経済産業省
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総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子力安全基盤小委員会安全基盤研究ワーキンググループ(第3回)-議事録

日時:平成21年6月1日(月) 13:31~15:25
場所:経済産業省別館3階346第4特別会議室

議題

  1. 安全基盤研究における関係者の役割と連携について
  2. 安全基盤研究ロードマップの活用と作成のあり方について
  3. その他

議事

大村基盤課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第3回安全基盤研究ワーキンググループ」を開催いたします。
本日は、お忙しい中御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、これ以降の進行は古田主査にお願いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
古田主査
それでは、まず、議事に先立ちまして、定足数と資料の確認を事務局の方からお願いいたします。
大村基盤課長
それでは、定足数を確認いたします。
総合資源エネルギー調査会運営規程で、定足数は、専門委員を除く過半数ということになってございます。過半数は4名でございますが、本日は5名の委員に御出席いただいておりますので、有効に成立いたしております。
それから、本日、電気事業連合会の高橋委員は御欠席ということですけれども、代理として電気事業連合会の研究推進委員会から藤田様に御出席いただいております。
それから、資料2、後ほど資料を御説明いたしますが、ロードマップの関係の御説明をいただくということで、日本原子力学会標準委員会の宮野委員長に御出席いただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の資料で御確認いただきたいと思います。
名簿が付いてございまして、資料1としまして「安全基盤研究における関係者の役割と連携について」、資料2としまして「ロードマップ策定とその活用-技術戦略マップの意義-」、資料3としまして「安全基盤研究ロードマップの活用と作成のあり方について(案)」、資料4としまして前回のワーキンググループの議事録ということでございます。
過不足などございましたら、御連絡いただければと思います。
古田主査
それでは、資料に不備等ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、本日の議題に入らせていただきます。
本日は「安全基盤研究における関係者の役割と連携について」ということについて、まず議論したいと思います。前回のワーキンググループの議論を踏まえまして資料を御用意いただきましたので、資料1につきまして事務局の方から説明をお願いいたします。
大村基盤課長
資料1でございますが、前回も関係者の役割分担と連携についてということで御議論をいただきまして、今回は、前回の議論を踏まえまして、資料の整理を再度行ったというものでございます。
簡単に御説明をして、その後、これについて御議論いただければと思います。
まず、1.に「規制当局の役割と規制当局による安全研究の範囲について」ということで、これは前回と同じ趣旨の整理をいたしております。少し体裁が前回と変わってございますけれども、これは編集上の修正でございまして、見やすいように一覧表にしたあたりが大きなところで、内容につきましては、特段大きな変更ということにはしておりません。国の安全研究の範囲ということで、そこの表1の(1)から(4)にありますように、規制当局として果たすべき役割を遂行するための必要な研究ということで、ある程度こういう限定というか制約というものがある。内容は記載の通りということで整理をしたものでございます。
それから、2.に「安全研究に係る規制当局と産業界の役割分担と連携について」ということで、これにつきましても前回かなりいろいろ御意見もいただきまして、もう一度改めて整理をいたしました。
まず、この基盤小委の報告、平成19年ですけれども、その中で安全基盤研究の指針としてロードマップを活用するということが提言されているわけでございます。ロードマップにつきましては、後ほど次の議題で御議論いただきますが、ロードマップの策定の場におきましては、関係者が方針や計画などについて、意見交換とか調整を行うということが当然必要になるわけですけれども、意見交換と調整というのが、規制当局と産業界で研究のテーマや内容について効果的に分担、連携を図るという意味で非常に有効ということだと考えております。
その際に、安全について一義的な責任を負うのは事業者でございますが、事業者を含む産業界が実施するものにつきましては、企業活動の一部としまして、自由な活動が妨げられるものではないということで、ロードマップの作成に当たりましても、その範囲には特段の制限というものはないというふうに整理をされるわけですが、一方で、保安院の安全研究につきましては、先ほどの範囲の制約もあるということで、1で述べたような内容につきまして、ロードマップを作成する場合に考慮をされる必要があるということだと整理をしております。
ただ、安全規制に有益な研究の成果ということでありますと、規制当局以外の機関で実施された研究であっても、規制当局が妥当性を確認した上で、必要に応じ活用していくということが適切であると書いてございます。
その次に、(2)として「規制当局と産業界が共同研究を実施する際の要件について」ということで、これにつきましても、前回かなり活発にいろいろ御意見をいただきまして、それを踏まえて、もう少し整理を進めたということでございます。
まず、規制当局と産業界の連携につきましては、前回の整理で、情報交換による連携やプロジェクトを構成することによる連携、あと、応分の負担を出した共同研究というような3つに整理をできるのではないかという話でしたが、御議論の中でも資金とか人材とか施設等応分の負担、要するに何かを供出をして一つの研究を共同で実施するというケースとそれ以外という形で非常に大きく分かれるのではないかという御議論もございました。
したがいまして、この焦点としましては、共同研究、つまり、資金とか人材、施設等、応分の負担を行ったものを共同研究とここでは定義をいたしておりますけれども、これについて要件を検討しようということでございます。
この共同研究を実施するのは、例えば、実験設備が限定的であって、一緒に実施するということが最もよいし、そうせざるを得ないという場合。それから、個別に実施する場合に比べて、一緒に実施することによって非常に優れた研究が可能になるという、更にポジティブな意味合いを持った場合というのもあり得るのではないかと考えられます。
そういう共同研究を行う場合に、研究内容、実施方法などの計画を両者で協力して策定をするということになってまいりますので、研究の一体性が非常に高まるということになります。そうしますと、規制当局が必要とする研究成果が十分に得られなくなることや、規制当局の判断に影響が及ぶことになるのではないか、こういった国民の懸念というものを生じさせないような方策が必要なのではないかということで、これも前回の御議論にあったと思います。
こうしたような懸念が生じないようにするためには次のような措置が考えられるのではないかということで、まず1つとしましては、これは前回いろいろ事例を御紹介いただいた中のEPRIとNRCの間にもございましたが、共同で実施するのは、試験データの取得に限定して、その解釈とかモデルや解析コードの開発、その研究成果をどうやって、試験データをどうやって活用するのかというところにつきましては、それぞれが行ってはどうかというものです。
それから、あと、中立的な評価委員会のようなものを設置して、規制当局への判断へ影響を及ぼすことのない研究となっているかを確認していくという、客観的に第三者としてこれを見てもらうという措置が考えられるのではないかということです。
それから、こうしたような懸念が生じていないことを対外的に明確にするというためには、十分な情報公開が必要になるということで、これも前回御議論ございまして、次のような措置が考えられるのではないかというものです。
当該研究に係る目的、スケジュール、費用、当事者それぞれの役割分担、会議等の議事の結果、試験データ等に関する十分な情報を公開する。ただ、単に情報を公開するということだけではなくて、何かあった場合に、外部からそれがきっちり見られるように、外部からの自由なアクセスというものを確保するということも必要なのではないか。このあたりは事務局の方で考えた次第でございます。
以上のように、前回の御議論をもう一度集約しまして、こういった方向性ではないかということで改めて整理をさせていただいたということでございます。
説明は以上でございます。
古田主査
それでは、ただいまの説明につきまして、御質疑、御討論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。山本委員。
山本委員
1点コメントと1点質問なんですけれども、まず、コメントの方なんですが、今の資料の3ページ目の上の方に、共同研究を実施する場合のメリットが幾つか書いてあるんですけれども、実験設備が限られている場合とか、非常に優れた研究が可能になるということが書いてあるんですが、昨今の経済事情なんかを考えると、実際、共同研究しないと全く研究そのものができないよということも当然あるわけで、そういうことのデメリット、やらないことのデメリットというのも考えに入れておく必要があるのかなという気がしております。それがまず1点。
あと、3ページの一番下のところなんですが、十分な情報公開という観点から、試験データ等に関する十分な情報を出すということが書かれているんですけれども、当然試験自体は、例えばプロプライエタリなデータというのも当然取得されるわけで、そういうものを完全に公開するというのは難しいということもあると思うんですけれども、この辺の兼ね合いについては、現時点でどのように考えておられるのかというのを教えていただきたいと思います。
大村基盤課長
後者の方の公開についてでございます。これも前回少し議論が出たところもあったと思いますが、確かに私どももこの検討をするときに、知的財産の取扱いのようなもの、これをどういうふうに扱うのかということで、論点の中にもたしか少し入れていたような気がします。
ただ、国と産業界が共同で研究をするという場合は、両方の知的財産的なものが両方かぶさるということを仮に前提といたしますと、国のものにつきましては、もちろん財産的なものがあってこれをというのは、ないことはないのですけれども、ただ、透明性の確保という観点からすると、基本的にはこれはきっちりと公共の財産として公開されるのが原則というか基本ではないかと。今回の国民から疑義を持たれないということも併せて考えると、基本的には公開が前提ということでこういう共同研究が成り立つのではないかと考えた次第でございます。
ただ、やはり知的財産の扱いについてはケース・バイ・ケースでいろいろ考えなくてはいけないケースが起こり得るのではないかということは念頭にはございます。
山本委員
例えば、NRCのレポートや何かを見てみますと、プロプライエタリのデータのところは白抜きになったものがたくさん公開されているんですけれども、現時点のイメージとしては、そういう取扱いをできるだけ少なくして、情報はできるだけ公開しようという方針だという理解でよろしいですか。
大村基盤課長
はい。事務局としては、透明性の確保という観点からは、そういうことだろうと考えてございます。ただ、今申し上げましたように、それで全部割り切れるかどうかというところはゼロではありません。このあたりについては、もしあれば御議論いただければありがたいと思います。
古田主査
最初の共同研究に関するコメントに関しては、何か特にございませんか。
大村基盤課長
今回、共同研究というものを、これはどこかにたしか書いたと思うのですが、基盤小委等でも資源等の有効活用、資源の中に恐らく予算とか経費的なものも当然含まれると思いますので、こういう共同研究をやるときの一つの動機というか背景として、そういう資金的なものをできるだけ効率的に使うという観点は入っているとは思います。文章上どのようにまとめるかということはあると思いますけれども。
古田主査
ほかにございますでしょうか。どうぞ、木下委員。
木下委員
前回も申し上げたので、繰返しになるかもしれませんけれども、3ページの真ん中辺に「次のような措置」ということで、多分これは例として挙げていらっしゃるかもしれないので、コメントとして受け取っていただきたいんですが、ここで「共同で実施する研究の範囲を客観的な試験データ取得に限定し」と書いてありますが、その後に、モデルとか解析コードの開発ということは、活用であるというような書きぶりになっているんですけれども、共同でモデルや解析コードの開発を行うこともあると思います。ただ、その場合は、モデルや解析コードの骨格の部分は共通に利用できるけれども、その骨格をデータに当てはめるときには、A社のデータもあれば、B社のデータもある。製品によって違う場合は、おのおの独立に行うということなのかと思います。ちょっとその辺はモデルないし解析コードにも階層というんでしょうか、ハイアルキーがあるということですので、ちょっとコメントさせていただきました。
古田主査
よろしいですか、特に。
大村基盤課長
御趣旨は理解いたしました。このあたり、どのような書きぶりでまとめるかということは相談させていただきたいと思います。
古田主査
ほかにいかがでしょう。阿部委員。
阿部委員
ちょっと形式的な質問というか、コメントになるんですが、これは、標題が「安全基盤研究における関係者の役割と連携について」という非常に広い標題なんですね。それに対して、ここで書いてある内容は、規制当局と事業者を中心とする産業界の役割についてまとめているだけですね。ただ、安全基盤研究では、例えば、原子力安全委員会、原子力学会、JNES、JAEA、こういうところがみんな深く関わっていると思いますので、もしタイトルをそのままにするのでしたら、そういうところにも踏み込んで書いていただきたいというのが1点です。
それから、もう一点は、安全研究をやるときに、国際協力というのが随分大きな比重を占めるものですから、もしこういう役割分担を書くときには、国際協力のあり方についても一言触れてくれるといいかなと思っていますけれども。
大村基盤課長
タイトルが非常に広いということは、確かに御指摘のとおりかと思います。ただ、最初に論点を整理したときに、このところは規制当局としてどの範囲が必要なのか、共同研究とはどういうふうにやるべきなのか、少し焦点を絞って議論しようということとなってございました。タイトルや標題の付け方つきましては、工夫をさせていただきたいと思います。
それから、後者の国際共同研究については、確かに余り言及がないものですから、基盤小委等でも既にいろいろ書かれていることはあろうかと思いますけれども、最後まとめるときに、それを考慮して工夫したいと思います。
小澤委員
今の3ページに関して。小澤でございます。
先ほど木下さんからもありましたが、その前の(1)のところで、「共同で実施する研究の範囲を客観的な視点データの取得に限定し」とあります。試験データをすべてという意味合いではないと思いますので、この辺を客観的な、適切な試験データという感じかなととっておるんですが、そんな意味合いでよろしいのでしょうか。
大村基盤課長
試験データがすべて客観的ではないという御指摘でしょうか。
小澤委員
「試験データの取得に限定する」とし、その試験データを独立で活用するものは後ろのもの(解釈等)だというふうに書いてございますが、「客観的な試験データの取得」という「客観的な」という意味合いが、かなり限定的な試験データという意味合いと考えてよろしいのでしょうか。必要な範囲の試験データの取得という意味合いで。
大村基盤課長
要するに、客観的というのではなくて、必要なデータとか、客観的と付けることが余りにも限定的なものではないかという御指摘ですね。
小澤委員
済みません。表現が悪くて。試験データが客観的だから、すべての取得を共同でやりましょうというふうにも取れるかなと思っての御質問なんですが。
大村基盤課長
ここの書きぶりの趣旨は、試験データそのものが、客観的なものであろうと。そういうものを取得することが今回の共同研究の目的というか、範囲なのだと。それをどう扱うかということに関しては、それぞれの立場によって相当活用の方法というか、矛先が違うので、それは独自に行うというのが一つ規制当局は使うネタというのは疑義を生じない、一つの有効な方法であると。ですから、試験データは客観的なものであるというのは前提としてここは書いているという認識でおります。
小澤委員
ありがとうございます。
伊藤委員
今回のこの資料は非常によく整理されて、特に3ページの要件については、非常に分かりやすく、妥当なものになっているのではないかと思うんですが、1点だけ、先ほどの山本先生でしょうか、データの公開の仕方なんですね。ちょっと小さいようですけれども、実際、連携を進めていきますと、研究を進める者のモチベーションというかなり重要なところに関わるものですから、そこだけ一つ意見を言わせていただきますと、恐らく、プロセスとか連携のプロセス、あるいは役割分担、まさに3ページの一番下の(1)に書いてある前半の方ですね。会議等の議事結果、この辺までは非常にはっきりと情報というのは公開しないといけないと思うんですね。
一方、データそのものは、先ほど知財の話が出ましたけれども、知財だけでもなく、まさにそのデータというのは研究そのものの、実行した側からすれば、オリジナルな原著のデータということもありますから、そういう意味では、ちょっと質が違うと思うんですね。プロセスのまさに客観的な管理と、そこでの利益相反のコントロールと、それから、得られたデータの取扱い、これは多分質が違っていて、そういう意味では、瞬間考えた、これはあれですけれども、会議等の議事結果に関する十分な情報を公開するとともに、試験データに得られた客観的な試験データ等に関しても適切な方法で公開するとか、少しそこにバリエーションを可能なようにしておいていただけると、データに関して、例えば学会で発表するとか。つまり、学会で発表するときは、その前に発表してはいけないわけですね。ですから、そういう原著性の問題とかいろいろありますから、データに関する公開は、少し柔軟性を持たせた表現にしておくと、現場としてはモチベーションが損なわれないのではないかと思います。そこだけ。
大村基盤課長
ありがとうございます。公開するものをそのまま全部列記をしてしまった形になっていますので、今、御指摘のあったとおり、試験データそのものをどうするかという問題は、確かにいろいろ今御指摘の点もあろうかと思いますので、実態を踏まえて、もう少し正確といいますか、適切な形にできるのではないかと思います。
古田主査
阿部委員。
阿部委員
今の件なんですが、もうちょっと細かいところまでいきますと、公開すべき最優先は、研究で得られた結論と、それのもとになったデータですね。ですから、その前の、スケジュール、費用、役割分担、会議等、こういうこと以前に、研究の成果そのものが原則として公開されるべきであるということを順番としては書いてほしいなと思っていますけれども。
古田主査
よろしいですか。じゃ、平野委員。
平野委員
ただいま伊藤委員の御発言のあった点に関しまして、私も伊藤委員のお考えに賛成です。試験データはちょっと取扱いが違うのかなという感じがしております。前回報告させていただきましたけれども、OECD/NEA、我々がやっていますプロジェクトでは、データに関しては、3年間は参加者全員の合意があれば公開できると。3年を過ぎると全面公開するというある種の工夫をしているわけですけれども、余りリジッドにここを書いてしまうと、そういった工夫の余地がなくなってしまうというか。となると、先ほど、やらないことのデメリットというお話がありましたけれども、そちらの方につながってしまう可能性がありますので、そこにやるべき必然性といいますか、やることのメリットがある場合に、少し工夫をして、できるようにするというのも一つの方法かと思いますので、その辺の余地を少し残すというのが重要かなという感じがしております。
古田主査
ほかにいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。
それでは、大変貴重な意見をいただきましたので、今日いただきました意見を参考にさせていただいて、またもう少し整理をいただくということにさせていただきたいと思います。また後で何か御意見がおありの場合には、メール等で事務局の方までお寄せいただければと思います。
それでは、次の議題ですけれども、次の議題は「安全研究ロードマップの活用と作成のあり方について」ということでございます。
まず、ロードマップ作成に実績のございます日本原子力学会の標準委員会の方から、資料2に基づきまして御説明いただき、資料3の説明を事務局の方からいただいて、その後質疑に移りたいと思いますけれども、質疑につきましては、テーマごとに分けて質疑をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、日本原子力学会標準委員会の宮野委員長からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
宮野委員長
分かりました。宮野でございます。
こういう説明をしてほしいということで資料を準備させていただいたんですが、ロードマップの策定については、わざわざここで皆さんに御紹介するまでもないんではないかと思いますが、基本的にこういう考え方で作られているという世の中の状況も含めて御紹介させていただいて、その上でまた皆さんに御議論いただければということで、若干技術的な面じゃない部分もあるかもしれませんが、御紹介させていただきたいと思います。
それでは、お手元に資料がございますが、これに基づいて説明させていただきます。
最初に、項目が書いてございます。そこに小さい字でいろいろ書いてございますが、大体こんなことを話すというので書いてございますので、後ほど参考にしていただければと思います。
早速、1項目目は「夢の実現」と書いてございます。
私、ずっと研究開発に携わってきまして、機械学会等でもこういうのを見てきたわけですけれども、ダヴィンチの夢は、皆さん御存じのとおり、下の方に絵がありますけれども、こういうものを夢描いたのが現実にできていますねというので、わざわざ絵のあるものを載せさせていただきました。これはダヴィンチですから、1600何年ぐらいですか、15~16世紀ぐらいの話だと思うんですが、そういうころに描いた夢ということなんですが、今、ほとんどでき上がっているというので、私もこれはおもしろいなと思って参考にさせていただいたということであります。左の方がヘリコプターで、右側の方にあるのが戦車だそうです。それぞれもうでき上がっているという夢です。
私はその次に、「明治の夢」と書いてございます。20世紀の夢。これは機械学会でこれもかなり昔ですけれども、学会誌を見て、ああ、おもしろいなと思って、新聞もその当時の1901年の1月2日、3日の報知新聞の記事が載っていたわけです。そういうのを見まして、そこに書いてあるのは、絵は、その次のページをめくっていただきますと、「明治の夢」というのがございますが、こういう絵が機会学会誌に載っていて、それで新聞にもいろいろ載っていたわけですけれども、まさに今、我々が日常恩恵を被っていて、恩恵を得ている電話、テレビ電話、ジェット機での世界旅行もそうですし、そういったものがあるわけで。
じゃ、5ページ目にありますように、どういったものができているのか、その当時、夢が23項目書いてありました。ほとんどのものができているというのをおわかりになると思いますけれども、若干できていないものもあるわけですけれども、非常に大変なのは、自然を相手にするのは大変だなと。サハラ砂漠の緑化だとか、暴風予測・防止だとかというのは、自然を相手にしているわけで、これは非常に大変なことなんだろうなというのはいまだにわかるわけでありますが、それ以外のところはほとんどこういう夢が実現できているんだということで。
私たち、こういう産業界もそうですし、こういう技術の世界に生きていると、こういう夢を持って実現するんだというふうに思わないと、なかなか夢というのは実現できなくて、技術の進歩がないんだというので、私たちの世代では、エジソンがそういうものを実現してきたというのがあるわけですけれども、そういう夢を見て、私たちもエジソンになろうじゃないかというふうにやってきたというつもりであります。
最近、2000年過ぎぐらいから、6ページにありますけれども、日本も世界のトップ、アメリカを追い越すんじゃないかと言われたころに、研究開発はどうだと。追い越すんじゃないかと言われて、ちょっと下がってきたときにどうしようかといった議論があったときに、アメリカと日本は何が違うんだろうかと言われたのは、こういったものであります。
これは、皆さんよく御承知の「死の谷」理論というのがあって、研究開発をやっている人たちは、ここにいる方はほとんど研究開発であると思いますし、私たち産業界では、その反対側にいるわけで、研究開発のシーズが谷を越えて、谷の中で育って、産業界にモノになっていくんだと。ほとんどのものがここでつぶれてしまう。それを何とかしようじゃないかというので、何とか早くできないかという話があって、戦略マップを作ってやったらいいんじゃないかという議論が出てきたわけで、その橋を作ったのが「イノベーションハイウェイ構想」と言われたものであります。
そのころ、技術戦略マップを作ってきちんと出していけばいいんじゃないかと言われて、技術戦略マップを作り始めたのが2000年過ぎてからだと理解をしております。この当時、私たちいろいろ話を聞いたのは、アメリカと日本の違いは何かと。やはり物量の違いが大きなところがあるのではないかと思いますが、アメリカでは、何でもいいからいろいろなものにチャレンジしようじゃないかと。その中からターゲットに合ったものを選択して、それを育てていくというか、そういう意味で「多産多死」と書いてありますが、多くのものの中でほとんど死ぬんですけれども、その中の一部が網にかかったものが生き延びて、モノになっていくんだと。ただ、日本の場合は、大きな投資をできないから、これだというのを目指して、それがかなり日本人のいいところといいますか、才能で、目利きと言われていますけれども、こういったところでうまくいったと。ソニーなんかもそうかもしれませんし、そういうふうに言われてきています。
ただ、そうはいっても、今の時代はなかなかこれまでの目利きという形でできないのではないかというので、戦略マップを作っていこうと言われて、戦略マップを始めたわけであります。
学会で策定しました戦略マップにどんなものがあるというのを7ページから順番に御紹介させていただきますけれども、原子力学会でもいろいろやりました。その前にあったのが、経済産業省が策定した技術戦略マップ。機械学会がそれを受けて、一部作業をしたということで、機械学会でこういうものを発表されていて、私たちもそれを同じような方法でやればいいじゃないかというので、今やっているのは、これに応じたところでやっているわけでございますが、機械学会でロードマップを作ったというのは、そのページの後をめくっていただきますと、これは経済産業省の中でごらんいただきますと、こういった8ページのマップが出ています。これは最終的に絵にしたのがこんなことです。
こういったものをつくっているということで、残念ながら、私も全部見ていましたけれども、原子力の分野ではこの中に入っていないんですね。機械学会の中で作っているロードマップも、一昨年、昨年と作ってきましたが、機械学会のロードマップ、その次のページをごらんいただきますとおわかりいただけますけれども、9ページでございますけれども、この中に熱工学だとかいろいろ部門がございますが、原子力が入っている動力エネルギー部門というのは、この中には入っていない。こういうところでの議論はされていなかったと。
ただ、原子力をやっている人たちがおられるので、熱工学部門では、高熱流束除熱といったところで、原子力がどんなことをやらなければいけないかと、若干「原子炉事故中の冷却」だとか、そういう言葉が入っています。ですから、ただ、これは系統的にこういったものが入ってきたわけではないということでございますが、こういった分野では目を向けていただいているのではないかと。
同様に、その次のページをごらんいただきますと、10ページにありますように、材料力学の部門では、「発電用軽水炉出力の図」とありますように、材料屋さんは特に原子力にも目を向けていただいていて、「原子力発電所の高出力化と信頼性の確保」といったようなこと、それから、「環境・構造強度評価技術の開発により、原子力プラントの出力を、信頼性を確保して向上させる」ということをうたって、ただ、炉出力がこういうふうに変わっていますよ。その中でこういうブレークする、それから、市場の変化はこうなっていますよということをうたっている程度には載せていただいているのではないかと思っています。
さて、原子力学会では、JNESさんからの委託で、2005年を契機に原子力の技術戦略マップを策定して、全体的に見たのが11ページのもので、どういうことが必要なのかということで、この中から高経年化対応技術、燃料高度化技術、そして、軽水炉利用高度化技術といったもののロードマップを作らなければいけないのではないかということで特化をして策定をし始めたわけでございます。
12ページにございますように、若干まだ新しく手をつけたものもあるかもしれませんが、現在行っているところは、燃料、高経年化、水化学、地震安全、そして軽水炉高度化、熱流動といったところでございます。それから、放射性廃棄物等々の処置、こういったところでロードマップの検討、それから、成果を出しているわけでございます。
こういった成果を出してきているといいますか、ロードマップを作ってきたわけでございますが、それでは、どういうふうにしてロードマップを作っていかなければいけないのかということで、その次のページから若干御説明させていただきたいと思います。
我が国の原子力利用の戦略は、基本的には平和利用であることをすべてに優先して「原子力安全」を確保するということが第一だというふうに皆さん共通だと思っております。そういう意味で、何が、国民の満足、顧客満足というのを最近品質保証で言われていますけれども、「原子力安全」であると。その原子力安全を指標とした技術戦略を練るということが重要なんだろうと、まず私どもは頭に置いているところでございます。
技術戦略とロードマップというのはどんな関係なのかということをこれから御説明させていただきますが、特に原子力の場合、ロードマップを作っていく理由は、長期にわたる技術開発ということだと私どもは思っております。私も、ABWRの開発には30年ぐらい、ものを作り始めてから20年以上かかったわけでございますけれども、関わってきたわけでございますが、そのときにもそれぞれ技術開発、戦略マップというものを作って、そしてものを達成してきたという経緯がございますし、それから、現在うまく動いているのは、高経年化対策技術開発というところは、目標を定めてフォローアップもきちんとしているというところで、こういう高経年化対策のようなもの、ABWR、長期にわたる技術開発についてはロードマップを作るということは極めて有効だろうと思っております。
そういうことで、ロードマップは、じゃ、なぜこれが重要なのかといいますと、将来の展望を描いて、必要な製品だとか技術だとか、そういったものを目標に明確にして計画的に開発を実行していくと。そのためにフォロー、修正を的確にして、将来ビジョンを描いたものを実現するんだと。最初に「夢の実現」ということを申し上げましたけれども、単なる夢ではなくて、実現するためにどういうものを描いて、どういうふうにして実現をしていくのかということを作り上げていくことが大切なんではないかということでございます。
そこで、15ページでございますが、私ども、この技術戦略マップというのはどんなものかということで、これを最初から勉強したわけではないといいますか、いろいろと調べて見ると、こういうものを使えばいいということは分かったわけでございますけれども、最初に作ったのは何かというのは、モトローラのテクノロジーロードマッププロセスというところが、これは自分でそういうところで話を聞いたわけではありません。こういったものが書いてあるところでございますけれども、要するに、ロードマップをというのを作っていくことが目標達成には極めて重要なんだということを率先して見せて、特に国家戦略のような、共同でいろんな事業体といいますか、いろんな組織が共同でものを達成するためにこういう方式が重要だということを出してきたわけでございまして、それを私たちがいろんな形で利用しているんだということでございます。
15ページに書いてありますことは、こういった技術戦略としてのロードマップというのは、どういうことが必要なことなのかというポイントを書いてあるわけでございまして、どういう書式のもの、どういう形式のものでなければいけないかということはないと。どんな形式のものであっても、こういったことが入っていればいいというふうに言われているところであります。
したがって、先ほどの経済産業省のロードマップにしても、機械学会のロードマップにしても、全く違う書き方でございます。それから、たしかNEDOさんでもロードマップを作られています。そこの中には原子力というのがありますけれども、ただ、書き方は全く違っておりますし、そして、私どもの今作っております、学会で用意をしております燃料についても、高経年化についても、そういったものとは違った形のものを作っているところであります。
重要なのは、階層構造であるということが1つ目。ニーズとか目標を明確にするということ。そして、それに基づいた技術課題ヘの展開をするということ。そして、その課題を解決するための手段を明確にして構造を作っていくんだと、その3段構造であるということ。
2つ目に、優先度を明確にするということと、それに伴った時間軸。いつまでに何をやるんだということを明確にするんだということ。そして、3つ目が責任の明確化であって、役割分担、だれが責任を持って実施するのか、そこが明確になっていることが必要だ。組織ではなくて、だれがということだということです。
マイルストーンは、いつまでにどこまでというのを判断する時期ですね。いろんなプロセスがあるわけですけれども、どこかでマイルストーンをして、そこで判断をして、行く方向を決めるということがマイルストーンでありますし、そして、5つ目にありますコンセンサス。議論を十分にしてコンセンサス。いろんな意見がございます。私どももいろいろやってきましたけれども、反対意見はいろいろございますが、最終的に、こういう形で進めようじゃないかというコンセンサスを形成して、共有をするということ。そして、最後に、ローリングといいますか、状況に対応して適切に修正をする。PDCAを回すということが必要なんだと言われています。こういったポイントが入っていれば、どんな形であってもいいんだということであります。
16ページに、それじゃ、私たちはどんなことで現在進めているのかということでございますが、具体的にどういう方法で作っているのか。これは典型例でございます。そうじないものも学会にはございます。こういう方法で作っていないといいますか、非常にあいまいな形で作っておりますのは、水化学のロードマップというのは、こういうふうにきちんとしたものではありません。それでも作って共有することが重要だということであります。
位置付けは、皆さんで一緒にやった、先ほどから共同という話がございましたが、共同プロジェクト、産官学が共同で行うプロジェクトということについて、成果に着目した目標設定と評価の仕組みを明確にして、投資効果を検証することということで、このロードマップを導入しようということになります。
構造は、導入シナリオ、技術マップ、ロードマップと。絵は、皆さんよくおなじみの次のページにございます絵で、これまでも何回も御説明申し上げているところでございます。
技術シナリオは、先ほど申し上げたような3段構造の最初でございます。技術目標、ニーズと背景を明確にして、何を最終的に達成するんだということで、これは、最終的に達成しようというシナリオ、そのためにどういったことをそれぞれやっていかなければいけないかという大枠を決めること、それがシナリオであって、その中で個々の技術のレベルを定量的に俯瞰してマッピングする。何となく研究開発すればいいではなくて、何を成果として出すんだということを明確にして、いつまでにどういう達成レベルを実現するんだということを設定するということですね。そして、それをやるために、だれがいつまでにどういうお金を出してということを分担するということでございます。それがロードマップ。それが17ページにございますような技術戦略マップとして、導入シナリオ、技術マップ、ロードマップというのを作って、それを技術戦略マップとして皆さんで共有をして、そして、例えばこういったワーキンググループ、基盤小委等々へ出す。それからまた、学会での公開をして、意見を求めて、もしくは、毎年新しい情報を取り入れて、それを反映しつつ、次の年もしくは次の次の年でもいいんですが、ローリングをして見直しをしていくんだと。こういう作業をすることで、目標を確実に達成するということをしようというのがこの技術戦略マップの策定ということでございます。
次のページにございますように、こういったものを使って私たちは何をしようとしているのかというのは、もちろん原子力安全の確保であります。そして、必要な技術課題を明確にして、何をやるか。成果は、ほとんどの場合、こういうプロジェクトの場合は、技術的な成果というのは、規格基準に落とすような技術成果と私どもは思っているわけでございまして、そこで私は今こういう話をしているわけでございますが、民間、産業界では、やはりものを作るということが重要でありますから、ものを作るということについては、成果としては明確にあらわれてくるわけですが、技術成果というのはなかなか明確になりません。そこで、学会へ論文を出していただいて、それをベースにして規格基準に落とし込むんだということが重要だろうと私どもは考えているわけでございます。
19ページにありますのは、そういったものをどういう体系でするのかというのを高経年化技術開発において作ったものでございます。いろんな情報を情報基盤の中に構築して、必要なものは研究開発を行って、また基盤に落とし込んで、そして成果を規格基準に落として、それを活用して、保全もしくは原子力発電所の安全確保に反映をしていくという流れを作っていこうということで私たちは活動していると思っているわけでございます。
それをあらわしたものを例として20ページ、21ページに示しましたが、20ページには、高経年化の導入シナリオの絵、技術マップ、そしてロードマップというものをあらわしてございますが、ロードマップは時間軸が入っているものでございますので、I期、II期、III期でこれは大枠なところでございますが、それぞれの項目、技術マップの中であらわれているような技術課題の項目について、それぞれどういうことをやらなければいけないのかという定量的な俯瞰図を示して、そしていつまでに何をやるかと作っていくのが具体的なものです。これは全体のシナリオ、技術マップ、ロードマップというのをあらわしたものでございます。
こういうものをベースにして研究開発が進められているんだと思っています。
例えば、21ページにありますようなロードマップ、時間軸をずっとあらわして、I期、II期、III期とございますが、こういうふうにして、いつまでに何をやるんだと明確にすることで、私たちが何を今やっていかなければならないのかということを明確にすると同時に、できたのかできていないのかという反省をするということができるだろうと思っています。
22ページには役割分担。そのときに議論した役割分担を書いてございますが、これは大枠の役割分担だと。個々についての役割分担はそれぞれいろいろあるかと思いますが、国は、安全規制の確立と維持に関する責任を持つんだと書いてございますし、原子力政策の推進に対する責任があるわけです。産業界は、安全性の確保に関する責任を持つ。そして、学術界については、研究開発への貢献に関する責任。それぞれ責任というものを明確にし、学会においては、こういう公正、公平、公開の場というのをきちんと提供して、得られた成果を確実に規格基準に落とし込んでいくんだということでございます。
ということで、ざっとロードマップの背景と作り方についての御説明をさせていただきましたが、今、私たちが思っているところは、今後の取組みのところでございますけれども、PDCAを回すということ、だれが責任を持ってこれをフォローしていくのかということをやらなければ、今は組織ではなくて、例えばロードマップを作った。だれかが責任を持って、声を大きくして動かしている状況にあるんではないかと思いますが、そういう組織的な動きを必ずしもしてはいないということで、どうするかということを考えなければいけないということ。
産業界は、基本的には、先ほど申し上げましたように、事業というのはロードマップを作ってやっていくことでございますので、日ごろから動かしていると思っていますけれども、官で、規制側についても、やはりPDCAをどう回すのかということは重要なことだろうと私どもも思っております。そして、第三者がフォローして、成果として集約する責任を持つ仕組みというものを何らかの形で構築していかなければならないのではないかと思っているところであります。
さて、学会の役割は、と申し上げますと、先ほどから申し上げましたように、公正、公平、公開の場というものを提供して、コンセンサスを形成することに貢献をしていくこと。そして、技術戦略マップの策定とローリングを、こういった場を通じて積極的に推進をするということであり、成果を規格基準などの標準化に集約をしていくんだと私どもは考えて、こういう活動をしているわけでございます。
最後のところは付け足しでございまして、学会の役割というのは、産官学と言われますが、学協会は、そういった人たちの間を主導的に取り持って、私たちは、原子力の場では、一般の国民の方々とのインタープリターの役割を調整役として持たなければいけないと考えているところでございます。
ということで、今申し上げましたことの、言葉では、その後、添付資料、資料、ございますけれども、見ますと、3ページ目に変な図が入っておりまして、プリントがミスになっておりますけれども、御参考にしていただければと思っております。
以上でございます。
古田主査
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、資料3につきまして、事務局の方からお願いいたします。
大村基盤課長
それでは、資料3について事務局からのペーパーを説明いたします。
まず、ロードマップの活用についてということで、これは第1回のワーキングの資料4より抜粋した論点として、「ロードマップを安全基盤研究の指針として活用することとされているが、安全基盤研究の企画及び実施においてロードマップを具体的にどのように活用していくことが適当か」ということで、1回目の資料ともちょっとダブりますけれども、まず、背景と現状ですが、19年の基盤小委の報告で、ロードマップの活用に関しましては、安全基盤研究、規格基準の作成の指針として活用することを提言している。参考1の方にそういう記述がございます。
ただ、具体的に、どういうふうに活用しているのかということについては、特に言及をされていないということでございまして、それを今回議論していきたいということでございます。
一方、安全基盤研究の一部の分野、燃料高度化、高経年化、これは作成されておりまして、先ほど御説明ありましたように、定期的に見直しがされておると。それから更に、その作成分野の拡大が図られているということで、いろんな形でロードマップを活用できる条件というものが整いつつあるという状況と認識しております。
対応の方向性ですけれども、まず、今の御説明にもありましたように、ロードマップは、産学官の関係者のコンセンサスにより策定をされているということで、それぞれの役割分担と連携の下で、この研究の企画、実施の際の指針として活用するということが適当だというもので、これは基盤小委の報告と同じことでございます。
ただし、ロードマップが関係者の参加のもとで策定されているということで、関係者の研究というものを拘束するものではないことに留意する必要があるというのは、こういうふうに決まったから、これは絶対やらなくてはいけないんだという形でバインディングをするような性格のものではなくて、これはみんなが努力をしてこういうふうにしていこうというコンセンサスの結果でございますので、そこは誤解を招かないように注釈を付けたわけでございます。
それから、基盤小委の報告によりますと、ロードマップを踏まえて、国の方で安全研究計画を策定するということの提言が書かれております。参考2にありますように、規制当局及び産業界は、安全基盤研究を計画し、実施するとともに、そのとき、技術戦略マップに基づき、この「小委員会」というのは基盤小委ですけれども、その計画及び研究成果について毎年度レビューをすると、そういうことを提言されておるという状況にございます。
今までのような状況を踏まえまして、保安院の安全研究計画、ロードマップ、それから、これを関係するさまざまな機関あるわけですけれども、次のように関係の整理をしたということであります。
別添の方に絵を付けておりますので、そちらの方を参照いただきたいのですが、まず、こういう計画の一番上には、国全体の方針ということで、これはまた、時期が来れば改訂をされていくということになりますけれども、原子力政策大綱であるとか、あと、原子力安全委員会が作ります重点安全研究計画、それから、施策として、原子力安全・保安部会の報告というものもあるわけでございます。そういったような状況のもとで、この安全研究計画というのはどういう関係になっているのか。
手順といいますか、1から順に説明いたしますが、保安院の方で最終的には安全研究計画というものを作るということになっているわけですけれども、保安院の方の役割としては、規制上の課題、具体的にどういったものの研究のニーズがあるのかとか、そのあたりは、これは規制当局としてしっかりとして明示をしていく必要があるというのが1であります。
その行き先が原子力安全基盤機構、JNESとなっておりますけれども、JNESの方には、私どもの規制当局の技術的な支援機関という位置付けにございますので、しかもJNESの方でかなりの割合の安全研究、保安院の安全研究を実施しているという側面もございます。したがいまして、JNESの方が運営費交付金で実施されているもの、それから、保安院の方でそれ以外に委託等でやっているものもありますけれども、そういうのも全部ひっくるめた形で、安全研究計画の原案というものを、いろいろ情報を集めながら、策定するというのが一番いいのではないかと思います。
その際に、今、話題になっています、学協会等が作る安全基盤研究のロードマップ、これと情報収集、意見交換、調整、こういったものを図りながら、JNESの方で研究の原案というものを作ってはどうかと。それをまた保安院の方に提示をするということで、それを受けた保安院は、よく検討して、自分たちの安全研究計画というのを作っていく必要がある。
それを原子力安全基盤小委員会に報告をして、そこのレビューを受ける。基盤小委員会は、保安院といいますか、国の助言機関でございますので、国の計画について報告を受けて、それに対してレビューないしは意見を述べていく。こういった形をとっていくと、全体としてロードマップを指針とした保安院、規制当局としての安全研究計画というものが策定されていくのではないかという手順でございます。
また本文の方に戻っていただきまして、今申し上げたのを2ページ目の(3)のところの「次のように整理することが適当ではないか」。手順1、2、3、4、5と書いてありますのは、その部分のところでございます。
それから、あと、「ロードマップの作成について」。次の論点ですけれども、これも1回目のワーキングの資料に、安全基盤研究の指針として活用するロードマップの作成に当たっては、目的、スケジュール、成果の活用の明確化の他どのような点に留意して作成することが適当か、ロードマップの適切かつ円滑な活用のためには、その作成方法の標準化を図る必要はないか、標準化を図るとすれば、その要件としてどのようなことが考えられるかという論点が提示してあります。
本件に関しましては、3ページ目に、現状ですけれども、ロードマップの記載内容に関しましては、基盤小委の報告には具体的な記載内容については、特に検討が及んでいないというか、記載がないわけでございますが、幾つかの事例が添付されているという状況にございます。
参考3の方に、ロードマップについての記載ですけれども、「新技術等に係る産業界の導入計画、産業界と規制当局の原子力安全に係る研究開発、規格基準の策定計画等を盛り込むことを基本とし」云々となっていまして、このぐらいであるわけです。
それで、対応の方向性ですけれども、まず、先ほど申しましたように、ロードマップは、保安院が実施する安全研究の指針ということを考えますと、国の方針、政策大綱等々、こういうものを踏まえたものであるという必要があるのではないか。ですから、こういう大きな方針等、何かそごがある、方向が全然違うということだと、後の整理に非常に困るということになろうかと思います。
それから、あと、ロードマップの策定分野につきまして、保安院がロードマップを踏まえ安全研究計画を策定するということを考えますと、策定分野の整合性というものを少し考慮しておくことが必要ではないかということであります。
あと、ロードマップの策定につきましては、学協会が主たる役割を果たすことが期待されているということですけれども、分野によりましては、学協会以外の場において策定されるという、産学官のコンセンサスでやっているということでございますので、基本的には学協会が実際やっておりますし、最もふさわしいと思いますけれども、それ以外の場において策定されるということを考えますと、そのような場合は、公正、公平、公開と、学協会の方でうたっておられる考え方のもとに作られる必要があるであろうということでございます。
それから、あと、ロードマップにつきましては、現在、先ほど説明がありましたように、幾つかの分野のものを作成し、また、作成中のものもあり、次のような構図になっているということで、導入シナリオ、技術マップ、ロードマップというのは、先ほど宮野委員長から御説明があったとおりでございます。
策定中の計画というか、現在、何らかの形で着手されているものというのもかなりの数になります。将来的には、もっと分野が増えていって、策定分野が随分の数になるのではないかと予想されますところ、これを保安院が実施する安全研究結果の指針として活用するということにしますと、やはり内容、基本的な構造とかどういう要件を書いてあるかとかいうのを標準化することが適当ではないか。今、原子力学会からの御説明で、基本的には構造というのは決まって、それに沿ってやっているんだということでしたが、ただ、ものによっては少し程度も違うという御説明があったと思いますが、標準化ということについては、留意していただければ非常にありがたいということでございます。
作成と活用につきましては、説明は以上でございます。
古田主査
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの2件の御説明につきまして、質疑、討論をお願いしたいと思います。
まず、1.のロードマップの活用についての御意見をいただきたいと思います。それから、最初の日本原子力学会さんの御紹介いただいた内容につきましても、何か御質問があればよろしくお願いしたいと思います。山本先生。
山本委員
このロードマップの活用ということで、非常に分かりやすい説明、どうもありがとうございました。
資料3の別添の方、これは非常によくまとまっておりますので、これを見ながら質問させていただきたいんですが、先ほど宮野委員長のお話にもありましたように、ロードマップというのは基本的に夢を語るものだということで、ある新しい技術を考えた場合に、いかにして安全を確保できそうかというのを示すのがその一つの意義だと思うんですけれども、先ほどの御説明では、このロードマップが規制の出発点ではなくて、別添を拝見しますと、保安院さんの方からJNESの方に、まず規制上の課題が提示されて、その後、ロードマップを作るところとJNESさんと情報交換するという流れになっているんですけれども、もちろん現在使っている技術上の課題ということも当然、例えば高経年化とかいう問題は、こういう流れで調整が進んでいくと思うんですけれども、一方、新しい技術というのを、夢を語るという観点で考えると、ロードマップのところが起点になって、新たな規制上の課題、こういうことを考えないといけないねということが当然浮かんでくるわけですね。
そういう意味では、こういう一方通行ではなくて、ロードマップが出発点で、こういう規制上の課題を考えないといけないだろうということのアンテナの役目を果たすことになるわけで、そういうところが少し読み取れないかなという気がいたします。それが1点目です。
2つ目が、この別添で拝見しますと、ロードマップと基本的には国の全体の方針が整合していないと困りますというお話が先ほどあったと思うんですけれども、私がちょっと心配しておりましたのは、ロードマップは学協会で作っておりまして、基本的にここに参加される方は個人の資格で参加されるということなので、総体としては国の方針と大きくずれることは多分ないと思うんですけれども、そうならないという保証はある意味ないわけで、実際そういうことが起こりそうになった場合は、例えばJNESさんが調整に乗り出すというような形になるのかなと思うんですが、その辺について、どういう形で対応されるかというのを教えていただければと思います。
大村基盤課長
2点ございましたが、まず1つ、ロードマップが起点となる場合。特に新たな技術についていろいろやっていこうという場合は、民間が考えていることがまず主導になるということは、十分あり得ることだと思います。(1)から(5)というのは、時系列の1、2、3で、3がないと4がない、こういうものでは基本的にはないと考えています。分かりやすいように番号は付けておりますけれども、ロードマップそのものは、恐らく数年間に一回のローリングになるでしょうし、片や保安院の安全研究結果というのも、中期的なものも作れば、毎年のものも作るわけでございまして、そういった意味では、この1、2、3というのは、それぞれの関係を示してはおりますけれども、必ずしも時間軸の手順ではありませんので、そういった意味では、ロードマップの方で新たな技術ということでやると、その情報は当然分かった上でいろんなニーズを検討していくということではないかと。そういう意味では、(1)から(5)という表現がいいのかどうか、その辺は工夫の余地があろうかと思いますが、そういう理解でございます。
それから、あと、国の方針とロードマップとの調整といいますか、方針が違った場合、どうなるか。確かに、今御指摘があったように、計画や大綱などというものは極めて大きな方向性の話ですので、実態として、これとロードマップでやろうとしていることが全然方向が違うとか、ものすごく矛盾をしているということは、恐らく階層的なレベルの問題があって、余りそういうことは実態としては起こらないだろうと我々も思います。
ただ、さはさりながら、そういうものがあったということを認識した上でいろんなものを作っていただけるとありがたいなと。これは、確かに学協会は、自由な活動でもございますので、リクエストのようなことなのかと思います。万一それとそごがある場合は、今御指摘のあったように、JNESであるとか、保安院のニーズのところ、どこかのところでそこがしっかり考えて、国としてどうしていくのかということは別途考えて調整をしていくということかと思います。
古田主査
よろしいでしょうか。
ほかに。阿部委員、どうぞ。
阿部委員
今の2点の御指摘についてちょっとコメントさせていただきますと、最初の点の、ロードマップ、そもそも夢があってというお話がありましたが、もちろん、何か新しい社会を作ろうということで考えていくときは、「夢」という言葉が非常にいい言葉だと思うんですが、安全の分野、あるいは規制の分野ということを考えますと、これは国全体として安全の達成を図るということと、保安院やJNESの立場として、安全を監視するための規制のあり方を考えるということが、これは目的そのものだと考えます。そうすると、それを「夢」という言葉にするのは余りぴったりはしないんですが、要するに、国の立場、あるいは安全を確認する立場として、これはむしろ使命としてそういうことをやらなくちゃならない。
それの一つの例は、今の別添の構成案のところで、当該分野の規制上の課題、こういうものを考えるんだということが書いてありますが、それは、例えば資料1の4ページ、参考のところで「安全規制制度の企画立案及び整備を目的とする研究」というのがありまして、その中には、高レベル放射性廃棄物処分の安全規制の法的枠組みの整備を受けて、国が行う安全審査上の要領を整備するための研究、こんなのが入っているわけですね。そうすると、これは、例えば原子力政策大綱等で、高レベル廃棄物については地層処分を旨としてやるんだということを今度は順番に受けていきますと、それに併せて保安院とかJNESが規制の体系を考えていかなくちゃならないということになるわけですね。それを達成するためには、それこそロードマップとしていついつまでにという、基準のあり方とか、それのための安全研究ということに展開されていくのかなと思うわけです。
それから、あと、2番目の御指摘は何でしたっけ。
山本委員
政策大綱とロードマップの方針にそごが生じてくる。
阿部委員
ですから、今申し上げたような話で、上から順番に下りてきていますから、そういうところをきちんと受けてさえすれば、本来反映されるはずだなと思いますけれども。
古田主査
よろしいでしょうか。
福島首席統括安全審査官
今の阿部委員の御指摘の点で、夢を語るという点について、私どもとして規制当局の立場で、学協会あるいは産業界が夢を語られることについて、何ら否定するものでもなく、それはむしろ奨励されるべきものではないかと思います。
ただ、規制当局の立場として、ここに規制の課題を整理して、それに該当する規制当局が行うべき研究の範囲というものをおのずから示して、それを参考にしていただきながら、むしろ学協会でロードマップ、今後やっていくべき研究のあり方というものを策定していただくということが大事なのではないか。
したがって、別添の図の中に保安院と学協会の間に矢印がないというのはそういう意味でありまして、決して私どもとして学協会に対してそういう課題、もちろん課題を示すということは、世の中に対して示すことなので、間接的にはもちろん示していることにはなりますけれども、直接課題に合致したものを作っていかなければならないとか、そういうことではなく、あくまでもこれは、先ほど御提示があったように、学協会というのは個人の立場でお集まりになっている方々が自由な発意のもとで、あるべき研究の姿というのを御提示いただくことなると考えます。我々がその際の参考になるように、特にJNESの知見なども活用しながら、規制としてやるべきものをまとめていくという手順だと考えています。
したがって、先ほど課長が申しましたように、決して1番から始まって、これを受けて学協会がという趣旨ではありません。ちょっと説明上、このような番号を付けた説明が分かりやすいかなと思ったんですけれども、ややそういう誤解を招いたかという。その点については、今後整理していきたいと思います。
阿部委員
私も1点申し忘れたんですが、こういう学協会でいろいろな立場の方が個人的に集まって、安全の確保のために規制で必要なことも、民間で必要なことも含めて、全体を考えていくというのは一方でとても大事なことだと思うわけですね。しかし、もう一方で、今度は組織の立場として、例えばJNESは安全研究の立案責任を持っているわけですね。そういうところが、これはそういうものを参考にしながら、組織として安全研究の計画の原案を示していくと。そういうものが、今度は民間まで含めた安全研究全体の中で、整合性がとれて、余り重なっているところがないというものになっていくというのは、組織としても必要だし、そのときに、もう一方で、広く個人でディスカッションすることも必要だと思うんですけれども。
古田主査
ほかの委員の方。宮野委員長。
宮野委員長
今、夢の話と皆さんおっしゃっているんですけれども、別に夢物語の夢を言っているわけでは必ずしもなくて、先生方も含めて、学問、例えばSCCは、計算で全部追えるようにしようじゃないかということだとか、原子炉を外から全部放射線の分布も見えるようにしようじゃないかとかという学術的な目標といいますか、そういうビジョンを作るということが学会の中では必要ではないか。それを「夢」と言っているわけで。
この添付の図、別添の図は、私もこのとおりだと思って、学協会で作っているビジョン、必ずしも国のものそのものを作るために作っているわけではなくて、技術的な課題、世の中のニーズ、先を見た、30年後どうあるべきかというところからロードマップを作って、みんなで何をすべきかという議論をしているわけで、その中で、安全規制上必要なところはここの部分ですねというコンセンサスを作りながら持っていくんだと、それは非常にいい形の、私はそういうふうにこの絵を理解しているわけで、先ほど福島さんおっしゃっていましたように、御説明はそういうことをおっしゃっているのではないかと理解をしておりますけれども、私どももそういうふうに考えていると思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
古田主査
どうぞ。
伊藤委員
今の議論は大変本質的な産学官連携の議論かなと思っていて、私も今の宮野先生のお話に同感なんですけれども、2つあると思うんですね。先ほど阿部委員からお話があったように、目標を決めて、それにすべてバックフォワード的にやるというのもあるし、バックキャスティングですか。それから、一方、技術や多様な、しかも技術というのは、原子力と意識されて研究されている技術だけではなくて、多様なナノテクとか情報とか、さまざまなものがそれはそれで独自の進化を遂げているわけでありまして、そういったものを産学官連携しながら、最も国民にとって価値ある安全というものにつなげていくということが今の議論だと思うんですけれども、そうなりますと、一つのラインでずっとバックキャスティングにされてしまうと、恐らく、ある種だんだん視野が狭くなって、多様な発展とか、そういったものがだんだん少なくなってくるのではないかという気がするんですね。つまり、ボトムアップ的なプロセスを少し大事にしないと、革新的な技術といったものも出てこない。
そういう意味では、まさに今、宮野委員長がおっしゃったように、ある種バックキャスティングから自立した活動としてやっていかないと、多分使い物にならなくなると思うんですね。逆に。だんだん矮小なものができて、見ても、何だこれ、去年と変わっていないねというものになってしまうので、そこは個々の研究者のさまざまな才能を最大限発揮するプロセスもある程度担保して、一方で国が取り組まなければいけないマイルストーンというのはあるわけですから、それと研究のさまざまな最先端をうまくつなげる。この辺のところの仕組みだろうと思うんですね。
そういう意味では、どっちか一方に偏るのはもちろんよろしくないんですけれども、しかし、それぞれがある程度独自の自由度を持った中で、先ほどのような連携をしないと、どっちか一方に完全にコントロールされてしまうと、逆に使えないものになるという意味で、先ほど福島さんからもお話がありましたように、その辺のバランスをとるのが非常に大事だなという気がしますね。産業技術ロードマップは、ほかのナノテクとか情報とかライフという、あの辺のロードマップというのは、もうちょっと規制とかそういうものがないものですから、ある種技術の自由な進化論でどんどんいくわけですね。あれは私も随分関わってやった経験がありますが、それとこれとはちょっと違うというのが一つあって、しかし一方では、ちょっとくどいですけれども、そういう技術の進化をしっかりとやっていただきながら、その成果を安全につなげていくという、もう一段高い次元の連携の仕組み、バランス、こういったところが大事だろうと思いますから、この図はとても意味があるんだろうと思うんですよね。1つコメントです。
古田主査
ほかの委員の先生方いかがですか。木下委員。
木下委員
木下です。今のお話と重なる部分もあるかもしれないんですけれども、進化論的ロードマップだと、例えば、ここの例で言えば、ある目的を達成するために、材料としてAという材料、Bという材料、Cという材料が同時並行で何本か走っていて、あるときにそれはどれかに決めようというマイルストーンがあって、そこで、ほかは全部一つだけに絞るというようなラインがあるのがほかのロードマップであり得ると思うんですが、今、私が見ているような安全研究関係のロードマップというのは、そういうものではなくて、むしろ、ある意味で資源を集約していって、効率的に資源を使うというような観点がより強調されているように思うんですね。どちらかというと、本当は何本か走っていることが見えるのが望ましいのではないかという気がします。
また技術開発が平行して走っているという話の続きですが、今ここで話をしておりますロードマップは国内の学会で決めたものです。一方で例えば外国で別途研究が走ったり、開発が走ったりしていると、あるとき、外国のメーカーからこの技術をを入れたいと許認可当局に言ってくる可能性もある。そのときに、国内では何もやっていなかった項目があるかもしれませんよね。そういうものに対してはどう対応するのかという疑問が私はあるんですけれども、その辺はどういうふうにお考えなのでしょうか。
大村基盤課長
設定が少し特殊な気もしますが、海外から新たな技術というものがいろいろ提案されると、それを導入しようという場合に、ロードマップに乗らないケースがあるじゃないかと、御指摘はこういうことかなと思います。
前もってある程度計画があったりするものは、私の整理だと、研究ロードマップ検討の場において、産業界も入っているわけですから、そういうところで、将来、こういうのが非常に有望で、こういうのが入ってくる可能性がある、そうすると、それから起算して、規制というのはこういうことを確認しておかなくてはいけない、という話になると、普通はそうだと思うのですが、そうでないケースで、いきなり突然起こるというケースの場合があるとすると、それは、規制当局で確認をしなければいけないことは確認をしなければならないというのがあるわけですので、当然入ってきたもので十分な確認ができるのであれば、それはそれで問題ないという場合もあるでしょうし、それは国内でもう一度何らかの検証が必要である等の場合は、それなりの時間をかけてもう一度計画を作ってしっかりやらざるを得ない場合もあり得るような、整理学としてはそういう幾つかの道筋があるのではないかと思います。
いずれにせよ、そこは規制当局としてやらざるを得ないというか、当然やる必要があることでありますので、それを着々とやるために、何が一番効率的で、事業のためにとってもいいのかということを考える。したがって、こういうケースはこうできますということは一本道ではないとは思いますし、必要なことは必要なことで規制当局としてやる。そのために計画を作る、こういうことかなと思います。お答えになっているかどうかはわかりませんが。
木下委員
どうもありがとうございます。大概の場合は、我々、ちゃんと耳も目も持っておりますから、外で何が動いているかというのはある程度は見えるわけですけれども、それを国内のロードマップに乗せる必然性があるかどうかはまた違う判断がありますね。つまり、技術マッピングしたときに、必ずしも乗せる必要がないと判断している場合も十分あり得るわけなんですが、ですから、それは先ほどのPDCAの問題に絡むわけですけれども、意外とPDCAというのは、何年に一回やればいいとかいう話ではなくて、そういう情報が入ってきたら、それは直ちに反映すべきであり、あるいはそういう可能性があるのであれば、パラレルに何本も走っては困りますけれども、オルタナティブというものが走っているようなロードマップ、あるいはその構造を作っておく必要があるんじゃないかなと思います。
古田主査
平野委員。
平野委員
基本的によく整理されているのではないかなと感じております。1点質問なんですけれども、別紙でJNESがNISAの安全研究計画案を作るときには、多分いろんなインプットがあるんじゃないかと思うんですね。国際的な動きとか、いろんなインプットの中で、学協会の作成するロードマップのいいところをきちっと把握して、いいところをちゃんと取ってやりなさいよと。単に参照、ワン・オブ・ゼムのインプットではない。きちっと重要視してやりなさいと。ただし、これに基づいてやりなさいということを言っているわけではなくて、インプットとしてはまだほかにいろんなものがありますよと、そんなふうに理解したんですけれども、そんな理解でよろしいでしょうか。
大村基盤課長
JNESがこの原案を作るといった場合も、そのもととになるのは、このロードマップのこれだけの情報では当然ありませんで、JNESが普段からやっている自分たちの研究があります。そのためには、国際的な共同研究等も含めて、あらゆる情報が我々としてはJNESの方が技術的にはしっかりとしたものを持っている。そういうものを踏まえて研究の計画というのは策定されるべきであろうとは思います。したがって、ここはロードマップに関係したところしか記載していませんけれども、当然その背景には、さまざまなところからのインプットがあると思います。
藤田代理
電力からですけれども、別添のロードマップの整理については、形としてはこういう形であろうかと思います。
先ほどから少し我々として懸念しているのは、先生方からも出ていますように、規制の方から提示されるというものばかりではなくて、現状の規制では採用できないいろんな新技術もたくさんあるわけでして、そういったものを国際的な基準に研究を通じて高めていって、そういった技術がどんどん使えるような流れがこのロードマップの整理から読み取れるように、先ほど御説明はいろいろいただいておりますが、そういったところが我々として一番重要ではないかと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
福島首席統括安全審査官
その点につきましては、そもそも規制課題というものはどういうものかということで、上の方に「原子力安全・保安部会報告」と書いてありますけれども、まさに基本政策小委員会の場で広い意味での規制課題も検討されておりますし、それから、安全研究ということになってくれば、原子力安全基盤小委員会の検討の場でいろいろ御指摘をいただくということも当然ある。それぞれの委員会や部会の場には、何も規制当局の関係者だけではなくて、もちろん幅広く、いろんなステークホルダーが御参加になっているという、そういういろんな既存の枠組みの中はもちろんそうですし、それから、日常的にいろいろなコミュニケーションをとる中で、我々自身として将来に向かって考えておかなければいけない規制の立場だけの課題ではなくて、御指摘のように、将来新しい技術を開発して、それを使いたいという産業界の御希望あるようなことも、もちろん我々として把握をした上での課題の整理としなければならないと思っております。
古田主査
まだあるかと思いますけれども、時間も限られておりますので、この辺で次の2.のロードマップの作成についてというテーマにつきまして、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。小澤委員。
小澤委員
どのようにロードマップを作っていくかということですが、先ほど宮野委員長の資料2の12ページに「ロードマップ整備状況」がありますが、技術分野のことと、どのようなものを作っているかということになってくるんですが、これからロードマップがもう少し増えていくことになると、技術分野の(大区分の)軸と機能、高経年化とか、軽水炉利用の高度化とか、こういった機能的な(中区分の)縦軸か横軸かということになるかと思うんですが、そういったところで関連してくる技術が出てくると思うんですが、それらをそれぞれのロードマップの中で研究テーマ等を決めていく上で、調整する場というのはどんなふうに考えておられるのでしょうか。
古田主査
宮野委員長。
宮野委員長
学会からちょっと御説明させていただきますと、原子力学会では原子力安全部会というのを作りまして、そこの中でロードマップ全体を見ようではないかという、技術的な面ではそういうのがございます。
それから、もう一つは、それぞれのロードマップでは、今、例えば燃料では、燃料だけではなくて、水化学、材料という関連で、CCだとか腐食だとかの問題もございますし、そういった関連の方々、ロードマップを作っている方々との合同でやるというところ、そういったこともやっておりますので、連携という意味では、気を遣って連携をするようにするというのをやっておりますし、組織的にもそういうのをやっていこうというのを作って、原子力学会の場ではそういうのを作っております。
小澤委員
どうもありがとうございます。
古田主査
事務局から何かございますか。よろしいですか。
大村基盤課長
国の方も、今後こういう研究計画をいろいろ使用していくということになりますと、そういったいろんな技術分野ごとのものの関連とかも考えていく必要があると思います。
ただ、今後の話として、国、規制当局とJNESとはいろいろ協力しながらこういうのを作っていこうということになりますと、その中で各分野の情報を横通ししながら作っていくということが必要だとは思います。
古田主査
ほかにございますでしょうか。伊藤委員。
伊藤委員
たまたまこのページを見て思ったのを一つだけ申し上げますと、ヒューマンファクターの項目が斜線といいますか、引いてあって、これ、結構重要だなと思うんですよね。最近、例えば経済におけるマーケティングの中でも、行動に基づいた経済とか、人間行動ですね。とか、まさに人間の要素というものを取り入れた研究が進んでおりますのと、それから、認知工学ですね。こういったものが結構今注目されていて進んでおりますけれども、斜線を書いてあるからやらないということじゃないと思うんですけれども、この辺こそ、いろんな技術を集大成して、それで複雑で、まさに複雑の極みだと思うんですけれども、原子炉ですね、このプラントは。しかしながら、私はよく知りませんけれども、ヒヤリハット的な意味で言えば、結構人間、ヒューマンファクターというのはあるんではないかと私、想像いたしますけれども、だとしますと、この辺は結構これからの重要な安全を担保するファクターになるのかなと思いますので、ここは、この辺のロードマップやら産学官連携やらという議論の花形になりそうな気がするので、是非ここは真剣にやられたらどうかなと。余り自分がやる気で言っているのではなくて、コメントで恐縮ですけれども、この図を見て、今そう思って、これは結構やりがいがあるんではないかと思いましたので、一言コメントです。
古田主査
何かコメントございますか。よろしいですか。山本先生。
山本委員
今、このロードマップの作り方の話で、標準化する必要があるかというお話が出てきたと思うんですけれども、私自身が、宮野委員長の資料の12ページにいろいろな学会で行っているロードマップの活動がありまして、幾つかに少し入っていた経験から申しますと、出てきたいわゆるアウトプットの見た目を合わせるというのは多分ほとんど無理だと思うんですよ。これは取りまとめておられる方や幹事の方の属人性が非常に出ますので、そこまで求めるのは恐らく現実的ではないと。じゃ、何があればこのロードマップを活用する上で十分かと申しますと、これは、やはり宮野委員長の資料の15ページに非常によくまとまっていると思うんですけれども、これの上から3つですかね。ニーズ・目標、技術課題の展開、解決の手段。優先度と時間軸。特に重要なのは役割分担、だれが責任を持つかということなんですが、こういうところが入っていれば、私自身は十分なのかなという気がしております。
現時点では実態として宮野委員長が元締めで目を光らせておられますので、これから大きく逸脱するものはできてこないと思うんですけれども、ここのところを押さえておけば、私自身は十分じゃないかなと。余り過度に書式とかまで標準化するというのは余り生産的ではないだろうと考えます。
以上です。
宮野委員長
私もそのとおりだと思いますけれども、皆さん、ロードマップ、これまで作ってきたのを見ておりますと、合わせることは非常に難しい。難しいというのは、その分野の中でも合わせることが非常に難しいということで、一つロードマップを作ることが大変なんですが、それを横通し合わせるのは多分難しいだろうと。ということで、特に、全体で何かをまとめるのであれば、今、山本委員がおっしゃいましたように、書式を決めて、これだけ埋めてくださいというものをその頭に付けるとかすれば、それが必要なことではないかなという気はいたします。それはいろいろフォローとか見ていますと、できそうな感じがいたしますので、そういったことをされると、状況として横通しのことが見れるのではないかと私もそう思います。ロードマップ自身を横通しでまとめてというのは、まず不可能なことだと私も思っておりますし、多分研究者はそれなりに向かっているところが違うのではないか。技術分野によって違うのではないかということで合わせられないのではないかと、私もそういうふうに理解をしております。よろしくその辺のところを御考慮いただければと思います。
古田主査
阿部委員。
阿部委員
対応の方向性のところに書かれているのは、大きく分ければ、安全研究がその上にあるどういう動向を反映して決められるべきかという話と、それから、実際にロードマップを作ろうとすると、いろんな分野ごとにばらばら作られる。それをどう考えるかという大きな問題、2つ指摘されていると思います。
それで、前者の方ですが、ここでは国の方針を踏まえたものとする必要があるのではないかと書かれていますが、これは実際には国だけではなくて、産業界の方針ですね。要するに、これからどういうプラントをつくっていくつもりかといったことに当然影響されておりますし、あるいは、突然起きる事故・故障、そういうものも大きな影響を与えるわけですね。先ほどから安全研究はもうちょっと広くやるべきではないかとか、余りぎしぎしにやるべきではないんだ、という御意見が出ていますが、まさにそのとおりだと思うんですよね。要するに、方針が極めてはっきり決まっているものについては、それに合わせたことをやっていく必要がありますが、そうではなくて、例えばこれから開発される炉型が決まっていない場合は、一般的な広い研究をする必要があるし、炉型がもう決まっているのであれば、それに特化した研究をするとか、それはみんな分野ごとにそれぞれ違ったものをきちんと反映すればいいんだろうと思っています。
それから、2番目の方の話は、これも私、学会の方から説明しますと、宮野さんがおっしゃったとおりなんですけれども、ロードマップは、原子力学会の中で随分いろんなところで作られています。後からも作られる予定です。これに対しては、基盤小委員会の方で、そういういろいろなところがばらばら作るロードマップで全体が見えるのかという御指摘があったと思います。実は、原子力学会の中に原子力安全部会、これは去年の7月に作ったんですが、それを作った理由の一つは、こういう部会が、学会だけじゃなくていろんなところで作られるロードマップを全体として見渡そう。それで、今御指摘がありましたように、例えばヒューマンファクターのところとか、欠けている部分があったら、それをどこで作っていただくか考えるとか、あるいは、全体としてどういうバランスの重み付けをやるかといったようなことまで含めて、安全部会のところで考えようということなんです。それで、安全部会の下に、実は今年の3月に小委員会を1つ作りまして、それはロードマップについて全体を見る小委員会です。これは関村先生にその主査をお願いしていますが、前々から関村先生にはいろんなロードマップを作っていただいておりますので、そういうことも踏まえて、もうちょっと広い範囲で全体を見渡すような活動をこれからしていくという計画でございます。
古田主査
ほかにいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。
そうしましたら、まだ時間はございますけれども、全体を通して何か御意見ございますればお願いしたいと思いますけれども。
それでは、また後で何かお気づきの点、御意見ございましたら、メール等でいつでも事務局にお寄せいただければと思います。
そうしましたら、本日こちらで御用意いたしました議題はこれで全部終了でございますけれども、何か審議全体を通じてございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、最後、何か事務局から連絡事項等ございますでしょうか。
大村基盤課長
次回につきましては、今までの御議論も踏まえて、ロードマップについても御議論いただきましたので、少しそれも考慮しつつ、あと、論点がもう一つ、安全研究の全体の適切なことをやっていくためのマネジメントのシステムというのは論点で残っておりますので、次回はそこあたりを中心に資料を御用意して御議論いただくということにしようかと思います。
スケジュール等につきましては、また別途調整させていただきまして、都合のよい日を設定させていただきたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
古田主査
それではよろしいでしょうか。
それでは、これにて本日のワーキンググループ、閉会にさせていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年8月3日
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