経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第4回)-議事要旨

日時:平成16年5月10日(月曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

議事概要

橋本大学連携推進課長から資料3に基づき説明後。

  • 競争的資金を増やすことはいいこと。採択も、役所の権限を縮小して、外部識者によるピアレビューをしっかり行うようにすべき。競争的資金で人件費をみることができるようにすることは重要。
  • TLOのライセンス収入の資料があったが、収入の議論をあまり強調すべきではない。社会貢献という行為が重要なのであって、収支が取れないからやめた方がいいなどという議論を招くと、かえって後退してしまう。
  • 不実施補償の問題については、特許法の共有特許の規程を見直すことで、対処できると思う。
  • プレゼンが長すぎる。説明30分、資料30枚以内にするなどの改善を求める。
  • 資料全体を通して、大学・公的研究機関といった「知の泉」のリソースを汲み出すことに重点が置かれている。米国では、知の泉に溢れ出るくらいの資金が投入されている。日本もそうすべき。この点は、基本計画を作るうえでもポイント。
  • 産業技術のレベルが上がっており、もはや産業の現場で学問が行われているような状況になっている。したがって、優秀な人材を産業界に送り出すことが重要。大学で教育を実践しても、鉛はダイヤにはできない。大学以前からの教育を見直し、極論を言えば、エリート教育を復活させないと、どうにもならないところまで来ているのではないか。今の産業界は、経験と勘だけに頼っている。メカニズムを解明できる人材がいない。
  • 資料にベンチャーの話が出てきたが、ベンチャーは設立から10年で100億いけば良い方。GDPが500兆もある日本の経済規模を考えると、そんなことをしても日本は良くならないから、私はベンチャーを作ろうとは思わない。既存企業の活性化の方が重要である。また、米国ではベンチャーの商品の消費者は大企業である。企業側の心構えも変えないと、ベンチャーは育たない。
  • 資料説明にあった日本が教育にお金をかけないという指摘は、現場で強く感じるところ。調べたところ、特に初中等教育はひどく、実験のために学生一人あたり年間400円から1000円しか使えないのが実態だった。文部科学省は、是非教育にもお金を投入して欲しい。文部科学省単独で難しいならば、経済産業省も連携してやって欲しい。
  • 大学に入る以前の教育は重要。そのためには初中等の教員の質的向上が不可欠。優秀な教員を確保するためは、教員の社会的地位の向上も必要と思う。このための制度改正等のやって欲しいと文部科学省に言っているが、困難と言われた。
  • エリート教育は重要。日本に足りないのはリーダーである。しかし、同時に、全体をボトムアップすることも重要である。
  • 村上龍の「13歳のハローワーク」という本を読むと、13歳、遅くとも15歳まで手を打たないと手遅れではないかという気がする。幼少期の教育が重要だとすれば、2050年代はもう手遅れという指摘もある。
  • エリート教育は重要。出る杭を育てることが重要である。
  • 大学の機能を産業界に提供する部分と、大学の知を産業界に移転する部分に分けて論ずる必要がある。
  • ベンチャー設立は意味がないと言われたが、その学問分野ではベンチャー創出が困難なこともあっての発言と思う。バイオやITのような分野は、ベンチャーが牽引する部分があるのは確か。分野別の議論を行うことが必要ではないか。
  • 資料中に、共同研究について企業側の厳しい意見があったが、コミュニケーション不足だと思う。大学は実施者ではないのだから、不実施補償もよく話せば分かる話。大学知財管理・技術移転協議会等を活用してコミュニケーションを図って欲しい。
  • 専門職大学院は、アクレなど大学と専門職団体が連携してやっていかなくてはならない面も多い。大学側の問題だけでなく、職業団体が成熟していないことも問題。
  • 公的研究機関については、分野を踏まえた議論が必須。フラウンフォーファー協会も製造分野ではうまくいくシステムだということだと思う。
  • 資料全体を通して、従来の基本計画の延長との印象を受ける。
  • 大学の時間軸と企業の時間軸とは異なるため、企業側の経済産業省の議論ではどうしてもミスマッチが生じる部分がある。
  • 教育については、多様な人材を育成することが重要。ダイヤだけでは社会は成り立たない。こうした多様な教育を実践させるための多面的な評価は日本ではまだまだ行われていない。特許、論文等々の全ての評価項目の合計点で評価されるだけではなく、何か一つ優れていればいいという評価もあって良いはず。そういう評価の面は、中国の方が進んでいるのではないか。
  • 文部科学省は特定の教育分野にお金を出せず、どうしても一律補助になってしまう。文部科学省ではやりにくい所は、MOTのように経済産業省もやって欲しい。
  • 日本と米国とでは、private fundingが大きく違う。米国では新しい学部学科のために、民から建物、資金、人が投資されるが、日本はそういう状況にはない。
  • MOTだけでなく、アントレプレナー教育の導入も必要。
  • 産学連携は重要だが、大学の知を汲み上げるのに急すぎるという気がする。大学が本来やるべきことを重視する方向も重要ではないか。大学が社会に供給する知のうち、直ぐに役立つものは、ほんの一部だという認識を持つべき。経済産業省は存在感の大きな役所であるから、日本の大学の研究の方向性を間違った方向に誘引しないように注意して欲しい。
  • エリート教育は重要だが、エリートには専門だけでなく、専門外の知識にも詳しいことが求められる。
  • 資料に書いてあることは良いことだと思うのでやって欲しいが、以上の視点が欠けているように思う。
  • 従来、日本企業は外国ばかり向いていると言われ、それに対して企業側は内外を見た結果として外国に向いていると説明してきた。しかし、ここに来て、内が十分に見えてなかった面もあると痛感している。すわなち、TLOや知財本部が整備され、内の成果が見えてきたように思う。
  • 一方、資料中に「目利き」の重要性が出てきたが、米国のTLOは目利きだけでなく、誰にライセンスすることが最も効率的なのかも良く知っている。そういった能力も養成すべき。
  • 競争的資金の拡充は重要だが、30歳代の人は全体の10%しかもらっていないというデータもある。若手に配分されるような仕組みにしないと、活性化しない。
  • 学部・学科は明治以来のものを未だに引きずっている感がある。そういった所を変えないと、いくら設置基準を緩和しても意味がない。
  • 資料全体を通して、第2期基本計画に軸足がある印象を受ける。競争的資金の充実も以前から挙がっていた課題。もう少し違う視点が必要。
  • あと、ベンチマークとして中国の調査が抜けている。学部修了生数では、既に中国に抜かれていると聞くが、博士号取得数では負けないように充実していくことが急務。
  • 溢れ出るくらいの資金という話があったが、水が見えてきたくらいの水準にはなってきていると思う。
  • 正規分布に乗らないような人がブレークスルーを起こすことを認識すべき。
  • 国立大学が法人化されてガッカリしたのは、どの大学も外から人材を引っ張ってこなかったこと。教授会から学部長を選び、学部長経験者から学長を選ぶという日本の大学の仕組みは異常だと認識すべき。トップとして、誰が一番いいかを考えて、引っ張ってくるべきではないか。例外的には名工大が学長を外から連れてきたが、はじき出されてしまった。
  • 昔、知の多くは大学にあった。今は産業界からも多くの知が創造されている。そういう状況の中で、人材育成をどこでやるかが問われている。産業界でやるとすれば、大企業はともかく中小企業では無理。
  • また、技能者のレベルが落ちており、技能者教育が必要となっている。技能者は厚生労働省、技術者は経済産業省といった縦割りではなく、どこかでしっかり考えなくてはならない問題。
  • 技能者の不足を補うためには、海外から人を入れるしかない。良い人材を海外から入れるためには、適切な資格制度を導入することも重要。日本は海外から人材が入りににくい仕組みを作ることだけ考えているため、良い人材が入ってきていないことが問題。
  • 産業界にできないことを大学がやっていることを認識して欲しい。一朝一夕にできるものではなく、20年余りの基礎研究の積み重ねがあって初めて、企業との連携が可能になる。
  • 資料中に、日本の学生の視野が狭いという指摘があったが、教える人材がダメだからこういうことになる。私の研究室では、目的に必要なものでは何でもやるということを学生に実践させている。ここまでやっている研究室はほとんどないのではないか。
  • 委員の指摘にあったとおり、博士号取得者を如何に増やすかが重要。やはり博士を出た人間でないと使い物にならない。日米の製造業の競争力の差は、修士卒中心の日本と、博士中心の米国という現状を反映していると思う。一方で、教える人材をどうするかという問題もある。
  • 大学は本来基礎研究をやるべきという指摘は、日本もようやくそういう指摘が出る所まで産学連携が進んできたという事実の裏返しだと思う。
  • 以前、ケンブリッジ大学を訪れた際、教える学問が高度な内容で、さすがケンブリッジだと感銘を受けた。最近、ケンブリッジを再訪すると、以前教えていた科目は全部なくなっており、半導体の製造やマーケティングを学生にやらせたりしていた。そういう方向で本当にいいのかという疑問はあるものの、こうした実践的な教育が行われているようでは、日本は勝てないという気がした。
  • エリート教育が重要というのは同感だが、日本でエリート教育が実践できるかという点は疑問。

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最終更新日:2004年5月24日
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