経済産業省
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地熱発電に関する研究会議事要旨(第2回)-議事要旨

日時:平成21年1月30日(金) 14:00~17:00
場所:経済産業省別館10階第1028会議室

出席者

芥川委員、芦田委員(座長)、安達委員、飯倉委員、池田委員、江原委員、鎌田委員、川副委員、北尾委員、田篭委員、長委員(代理前田)、中田委員、中西委員、野田委員、堀越委員、三村委員、森山委員、矢野委員、山崎委員、山田(明)委員、山田(茂)委員

議題

  1. 地熱発電の経済性と開発リスクの考え方
  2. 自然環境に配慮した地熱発電開発等
  3. 地熱発電所の周辺温泉への影響

議事概要

「地熱発電の経済性と開発リスク」(安達委員より資料3に基づき説明。)

「地熱発電の経済性と開発リスクの考え方~地熱開発促進調査の問題点と抜本的改革案~」(江原委員より資料4に基づき説明。)

「地上環境に配慮した開発技術等について」(中田委員より資料5に基づき説明。)

「自然公園内での地熱発電の開発」(安達委員より資料6に基づき説明。)

「地熱発電所の周辺温泉への影響について」(野田委員より資料7に基づき説明。)

  • 現在、環境省が温泉資源の保護に関するガイドラインについてパブリックコメントを受け付けているところである。一般の入浴目的として利用される温泉の枯渇に対応するためのガイドラインを、蒸気・熱水をほぼ還元井によって地下に戻す地熱井にも適用され、距離規制等を設けられることについては障害があると考えられ、さらに地熱開発が停滞する可能性もある。
  • 温泉地域内で掘削しすぎて温泉が枯れることを防ぐためのルール作りかと思う。地熱発電に関して言えば、実際に運用中の地熱発電所の周辺にも温泉があるが、仮にこのガイドラインが地熱発電にも適用されるとすると、地熱発電所内でも安定操業のために必要な補充井の掘削ができなくなるばかりか、新規の地熱開発もできなくなる恐れがあり、このルールを地熱発電に関して適用するのは適切ではない。
  • ガイドラインはあくまで参考であって、画一的な距離規制にはならないと思う。既存温泉への影響がないように、温泉事業者に対してもモニタリングを行うこと示されているのは大変結構なこと。
  • 地熱井と温泉井とは、別々に扱う必要がある。地熱井は温泉法の中で扱われるのは無理があり、むしろ鉱業権に近い考え方である。地熱エネルギーが我が国の貴重なエネルギーであることを鑑みると、長期的に見ると地熱開発権が必要ではないか。
  • いきなり地熱に関する法律を作ることは難しいので、今はひとつずつ課題をクリアしていく必要がある。
  • 事業化する段階で温泉との共生を考えていくことが必要。NEDOによる公的な地熱開発促進調査の中で、温泉への影響がないことが証明されることは重要。さらにNEDOの地熱開発促進調査の掘削本数を増やし、長期間の噴出試験を行うと共に環境影響調査を行ってほしい。またNEDOの調査井についても低額で譲渡してほしい。
  • 東北の地熱発電所の利用率は、一時的に90%の時もあるものの概ね50%~80%である。これは、開発時の地熱貯留層評価が過大であったことや生産井と還元井の相互干渉が原因で、コスト低減のためにはこれらの予測技術の向上が必要である。
  • 森発電所が運転開始して約30年が経過しているが、運開当初から認可出力が得られず、過去に生産井を2年に1本程度のペースで掘削してきたことがあるが出力が維持できていない状況。さらに電力自由化以降、発電部門に対するコスト低減が求められる中、新たな地熱開発については既存地点での資源開発リスクを勘案すると資金を含めた経営資源を投入できる環境にない。今回議論されている事業化推進調査においては、新規地点開発におけるさらなるリスクの低減を図ってほしい。
  • 原油価格の高騰への懸念や地球環境問題の観点から、ディーゼル発電が多い離島での電力供給は課題であるが、離島での地熱発電の可能性はどうか。
  • 離島での地熱発電の開発については、電力需要、原油価格、地熱資源等の状況を見た上で総合的に判断されるべきと考える。
  • 佐渡におけるNEDOの地熱開発促進調査ではバイナリー発電を視野に入れているが、バイナリー発電は国内で実例が少なく技術は十分に確立されているとはいえない。いずれにせよコスト次第であるが、もう少し技術面での課題解決が必要である。
  • 電力会社は新エネルギー等の導入について努力しているところだが、地熱の他にも選択肢がある中で、電力会社から見ても魅力のある電源にしてほしい。
  • 日本での開発が停滞している一方、海外での地熱開発は活発であるが現状はどうか。
  • フィリピンでは、地下の開発のリスクの大きいところを、PNOC エネルギー開発公社(現在は民営化)が担っており、近年大幅に開発が進んでいる。リスクが大きいところを政府が担い、BOT方式を導入して大きく開発を進めた時期がある。同様にインドネシアは、固定買い取り制や優遇税制等支援策を洗い直ししているようだ。
  • フィリピンでは、他の電源より少々コストが高くても地熱の方にメリットがあるということなのか。
  • フィリピンは、天然ガスはあるものの豊富に化石燃料をもっていないが、大きな地熱帯があり、数十万kW級の発電所を有しており多くのエネルギーをまかなっている。また、島と島の間も送電線が整備されているので、地熱の電気も離島間で供給されている。
  • アメリカでは、過去にPURPA法という再生可能エネルギーを支援する法律があったが、電力自由化で再生可能エネルギーが停滞してしまった。電力自由化で安定供給に支障をきたしたが、現在、地熱を含む再生可能エネルギーの開発を推進している。日本の事情にあった制度づくりが望まれる。
  • 現在日本では、再生可能エネルギーの導入のためにRPS制度を採用している。電力自由化以前は総括原価を料金に反映することによって開発されてきた。海外の事例については評価されているものも、評価されていないものもある。これから新エネルギーの大量導入に向けて経済産業省でも議論が始まっている。
  • RPS制度について経済性だけではなく、環境価値を地元に還元できないか。「ふるさとグリーン証書」制度を検討しているようだが、自然エネルギーは地域のものであるという観点で、こういった制度があると地元の協力も得られやすいし、発電量に応じた自然エネルギーの還元ができるのではないか。
  • 資料3P.17、19の例は、15,000kWの場合の試算であるが、もう少し規模が大きければさらに採算性の改善が期待される。
  • 環境アセスについては、計画では3~4年が見込まれるが、実際アセスをしようとしてもすぐには着手できず、その前に自治体等に説明するなど時間を必要とするので、実際には4年以上かかると予想される。また大規模火力と同じようなアセスが必要とは思えず、簡素化が望まれる。
  • 地熱発電の原価には、資本費に燃料費を転嫁するので、基本的には固定費の比率が高い。燃料費は上下するため、上がっている時は地熱が優位だが、下がった時にも継続して購入してもらう必要がある。基本的には、電力会社に購入してもらうが、電力会社の負担を国民に転嫁する仕組みも考える必要がある。そのためには、買え買えといっただけではだめで、なぜ買わないといけないのかについて説明する必要がある。
  • 昭和50年代にも自然公園法の壁があったが、代替のない自然環境と地熱エネルギーの比較で、現在よりCO2の問題が課題でなかったため、代替エネルギーとしては火力・原子力もあるので、地熱の開発は我慢すべきと考えられた。そして、いざという時には自然公園内の地熱開発を考えることとし、その時までに温存しておけばよいと、政府も開発事業者も考えていた。
  • しかし、1990年代以降、CO2の問題が地球環境保護という世界共通の認識となり、環境省が一番困っておられると思うが、当時のエネルギーと自然環境という対立ではなく、地球環境と自然環境とどちらを優先するのかという対立構造に変わってきている。地球環境と自然保護との調和を真剣に考える時である。地球環境を守るということに対しては、明らかに国民全体でそのための負担をしていく必要があり、自然保護との調和についても考えていかなければならない。
  • 日本が地球環境に大きく貢献できるのは地熱しかないのだから、自然公園の中で調査実績がある地点を早く調整してほしい。当時はできなかったが、自然公園にある9割の地熱資源を調査するとともに、景観等の問題についても国で調査してほしい。
  • 東京都では2020年までにCO2を25%削減という目標が条例で定まっている。技術的にどこまでできるか検討中だが、実際にはどう考えても15%か削減できない状況。残りの10%は原子力、地熱等を増加させる他、外国から排出権を購入しなければならないのだろうか。それであれば、国内の地熱エネルギー開発に費用を負担したいと考える。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月7日
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