経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会(第14回)・基本問題小委員会(第1回)合同会合‐議事録

日時:平成20年12月3日(水)15時30分~17時30分
場所:経済産業省526共用会議室(別館5階)

出席者

木村分科会長、荒川委員、飯塚委員、伊藤委員、柏木委員、岸委員、下村委員、須藤委員、鴇田委員、長島委員、中村(信)委員、中村(道)委員、夏梅委員、橋本委員、春山委員、平澤委員、古川委員、松田委員、丸島委員、谷田部委員、渡部委員

議題

  1. 産業技術に関する今後の検討(基本問題小委員会の設置と今後の検討の進め方について)
  2. オープンイノベーションを促進するための総合的な制度整備の方向性について
  3. 各小委員会の活動状況
  4. 平成21年度の産業技術関連予算要求等の重点
  5. 公的研究費の不正使用等への対応
  6. 研究開発サービス産業の生産性向上

議事概要

議題1、議題2について、事務局より資料に基づき説明。基本問題小委員会の設置について委員一同了承。産業技術分科会と第1回基本問題小委員会の合同開催とする。

自由討議

  • 委員
    一昨年は「イノベーション・スーパーハイウェイ」について検討し、その1つの成果として「地域イノベーション協創プログラム」を創設した。このような出口志向の政策が今日の提案とどのようにつながっているのか。
    また資料4にある取組は、全体的に従来の研究開発施策を出口の事業化支援に重点化する法改正と理解するが、今まで国費で出口に向けた支援ができなかった理由は何か。
  • 事務局
    技術革新で世界をリードするには、自然科学という上流の分野から下流の製品開発等への展開、あるいは逆にサイエンスへのさかのぼりが不可欠。「イノベーション・スーパーハイウェイ」とは、大学・公的研究機関の連携の欠如や、人材の流動性の欠如、長期的視野での民間の研究開発投資の不足といった、その間の流れを阻害する「壁」を取り除く政策。今後は、その「壁」を取り除く施策を引き続き打つとともに、そのスーパーハイウェイにさまざまな知が交流するよう、産学官含めたシステムを作り上げ、オープン・イノベーションを促進する。
    また、後者については、かつては発明自体が出口と捉えられていたことが原因。これからは発明だけでなく、それがどのように社会で使われ、ビジネスモデルとして成り立つのかということが重要となってきており、今回のような制度整備が必要になってきた。
  • 委員
    中小企業から大企業まで様々な分野の製造業の経営者や現場は、テレビ、携帯、自動車等が不景気で売れなくなっただけでなく、消費志向が根本的に変わり、物を必要としない社会になりつつあるという印象を持っている。若者はiPhoneや自動車といったものに興味を示すものの欲しがらない。
    そうすると、日本の強いエレクトロニクスなり、自動車なり、素材なりを強くする施策だけではなく、新たな需要、市場を作る施策が必要。具体的には、環境・エネルギー、安全、食料といった現在利益が出ていないため市場として育っていないものの将来必ず必要となる分野で、研究開発投資をして新たな市場を作り出す政策が必要ではないか。
    その際重要なことが、創造的破壊を生み出すような分野融合の促進だが、現状進んでおらず政策に工夫が必要。アメリカでは、小口で不安定なエネルギー供給をグーグルに電力配分のネットワークをつくらせて解決しようという異分野融合の取組を始めている。日本では、科学技術基本計画の重点4分野の区分が本来融合分野である研究現場まで入ってきており、分野融合を進めるには、科学技術を「科学」と「技術」に分けるなど様々な工夫が必要。
  • 委員
    「協調」と「競争」の長期的な課題として、「協調」と「競争」に適した人材の供給が追い付いていないことが挙げられる。工学アカデミー等で検討しているが、既存の人材育成コースとは別に、「協調」と「競争」をリードできる人材を養成することが必要。
    また中期的な課題としては「協調」と「競争」のための土俵整備が必要で、例えば「科学技術情報コモンズ」というものを提案している。従来の研究組合と似ているが、「一番いい場所に整備する」、「目的は一つに限られない」、「共同で利用するが競争もあり得る」、「国際性を持たせる」といった特徴を持つものとして提案している。
    また、ロードマップは「協調」と「競争」のための重要な道具だが、政策誘導型のロードマップのほかに、技術の可能性に着目した科学ロードマップ、産業界でつくる利益追求を主眼にしたロードマップ、社会ニーズなど追求したロードマップを別個につくることを提案したい。
  • 委員
    ナノエレクトロニクス分野でのオープンイノベーションという観点から、我が国の貴重な研究リソースである研究独法がイノベーションの推進役として本当の実力を発揮していないのではないか。
    また、日本企業が日常的にIMECなどの海外の研究拠点に出ていっているが、逆に日本がアジアの中心的な国として世界の卓越した研究開発拠点を作るべき。世界中の企業や人を呼んで協調するには、制度的、産業政策的にどのような課題があるか検討が必要。
  • 委員
    研究開発効率が悪いとのことだが、イノベーションを創生する段階の問題だけでなく、生まれたイノベーションを市場形成につなげるアーキテクチャーが劣っているのではないか。例えば水処理分野でも、膜などのイノベーションだけでなく、水処理プロジェクトの運営やメンテナンスまで視野に入れた「マネジメントイノベーション」を行うなど、イノベーションの市場形成力を強化する必要がある。
  • 委員
    今の中国は東京オリンピックの頃の日本と産業構造や公害問題などがほとんど同じ。ただし、中国は最先端のテクノロジーを使える一方で、日本の企業年齢は平均40歳前後と高齢化している。
    したがって、日本の有限な人材をいかに有効に使うのかが重要で、何を次世代産業の主役とするのか、産業の集約が大きなテーマになる。世界で勝ち残っていく産業を残すというメッセージを国から発信しないと、国内消耗戦だけやっていて世界で勝ち残れない。技術面からの検討では、無限大の数の産業が残るので、高齢化社会のモデルを世界に発信するという視点で、日本として何の産業を残すのか検討が必要。
  • 委員
    研究開発は、いわゆるリニアなビジネスモデルのワンプロセスではなく、1つの産業として独立して考えるべき。例えばIMECは国内産業を風下で支えるためではなく、ナレッジエコノミーとしての1つの産業としてある。研究開発を産業の一つと捉えれば、自国産業のためというよりは、研究開発に最適なスキームをインターナショナルにつくることができる。
    研究開発投資のマスは企業が一番大きいので、公的研究機関や大学だけでなく、企業の研究開発を含めた議論が必要。企業内の研究開発成果がどのように生かされているのかが重要で、生かされていないのであれば技術を外出ししてコミュニティ全体として活用するシステムを構築しないと、産業としての研究開発も健全に発展しない。
  • 委員
    企業は利益を上げるために、コアの技術を自社で押さえることに重点を置いている。「協調」と「競争」の体系では利益を上げるステージが変わってくると思うが、日本の企業がどれだけこのシステムに入っていけるか、また望んでいるのか。また、「協調」と「競争」の環境のなかでは、企業はどのように発想を変えていけばよいのか。
  • 事務局
    競争領域でコアの技術を独占するのは引き続き重要な企業戦略。「協調」と「競争」の切り分けを必ずつけなければいけないのではなく、どこに一番の収益のポイントを持っていくのか、企業や業種によって最も合った形を考えることが重要。
  • 委員
    医薬品の分野では、今までないものをつくって初めてイノベーションで、それはコントロールできるものではなく混とんの中から生まれる。このイノベーションを起すには、日本が情報の発信地となり、世界中の人材が集積する場となるような制度設計が必要。シンガポール政府では、バイオセンターのような実証の場を提供し、世界から叡智を集めている。
  • 委員
    IMECやアルバニーに優るファウンダリーをつくるのかといったアクションプランに直結する議論が必要。
    また、研究独法には国内企業より海外の企業からのアプローチが増えており、しかも海外企業は長期的スパンでの基礎研究を求めている。グローバルな視点を強く打ち出してほしい。
    また民間からの研究独法への資金は少ない。NEDOが研究組合に出した資金が、共同研究や受託研究等の形で研究独法に入ってきているので、これも踏まえて民間からどれだけの資金提供があるのか考えないといけない。
  • 委員
    最近のOECDのアウトルックによると、日本は「海外からの投資」や「ベンチャーへの投資」、「海外との共同研究」といった「連携」に係る指標が極端に悪い。多少の制度改革で、その体質を持つ日本の企業が外へ出てくるようになるか疑問で、なぜ連携に対するインセンティブが働かないのか、現場レベルで考察すべき。仮説だが、恐らく企業の研究所が事業部に寄るように改善されてきて、ワンセット主義が復活しているのではないか。
    システム改革にあたっては、プロジェクト型からプログラム型の施策にしないと研究開発効率は上がらない。技術のキャッチアップであれば、研究開発と技術課題とが直結しているからプロジェクト型でうまくいくが、社会経済的な価値を追求しようというイノベーションの段階になるとプログラム型ではないと効率が上がらない。
    また政策の評価にあたっても、どこへどのような投資をすれば効果があるのか分析する体制を整えるべき。

その他

議題3から議題6について、資料に基づき事務局より説明。出席者の発言は特段なし。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月24日
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