経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会長期的な安全性確保検討ワーキンググループ(第4回)-議事録

日時:平成21年1月30日15:00-17:00

場所:経済産業省(本館2階)2東8共用会議室

議題

(1)CO2帯水層貯留における技術課題の現状と今後の取り組みについて

(2)圧入するCO2の濃度基準等

(3)二酸化炭素圧入井掘削、坑井閉鎖に当たっての安全基準等

(4)その他

議事概要

1.開会

  • 三橋地球環境技術室長

    雨の中を委員の皆さまお集まりいただきまして、ありがとうございます。

    それでは第4回のCCS研究会長期的な安全性確保検討ワーキンググループを開催したいと思います。

    本日は事情がございまして、座長の佐藤先生が急遽欠席となりました。本日、佐藤先生のご了解を得まして、本研究会の第二ワーキンググループをフォローしてくださいまして、親の研究会の委員でもありますRITEの村井さんに座長の代理をやっていただくということで佐藤先生のご了解をいただいておりますので、ご了解をいただければと思います。

    それでは座長代理の村井さんのほうに進行をお願いしたいと思います。

  • 村井座長代理

    村井ですが、よろしくお願いいたします。

    それでは本日の議題に入る前に、連絡事項を事務局よりお願いいたします。


2.配付資料確認

  • 三橋地球環境技術室長

    本日でございますけれども、まず出席委員でございますが、佐藤先生ご欠席はいまご報告したとおりでございます。あと審議の内容に応じまして、新日石から古宮さんのプレゼンテーションをいただくために古宮さんにお越しいただいていますのと、議題の中に坑井の掘削の部分、それから坑井の閉鎖の部分がございますので、前回プレゼンテーションをいただきました石油資源開発の藤井常務にも本日お越しいただいて、議論に参加していただくという体制を整えてございます。

    それではお手元の配付資料の確認をさせていただきます。点数が多いのですが、大きなくくりでご紹介をしますと、まず資料1が、本日いただきますプレゼンテーションの「CO2帯水層貯留における技術的課題の現状と今後の取り組みについて」というスライドの紙。

    それから資料2が3点から構成されておりまして、本日から中身の議論に入ります1つ目、地下に圧入しますCO2の濃度に関する基準。資料2-1に、私ども事務局のほうで作成しましたベースとなるペーパー。資料2-2に海防法施行例の該当箇所、海洋汚染防止法ですね。それから諸外国の規制の一例として、CO2の濃度基準にかかわるところをEUとアメリカと豪州の3つについて資料2-3に入れてございます。

    また資料3が大きなくくりといたしまして、本日の2つ目の中身の議論になります二酸化炭素圧入井の掘削、坑井の閉鎖にあたっての安全ルールということで、ペーパーを用意してございますのと、それに関連する規制の事例として、アメリカとEU、技術的にはほとんどアメリカになっていることをご覧いただくために、EUの関連する記述もあわせて用意してございます。

    それ以外に参考が3点用意してございまして、資料の参考1は、中身の議論に入ります前に資料が多くなってきておりまして、バラで中身の議論をしている関係がございますので、どういうふうに今後3月、あるいはそれ以降に議論を進めていくかということでのイメージ図、展開図を用意してございますので、その参考1。

    それから事務局のほうで提出いたします資料についてコメントをいただく際のコメント様式といいますか、イメージを用意してございますのと、参考3は、CO2の濃度と圧入井の掘削・閉鎖の紙を用意してございますが、前回のもう一つのワーキンググループで出ているペーパーが二点出ておりまして、一つは候補地の地質の条件、もう一つは輸送にあたっての基準というペーパーをお配りしていますので、そちらの資料も参考ということでお配りしております。

    これは全体のバランスをご覧いただくこと、あるいはこちらに書いてあるからこちらに書かないとか相互の関連がだんだん出てくるようになってきますので、それが具体的に見えるように相互のワーキンググループで配付して資料を両方にお配りするというような手法を考えております。

    以上が資料全体でございます。過不足、あるいは抜けているものがございましたらご連絡いただければと思います。よろしいでしょうか。

  • 村井座長代理

    それでは本日も引き続き、このワーキンググループの検討項目に沿った形でプレゼンを準備していただいております。


3.議題

  • 村井座長代理

    本日は、新日本石油株式会社の古宮チーフスタッフに「CO2帯水層貯留における技術課題の現状と今後の取り組みについて」。資料1でございますが、プレゼンテーションをお願いします。説明を全体で15時35分ぐらいまで、30分ぐらいでお願いいたします。


(1)CO2帯水層貯留における技術課題の現状と今後の取り組みについて

  • 古宮オブザーバー

    新日本石油の古宮でございます。

    まずは、本日はこういう大事なワーキングで発表の機会を与えられまして、大変光栄に思います。ありがとうございます。

    今まで第3回のワーキングで委員の先生、あるいはその専門分野の有識者の方から発表されたというふうに認識しております。それからこのあと、一部基準案の審議に入るということで、本日はその狭間ということではないですが、民間事業者の視点・立場で、ここに書きましたように技術課題の現状を整理させていただいて、その一部具体的対応も含めて今後の取り組みについて、ご提案をさせていただきたいと思います。

〔スライド〕
  • 本日の報告内容

    本日の報告内容ですが、1つ目は、実際、日本でCO2の帯水層貯留をしようとした場合に、主な技術項目ということで4つ掲げまして、これらの技術の現状の課題を整理しまして、一部その課題に対してどういう対応をしていったらいいかというところをまとめつつ、最終的にはそれらを踏まえて、今後の取り組み案を若干、提案したいというふうに思っています。

  • 貯留サイト事前評価技術

    まず貯留サイト事前評価技術ということでございます。これはどちらかというと、このワーキングよりも安全基準検討ワーキングのマターですが、帯水層貯留を一連で課題を整理していくときにこれが前段として大変重要でございますので、概括を振り返ってみたいと思います。

    事前評価には2つのステップがございまして、一つは地質データをとる段階。もう一つは、そのとったデータをもとにモデルをつくって、最終的にはシミュレーションで評価をする。

    評価をするのは何のためとここに書いてあるように、実際に圧入あるいは貯留を実施しようとした場合の判断をしなきゃいけないんですが、本当にそのサイトで圧入できるの、量はどのくらいできるの、圧入レート等の条件をどう設定したらいいのと。最終的には、圧入したあと、安全性の面で長期挙動をどういうふうに分布していくのと。

    こういったものをしっかり予測評価して、最終的には判断するわけで、事前の評価といいますと、ややもするとデータをとるところに議論が集中するところがあるんですが、事業者の視点に立てば、最終的には定量的な形で数値化して、こういう判断で議論をするというところが大事だと認識してございます。

    地質データの取得のところは、この安全基準ワーキングの第2回で佐藤委員がかなり丁寧に紹介されていまして、ここでは概括ということでおさらいの意味でさせていただきます。

    データとしては、主に構造面の評価と貯留能力といいますか、特性機能面の評価と2つの側面がございまして、構造はご承知のように3Dサイズミックのような弾性波探査をやると。これでどのぐらいの貯留層の規模があるのと、それから大事なシール層、帽岩があるの、トラップはどうなのというところの概括を見ると。

    それから能力の評価ということでは、実際に調査井を掘削して物理検層、電気検層等で岩石の種類とか重要なパラメータになる孔隙率等々見ていく。さらには直接のコアをとってきて鉱物組成、だぶりますけれども、孔隙率、大事なパラメータの浸透率を実際に測っていく。同時に圧入テストでシール機能。シール層の浸透性を見るとか、最終的には地層水なんかをとって長期的トラップを考えれば溶解の存在等を見ていくと。

    こんなような情報をとって、実際はこの情報を使ってモデルをつくるところは大変重要と認識しているんですが、現状のデータといいますか、実証試験でもどんどん積み重ねて、知見がたまってくれば、例えば1本の調査井でもそれなりのモデルはできるんでしょうけれども、現状のレベルですと、この1本の調査井で得られるデータでは、なかなか高い精度のモデルができないということで、モデルができないということは、こういう判断基準がとれないということでございますので、なんらかの対応がいります。

    そのときにいま最も考えられているのは、せっかくある旧石油公団の基礎試錘といいますか、そういう情報とか、石油資源開発、石油開発でやってきたこういった情報を活用したり、あるいはそこのサイトとは違うサイトでも、深度との関係とかいろんなデータの統計処理を使ってモデルをつくるんでしょうけども、たぶん想像するに、1本の坑井データだけだとなかなか難しいということで、特にご提案したいのは、最初の実証試験のように知見をとる、あるいは安全性基準のためのしっかりした枠組みをつくるには、この坑井データは追加取得しまして、現状でできる地質モデルの最大限のものをつくって評価をしていくと。で、このへんのところをしっかり把握したうえで実証試験をやるということが大事だろうというふうに考えています。

    したがいまして、この安全基準ワーキングのほうで基準案を今後検討されるというふうに認識していますけれども、データという面の、これは手段ですから、どちらかというと、こういうモデルにもとづいて、じゃ、どんなデータのとり方がいるねというふうな検討が今後重要だと認識しています。

  • 貯留サイト事前評価技術

    次に、サイトとしての主要な要件は何かと。これは主なものですが、日頃の問題意識を並べてみました。

    主要な要件としては、堆積構造、構造性の問題、貯留層の規模・均一性、特性、シール層、活断層という要件がありますけれども、これはマストではないんですが、望ましい要件ということで、互層構造、背斜構造。当然、貯留層は大きくて厚いほうがいいでしょうし、こういったパラメータは比較的大きい。シール層は厚くて、むしろ浸透率は低いとか、活断層はないということです。

    よく、この研究会ワーキングで紹介されるスライプナーの事例がありますが、これはどう見ても、日本の周りの地質条件に比べれば少し特例と言ったほうがいいと思いますが、こういうものを満たそうとすると、なかなか日本の近郊でいいサイトを見つけるというのは難しいということで、必ずしもこういう要件を満たしたサイトを見つけるのに注力するんではなくて、サイトに合ったモデルをしっかりつくって、そのために情報がいりますが、シミュレーション精度の向上をさせまして、その要件に合った、どういう圧入の仕方をしたらいいかの最適化をはかるし、圧入した場合の貯留量、漏洩量について、この予測精度を上げていくということで対応していくことが、日本の帯水層貯留を今後、実現に向けて大事なニーズの一歩になるんじゃないかと考えております。

  • CO2地中挙動シミュレーション技術

    ここで紹介しましたように、とにかくモデルをつくってシミュレーションということが大事ですけれども、シミュレーションのステップについて次に紹介します。

    シミュレーション技術というのは大きく2つの段階がありまして、いま紹介しているのは事前の評価で、最初の実証試験では事前の評価は大変大事なんですけれども、とにかく最初の限られた情報でモデルをつくって、できる限りお金が少ない状態でこういうものを追加してモデルを精査して、まずこの段階でしっかり予測すると。

    ですけど、実際この段階では完全にという具合にいきませんので、最終的といいますか、実際的には少し圧入をして、モニタリングデータをとって、モニタリングデータと実際に最初につくったモデルで計算した計算式を比較検証して、もう一度モデルを見直して現実性の高いものに向上させていくとういことが必要なステップになりまして、そういう現実性が向上したモデルですと、このへんの精度の向上がはかられるということで、そういった面でも事前の評価をして、とにかく実証して、こういうデータを検証して、将来の実用化に向けて、できるだけこういうものの信頼性を上げていくということが大変重要だと思います。

  • CO2地中挙動シミュレーション技術

    ここでシミュレーションの要素について、少し分解してご説明したいと思います。CO2地中貯留の場合に、シミュレーションに2つの要素があると大きく書きました。一つは圧入段階、それと貯留段階ですが、圧入段階でできるシミュレーションというと、基本的には圧入条件の最適化のために岩石特性、さっき言った浸透率とのパラメータの補正、それから断層バリア等があればその補正という部分の補正要素。

    それから貯留になりますと長いレンジになりますので、溶解とか化学反応という要素を見直していくことが必要でして、流体特性といいますが、これで長期挙動予測精度を上げていくということになります。

    ここでシミュレーション技術が大変重要だということで、今後、いろいろ検討していかなきゃいけないんですが、実は岩石特性等のシミュレーションに関しては、私ども弊社グループの石油開発において幾つか事例がございますので、少し紹介させていただきたいと思います。

  • 地質モデルの平面図

    これはある海上油田の例ですが、いきなり生産井が入っているんですけど、これは当然、生産井を掘る前に、5~6年前から、この周辺の3Dサイズミックにくる、それから試掘井を掘って、あるいは評価井を掘って貯留層としての確認、あらかたのモデルをつくってある前提と考えて、そういう中で生産井を3本掘って、いわゆる原油生産を本格的に始める前に、しっかりとしたモデルをつくったという事例です。

    実際の地質は網かけの部分で、油がたまっているのは網かけの部分ですが、モデルサイズとしては10キロ、20キロ、深さ60ぐらいですかね。油層としては5キロ、10キロの深さ30ですね。初期3本で、グリッドはそれぞれのサイトスペースで変わるんですが、こんなグリッドで97×146、縦は見えませんので、断面図です。

  • 地質モデルの断面図

    縦はこれで60ぐらい。全体で26万のグリッドです。これは深度2000mぐらいです。

    ここでまず何をやるかということですが、A-A’さっきの面で区切ってみると生産井1例では入らないのですが、実際は3本の井戸のデータを使って、まず孔隙率を入力します。やり方としては、孔隙率はそんなに大きくずれませんから、3つの井戸の実測データをうまく統計的手法で予測しまして、各グリッドに分布する、ちょっと見にくいですけれども、そんなに大きな分布はなくて、大体10から20ぐらいに入っております。

    次に浸透率は孔隙率のようになりませんで、ここの地質がかなり不均質なところもあるのですけども、数ミリダルシーから数百ミリダルシーまで分布しています。

    入力の仕方としては、実測のデータをまずとりますね。同時にここの貯留層油層の部分以外に、事前にいろいろ試掘井とか評価井を掘ったりリサーチ等々かけて、周辺の地質データがありますので、そのデータを加味するとか、こういう地図がとれていますので、この浸透率の相関、logですと右上がりの直線になるんですけども、そういったものを種々活用しまして、各グリッドに入力しますと、こういう分布になっていまして、レイヤー自体でもちょっとズレもあるし、レイヤーが変われば結構ずれるということで、浸透率については全然問題ない。

  • 石油開発におけるシミュレーション技術の活用事例

    次に原油生産ですから、油飽和率、水飽和率というものを入れております。ここは検層データで油飽和率、水飽和率が出て実測データが出ます。と同時に、コアで毛管圧入等を測っていますので、毛管圧と水飽和率に逆相関がありますので、そういったものを種々活用して埋めていきます。

    これは油水間にありまして、上側が油層で下が水の層です。見にくいですけれども、油が高いところでありますが、大体ブロードに70~80%が飽和されているといことです。

    これが生産開始する前にシミュレーションといいますか、初期数値入力のモデルになるわけです。以後、実際、実測データをとって入れたシミュレーションといいますか、値がどうずれていくかを見ていきます。

  • 生産井3におけるシミュレーション結果と実測値の相位(ヒストリーマッチング前)

    スパンとしては、3年ぐらいのスパンでヒストリーマッチングをかけます。入力は原油の生産量量ですが、石油開発の担当していらっしゃる方はご存じですが、シャットダウンが非常に多くて原油生産は実測ですが、行ったり来たり行ったり来たりしているのは全部そうです。で、だんだん下がっていきます。

    これを入力して何を計算したかというと、まず坑底圧力と含水率とガス油比を計算しています。あと実測をとりまして、その比較をします。

    まず圧力なんですが、これ実測、これが計算です。実測はシャットダウンのときしか測れませんので、ポンポンポンとデータがあります。これ、ずれています。計算値が低いんです。

    これは何を意味するかというと、原油を抜き出しますと、その井戸の圧力が下がります。このスタディでは、圧力が結構下がると想定したんです。これはどういうことかというと、井戸の周りから油とか圧力補てんがないと油が補てんしてくれないというふうに読んだのですが、実際は結構補てんしてくれて、圧力は下がっていません。ということは、一つに坑井の周辺の水平方向の浸透率を小さく予測し過ぎているのが一つ。

    もう一つは、例えば生産井3はここなのですが、この井戸には圧力が下がったら、隣のグリッドから油が補てんされて、圧力が補てんされるんですが、実際、徐々に徐々に動いていくわけで、この辺の水が押し上げて、押し上げられると油が段階的に動いていくんですが、その押し上げという面でA-A’の、水層サイズのエリアがもっと大きいんじゃないかという予測をしております。この場合の油と水の相対浸透率は、若干油のほうが高いですから、大きいですから、水が先にくることはないんで、水が押し出して、押し出されたものによって油が動くということが起こります。

    ということで、もう一つの修正ポイントということで水層エリアを過小評価したということです。

    それから2つ目のポイントの水なんですが、これが実測で、これが計算値ですが、計算値が非常に高いです。これは水がかなり早い段階でブレークする、ついてくるというふうに予測しています。

    それは、水の場合には、(断面図)横方向より井戸の真下も水層ですから、縦から水が入ってくることが一番可能性がありますので、縦方向の浸透率を過大に評価していたと。通常は水平方向と垂直方向の浸透率は2分の、ないし10分の1ということでいろいろ表によって基準の設定の仕方が違うんですが、ここは大きめに設定したということがあるので、その比率を変えるとういことで過大評価しています。油ガス比率は一緒です。

  • 生産井3における計算値と実測値の現在までのマッチング状況

    こういうような解析をしまして、もう一回モデルを見直してやりますと、圧力のほうはまだ完全じゃないんですけども、かなり近づいていますし、水のブレークスルーについてはほぼ実測値と計算値が合ってくるということで、縦方向の浸透率は5分の1まで変更していますんで、こういうようなヒストリーマッチング、軌道修正がこういった原油生産の操業管理の最適化ということに貢献していっているわけです。

    最初、一回、3年のスパンでヒストリーマッチングをかけて、地質モデルを再構築しましたが、いま現在まで同じモデルで生産を続けているんですが、これ水ですが、最近のところを見ると、ほとんど実測値と計算値が一致しています。圧力もかなり一致していまして、非常にヒストリーマッチングが効力を発揮しまして、しっかりモデルをつくってシミュレーションすることによって、生産最適管理ができると。

    一部、生産油ガス比がずれていますが、油が極端に減っていますので、これは地質モデルが問題じゃなくて、ちょっとしたガスの変動で動きますので、ここはよしてとしています。

  • 油田全体のマッチング状況

    これは皆さんのところにはありません。いまナンバー3の井戸のマッチングをお話しましたが、いま二十数本の井戸があるんですが、各井戸ごとにマッチングします。あるいはそれと同時に井戸間の補正等もしまして、油層全体というものがどう管理されているかマッチング状況を見ますと、水については実測値・計算値は完全に一致していますし、生産油ガス比も1本の井戸ではずれていても、全体では完全に一致しています。

    圧力は全体の平均なんで、プロット点とれませんけども、一致していると。これも圧力の下がり方で、この油田全体がどうこう今後は予測ができるんですが、まだ継続で、これがずっと下がってくると、水圧入とかCO2圧入することになります。

  • 油田開発の経緯

    これも皆さんのところにございませんけれども、最初の生産井3本をシミュレーション、モニタリング、ヒストリーマッチングを繰り返すことによって、追加井をどこに掘るか、どのエリアを開発するかということで、油田全体の原油生産の操業最適化、あるいは経済合理的な坑井位置の最適化をはかっています。

  • 石油開発におけるシミュレーション技術の活用事例

    最も大事なところはここなんですけれども、こうやってモデルをつくってシミュレーションして、その精度を上げて高精度化してまいりますと、現在あるいは15年、20年先の原油の賦存状況が予測できまして、ここで言えば、井戸がなくて油がありそうなところ、先を見ればもうちょっと違うところですね。そういうことがわかりますと、今後の原油位置の最適化と原油井の最適化をはかれるということで、石油開発についてはこのシミュレーション、モニタリングとのマッチングは技術としては大変有効な武器になっております。

    じゃ、これがCO2地質貯留等に適用できないかというとそうでなくて、これは十分適用できると考えていまして、その参考事例を一つ紹介します。

  • CO2-EORへの適用事例(参考)

    これはCO2EORへの適用事例。同じモデルを使って、CO2EORの検討をしています。皆さんのところにありません。ここではインジェクションは1本しか書いていませんけど、実際は6本の井戸から、CO2を年間100万トン入れたときのCO2の広がり分布。この周辺から出ています。もちろんこれだけじゃなくて、これによって原油がどのくらい生産性が上がるかというのをしっかりシミュレーション評価しまして、最適なCO2の入れ方を検討しています。ただこの場合、時間軸が全然違いますけど、帯水層貯留の場合こんな時間軸は動きませんけれども、そういうことじゃなくて、シミュレーションモデルによってこういうような適用ができると。

    したがって、このへんの培ってきた技術というのは十分CO2の帯水層貯留に使えるというふうに考えますけれども、全く同じじゃないんで違いがありますので、次のスライドでそのへんの考察をさせてください。

  • CO2地中挙動シミュレーション技術

    大きく違うのは2つだと認識しています。一つは当たり前かもしれませんけれども、初期圧より高い圧力を帯水層貯留に入れますので、この違い。さっき原油生産が下がってくると補てんですが、これは完全に圧力上昇、圧力伝播。これをしっかり予測すると、圧力が上がるということはシール(泥岩)の安全性担保というのが大事なんですが、そのへんに関する予測をすると。それから長期挙動ということで予測精度を上げていくと。この2つがあります。

    ここでいろいろ書いていますけれども、整理をして話をしますと、まずモニタリングの話をしているのはおいておきまして、CO2地中貯留、今まで石油開発で培ってきたシミュレーション技術等を適用する場合に、どんな検討予測、今後の検討課題は何かというと、一つはシミュレーションモデルをもう少しそれに合わせて最適化する、あるいは幅を広げていくということです。

    一つには、溶解は石油開発でもモデルが組み込まれていますけど、化学反応のところが入っていないですから、この要素を入れるというのが一つ。

    それから先程の例は油層の貯留層だけなんですが、当然、帯水層貯留の場合にはシール層の部分は入ってこないとまずいので、そこをしっかり入れていくということ。

    最終的には環境省の規制等に対応するには、海底面までどう出てくるか予測しなきゃいけませんが、ここらへんのところが一つ。

    と同時に、これを組み込んだだけではシミュレーターは回りませんので、そのためには意外とシール層(泥岩)のコアデータは少ないんですね。したがって、今後このへんのデータをしっかりとっておくと。そのときに種類を変えるとか、サイトの特性に分けて条件を振るということで、このへんは基礎研究機関の大事な仕事になると思いますけれども、こういったものを使って踏み込んでやっていくというところが非常に大事だと思います。

    ただ、これだけでは最終的なシミュレーション技術の構築になりませんので、圧入をしてモニタリングをして、それとの相関でもう一つブラッシュアップすることが必要で、そのときに、圧力が上がるというのを武器にしまして、実際CO2の圧入実証ではこの貯留層の圧力モニタリングが大変重要だと認識しています。

    そのときに観測をある程度多点にしないといけませんので、水平方向でも測らなきゃいけないし、最も重要なのかもしれませんのが、シール層の安定性確保の地点では、シール層の一個上の貯留層でしっかり圧力をモニタリングすると。

    圧力は比較的、伝播が早いですから、圧力が移っていくということは将来CO2が出ていく可能性があるということで、そういう面では短期モニタリングは有力な武器になりますので、こういうことをやるためにはどうしても、ここ(「貯留層圧のモニタリング」)が必要になりますので、事前にこういうような基礎検討、基礎データをとって、実際の実証でとって精度アップすることがシミュレーション技術の構築につながっていくと思います。

  • CO2モニタリング技術(モニタリング技術の現状と課題)

    シミュレーション技術の構築にモニタリングの重要性をお話しましたけれども、ここでモニタリング技術を繰り返させてください。これは前回のワーキングで薛先生が詳細にお話されていますので、概括だけにさせていただきます。

    こういう目的のためにいろんなモニタリングがありますが、今般は赤の部分について、ぜひ今後の実証試験でこのへんの実施検討をご提案したいと思います。いま申し上げた圧力が大変重要だと思っています。それから少し溶けて移動してきて漏洩軌跡を見るときには、そのものを見るという面ではトレーサー試験・観測井でイオンをはかれる。この二つのセットアップを、ぜひご提案したいと思います。

    課題をずらずら書いていますけれども、一つで特効薬はモニタリングはないなという印象で、組み合わせがいりますね。と同時に、いずれも定性的、完全定量というのはなかなか難しい。先日の薛先生の話で一部定量につながるような話がございましたけれども、シミュレーションとのセットアップはここが命だと思います。

    そうしますと、短期結果をマッチングさせて長期挙動をシミュレーションで予測しているこの部分が大変重要と思います。

    モニタリングについてもう一度、次のスライドで全体を整理させてください。

  • CO2モニタリング技術(CO2帯水層貯留における課題と対応)

    課題は大きく3つの認識を持っています。一つは、これから石油開発と違って坑井はそんなにたくさん掘れないと思いますので、たぶん原位置データが限定されます。それからシール層の安定性、長期挙動の3つです。

    これに対して、こういう状況ですと、弾性波探査みたいなものが有効な武器になりますので、これはぜひやっていく必要がありますが、コストの関係で頻度を少なくする。

    それから設置型地震計の活用、低コストというのがあると思います。

    いずれにしても、このへんは頻度を下げるためにはこういう実証で検証していくのが必要です。

    2は、さっき申し上げたとおりです。

    長期挙動のところも申し上げたとおりですが、最終的には溶解してどうこうというところまでしっかり追わなきゃいけませんので、この表の確立と同時に、どうしても実証でマッチングさせて長期挙動を予測する技術というものを実証試験を通じて確立していく必要があると思います。

    一方、話が変わりますけれども、閉鎖後のモニタリングについてもたぶん、これから議論になっていくところとだと思いますが、信頼性保証、安全性保証の面でどこまで見てあげればいいか。事業者の視点からすれば、1000年見るというのは不可能な話なんで、そうするとどこまでとなったときに、一つ、初期圧より高いやつを入れているわけですから、それが元に戻るまでが一つの目安ということで、ここではご提案させていただいていますが、ここで本当にいいのがどうか議論がありますけれども、こういったものが一つの目安になるかと。

    今まではシミュレーション、あるいはモニタリングの重要性を申し上げてきましたけれども、それはなぜかというと、結局のところ、日本ではCO2の大規模貯留をやったことがないわけですね。そうすると、どういうような安全性リスクがあるか、そのへんの安全性を保証するためには予測精度、あるいはモニタリングの相関が非常に重要になるんですが、最終的にリスクというところを次のスライドで触れてみたいと思います。

  • CO2漏洩リスク評価技術

    CO2の漏れることがそのままリスクということを一部議論されているところもあるんですが、そうではなくて、リスク評価というのはエンドポイントの規定が大事です。もっと平たく言うと、CO2が漏れたことによって何を守んなきゃいけないか。一番少ないのでセンシティブに影響するのは何なのかということですね。そうすると、地震とかなんかというよりも、海洋生物とか場合によっては人体の健康ということに、少ない量でどう影響していくかという。人体の中でも毒性だったら、肝臓がどうやられるかというところまで踏み込んで見ないとリスク評価はできないんですけれども、そういう視点に立ったときに、現状のデータ環境のレベルは大変低いということをまず申し上げたいと思います。

    具体的に海洋生物の場合、どういうことをやるかというと、2から入ります。地中貯留でシミュレーション予測して、いろんなケーススタディして最大限漏洩した場合に例の海洋面までのシミュレーションができたとして、海底面でのCO2を予測する。この場合、海底面だけじゃないですね。海底面に出たとき、その生物が生息している近傍のところまで拡散がありますので、そこの濃度を予測して、その濃度が本当にその生物の成長抑制を示すまでつながるかを判断しなきゃいけないですが、そのためにはその対象となる生物がどの濃度でどのくらい影響を受けるかという長期の毒性影響データ。

    しかもこれ、化審法上規定されていない可能性がありますので、試験法の確立まで含めて、そのへんの整備がいるのと、もう一つは自然界というのはCO2濃度は当然、温度等で変動していますので、こういうふうに上がってきたCO2が季節変動の中に埋もれてしまうのかどうか。ナチュラルアナログ。そういったところのバックグラウンドデータが整備されてこないと、なかなかリスク評価、評価という言葉は先行しているんですが、実際の判断がなかなかできないという状況です。

    同じように人体についてでして、人体への毒性影響濃度。これは急性毒性のデータはあるんですが、長期毒性の影響データは当然ありませんので、そのへんのデータがないと実際の成長のリスク評価できませんし、人の場合には井戸水は平均2リッター程度しか飲みませんから、この濃度がどのぐらい上がるかということは大体想像がつくんですけれども、実際にはそのへんのところの予測もしっかりしていかなきゃいけません。

    こういう状況ですから、いまは何もできないよというわけにはいかないので、今後の検討課題ということで幾つか提案しています。

    これは実際に、海洋汚染防止法の規制がありまして、CO2圧入貯留をしようという事業者には事前のアセスが求められていまして、そのアセスを環境大臣に許認可をとらなきゃいけない、審査されます。そのためにはここに書いてあるような地表面、海底面までのシミュレーションモデルをつくって、かついろんな物性データをしっかりとって、海底面のCO2濃度を予測して、定点観測もしっかりして、季節変動を把握して、その間どうなっているかというところまで、この3年ぐらいの範囲内で詰めていかなきゃいけませんので、事業者側からすれば、このへんのところはこういう状況の中ですけれども、しっかりやっていくと。

    ただ、ハザードについてはこれとは別な線路でやる必要があると思いますので、それをあわせることになっております。

    いずれにしても、このリスク評価のところは今後いろいろデータ環境等の整備がいるということを現状認識として申し上げたいと思います。

  • 今後の取り組み(案)、実証試験(10万トン/年規模)の早期実施

    いろいろ述べてまいりましたけれども、地下の部分は私も専門の人間ではないですが、非常に不確実性が高いというところがありますので、このフィールドでの実証試験というものをやってみないといけないと。これをやることによって、先程来申し上げているように予測精度の向上、技術の検証ができます。10万トン規模でぜひ早めにやっていくと。

    これは単に10万トン規模をやるのが目的ではなくて、その場所で100万トン規模、あるいはサイトの展開ということう含めて技術課題を検証しつつ、実証試験の段階でしっかりと知見をつくっておくということです。

    そういう視点にたちますと、実証試験は少なくとも1個でおわりということはなくて2個以上はいると。予算の関係で事務局には大変な部分があるかもしれませんが、一つには、構造性と呼ばれるものでやるのはいいと思いますけれども、構造性というのは非構造性の一部と考えることができて、日本で言えばこれは全体の15%ぐらいですから、85%に相当する溶解トラップが主体的に機能するようなところ、かつ浸透率が大きいようなところでやっていくことが重要ですし、実証のポイントとしては、「貯留層」と書いていますが、これは全体を含めてですね。

    モデル構築検証、実際のモニタリングによるマッチング、最終的にはいつまでもモニタリングを続けるわけにいきませんから、短期モニタリングで長期どの程度予測できるかの検証。これは一つ、命綱になると思いますけれども、こういったものをこういうレベルのフィールドで検証いくことが大変重要と思っています。

  • 今後の取り組み(案)、安全性評価技術指針の構築

    最終的にはそういうフィールド実証で安全性の指針をつくる。じゃ、いま何をやっているかというと、いまは実証試験のための指針のもとになるようなドラフトになるようなベースになるものをつくっているという認識ですが、今後、実際の事業をやる実用化のためにはもう一つブラッシュアップがいるという認識ですが、実証だけじゃなくて、先程申し上げたようなCO2帯水層貯留に合わせたようなシミュレーション。これは石油開発等々の知見が最大限生かせる分野だと思います。と同時に基礎データをしっかりとって補てんして、最終的にはフィールドで検証するというような3つのセットで、こういったものができてくると。

    こういうふうな分野が広いということもあって、このへんの検討には民間主体の、こういう実証試験は民間主体でやるようになると思いますが、実際、大学、あるいは地下の専門機関等の連携ということで、技術情報等のソフトの部分、あるいは人材の部分、あるいは分析・機器等のハードの部分を含めて、ここ数年英知を結集していくということが大変重要かと思っております。

    ちょっと時間オーバーしましたけれども、以上で報告を終わらさせていただきます。きょうのご提案が、今後の基準案策定等に少しでも参考になれば幸いと思っています。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

  • 村井座長代理

    どうもありがとうございました。

    それではただいまのご説明に対するご質問ご意見等ございましたら、よろしくお願いします。

  • 福島委員

    先程、リスク評価のところのお話がありましたが、リスク評価の中でも安全という観点から見れば、人体への影響、それから海洋生物への影響というところが大きなポイントになってこようかと思いますが、日本の場合には、貯留というと、どちらかというと内陸部というよりも海洋下の地底ということになると、人体への影響という面でははたして考慮をする必要があるのかどうかということが一つポイントと。

    それから海洋生物への影響について検討する必要があるというご指摘がありましたけれども、RITEさんの海洋隔離の研究の中で、そういった海洋生物への影響等についていろいろご研究されていると伺っておりますが、そういった今までの研究の知見は活用できるのかどうかこの2点お伺いできればと思います。

  • 古宮オブザーバー

    1点目の人体の方ですけれども、まず基本的考え方として、先回のワーキングですか、室長のほうから、今回、海域だけを限定しているわけじゃないと。陸域も含めたということであるので、そういう面からすると人体への影響についてもケアする必要がある。

    じゃ、海底下に入れているから人体に井戸水の影響がないかというと、そうではないので、これは今までの地質モデルの考え方とここは違うことをやらなきゃいけないんですが、水理モデルとか地下水挙動モデルといいまして、結構遠くのほうまで移動していくことがありますので、別に海底下に入れたから、その周辺の地下水に全くないかということでもないんで、リスク評価のエンドポイントという考え方からすれば、ここの部分についてもそこのケアがいるというふうに考えています。

    それから2つ目のご質問のここ(「CO2漏洩リスク評価技術」)の部分ですね。これはいろんな研究もあるし、データはあります。ただ、ここで私が申し上げているのは、実際に海洋環境で想定した影響というものを実験室で再現しなきゃいけないんですが、基礎データだけではこのリスク評価に耐えられないんですよ。いわゆる実験系というか評価系そのものをオーソライズするといいますか、指定機関といいますか、そこでしっかりやらないと、実際にリスク評価の対象になかなかしにくいので、そういう面ではいろんな研究データはあるんですけれども、あるいはIPCCの報告でも引用されています。ただ、あのデータ文献を見ると、実際の海洋環境を想定してえないところも、pHの制御もしていません。

    ですから、必ずしもこういうところをしっかりとした、あるいは長いレンジではないので、環境省さんの最初の規制をつくるときの答申案の中にもこのへんの必要性がうたわれていたと思うんですけれども、現実的には使えるデータがないと考えたほうが正しいです。研究例はありますけど。

  • 福島委員

    そうしますと、そのためのなんらかの実証試験的なものをやったほうがいいということでございますか。

  • 古宮オブザーバー

    実証試験というんじゃなくて、海洋生物の実際の影響が見れるような実験系を検討して、構築するのが一つ。それを使って半年、1年ぐらいの長期慢性毒性影響試験のデータを、一番影響を受けやすいような、特に動きの悪いようなウニなんかは影響を受けやすいようなんですが、そういったもののデータをとるという2つですね。

  • 當舎委員

    発表、ありがとうございました。一つコメントで、一つはご質問をさせていただきます。

    コメントについては、最終的にリスク評価なりモニタリングのプランを策定するにしても、古宮さんがおっしゃられたようないかに精緻なモデルをつくっていくかというのが重要なポイントだと思いますので、そういう意味でヒストリーマッチングを多用してモデルを修正していくというのは、一番現実的な方法ではないかと思います。

    コメントですけれども、例えば古宮さんのほうから、圧力でヒストリーマッチングをするという話があったんですが、現状、シミュレーション技術として圧力だけじゃなくて、例えば重力変化でのヒストリーマッチングをやるだとか、幾つか物理探査方法のアウトプットを利用したヒストリーマッチングができるので、そうなってくると、かなり面的なヒストリーマッチングができるんじゃないかというふうに思えます。

    質問ですが、新日石さんの生産の例を、モデルの例をお見せしていただいて、そこでヒストリーマッチングをやって、必ずしも生産井3本だけじゃなくて、ほかの井戸も使ってヒストリーマッチングをするので、例えば圧力であれば垂直方向のヒストリーマッチング、ないしは水平方向にもそのポイントを使って圧力をモニターしたほうがいいというご提言だったと思いますけれども。

    実際に御社のほうでヒストリーマッチングをやられたモデル地域で、大体、坑井間はどのくらいで、それは言いにくいかもしれませんが、ヒストリーマッチングにするにあたっては十分的な距離であったと思われますか。

  • 古宮オブザーバー

    大変恐縮なんですが、細かいところすべて掌握できておりませんが、坑井間は距離的には十分と認識しています。

    それから先程、油層全体のところであまり詳細申し上げていませんけれども、そういった軌道修正はかなり精緻にやっていると聞いています。ここらへんまで細かいところはご紹介できておりませんけれども、そういうことを石油開発においてはかなりひんぱんにいろんなところでやって、そのへんの知見を蓄積していくということは事実です。

  • 薛委員

    海洋生物の影響のことについて、私が知っている範囲で話します。私がRITEにいたとき、すでに高圧の圧力容器をつくって、いまRITEのほうが長崎大学の先生と一緒に深海魚を使ったCO2の影響の実験をすでにやっていますので、たぶんもうすでに3年目ですから、そのうちそろそろデータがまとまって出てくると思いますが、深海魚を持ってきて、それで酸素を与えるときにCO2の濃度を変えながら混ぜて、心電図とかそういった影響をとっていますので、確かに必要ではあると思います。

  • 古宮オブザーバー

    そういうものは工程表といいますか、それでいいという認証はされているんですか。大学の研究レベルでは。

  • 薛委員

    誰もしていないことをいまやっています。

  • 古宮オブザーバー

    それを申請をするというステップがあるんですね。これでいいかどうかというふうに考えてよろしいですか。

  • 薛委員

    手法そのものを確立していくために、いま研究をしています。

  • 古宮オブザーバー

    ありがとうございました。

  • 薛委員

    それともう一つは、配付された資料の6枚目、モニタリングのシミュレーションの中で貯留のプロセスがありますが、モニタリングの結果に基づき、CO2の溶解と反応速度の評価の見直しとありますけれども、私が理解した範囲では、モニタリングの結果からシミュレーションとあわせてもCO2の溶解と反応速度はなかなか話がしづらい。むしろ、ここはCO2の分布の範囲ということと理解したほうがいいかなというふうに思いますけど。

  • 古宮オブザーバー

    そこは表現は統一していますけど、おっしゃるとおりで基本的に違います。

  • 島本委員

    先程の油層工学で使われているシミュレーションについて補足したいと思いますけれども、同じようにヒストリーマッチングというのは日常業務としてよく行われています。

    また先程のお話にもありましたけれども、井戸のスペーシングというのは、もともとモニタリングのために井戸を掘っているというよりも、むしろ生産井のためなので、不十分な場合も多々あります。

    それと油層シミュレーションを応用してCCSに用いようという動きはもうすでにいろいろありまして、市販のシミュレーションでもケミカルリアクションとか、そういうオプションをもうすでにつくって付加して販売しているという状況です。

  • 熊谷委員

    最初にシミュレーション結果に基づいてモニタリングすべきポイントとか濃淡をつけるというお話はそのとおりだと思います。

    それとご提案いただいているモニタリング方法を拝見しますと、基本的に遠隔モニタリングだけではなくて、観測井を掘ってモニタリングするというものもかなり多いかと思います。たぶん実証試験というレベルではそうだと思いますが、方向性としてはなるべく減らしていって、事業者の負担を減らすという方向に向かうステップの一つとして、そういうのがあるのかなというふうに認識しました。

  • 古宮オブザーバー

    ありがとうございました。いまのお言葉のとおりで、最初の段階はそういうデータ知見を立てるために多点観測ということで観測井を増やそうということで、将来ずっとそういうことではございません。おっしゃるとおりです。

  • 熊谷委員

    あとリスク評価のエンドポイントですけども、これはなかなか難しい問題だと思います。ご提案いただいている短期的な影響と長期的な影響は違うので、長期的な影響を把握するために、手法自身をきちんと確立しないといけないというのはそのとおりかと思いますけれども、ただそれと今回現実に起こるであろう事業化に向けたリスク評価は分けて考える必要があるのかなと認識しています。

    たぶん、現実的に海底下におけるCO2と言いますか、炭酸イオンの濃度の変化、日変化、年変化というものを考えて、それに有意な影響を及ぼすほどの漏洩があるというのは、よほどのものすごい漏洩がないとたぶん起き得ないと思います。そうなると、日変化、季節変化の変動内で動いているものに対して、生物にそれがどう影響するかというのを見るのは、かなり難しいのではないかと思います。

    そのために、事業化にあたってのリスク評価のためのエンドポイントとはもう少し違うレベルに分けて、それはそれとしてやって、あとは別途ご提案されているようなある意味アカデミックな検討を行うというように、分ける必要があるのかなというふうに思いました。

    たぶん事業評価ごとに生物の影響を全部把握しないとできないとなると、それは現実的には難しいのかなと思いました。

  • 古宮オブザーバー

    ありがとうございます。ご指摘のとおりだと思います。

  • 村井座長代理

    ほかにございますでしょうか。

    それでは次に、今回のワーキンググループより、これまでの委員の皆さまからのプレゼンも踏まえまして、今後の実証試験にあたって満たすべき長期的な安全性確保のための基準に関する議論に入っていきたいと思います。

    事務局より、今後のワーキンググループの進め方について説明をお願いします。

  • 三橋地球環境技術室長

    内容に入ります前に、全体像のご説明をしたほうがよいということが経験上わかっておりますので、まず資料番号参考1となっています横向きの紙を手元でご覧いただけますでしょうか。

    この紙で、当面の作業のイメージを書いております。紙の一番左側3分の1に、今回のワーキンググループの設置にあたって、どういう切り口から安全面・環境面について検討すべきかということで検討の題目をいただいておりますので、これは合同のワーキンググループ、あるいは上位のCCS研究会のほうで了解を得ている項目でございまして、それぞれの検討項目について個別にペーパーを作成して、皆さんに議論をしていただくというイメージでございます。

    ちなみに、このワーキンググループはワーキンググループ(2)ということで、本日1月の会合30日ということで2種類のペーパーを用意してございまして、一つが圧入井掘削に関する紙、もう一つが回収CO2濃度基準の紙が、このあとご説明しますように2点用意されております。これについて、きょう事務局のほうでご説明させていただきまして、意見をいただきして、その意見を踏まえた修正版を再度2月に皆さまの前にご提示すると。

    その2月の会合では、こういった形のプレゼンテーションをいただく時間はそろそろ卒業ということで、修正版の2点の紙に加えて、新たに3点の紙。すなわち、圧入貯留にあたっての運転の安全性にかかわるもの、それからモニタリングに関すること、それから異常時の措置としてとるべき行動を定めるものを追加で3点、皆さまにご提示をして、その後意見をいただくような形で期間を設定して、そして再度の修正版全体を3月のワーキンググループでご提示すると。こういうような作業ルーティンをイメージしております。

    参考までに申し上げますと、上半分はワーキンググループ(1)のほうですが、こちらのほうが少し紙の枚数が少ないんですけれども、既に1月、先週に会合を開いておりまして、そこで地質の条件に関する紙、CO2の輸送に関する紙をお配りしております。

    きょうの資料の中では一番最後の参考3として皆さまの目にも触れますように用意してございますが、これについて現在、委員の皆さまからいただいた意見の収集をしておりまして、これが2月に議論されます以外に、2月には追加で2種類の紙、一つは関連する施設の設置に関する安全基準と、事前のアセス的なイメージになります環境影響評価を用意できればと思っておりまして、これも3月に向けて、できるだけ重要なものなどを前に持ってくるようにはしていますが、こういう複雑な方法をとりますのはいっぺんに全部書けないということでございまして、わかりにくい形になりますけれども、バラで中身を出していくような方法を考えています。

    当初は3月を目途に仕上げるということでしたが、少し作業が遅れているイメージでございまして、4月以降に全体版を統合するということで、関連する相互のワーキンググループの委員のご意見を、関連する箇所についても相互にご覧いただくようなことも考えておりまして、そして親委員会の報告、場合によってはその親委員会から指示を受けた検討項目なども受けて再度の検討をすること、あるいはパブリックコメントをいただくという機会を得て、最終的なまとめに持っていきたいという形でございます。これが今後の作業のイメージでございます。

    それから参考2ということでもう一点、資料を用意してございます。きょう、2点の紙をご紹介いたしますが、意見をいただく機会はこの会合そのものでいただく意見が最も重要な意見と私ども思っておりますけれども、そこで出尽くすという可能性もなかなか難しいと思いますので、その会合ごとに一定の期間を設けて書面でといいますか、字で打っていただいてコメントをいただくということで、いただいたコメントをその次の会合において委員の名前を伏せた状態で、全員にご覧いただけるようにしたいと思っております。

    こうしますと、皆さん気づかれずに同じ感じですが、たまたま言うのを忘れちゃったみたいな意見もよくご覧になると出るようになると思いますので、そういった意味での意見が出やすくなるようなことも考えまして、意見を必ず後日いただくようなイメージで考えております。およそ1週間ぐらいの期限で、今回も設定するようなことを考えております。

    こういった表に毎回してくださいという意味ではなくて、メールで、テキストで打っていただいて結構ですが、どの紙に対するコメントか、どの部分に対するコメントか、ご意見は何であるか、具体的な修正テキストが何であるかというところまでいただけると、私ども非常に作業がしやすくなりますので、そのようにご協力をいただければと思います。

    大きく意見が分かれて議論があるようなところは両者併記、あるいはその違いをわかるようにしていくような議論の仕方もオプションとしてあるかなというふうに思っております。

    以上が、進め方に関します事務局の説明でございます。

  • 村井座長代理

    ありがとうございました。

    それではただいまのご説明に対するご質問ご意見等ございましたら、よろしくお願いします。今後の進め方と、コメントの提出の方法でございます。

    特にないと思いますので、次の議題に入りたいと思います。本日は、圧入するCO2の濃度基準等について事務局のほうで原案を作成されておりますので、その説明をまずお願いしたいと思います。資料は2-1からだと思います。


(2)圧入するCO2の濃度基準等

  • 三橋地球環境技術室長

    それでは内容の議論に入りたいと思います。資料2-1ということで「圧入するCO2の濃度基準」というものから、事務局で用意しました資料をご説明いたします。

    この資料の構成は、皆さまから濃度に関しましては、本日お越しいただいていませんが、三菱重工の飯島部長からご説明をいただいたという経緯がございます。

    今回の「圧入するCO2の濃度基準」については、作業上の計画の紙にも「1.」の箱で囲った項目が作業項目として、具体的に上位の研究会から指示されているという形でございまして、二酸化炭素の濃度に関連して分離・回収の方法、二酸化炭素の濃度としての基準、それ以外にもし満たすべき基準があるようであれば、その内容は何であるかということについて考えるというのが我々のタスクであるというこことでございます。

    こういった二酸化炭素の濃度基準が議論になります背景は、まずもって「2.」に書いてございますけれども、ロンドン条約の96年議定書の規定が出発点にあるということでございますので、釈迦に説法だと思いますが、繰り返しポイントを触れていきたいと思います。

    96年議定書の方では、大きく3点の場合を条件として、二酸化炭素の海底下廃棄が認められてございます。

    1つ目の条件が海底下の地層への処分であること。

    そして2つ目としてのポイントが、濃度の極めて高いCO2を地下に処分する場合ということです。ただ、ここには条件として付随物質が当然あるということについては明示的に書かれているというところが特徴でございます。

    3点目ですが、もともとロンドン条約というのは海洋汚染の防止が背景にございますので、いわゆる最もシンプルに申し上げますと、海洋に油が漏れることが最もクリティカルなところでありますので、その書き方として、この二酸化炭素にいかなるインテンショナルな廃棄物が混入されていないということも重要であるということで、この3つが条件として書かれているということでございます。

    ここまでが国際的な、日本が批准している条約の規定ぶりを、ポイントを触れたわけですが、「3.」のところで、日本で一昨年の10月に実際に施行されております海洋汚染防止法の関連の規定。これはロンドン条約の96年議定書を国内実施するための担保法として通っているものでございますので、すなわち、国内で実施するための具体的なルールがここで書かれているわけですが、まず法律上の規定に書いてございます第18条の7第2号の中で、特定二酸化炭素ガスというものの定義がなされているということでございます。

    この定義は政令で定めるということになっていますが、そのガスであれば環境大臣の許可を得て海底下に廃棄できるという記述になっています。

    したがって、重要なこの基準となるものがどこに書かれているかということは、政令であるということでございまして、その政令をその下に書いてございまして、海洋汚染防止違法の施行例に第11条の5の中で具体的に書いてありまして、これは手法と体積百分率が組み合わせた形で基準が書かれておりまして、アミンと二酸化炭素の化学反応を利用する手法であること、そして体積百分率が二酸化炭素の占める割合が99%以上であるという記述が書いてございます。

    ただ、これには例外も合わせて書いてありまして、石油精製において水素をつくるために同じアミン吸収法を得る場合には、体積百分率として98%以上というふうに例外がおいてあるということになっております。

    この規定の背景は、もとのロンドン条約が国内実施法であるということですけれども、この議定書の中では極めて高い割合は「overwhelmingly」と書いてございます。これを具体的な国内実施の手法として、回収の方法と体積濃度を組み合わせて記述する方法を国内法としてとっているという理解でございます。

    ページをご覧いただきますと、先程の政令の記述は、具体的な政令の案文を参考の資料の2-1につけてございますので、必要に応じてご覧いただければと思いますが、諸外国の規制のほうをあわせてご覧いただくと、アメリカの地下への二酸化炭素の圧入に関しては146.81というセクションに、この二酸化炭素の基準が書いてございます。

    その中では、二酸化炭素が大部分を占めるということが定性的に書いてあることとあわせて、分離回収の過程での不可避な付随物質の含有が認められているということでございます。

    ご覧いただきますと、アメリカは、資料2-2の表側はEUが書いてございますので裏側になりますが、146.81で、回収された二酸化炭素流とはということで具体的に記述されているということでございます。この付随物質も当然認められているということが、そこでご覧いただけるということです。

    前のページに戻っていただいて、EUの場合はどう書いてあるかということですが、EUのCCS指令の第12条に書いてございますのでご覧いただきますと、パラグラフの1つ目に、まず極めて高い割合で二酸化炭素であること。これは同じように英語のほうをご覧いただくと「overwhelmingly」というテキストをそのまま写すような記述になっておりますし、no wasteがaddedということで、廃棄物の追加を認めていないということ。

    一方でHowever以下でインシデンタルな付随物質というのがあり得るということがご覧いたげたるようなかなり条約の原文から見て、まっすぐな書き方になっているのがご覧いただけると思います。

    一方で、もう一回紙を裏側にめくっていただきますと、豪州のOPA、沖合い石油、オフショア・ペトロリアム・アクトと呼ばれています法律の中では、対象とするガスはグリーンハウスガスという形で定義をしておりまして、このパラグラフの中は(a)から順番に書いてありますが、要は二酸化炭素の液体または気体の状態のものが極めて高い割合で混ざっているものという。高い割合でというのは、いずれかが非常に高い、足した状態で高い割合になっているということが定性的に書いてあるところが特徴であるということでございます。

    最初に私ども事務局のほうで作成しました資料に戻っていただきますと、今後の実証実験にあたってということでありますが、一にも二にも、まず海底下の地層への貯留ということになりますと、既存の法体系、すなわち、海洋汚染防止法の関連規定に従う、この遵守は当然のことでありますが、一方、現実的な実証の実施ということ、あるいは政策的な重要性の背景とか幾つか考えますと、以前の三菱重工さんからプレゼンテーションをいただきましたときにあわせてご紹介しましたことと関連しますが、まずはIGCCなど高効率の石炭火力発電所からのCO2回収の政策的な意義、あるいはできるだけ早期にCO2をもうすでに回収しているような施設の有効な活用も一つ視野に入れた可能性の追求があるのではないかというところを少し記述しております。

    具体的には2つでございまして、一つは既存の化学プラントの過程で回収されているCO2ということで、12月の会合で、化学プラントの具体例を皆さまに配付資料でお配りしましたが、天然ガスのほうからアンモニア製造、つくる工程でCO2が現在、大気放散されているものがかなり高い体積百分率で分離されていて、これが大気に放散されているということの有効活用の可能性についての、将来の政令への追加他検討の可能性について言及してございますと、それからいま触れましたIGCCにより排出されたCO2を回収することについては、すでに一部そのためのフィージビリティスタディに着手しておりまして、この政策的な方向性はフィージビリティスタディを実施しておりますので、そのあとできる、あるいはできないということもいろいろあると思いますが、この場合、若干こまかめに書いてございますけれども、ガスの中にH2Sが付随してくるということになります。

    これ自身のH2Sは、すでに委員の一部の方からご紹介ありましたけれども、CO2とアミンで回収しますと、一緒に回収されてしまって、これをさらに分離するという工程を経ること自身にどの程度の意味があるかということで自身もございますので、一方で99%が達成できるかというのも非常に難しいところにあるのは、前回配付した資料の体積百分率をご覧いただくと現実的なことでわかると思います。これについての可能性についての検討が、次の一歩としてあり得るのではないかということを現実的に記述してございます。

    こちらは既存の法体系がこのために設定されたものがありますので、将来の方向性についての面を立てて記述しておりますが、その他のオプション、あるいは現実的に考えられるものとしてはまだ遠いなど、委員の皆さまのご意見をあわせていただくことができればと思います。

    もう一つ重要なところが(2)に書いてございます。いまご説明してきましたのは、ロンドン条約に基づく規制のところですが、一方で陸域における貯留の場合は一体どうなるのかということですけれども、現在関連する法規定はないというのが現実でございます。

    一方で、この趣旨に照らして、万が一貯留されたCO2が大気、あるいは場合によっては地下水などに漏洩する場合が考えられますが、これは万が一でということですが、この場合はどういう考え方に立つべきかというところで、ここはまだご議論いただいていないですが、ここで書かせていただいた素案は、既存法、すなわち大気汚染防止法、あるいは地下水については環境基本法に基づきます告示に物質の濃度といいますか、許される許容範囲を記されておりますので、こういった既存法で大気あるいは地下水などに占めることが許容される割合を超えるべきでないということを記述しております。

    このH2Sというものに着目をしますと、例えば大気汚染防止法の例ですと、大気中に何ppmという記述にはなっておりませんで、局所的に放出されるものとしての量的規制になっておりますので、若干難しいところはあるんですけれども、基本的な考え方は、提示していくところが出発点であるということを原則にして、こういった形の事務局の提案の記述にさせていただいております。

    まず1点目の資料は、以上でございます。

  • 村井座長代理

    ただいまのご説明に対するご意見ご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

  • 環境省

    環境省の濱中と申します。

    この時点で議論の中で、環境省としても濃度のことについては特段注目しております。現在のところ、アミン吸収法で99%となっておりますが、これの成立が決まった背景といたしましては、海底下CCSで行う場合にCO2の濃度があまりにも低いと、それはCCSにならないんじゃないか。それなので濃度が高く、また、もし万が一、漏れた場合に海洋に汚染がないようにということでこれを決めさせていただいております。

    しかしながら、アミン吸収法以外のものにつきましてはいまだにないのが事実でありまして、これは今後、皆さまからの資料等データをいただきまして、じっくりと考慮して、何%にするのが環境にも影響がなく、またエネルギー等についても配慮をした形になるのかということで検討する予定でありますので、皆さま、どうぞ、よろしくお願いします。

  • 村井座長代理

    どうもありがとうございました。ただいまのコメントも含めまして、ご意見ご質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。

  • 島本委員

    CO2濃度の99%というお話ですけれども、それだけじゃなくて、例えばH2Sというのは完全に人体に影響があるような物質ですので、人体に影響がある物質は何%かと。そちらのほうが本当は現実的のような気もするんですけど。

  • 環境省

    それにつきましても、環境省としては気にしております。今回もありました不純物が入ってもいいというのはわかっていますが、どれがどのぐらいだけ入ることによって影響があるかというのもあわせて考えていく必要があると思っております。

    アミン吸収法の場合ですと、その吸収法によって、ある物質はカットされて、ある物質はそのままCO2に入るというのがわかっていますが、そのほかの分離方法につきましても、何がCO2の中に入っていって、どのぐらい入っていくのかというのは今後検討して、それに基準も作っていかないといけないのかなというふうに思っております。

  • 北村委員

    どなたにお答えいただくのがいいかわからないですけれども、濃度基準のところでございます。環境規制の場合に、基準を考えるときには濃度と総量という発想がございます。すなわち、一定地域に受容可能な絶対量という形での規制の発想というのは、この場合どのように整理すればよろしいのかという点でございます。

    2点目は海防法のところで、18条の7の2号で、海底下廃棄ができるという現行法のご説明でございますが、許可を得て海底下廃棄ができることが認められていますけれども、廃棄方法をどうするかということは、どこかに別途規定があるのか。別途、許可の、例えば条件としてこうやれというのが個別に決めておかれるのかという点でございます。

    最後に3ページの一番最後のところで、大気、地下水との関係のご議論をなさいました。これは具体にそれぞれどういう記述のことをおっしゃっていたのか。この文言だけではわからなかったものですから、どういう場合を念頭におかれたのか、もう少し詳しくご教示いただければと思います。

  • 三橋地球環境技術室長

    順番に回答できるところからご回答させていただきますと、まず海洋汚染防止法の中では、この事業の方法を含めた許可申請書の作成が求められておりますので、この事業の計画の中にはどういった手法で圧入するかということは、当然のことながら記述されるような体系になっているというのが実際でございます。

    質問の後段の陸域における規制の記述は行数も少なくてあれですが、ここで私どもが書いていることの念頭においていますものは、一つは大気汚染防止法を念頭においてあります。つまり普通であれば、CO2を大気に放出していたものですから、これを回収して地中に入れているということを念頭におきますと、ポイントはそれを回収するといったことによって付随してきた物質が借りにあるとして、これが大気に一緒に漏洩することによって放出されてしまった場合に、それが通常、例えば工場の排煙といった規制によって守られている基準を超えてはいけないというところが出発点なのではないかという考え方に立っております。これは私ども事務局のほうで考えた考え方でありますので、もちろんご議論いただくべきところだと思います。

    同様に地下水については、濃度が環境基本法に基づきます告示というのが実際にございまして、その告示の中に物質ごとに地下水に入ることが許容されているといいますか、許容限界が具体的に告示に基準が示されておりますので、それが一つの参照としてなるものかなということでございます。

    これはアメリカのCO2の地下水への影響のUICプログラムの何回も参照していますものは、地下水での具体的な影響がかなり、念頭におかれていますが、日本国内の法体とはだいぶそれとは体系が違うといいますか、飲料水などの扱い方の違いが背景にあると思いますけれども、例えば当然のことながら配慮すべき他の関連法規に気づくところで足りないところがあれば、私どもきっちり参照できるように準備して、議論をしていただけるようにしたいと思っております。

  • 北村委員

    ありがとうございました。最後の質問は、大気汚染防止法の場合、基本的に特定施設というポイントから出るということで基準を決めておりますので、ここで前提としているのはそういう施設から漏れると、数字はたぶんよろしいかと思いますが、前提というのが同じと考えていいかどうか。そこを確認したかっただけでございます。

  • 三橋地球環境技術室長

    そこは非常に難しいところだと思いますが、局所から圧入しておりますので、漏洩するところを仮に可能性として仮定する場合に、リスクの評価、あるいはモデルの設定、あるいは漏洩が万が一起きると仮定するようなところの設定に連動してくることになります。

    これは全体の中では、この議論の場としては、CO2の濃度のところの記述というよりは、異常時の検知、あるいは当初のモデルを設定したときのリスクの評価をするところが記述として出てきまして、そこと連動してくることになるので、あわせてご覧いただくことが全体としては必要になるかなと思います。すみません。いまここではまだ案が出来上がっていませんので、ご紹介できません。

  • 北村委員

    最後に確認ごとですが、大気汚染防止法の場合は、届出にかかる施設というのは十分申請者においてコントロール可能であるという前提で仕組みをつくりますが、ここはそういうものとは筋が違うものを前提としておりますので、どこまでそこに引きずられていいのか、どこから発想が異なって考えるべきなのかというそこが一つ、制度設計のポイントかなと思いましたものですから、コメントがた発言いたしました。失礼いたしました。

  • 福島委員

    一点、コメントでございます。2ページの、IGCCにより排出されたガスより回収されるCO2ということで、IGCCの排出ガスの中にはH2Sが含まれると記載していただいておりますが、正確に申し上げますと、石炭をガス化した時点でH2Sが出てくるんですが、それはガス精製という形で、H2Sは最終的には燃焼して、あとに出てこないようにしておりますので、ここは誤解のないようにしていただきたいと思います。ここに記載させていただいている点は、ガス精製の途中でH2Sを回収するのと同じようなタイミングでCO2も回収するというプロセスのときにどうなるかというご論点だと思いますので、その点はご留意いただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

  • 村井座長代理

    ほかにご意見ご質問等ありますでしょうか。

    それでは、次の議題に入りたいと思います。尚、ただいまのところ、まだご意見あるかもしれませんが、それは先程事務局からご説明ありましたコメント様式に準じて、2月5日17時までに事務局のほうへご提出ください。

    それでは次に「二酸化炭素圧入井掘削、坑井閉鎖に当たっての安全基準等」についての議論に移りたいと思います。まずは事務局より、原案の説明をお願いいたします。


(3)二酸化炭素圧入井掘削、坑井閉鎖に当たっての安全基準等

  • 三橋地球環境技術室長

    引き続きまして、資料3でございますが、二酸化炭素の圧入井の掘削、坑井の閉鎖に当たっての安全ということで、これも同様に検討項目として坑井の掘削について、12月に藤井常務のほうから丁寧なご説明をいただいたということでございます。

    先程のCO2の圧入の紙とは性質が違いまして、プレゼンテーションしていただいた内容のポイントを、私ども事務局の理解として一回ふれるような構成のあと、法規制の現状を再度ご覧いただいて、今後の実証事業にあたってはどうするべきかということで順番にペーパーを構成してございます。

    まず、いただいたプレゼンテーションの内容について復習するような形で触れますと、最大のポイントは暴噴の防止をするということが、この掘削にあたっての最大のポイントであるということで、暴噴の防止。

    その際には、まず地層の構成といいますか、深さと圧力の関係についてきっちり確認をしたうえでケーシングを多段に備えて掘削を行うと。その際、送り込む泥の圧力をきっちり管理しながら、暴噴を防止するというのが技術的なポイントであるということのご説明をいただきました。

    あわせて、坑井を密閉することのできますBOPを多段に設置することも可能ということでしたけれども、コストもあるようなお話もいただきました。少なくとも一段以上、噴き上げを防止するという装置をきっちり設定することが必要であるということで書いてございます。

    それから常時監視の項目として、掘削時に戻してくる泥水の組成をきっちり常時監視をすることで、異常な状態、高圧がかかっていないか、あるいは坑内への流体の侵入が仮にあった場合に、それを早期に検知するようなモニタリングをこの掘削の際に行うということが、ご説明いただいた内容であったというふうに理解いたしました。

    あわせて、セメンティングについても幾つか議論がございました。これはケーシングと坑壁の間にセメントを充填する。ただし、これは全体をピッチリ埋めるというのはいまの時代ではあまりされないということでもありますし、必要区間の充填をきっちりするといことで、その際にはケーシングの形状、あるいは地層の強度、そしてセメントの性状を総合的に検討する必要があるということであります。

    あくまでいただいたご説明ということですけれども、不良が発見されるようなケースには、その補修の措置をきっちり行うというのが、セメンティングにあたっての基本的な考え方であろうということ。

    3点目が坑井の仕上げに関連していますが、アメリカの規制とも関連しますが、このチュービングとパッカーを利用する仕上げにするというのが、こういった1000m以上の穴を掘削する場合の安全性確保にあっては非常に重要なポイントであろうということでありまして、その際にチュービングにおける外側、アニュラ部での圧力などのモニタリングなどについてもできる監視を行うべきであるということでありました。

    ページをめくっていただきますと、それ以外に坑井については、圧入するものはCO2であるということに関連して、鋼管についてCO2の腐食に耐え得るものと。これは単にCO2の腐食のみならず、温度、水分、塩分などの他の混入物もあわせて考えて、その耐性が十分であるものを使うということ。これはセメントについても同様のことが言えるということ。

    さらには最近の技術として、鋼管類坑口の関連の継ぎ手などについても、シール性がきっちり確保できる技術的な仕様のものを利用していくことが原則になるということでご説明をいただきました。

    それ以外に若干、議論と質疑もありましたが、防暴の対策ということで石油・天然ガス井の掘削、ガス井の掘削の場合には、爆発のおそれに備えた暴噴の対策がなされておりますか、こういったCCSの実施にあたっても、それに準じた防暴対策をきっちり講ずるべきであるということについてのご説明をいただいたという理解でございます。

    「3.」のところから、現行の関連法規の現在の保安上の基準について、幾つかポイントなるところをご紹介したいと思います。

    大きく関連法は3つございまして、まず一つ、現在、鉱業法で類似の事例ということで坑井を掘削する場合の規定がございます。これは施業案を経済産業局長に届け出る、またはその認可を受けるという形になっておりまして、その施業案というのは、様式が規則、すなわち、省令の中に書いてございますので、その具体的な内容、その規則には何が書いてあるのかと皆さんご関心が出てくると思いますので、順番にご覧いただけるように書いてございます。

    例えば地質、あるいは各層の厚さ、その際の試掘・採掘の方法といったことを実際に記述して届出をするようなことになっております。

    あわせて2つ目のところに、石油及び可燃性天然ガス資源開発法に触れてございますけれども、こちらでは開坑の届出を提出することになっておりまして、このための具体的な届出様式も同じく省令の中に定められております。

    この中で掘削工事の対応ということで、その概要を書くようになっておりまして、ケーシングの具体的な仕様、あるいは遮水工事の方法、掘削する際の泥水の調整の方法や成分をどうやってとるかと。それからガス噴出防止のための装置の設置についても8.で具体的に書いてございます。これが先程ご説明しました、藤井常務からのプレゼンテーションに関連するところが、具体的に現在の保安の関連の規制でおかれているところでございます。

    これ以外に3番目といたしまして、鉱山保安法の中で掘削施設についての具体的な届出が、規則の中で工事計画届出という形で届出が求められておりまして、ページをめくっていただきますと、4ページ目に使う施設についての技術基準を定める省令が書かれております。例えば櫓などといったものについては、掘削装置の中で具体的に書いております。

    先程触れました防暴に関連しては、鉱山保安法の施行規則の中に触れておりまして、例えば「火気禁止」の警標とか、掘っているところから8メートル以内の電気施設の防暴といったことが具体的に講ずべき措置の事例として書かれているということで、全体の規制の体系が出来上がっているということでございます。ここが、現行の坑井を掘削する場合の存在するルールについて触れてございます。

    今回の検討のテーマは、坑井を掘削する場合と、もう一つ坑井を閉鎖する場合ということも題目の検討としてあわせておりますので、これは現行のルールの中ではどういうふうに書いてあるかということですが、これは鉱山保安法の8条に基づきます施行規則の第25条にその規定がおいてありまして、具体的には昭和61年に石油鉱山保安部会の中で検討された報告書がベースになったものがございまして、この報告書をベースに省令が具体的に書いてありまして、これが坑井を閉鎖する場合の現在のルールになっているということで、特徴を幾つかご紹介しますと、いわゆる裸坑になっている場合には、その裸坑の部分の上と下30メートルのところにセメントプラグをするということ。

    それからケーシングがきっちり入っているような場合には、いわゆるブリッジプラグと呼ばれています機械装置を使って、きっちりプラグを行うということが基本になっているというのが、この報告書の中から読んでとれるようになっております。

    それから坑井を閉鎖した場合には、地表面2メートルより下の部分において、ケーシングその他の装置を完全に撤去するということを求められておりまして、原状回復をはかるようにということになっております。

    同様の規制が構造性天然ガスにかかわる坑井以外に、水溶性天然ガスに関する坑井についても、閉鎖にあたっての措置が類似の記述が書かれていると。こういうのが全体の法規制の体系になっておりまして、5ページ目から、これらを踏まえてCCSの実証を行う場合の坑井の掘削、あるいは閉鎖にあたってのポイントということで、基本的には委員の方々の議論のためのベースとして提出しましたのは、藤井委員からいただいたプレゼンテーションに基づく最新の技術を踏まえたものということにしてございます。

    まずは地層の深さと圧力の関係についての分析を行なったうえで、多段のケーシングを用いた掘削を行うということ。その際は、地層圧を常時監視して、泥水の圧力を用いて、あるいはこの比重をコントロールしながら暴噴を防止するような形で圧力制御を行うと。そして、このブローアウト・プリベンダー(BOP)を一段以上設置するということもあわせて書いております。

    坑井掘削時に戻る、リターンの泥水の属性をきっちり監視して、異常について早期に検知する準備をするということ、いただいたプレゼンテーションをリピートするような形で書いてございます。

    あわせてセメンティングにつきましては、CO2漏洩防止するという観点で、必要区間の坑壁とケーシングパイプの間の必要区間の充填。それからセメントについては、CO2について耐久性のあるものを使用するということを書いてございます。

    それから坑井の仕上げについてですが、チュービングとパッカーを使用するということがあわせて書いてございますけれども、特にCO2の予定圧入圧力、あるいは圧入のレート、あるいはケーシング、チュービングなどの強度もあわせて検討し、坑井が途中でなんらかの理由によって破壊されるようなことがないような完全性を確保するということ。これは圧入の期間、あるいはその寿命に応じた形でしっかり確保されるようにするということ。

    そして利用いたします鋼材などについても、セメントと同様、CO2に対する腐食性について十分なものを用いるということ。

    また鋼管類などもシール性がきっちりしたものを活用するということをあらためて触れております。

    そして防暴の対策についても、前回、質疑が少しございましたけれども、石油や天然ガスなどにとられている措置と同様の安全性確保、すなわち、先程触れました防暴にあたっての8メートル付近の防暴対策、あるいは警標の表示といったことについてもきっちり確保していくということであります。

    したがって、何が言いたいかといいますと、この関連法におけます保安上の措置にきっちり準拠するような形で実施することがポイントであろうということで(5)をあわせて補完するような形で書いてございます。

    そして坑井の閉鎖についても、先程触れました鉱山部会での報告の閉鎖の手法を準用して行うことが適切であるということであります。

    ただ一点、圧入するものがCO2であるということの特徴に鑑みて、プラグを行う際のセメントの性状についてCO2耐久性が強いセメント、あるいは添加剤を使用するべきであるというふうに書いてございます。

    参考資料のほうでEUとアメリカの穴を掘る場合、あるいは閉鎖する場合についての該当部分を用意してございますので、幾つかポイントのみをご紹介したいと思います。

    米国のUICプログラムにおけますセクション146.86というところから始まっているところをご覧いただきますと、ちょうど(a)のところで3つ目に「アニュラス空間の継続的な監視を認めること」ということが書いてございます部分が、先般、藤井常務からご説明いただいたときに、若干産業界との間で議論が起きているところはこの部分ではなかろうかというふうに思います。

    下に移っていただきますと、坑井のケーシングやセメンティングについて規定がおいてありますが、少し触れますと、資機材がしっかりした強度を持って耐久することなどといったような、定性的な記述になっておりますが、これは坑井を掘削して安全性を確保しながら、実際に穴を掘っていくことを計画として提出する際の必要な情報ということを触れています。

    ページをめくっていただいて順番に(2)(3)(4)(5)ときますが、例えば(5)をご覧いただきますと、セメントやセメントの添加剤については二酸化炭素流に対して適当であって、設計寿命の間きっちり完全性が確保できることといったことは、私どもが書いたこととの整合性が一致しているところがご覧いただけると思います。

    さらにその下、チュービングやパッカーを利用した仕上げとすることといったことと連動するような記述もご覧いただけるという形になっております。

    あとは地層の条件とか構造上の条件と連動したことになって、求められている情報の一部は参考資料3のほうでお配りしている地質の条件の記述とかなり重複するようなところがございますが、参考までに関連するEUの記述をご覧いただくと、穴掘りにあたっての安全性は、CCS指令の中では何も書いていないというところが特徴になっているということでございます。

    それから閉鎖のところについて、あわせて少し触れますと、参考資料をさらに進んでいただいて、UICプログラムの中でいいますと、関連する規制、セクションで146.92から圧入井のプラグというところが記述として書いておなりますが、緩衝液で洗い流すとか、貯留層の圧力を測定して、機械的な完全性を完全に確保しなさいとか、埋める際のプラグの種類や本数、配置というのを事前にきっちり通知して実施することをあわせて書いております。

    一方で、EUについてはここで参考に条文を書いてございますが、こういった技術的な閉鎖する際のプラグの仕方についての技術的な記述は一切ありません。すなわち、ここではその後も監視の方法や責任の移管の仕方について規定をおいているのみになっているのが特徴であるということでございます。

    つまり、どこまでこうしなさいということを触れることをむしろEUは性質上していないということで、少し国による特徴というのが、その分、例えばCO2圧入しているときから、圧入後のモニタリングはEUも手厚く書いてあったりしますが、一方でアメリカのほうは記述が薄かったりというところが、それぞれ特徴があらわれていることがここでもご覧いただけるということでございます。

    長くなりましたが、以上でございます。

  • 村井座長代理

    どうもありがとうございました。内容の濃い部分でございますけれども、ただいまのご説明に対するご質問ご意見等ございましたら、どうぞお願いいたします。

  • 熊谷委員

    5ページ目の下のところで「必要箇所には耐CO2腐食鋼管材を用い」とありますが、鋼管というと一般的には、例えば22クロムとかそういうイメージかと思いますが、それ以外に例えばライニング管とかそういうものの適用可能性はどうなのかということと、それが適用可能性があるとした場合に、この言葉で包含されるのかアドバイスいただければと思います。

  • 村井座長代理

    では、藤井さんのほうからコメントをいただきたいと思います。

  • 藤井オブザーバー

    ライニング管というのがちょっとわからなかったんですけれども。

  • 熊谷委員

    ライニング管というのは、コーティングとか、内部にプラスチックとかそういうものをコーティングしたチュービングを使うという事例で、例えばアメリカのCO2EORの場合にはそういうものが使われているものがありますので、それを同じように使う可能性があるのかということです。

  • 藤井オブザーバー

    わかりました。用語として鋼管ということで鉄あるいは合金の素材を想定しておりますが、確かに米国のEORでは、樹脂を内面にコーティングした鋼管や強化ファイバーグラスの素材のチュービング等を使用しております。鋼管に限定せず、圧力、温度に耐え、耐腐食性を有しているものであれば、十分使用可能と思います。

  • 熊谷委員

    この言葉でも包含されているというふうに考えてよろしいでしょうか。

  • 藤井オブザーバー

    そうですね。どう読むかですけれども、素材として鉄や合金に限定せず、耐腐食性のものを使用するという意味です。

  • 村井座長代理

    熊谷さんのおっしゃっているのは、「耐CO2腐食鋼管材等を用い」と書いてあれば、あとが読めるということですね。

  • 熊谷委員

    はい。

  • 三橋地球環境技術室長

    かなり柔軟性は事務局は高いので、具体的に言っていただければ委員の皆さまと、あるいは安全性に関しての正当な議論を経て、必要な修正をきっちり加えていく用意がございますので、今ので読めるかという議論のレベルであれば、むしろ今の議論ですと、きっちりわかるように書くことが意味があると思いますので、そういう方向にしたいと思います。

  • 熊谷委員

    これも藤井様へのご質問になりますけれども、セメンティングでふさぐことを書かれていますが、可能性としてですが、セメント以外例えばベントナイトを使うとか、そういうほかの材料を使う可能性はどうなのでしょうかね。

  • 藤井オブザーバー

    現時点では実用的なものとしてはセメント以外は考えられません。確かに泥水を直接固化させたり、あるいはベントナイトを使用する方法について技術開発が行なわれていますが、現時点では実用の域に至っておらず、現実的には耐CO2セメントの採用を前提にしなければならないと思います。

    補足ですけれども、先程、三橋室長から、アメリカのUICプログラムの中で業界との論争が起こっている点として、1ページ目の3の圧入チュービングとロング・ストリング・ケーシングの間のアニュラス空間の継続的な監視と発言されましたが、アメリカのUICのプログラムの中でEPAが井戸の中のチュービングにダウン・ホール・セフティー・バルブの装着義務付け提案しているのに対して、石油業界からそれは過剰規制であるとして論争が行なわれていることを補足させていただきます。

  • 村井座長代理

    ありがとうございました。ほかにご意見ご質問等ありますでしょうか。

  • 當舎委員

    私も専門家じゃないので藤井様に補足していただけたらと思いますが、フルホールでセメンティングをしない場合には空間があくわけですが、その空間じゃなくて、そこにセメントと同じぐらいの比重のポリマーというんですか、なんか入れるということを聞いたんですが、それの材質はほとんどCO2に関しては問題がないと思ってよろしいですか。

  • 藤井オブザーバー

    いま想定しているセメンティング、あの絵(「ケーシングセメンチングのフロー図」)の中にあるかもしれませんが、一番地表に近いケーシングは必ずフルホールセメンティングになると思います。

    深部にセットされるケーシングは最下端から地表までセメンティングをすることを考えますと多くの技術的問題に遭遇しますので、現在は多段にセメンティングするのが通例です。その場合、多段のセメントの間には、泥水あるいはスペーサーが残置されることになりますが、この箇所には基本的にCO2流は流入しないようにセメントを配置する計画となっていますので、セメントが無い区間があっても差し支えないと考えています。

  • 當舎委員

    下でセメンティングしているから、絶対上まで上がってこないから、間の空間のマテリアルは特に問題としなくてもいいだろうという理解でよろしいんですか。

  • 藤井オブザーバー

    あの絵(「2.漏洩リスク最小化を目指したセメンチング、仕上げ、廃坑処置」一番深いところのケーシングは三段に分かれてセメンティングされていまして、CO2圧入層のところのセメントがきっちり閉鎖されていれば、上にはCO2流はやってこないという考えです。

  • 當舎委員

    ちょっと気なったのは、下からはないけど、いわゆる鋼管ですね。私もEORでグラスファイバーのコーティングなんかしている場合があって、その場合、検層器具をおろすとかそういうところで中側のコーティングが破れてというような話をチラッと聞いたことがあって、そういう場合に中側のケーシングパイプから中から漏洩が始まって外に向かった場合には、外側のいわゆるセメンティングが入っていないところへの影響があるのかな。

    空間ですと、圧力が外側に逃げますので、当然セメントと同じぐらい1.5だとか1.7の水を入れるのか、ないしは何らかの高分子材を入れると聞いたんですけれども、そういう材質は特に、ほとんどそこまでいく可能性がないというのであればいらないかなと思ったんですけど、ケーシングを破って出た場合に、そこに達する可能性がもしあれば、そこについての材質は入れる必要があるのかなと、素人考えで思っただけですが、そのへん、なければ結構です。

  • 藤井オブザーバー

    チュービングが漏洩しない限りCO2がケーシングにまで到達しませんし、腐食等によって漏洩すればすぐに検知できますので、チュービングの取替え等の補修、対処すれば宜しいと考えます。

    それと先ほど申し上げましたが、ケーシング内面を樹脂でコーティング、ライニングする方法もありますし、ケーシング素材を耐CO2ファーバーグラスで製作されたものが、EORでよく使用されています。強度、圧力、温度に耐えるものであれば使用可能と思います。

    繰り返しますが、セメントの無い区間までCO2が地層を通過したり、セメント中のチャンネリングを通じて到達しない限り、チュービングとパッカーによって仕上げされていればCO2は上部ケーシングには接触することはありませんので、従って上部ケーシングは腐食したり、漏洩したりしないという考え方です。

  • 薛委員

    5ページの(2)にセメンティングの記載がありますが、CO2に接触する部分のセメントには耐CO2のセメントを使うと書いていますが、それはいまの絵で言えば、貯留層の区間と理解してよろしいんですか。

  • 藤井オブザーバー

    ここの書き方は、一番下の横に、茶色のガンパー孔の形で書いてある一番下のセメンティングのところには耐CO2を使う必要があり、上の段のところはその必要はないという考え方です。

  • 薛委員

    とすると、それが漏洩の話になってくると、CO2に接触する部分は言葉としては特定しにくいと思いますので、例えばここは明確に貯留層区間がわかりやすいんじゃないかと思いますが。

  • 藤井オブザーバー

    ご指摘の通りです。

  • 村井座長代理

    それでは、そのようにお願いします。

  • 北村委員

    ご説明にあった例えば鉱業法とか鉱山保安法の基準は、法の基準でありますから、もしもこれに違反したら不利益な措置を受けてもしょうがないという拘束力のあるものとして考えてございますよね。

    いま私どもが議論して作ろうと思っている安全基準と申しますのは、基本的にはできたとしても自主基準であるのか、法的基準であるのかを確認しておいたほうがいいと思うんですね。自主的な基準ですと自発的にやるわけですから、法的な基準ではここまで踏み込めないというところも、ややもう一歩踏み込めるということがあろうかと思います。

    もちろん、そのうち法的な基準にするということならば、最初からそれを前提においてレベルをコストベネフィットやっておけばいいと思います。私は法律はあまりよくわからないですけれども、お金もかかることでごさいましょうから、そのあたりの枠組みを確認かたお聞かせいただければと思います。

  • 三橋地球環境技術室長

    今のは非常に重要なポイントでして、もう一つのワーキンググループでも同じように紙を配った際のコメントに、ここで検討している項目の使われ方とか位置づけについての事務局の考えというご意見をいただいておりまして、本来であれば冒頭でご紹介すべきであったんですが、これは実証事業として実施する際に守ってほしい基準を書き並べるものでありまして、この実証事業はいまこの時点で100%国の支出といいますか、委託事業として実施することを前提にしておりますので、委託の主体は国でありますので、実施の責任がまず私ども国にあるというところを出発点においております。

    具体的に地層にかかわることでありますので、ケース、ケースで、サイトが選定されてくると、それに応じた違いというか、多様性があることは一定程度ございますので、サイトが完全に特定されていない現状において、書けるところの抽象度は一定程度出てきてしまうので、私どもが考えておりますのは、委託事業として実施する際に、ここで検討した安全基準に従ってまずやってくださいと。実施主体は、それに基づいて私どもはこういうルールに基づいてやりましたという内規的なものをちゃんと備えて実施してもらうようなイメージで相互の実施主体との関係が出来上がることが、国が委託事業の主体でございますので、その部分の責任の存在は変わらない形で安全を確保して、きっちりやる方法だと考えております。

  • 北村委員

    ありがとうございました。そうすると、この実証事業ですね、適法にできる根拠は、駄目といっている法律がないと。許可がいるぞというならば許可をもらわなくちゃやっては駄目ですが、やってもいいとも悪いとも言っていないところにきちんとした安全的なものを作ってやっていくというふうに理解してよろしいのでしょうか。

  • 三橋地球環境技術室長

    そこのところは非常に難しいところでして、関連する法規というのは、例えばくだらないところから申し上げて、先生の意見とずれているところからいいますと、例えば建築基準法とか道路法というレベルできっちり守っていくべき法規から、例えば鉱山保安法とかかなり技術的に類似性が高くて、その参照に十分値する法規までいろんなものがあるというのが現状でございまして、そこの分析もきっちり兼ねてこの検討を行なって、CCSという工程からフローに合わせて関連する法規、あるいは参照すべき法規がなんであるかどうかもきっちり横で見ていくことを一つの目的にしていますが、じゃ、このCCSを実施するためになんらかの法律に触れますかといういただいたご質問について答えますと、現在例えば海底下の廃棄であれば海洋汚染防止法、きっちりかかる法律が現実にあるということになります。

    ですから、逆を言えば、陸地で実施する場合で、どこも鉱区を持っていないところについて言いますと、その意味で言うと極めてフリーな状態になっているというふうになっています。

  • 村井座長代理

    まだ議論があるかと思いますけれども、追加のご意見等につきましては、コメント提出様式に記入していだたいて、2月5日17時までに事務局のほうへご提出願います。

    それでは最後に、次回のワーキンググループの日程について事務局より説明をお願いします。また、そのほか連絡事項がありましたら、あわせてお願いいたします。

  • 三橋地球環境技術室長

    便宜的に来週の木曜日ということで1週間の時限を設けておりますが、それで区切るということではないですが、私どもの作業の関連で皆さまのご協力を得て、できればコメントの1回目の回収を2月5日の5時ということでご協力をいただければと思います。

    先程ご案内しましたように、いただいた意見は字にして皆さんに見えるようにして、次回、配付資料の一部としますので、例えば5分とか10分早めに着ていただいて、ディスカッションの前に、ほかの委員の方々の意見に触れていただく時間がもし少しでもあると、議論が活性化するのではないかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

    次回ワーキンググループは2月25日ということで、すでに前回調整させていただいております。本来であれば3月の日程をここで決めたかったのですが、座長が不在であることと、座長と候補の日程の調整ができておりませんので、きょうの結果を座長に報告しまして、3月以降の日程については事前にメール、あるいは最悪で2月25日の当日に調整させていただきたいと思います。

    委員の皆さまにあたっては、きょう説明しておりませんが、参考資料3にもう一つのワーキンググループで配付しております基準の紙もお配りしておりますので、相互に関連します、バラに出しますと、こっちに書いてあるからこっちに書かないとかいろんな問題が出てきますので、最後に全体をご覧いただく以外に、関連しそうなところにも目を通していただければと思います。

    実態的には村井委員、あるいは當舎委員には両方のワーキンググループにご出席いただいて全体をご覧たいだいているということでございますけれども、委員の皆さまのお力を借りて、足りないところをきっちり埋めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

  • 村井座長代理

    その他事務局から、何か連絡事項はありますでしょうか。

  • 三橋地球環境技術室長

    ありません。


4.閉会

  • 村井座長代理

    それでは本日の会議はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


以上
 
最終更新日:2009年3月6日
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