経済産業省
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ソーラー・システム産業戦略研究会(第5回)-議事要旨

日時:平成21年2月26日(木)10:00~12:00
場所:経済産業省本館17階第3特別会議室

議題

報告書(案)について

議事概要

事務局から報告書(案)につき説明、その後自由質疑。

シリコン調達に関して

  • 報告書P29について、シリコン調達は珪石採掘から金属シリコン精製まで100%海外に依存している。資源外交の観点も含めた「備蓄」のような対応がなければ将来的に太陽電池パネルの大量安定供給ができない。
  • 金属シリコンの65%は製造工程上で無駄になってしまう。輸送費等の観点から、日本で全行程を生産することが必要かどうか熟慮する必要がある。
  • 今後海外市場を狙っていくのであれば、日本での地産地消には限界がある。
  • シリコン調達は物流コストについて検討をする必要がある。全てを国内生産するか、セル・モジュールは現地生産かによって物流コストが変化する。
  • 金属シリコン精製のための上質な珪石が求められている。珪石の採掘技術が進歩すれば調達が少しは安易になるのではないか。
  • 良質の珪石を求める過程で、発生する珪砂をうまく使えないかを現在検討しているところ。珪砂についてはこれを精錬できる技術が現状で存在しないので、今後他の分野において珪砂を利用している鉄鋼メーカー等と協力していくことも考えられる。
  • 現在、シリコン輸入量は年間25万t、そのうち太陽電池に利用される高純度シリコンは2万t。輸入のうちの92%を中国から調達している
  • 高純度シリコンの用途は、かつて半導体がメインだったが、最近では太陽電池用への利用の伸びが著しい。
  • 現状の生産規模では、シリコン調達に関して特段支障は生じていない。ただし、これから導入量が爆発的に拡大すると、シリコン調達におけるコスト負担が増加し現状のやり方のシリコン調達では支障が出てくる可能性がある。
  • シリコンに関しては、オールジャパン体制の自由のきく安定供給体制の構築が先決。日本の企業同士で融通のきくシリコン材料を持っていることが大切。
  • シリコンについては、備蓄かリサイクルかの2つの視点がある。リサイクル技術の進展によって都市鉱山ではないが、日本が潜在的に持っているシリコンの量が増える。
  • 現状輸入の92%を中国に依存している状況を3か国くらいに分散すべきではないか。エジプト等ではケイ素の品質がよいため、現在ベンチャー企業が進出しているところ。このノウハウを確実の取り込んでいくことが重要。
  • シリコンだけではなくインジウム等の金属の確保も大切。中国では政策的に重要な物資ということで、国内で囲い込みを行っている。原材料調達がネックとなり国策で負けることが無いように今後検討して欲しい。
  • 一企業としてはシリコンの供給源多様化について動いているところ。これからどこでどのように金属シリコンを精製すべきかについて考えることが重要。日本ならば将来像が描きやすいが、海外における地産地消を考えるならば制度的な問題等も含めて考えていかなければならない。
  • 中国では、珪石から金属シリコンを精製する際に石炭を用いて精製を行っている。日本では実際行われていないものの、技術提供等は行っているところ。今後も日本の優れた技術について、海外に対して技術提供という形で貢献することも一つの手段。
  • アプリケーションによって使用するシリコンの純度、材料、製法が異なる。純度の高いシリコンを精製するための技術を高めていくために、今ある技術的制約を解決していくべき。

制度改革について

  • 新築の場合は、建材一体型パネルを設置すると固定資産税がかかるという問題がある。税制の見直しが重要。
  • 規制制度改革について、SSに太陽光パネルを設置する場合消防法上の問題がある。細部に関しては運用で任されているため、運用によって太陽光パネルの設置に支障が出ている場合がある。本例以外にも既存の制度の中で改善すべき箇所があるはず。新制度だけでなく、既存の制度の見直しも適宜行って欲しい。
  • 太陽光発電の新たな買取制度について今後詳細については工夫して検討して欲しい。(ドイツのような)バブル的な制度にならなにようにして欲しい。
  • 量産ノウハウとセル化技術を組み合わせ、あわせて国内のR&D、ライン立ち上げを積極的に行いコスト低減を行うことが重要。また、合併による設備投資、共同研究によりその部分に税額控除を行う等の支援措置を行うべき。
  • 報告書にはソーラー・ベンチャーの育成の視点が述べられていないが、チャレンジ精神のある企業が実力を生かせるような環境整備を行う必要がある。海外企業は(ベンチャー企業も含め)自分の得意分野と相手の得意分野を組み合わせてスピード感を持った経営を行っている。ソーラー・ベンチャーの活性化によって日本のメーカーにとっても良い影響がある。

研究開発・標準化戦略について

  • 報告書P17、P32について、海外における一定規模の認証が実現しないことにはグリッド・パリティの実現が難しい。そのために、早急な国際標準の実現が不可欠。一方で、一部認証期間において、海外における認証制度の相互活用の流れの中で独自の認証制度を行おうとしているため、是非強力なリーダーシップをもった国際標準化の実現が望まれる。
  • 太陽電池パネルの電圧が製品ごとに異なることによって、設計変更が難しくなっている。是非サイズ・電圧を統一する方向へ進めて欲しい。そうすれば既築への設置も増加し、必然的にシステムインテグレーターの役割も増える。
  • 太陽電池部材分野については、各社が独自に切磋琢磨している状況だが横断的な横のつながりが存在しない。例えば、太陽光パネルの長寿命化の研究などで横断的なつながりをもった上で今後行っていくべきではないか。
  • 材料分野における垂直連携型研究開発コンソーシアムについては重要なので、是非報告書に明記して欲しい。
  • 太陽光パネルの長寿命化について、他国の例として韓国では太陽電池の寿命が25年とされている。
  • もともと寿命の長い太陽光パネルをさらに長寿化していくべきかどうかは今後の検討課題である。
  • 今の太陽光発電にはまだ技術開発の余地がかなりある。技術開発を進めていくためにはリスクをいかに減らしていくかが課題。

ユーザー側からの視点

  • 報告書では太陽電池メーカーの取組が中心に描かれているが、ユーザー中心の視点からも描くべきではないか。用途が多様化し、関連する産業の裾野が広がっている中で、今後はユーザー側のニーズに対応して太陽電池メーカーが生産量を増やしていくという構造が考えられる。
  • 現在の産業・公共分野の普及拡大のみならず、新たな太陽電池を使う用途開発も必要。
  • ライフスタイルと太陽光発電という両面を考えて商品開発の面からもっとつっこんで考えても良いのではないか。将来的に家庭間ユビキタス等も視野に入れて考慮する時、それぞれのパーツにおける標準化が重要。
  • ディマンドサイドコントロールについてはIEAでも検討されているようなので、将来的な絵を描く必要があるのではないか。
  • 蓄電池はkWあたりの単価が高いので、今後どのように導入を進めていくかが課題。太陽電池と蓄電池を一体として取り入れるというメッセージを出していくことが重要。
  • 一方で、蓄電池は未だに価格が高いため、太陽電池と一緒に導入を進めていくことを考えると競争力が落ちる。必ずしも蓄電池を一緒に入れることが必要ではない。そもそも、蓄電池を使わずに消費者がうまく蓄電池を使えばよい。まさにディマンドサイドマネージメントを行うべき。

報告書(案)について

  • 現状の太陽光発電の導入量の8割は住宅用であることを考えると、今後もこの傾向は続くと考えられ、住宅メーカーが果たすべき役割は大きいと思っている。
  • 報告書について、住生活基本法などの観点からも、太陽光だけではなく自然エネルギーを使う必要性について是非記載をして欲しい。
  • 住宅メーカーは太陽光発電のみを考慮に入れて、家を造っているわけではない。現在では、人々が豊かな生活を送るための生活環境全般を提供する産業となっている。
  • 報告書P13、太陽光発電の生産シェアについて世界の三分の一程度を目指すと記載されているが、も二分の一、三分の二程度のシェアを狙うようでなければ、日本の太陽光発電産業が世界を引っ張ることはできない。
  • 報告書P18について、流通・物流時におけるコスト低減も重要なため、その旨記載すべき。
  • 太陽光発電に関わる新制度について、過去の傾斜生産方式として太陽光発電が選ばれたと認識。オールMETIでやっていくという視点を報告書にも描くべきではないか。現状の報告書(案)では、過去、現在から未来を描く形となっているが、未来ありきでもっと夢のある姿を描いてもよいのではないか。
  • (生産シェアの目標については)高くあれば良いと思う。
  • リサイクルについては、欧州では太陽光発電に関するリサイクルについて検討を行っていると聞き及んでいるため、是非日本でも遅れをとらないように、早めに実施すべき。まずは、欧州のリサイクル制度の仕組みについてしっかりと調査すべき。将来的には標準化の議論へと発展していくと考えられるため後手に回らないように気をつけるべき。
  • 日本国内における導入量のみについて考えると規模が小さすぎるため、シェアのみ目標にするのではなく、利用率や搭載率等の新たな目標を掲げるべき。
  • 薄膜型太陽電池については、海外における地産地消が望ましい。日本で生産するものは今後結晶型太陽電池くらいになるのではないか。日本だけでの生産シェアだけで考えるべきではない。
  • パワーコンディショナーについては寿命が約10年間となり、太陽電池よりも寿命が短いため、システム全体でどう扱うかが難しい。
  • スマートグリッドについては徳島で実証例があるため参考にすべき。
  • 電力会社の系統とうまくつなげるのがスマートグリッド。系統と分散型電源をうまくつなげるような技術は日本では得意なはず
  • 自然エネルギーの必要性について、もっと言及すべき。
  • 太陽光発電によって今後のぞまれる成果を報告書内に入れると良い。
  • 報告書P12について、「未来型エネルギー社会システム」の形成について、太陽光には限らず単にパネルのコスト低下だけではなく社会システム全体としての新エネルギー普及拡大を図ることが重要。
  • この報告書を見て、自分もプレーヤーになれるということが分かるような資料とすべき。
  • 本報告書にあるコスト算出には、系統に関わるコストは入っていない。今後、太陽光発電の利用状況に関わるモニタリングも必要となってくるためそのためのコストについても検討すべき。
  • 施工を行う際に公的資格のようなものが必要。施工における人材育成に加え今後システムインテグレーターの育成についても重要なので考えて欲しい。
  • 2月24日に発表された太陽光発電の新たな買取価格制度を受け、また、昨今の海外メーカーの追い上げに等を背景として、今、日本メーカーは今後の経営戦略について問われている。
  • 日本の太陽電池メーカーのあり方について、今後も総合電器メーカーとしての立場で太陽電池産業に関わっていくのであれば、他の分野とのシナジー効果をうまく消費者に伝えていくことが重要。日本の総合電器メーカーはポテンシャルをもっている。そこがまさに強みとなっている。How To Useまで踏み込んだ戦略を行っていくべき。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月4日
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