経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第10回)-議事要旨

日時:平成22年4月1日(木)15:00~17:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

木村委員長、呉委員、中村(正)委員、中村(道)委員、夏梅委員、橋本委員、丸島委員、渡部委員

議題

  1. 産業技術政策に係る今後の検討について
    • オープンイノベーションによる研究開発力の強化
    • 技術人材の育成・流動化・活用
  2. その他

議事概要

事務局よりオープンイノベーションによる研究開発の在り方及び技術人材の育成・活用等について説明。

  • 人材育成については、高度人材の需要構造が変化したということをしっかりと認識したうえで、推進する必要がある。20年前は出口がはっきりしていたことから、課題を解決できる人材が必要であったが、現在我が国は、目指すべき出口を見つけられる課題設定が可能な人材を育成していく必要がある。
  • 国内の大学によって育成される人材が企業ニーズにマッチしていなければ、グローバル化の進展もあり、企業は海外の大学から人材を雇うようになる。一方で、企業側も本気でイノベーターを育成できているのだろうか。
  • 優れた研究者が基礎研究分野に偏在しているので、リーダー人材をエンジニアリング分野に移すことが重要。そのためのインセンティブ設計は重要だが、外部資金の獲得による評価をインセンティブにすると、研究費を稼ぐことが目的になってしまう。支援人材の配置などはインセンティブになりうる。現状は論文数が評価軸となっているが、異なる評価軸を設けることが必要である。
  • 優れたドクターは産業界への出口がない分野でインパクトの大きい論文を書こうとするので、産業界での活躍が難しい状況である。企業もドクターもお互いに理解をしていないので、如何に産業界へつなげていくかが重要である。
  • ドクターに行こうとする人が減っている。理由は2つあり、一つは学生時代の経済的な問題、もう一つは博士課程の修了後の生計に対する不安である。民間企業にも参加してもらい、給付型の奨学金を整備する必要がある。
  • 基礎研究が出口志向ではないと指摘しているが、問題は技術がビジネスモデルに結びつかないということで、これはサイエンスリンケージだけの問題ではない。エレクトロニクスでは局所探索により自分の技術を発展させる取り組みはよいが、外の技術を発展させる取り組みが弱い。
  • 共同研究の不実施補償問題の解決は重要であるが、企業規模によって異なる。大学にとっては、ベンチャー企業や中小企業における特許の使用は大企業より多く、大学の移転した単独特許は、そこで使われるべき。
  • 大学では特許の質を評価している人はおらず、リファレンスなどで表面的に評価しているに過ぎない。
  • 早い段階で大学と産業界が結びつき、長い時間をかけて技術移転すべきなのだが、大学では長期視点で予算を確保していないので事業はできない。特許取得をすればすぐに事業化されると考えている企業があるが、排他権が設定できるだけである。
  • 技術組合制度は連携の仕方や成果の配分が課題である。企業の競争優位性が確保できなければ実用化につながらないので、産業界が利益を出して税収を得るというスキームを構築すべきである。
  • 海外の研究者を日本でいかに活用するかという視点を盛り込むべきである。
  • 工学部のドクターの半分以上は民間企業の勤務経験があることが統計に示されている。ドクター課程で研究成果を出して、研究室によっては、70~80%が民間企業へ就職することを最初からアピールしたらいい。大学に残らないと落ちこぼれであるという文化が大学にあると思うので、意識付けが重要である。
  • 企業側の人材育成でも議論しているが、インターンシップの受け入れが重要。インターンシップ制度を総括して、改善するといった身のある効果がある制度作りを国レベルで実施すべき。
  • 今の大学は、学術領域の専門化・細分化が進み過ぎているので、広く俯瞰する視野が欠如している。社会とのつながりを意識して重視する研究が進み、動機付けができれば理工系離れ、学力低下を解消できる。
  • オープンイノベーションは大企業とベンチャー企業間で利益相反を起こす場合もある。ベンチャーキャピタルが行司役を担っているが、第三の機関が入ることで調整が可能となっている。
  • 組合制度は特許を一元管理できないといけない。今はうまくできているのかわからないが、支援が必要なのかもしれないと考えている。
  • 大学院における専門職業人の養成について、日本の専門職大学院は専門職業との連携がうまくいっていないことがあるので出ていないのだろうか。社会人が活用できるように前向きに作っていく必要があると思う。
  • 垂直連携が大事だということだが、川下企業が強く素材メーカーは弱い傾向がある。そういうケースにおいては間に大学が参加した連携は取り組みやすい。
  • 産学連携や人材育成は文部科学省でも議論されていて、さらに議論して交流する場が必要である。一つ一つ課題を解決していくプラットフォームを作った方がいいと、総合科学技術会議においても議論されているが、これは産業界も賛同したいと思っている。
  • イノベーションを起こすためにはマーケット戦略や知財戦略等の初期段階の戦略が必要。特にビジネスの出口を想定した初期段階の特許により価値を創造することが重要である。極端に言えば、発明発見を特許化するというのではなく、事業をカバーするために特許をとるという考えである。
  • 留学生が減っていることについて調べてみたが、学部生が大きく減っていることが原因であることが判明。日本では、大学で時間を消耗しているうちに就職できなくなるという傾向になっている。
  • ケンブリッジの大学院では、学部からストレートの院生がほとんどいなかった。ほとんどが企業経験を積んだ上で大学院で勉強しているが、モチベーションが高くその後事業に成功したという例が多かった。学生経験しかないと社会に出て何をするのかわからないのでもったいない。

(文責:事務局)

 
 
最終更新日:2010年4月20日
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