経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第6回)-議事要旨

日時:平成16年6月14日(月曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省別館3階346 第4特別会議室

議事概要

瀬戸産業技術政策課長から資料3~4に基づき説明。

【委員】
  • 大学における出口を見据えた基礎研究の重要性、そして、理工系大学・大学院教育の充実が政策課題として取り上げられている。両者はリンクした問題であって、取組みを進めるにあたっては、大学・大学院における現在の学生教育の仕組みに留意する必要がある。
    現在、学生の教育は指導教官に一任されている状況。個人的には良い制度だと思うが、好きな研究のみ行う研究室などもあり、その運用には注意が必要。研究室においては、出口を見据えた幅の広い研究を通じ、様々な経験を学生にさせるべきである。
  • 産学官協力による技術革新人材育成と教育においては、企業の積極的な参画を望まない。企業での研究開発は経験を重視したものが多く、企業が原理・原則を学生に教授することは出来ないと思う。
  • 実学の伝統がある東北大でも「大学は基礎を教え、即戦力は企業で養成」という議論がある。しかし、企業も余裕がなくなると社内での教育が十分にできなくなる。大学でも施設を整え教官の能力が高ければ即戦力養成は可能である。
  • 日本版バイ・ドール条項については、研究成果の海外流出に留意する必要がある。例えば、研究成果を移管した国内企業が海外の企業とクロスライセンスを提携している場合などは、研究成果が海外へ垂れ流しになる恐れがある。
  • 重要な論点が全て入っており良くまとまっている。今後は、どのように具体的な政策に結びつけるかが課題。
  • 研究開発の評価については、苦労して評価を行っている割には次の政策に反映されていない。そういう意味でも、評価の評価をしっかりと検討する時期が来ているのではないか。
  • オープンイノベーションの環境下においては、民間企業においても、自ら適切な投資を継続し基礎研究の水準を維持することが必要である。そうでなければ、外部資源の目利きを行えない。そのため、民間企業の基礎研究を支援する研究開発減税のような施策はこれからも必要である。
  • 公的研究機関は産学のリンケージの要であり、その認識とそのための行動が求められる。
    また、国研全体については、ナショナル・イノベーション・システムの観点からの各セクターの在り方、行政リサーチニーズへの対応の在り方などを検討し、再構築を少しずつ行っていくべき。
  • 人材の育成については、理工系人材にフォーカスした提言となっていて良い。
  • 「国民の期待に応える科学技術」については、国民(次世代含め)への貢献はもとより、世界への貢献も包含する表現であり、世界を舞台とする民間企業としても賛同出来る。
  • 日本は世界でも類を見ない少子高齢化へ直面する。その状況認識をしっかりと行い、産業技術政策(人材関係)として対応することがあるならば具体的に記入するべきである。
  • また、民間企業も含め、社会での女性の活躍がまだまだ少ない状況。是非とも女性(研究者等)の能力発揮等の観点からの検討が必要ではないか。
  • 国際的には、女性の活躍が少子化の解決につながると言われている。是非とも女性(研究者等)の能力発揮等の切り口が必要だと思う。この面での日本の遅れは、国連でも指摘されている。
  • 科学技術政策については、国際的な観点からの検討が必要。また、アジアとのパートナーシップなども必要になって来ると思う。
  • キャッチフレーズを含め良くまとまっているが、全体的に国際性をもう少し出す必要がある。
  • 現在、知識が産業界で爆発的に生まれている状況である。しかし、その多くが無駄になっており、それをどのように活用するのかが重要な課題と認識するべき。
  • 形式的な評価は無駄であり、評価システムを機能させることが重要。
  • 出口を見据えた基礎研究の戦略的な推進においては、研究者自身の意識改革が必要である。また、アントレプレナーシップ(起業家意識)を育てる必要もあり、それには人材育成とリンクさせる必要がある。
  • 人材育成と教育の充実については、「国際性」及び「創造性」をもう少し出すべきである。創造性は異文化等の交流が極めて重要であり、今後日本が発展するためにも大切な要素である。
  • 人材教育については、学校教育のみでは片手落ちである。学校教育後も莫大な知識を持つ産業界を通じ、継続的な教育が必要である。
  • 女性の活用を積極的に行うべき。海外と比較すると女性の有意義な活用が図られていない。
  • 産学官連携による教育の充実は基本的には賛成であるが、海外に比べて、学生に対する教官の数が少ないことや、大学の教官が極めて忙しく教育の質が低下しているとの声もあり、教育の質を上げることを常に留意する必要がある。
  • 米国のバイオ分野では、AmgenやGenentechのようなベンチャーがバイオ産業の発展を牽引。優秀な学生ほど、ファイザーのような大企業でなくベンチャーへ就職している。
  • 競争的資金については、拡充のみではなく是非とも質的充実(優秀な若手研究への配分)についても検討を行うべき。
  • 初等中等教育への協力を産業界の立場から行ってきたが、産業界よりも「官」の協力が少ないと実感している。是非とも官の積極的な協力をお願いしたい。
  • アメリカなどでは、日本人の若手ドクターが非常に活躍している。しかし、帰国する意思が全くない状況。やはり、日本の研究環境を魅力的なものとし、そのような人材を日本へ戻す政策が必要である。
  • やはり全体的に内向きな点を拭いきれていない。例えば、欧州などでは、標準化、知財戦略などをグローバルな観点から国家戦略として打ち出している。世界の中で、日本の産業技術戦略をどのように位置づけるのかを明確に打ち出し、迫力と重みを持たせたものを期待したい。
  • 人材育成については、今後直面する少子高齢化の中で何が起きるのかをしっかりと検討しておくべき。例えば、団塊の世代が数年後に現役を離れる。日本の技術を支えてきた優秀な人材をどのように活用するのかをもっと深く掘り下げて検討するべき。そうでなければ、優秀な人材がアジアなど海外へ流れてしまう。本文では、中高年の研究者・技術者の能力活用の一文があるだけである。
  • 企業が求める即戦力の知識習得のためのカリキュラム作成(p18一行目)には、やや抵抗感がある。一人の自立した研究者ということが言いたいのだと思うが、少し意味が矮小化される心配がある。
  • 「全体的に内向き」との意見があったが同感。一章の科学技術に期待される役割の一部を四章の主要な政策課題とその方向性の中に取り込んでみてはどうか。例えば、少子高齢化や環境・エネルギー制約の科学技術による解決に、経済産業省が率先して取組むことをアピールすると良いのではないか。
  • 少子高齢化社会を睨んだ政策はしっかりと検討する必要がある。これからの高齢者(団塊世代退職者等)には、蓄積された多くの知識がある。また、非常に元気。例えば、初等中等教育での教師やプロジェクトマネージャーなどへの登用も考えられる。
  • 外部から見ていると、公的研究機関が莫大な研究費を浪費しているように感じる。特に重複した研究の予算などは早急に見直すべき。できれば、国研の再構築などが必要。
  • 科学技術創造立国のためには、若い人(学生等)が科学に対する夢を持てる環境づくりが何より大切。理工系人材育成の問題で、生涯賃金がネックとして話題にあがるが、現在の学生達は生涯賃金などにはそれ程興味がなく、仕事に夢が持てるかどうか、やりがいがあるかどうかにこそ興味をもっている。例えば、経済産業省提供で科学技術の夢を語るテレビ番組などを企画するのはどうか。
  • 優秀な科学技術人材の流出には早急な対策が必要である。
  • 大学・大学院での人材教育の場では、産業界出身者(教官)の経験があまり役に立たないこともある。企業出身者教官の産業界での経験は単にコンテンツリソースであって、(技術革新人材養成のための)カリキュラム作りはその教官個人が行うのでなくシステムで作っていくべきである。
  • 教育を良くするためには、「教官の教育」も必要。また、教育を評価するためには、そのシステム整備が必要である。
  • 主要な政策課題とその方向性(四章)では、具体的な記述やそうでないものがあり、記述内容に濃淡がある。とりまとめにあたっては留意するべき。
  • 心に響く報告書ではない。確かに今まで聞いた様な事がうまくまとまっているが、やり方(How)ばかり多く、具体的な方向性や政策(What)が少ない。
    例えば、関係府省連携プロジェクトや人材育成(教育)などでは、経済産業省自ら具体的にどのような施策提案を行うのか、そして、その提案への省内資源配分をどのようにするのかを示す必要がある。
  • 出口を見据えた基礎研究は勿論大切であるが、サイエンスのための基礎研究があることも認識する必要がある。
  • 基礎(原理・原則)が分かり、研究マネジメント、そして問題解決のできる研究者を企業は求めている。最終的には、基礎をしっかりと学んだ研究者が必要になるのだと思う。そのためには、大学・大学院において基礎をしっかりと教育するべきである。そういう意味では、大学・大学院教育にあまり産業界が入り込むと役に立たない学生を育成することになると思う。
  • 諸外国とどう付き合うかという戦略が、やや欠けている印象。
  • 「技術革新と需要創出の好循環」という表現を使う場合には、常に「科学技術」というワードとリンクさせることが必要。
  • 民間人材活用のネックは、民間人材が個人より組織で活用されていること。いかに人(技術者)が技術を持って動けるのかが流動化のポイントであり、今後議論されるべき課題と思う。
  • 技術革新において「摺り合わせ」は大切であり、これは日本の強み。一方、ナノテク、バイオ、ITのあらゆるところで劇的な変化が起こっており、これをいかに社会へ組み込むべきかを検討することが必要である。そのため、既存の「摺り合わせ」ではなく、究極的な技術をいかに導入していくかを検討しなければならない時期ではないか。
  • ベンチャーと大企業の棲み分けについても検討が必要。これからの大きな技術革新については、大企業だけでは対応できない。今後の日本における産業技術政策においては、ベンチャーを大きな切り口で捕らえることが必要である。
  • 研究開発の評価については、その結果を公表するべき。特にうまくいったものを積極的に公表し、夢を与えてほしい。
  • 「技術革新と需要創出の好循環」ということであるが、雇用機会の創出を少しちりばめた方が良いと思う。雇用の問題は地域によっては大変深刻である。
  • 若者の理科離れを調査していると、科学者、技術者の経済性が理由だけでは無いことが分かった。例えば、高校生などの場合、経済性よりも自分らしさ、生き甲斐を職業に求めている。今後の課題検討の参考とすべきかもしれない。
  • また、子供に対する親の満足度調査というものがあり、日本人のそれは海外に比べて相対的に低いという結果がある。日本人は人間に対する愛情が少なくなってきたのかもしれない。
【事務局】
  • 記述内容に濃淡があることは確か。当省を越えた大きな課題アングルもあれば、省内の課題アングルもあるのが原因。今後は、なるべく記述内容の濃淡をバランス良くしたい。
  • 関係府省連携プロジェクトなどについては、真剣に取り組みたいと考えている。ただ、全体的に具体的施策の検討をこれから進める必要があるものもあり、概算要求などの時点にならなければ、なかなか個々の具体案を記述できないという制約もあることを理解してほしい。しかし、必要性や問題意識を記述したからには、それを実現すべく最大限の努力はしたいと思っている。

お問合せ先

産業技術環境局 産業技術政策課
電話:03-3501-1773
FAX:03-3501-7908

 
 
最終更新日:2004年6月21日
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