経済産業省
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地熱発電に関する研究会議事要旨(第3回)-議事要旨

日時:平成21年3月12日(木) 14:00~16:00
場所:経済産業省別館10階第1014会議室

出席者

芥川委員、芦田委員(座長)、安達委員、飯倉委員、江原委員、鎌田委員、川副委員、北尾委員、田篭委員、長委員、中田委員、中西委員、野田委員、堀越委員、三村委員、森山委員、矢野委員(代理村岡)、山崎委員、山田(明)委員、山田(茂)委員

議題

  1. 今後の地熱発電の開発見通し
  2. 地熱発電の開発促進のための方策

議事概要

「地熱開発促進調査結果に基づく開発可能資源量」(NEDOより資料2に基づき説明)

「新技術の活用等によって増加可能な発電量の試算」(野田委員より資料3に基づき説明)

「地熱発電の開発促進のための方策」(電力基盤整備課より資料4に基づき説明)

  • 今回電力基盤整備課がまとめた方策を実現してほしい。地熱は純国産でクリーンなエネルギーであるが、地下資源の把握が依然として難しい。過去に比べ科学技術はかなり発達したが、最終的な事業化となると地下のリスクが無視できない状況。ただ成功率が5割程度であるので、経済性の中にカウントできるリスクにしてよい数字だと思う。
  • いろいろな助成策が考えられるがもう一度原点に返って、地熱を経済学的に見て、公的資金の対象として考えるのかを整理しておく必要がある。現時点では、市場競争力がないが、地熱は地球環境維持のために非常に有効な公共財であるので、まず公共財に準じるものの扱いをして良いと思う。第二に、情報の非対称性がある。地下資源ゆえに、地熱開発事業者が調査を行う際、地下資源の情報の非対称性がある。もっと十分な情報を地熱開発事業者に与えなければならない。その意味で調査が大変重要である。第三に、外部経済効果があり、化石エネルギーというのは外部不経済をもたらしている。地熱は外部経済効果があるものだと考えれば、是非我々の負担で助成をしていくことが必要。
  • 短期的には市場に乗らないが長期的に市場に乗る可能性がある地熱エネルギーに対して、地熱貯留層の評価が確実であれば、開発したいと思う事業者は増えてくる。地熱を市場に乗せるために助成を強化し、事業者の開発の後押しをすべき。
  • 一般的に、市場に乗らない事業の場合公共が事業主体になるが、電源開発株式会社が既に民営化されている中で、事業主体は民間事業者であり、民間へのインセンティブが必要である。
  • 過去、NEDOの地熱開発促進調査で多くの地点の調査をしているのに、なぜ事業化できていないのか。
  • 資源リスクがまだある。さらにあと1、2本掘削し踏み込んだ調査をする必要がある場合が多い。本日示された今後の地熱開発促進調査の在り方について、本研究会でさらに具体化することが重要である。
  • 地熱開発促進調査の調査井を購入する際も、インセンティブが働くようにしてほしい。
  • 開発事業者にとって、地下の掘削リスクが最大の課題。イニシャルコストを下げるために補助金の補助率拡充をすべき。
  • 地熱資源の賦存地域が山間地にあり送電コストが無視できず、これに対する何らかの新しい支援策が必要。
  • まだ地熱井の掘削に伴う様々な障害があるため、地熱貯留層評価のための技術開発が必要。
  • 空白の10年間により、後継者問題が課題である。地熱事業者の間で年1回技術交流会を開催しており、技術の継承に努めている。また日本地熱学会とも交流をしている。NEDOの技術開発予算が全くなくなってしまったが、技術の開発は引き続き必要である。
  • 当たり前であるが民間会社は儲からない仕事はできない。本日示された支援策が今後実現されれば、新規地点の開発が始められる。地元の方にも温泉に影響がないことを示していきたい。
  • 温泉事業者の方々の不安は、そもそも自らが長い間利用している井戸がどこから湧いてきているのかが分からないことから生じるものでもある。地熱貯留層の調査と共に、温泉の流出メカニズムも一緒に調べることが不安を取り払うことになると考えられる。
  • 地元との接触をもつことが重要であり、地熱発電の関係者と温泉関係者の議論の場が必要。
  • 八丈島地熱発電所では、温泉貯留層と地熱貯留層の間に完璧なキャップロックがあり、両者がはっきりと分かれている。さらに興味深いのは、この地域では、地熱発電所が開発された後に、温泉が開発され共存をしている。大変すばらしいモデルである。このような事例について紹介していくことが必要。
  • 地熱発電の環境付加価値をどれだけ見られるかが課題である。化石エネルギーの価格が上昇するから開発を進めるということではなく、環境価値が高いから開発するという考え方ではないか。
  • 経済性については、売値がいくらになるのかが重要。固定価格制度やRPS価値が必要不可欠。
  • ある地点でフラッシュ発電方式とバイナリー発電方式で比較を行ったところ、フラッシュ発電方式の方が約1万kW多く試算されたこともある。フラッシュ発電方式の方が環境にやさしいエネルギーをより生み出せるのに、なぜRPS制度で「著しく熱水を減じない」ことを認定基準にしているのか。
  • 安比、山葵沢の事例で、フラッシュ発電方式がRPS認定の対象になれば、経済性が飛躍的に上がることが示されている。是非、RPS対象を拡大していただきたい。
  • アメリカの経済再生プログラムにおける地熱発電の支援策は、融資、債務保証、税の優遇、助成金等である。これらの政策により、アメリカの地熱開発は進むであろう。
  • フィリピンでは、今回検討されているような自然公園外から自然公園内の地下へ向けたコントロール掘削について中央環境資源省は承認したが、地元団体が反対をしたため、1年かけて説得がなされた結果、無事開発されたケースもある。
  • ニュージーランドでは、開発前に資源採取量の認可をする制度がある。資源が枯渇しないように確認する仕組みも必要。
  • 50kWの温泉発電システムについては、現在開発中であるが、ボイラータービン主任技術者の専任義務の有無などの規制がどれだけ省略できるかによって、経済性が変わってくる。
  • 送電線については、地熱発電だけでなく他の自然エネルギーに係ることだが、国のインフラとして整備するのか、どのような形で支援をするのか議論が必要である。
  • 自然公園内の開発促進のひとつの方法として、自然公園内にモデル的なプラントを作り、自然環境との調和を示せば今後の展開ができるのではないか。
  • 現在の開発のリードタイムは約8年で、環境アセスメントが過重となっている。地熱発電の最大のメリットはCO2の削減効果なのだから、地熱発電の開発により、減らすことができるCO2の量を目標値として、示すことが必要なのではないか。
  • ひとつの産業を長期的に育てる視点にたつと、本日示された開発目標は少なく、少なくとも300万kW必要ではないかと考える。
  • 本日の開発目標の数字は、現在把握されている個々の開発可能量の積み上げであり、控えめな数字である。確かに目標としては大きい方がよい。
  • 電力基盤整備課が本日示した方策は、開発事業者にとって大変勇気づけられるものである。一方で、温泉法の縛りの中で進めて行かざるを得ない地熱開発は、都道府県知事の許可が必要である。都道府県は、都道府県内の既存温泉を考慮している状況である。今回は無理であるが、国と地方の決定機関の意思にばらつきがないよう、将来的には他の国と同様、地熱に関する法制度が必要である。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月7日
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