経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第12回)-議事要旨

日時:平成22年4月23日(金)14:00~16:05
場所:経済産業省本館17階第一特別会議室

出席者

木村委員長、飯塚委員、小野委員、呉委員、中村(正)委員、夏梅委員、橋本委員、春山委員、丸島委員、渡部委員

議題

  1. 産業技術政策に係る今後の検討について
    • 論点整理(案)
  2. その他

議事概要

事務局から、これまでの議論を踏まえた論点整理案について説明。
以下、委員からの発言概要。

  • 会社で目標を立てるときには、その施策を実施した後、5年後、10年後の姿がどうなっているのかを考える。社会的課題を解決するためには何を重点にしていくのか、ということを決めなければならない。  
  • 日本の輸出額の75%は金属産業が占めている。日本においてものづくり産業がいかに大切かということを示している。
  • 理工系離れが止まらない深刻な状況であるが、教える側の先生が理科授業が苦手というデータもあり、教育環境に問題がある。
  • 国際標準の獲得には、短時間で正確に多くのことを伝える能力が必要であるため、プレゼンテーション能力など、そのための専門的な人材教育を本格的に開始すべき。
  • 新成長戦略でライフイノベーション、グリーンイノベーションが掲げられたが、2030年くらいの産業構造、社会の姿を見据えて、具体的に取り組むべき課題を設定することが必要。
  • 大学の研究室は新3Kだが学生は喜んでやっており、国のために尽したいと思う学生も多い。若い人たちにとって理系に行った後の将来の姿が見えないので、それよりは楽な方という選択をすることになってしまっている。
  • 研究開発予算が減っていく中でいかに有効に使うかを考えると、プロジェクトの基盤インフラとなる装置やシステムを継続的に使えるようにしていくことが重要。5年間のプロジェクトが終わると同時に管理する人もいなくなり、装置等が使われなくなってしまう。例えば、ポスドクについて半分の時間は装置の管理、半分は自分の研究といったように予算を付けて活用していくことが重要。技術開発の前倒しの話があるが、予算を支出すれば前倒しできるわけでなく、人の部分に厚く配分できるような制度設計が必要。
  • 官庁にせよ企業にせよ、大学の理系、文系で進路を分けてしまう制度は問題。将来の進路をどこまでも拡げていけることが個人にとって一番のインセンティブとなる。アメリカでは理系でもビジネス感覚を持った人が多く、日本でも大学院教育等でビジネスの教育を行うべき。
  • 標準化人材の育成には、プレゼンテーション能力も必要だが、一番重要なのはビジネス戦略を理解できる能力。交渉事はどこかで妥協しなければならないが、背景のビジネス戦略を理解していなければ落としどころが分からない。
  • 産学連携については、企業が実施しやすいような仕組みを考えるべき。企業は知財戦略を取っており、それを代わりに大学が行うのは不可能で、早い段階からの産学連携が必要。また知財の共有について、誰のための共有なのか。参加する企業にとってメリットが感じられないと思う。
  • 課題に対して、どの施策が当てはまるのか、つながりが見えない。この施策に取り組めば、将来どうなるのかもっと明らかにしてほしい。
  • 新興国市場のボリュームゾーンについては、過剰品質の問題に収めてしまうべきではなく、ここでの主題は新興国市場に合わせた製品開発であるべきということ。
  • 自動車がハイブリッド、電気自動車になると、どういう部品がいらなくなるのかというような議論が必要。
  • 研究開発プロジェクトの運用改善の中にサンプル提供とあるが、すでに大学や公的研究機関でも行っていることで、ここは試作品提供のことではないか。
  • 日本企業は技術を価値につなげるところで遅れをとっている。米国ではアジャイル・エンタープライス(俊敏なる企業活動)が盛んであったが、これはITで顧客とリアルタイムに会話しながら生産して、すぐに納入できるようにするもの。日本のある染色会社は、同様の取り組みで非常に伸びている。
  • パワー半導体については、川下につながる大きな産業を視野に入れて育成すべきであり、川上の技術とつながる川下の産業育成と大学が一体化した政策対応が必要。
  • 日本の強みはプロセス産業。世界市場で優位的な産業について、省エネ等を加速させて、中期的な事業拡大を実現することが必要。
  • 大企業や大組織にいる方が安心かもしれないが、大企業の一人あたりの成果を国際比較すると見劣りする。組織が小さいと一人当たりの成果を出しやすく、その典型はベンチャー企業。日本の7割の雇用を支える中小企業は、一人当たりの成果が大きくなる可能性を持っている。この様な視点から評価する仕組みが必要ではないか。利益を出すための組織論、税制について議論が必要。
  • 日本では、誰かが作り上げた富をどう配分するかという議論が多いが、働く人がどうパフォーマンスを上げられるかという議論が必要。人口が減少している我が国で、どう舵を取っていくかが問題。
  • これまでは、重点4分野の科学技術水準の上昇が善と捉えられていたが、そこから脱却して、課題解決によって科学技術を評価するということが本来の姿であり、研究開発が成熟した国のあるべき姿だと思う。実際にこれをアクションプランにしていく際には抵抗も大きい。日本学術会議では「科学・技術」という言葉が出るなど、科学の独自性を強調する動きもある。
  • 日本人の語学力の低さも含めて、コミュニケーション能力の低さが課題解決型研究開発の障壁になりかねない。自前主義からの脱却、産学連携、オープンイノベーション、国際標準化、いずれをとっても異なるセクターとのコミュニケーションを適切にしなければ課題解決には繋がらない。
  • ポスドクの問題についてもコミュニケーション力の問題が大きい。博士号をとった人が、そこから展開できないでいる。ポスドクの教育の際には、研究力と同時にコミュニケーション能力に関する教育も行うべき。
  • ライフイノベーションには、人々の人生を豊かにするサービス産業、という観点も入れていただきたい。
  • 研究開発投資における資本市場の有効活用という視点を入れるべき。
  • 国を超えて、アジアを視野に入れたオープンイノベーションを、どのように進めていくかについて考えるべき。

(文責:事務局)

 
 
最終更新日:2010年5月25日
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