経済産業省
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アジアPPP政策研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成20年12月16日(火)10:00~12:00
場所:経済産業省 本館2階東8会議室

議題

  1. 我が国のインフラサービスプロバイダーの競争力強化とグローバルビジネス展開 のための方策について
  2. 意見交換
  3. アジアPPP推進協議会からの提案について

議事概要

(1)港湾、水道、鉄道、ならびに電力セクターの専門家より、我が国のインフラサービスプロバイダーの競争力強化とグローバルビジネス展開のための方策についてのプレゼンテーションが行われた。

(2)(1)を踏まえ、各委員より主に以下に示す意見交換が行われた。

港湾セクターについて

  • 港湾の運営は基本的に薄利多売的だが、海運のようなロジスティクス機能を有する事業者が参入すると、付加価値要素が入りやすく高い相乗効果を得られるだろう。いずれにしろ、本格的な事業参入を果たすためには、戦略性が重要である。一方、港湾は公共性が高く、他の海運業者や倉庫業者を排除しないように配慮することも大切である。
  • これまでの多くの港湾関連の事業例は、相手国政府が指定した場所で港湾の整備や運営を行うというものであった。これからは、民間事業者が主体的に事業候補地を発掘・選定し、案件形成ができるとよい。
  • 有償資金協力による港湾整備は多く行われているが、ハードを作るだけに留まっているケースが多い。近年ではオペレーションや法整備まで関わりはじめているが、さらに教育などまで踏み込むなど、トータルパッケージで奥行きのある案件形成が必要である。
  • ロジスティクスを組み合わせる付加価値港湾の事例はほとんどなく、ハードを作る世界に、ソフトの観点から進出することで、差別化することが可能になる。

水道セクターについて

  • 近年では欧米企業がアジアの水道企業から撤退する事例が出てきているが、やはり「アジアの水はアジアで」ということが浮き彫りになってきているのではないか。わが国の企業も、今後、オペレーションの面でも貢献していくことが必要である。
  • 水道事業の場合、水源さえきちんと押さええることができれば、事業基盤は堅固なものになる。オペレーション自体はそれほど高度な技術は必要とせず、リスクは意外に低い。一方、その国にいとってのライフラインでもあるため、地元政府との良好な関係の維持や、地元企業との適切なパートナーシップの構築も必須の要素である。
  • 欧州のある都市では漏水率が30%であるが、東京では3%以下である。我が国の公営水道事業者は世界的に高い技術力を持っており、企業と連携した海外展開が期待される。
  • 水道事業を実施するためには、Regulatory Environmentという視点も重要である。たとえば、東欧では、電気も水も安価だったため、新規参入できないということがあった。新しい規制方法を含めた事業スキームの構築を検討する必要がある。
  • フランスでは、パリ市が民間企業と共同で水道事業をやるなど、海外進出も含めて官民一体となっている。我が国では、水道分野の監督省庁が複数あるなど官民連携が進んでいない。今後、その連携構築が急務である。
  • 中東地域の浄水事業を中心にスペイン、韓国、シンガポールの企業が官民一体となってヴェオリアに対抗して進出している。これらの国は国内で官民連携が進み海外展開できる自立した事業者が育っている成果である。

鉄道セクターについて

  • 鉄道の需要予測は一般的に甘くなってしまうことが多い。また、事業開始当初のリスクのボラタリティーは非常に高い。そこで、ボラタリティーが高い事業開始直後にVGF(Viability Gap Finance)を供与し、事業性を確保することが必要である。
  • 案件形成時においては、コンサルティング力が重要である。しかし、鉄道分野のコンサルティングは市場が小さい。イギリスではエンジニアリングのコンサルティングフィーは安く、法律やファイナンスのコンサルティングフィーが高い。PPPの案件形成につながるファンドは用意されたので、今後は、案件に対するファイナンスツールを加え、トータルマネジメントサービスの体制づくりが必要。
  • これまで、日本の鉄道車両メーカーは国内需要だけで利益が出るため、海外に進出する必要がなかった。しかし、これからは積極的な海外進出を図っていくことも求められており、そのためには保守や運営を含むトータルサービスが求められる。
  • 台湾新幹線の事業では、日本の車両の品質の高さが、国際的に明らかにされた。このように、世界の誰が見ても良いものであれば、引き合いもある。

電力セクターについて

  • これまでアジアでIPP(Independent Power Producer)を実施していた国であっても、金融危機の影響で、民間だけで新規に事業投資しにくい状況になっている。こうしたリスクや資金ギャップを埋める第三の形として、PPPを活用していくということが考えられる。
  • 我が国の電気事業者はEPC(Engineering, Procurement, Construction)機能を内包しており、適切な増改良、修繕を加えながら利益をあげてきた。一方、コスト競争力がないことが課題である。
  • 我が国の電気事業者は、これまで人材育成を非常に大切にしてきた。また、小売では、メータリングやビリングについて多くのノウハウや経験を有しており、これは国際的にも誇れることである。一方、これまでの海外のIPP事業の経験からは、現地スタッフの適切な労務管理を行うことが重要である。
  • 近年、中東などではIPP事業が「買い手市場」になってきた気配もあり、ホスト国側が、民間に対して、本来民間では負担できないリスクを負わせようとするような事例も現れてきている。こうしたあたりに、官が関われる可能性がある。

(3)アジアPPP推進協議会からの提案が行われた。

以上

 
 
最終更新日:2009年4月16日
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