1/2になると考えられる。
  • 結晶系の最大の欠点は直列設計であること。セル1枚がダメになると、繋がっているものが全てダメになる。これを解決するための施工技術が必要になってくる。この問題は、住宅メーカーとの検討の中で解決策は見えてきている。
  • 薄膜は増えるということが、将来的にも視野に入ってきている。一方、モジュールは無くなる可能性がある。
  • 2007年、パワコンは5万個しか生産していない。TVが年間1千万台生産していることと比較すると、量産にならない。新エネルギーが量産ベースになっていないため、新築には全て設置するくらいのことをやらないとコストが下がらない。
  • 施工の面では、中小の工務店が小さな工事をたくさんやる。そういう業態の体制の中でどうするかということについて、国が施工のスタンダードやガイドラインをつくれば、道が開けると思う。
  • 量産化の技術については、480Mwが経済単位となっている。その単位でないと非常に効率が悪いこととなる。
  • どこでどういうコストダウンを図るかが重要な課題。
  • いかに安くつくるか、その技術をどう開発するのか、やはり大きな電力を使うので、日本の国内では難しい。海外など、技術力の安いところを狙っていくしかない。
  • 現状、価格をみると40、50年くらい経たないと元がとれない。2、3年後、コストが半分になれば、提案できるようになってくる。
  • ガラスがソーラーのモジュールの材料費の中で高い。ガラスの大きな釜をソーラー用に作り替えることで実現可能。しかし、日本の国内の販売は、圧倒的に面積が制約された屋根向けであり、数百メガ、ギガに近い規模の大規模設置は日本では難しい。
  • つくれば売れるという時代は思ったより早く終わると考えられる。そうなると、質的な競争の時代に入り、本当に生き残りをかけた激しい競争となる。その時に、材料の技術、装置の技術、特にスケールメリットの量産の技術というのが大事になってくる。
  • ウェハをつくる材料メーカーとしてやるべきテーマは、原料であるシリコンの使用量を下げていくこと。安定して薄型のウェハをつくるところの技術開発が一番のポイント。ただし、薄くし過ぎると変換効率が落ちたり割れやすくなる。総合的な技術開発が必要。

太陽電池に関する評価指標等の標準化

  • 技術の進展とともに課題は出てくる。標準も終わりの無い世界であり、新しいものが出ればやっていかなければならない。
  • 私共としては日本発の技術が不利益を被ることが一番困ることであり、日本で新たに開発した技術が正当に評価されるということを目指して、できるだけ早めに海外へ情報発信していくことが大事。競争相手については、その時々に出てくる。
  • マーケットの分け方によって、システムの評価が違う。さらに、ユーザによっても実際に受け取る評価が違う。
  • 工場サイドでの使い方によっても、例えば大きな部屋に太陽光を使うと断熱が少なくて済む。個別のものによって、評価の仕方が違う。
  • モジュールを各社メーカーが共通化してもらえないかという強い意向がある。
  • 近年の市場を見ると、建て替えが増えてきている。平均31年での建て替えで、特に3世代が多い。最近では、中古住宅を買って4、5年住んで、設備が古いなどの理由で建て替えをし、そこに太陽電池を載せるケースが多い。建て替えして新築する時に、リサイクル、リユースができる技術が構築できれば、ますます広がっていく。
  • 発電力としての信頼性、エネルギー源としてどのくらいのコストがかかるか、リユースをライフサイクルとするには、メンテナンスをどうするか。朝と夕方、雨の場合での出力変化率はどうなるか。色々な電源と組み合わせることが基本的であり、どういう電源と組み合わせていくか。といったところを考えていく必要がある。
  • 太陽光発電の技術によってのコストダウンについては、kwhのコストの出し方を定義・標準化した方が良い。
  • NEDOの技術開発はデバイス中心になるが、マーケットから見ると設置、施工、設計の部分、システムのハードの部分というよりはソフトの部分が、改良あるいはコストダウンする余地がある。それが何故進まないかというと、それをやることによってマーケットがどれだけ広がっているかが見えないので、やっても意味があるかどうかが分からない。産業政策あるいは標準政策で、将来のマーケットを見せていくことによって、太陽電池メーカーではない屋根業界の方々とかが、このマーケットに技術開発あるいはコストダウンに貢献できる流れに入っていけるのではないか。
  • 世界で戦っていかなければならないので、日本で開発していく技術の標準化が海外で使えないということが起きてくると、4%マーケットで戦うこととなる。世界で戦える標準化が必要になってくる。
  • 日本が唯一、現時点で世界にリードしていて、かつ、標準化よりもリードできる分野というのは、パネルの長期信頼性に関しての部分である。IECの規格が色々あっても、高々1,000時間のテストで評価するというレベルに過ぎない。20年、30年、本当にこのパネルがもつのかという検査方法は何もない。ところが、日本のメーカーは20年、30年のフィールドで実際に商品を出している。その中には、各社百様の信頼性の評価のモデルがあって、それを実現している。中国や台湾といった新興国が大きなパネルを出しているが、同時に品質上の問題をたくさん引き起こしている。差別化できる唯一の要因というのは、今のIECの規格の中だけではとても差別化できない。ところが、20年、30年の長期信頼性の検査方法・評価方法が標準化できている。しかも、それを世界標準に持ち上げることができれば、日本の品質は圧倒的に勝てる可能性が非常に高い。是非、国の立場からリードして頂ければと思う。
  • 20年以上前から、オーストラリアで日本の太陽光システムを入れた場合に、どういうパフォーマンスがあるかをチェックした実績データを積み重ねているはず。国際的に通じる経験、実績をたくさん持っているかと思うが、それが活かされているかどうか。

その他

  • 海外では、電力会社がどんどん引っ張っていってくれる。イタリアでは、温暖化で氷河が無くなっている問題もあり、水力発電に代わるものとして太陽光発電が進められている。世の中、太陽光発電が早いスピードで進んでおり、電力会社を中心に動いている。
  • 自然エネルギーだけで、街が低コストで動かせるというような街づくりがドイツやイタリアでは考えられている。
  • コストの話と価格の話がいつも混同している。23円/kwにするというのは価格の話であって、コストの話ではない。しっかりと使い分けをする必要がある。
  • 発電量ベースで考えると、何kwhで発電できるのかという話で済むが、日本のような住宅を中心とするマーケット、あるいは公共産業施設を中心とするマーケットで、日本におけるグリッドパリティーというのは、電力会社から買う値段ではなく、それプラス、用途に応じて生じる付加価値の部分を評価していくということが、ユーザ側からみて進んで買っていこうという意欲を増すためにも必要である。
  • 新エネの政策の中で、日本はどんなソーラーパネルに参入するかということが重要。
  • 全て垂直統合でということが技術的には可能であっても、コスト的には見合わない。何を垂直統合でやっていって、何を分業型でやっていくかという技術戦略が大事になってくる。
  • 日本に巨大なギガソーラー都市モデルみたいなものがあってもいいような気がする。

以上

 
 
最終更新日:2009年2月27日
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