経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第5回)-議事要旨

日時:平成16年5月28日(金曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省別館5階526会議室

議事概要

事務局から資料3~8に基づき説明。

【委員】
  • この「中間取りまとめの視点(案)」について、内容が包括的であり、加えて、我々は何をすべきかということが薄い。また、産業技術政策にフォーカスを当てようとしているのかどうなのか分からない。加えて、内向きの感がある。
  • 実現目標として「国民のための科学技術」と掲げられているが、地球環境問題や感染症、テロ対策という問題があり、「国民のため」では狭く、「人々のための」あるいは「社会のための」がまだ相応しいのではないか。
  • 加えて、アジアに対してどう対応するかということは考えるべき。
  • “国民”の視点を強く出した方がよいと考える。
  • なぜなら、昨今の年金制度に関する報道のように、負担は増えるが支給は減るというつらい話ばかりを聞く中で、国民が何故税金を科学技術のために払うのかと言えば、こういう問題が起きないように産業を強くし、税収を増大させたいと考えているからであり、また、地球環境問題のように環境と経済の両立を図るという我が国にとって非常に大きな問題を科学技術で何とか解決してほしいと期待しているからである。
  • 経済産業省は、こういう状況の中で総合科学技術会議が第二期基本計画をフォローアップした結果、同じ省庁に同じ割合の予算となっているのはおかしいと声をあげるべき。
  • 現在の大学が、国の発展にとって役に立たない存在となっているのは、資金にも組織にも競争環境がないから。基盤校費による研究費は教員として採用した直後は与えても良いが、その後は3年ごとに20%削減し、その分は競争的資金にするぐらいのことが必要。
  • 大学における基礎研究について、目的思考で課題を抽出し、なおかつその解決方法まで教えることを学ばせないと、プランニング能力を有する学生が育たない。
  • 大学の研究室の大きさでは、その研究は一つの産業にまではならない。この大学から生まれた小さな役割を大きな技術に統合していくところに産業技術総合研究所のような公的研究機関の役割があると考える。
  • 経済産業省は嫌われ役を買うべき。
  • 経済が上向いてきている状況下、科学技術政策本来の中長期的な議論となっており良いと思う。
  • その一方で、「基礎研究の戦略的推進」、「科学技術マネジメント改革」と「教育・人材育成の抜本強化」の3つをまとめる概念として「国民のための科学技術」というのはあっていないのではないか。「国民のための」という言葉を見ると、安心・安全、環境、福祉によりシフトするようなイメージがあるが、今回の視点の中身は、そのようにはなっていない。
  • 基礎研究とは何か(大学では工学部は基礎研究と呼んでいない)、また、なぜ基礎研究は大事なのかについて、きっちりと具体化する必要がある。
  • 制度改革については、産業界にのみ任しておけばよいという状況ではなく、決して、これ以上進める必要はないという状況ではない。
  • 教育は、一般論にまで拡げてしまうと、単に「日本の教育はけしからん。」となるだけであるので、むしろ、理工系の教育の在り方に焦点を当てるなど論点を絞った議論とすべき。
  • 国研の在り方については、産業技術総合研究所だけではなく他省の国研も含めて、横串で見たときに本当にどうあるべきなのかについて、議論をすべきである。
  • 一般の人が科学技術に不信感を持っているのは、科学技術が科学者・技術者のための科学技術となっていたのではないか、また、豊かにすることに走るあまり、多くの人の生活を犠牲にするとのイメージを科学技術が持たれてしまったのではないかと考える。そういう意味では、「国民のための科学技術」という考え方には賛成。ただし、この言葉が持っている印象もあり、この言葉の指す中身が何かも含め、検討をする必要はある。
  • 「国民のための科学技術」ということであるが、今回の検討の視点の中には、地球全体を常に考えた上でどうすべきかということも当然含まれていると思うので、その点が出せるようにするべき。
  • 「基礎研究の戦略的推進」とあるが、我が国の大学では、カーネギーメロン大学のように、突如としてある特定分野(ロボット)に100人の研究者を集め、研究棟を建てるといったダイナミックな動きが起こりにくい中で、この“戦略”についてどのように考えるのか。
  • 「科学技術マネジメント改革」とあるが、“マネジメント”と聞くと、マネージャーだけの問題と誤解を与える印象がある。マネージャーのみならず、現場の技術者・研究者の意識改革が極めて重要となっている。
  • 「教育・人材育成の抜本強化」については、大学への期待が大きい。その一方で、大学を出てからの教育に対するウェイトが高まっており、このニーズへの対応、取組みはまだまだ不十分。
  • 教育と研究の区分については、教育のための研究という部分がかなりあり、その点に鑑みれば、安易に分けることについては注意が必要。
  • 起業家的意識を研究者がもっと持つようにすべきであり、MOTだけでなくアントレプレナーシップの教育がMOTの中で必要。
  • 「新産業創造戦略」により、大胆な方向性が打ち出されたと評価。是非、この「新産業創造戦略」を何らかの形で取り入れるべき。
  • 「国民のための科学技術」は言葉には違和感を感じるが、思いは了解。
  • そもそも「国民の豊かさ」とは何か。具体的に検討する必要があるのではないか。
  • 政府だけでなく、産業界や大学、公的研究機関と言った政府資金を投じられた側にも説明責任はある。
  • 教育・人材育成の抜本強化は重要であるが、全体としては、産業技術政策が軸になっているということにした方が焦点がずれなくてよい。
  • 科学技術と国民との間は、最も遠い関係になっている。それは、研究者と技術者の間にある“社会ニーズの谷”、技術者と事業者の間にある“経済性の谷”、事業者と生活者、ユーザとの間にある“受容性の谷”が存在するからである。この3つの“谷”は、同時並行的に変動するものであり、この構造をシステムとして捉え、これをリードする考え方が、出口を見据えた産業技術政策ではないか。
  • 視点(案)は、マーケットサイドによっている議論となっており、好感。ただし、未踏の技術により、複数の選択肢を出すことも重要。金融サイドからは、技術は、もっともハイリスク・ハイリターンな投資対象である。
  • MOTについては、成功事例で議論されているが、事例だけではなく、現在ある課題を通じて議論をしていくことも必要。また、「誰もチャレンジしたことのない分野」を対象に議論をすることも重要。
  • 視点(案)が、シーズプッシュよりニーズプルとされていることは評価。シーズプッシュの研究に重きをおくと、シーズ側がやりたかったことしか進まなくなる。これからは、シーズとニーズのマッチングへの支援というものが重要。
  • ファンディング・エージェンシーについては、マネージャーとしての成功者へのインセンティブ付与が必要になっているのではないか。
  • 「国民のための科学技術」とあるが、これについては、心や精神といった豊かさを求めるユーザーサイエンスといったことが重要。
  • 「教育・人材育成の抜本強化」とあるが、ドクターが先生のお手伝いの状況にあることや、ドクターの審査がきちんとされていない等、大学の中に解決すべき問題が多いことから、いま、産業界が大学におけるドクターの養成に入ってくる状況ではないと考える。したがって、この点については、大学の中で解決すべきという点から、問題点を検討して頂きたいと考えている。
  • 「国民のための科学技術」については、「社会のための科学技術」とする案もある。なお、視点(案)がいろいろな側面から検討されたおり、よく考えられた中間取りまとめの視点となっている。
  • 基礎研究は、外部からの評価と研究者自身の意識改革が重要であり、これを産学官が協力してどう進めるかが重要。
  • 理解増進を産学官で協力して進めるべきというのは重要な点。
  • 各省の連携プロジェクトのような連携を是非実現すべき。
  • 子供達への教育も、その効果は少し遠い先にならないと表れないが、我が国の発展のためには大変重要な問題。
  • 大学のドクターコース出身者が、どんどん社会のあらゆる場で活躍できるような在り方について検討を深めるべき。その際、大学は即戦力を育てるのではなく(これは企業の役目)、“即戦力”となるための『基盤』を育てる所という視点からも、インターンシップの産学双方へのインセンティブ付与という考え方は大事。
  • 技術者の再教育についても、学と産との連携は重要。
  • 「国民のための科学技術」には、アカンタビリティがいいのか、社会がいいのか議論が必要。
  • “統合”という言葉は、産業技術という出口を見据えるべきということであり、非常に重要。ただし、技術分野によって、この“統合”の意味は、半導体産業のように集積型であったり、ライフサイエンスにおけるスポーク型のように一つの発想が大きく産業を展開するというように意味が違うので注意が必要。
  • 「科学技術マネジメント改革」については、主語が企業に見えるような誤解を生じそうなので、こうではないとの整理をしめすべき。
  • 産学官連携については制度の運用に問題があり、マネジメントが重要になっている。
  • 大学も法人化され、専門職大学院もできるようになるなど、アクレディテーションの意味は大きくなっている。教育・人材育成に産学が協力して行うという考えに賛成。
  • 税金を使っての研究開発活動ということであれば、「国民のための」ということかもしれないが、民間は日本市場だけで戦っている訳ではない。
  • また、文章のトーンが“人ごと”であり、読んだ人に響かない点は問題。
  • 研究は充実してきたが、教育は世界的に見ても遅れている状況。教育に対する競争も打ち出してほしい。
  • キャリアパスの多様化については、キャリアパスを用意しても、それに合う人を育てていない。ポスドク1万人計画も然りである。
  • インターンシップについては、現在のままで、長期のインターンシップを押し込むのは問題がある。
  • “即戦力”とは何かという点についても注意が必要。単に技能的に優れているだけではすぐに使えない人材となりかねないからである。
  • ドクターが使いものにならないというのは、海外で非常に活躍していた研究者が帰国後に急にしぼんでしまう現象などを考えると、大学だけの問題ではなく、社会の問題(例えば、海外では若い時から個々人の自立性を育む社会システムが存在)でもあり、その点も踏まえた議論が必要。
  • 米国では5割の学生が奨学金をもらっており、奨学金のシステムについても、我が国ではどうあるべきか考えるべき。
【事務局】
  • 本日頂いた意見については、次回までに詰めた上で、事務局から、中間取りまとめの案を提示させて頂き、議論を頂きたい。
  • その際、具体的な問題意識にまで落としていきたい。
  • また、経済産業省のFY16,FY17の政策についても、何を進めているのかということについても、この中間取りまとめの案の中に紹介をしておきたい。
  • 大学のことに重きをおかれて書かれているという指摘については見直していきたいが、他方で、大学は産業技術の面からも大変重要であり、我々として取り組むべきところについては、詰めていきたい。
  • “統合”や“マネジメント”という言葉については、その考え方が明らかになるように書いていきたい。

お問合せ先

産業技術環境局 産業技術政策課
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FAX:03-3501-7908

 
 
最終更新日:2004年6月21日
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