経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第7回)-議事要旨

日時:平成16年6月18日(金曜日)8時00分~9時30分
場所:経済産業省別館3階346 第4特別会議室

議事概要

瀬戸産業技術政策課長及び土井統括技術戦略企画官から資料3、4に基づき説明。

【委員】
  • 本中間まとめについては、これまでの議論の方向性が収束され、今後の具体的な取組みに向けて力が集中されるものとなったと評価。
  • 本文中に「ベンチャー企業が技術革新のエンジンとなることが極めて重要」とあるが、現状のベンチャーの実力がここまで伴っているかは別として記述されたことに意味がある。今後は一歩踏み込んだ具体的な政策が求められるが、この点については、今後の産業技術政策として、組織重視から個人を中核にして日本を活性化するという視点、個人という単位での活動を見据えた政策を進めることが重要ではないかと考えている。今回の取りまとめの中に、「個性が理想的に開花する」というマズローの5段階説の最後の自己実現の段階に持っていくという思想が入るとベンチャーも生きてくる。
  • 公的研究機関については、産学の橋渡しと基礎研究の成果を実用化につなげていく役割があると考えており、その意味ではNEDOも産総研も大きく打ち出すといいと思う。
  • 今後、さらにイノベーションを促進する政策を検討されるにあたっては、BtoBとBtoCの違いを書き分けるとより一層ダイナミズムが出てくると考える。すなわち、BtoCでは革新的製品を購入するのは、アーリー・イノベーターとしての消費者であるし、BtoBでも科学、技術と需要者の連鎖を実現するアーリー・イノベーターとしての企業が重要である。
  • 国民レベルに見たときに、科学技術に期待される役割として、一番関心が高いのは、地球規模で直面する問題や少子高齢化である。これを制約ではなく、むしろ新しい市場の創出につながるものとして、施策を打っていくことが、「技術革新と需要創出の好循環」につながると考える。中間取りまとめでは、理念の部分とその後の政策展開の部分が必ずしも合致していない。最終報告までの間で議論したい。
  • また、国民の科学技術に対する意識を見ると、否定的に捉えている割合が我が国では諸外国と比べて大きく上回っている。これは、科学技術が、我々の直面する問題の解決に貢献しているというのが見えず、むしろ、環境破壊や食の安全性を否定する方向で科学技術が理解されているためである。これが、科学技術への否定的な見方や子供たちの理科離れにつながっていると考える。
  • 子供たちの理解増進にあたっても、突出した実績を残している人達だけでなく、それらを支える人達の活用という視点も重要である。
  • 網羅的ではなく、日本としての戦略(例えば「資源生産性の向上」のような戦略)が前面に出てくるとさらに良いのではないか。
  • 日本全体としての戦略を打ち出すとした場合に、仮に科学技術創造立国の実現とするのであれば、国民の多くがそのような認識を持つようにすべきであり、この問題は、科学技術人材に任せればよいという問題ではなく、人文系も含めて、科学技術教育を進めるべきである。
  • また、中間取りまとめ中の「エフォート制の導入」に係る主語・主体を明確にすべきである。
  • 公的研究機関の役割として、産学の橋渡し役を担うべきということを明確に打ち出されたことは大変意義がある。現在進められている地域クラスターなどでも、クラスターのアウトプットの調査結果によれば、産学中核機関を定着させるべきという提言が多く、特に「ものづくり」の分野での声が強い。
  • 産学連携のファンディングについては、NEDOだけでなく、JSTなど他省庁の配分機関も含めて、効率的な在り方、公設試の産学の中核機関として定着の在り方、公設試を利用したファンディングの在り方についてどうあるべきか検討を進めて頂きたい。
  • バイ・ドールについては、企業や大学が知財の管理主体となるのは結構だが、標準技術に関する特許やリサーチツール(研究目的のための知財の利用)について、現在の仕組みであれば、他の大学等の知財利用が差し止め対象となりかねないので、ガイドライン等で契約の在り方について検討をすべきであると考える。
  • 競争的研究資金の改革の中で、若手研究者向けの競争的資金の充実を取り上げられていることは評価。
  • 大学においては、成果主義や評価の活用については10~20年はかかるという声がある中で、産業技術総合研究所をはじめとする公的研究機関が、海外に行っている優秀な人材の活用をはじめ、成果主義を踏まえた人事制度の採用など積極的に柔軟な運用を行い、能力の高い研究活動の場となることに期待している。
  • 本中間取りまとめに掲げられている「戦略的な基礎研究の推進」、「科学技術マネジメント改革」、「科学技術政策の原点は人づくり」の3点は、いずれも、技術政策が正面から取り組むべき問題。この3点に本格的に取り組むことは、我が国のイノベーションシステムを強靱にするものであり、見た目には地味だが、長期的なインパクトは大きいものであり、しっかりと取り組んで頂きたい。
  • 我が国の総合科学技術会議は、各省の領域にまで踏み込むことは困難な組織だが、むしろ、国研改革などの省庁横断的な課題に取り組む場として相応しいと考える。
  • 人材育成については、大学・大学院教育のカリキュラム改革や、教育への評価に加えて、産学官連携による人材育成も重要。この点、英国の取組みは参考になる。また、理工系人材の流動化についても今後、検討の余地があると考える。
  • 大学での研究成果の特許については、大学の研究者が公的資金で、研究のシーズ側(上流側)で行ったものについては、大学の研究者から、リーズナブルで、無差別に提供されるということが大事である。
  • 本中間取りまとめはそれなりにまとまっている。
  • 歴史的には100年単位で社会のパラダイムが転換するものである。日露戦争後100年が経過して、今は新たなパラダイム転換の時期にあると考える。第3期の科学技術基本計画では大きなビジョンを打ち出すべきであり、その際には、グローバルなマーケットバリューは、地球温暖化をはじめとする地球規模の問題の解決といったところにも出てきていることや、5~10年を見据えて焦点を絞っているカンパニーが強くなるといったことが当たり前のようになってきていることを念頭に置くべき。
  • 総合科学技術会議については、技術的なことばかりを議論するのではなく、我が国の科学技術の在り方について、100年単位で時代を見据えた骨太な議論を先導する役割が必要であり、また、そういった面での政治の機能が期待されていると考えている。そのような中で、有識者議員もポリティカルアポインティーであるとの認識を持って、どのように取り組むかという点も、重要になってくると考える。
  • ベンチャー振興についていえば、米国と比すだけでは上手くいかない。欧州などで苦悩している背景なども分析する必要がある。また、大学発ベンチャーについても、ガイドラインの周知だけでなく、外国に訴えられたときにどうするかなど、そのときの判断は司法が下すことになり、対外的な関係を視野に入れた検討が必要ではないかと考える。技術流出についても大企業が海外の企業に金型をわたして安価な製品を作らせているなどモラルの問題の面もある。
  • エフォート管理については、米国の制度がよく引き合いに出されるが、実態をよく把握した上で、検討をする必要がある。欧州においては、フルタイムで給料が支払われており、エフォート制は米国の制度である。また、本文中のエフォート管理は、大学等が行うということを検討すべきというのであれば、そのように明記しておくべき。
  • 大学に入る前に理系・文系を分けているという国は、実は珍しい。この辺りも、変えていく必要があるのではないか。
  • 人材流動化という中で給与が増えるというインセンティブが十分でないとあるが、これだけではなく、研究者・技術者は、自らの属するコミュニティーでの評価をはじめ“生き甲斐”に重きをおくという面も多分にある。この点からは、サクセス・ストーリーが重要。日本が変わりつつあるということについて、定期的な情報を出し続けることが必要である。
  • 国立大学も法人化されたが、教授会が学部長を選び、その選ばれた学部長が学長を選ぶという日本以外では常識とはなりえないシステムは変わらなかった。また、明治の頃は、法人化というのは大学の夢であった。しかし、今回の法人化は、大学側からすれば外部から法人化すべきだということで法人化したという意識があるように見える。
  • 今後は、一人一人のとんがっている能力を、どうサポートするのかという視点が大事であると思う。
  • 我が国のファンディングは、米国に見られるようなプライベートファンディングがほとんど見られず、公平さが強く求められる公的ファンディングが太宗を占めている。このようなファンディングの実態について、ある意味の“独断と偏見”を有するリスクを持ったファンディングという仕組みを我が国の中でどのようにするかということを検討するべきであると考える。
【事務局】
  • バイドール条項を規定した産業活力再生特別措置法30条では、無条件に特許を渡すのではなく、条件を附している。すなわち、実施しないことで公益性が損なわれる場合には、他に実施許諾できるとしているが、法律の運用をよりよくする工夫は重要であると考える。
  • 産総研は他の公的研究機関の先導的モデルとなることが重要であり、本中間取りまとめにおいても、その旨の記述がなされている。

各委員の意見の「とりまとめ」への反映について、小委員長に一任することで各委員が同意。

事務局から、資料5に基づき、基本問題小委員会中間取りまとめを受けて、その主要な政策課題については、経済産業省を中心に、必要に応じ、有識者との意見交換や関係府省との連携を図りつつ、検討を行い、その結果については、基本問題小委員会に報告するとともに、年内を目途に、基本問題小委員会として最終報告をとりまとめることを説明。

以上

お問合せ先

産業技術環境局 産業技術政策課
電話:03-3501-1773
FAX:03-3501-7908

 
 
最終更新日:2004年6月29日
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