経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成21年2月2日(月)10時~12時
場所:経済産業省526共用

出席者

木村小委員会長、伊藤委員、鴇田委員、中村(道)委員、夏梅委員、橋本委員、丸島委員、丸山委員、渡部委員

議題

  1. 産業技術政策に関する今後の検討
  2. その他

議事概要

議題1:産業技術政策に関する今後の検討

資料4-1、4-2に基づき事務局より説明。委員の発言の概要は以下の通り。

出口の明確化、アクションプラン

  • 今までも未来像は書かれてきたが、具体化していない。出口を明確に設定した上で、道筋をつける作業に具体的に取り掛かるべき。ここ数カ月の経済危機の中、現場は需要が分からず投資を控えている状況。安全(インフルエンザ対策等)等今からでも取り組めるゴールを明確にして、投資すべき短期的な出口を見せることが必要。
  • 時間軸が重要であり、5年から10年かけて大きな成果を生み出す長期的テーマだけでなく、2~3年の短期で成果が出る身近なテーマも組み合わせて進めるべき。
  • 本委員会などで、具体的なプロジェクトの立ち上げに向けて、コンセプトのFS調査等、テーマ検討のための仕掛けづくりをすべき。
  • ビジネス側の人間にとって出口は多様であり、出口を一律にするのではなく、多様なソリューションに対応できる母体が必要。
  • 出口は必ずしも一つとは限らない。パーソナルモビリティやコンテンツといった資源等の物理的な制約を受けにくい産業等、出口産業の共通属性に着目すべき。
  • サービス、モジュール、素材をトータルで捉えて、多くの出口を設定することが必要。
  • 課題解決の先にあるチャンス(利益の創出、社会の改善など)を明示すべき。
  • 課題解決イノベーションに取組むことは、国としてソリューション産業を振興することにつながるが、そのソリューション産業の競争力を左右するのが、技術。経済危機の10年先を見据え、需要創造の方向性を明確にして、出口に向けて技術を位置づけることが必要。
  • 技術は様々な使い道の解釈が可能で、技術戦略ロードマップも仮説であることを前提に、常に検証することに重点を置いて運用すべき。
  • 課題解決以前の問題として、課題設定自体が独創的で差別化可能であることが重要。

イノベーション政策と基礎科学技術政策

  • ターゲットドリブン型プロジェクトでは、基礎研究と応用研究とを区切るのではなく、ゴールに向けて必要となる基礎研究、応用研究を同時並行的にマネジメントする機能が重要。また、足元の日本の強みを活かすべき。
  • イノベーション政策と基礎科学技術政策では、対象となるプレイヤーや組織、評価軸も異なり、両者を区別することは重要。
  • イノベーション政策ではプレイヤーの評価が必要。イノベーションのマネジメントは下働きでオリジナリティがないと評価されがちで、知を統合して成果に結びつけるマネジメントが評価されないと、プレイヤーも育成されない。
  • 応用研究は基礎研究よりレベルが低いと見られがちだが、一つの方法としてダブルメジャー制度により、優秀な人材を応用研究にも引き込むことが重要。
  • 大学は管理機能が弱い。間接経費で雇用した省庁OBによる大学の研究プロジェクト管理(知財や資金の管理)は、大変有効。大学の基盤的経費の不足を競争的資金の間接経費で補っているが、間接経費にはマネジメント人材の雇用という使い道もあることに留意してほしい。

政策コーディネート

  • 出口に向けて他省と連携してリードしてほしい。
  • 国レベルで、出口(環境・エネルギー、食料等)に向けて、技術の「選択と集中」を進めるには、省庁横断的な施策が必要。
  • 出口産業は誰が責任を持って完成させるのか。企業、大学など多様な主体をコーディネートするには、強力な行政庁の権限が必要だが可能なのか。

ベンチャー育成

  • サプライチェーンに組み込まれているベンチャーは少なく、世界的に活躍するベンチャーが国内に育っていない。むしろベンチャーは大企業で内製化されており、外部の研究開発型ベンチャーの成功と大企業のコーポレートベンチャリング促進の好循環が形成できていない。

イノベーション拠点の在り方(プレイヤー、成果の扱い)

  • 拠点は、既存の企業がそのままの姿で参加する通常のプロジェクト拠点というよりは、個々の企業だけでなく、業界構造も変化し、カーブアウトベンチャーなども創出するダイナミックな変化がある拠点であるべき。
  • 拠点には、全体をプロデュースするマネージャーが必要だが、日々生じる技術的な課題解決のために基礎科学は必須。大学機能の関係しない拠点は考えられない。
  • 別事業の審査で、関係する企業数が少ないほど評価が高い傾向にあるが、例外的に企業数が多くて評価が高いプロジェクトがある。その場合、海外のリサーチコーディネーターが入っている。
  • 拠点は人材流動化の場でもある。拠点には、優秀な人材を集められるコンテンツが必要。
  • 拠点では出口アプリ毎に、サービス、ソフト、ハードの集積が必要。
  • 拠点での成果の扱いをどうするか、あらかじめ仕組みが必要。
  • 国としての成果に結びつけていくという意味で、これまでの技術開発プロジェクトとは違う。企業は、特許の公表に慎重な部分があるが、産業創成という観点からの優先付けが必要。複数の企業が関係する場合は、成果の取扱いに対する事前のコンセンサス形成が重要かつ困難。

イノベーションを担う人材育成(人材育成の区分、人材像)

  • イノベーションに必要なシーズやローテク等を組合せて成長産業を作り出す、というゴールに向けて、人材育成の場として大学とも企業とも違う第三の場を活用すべき。
  • 人材育成にあたって、科学と科学技術は分けて考えるべき。一方、イノベーション人材と基礎科学人材の区別は慎重に考えなくてはいけない。
  • イノベーションプロセスを担うということを認識させる事が必要で、どこからそういった人材が生まれるのかは様々。基礎科学と企業と、双方のオーバーラップした部分にスポットを当てることが重要。
  • ハリウッドのSF映画のプロデュースのように、科学技術を結集して映像(出口)に持っていくような人材が重要。
  • 大きな視点で課題を設定できる人材を育成する必要がある。
  • 学部と大学院では、先端技術を追いすぎて体系的知識教育である学部教育が手薄になった。反省点として認識し、大学は変わりつつあるところ。
  • ケンブリッジ大学でもエンジニアリングサイエンス中心から、プラクティカルな教育に変化。技術体系の基礎を教える人材育成は世界的に見ても手薄ではないか。また、英国では一旦企業に出て、大学院に戻ってくることが多い。
  • 現在の日本の大学院博士は、サマースチューデント制度で企業に行くことが少ない。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2009年2月9日
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