経済産業省
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農商工連携研究会(平成21年度第7回)-議事要旨

日時:平成21年5月20日(水)10:00~11:50
場所:経済産業省別館第4特別会議室

議事

  1. 農商工連携研究会報告書案について
  2. 意見交換

出席者

門間座長、飯野委員、上杉委員、大澤委員、尾崎委員、木内委員、小林委員、紺野委員、高島委員、恵本氏(竹田委員代理)、皆川委員、山本委員

議事概要

熊谷経済産業省地域経済産業政策課長から、農商工連携研究会報告書案について資料に沿って説明した後、意見交換を実施。各委員等からの主な発言概要は以下のとおり。

  • 全国的に見ても農商工連携は活発化しているとの印象であり、生産者との直接取引等、既存の流通と違う流通も増えつつある。また、都道府県のアンテナショップもブーム的な人気。
  • 現場では、各業務で高度化、専門化が進んでおり、コーディネーターバンクには期待しているが、ノウハウやネットワークを持つ団塊の世代を活用できないか。
  • 全国的には、中小企業を含めて本格的に農商工連携に取り組みたいと考えている者が数多くいるので、行政の支援をお願いしたい。
  • 地方における農産物のブランド化には、競争力強化と安全・安心の担保が重要。競争力強化は、コスト削減と高付加価値化であるが、安全・安心については、地域を超えて商品を売ることを考えれば、地域外の人も安全・安心がわかるよう第三者の証明システムが必要であり、J-GAPはそのような取組の一つではないか。
  • 地方は縦割り行政が残っている。農水、経産両省で相談して、ワンストップサービスの提案をお願いしたい。
  • 農業者が経営を勉強する機会が少ない。商工会や商工会議所を活用して勉強の場を提供することを検討していただきたい。
  • 現場では、まだ農商工連携が知られていないところもある。両省で連携して、全国キャラバンを行い、普及させて欲しい。
  • 直売所は、マーケティング、人材育成、技術導入などの課題に上手に取り組んでいる。これを活用してトレーニングすることも必要。
  • 観光は可能性がある。地方に来て食べてもらうということは、地域に経済効果をもたらし、地域のモチベーションにもなる。
  • 人材については、ネットワークを持つ数多くの団塊の世代に少しでも参加してもらえれば助かるのではないか。
  • 農商工連携に取り組む際に各種の規制が問題となることがある。「できないこと」がある場合の相談窓口があるとよい。
  • 植物工場は、菌茸類の取組を強化して欲しい。菌茸類は品種も多く、食品としての機能性もあり、事業化が可能。
  • かつて地域の代表であった酒屋、みそ・しょうゆ製造業といった醸造業が元気がない。地域の酒米と酒造メーカーの連携など、農商工連携を個別の産業という視点でも見直していただきたい。
  • 地域の連携では、広域で連携してどこかだけが儲かるのではなく、地域の素材をそこで加工して付加価値を付け、その地域の所得向上や雇用創出につながることが必要。33~34頁に、地域ぐるみの農商工連携の取組を支援するための企業立地促進法による支援が記載されているが、なぜ企業立地促進法に限定するのか。同法は広域的な取組が対象と理解しており、地域のニーズに応えられるか疑問。報告書の文言としては、34頁の企業立地促進法の次に、「加えて、地域の加工施設の導入を支援」と入れるか、37頁の「クラスター支援」のところに、「加工施設の導入支援を通じて、加工の産業集積の形成・高度化を図る・・」いったように修正をお願いできないか。
  • 36頁に「経営力の強化」があるが、地域は産業集積がないので資本的な余裕がない。初期投資について、農商工連携に取り組む経営体や組織への支援・育成の記述が必要。
  • 農商工連携には、厚生労働省も関与していると考えているので、省庁も横のつながりを持って対処していただきたい。年金も農業に就くときの将来の保障であり、35頁に記載している研究機関や行政機関の連携については、もう少し強く具体的な施策に誘導するという方向性がほしい。
  • 現場における専門的な技術、法律及び補助金制度などトータルに理解し、アドバイスできるレベルの高い人材の育成が必要。事業と法律を合わせて農業版MBAプラスMDのような大学などを作って、早急に人材を育成する必要がある。
  • 個人情報の問題はあるが、ITを活用して、所有者と使用者を登録した農地マップを作ってもらえると面的取組の情報ツールとなる。
  • 平地と中山間地域で施策が一律でよいのか。エリアを2~3に分けて、農商工連携のモデルケースの取組への誘導があっても良い。
  • 植物工場や農商工連携での新たな流通における「中抜き」により雇用が減る場合がある。最終的には雇用拡大が目標なので、地域の環境保全・景観整備などに踏み込んで、合理化で片方で雇用が減るなら、もう一方で雇用を作るという施策が必要。
  • 農業が付加価値を持った総収益を得られるような業界になり、意欲を持った新たな個人、法人が参入できる魅力ある産業となっていただきたい。
  • 農業は経験がものを言う世界であるが、新たに参入する場合、ITが経験不足を解決するのではないか。
  • 農業は世襲制が多いが、意欲ある外部の人間が入れるような仕組みが必要ではないか。
  • 都市部の農家の課題として相続税の問題があり、現在の制度は、収益のある農家が農業を続けようと気にならないもの。税制面の検討もお願いしたい。
  • 食料自給力の向上については、農商工連携の推進を通じて食料自給力の向上につなげていくという位置づけと、消費者に対しても国産農産物の消費を促すだけでなく、どうすれば生産者が持続可能な農業を構築できるのか、どうすれば消費者が安全で安心な食料を安定した価格で食べ続けていけるのかを、農商工連携の推進を通じて農業者、消費者、流通業者双方が理解を深めていく、といったニュアンスを盛り込めないか。
  • えさ米(新規需要米)の生産、流通、販売の取組を強化し、緊急時にはえさ米を食料に回せるようにする生産基盤を整備することにより、食料自給力の向上につながる。さらに、耕畜連携の推進も重要。
  • 農商工連携でできた商品を商が頑張って販売する気になる仕組みも必要。すぐに売れない場合も多いが、売る側が時間をかけて取り組みやすい仕組みが必要。例えば、植物工場の商品は期間限定で消費税を免除するなど、商品の販売現場での支援があるとよい。
  • 売る立場としては、産地の情報が不足している。産地も我々とのコンタクトの仕方がわからない。ITも良いが、商談会のようなダイレクトなコミュニケーションを地道に続けることが必要。現場に行かないとものになるかどうかわからない。地銀が融資先支援の一つとして商談会を開催しており、我々も呼ばれているが、良い場である。
  • 連携の取組は簡単に始まる場合もあるが、それを展開して成功させるには力がいる。事業が始まったあとの支援機関やコーディネーターのフォローアップを組み込まないとうまくいかない。
  • マッチングの場も提供してきたが、アグリexpoの実施や農業経営アドバイザーなど活用できるツールもあり、現場での支援を実施していきたい。
  • 米の例で言うと、売れるものでも、そのエリアで減反の問題があってそれ以上作れないという場合がある。減反政策をいっぺんに変えるとかいう乱暴な議論ではなく、地域で、県、市町村、農協等を含めて柔軟に解決策を探るという方向があってもよいのではないか。
  • 稲作経営のなかで、黒米、赤米、もち米など様々な品種を作ったり、自分で品種を開発して作る場合があるが、現行制度では、格付けの問題等難しい問題がある。これも一律に制度を変えるのではなく、具体的な事例の中で新たな制度を検討できないか。黒米は100グラム400円でも売れており、こういったものを支援する制度の検討ができないか。
  • 行政の担当者がコロコロ変わる。地域の交流会などは長い経験が必要であり、行政も柔軟な対応をお願いしたい。
  • 交通機関は人々の交流における基本的なインフラ。金のない人も使えるよう、交通インフラの整備について大胆な提言をしてはどうか。
  • 消費者側の関心も変わっており、えさ米を使用した豚肉は高くても売れている。自給率を高める、環境に良いなど、商品の持つもう一つの価値を全面に出していくことも必要ではないか。
  • 大量生産、低コストという工業的概念で農業を活性化するのは難しい。少量、多品種といった生命的な価値体系の中で自給率、伝統文化、こだわりといったものを発信していく仕組みも必要。都市部の人間は、産地を支援すると言ってもどう関わっていけばいいのかわからないのが実状なので、オープンに支援に参加できるような仕組みを提供できるとよい。
  • 全体として文章が多いので、報告書にインパクトを出すためにビジュアル化する工夫が欲しい。項目ごとに、88選の事例などをワンポイントで要点を入れて説明するとわかりやすく伝わるのではないか。
  • 「農商工連携の意義」と「課題と方向性」については、全体を把握する鳥瞰図のようなものを入れて欲しい。
  • マーケティング、IT、ブランド、経営力、自給力、地域などのひとつひとつの用語については、農商工連携の中では従来の意味と違うニュアンスを持っているので、新しい定義づけをして言葉に血を通わせることも必要ではないか。
  • 政策提言は網羅的に記載されているが、市町村や事業者の人が見るときに、実際にどういう施策が活用できるか、わかりやすく一覧で示すこともよいのでは。
  • 企業立地促進法は、地場産業の集積度を高めることも含んでおり、昨年法律改正をして農商工連携関連業種を加えたところ。ただし、関連業種としては食品加工業のみであり、農林水産業そのものは対象でないので、この部分を現在検討中。企業立地促進法の計画はほとんどが県レベル、あるいは県内の一定エリアのものとなっているので、広域に限るというものではない。
  • JAの横に加工施設を作った場合に支援を受けられるような仕組みが一番有効ではないかと考えている。企業の立地促進という概念より、加工施設の設置により生産能力を強化するという取組への支援こそ有効。
  • えさ米については、新規需要米促進を振興する法律をすでに成立させていただいており、えさ米、米粉用米の生産者、加工業者を支援していくこととなっている。食料安全保障面でも、有事の際は食用に回すことも視野に置いた法律となっている。
    銘柄については、昨今の色々な作付体系等の地域の実情を踏まえて格付けができるように仕組みを変えており、弾力的に進むと考えている。
    農地については、個人情報の問題から持ち主をオープンにすることは難しいが、農地を担い手に面的に集約することが生産力の向上につながると考えており、農地法の改正により流動化を図るとともに、ハード面、情報面や経営権を移すときの金銭的な支援もするようにしているところ。
  • 施設整備への支援策については、農林水産省の既存の制度でも、農家の加工場や製造業者の工場等に対する補助制度等、農商工連携という視点からみると使えるものがたくさんあり、それらを含めて政策一覧として示すことが農商工連携を進める上で大切と考えている。

以上

 
 
最終更新日:2009年6月19日
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