経済産業省
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公害防止ガイドラインフォローアップ会合(第3回)-議事録

日時:平成21年3月24日(火)
場所:経済産業省本館17階東8

議題

  1. 「公害防止ガイドライン」の概要及びフォローアップについて
  2. 公害防止ガイドラインフォローアップ実態調査結果等
  3. 事業者における公害防止への取り組み等実態調査
  4. 環境省における公害防止取組促進方策について
  5. その他

議事概要

  • 佐久間補佐
    それでは、定刻になりましたので、ただ今から平成20年度の公害防止ガイドラインフォローアップ会合を開催させていただきます。
    私、事務局を務めさせていただきます産業技術環境局環境指導室の佐久間と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    委員の先生方には、昨年に引き続きまして本会合の委員をお引き受けいただきまして、まことにありがとうございました。本日は皆様、よろしくお願いいたします。
    本日は、新美先生が所用で欠席ということになっております。石谷座長のほか9名の委員の方のご出席をいただいておりますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、これより先、議事の進行を石谷座長によろしくお願いしたいと思います。
  • 石谷座長
    石谷でございます。
    本日は年度末のお忙しいところをご出席いただきありがとうございます。できるだけ速やかに議事を進めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
    それでは、議事に入りたいと思います。
    まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
  • 佐久間補佐
    それではお手元の資料をごらんください。
    配付資料につきましては、資料1から資料6までございます。それから、参考資料といたしまして、産業環境管理協会で実施されております公害防止管理者のリフレッシュ研修に関する資料が一番最後についております。過不足等ございましたらお申し出ください。差しかえさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
  • 石谷座長
    よろしいでしょうか。
    それでは、議事次第に従いまして、まず議事の2番目の「公害防止ガイドライン」の概要及びフォローアップについて及び議事の3番目の公害防止ガイドラインフォローアップ実態調査結果等について、事務局からあわせて説明をお願いいたします。

1.「公害防止ガイドライン」の概要及びフォローアップについて

  • 中村室長
    環境指導室長の中村です。
    まず、資料3ですが、前回会議を開催させていただいてから1年ほど経っておりますので、公害防止ガイドラインの説明をさせていただきます。その後、今年度、フォローアップの実態調査をいたしましたので、そのフォローアップの実態調査結果を資料4に基づいて説明させていただきたいと思います。
    まず最初に、資料3の「『公害防止ガイドライン』の概要及びフォローアップについて」ですが、経緯から簡単に申し上げますと、平成17年から平成18年にかけて公害防止に関する不適正な事例が何件か発生いたしましたので、それを受けまして、環境管理における公害防止体制の整備の在り方に関する検討会を開催いたしまして、平成18年6月から平成19年3月の間いろいろ議論させていただきました。この検討会は石谷座長に座長を務めていただきました。その検討会の最終報告という形で、平成19年3月に公害防止ガイドラインを発表させていただきました。発表させていただいた後に、4月以降、88業界の関係団体に周知徹底を図るなど、さまざまな機会をとらえて企業及び関係団体に説明をさせていただきました。
    その後、平成19年11月に、公害防止ガイドラインフォローアップ会合第1回を開きまして、製紙業界の方にプレゼンテーションをしていただきました。平成20年3月に第2回公害防止ガイドラインフォローアップ会合を開催いたしまして、鉄鋼、化学、セメント、電力、石油業界の方に来ていただいてフォローアップを行いました。今回のフォローアップ会合は、第1回、第2回を経て、第3回ということになります。
    それ以外に特に申し上げる事項としては、環境省が中心となりまして、平成19年4月から平成20年4月までの間、効果的な公害防止取組促進方策検討会を開催しまして、公害防止ガイドラインの策定やそのフォローアップを踏まえて、具体的に地方自治体等にはどのように対応すればいいか検討されており、その途中経過につきましては後ほど環境省から説明があるかと思います。以上が経緯ですけれども、まず、資料3に基づき、なぜ公害防止ガイドラインを策定したかという契機について、もう一回おさらいしたいと思います。
    1つは、1番目に書いてありますように、不適正事案の発生と関係者の認識の相対的な低下です。今までは産業公害が中心でしたが、最近、化学物質管理や循環型経済社会や地球環境問題など、単に公害の問題だけではなくて、環境全体の問題意識が非常に高くなっています。そのような中、公害防止の認識が若干薄れてきているということも1つの理由だと思います。一方で、企業の社会的な責任の高まりです。最後に環境管理のあり方の再点検です。先ほども指摘させていただいたとおり、環境問題が多様化しておりますが、公害防止に関する適切な環境管理が改めて問われているということです。以上を背景に、ガイドラインを策定したということです。
    めくっていただきまして3ページ、4ページに、過去に起こった事例を挙げております。公害防止ガイドラインを策定するに至った不適正事案の概要です。これもおさらいになるのですが、原因として考えられるのは、1人の担当者に任せきりであったとか、幹部が認識不足であったとか、担当者の遵法精神が欠如していたとかということです。そういう反省のもとにガイドラインを策定しました。
    5ページ目に問題の整理をしています。1つは全社的なマネジメントの不備があるということと、工場でのマネジメントの不備があるということと、従業員教育の不徹底があるということと、利害関係者との連携が不足であるということがその問題点として指摘されたわけです。
    それを踏まえて、ガイドラインの基本的な方向性を6ページに示しています。全社的な環境コンプライアンスの実践ということで、経営者から従業員に至るまで、公害防止に関する環境管理の重要性を再確認した上で、実効性のある体制を整備・取り組み、問題の未然防止、早期発見、是正していく活動をしていくということです。ですから、公害防止に関していえば、一人に責任を帰すというわけではなくて、システム全体として対応していくということが必要ですし、特にトップの判断が非常に重要です。公害防止について、トップを含めて対応していくというのが基本的な公害防止ガイドラインのメッセージであると認識しています。
    そういう意味で、全社的環境コンプライアンスの具体的な要件といたしまして、方針の明確化とか、組織の構築とか、予防的な取り組みとか、事後的な取り組みとか、関係者との連携というのをしっかりやっていかなければいけないというのがこの概要です。
    7ページ目に具体的な役割分担が書いてあります。まず、工場・事業所が真ん中に書かれておりますが、一定規模以上の工場・事業所であれば、公害防止管理者制度に基づいて公害防止統括者とか主任管理者とか管理者を置くことになっております。ただ、それだけで済む話ではなくて、経営者全体も公害防止の管理を認識するということが必要ですし、本社の環境部門も認識をすることが重要であると思います。
    それを踏まえて具体的な方策が示されているのが8ページ以降です。公害防止に関する環境管理の具体的な方策を、4つ挙げさせていただいております。
    9ページはその1つですけれども、工場・現場における公害防止に関する環境管理への取り組みということで、実効性のある環境管理体制の整備と運用等々を記載させていただいています。
    10ページ目に、本社・環境管理部門における全社的な公害防止に関する環境管理への取り組みということで、環境管理業務の企業経営リスクとしての認識等々を記載させていただいています。
    11ページですが、従業員教育への取り組みということでコンプライアンス教育の実施ということを記載させていただいておりますし、利害関係者とのコミュニケーションへの取り組みですけれども、行政とのコミュニケーションについて特記させていただいています。
    以上が公害防止ガイドラインの概要です。改めて12ページに公害防止ガイドラインの位置づけを記載させていただいております。公害防止ガイドラインは基本的な方向と先行事例を示すものであります。それをもとに事業者が創意工夫をいたしまして、事業者独自の主体的な取り組みを促すということです。ですから、ガイドラインの趣旨を踏まえた上で、業種ごとの実態及び事業規模に応じた取り組みを実施することを祈念して、このようなガイドラインを策定させていただいたということです。
    ここ1年の状況をご説明しますと、13ページですけれども、普及啓発をさまざまな形で進めさせていただています。1つはセミナーの開催の機会をとらえて説明をさせていただいたり、業界団体向けの説明会に参加させていただいたりしております。また、それ以外にも、昨年3月にホームページをつくるという話をしましたけれども、14ページにありますように、ガイドラインのホームページを作成しました。2月までに累計で約1万4,000件のアクセス数があって、月平均で1,200件のアクセス数を得られております。
    公害防止に関しては、昨年はいくつかの不適正事例があったのですけれども、前回の会議があった以降は大きな案件がなくて、非常に円滑に進んでいたのですが、今年2月、兵庫県の川崎重工で基準値超過の事例がありました。今、県と川崎重工の間で議論をしていますが、立ち上げ時とか立ち下げ時とか、電力の需要が少なくなった時期に基準値を超えるNOxが発生したという話でした。今後もガイドライン等を活用して、しっかり対応していこうと思っております。

2.公害防止ガイドラインフォローアップ実態調査結果等

  • 中村室長
    それでは、今回の資料4のフォローアップの実態調査の結果について説明させていただきます。
    資料4の2ページ目をご覧ください。右下に書いてありますように、昨年は977件の回答数だったのですが、真ん中の上のあたりに書いてありますが、今年は3,591件の回答数があり、回答数が非常に増えました。今回のフォローアップの特徴としては、特に中小企業、零細企業に重点を置いたことです。右表にありますように、中小企業比率が非常に高くなっております。例えば中小企業の定義は300人未満ですので、300人未満のパーセンテージをみると61.7%です。前回調査では50.2%でしたので、11.5%ポイント上昇していました。
    3ページ目をめくっていただきますと、ガイドラインの認知状況を記載しております。外側の枠が平成20年度で、内側の枠が平成19年度となっています。「よく知っている」「知っている」「多少知っている」を足し上げますと84%ということで、前回の73%よりも11%ポイント上昇しているということです。そこで注意しなければいけないのは、「よく知っている」という比率が減っていたり、「知っている」という比率が減っている一方で「多少知っている」という比率が増えていたりということが1つの問題点として挙げられます。我々もその点を留意しなければいけないなと思いますが、一方で今回、中小企業の方に多く聞いたので、その結果、「多少知っている」の比率が増えたと解釈をしています。
    4ページ目に、公害防止ガイドラインの活用状況を記載しております。どういう形で公害防止ガイドラインを活用しているかということですが、4ページの左側にありますように、「一度回覧で回したことがある」という非常に受動的な回答があった、一方で「チェックリストを作成し、定期的確認実施」というケースが20.1%となっております。また、「社内研修等に教材として活用している」が16.6%となっております。以上から、受動的な対応をしているところもあれば、積極的にガイドラインを活用して、みずからチェックリストをつくって対応しているというところもあります。今後は、そういうところを増やしていかなければいけないと思っております。
    右側には規模別に書いてありますけれども、チェックリストの中小企業のところをみますと101件あります。母集団が468件なので、そのパーセンテージを求めますと21.6%がチェックリストをつくっているということになります。中堅企業で、同じように計算しますと18.3%ですし、大企業だと18.8%なので、中小企業はチェックリストをつくって対応している例が多いということです。これは後ほどの議論の中でも出てきますけれども、まずは、中小企業はチェックリストを使っている比率が高いということを認識していただいて、後の説明に移らせていただきます。
    5ページ目に、公害防止ガイドラインの企業規模別の認知状況を示しています。全体をみますと、「よく知っている」「知っている」「多少知っている」の合計は、19年と比べて上昇しています。ここには足し上げた数字がないのですけれども、73.3%が83.8%になっていまして10.5%ポイント上昇しています。また中小企業に関しては、これは四角囲みに書いてありますけれども、65.6%から80.1%ということで14.5%ポイント上昇しています。先ほど申し上げた全体が10.5%ポイント上昇している中で中小企業が14.5%ポイント上昇しているということですので、中小企業の貢献が非常に大きいということがいえると思います。ですから、ここ1年間で中小企業のガイドラインの認識が若干高まったということだと思います。ただ、問題点は、これは石谷座長にも先ほど指摘されたのですけれども、大企業の比率が、全体としては「よく知っている」「知っている」「多少知っている」は増えているのですが、一方で、個別でみますと、「よく知っている」比率が減っているとか、「知っている」比率が減っており、これは、今後の検討課題であると思っております。
    6ページ目をご覧ください。公害防止ガイドラインの業種別認知状況ですが、特に「よく知っている」「知っている」の比率が非常に高いのが鉄鋼業とか熱・エネルギー供給業です。一方で、情報通信機械製造業は「よく知っている」が0%となっています。情報通信機械製造業はアセンブリーが中心なので、大気、水質と直接的に関係ないという認識でいたのか、それとも回答している人がどういう人かによるということもあります。あとは個人の認識の違いによって、「よく知っている」と答える人もいれば、奥ゆかしい人は、よく知っているけれども「多少知っている」と答えるなど、いろいろなバリエーションがありますので、これだけをもって結論に持ち込むのは難しいと思います。ただ、情報通信機械製造業で、「よく知っている」「知っている」を合わせると35%で、数字的にはそんなに悪くないとも思っています。
    7ページ目に、公害防止に関する環境管理のための取り組みが記載されています。環境管理のための新たな取り組み、もしくは強化については、回答企業の3分の1で行われたということです。取り組みの内容例としては、四角囲みの中にありますように、排出基準及び測定データの適正管理のため、社内の環境管理体制の整備とか、従業員教育への取り組みとか、利害関係者とのコミュニケーション等を挙げさせていただいています。
    7ページの右表をみていただきますと、企業規模が大きくなるに従って取り組みを行った企業が多いというのが特徴です。ですから、中小企業は、ガイドラインについては認知が非常に高くなってきているのですけれども、一方で、行動に起こしている企業は少ないというのが気になる点です。
    8ページに公害防止に関する環境管理への取り組む際の公害防止ガイドラインの参考状況を記載してあります。36.9%が「参考とした」ということで、参考例としては下のほうに書いてあります。環境コンプライアンスに係る他社の事例を参考にしたとか、定期的な社内検討会を実施したということが例示に挙がっております。特に私が聞いた範囲で申し上げますと、公害防止ガイドラインの中でさまざまな事例が書いてありまして、その事例が非常に参考になったとの指摘が多く寄せられました。一方で「参考とはしなかった」は50.0%ありました。参考にしなかった理由が、下のほうに書いてあります。1つは、独自の方針やルールが確立しているとの指摘で、特に300人以上の企業に多いようです。既に独自な対策を行っていたということなのだと思います。右から2番目ですけれども、会社の実態に即していないというのが、50人未満とか50人~100人未満のところに多いということです。やはり大企業と同じようにガイドラインを参考にして対応するのは中小企業にはかなり難しいのかなと思いました。中小企業に合ったような対応策があるのではないかと思いました。
    9ページ目ですが、公害防止ガイドラインの有効性評価についての記載があります。4分の1が「非常に役立った」「役立った」と指摘をされています。特に先ほども話をさせていただきましたけれども、事例が非常に参考になったということです。従業員数別の有効性評価をみますと、「非常に役立った」「役立った」という指摘は大企業に非常に多くて、中小企業が相対的に少ないというのがこれからも読んでとれます。
    10ページは環境管理の改善が進まない要因です。企業規模別でみますと大きな差異は認められないのですが、特に多かったのは左の2つです。環境管理体制の構築で実施すべき作業が膨大であったとか、環境管理体制を構築するための人員が不足であったという比率が高いのが特徴だと思います。
    11ページ、12ページですが、前回の議論の中で、ISO14001と公害防止ガイドラインの違いはどこにあるのかとの指摘を受けました。それを分かりやすく12ページに示しました。私どもの考えは、ISO14001も公害防止ガイドラインも、それぞれが補完する関係にあると認識しております。ISO14001は、全体の枠組み、すなわち、PDCAサイクルの枠組みを示しています。一方、公害防止ガイドラインは、その枠組みの中に公害防止というコンテンツを入れたということですので、お互いに補完し合いながら公害防止を進めていくということだと思います。ちなみに、11ページでアンケートをとったのは、公害防止ガイドラインの認知状況とISO14001の取組状況の関係です。ISO14001を取得した企業は環境に関しての認識がそれなり高いので、公害防止ガイドラインの認知度も高いということだと思います。
    13ページに、企業不祥事に関する感想のアンケートを取っています。中堅企業や大企業に比べて、中小企業のほうが対岸の火事と思っている回答が多いということであります。50人未満でみますと61.7%が、不祥事があったときに我が社は「あり得ない」という回答です。一方、300人以上では、44%になっています。中小企業の中には目が行き届いていて、しっかり環境対策を行っているということもいえるのかもしれませんし、一方で、差し迫った認識をもっていないということもいえるかもしれません。ここはもう少し深く掘り下げて調べてみなければいけないと思っています。
    総括を14ページに示しておりますけれども、大きく5点指摘させていただいております。1.の公害防止ガイドラインの普及啓発でありますけれども、認知は高まっていますが、引き続き継続的に普及啓発を行うということが必要だと思っています。手綱をしっかり引き締めて、フォローアップを行っていくことが必要だと思います。ただ、単純にフォローアップしていくことが必要かというと、必ずしもそうではなくて、今回は中小企業を中心に調べたわけなのですけれども、視点を変えながら、関心のポイントをしっかり押さえローリングしていく方策が効果的と思っています。単純に、毎回アンケート調査をして、こうだったという話ではなくて、工夫しながらフォローアップしていくことが必要だと思っております。
    2.と3.は、特に中小企業はガイドラインの認知状況が高まっているのですけれども、そのままでは使えないとの指摘とか、チェックリストをつくって対応しているという話もあります。したがって、業種によって、あるいは、企業規模によって、ガイドラインをそのまま活用できないと思いますので、ガイドラインの簡易版をつくってはどうかと考えております。特に中小企業の中には、公害防止ガイドラインを認識しつつ、その活用状況がやや低調であるということもみてとれますので、そのような対応が必要であると思っております。
    4.ですけれども、事例が非常に役立っているという指摘が多いので、事例をしっかり収集するということが、今後とも重要であると思っています。今まで我々が収集したのは、成功事例が多かったので、成功事例だけではなくて失敗事例も集めて、こうしたらこう失敗したのだという事例が非常に参考になると思っています。
    5.は、排出基準とか測定方法とか運用等の明確化です。これは先ほど申し上げましたように、環境省のほうで効率的な公害防止取組促進方策検討会で昨年度1年間検討しております。それを踏まえて、大気や水質の測定方法等の在り方について、後ほど、資料6で環境省から説明させていただきます。事業者にとっても住民にとっても、都道府県職員とか地方自治体にとっても、測定方法等の明確化は必要ですし、ただ単にこれを明確化するだけではなくて、様々な局面でコミュニケーションをとることが重要だと思います。本当にそれが問題なのかどうかということは、事業者と住民と、あるいは地方自治体とコミュニケーションを取りながら対応していかなければいけないと思っております。
    15ページは、地方自治体にアンケート調査をとった結果です。公害防止ガイドラインについてその認知状況を聞いたところ、「全員が内容を知っている」が17%、「一部の人が内容を知っている」が49%、「ほとんど知らない」が34%という結果が出ました。我々としては、自治体に対しても公害防止ガイドラインの認知を高めていかなければいけないと思っております。また、右側に自治体の普及啓発等の実施状況を示しています。「実施している」が21%、「現在検討中」が9%、「未定」が70%です。これは聞き方にもよるのですが、自治体では環境行政、先ほども冒頭に申し上げたとおり、公害防止だけではなくて地球環境の対応とかリサイクルの対応ということで仕事の範囲が増えてきている一方で、従前と比べれば多くの人を割けないというような事情もあって、こういう結果になったのだと思います。今後の検討課題だと思っております。
    最後に、16ページは参考までに、公害防止管理者制度とガイドラインの関係を記載させていただきました。ちょっと長くなりました。以上です。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    それでは、ただいまの事務局からのご説明につきまして、ご質問、あるいはコメントがある方はお願いいたします。
    先ほどお配りした絵は、たまたまおもしろい絵を見つけたものですから、ご参考までにお配りしました。公害防止ガイドラインを策定する委員会のときに、どうしてISO14001をとっている会社でああいう不適正事案が起きるのだろうという話がありました。基本的には、よく示されるPDCAサイクルを回していくことにより、環境改善が進んでいくはずなのですが。この絵は、いくらPDCAサイクルを回しても全然改善しないというもので、こういうことにならないようにしなければいけないという話だと思います。
    それはともかくとして、この1年間、割合平穏にいったようでございますが、まだ前からの課題になっていた中小企業とか、それと同時に大企業でも、これをもう少し細かくみないといけないのではという感じもいたします。ある意味では、公害防止ガイドラインの認知度が下がっているようにも見えますが、これは相手も変わっていますし、新たな調査対象の産業構成、すなわちヒアリングした相手の特性が変わったことによる影響もあり得ます。これだけではわかりにくいところもありますが、最後にお話のあった対処方針を含めて何かご意見がありましたら、是非承っておきたいと思います。小林委員どうぞ。
  • 小林委員
    このアンケートをみせていただいて、どこが出したのかということが、気になりました。というのは、企業は、例えばコンサル会社が出したアンケートについては、たくさん来るため、なかなか答えないものです。逆にいうと、こういうアンケートが来ると、ガイドラインを売りつけられるのではないかと思って回答をしないということが結構あるのです。ですから、私が兵庫県にいるときは、必ず県庁の封筒で県の名前で出すということをやりました。そうしないとちゃんとした回答が来ないのです。それともう1つは、回答は記名式とすることです。名前を書くことによって、きちっと書いてくる。そうしないと、本当の正確なデータにはならないということです。
    それから、これをみせていただいて気になったのは、前回もちょっと申し上げたのですけれども、調査を1万4,000出して、回答数が3,600、回収率25%。逆にいうと、あと残りの75%は回答しないのではなくて、知らないおそれが一番強い。だから、この25%の回収率で認知度が30%ありましたではなくて、本当は0.25掛けなければいけないのです。
    それから、これをみていて思ったのは、前のほうで、知っている、知らないと回答したところに対して、後の、例えば取り組みに対するガイドラインの参考状況のところに書いてある数字、これを実際にマトリックスでチェックしてみるとどうなのか。逆にいうと、知らないと書いたのに、ここでは採用していないと書いてみたりすることが結構多いのです。本当はその辺を解析しないと、単に一個一個の質問事項で整理しても余り意味がないなという気がいたします。
    それからもう一点、一般の企業で、特に施設の立ち上げ、立ち下げ時に、環境基準を超えた場合に、それを報告しないというのは、私は結構あると思います。私が立入検査をして、そこの会社のデータをみている限り、50%以上あると思います。行政側もその辺は承知しているというのが普通だと思うのです。ですから、企業不祥事に関する感想で、「あり得ない」などと書いてあると、本当かといいたいのが本音です。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    最後の件は後ほど関連するご報告が環境省からあると思いますが、事務局から今の件でお答えいただけるところがありますか。
  • 中村室長
    記名か無記名かという点については、参考に取り組み事例で具体的に紹介していただける場合には名前を書いていただくようにお願いしていますが、原則としては無記名になっています。
    また、この調査は民間シンクタンクにお願いしています。ただし、民間シンクタンクが調査票を出す際には環境省と経済産業省がエンドースしており、封筒には環境指導室の名前が入っており、経済産業省が行っているということが分かるようになっています。さりながら、回収率が25.7%というのは低いので、それは今後の検討課題とだと思っています。
    クロス集計に関しては、さまざまなクロス集計は試してみたのですが、有意な結果が出なかったので、ここでは公表していません。小林委員おっしゃるとおり、調査結果に首尾一貫しないことがあるかどうかというのはチェックする必要がありますので、そこは今後の検討課題とさせていただきたいと思っています。
    根源的な問題を最後のほうでおっしゃっていました。その点は、環境省の「効果的な公害防止取組促進方策検討会」においても基準値のクライテリアをはっきりさせるということとが重要であるとしています。また、住民と企業と地方自治体としっかりしたコミュニケーションをとるということが重要なのだと思います。ただ、場合によっては、コミュニケーションのブレークダウンがあるので、いろいろな問題が生じているのだと思います。ドラスチックな改革案ではないのですけれども、コミュニケーションを粘り強くやっていくことによって、不適正な事案を少なくしていくということが必要ではないかと思っております。
  • 石谷座長
    崎田委員どうぞ。
  • 崎田委員
    ありがとうございます。今伺っていまして、ここのところ不適正事案があまりなかったということで、私もほっとしていたのですけれども、先ほどお話しの兵庫県の川崎重工での事案について、私もインターネットなどでいろいろ調べてみました。立ち上げのときは、いろいろな工場でよく起こりがちで、あまり厳しくしたらかわいそうだという意見もある部分だと思うのですが、よく資料を拝見していると、県が指導されている内容は、長期にわたってきちんとしたデータの報告がなかったこととか、担当者の認識が大変甘かったとか、かなり厳しいコメントが出ているのです。そういうことを考えると、当たり前のことなのですが、常に会社の中で社員教育を繰り返しきちんと徹底していただくということがとても大事だと非常に強く思いました。
    それで、今のこのアンケートの最後のほうのお話と、今の室長のお話で、やはりきちんとした地域とのコミュニケーションとか自治体とのコミュニケーションを普段からとっていくことが大事なのではないかというお話がありました。地域側から動いていますと、事業者の皆さんは何か事が起こったときに発表されるのですけれども、普段から困ったことのない時期から地域との綿密なコミュニケーションを図って、信頼関係を築いていただくことが大切だと思います。
    あと最後に、自治体の方も公害防止ガイドラインを「ほとんど知らない」というところが3割ぐらいあるとか、ちょっとびっくりする数字もありました。やはり事業者の方だけではなく、それを見守っている、担当していらっしゃる自治体の皆さんも、みんなが認識を高めていくことがこれから大変重要ではないかなと思っています。
  • 石谷座長
    今の件について、ご説明はありますか。
  • 中村室長
    では、簡単に回答させていただきます。不適正な事案が2月に起こったことに関しては、我々としては、今後ともガイドラインをしっかり周知徹底し、それを実行していただかなければならないと思っております。
    次に、地方自治体の役割なのですけれども、先程申し上げたのですが、業務が非常に増えている一方で人が削られているというのが地方自治体の実情だと思います。したがって、もう少し効率化してやらなければいけないと思います。ただ一方で、崎田委員がおっしゃるように、事件が起こってからコミュニケーションを行うのではなくて、やはり普段から粘り強くやっていくことが非常に重要だと思います。結果として、仕事が増えてしまう可能性がありますが、効率的にどのようにコミュニケーションをつくったら良いかという点は、経産省も環境省もよく考えなければいけないですし、地方自治体も考えなければいけないですし、企業も考えなければいけないと思います。そういう効率的なやり方を引き続き勉強させていただきたいと思っています。
  • 石谷座長
    小林委員どうぞ。
  • 小林委員
    今のコミュニケーションの問題についてですが、今話題になっている川崎重工と兵庫県なり明石市とのコミュニケーションがなかったのかというとそうではない。兵庫県の場合、環境保全管理者協会というのがあり、この協会の前会長が川崎重工の方で、むしろ、川崎重工と県との関係というのは大変密接といえます。それこそ、20回、30回は顔を合わせています。したがって、そのときに出てこなかったことに本当は問題点があって、コミュニケーションの問題ではなく、川崎重工の社内の問題なのです。だから、改ざんがあったことは、川崎重工の環境管理担当者はびっくりしたと思うのです。ですから、これは社内教育の問題が本当は重要だと思っています。本件は、コミュニケーションがないという話に大分引っ張られていますが、実際は別のところに問題があるのではないかという気がします。
  • 石谷座長
    では、辰巳委員どうぞ。
  • 辰巳委員
    調査報告の13ページの企業の不祥事に対する感想のスライドをちょっと気にしておりまして、中小企業のほうが対岸の火事だというようにみているという話は、もちろんこのデータからそうなのですけれども、大企業だって半分までがそうで、半分ちょっと以下ですが。だから、例えば今のようなお話があったときに、自分の会社ではどうかと、皆さん、そういう照らし合わせをやっておられるのかなという気がします。起こったら起こったで、あそこはこうだったけれども、うちは違うのだというように切り離してしまうことの積み重ねという気がします。
    それで、先ほど小林委員のおっしゃったように、かわいそうだとか、やむを得ないとか、やはりそのあたりの積み重ねというのがすごく怖いなという気がしておりまして、やむを得ないけれども、それがやむを得ないではなくて、何ゆえにこういう基準があって、それを守らなければいけないのかというところをもっときちっと把握すべきなのだろうと思っています。やむを得ないという単語で切ってしまうと切りがなくなると思います。今まで出ている話は必ずそうなのです。同じことを繰り返している。火災とか爆発とか、そういう大きな事故は違うと思いますが、そうではなく、データをきちっとみながらも、起こっているのを知りながらも、このときは仕方がないのだという発想で来ているのではないか、その辺の甘さがいけないのではないかと思います。
    それで、このデータをみたときに、同じことは自分のところでも起こりうるというように考えてほしいなと思います。うちではあり得ないと考えるときには、こういうシステム、こういう方法でこういうことをしているから絶対起こり得ないのだというような裏づけがあるのかどうかというのをすごく知りたいなと思っています。業種が違うから起こり得ないというようなレベルでは、私は違うと思っています。以上です。
  • 小林委員
    先程の私の言葉に間違いがあったら困るのですが、基準値を超えたものをみて、行政側が見逃しているとか目をつぶっているわけではありません。それがやむを得ない状況であるとか、会社自身がある努力をしたけれども基準を超えてしまったとか、担当者の単純なミスで基準を超えたような場合には、それについては処分をしないということはありえます。ただ、その場合には、ここで基準を超えたとか、こういう原因があったとか、だからこういう是正をしなさいということは教育します。そういうことを無視して、単に数字が超えただけで行政処分や命令をかけるということをやると、データ隠しのほうに誘引されてしまうのです。ですから、立入検査でそういうのをみつけた場合に、単に行政処分という形で短絡的にやってしまうものではないという意味なのです。
  • 中村室長
    小林委員がおっしゃっているコミュニケーションが一番ベストなコミュニケーションなのだと思います。単に基準を超えたから云々ではなくて、ベストアベイラブルテクノロジーを使ってしっかり対応しているかどうかということが重要な視点だと思います。
    辰巳委員の話はおっしゃるとおりです。確かに「あり得ない」というのはどうしてかというのは、統計で調べても、出てこないと思いますので、個別に聞いて、その理由を調べる必要があります。ただ、「やむを得ない」という件数は非常に少ないので、そこは少し救いです。
    調査は統計上、いろいろな問題があります。例えば先程も議論になりましたが、シンクタンクが出すか経産省が出すかということの違いもありますし、一方で、回答を書く人によって結果が相当違ってきます。トップが書くことはないと思いますけれども、どのレベルの人が書くか、環境部の人が書いているのか、それとも経営企画部の人が書いているのかとかによって結果が違ってくると思います。私も以前、統計解析を行っていたのですけれども、データが首尾一貫しない場合があります。それをチェックするために、先ほどの話ではないですけれども、クロス集計して、本当に確からしい答えをしているのかをチェックしていました。統計は、椿先生がご専門なのですが、非常に難しい問題を含有していると思います。
    いずれにしても、個別でヒアリングをして、サポートエビデンスを補強して、結論に結びつける道筋を示すことが必要だと思います。確かに「あり得ない」というのが大企業も中小企業も多いというのは、要因分析をしなければいけないと思っています。
  • 石谷座長
    崎田委員どうぞ。
  • 崎田委員
    今回のアンケートは、中小事業者に今後どれだけ真剣にやっていただくかということでアンケートをとっているわけですけれども、13ページのアンケートとか14ページの総括を拝見していて、やはり今のいろいろなお話に関係するような先進事例であったり、あるいは失敗事例とかをきちんと提供し、総括のところにも書いてありますが、ガイドラインの簡易版を作成とかが重要と思います。
    私は東京都が地元ですので、東京都の中小事業者が例えばPRTRデータをもとにどれだけ、PRTRデータは大きなところの話ですけれども、もっと中小事業者がどうやって適正管理し、削減するようにもっていくかという検討会合に参加しているのですが、中小事業者がみずから改善する動きにもっていくというのは、かなり動機づけがないとなかなか難しいということをすごく感じます。ですから、いわゆるガイドラインを用意したり、先進事例をきちんと伝えたりということは大事なのですが、それプラス、そこに動機づけとかインセンティブがきちんとあるように、例えば大企業は系列事業者にはきちんと守っていただくようなところと契約をするとか、そのようなシステムとか、そういうものがあったほうがいいのではないかと思います。そういう全体構造づくりも必要かなという気もいたします。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    それでは、今の件について、何かご意見はありますか。
  • 中村室長
    サプライチェーンで対応をとるというのは、崎田委員から、前回もご指摘いただきましたが、私も重要だと思っています。先進企業では、例えばサプライチェーンで公害防止管理をしっかり行っているかとか、環境にいいものを使っているかという点を参考に入れて、調達をしている企業があるそうです。そういうところを参考にしながら徐々にすそ野を広げていくというのが重要だと思います。
  • 石谷座長
    CO 2などですと、今後、規制もはっきりするし、数量化もできるから、サプライチェーンだけでなしに、国も直にコントロールが可能で、中小企業にもだんだん広がっていくと思うのです。こういう大企業ですら基準がはっきりしないというか、物の見方によってある程度は見逃す、見逃すといっては不適当ですが、即座に深刻な影響がなくて直ちに操業停止の必要もないが、それが慢性化すると非常に危ない、時として重大な結果をもたらすようなものを一体どこで線引きして、それをどうやって運営するかというのは非常に難しい。これは後で環境省のお話も十分伺ってから、また議論させていただきます。
    これを聞いていますと、私は健康診断を思い出します。忙しいものですから、私はこの2年間行ったことがない。しかし、健康上、何かあったらすぐに駆け込まなければいけない。そのときに、どこが限界かという見極めが難しく、恐らく効果的なのは、最後の総括の中で言われた失敗事例の提示だろうと思います。失敗事例というのは調査するのが非常に難しいし、なかなか公表できないのですが、何でそうなったかというのを深掘りしてみると、自分の会社に似たような兆候があるかというチェックリストでもつくって事前防止ができれば結果は大分違うのかもしれません。そのようなことも含めて、今後検討していただきたいと思っておりますが、郷原委員どうぞ。
  • 郷原委員
    この調査の時期、回答の時期はいつごろですか。
  • 佐久間補佐
    この調査は1月に実施しまして、回答は1月下旬になっております。
  • 郷原委員
    そうすると、もう急激に景気が悪化してからですよね。中小企業にとっては、経営状況によって、できることとできないことがあると思うのです。それがどう影響するのか。今はやっているけれども、これ以上経営が苦しくなったらとてもできないということなのか、もう何はさておいてもこれはやろうと思っているということなのか、経営との関係を聞くことが、中小企業の場合は特に重要だと思うのです。
  • 中村室長
    確かに現在、急激に景気が悪くなっており、調査に際して、経営との関係を聞くのは重要だと思っております。公害防止の対策というのは、大企業も中小企業も同様に、非収益投資ですので、収益につながる投資はまず先にやって、非収益投資を一番最後に行うということになると思います。そういう意味では、景気の鋭敏性が非常に高いのだと認識しております。しかしながら、景気が悪くなってしまうと、非収益投資を行えなくなってしまうというのは問題だと思いますので、非収益投資とはならない公害対策を目指す必要があると考えます。
    例えばあるめっき会社から様々な汚水が出て、排水処理をしているのですけれども、ただ単に排水処理をするとコストがかかってしまうので、排水処理の過程で、めっき由来で発生するニッケルなど有用金属を回収することによってコストを補うなど、好循環のための具体的手法を考え出す必要があると思います。ですから、景気に左右されないで公害対策ができる仕組みというのも念頭に置きながら対応していく必要があると思っています。
  • 石谷座長
    小林委員どうぞ。
  • 小林委員
    今の件に関して、会社名は申し上げませんが、化学会社でおもしろい事例が昔ありました。排水の測定をするときに、自動測定器をつけさせたのです。そのときに、排水溝だけにつけさせないで、各工程の何箇所かにつけなさいといってつけさせたのです。会社は無駄だといいながらつけてくれたのですが、その代わり、それは報告しなくていいということにしました。そこで環境担当者との間でそのデータをとってみると、結構異常なデータが出てくるのです。なぜなのかということで追跡をして気がついたのが、バッチで反応器が動いているのです。異常反応を起こした場合に、その異常反応を起こしたことが上司にばれるのが嫌なために、その担当者がそこの反応器で出た中の製品を黙って捨てていたのですが、それがみつかった。みつかったために、今度は未反応のものを回収してもう一度つくり直すという作業をやった。それによって、最終的にものすごく収率が上がって、原料費が助かったという報告が来たことがあります。だから、環境対策は、何も無駄なお金を使うということではないという認識を、そこの会社は大変喜んで報告していただいた例があります。
  • 中村室長
    そういう事例を具体的に示していただくとありがたいです。
  • 小林委員
    そうですね。ただ、その担当者が、逆に今まで基準違反があったことを認めることになると大分頭を抱えておられましたけれども。
  • 石谷座長
    今のご意見などは総括のほうに織り込んでまとめていただくということでよろしいでしょうか。また何かご意見がありましたら、メールなりで事務局のほうへご連絡いただきたいと思います。
    それでは、次の議題、事業者における公害防止への取り組み等実態調査について、みずほ情報総研から説明をお願いいたします。

3.事業者における公害防止への取り組み等実態調査

  • みずほ総研
    みずほ情報総研と申します。
    資料5になります。今回のフォローアップは、一つは中小企業にターゲットをあてるということで、4社の中小企業を対象にヒアリング調査を行いました。
    スライドの2ページ目になります。調査の目的としましては、公害防止に取り組む体制の整備、その課題を、実際の取組みを踏まえて聞き取り、今後の公害防止管理を改善していくための方策を整理するということです。
    質問の項目ですが、大きく4つございまして、現在の公害対策の状況、それから環境管理に係る具体的方策の状況ということで、現場レベル、管理レベル、従業員教育、あるいはコミュニケーションで具体的に何をやっているか、環境管理の取り組みの効果とネックの認識、今後の改善方策、4つ目としまして公害防止ガイドラインの認識と活用状況、要望、こういったことで聞いてまいりました。
    聞き取りの結果をまとめたものが、スライドの3ページ目、4ページ目にございまして、PDCAループの中に4社の聞き取りの結果ということで集約してみました。
    詳細は3ページ目のスライドをみていただきたいのですが、ヒアリングから得られた中小企業における公害防止活動のポイントをスライド4にまとめております。PDCAで、まずPLANですが、工場長以上を最高責任者とした、全社的な環境管理体制を組織しているということ。それから、各担当者の役割・責任を明確化して社内で共有しているということ。これは具体的には、公害防止管理者だけに責任が集中するということではなくて、役割を分担して、予防や緊急時の対応体制の強化につなげているということ。また、緊急時を想定したバッファーの設備を整備して、確実に汚染を予防するなど、適切な設備の強化・改善を推進しているということでした。
    DOということでは、管理者と異なる分析部署を設置するなど、データ改ざんが起こらない体制づくりを行っているということ。それから、予防措置の徹底ということでは、観測値の僅かな変動についても分析して、原因究明を行っている状況がございました。それから、処理フローなどの設備に対する基礎的な情報や緊急時の連絡体制について全従業員教育で共有して、特定の人だけでなくても緊急時の対応ができるようなことを実施しているということでございました。
    CHECKとしましては、外部審査―第三者認証です。外部からの指摘を継続的な改善に役立て、第三者認証というチェックが有効に働いているというような聞き取り結果が得られました。また、有事の事例を文書化して、マイナス面だけで捉えず、全社で情報共有して改善に繋げているというようなことがございました。
    ACTということでは、最終責任者が管理情報をきっちりと把握し、次期の計画に反映し、継続的に改善につなげているという結果をまとめることができました。
    それでは、中小企業における公害防止活動のポイントというのは何なのだろうということを考えますと、やはり規模が小さいということで、「全社全員の意識向上と取り組みができるというのが中小企業の特徴」ということで、これがうまくいっているところは良い取り組みができているのではないかと思われました。
    5ページ以下につきましては、それぞれの個別のヒアリング結果をご紹介しております。
    A社につきましては機械製造業で、中小企業事業団のEMS構築プロジェクトの5社に選定されまして、規模からいいましても、99年の非常に早期にISOをとることができたという幸運な機会に恵まれた会社です。折角早期取得できたISOということで、これを続けることで公害管理を回しているということ。環境管理の効果としましては、ISOの仕組みというのは、公害防止に限らず、法令遵守ですとか機密保持ですとか、そういう他分野への応用がきくということで、早期に取得したISOを使い尽くすことで改善を続けているということでございました。
    スライドの6のB社です。めっき加工業で中小でもかなり大手になるかと思います。特定工場であるのですが、ISOは取得せず、勉強して簡易ISOで、4工場あるうちの2工場をエコステージ、2工場をKESという別の簡易ISOでやっていて、運用比較ということで試しているということでございました。簡易ISO取得の事由としましては、やはりコスト面が非常に大きいということで、簡易なやり方でいい効果がどれぐらい上がるのかというのを勉強しているということでございました。特徴としましては、緊急事態を想定して、1日分の排水に対応するような予備槽の整備をし、万が一のことが起こったときにも一切漏れないという設備をもっているということでございました。簡易ISO取得の効果、EMS構築の効果ですが、取得前は責任の権限というのははっきりしていたわけですけれども、それをやっていくための具体的な方策が不明瞭だったということで、EMSを整備することで実際の役割、責任が組織的に明らかにされ、体制が出来上がったこと。また、全体の意識レベルが向上したというような聞き取り結果が得られました。
    スライドの7ページ、同じくめっき加工業C社でございます。めっき加工業は納入先大手メーカの要請ということもあり、業界全体で非常に真剣に取り組まれているという印象がございます。C社では、排水担当、公害防止管理者が各工場に複数名おられるということでした。法定の基準よりもさらに高い自主基準を設けて、決して法令違反が起こらないように進めているということでございます。それから、先ほど予備槽の話がございましたが、オーバーフロー用の予備槽に加えて、地震にも耐え得るような設置、ピットを増設しているというようなお話がありました。Checkということでは、随時観測をして、水質の微弱な変動も検査しまして、その原因を分析することで予防に努めているというようなことでございました。EMS構築で、こちらの社内全体の意識が向上して、専門家にお任せという状態から全社全員体制になったというような聞き取り結果がございました。
    最後にスライドの8、D社でございますが、こちらはかなり名の知れた化学工業の会社なのですけれども、資本金が小さくて中小企業の分類になります。2工場をもっており、いずれも特定工場ではないため、公害防止管理者は設置していないのですけれども、ISOのほうは2001年に取得しているということです。PLANということでは、かなり高いレベルで自治体と協定を結ばれているということでございました。Doというところでは、それぞれの部署、それぞれの個人がやれる目標設定を個人別力量表という形で作成して、品質と環境面ということで日々取り組んでいるということ。いわゆるチャレンジシートというものですね。これをつくって、品質と環境面で改善しているということでございます。環境管理の効果というか、ポイントとしましては、偽装や虚偽の報告を生まない管理者の教育が重要なのだというようなお話がございました。
    いずれも非常に有効なお取り組みの4社でしたが、ヒアリングのアポイントをとりますと、10社に1社ぐらいしか受けてくれないという状況があり、自信をもって答えていただけるところにお受けしていただけているという状況でした。
    最後に、公害防止ガイドラインの認知状況なのですけれども、この4社は、いずれもガイドラインをご存じありませんでした。どのような事業者にも意識してもらえるものというのは非常に難しいかと思うのですけれども、たまたまこの中小企業、受けてもらえたところはISOを掲げて一生懸命取り組んでいるという会社でございましたので、そういうところにはちょっと引っかかる部分が少なかったのかもしれません。
    4社とも、中小企業については、ガイドラインの見せ方、伝え方をもう少し工夫したほうがいいのではないかというようなお話がありました。ウエブ版のようにビジュアルなものですとか、簡易ポスターで日々みてもらえるもの、特定工場をもたないような本当に小さな中小企業でも関心をもってもらえる工夫、さらには、この4社のように上位の取り組みを行う企業でも参考になるようなもの、最後に、広報自体の努力もどうだったのかなというようなことでお話がありました。以上でございます。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問はございますか。
  • 椿委員
    まず、ISO14001認証取得の企業でも、1社もこのガイドラインの認知状況がない。恐らくこのヒアリングされた企業は、今ご説明があったとおり、独自の積極的な取り組みをしていらっしゃる企業だと思うわけです。一方で、そういうところにこの認知が足りない。このガイドラインをつくったときには、日本適合性認定協会とか、いろいろなISOのコミュニティーの方々も入っていたのではないかと思うのです。けれども、EMSの審査員の方々にも余り認知されていないのではないかということも若干危惧されるところですので、認証機関に対しても、このガイドラインの考え方というのはやはり非常に重要な根幹なのだということを是非広報していただければと思います。
    それから、ISO14001、ないしは今あった簡易版に関して、最近、ISO14001自体の信頼性などを考えたときに、結局、大企業ですと、この遵法性に関して第三者の審査員が行って、それをすべて担保するのはなかなか難しいというように審査機関側も言っていて、審査機関側から、自分たちが法の番人とされてしまってはものすごく厳しいのだという声が聞こえてくるのです。
    最近、ちょっといい事例で、ブリジストンが、本来、こういう遵法性というものに関して大きな問題が起きるというのは環境のマネジメントの部門としては非常に困るが、一方で、第三者機関だけにそれを全部押しつけるということは当然できない。となると内部監査の中でそういう部分を相当きちんやるのだという方針のもとでやって、内部監査の実行状況、プロセスが非常にうまく回っているか、有効かということ自体を第三者がきちんとチェックする。そこに階層性をつくって、上のほうを第三者できちんと押さえていただくというやり方をしていました。普通ですと、第三者機関から不適合に関する意見が出るというのは、一般の企業にとってはなかなか恐ろしいのですけれども、企業としては、こういう遵法性のところで問題が起きるよりは、むしろEMSのところでもっと多く意見が上がってくれる、監査意見がたくさん上がるほうがいい状況だというような形で認識して行動に入っていると伺ったのです。これは日本適合性認定協会のシンポジウムで非常におもしろい事例として発表されていたと思うので、今回、こういう形でEMSについてヒアリングしていただいた中で、先ほどのコミュニケーションとか活用ということに関しても、うまい事例等々の収集をやっていただければと感じた次第です。
  • 石谷座長
    ありがとうございました。確かに、さっき小林委員もおっしゃったように、資料4の11ページをみると、公害防止ガイドラインの認知状況というのは、ISO14001をとってもとっていなくても80%あって、そのうち4社が知らないというのは非常に珍しい話で、多分このアンケートそのものが知っている人しか答えていないという話だろうと思います。最初のご提案に関しては、後で恐らく議論になると思います。
  • 小林委員
    ISO14001をとっているからちゃんとやっていると思うと、実は全然違うのです。ISO14001をとるというときに、一番初めに企業はISO14001でこういうことをやりますというのをずっとリストアップして、それを宣言するわけです。その宣言した内容が実行されているかどうかをチェックするのがISO14001のシステムなのです。ところが、例えば今いうガイドラインをチェックリストの中に入れましたかというチェックはされないのです。これとこれが抜けていますなどということは、審査員は指摘しないのです。ISO14001の場合、審査員は一番初め企業側が何をやるかという宣言の中身のチェックというのは実はやりません。その宣言したことがちゃんとやられているかどうかをチェックするわけです。だから、その宣言するところで、今いうようにガイドラインが抜けているとか、大気とか水のどういう基準をチェックするかとか、どういう測定をするかとか、そこまでは実は審査員というのは指導しないのです。指導してはならないといわれていると向こうは言うのです。ですから、 ISO14001をとっているから大丈夫だというのは過信だと思うのです。
  • 石谷座長
    椿委員どうぞ。
  • 椿委員
    今、小林委員がおっしゃられたこと、全くそのとおりだと私も思うのですけれども、これが実はマネジメントシステムの信頼性というものに対して相当大きな影響を与えていて、これは今、経済産業省のほうで別途ガイドラインを出しているところで、日本の認証機関の中で意のある機関に関しては、小林委員がおっしゃられたような枠を外そうというのです。つまり、意図的に企業が本来必要な環境側面というものを認証の範囲から落としている場合には、むしろ認証機関のほうはそれに介入しようという方向で動いていて、恐らくことしの8月とか9月にはそのような認証の仕方をしないという、ひとまとまりになった認証機関の集合というのが出てくるのではないかと強く期待しているところです。
  • 中村室長
    ISO14001の在り方というのはこちらで議論するわけではないですけれども、椿委員がおっしゃることとか、小林委員がおっしゃることとか、k座長がおっしゃたことは的を射た指摘だと思います。今後、よりよい方向に、実態と今の制度が向かうような形で運営されるのが望ましいと思っております。
    あと、EMSの審査員が公害防止ガイドラインを知らないというのは問題だと思いますので、企業に周知するとか、地方自治体に周知するというのも重要なのですけれども、審査員にも周知してまいりたいと思います。
  • 指宿委員
    ちょっとよろしいですか。私どもの協会は、EMSの審査員、認定に関わっておりまして、機関紙でEMSの審査員に対して、環境状況はこういう問題があるとかというのを流しているのです。その中に、公害防止ガイドラインの話も入っていて、おそらく情報として流れても、それが審査員の頭の中に入るか入らないかのほうがむしろ問題だと思うのです。EMSの考え方というのは、先ほど椿先生がおっしゃったように、環境側面の中にガイドラインが入っているか入っていないかで全然違うわけで、我々もそういう意味では広報というか情報を流すことを一生懸命やっておりますけれども、情報が流れても、それが身につくというのにもう一つステップがあるのだということを、今日これをみていて特に思ったのです。非常に優良な企業でもガイドラインをみていない。だけれども、実質やっていることはそれ以上のことをやっているかもしれない。そういう意味で、非常におもしろいというか、興味深い事例だなと思いました。
  • 中村室長
    あと一点、椿委員がおっしゃった企業が内部監査をしっかり行い、その内部監査を第三者機関でみていただくというのはいいシステムだと思います。特に大企業であれば、内部監査は可能だと思います。全てを第三者に審査していただく、第三者にとって企業の内部の知りうる範囲は限られていると思いますので、その欠点を補う、内部監査の第三者審査を各方面に紹介したいと思います。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。崎田委員、どうぞ。
  • 崎田委員
    ありがとうございます。これを拝見していて、各ヒアリングを受けた会社の最後の効果のところに、必ず外部の方からのコメントがあるとか、外部監査を受けたり、監査等でなくても、そういう第三者の目が入っているということが非常に効果的だったというコメントが大変多いと思います。やはり今、ISOのマネジメントシステムだけではなく、エコステージなどもありますけれども、中小事業者にとっては、そういうシステムを導入することすら、実は負担感をもっていらっしゃるところは大変多いと思います。エコアクションというシステムもありますが、それぞれの事業体質に合ったシステムをそれぞれが取り入れるということに関しては、きちんと情報提供するということも大事ではないかなと思いました。
    情報提供に関してですが、最後の改善意見の中に「広報として伝える努力をすること」と書いてあります。だれが伝える努力をするかということを考えたときに、国だけではなくて地方自治体とか、身近な行政の皆さんが、チェック機関という役割だけではなく、このシステムをきちんと伝える努力をされることが大事かなという感じもいたしました。よろしくお願いします。
  • 石谷座長
    確かに最後に接するのは自治体で、環境省との関係かと思うのですが、最初にいわれたように、自治体は自治体でそれこそやることが山のようにあって、特に今は CO 2の対応にほとんど追われているでしょうが、環境と地球環境はほとんど部署は一緒ですから、かなりそちらに人をとられているのだろうと思います。それでは自治体からのご意見として山口委員どうぞ。
  • 山口委員
    それでは、自治体のほうの実情も踏まえて、ご説明させていただきます。
    先ほどからいろいろとご意見をいただいて、いくつ発言させていただきたいのですが、最初に、地方自治体の認知度が低いというようなアンケート結果でございますけれども、自治体間での環境に関する会議等が開催されておりますが、最近では政令指定都市も結構増えまして、CO 2削減ですとか、いろいろな廃棄物対策問題、緑地の管理だとか、環境の範囲が広がっているような状況がございますので、そういう中で従来に比べ公害に関しての議題が減ってきている状況にあることは確かであります。しかし、例えば横浜ですとか川崎、大阪、名古屋、北九州ですとか、かつて激甚な公害を経験し、対策を進めてきた地域では、公害防止という意識が職員の根底に流れていると思いますので、十分認知されていると思っております。全国的に見れば公害防止ガイドラインの認知度が低いのかもしれませんが、必要なところには十分周知されていると思っております。
    例えば横浜市の例では、ガイドラインが出たということで、当初、やはり我々担当者として、ガイドラインをどのように広めていくのかということを検討しまして、一応横浜市のほうでは経営者協会ですとかそういうところで比較的大手の企業と会うチャンスがございますので、そういうところでは、こういうものができましたので、是非傘下の企業に広めてくださいというようなお話をいたしました。それと商工会議所の中に環境保全協議会という組織もございますので、こういう組織を通じ普及などを行っております。
    個々の事業者一社一社に説明するというのはなかなか難しい問題がございますので、実際にはそれぞれの企業の方々が公害関係の法令の届け出で役所のほうにおいでいただくときに、その都度、こういったものがありますというようなことは周知するようにしてまいりました。
    それと、公害防止ガイドラインのできる以前から、公害防止ということにつきましては、このガイドラインに書かれてあります趣旨のようなものを、我々、現場と接する地方自治体としては、事業者の方々、あるいは市民の方々にずっと説明してきていますので、事業者の方でも環境を担当しているセクションの人にはある程度内容については知っていただいているかと思います。横浜市の内部でいえば規制指導を担当している職員にいきなり正式な名称を言えるかというと、えっというような反応はあります。でも「経済産業省から出された公害防止のガイドラインのことね。」、「この間、課長が話していたあれね。」とか、そのような感じでは皆知っていると思います。
    ISOについてですが、ISOの中で、まず法令遵守という点に関しましては、いろいろな企業の方が、どういう法律に基づいて、例えば大気汚染防止法に基づいた届け出は全部できているか。排出基準がきちっと守られているか。そのようなものはきちっと整理され、実行されています。一方、CO 2の削減について考えるとできるだけエネルギーの削減を目指しますので、基準を満足する範囲であれば大気汚染対策、排水対策にそれほどエネルギーをかけなくてもいいではないかというような考え方もあるようで、できるだけ環境の負荷を低減することが望ましいのですが社内の中でも葛藤がみられるような事例がございます。
    例えば横浜市も、大きな事業所ですから、ごみの焼却工場をもっていますし、巨大な下水処理場も幾つももっています。下水処理場で電力をうんとかけて水をきれいにするということは、環境側面において非常に有利なところなのですが、ただ、必要以上にきれいにしてどうするんだと。お金ばかりかけて、効果が目立たないではないかというような指摘もございまして、庁内の活動として紙ですとかごみ、電気の削減には効果が非常に上がっているのですけれども、公害の発生源を、費用対効果をどこまで考えるか。これがやはり非常に課題なのかなと考えております。
    それともう一点、中小企業の場合ですと、市役所から、例えば数値が違反していますよとか高いですよというような話をしますと、社内全体に比較的通じる。ただ、大きな会社で支店が幾つかあったり工場があったりする場合は、その工場内でとどめてしまうという傾向が若干あります。ですから、本社までそれが伝わっているかどうかというのがちょっと疑問のところがございますので、社内でのコミュニケーションを多いに行っていただき、その結果を自治体とのコミュニケーションに反映させていただければと思っております。ちょっと長くなりました。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。山本委員どうぞ。
  • 山本委員
    愛知県でございます。今までのご報告を踏まえて、少し感想的な話になるかもわかりませんがひとこと。私どもも不適正なデータ改ざんの問題等があった事業所があった関係上、それ以降、もう一度原点に返って、いろいろな形で取り組みを進めてきました。その中でだんだんわかってきたことを2つお話したいと思います。
    1つは、大企業については、いわゆる公害防止、環境管理の業務が非常に分断化されていて、それぞれが非常に疎外化しているという気がするのです。1つの例で申しますと、排水についての場合、ある担当者は排水のサンプリングをするだけで、サンプリングしてそれを今度は検査部門にもっていく、あるいは外注してしまう。また、検査自身をアウトソーシングしている場合ですと、分析会社の中ではまた分かれて、サンプリングするだけの担当者、それをラボに持ち込んで今度は検査するだけの人という形で、業務が非常に分断化しています。そうすると、我々が若い時分、ずっと現場を走り回っていたときには、経験からして、排水の状況や、色をみたり、あるいは流れ方をみたり、ちょっと脈を打っているかなとか、そういうことをチェックしただけで何か異常があるのではないかと疑問に思ったりするのですけれども、ところが、そういう作業が分断化しているものですから、それに気付かない、わからないということになります。いくらこのISOのシステムでいろいろやっても、実は運用する人間の中のつながりが、疎外化している状況がある。だから、先ほど対岸の火事というアンケート回答が多うございましたが、ひょっとしたら、アンケートに答えた人は、自分の範疇ではこんなことはあり得ないという、対岸の火事というような回答になったのかなというのが感想であります。
    それから、中小、これは零細といったほうがいいのかわかりませんけれども、これは体験的な話ですべてではありませんが、実は社長の年代によって企業の公害防止の取り組みがかなり違ってくる。やはり年配の方の社長ですと、これで今までやれてきたというような形でずっと引きずってしまっている部分が正直言ってあるのです。ところが、代がわりして30代、40代の若い社長になると、やはり自分たちが子供の時分から公害の問題をいろいろ聞いているもので、自分のところが発生源になってはいけないというようなことで、実はかなり意識が違うのです。これは現実にあった例で、社長が代わった途端に、ぴたっと改善されるというようなこともありまして、ひょっとしたら、あと5年、10年経つと全部代わって、よくなってしまうのかなというような感想も持たないわけではないのですけれども、特に中小、零細の場合は、そういう意味で、昔のやり方でもまだいけるというような意識がなきにしもあらずという実態が一部に見られると思います。
    我々は正直に申しまして、公害防止ガイドラインを実際の業務のツールとして使い切るまでには至っていません。もちろんガイドラインの作成目的が行政ツールではございませんものですから、そうなのですけれども、機会があるときに、こういう公害防止ガイドラインがあって役に立つ情報等が載っているからというお話、周知等はいたしておりますが、実際の立ち入り検査・指導は、こうした個別の事業場の状況に合った対応、指導をやっているというのが実態で、それがだんだん効果をみせつつある。どこかに書いてあったと思いますけれども、事業者と行政とのコミュニケーションが少しずつ取り戻せつつあるのかなというようなこと考えております。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    いろいろと含蓄に富んだご意見も多かったと思うのですが、時間のほうが押していますので、先へ進ませていただきます。
    次は環境省における公害防止取組促進方策について、環境省からご説明をお願いいたします。

4.環境省における公害防止取組促進方策について

  • 岡部課長
    環境省の水・大気局の総務課長をしております岡部と申します。
    それでは、お手元に配りました資料の中で資料6をごらんいただきたいと思います。「環境省における公害防止取組促進方策について」というタイトルで2枚物なのですが、2枚目のほうが少しわかりやすいかと思いますので、ポンチ絵をみていただければと思います。
    先ほど来の議論とも関連いたしますが、私ども環境省は、地方公共団体の皆様方とともに、大気汚染防止法なり水質汚濁防止法などの公害監視関係法令の施行事務を担当しております。そうした観点から、検討の背景におります一部の事業者におきます排出基準超過、データ改ざんなどの問題というところは、中村室長からあった話と契機としては基本的に同一なのですが、そういった私どもの立場を踏まえて、1つは、事業者、行政における公害防止の取り組みをどのように促進していくことが必要なのかと。それから、公害防止法令の遵守が確実に実施される体制をどうやって構築するのがいいのかという問題意識から、この検討会を開催してまいりました。19年8月から7回にわたって開催しまして、20年4月にその報告書をとりまとめていただいているというところでございます。
    実は、この検討会には、本日、この会合にご出席いただいています小林委員、山本委員、それから本日ご欠席ですけれども、新美委員にも参画いただいているということでレポートをまとめることができました。この場をおかりしまして、感謝を申し上げる次第でございます。
    基本的な認識としまして、大気中に出ていくNOxやSOxの問題、それから排水で出ていきます重金属、その他の問題、やはり出れば一般環境に負荷が生じてしまうということは事実なものですから、そこは社会的な規範としてきちんと遵守していくべき問題であり、事業者の方の責務であるという認識がございます。ただ、先ほど来、議論に出ておりましたが、どのような形で効果的な規範としてそこを守っていけるのかというところは、関係者の方々のお知恵をお借りしまして議論していくことが必要だろうというようなこともありました。
    検討会の報告の基本的な考え方というのを、報告の概要の一番最初に3点まとめております。1つは、法令そのものから法律の運用のレベルまで、事業者や地方自治体などを対象とした取り組みを総合的に組み合わせて対応していくことが重要であるということが1点。第2点でございますけれども、公害防止のガイドラインも参考にしながら、事業者や地方自治体の自主的な取り組みを促進すること。先ほどやはり出ていますコミュニケーションの促進ということが重要であることでございます。第3点としまして、公害防止にかかわる情報につきまして、透明性があり、できるだけオープンな管理手法への移行を図っていくことが重要だということを基本認識として述べております。
    まず、具体的な方策でございますけれども、事業者の方におけます取り組みの促進といたしまして、ここではまとめて公害防止管理体制整備の促進、排出測定データの未記録・改ざんに対する罰則の創設の検討、事業者の自主的な法令違反申告や情報開示等の取り組みを促進する仕組みの検討、技術的観点からの取り組みの促進、大きくはその4点を挙げております。
    それから、地方公共団体で非常にいろいろな意味でお取り組みをいただいているわけですが、1つは立入検査等の効果的な実施促進ということで、先ほど山本委員から個別の指導というお話がありましたが、個別にお話をしていく貴重な機会であるという認識から、それについての事柄を幾つか書かせていただいております。それから、国及び自治体間の公害防止業務に関する情報、ノウハウの共有促進ということでございます。
    それから、全体を通しての横断的な方策として4点。1つが排出基準、測定方法、運用等の明確化と浸透促進、2番目に排出測定データの公表なり開示等の促進、3点目、事業者や地方自治体の公害防止担当者の教育・研修の機会拡充、継続的な公害防止管理の実態把握による制度・運用の改善というようなことを挙げさせていただいてございます。
    ちょっと時間も押していますので、また必要に応じてご議論いただくといたしまして、私ども、この報告を出してから、20年4月以降、どのような取り組みをしているかということの一端をご紹介させていただきます。
    まず、立入検査の効果的な実施の促進ということで、先ほどの山本委員のご議論とも関連しますが、地方自治体の方の参考資料として、水質汚濁防止法に基づく立入検査マニュアルの策定の手引きを18年4月に策定しておりますが、大気汚染防止法についても立入検査マニュアルの策定の手引きを20年7月に策定いたしまして、周知させていただいてございます。
    それから、国、自治体のノウハウの共有促進というような観点から、昨年11月28日に、1つ手始めに近畿地域で近畿地方環境事務所、近畿地方の地方自治体の方々の参画をいただきまして、近畿ブロック水・大気環境担当者会議というようなことで開催いたしました。今後、ほかの地域ブロックでも逐次開催していきたいと考えております。
    それから、事業者の自主的な法令違反の申告や情報開示等の取り組みを促進する仕組みというようなことを広く検討する必要があるのではないかということで、現在、私どもとして、米国、EU、国内の先進事例の調査などを実施しているところでございます。
    それから、効果的な水質汚濁防止の取組促進方策検討調査ということで、自治体の条例での規定や企業・業界の取り組みの整理、水質汚濁防止法の特定施設の解釈のガイドラインを昨年3月に策定するというようなこともしております。
    それから、先ほど出ていました3Rということに絡めて公害防止方策を行うということに関しましても、3Rの観点を生かして水質の規制をやるというような形での調査検討ということも進めております。
    今後ともご指導いただきながら、効果的な公害防止取り組み促進に向けて、経産省、自治体、関係の業界の皆様とともに努力していきたいと思っております。
    以上でございます。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、ご質問はありますでしょうか。辰巳委員どうぞ。
  • 辰巳委員
    何度もコミュニケーションという話が出てきて、事業者と自治体とというお話がありましたが、思いますのは、事業者同士が、うちはこんなことをして、このようにしてうまくいったんだとか、そのようなコミュニケーションを、例えば商工組合などでされているような、そういう事例はないのでしょうか。多分、同じような業種同士、特に中小企業の方たちというのは、やはり何か困ったことがあったとき、相談するということがあり得るような気がしますし、実際にあるかないかは別にして、そういう方法もあってもいいのではないかと思います。必ずしも事業者と地方自治体とか、地域と事業者と書くのではなくて、事業者と事業者というのもあってもいいような気がします。
  • 岡部課長
    私が知る限り、2つの取り組みが現にあると思います。
    1つは、地域レベルでは、例えば横浜でも名古屋でも兵庫でもそうだと思うのですけれども、行政を囲みながら事業者の間でお互い情報交換しながら、効果的に法令遵守なり公害防止取り組みをやっていくという上で、行政がもちろん入ってコミュニケーションをする場もあるのだが、実はその場で同業者の間でもいろいろな意味で顔見知りになられているから、そこで情報交換するということはあると思います。
    それから、これは中村室長のほうが恐らくお詳しいと思いますけれども、業界団体単位で、例えば鉄鋼連盟とか電事連とかも、やはり同業者の間の同じ問題を共有しているという面がございますので、そういう面でコミュニケーションがされているというようなことは相当程度あると認識いたしております。
  • 石谷座長
    小林委員どうぞ。
  • 小林委員
    まず1点目ですけれども、企業同士の話し合いについては、私どもの兵庫県でも結構やります。最近は、難しくはなっているのですが、1泊旅行というのをやっています。これ、以前は行政側も参加していたのですが、今はなかなか難しいです。1泊旅行では、行政の方は大体会議が終わった段階で一杯には参加しないで帰られるというのが今の通例です。それをフォローアップする意味で私たちOBの人間が残って、自己負担で一緒に付き合うということをしています。ただ、それをやっても、今いわれるように、失敗事例は話としては出てこないのです。皆さん、なかなか言いません。どこかから情報を聞いていて、それをこちらから誘導しない限り出てきません。誘導して、こういう失敗事例があったけれども、このようにしたらどうかというと話が出てくる。なかなか難しいと思います。
    それともう1つは、今いった鉄鋼連盟とか業界団体の方がそうなのです。いわゆる工業会などは、中小企業を切り離しておられます。これは温室効果ガスの自主行動計画などでもそうですけれども、ほとんど中小企業には浸透していません。これをこれからやっていかなければいけないといいながら、今、なかなかやられていないというのが実情だと思うのです。この辺をどうしていくのか。これが本来は地方自治体の役割かもしれません。ちょっと厳しい言い方を申し上げますと、経産省は大体業界団体を通して企業に浸透させ、自治体を余り使いませんので、そこのところで抵抗感がやはり出てきます。経産省の方々も、できたら自治体との連携ということを重視していただければということを是非お願いしたいと思います。
  • 石谷座長
    最後の点は、省エネ基準などでもだんだん足きりレベルを下へ下げる動きはありますが、やはり企業規模が小さくなるほど、先ほどの経済第一というか、経済性が最重要課題である。それから相手も非常につかみどころがない。できるとするとサプライチェーン、あるいはインセンティブとかそういうものを使わないと無理なのかなというのが私の個人的印象でが、それはもちろんやっていただくにこしたことはないということだと思います。事務局なにかありますか。
  • 中村室長
    小林委員のご指摘は耳が痛いところもあるのですけれども、私がどのように考えているかということを申し上げたいと思います。経済産業省は、もちろん業界団体や企業に直接お話をしていますが、それだけで足りるとは毛頭思っていません。私自身も地方公共団体に出向したことがありますので、地方の事情もよく存じ上げているつもりなのですけれども、地方自治体のネットワークも重要だと思っています。したがって現在のシステムは、経済産業省と環境省が一体となって、ある程度役割分担をしながら有機的な連携を取り合って行っていくシステムとなっています。地方自治体に対しては、我々の意向を環境省を通して説明していただいていますし、私どもが業界団体に説明するときは、環境省の意向を踏まえて説明しています。その結果、ワーカブルなシステムになっていると思いますので、今後もそういう形でやっていきたいと思っております。
  • 石谷座長
    崎田委員どうぞ。
  • 崎田委員
    今の事業者同士とか、行政との連携というお話の中で、1つ事例としてお話を申し上げようかと思います。先ほど地元の東京都でやっている委員会に参加しているという話をしました。それは、VOCに対してですが、今、東京では、VOCの排出量は、PRTRデータで明確に把握できている大事業者が1割で、中小事業者が出しているのが9割です。ですから、中小事業者のやる気を高めるためにどうするかという中で、今、1つモデル事例をやっているのがいわゆる削減のための地域協議会づくりです。事業者と地域住民と行政が連携して、輪をつくって定期的に話し合うという場づくりをモデル事業でやっています。ある市でやっている事例では、話し合いの場はできたのですが、やはり減らさなければいけないというインセンティブをつくるとか、その動機を感じるというところがちょっと弱くて、今、継続しているという段階なのです。その中で、今後、新たな事例をもう1つ違う地域で、今年からまた協議会づくりに取り組もうということになっています。そのときに、新たにそのために協議会をつくるのではなくて、既に地域の中に、環境分野のさまざまな協議会というのができていますので、そういうところを活用しながら、VOCとか、そのときの具体的な情報を流していくというやり方をとったらどうかという話し合いもやっております。
    ですから、今回のこの分野も、事業者の中では、今、地域で、行政もうまく仕掛けていただきながら、環境配慮型事業者ネットワークとかいろいろなものができておりますので、そういうところも活用しながら、そこに今回の話題の情報提供をしていただくような動きというのもあっていいのではないかと思いました。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    とにかくこの種の会議というのは非常に数が多くなるので、やはり大事なところを押さえて、そこへ情報を流すというのが効率的かと感じますので、是非それもご検討いただきたいと思います。
    それでは、時間も押しておりますので、最後の議題に移らせていただきます。最後のその他について、事務局からお願いいたします。
  • 中村室長
    昨年もご発表いただいたのですけれども、公害防止管理者のためのリフレッシュ研修を産環協のほうでやっていますので、その概要を指宿常務からお話しいただきたいと思います。

5.その他

  • 指宿委員
    ありがとうございます。時間もないようですので、参考資料に沿って進めていきたいと思います。
    我々が始めたリフレッシュ研修は、まず環境法令と環境管理実務を2コマ、それから、事例から学ぶ環境管理・公害防止について2コマという内容で、1日かけて皆さんに研修を受けていただくということをやっております。このために大体500ページぐらいのテキストを用意して、講師の方々も発表にパワーポイント等を使いながらということで、かなり充実した内容でやっていると思います。
    3枚目をみていただきますと、昨年、全国13ヵ所で、トータルで1,800名ほどの受講者がありました。受講料は1万4,000円という設定でやっておりますが、自治体と共催する場合にはそれを9,000円にするとか、とにかく初年度ですので、なるべく多くの方にこの研修を受講していただきたいという努力をいたしました。そこに書いてありますように、6つの自治体と共催して受講者を集めていたということがございます。その件については後ほどお話ししたいと思います。
    その次は、受講者の概要と評価ということですが、非常におもしろいなと思ったのは、受講者の年齢層に特に偏りがなく、各年齢層において同じ程度の人数が受講されています。それから、幅広い業界の方が受けていて、多分これは公害防止管理者の資格者の数で分布していると思います。恐らく母数で割ると、非常に似たような参加率だろうと思います。
    1つ強調したいのは、右側の受講者の評価ということで、先ほどもいろいろお話がありましたけれども、「成功例よりも失敗例がいかにためになるかを実感した」、それから、「法令や環境管理の基本を改めて体系として理解することができた」という感想がありました。こういう話を体系的におさらいする機会が意外とないのだなということで、非常に高い評価を受けたと思います。それから、その全体論としては、実務経験に基づいた講義の内容になっていたということで、満足度としては、高い評価から普通の評価も含めると、ほぼ全員の方々に満足していただけたのではないかと思っております。
    次のページは、ただ今、受講者が1,800人というお話をしましたが、全国で公害防止管理者の選任届出者というのは大体2万人ぐらいと推測しておりますので、初年度としては健闘したのではないかなと思いますが、引き続きこれを広げていくということをしなければいけないと思っております。
    その点で、非常に参考になるのがそこの円グラフで、業界団体を通じてこの研修に参加依頼の広報をした場合には、かなりの部分が大企業からの参加者であって、一方で、先ほど自治体と共催というお話をいたしましたが、自治体を通じて広報していただいた場合には全く逆で、中小企業からの参加者が非常に多かったということです。今日、かなり中小企業が話題になっておりましたけれども、ガイドラインも含めて、公害防止管理について中小企業に伝えていくという面では、やはり自治体を通じた広報というのが非常に効果的ということでした。先ほど環境省からもお話がありましたが、地方自治体の方々にご苦労していただけると、非常にいいのではないかなと思います。中小企業者への研修受講を拡大するという点では、自治体と国を通じた企業への広報を促進していただく体制ができると、非常に進むのではないかなと思っております。
    最後のスライドは21年度の予定ということで、宣伝になりますが、リフレッシュ研修会を今年よりも回数を増やしていきたいということです。それから、研修生から、管理職にも研修して欲しいという声が出ました。そういう意味では、前にも検討会で、公害防止を統括する立場の方々へのセミナー、リフレッシュ研修というのも必要だろうと思いまして、試行的ですけれども、2つ目に工場経営コンプライアンスセミナーというような名前で考えております。3つ目は、今回研修を受けた方々から、もう少し事例の紹介ですとかそういうところを充実させたものを聞きたいとか、よく廃棄物等で問題になる部分があって、そういう観点での実務コースというのをやっていただけないかという声が出ましたものですから、来年度、そこも試行的にやっていきたいと思っております。以上です。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    この件について、何かご意見はございますか。先ほど申し上げた健康管理というのは、忙しいと大体後回しになります。最近、テレビなどで何を見過ごすと危ないとか、なにが怖いとか、意識的に怖い話をやっています。同様に、公害防止についても、会社の経営者に周知していくことが重要です。やはり皆さん忙しいから、後回しになりがちです。それにはやはり今まであった不祥事の事例の紹介が最もわかりやすくて、そういうのをテレビ番組か何かを使って、適切に取り組まないと、こういうことが起きてしまいますよというようなことを示すのはやり過ぎですかね。
  • 指宿委員
    多分、このセミナーの講座に迫力があるのは、今まで企業で環境、公害防止管理に非常に苦労されてきた方が本当にそれを踏まえてお話をされるので、例えば私が机の上の学問で説明するのと迫力が違うのです。そういう講師の方々がおられるので、そういう意味では、是非コンプライアンスセミナーを頑張っていただけたらと思います。
  • 石谷座長
    アンケートで情報を機械的に集めようとすると、さっき小林委員がおっしゃったように、なかなか失敗事例というのは出てこないでしょうが、調査のやり方によっては、結構深刻な話が出てくるかもしれません。そういう事例を整理して、そういうものを使ってPRしないと無理かもしれませんね。
  • 辰巳委員
    今回、公害防止ガイドラインのホームページが作成されたということで、見せていただきました。ちょっと驚いたのですけれども、経済産業省のホームページらしくない楽しいホームページで、すごく見易くて、よかったと思っております。ああいうものをもっと有効に活用していくということが重要と思います。
  • 小林委員
    PRが2つございます。1点は、私ども兵庫県に環境保全管理者協会というのがあるのですが、こちらのほうで去年1年かけて各法律の解釈、解釈というのは逐条解釈ではなくて、企業が一番知りたいところ、つまり届け出書の書き方とか立入検査の置き方とか、そういう部分を企業の皆さん方と兵庫県の職員が共同で作業しまして本にまとめまして、発売しております。環境保全管理者協会からなのですが、600ページぐらいのものなので1万円でございます。是非ごらんいただきたい。
    それからもう一点は、実は先ほどからのコミュニケーションの問題であるのですが、各県で、企業と県と一緒になってつくっている協議会がいっぱいあるのですが、この協議会同士の情報交換は全然ないのです。この情報交換のため、各県でつくられているそういう団体の全国連絡会をつくりたいということで、私が今、皆さんにお声がけをさせていただきつつあります。基本的には会費はとらないで、皆さんで情報交換する場をつくっていこうとしています。費用が要るのであれば自己負担という形でやりたいということで、この間、環境省から各県に、そういう組織をつくりますよというPRをしていただきました。今、そういう準備をさせていただいています。今まで10年も15年もこういうことがやられていなかったのはおかしいのですが、今そういう組織づくりをやろうということを考えております。
  • 石谷座長
    後のほうは、例えば最近はインターネットとかブログとかいろいろありますけれども、そういうものもかなり活用していかれればいいと思います。
  • 小林委員
    そうですね。是非そういうものをつくって情報交換ができればと思います。
  • 石谷座長
    世代が交代しつつありまして、だんだんコンピュータへの抵抗感が減ってきますから、そういうものを有効に活用されて、是非コストパフォーマンスのいいものをつくっていただけるといいかと思います。
  • 中村室長
    最後に、どうもいろいろありがとうございました。いろいろ勉強させていただきました。公害防止ガイドラインのフォローアップ会合につきましては、原則として年に1回開催することになっておりますので、次回も本日いただいた皆様のご指摘を踏まえて対応してまいりたいと思います。
    公害防止ガイドラインフォローアップの実態調査については、調査の取り方についてのご指摘、部分最適が全体最適につながらないというご議論、環境コミュニケーションのあり方として、企業と自治体だけではなくて、企業同士とか既存の団体を活用したほうがいいのではないかとのご指摘、中小企業への対応はどのようにすればいいかとか、ISO14001の扱い方とか、非常に幅広いご議論をいただきました。こういう議論を踏まえて、対応してまいりたいと思います。いずれにしても、公害防止ガイドラインのフォローアップについては、やはり常にやっていかなければいけないのだと思います。ただ、常にやっていくのですが、単純にローテーションを回していくという手法を取らずに、時々に応じたトピックスなど新機軸を入れながら、経済産業省としては環境省と一緒になって、引き続き対応していきたいと思います。
    今日話を聞いて思ったのは、公害防止ガイドラインを含めて、公害防止に関しては、昨年の大河ドラマで篤姫の乳母が篤姫に対して「女の道は一本道」という話をしていたのですけれども、公害防止は、一本道ではなくて、並列的に様々な対応をしながら、公害防止という目的に従って行っていくものだと思っています。今後様々な方策を模索しながら、よりよいものを見出していきたいと考えております。
  • 石谷座長
    どうもありがとうございました。
    それでは、時間もまいりましたので、本日の会合はこれで終了にいたしたいと思います。今お話がありましたように、本日いただいた委員の皆様のご意見を踏まえて、今後の検討に反映させていきたいということでございます。
    やはり公害防止というのは必要に迫られると自治体へ相談に駆け込み、また自身の点検、再構築も進むのでしょうが、普段はどうしても風化していきがちです。公害防止も全体のレベルが上がると、ほかにもやることが多いために、関心、注意が薄れていきます。そういった風化がないようにするというのは、やはり公害発生の兆候をみるのと一緒に事前防止が非常に重要かと思います。この委員会そのものも風化しそうな感じがしますので、少しずつ事務局に工夫を重ねていただいて、大事なところを忘れないようにするということを考えていただき、経済産業省、環境省で協力するようにお願いしたいと思います。それでは、最後に事務局から連絡事項ありますか。
  • 佐久間補佐
    次回の開催についてのご案内でございますけれども、これにつきましては、皆様方のご都合等を伺いまして、ご連絡させていただきたいと思いますので、その節はよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
  • 石谷座長
    本日はご多忙のところ、長時間にわたり活発にご議論いただき、まことにありがとうございました。本日はこれにて閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月7日
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