経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第8回)-議事要旨

日時:平成16年11月9日(火曜日)15時00分~17時00分
場所:経済産業省別館3階346 第4特別会議室

出席者

出席委員
木村小委員長、大中委員、大見委員、後藤委員、佐野委員、高木委員、手柴委員、吉野委員、渡部委員

議事次第

  1. 今後の審議の進め方
  2. 政府研究開発投資の考え方
  3. その他

議事概要

事務局より、資料にもとづいて説明。

【委員】
  • 今後は独創性ある個人を育てていくことが重要と考えるが、そうした個人としての観点があまり触れられておらず抜け落ちているように感じる。日本には「me too主義」というような、周りに合わせていれば大丈夫という雰囲気があり、こうしたことが、研究開発投資に対する効率性を低くしている原因でもあるのではないか。大きな転換軸の中において、独創性を活用する仕組みづくりが必要と考える。
  • 一方、摺り合わせ技術は組織型の技術とも言えるが、こうしたものも日本の強みの技術として活かしていくことが重要。日本の強みの技術をベースにしつつ、独創性により技術のコア化を図っていくということが全体的なストーリーとして描ければ良いのではないか。
→【事務局】
  • 独創性に関する政策ツールとしては、例えばベンチャー振興や地域振興等だと考える。次回、人材育成の課題で議論を行いたい。
【委員】
  • イニシアティブの考えについては賛成であるが、資料にある定義と例示を見て危惧しているのは、逆に目標が曖昧になってしまっているのではないかという点であり、大目標・中目標・小目標というように、それぞれをどのように設定していくかが重要。今後の改善に期待する。
  • 基礎研究を文部科学省が横断的に取組んでいるシステムには問題があるのではないか。各省が基礎から開発まで垂直的な取組みを行っている米国型を参考とすることには賛成。そのためのツールとして、イニシアティブを捉えることができる。
  • サービス業の収益が進む中で、コンサルティング等の存在も重要になってきているが、日本には国際的に活躍できるコンサルタントが少なく他国のコンサルティングに仕事を取られている状況との話も聞く。日本人材には、語学、国際経験の少なさ等の問題が指摘されているところであるが、イノベーションシステムを考える上で、国際的なコンサルタントが出てくるともっと収益性も上がるとも考えられ、長期的取組として人材の流動性が図られなければならないと考えている。
【委員】
  • 今回の「イニシアティブ」のようなまとめ方には賛成。
  • 資料4-1のP.28に、政府が取り組むべきものとして「ハイリスク・中長期の研究開発」が記載されているが、創薬分野はそもそもハイリスク・中長期であり、ここを民間で取り組んでいる。この分野での政府の役割は、タンパク質の構造解析など民間の資金だけでは行えない知的基盤の整備であり、是非とも積極的な取組みをお願いしたい。
【委員】
  • 「政府の役割はハイリスク・中長期の研究開発」といった考えは、確かに間違いではないのだが、政府の役割はそれに限定されるわけではない。エレクトロニクス分野では、技術は非常に高度化しており、民間だけで出来る部分は無く、政府が積極的に関わっていくことが求められる。「ハイリスク・中長期」以外は民間でできるという変な誤解を生む。
  • 研究開発費の対GDP比は高い水準だが、それが経済成長に結びつかない理由を明確にすべき。多額の投資を受けているのに、研究開発は成功したが、事業化につながらないという馬鹿な話を聞く。成果を出せないというのは論外。あらゆる手段を尽くし、事業化することが義務と言える。
  • 日本は良い技術を次々と生んでいるのだが、サムソンやLG等外国企業にそうした技術を持っていかれてしまっている。韓国・台湾は技術を見に来てその場で導入を即決するが、日本の企業は見に来ても即決できず持ち帰って検討するという状況。これでは外国にすべて持って行かれてしまう。世界で初めて新技術を導入するところを支援する仕組みが必要。
  • 大学への資金投入が多いことに驚いているが、これだけ投入していて事業化できないというのはおかしい。
  • 科学技術により解決すべき国家的・人類的課題を俯瞰して実現目標を明確化した取組みを展開するわけであるが、もう少し具体的な記述も必要では。例えば、2010年までに100兆円、200兆円の付加価値を生む新産業の創造、イノベーションシステムによってCO2削減を行いつつ経済成長を目指すなどのフレーズ。
【委員】
  • 縦割り省庁の予算が少なく一気通貫で施策展開ができない点が産学連携で今直面している壁なのかもしれないという気もする。
  • 官・民の研究開発投資の分担については、国際的な比較も含めてトレンドを分析してみると良い。その上で、民間だけで本当にできないこと、また民間では何がカバーされていないかを把握し、政府が行うことを検討すべき。
  • イニシアティブという概念は良いと思う。技術ベースでの4分野の現在の重点化は意味がない。出口を見据えて、施策を当てはめていくことが重要。その際、イニシアティブとシーズをつなげる政策ツールが重要であり、そこにメリハリが出てくるという意味で今後より深い検討が必要となる。
  • また、イニシアティブについては、基礎的な部分とともに、出口に近づく部分がマトリックス構造になると思う(いわゆる「ツーボス制」)。経済的価値と国家的価値のところがマトリックスになり、そこは文部科学省と経済産業省の調整が重要となる。そこを詰めないとうまくいかない。
【委員】
  • 先端技術の産業化プロセスにおいては、需要と供給を明確に分けられないこともある。例えば、ナノテク材料等では、始めは研究機関等での試験的な需要というのが発生し、次に大企業製造部門へと波及し、最終的に汎用性があればさらに広く消費者へ到達するというプロセスが一般化されている。このようなダイナミズムの中で考えると、供給構造の中に需要が段階的に生まれてくるということも多くあり、「需要サイド」「供給サイド」とはっきり分けてしまうことには少々違和感を感じる。
→【事務局】
  • ご指摘頂いたように初期需要についは供給構造の中から生まれてくるということも多々あり、ご指摘を踏まえ、こうした初期需要を後押ししていくような政策ツールについても探していく。
  • これは政策ツールの議論というよりも産業構造の問題として認識した方が良いのではないか。現在、こうしたプロセスの硬直化により新しい研究開発が生み難くなっていると感じているのだが、うまく「需要」「供給」が循環していくシステムの構築が必要。
【委員】
  • 戦略的分野を強くするという議論とイニシアティブのつながりが希薄である。持続的成長と持続可能な発展については、分かり易くなったが、イニシアティブにいくと論理的にはよくわからない。旗の分かり易さをもっと工夫すべき。
  • 人口減少時代の中でGDPをいかに上げていくかということも重要な問題。政府研究開発投資をいかに生産性に寄与させていくかを考えた際、現在の記述では、研究開発政策の中でどの分野をどのように強くしていくのかということがやや曖昧と感じる。
【委員】
  • ニーズ先行型で行っていくということを明快に設定していることは良いと思う。今後の課題としては、良い目標値を設定できるかということ。
  • 大学予算における日米比較について、教育に費やされている割合、さらに、その内人件費がどの程度占められているかがかわかるデータを提示してほしい。そのような切り口で見ていくことで、新たな生産性の問題が見えてくるかもしれない。
  • また、各種製品の世界シェアを中国やASEANが大宗を占めてきているというデータがある。しかし、それらの製品は日本の技術で現地生産したものがかなり含まれているのではないか。そこを切り分けて議論すべき。
【委員】
  • サービス業の取組の向上については、農業等のように経営単位の拡大がそのために重要という面もあり、無理矢理何でも科学技術予算に結びつける必要はない。効果があるところを選別し行っていくという考えには賛成である。
  • 資料4-1のP.6の研究者数の推移について、現在分母は人口になっているが、労働人口を分母にした方がより正確なデータになるだろう。それで見ると日米はほぼおなじ水準になるが、日米が突出していることに変わりはないとは思う。
  • 「政府研究開発投資」と「科学技術予算」という言葉が出てくるが、これらは異なる概念なのか。
→【事務局】
  • ほとんど同じ意味で使用している。今後、記述の際には語句を整理する。
  • 今回新たに重点化を示す意味は何なのか。重点4分野を指定しても、それで予算が増えるということはなかった。アナウンスメント効果だけか。本当に重点化するには別のスキームが必要。
→【事務局】
  • まず、研究開発政策についてのアカウンタビリティを果たすということ、また、出口に到達するための政策目標を示すことで、連携を促進する効果も期待している。
【委員】
  • 政策目標を示すことの意味としては、他に、目標を明確にすることで評価を可能にするということもあるだろう。
  • 日本のベンチャー企業は国内ビジネスが主となっているが、今の時代、ベンチャー企業であっても国際戦略が必要。しかし、日本には国際戦略を担っていく人材がいないという問題があり、長期的改善が必要。
【委員】
  • 評価をしっかりと行えるシステムづくりが必要。民間でも非常に苦労しているが、評価と目標の摺り合わせをしていないことが原因となっている。イニシアティブにおいては、中目標の下で共通の目標により評価することは良いことと思う。
【小委員長】
  • 先程話にあがった大学の人件費に関して一言。英国大学と日本の大学の一例として東京工業大学を比較調査したことがあるのだが、調査によると収入に対する英国大学の人件費は約60%であったが、一方、東京工業大学は約42%であった。英国大学において人件費が高くなっているのは、サポーティングスタッフを多く揃えているためと聞いており、英国ではこうしたサポーティングスタッフの存在により研究開発がうまくいっていると聞いている。
【委員】
  • 健康社会の構築の項目はとても重要。是非イニシアティブに入れ込んでほしい。病気になってから直すのではなく、病気が無い社会というのが本当の豊かな社会と言えるだろう。
  • 出る杭を伸ばす社会システムづくりが必要。例えば、本大学において、若い人が減っていく中、一人一人の能力を高めていくことを目的に大学院の重点化に取り組もうとした際、「そんなことは無理だ」と足を引っ張る者が多い。
【委員】
  • 今後どのようにイニシアティブを展開していくのか。イニシアティブを展開する中で、システム改革のアクションプランをきちんと位置付けていくことが必要だと思うが、今の案ではそこがよく分からない。
→【事務局】
  • 現在、内閣府を中心に第3期科学技術基本計画策定に取り組んでいるところであるが、本小委員会での議論を経済産業省の意見としてとりまとめて提案していく予定。その際、イニシアティブについては、その考え方を提案し、基本計画策定の過程で議論して頂きたいと考えている。

-了-

*なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解を得ていない。

お問合せ先

産業技術環境局 産業技術政策課
電話:03-3501-1773
FAX:03-3501-7908

 
 
最終更新日:2004年11月16日
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