経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会(第16回)基本問題小委員会(第7回)合同開催‐議事要旨

日時:平成21年7月1日(水曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

木村分科会長、荒川委員、伊藤委員、小野寺委員、柏木委員、岸委員、下村委員、須藤委員、長島委員、中村(信)委員、中村(道)委員、夏梅委員、西山委員、平澤委員、古川委員、前田委員、松田委員、丸島委員、丸山委員、谷田部委員、渡部委員、渡邉委員

議題

  1. 中間報告(案)(審議)
  2. その他

議事概要

事務局より、中間報告案「イノベーション力を強化する産業技術政策の在り方」について説明。委員の発言の概要は以下の通り。

制度、体制の整備について

企業、大学、国研の役割分担

  • 出口の強調は国研とは違って大学には馴染まない。過去10年間、大学が出口強調になったことによる影響がボディーブローのように効いてきている。
  • 大学、国研、産業界ではミッションが違う。これを鮮明にした上で、社会課題解決を国研が主導すべき旨を強調すべき。
  • 国研でも、文科省の国研と経産省の国研では性格が違うことに留意すべき。
  • 大学、国研、企業のそれぞれのミッションが重要。「研究開発予算の枠組み等の見直し」(資料4-1 18頁)の書きぶりでは純粋基礎研究が削減されるような印象も受ける。本文の「純粋基礎研究は一定枠を確保することが必要」(資料4-2 24頁)との書きぶりでも表現として弱い。
  • 基礎原理研究を自律分散型からニーズ志向型に切り替える点で画期的。JSTからNEDOへの連携のモデルケースを示すなど、出口に向けてどのような組織体制にするかが重要。

総合プロデュース機能

  • 目に見える成功事例を作ることが重要。成功はリーダーへの依存が大きく、日本人に限定する必要はない。
  • 出口まで一気通貫で進めるためには、総合プロデューサが重要。ただ当初の計画通りプロジェクトが進むわけではないので、PDCAサイクルを回して国として総合プロデューサをバックアップする体制が必要。
  • 総合プロデュース機能をサポートする仕組みが重要。大学が核となって様々な企業が関わる大きなプロジェクトが最近増えているが、大学では権限と責任が不明確な場合が多い。
  • 国際競争で重要なのはスピードで、従来の分担型の研究開発からパラダイムを変換することが必要。そのためには総合プロデュースする人材が重要。80年代、90年代に太陽光発電や半導体、有機EL等の分野で技術の市場化を実現した人材がいるので、こういった人材をマップ化して活用を図るのも一つの手。
  • 権限と責任を持って全体を統括する総合プロデュースの仕組みは、府省の縦割りの組織とどのように両立させるのかが難しい課題。最先端研究開発支援プログラムは一つの回答ではないか。今までの各府省の予算に上乗せして、出口の明確なプロジェクトに投じていく仕組みを恒常的に国の予算配分に取り入れていくのも一つの手。

拠点

  • オープンイノベーションといっても、弱いものが集まっても駄目で、個が全て強いことが前提。経営資源が限られている中で、世界と競争するにはスピード感が重要で、資金や人をどれだけ投入して成果を早く挙げていくか検討が必要。つくばのナノテク拠点は、従来の護送船団方式を思わせる。護送船団では成果が出づらく、国としてどのような企業を勝ち残らせるのか戦略的に検討しないとスピード感が出ない。
  • テクノロジープラットフォームについては、日本にも産業界や独法(NEDO、JST、産総研等)等でいくつか検討している場はあるが、相互の情報交換や連携が欠けている。プラットフォームを一から作るというよりは、相互に情報を流通させて可能であれば戦略を共有する方向で進めるべき。
  • 研究開発拠点の機能として「知財権の処理」(資料4-1 19頁)とあるが、拠点では戦略的に知財戦略を立てるべきで、単に管理・処理するのではない。
  • 出口志向型のプロジェクトは、社会科学系研究者の参画も含めて、産業技術政策トータルで進めていくべき。

法制度の整備(知財等)

  • 知財の関係では、この中間報告に書かれている内容を達成するために必要な政府の法的措置が記載されていない。例えば標準が大事というだけではなくて実行しなくてはならないが、そのためには外国企業も含めた仲間が必要。しかしそのための法的環境は不十分で、結果として外国企業からは敬遠される。職務発明制度は権利の承継が問題になるが、外国特許の承継は予見性がないため取決めもできない状況。第2章2.(2)(1)はとても大事なことなので、概要版にも入れてほしい。
  • 協調領域ではいかに自分たちの業界を位置づけるかが重要で、その際最後に問題として残るのが知財の取扱。知財で利益を受けるのか、不利益になるのか明確なルールを示してほしい。
  • オープンイノベーションには、技術流出、コンタミなどのリスクもある。本来であれば法規制を整備すべきであるが、現実には難しいことも事実。制度の検討を進めていく一方で、制度と現実に打つ施策との間には隙間があるという前提で、国原資の技術の行き先についてはモニターするなどソフトな対応も必要。例えば技術移転機関はこれまでプロフィットベースで動く組織とされているが、本来はモニター機能も役割としてあるはずで、国としてバックアップすることが必要。
  • 安全・安心な社会の実現には、技術だけでなく、法律的枠組みの整備が必要。iPSの認可に時間がかかる、遺伝子診断結果をどこまで伝えるかなどの問題があり、これらが解決されない限り技術開発が進んでも実用化につながらない。

評価

  • この報告内容をどのように実質化していくかが大事。科学技術政策とイノベーション政策は本質的に異なる。政策について論ずる時、その「目的と具体的に実現しようとする内容」に着目すべきで、「ステージ」や「フェーズ」であってはならない。目標、目的を見据えても本当に有効かどうかはやってみないとわからないが、そのフィードバックの体制ができていない。日本全体としてイノベーションをどう展開していくのか、国家的、国民的な課題をしっかり把握する必要がある。大学がイノベーションにどう組み込まれていくかが大事。共管プログラムや組織を作ったり、経産省内に限定せず、拡げて考えなくてはならない。
  • 資料4-1の28頁に、「地域への取り組みを大学評価等に反映するための評価基準の整備」とあるが、大学評価にも様々な切り口があり、国立大の評価では文科省から提示された6項目のうちウエイトを置く項目をいくつか選ぶ形になっており、高専も高専機構という形で一元化されている。「地域の取組に対して一つのプログラムとして評価基準を整理する」程度の表現に留めておいたほうが、各大学の独自性が保たれる。
  • 「出口を見据えた研究開発に対する評価の見直し」(資料4-1 18頁)の項目は重要。プラットフォーム的な役割を担う黒子役の人や組織を、国として正当に評価すべき。

出口を見据えた研究開発

  • 重点四分野から課題解決型への転換は、目指すべき将来の社会像が明確になり、産業界としてもモチベーションが高まる。
  • 出口イメージをもっと国民に分かり易くすべき。同時に、出口からブレイクダウンして基礎となる革新研究も充実させるべき。
  • 新しい産業、新社会システムが世界のなかで勝ち残っていけることを示し、そのための産業技術であることを国民にアピールすべき。日本は新エネルギーなど社会インフラ関連は強いが、サービスなど川下になるにつれて弱くなり、出口に近いところまで官の一貫した後押しが重要である。
  • 高度化された技術を組み合わせイノベーションを起すには、オープンイノベーションやプロデューサ人材だけでは十分でなく、複雑なシステムを作るためのメソトロジーが必要。サンタフェ研究所やソニーでよい成果が出ており、メタなメソトロジーサイエンスも検討すべきでないか。
  • サービスの研究開発が、出口の直前に位置付けられているが、この部分こそ強くすべき。日本は技術もあり、ものも作れるがサービスの部分が弱く、利益をあげられていない。サービスから入っていくという考え方で捉えたほうがよい。
  • ものづくりには、ビジネスのアーキテクチャが重要。技術を強化しても、組立型(モジュール型)では厳しいという点を認識すべき。産業政策、イノベーション政策を重点化するには、工作機械や機能性材料のようなすり合わせ型の観点が必要。
  • 日本は、電池、半導体、液晶等、オイルショックの頃に取り組んだことが10年、20年経って社会に貢献できるようになってきた。低炭素社会、循環型社会システムをさらにセグメントに分けて取組んでいくことが重要。
  • 現行の太陽光エネルギー技術で特に恩恵を受けるのはアメリカや中国、中東、アフリカ等である。日本を含めたモンスーン地域に通用するエネルギー技術も将来的に必要。

人材について

  • 余剰研究開発人材を国研で一時的に保留するのと同様に、産業界に蓄積された人材、ノウハウも長期的な視野による蓄積を国家としてやってはどうか。
  • イノベーションには工学系が重要で、工学系のよい博士を作ることが必要。民間企業は修士に満足しており、東京大学でも工学系で博士に進むのは10%を切った。「工学系の博士」という記述を盛り込むべき。

その他

  • 報告書のデータが2007年頃までのもので、今回の不況や日本の成長が中国に依存しているデータを極力反映すべき。
  • アメリカが研究開発で強い要因には軍事研究があり、イギリスでも、日本の2.2倍の予算を使っている。材料分野では、日本は表に出てくる材料は強いが、表に出てこない構造材料はアメリカが強く、この事実を視野に入れておく必要がある。

文責:事務局
以上

お問合せ先

産業技術環境局 産業技術政策課
電話:03-3501-1773
FAX:03-3501-7908

 
 
最終更新日:2009年7月8日
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