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総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会基本政策小委員会(第4回)-議事録
日時:平成21年7月10日(金)14:00~16:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室
出席者
(基本政策小委員会)
委員長:
村上 陽一郎
委員:
新野 良子、石榑 顕吉、内田 厚、大橋 弘忠、北村 正晴、草間 朋子、曽我部 捷洋、武黒 一郎、知野 恵子、服部 拓也、藤江 孝夫、班目 春樹、山内 喜明
(五十音順、敬称略)
議事概要
大村基盤課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第4回基本政策小委員会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、本日は御多忙中にもかかわらず御出席いただきまして大変ありがとうございます。
それでは、村上委員長、よろしくお願いいたします。
村上委員長
皆様、こんにちは。
前回第3回は、さまざまなステークホルダーの立場からということで、新野委員、あるいは北村委員から大変貴重な御意見を賜りました。また、御議論もいただきました。それから、第2回までの委員会の検討を踏まえた上で、安全規制に係る幾つかの論点についての議論を少ししていただきました。
実は、今日は主としてそこに話題がシフトすると思いますけれども、規制機能の維持・強化についてということで、事務局と曽我部委員から御説明をいただくことになると思います。それから、安全規制の制度に関する課題について、やはり委員のお1人である班目委員から少しプレゼンテーションしていただく予定にしております。それがアジェンダの第1に当たると思います。
2は、これまで繰り返し少しずつやってまいりましたし、前回も後半、少しそれに触れていただきましたけれども、3回の委員会の検討を踏まえた上で、安全規制に係る検討の背景と課題、論点について、事務局で整理していただきました。もう少しその中の議論を深めていただきたいと思いますので、それをアジェンダの2として掲げております。今日も活発な御議論を期待しております。
初めに、事務局から定足数と配付資料の確認をお願いいたします。
大村基盤課長
総合資源エネルギー資源調査会運営規程上、定足数は全委員のうち、専門委員を除く過半数となってございます。本日は18名中13名の方に御出席いただいておりますので、本委員会は有効に成立をいたしております。
引き続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の配付資料一覧に従いまして御確認いただければと思います。
まず、資料1としまして「原子力安全・保安院の院内マネジメントの維持・向上について」。
資料2としまして「JNESの取組みと課題」。
資料3は「原子炉規制の諸問題-原子力法制研究会の議論から-」。
資料4-1としまして「安全規制に係る検討の背景と課題・論点について」。
資料4-2としまして「規制課題に係る補足資料」です。
資料5が前回の議事録になっております。
それから、参考資料1として「原子力安全・保安院の使命と行動計画」。
参考資料2として「原子力安全・保安院の研修案内 平成21年度版」がございます。
それから、別途、卓上に常備資料を用意させていただいておりますので、必要に応じリファーいただければと思います。
それから、前回、この常備資料をお持ち帰りになった委員の方が何名かおられまして、終了後、これは机の上に置いておいていただきたいと思います。
以上でございます。
村上委員長
それでは、議事に先立ちまして、議事録は既に事務局の方から皆様方のお手元にお届けいたしておりまして、御確認をいただいていると存じます。
なお、更なる御改定の御要求がある場合は、どうぞ事務局の方にお申し出くだされば、適宜手当てをしていただけると思います。
早速、本日の審議に入らせていただきます。今日は大変立派な会議室で、皆様の前にお1人ずつちゃんとマイクがございますので、指示に従って、御発言のときはグリーンのポッチを押していただいた上で御発言くださって、その後、また押し直して消していただければ幸いでございます。
議題1は「規制機能の維持・強化」をタイトルに掲げております。資料1が「原子力安全・保安院の院内マネジメントの維持・向上について」でございまして、いわばこれは自己申告というか、自己評価というか、そういう性格を持っているように思いますが、これは事務局の方から御説明をいただくことになると思います。それから、資料2が、先ほど御紹介ありました「JNESの取組みと課題について」でございまして、これは曽我部委員からお話をいただけると伺っております。そして、資料3「原子力規制の諸問題」が班目委員のプレゼンテーションの資料になっておりまして、一応、この3つを議題1として取り上げた上で、しばらくの間、また御議論をいただくという予定にしております。
それでは、まず「原子力安全・保安院の院内マネジメントの維持・向上について」ということで、これは加藤課長からお話しいただけるんですか。
加藤企画調整課長
企画調整課の加藤でございます。よろしくお願いを申し上げます。
お手元の資料1で私どもの院内マネジメントにつきまして御説明を申し上げたいと思います。
1枚おめくりいただきまして、右下に数字が書いてございますが、2ページでございます。これは私どもの全体の体制を俯瞰したものでございまして、保安院にヘッドクォーターがございますけれども、規制の前線というのは各原発のサイト等でございますので、その現場に21か所の検査官事務所等を設けることによって、全体で約400名弱、うち検査官事務所に100名強の人員を配置することによって、原子力の安全を確保するという体制を取っているところでございます。
そういう体制の中での私どもの日々の行政の適切性をどういう形で確保しているのかということでございますが、1枚おめくりいただきまして3ページでございます。外部の専門家、有識者の方々の知見というものを反映させていただくということで、保安部会を頂点としました各種審議会の委員会やワーキンググループを設置し、その中で個別案件、あるいは詳細な検討というものを、まさに専門家の御意見をお伺いしながら整理をするという取組みをしてございます。
また、下のところに専門性、中立性、透明性と書いてございますけれども、こういった外部の専門家の知見を反映させていただきます場合に、特に中立性及び透明性という観点は非常に大切な課題であると思います。今年の4月に、内規にて審議委員会の中立性確保のための運用方針を定めまして、利益相反というものが起きない形でこの審議会を運営するという制度を新たに発足させたところであります。これによって、十分な審議体制を心がけているということでございます。
それから、1枚おめくりいただきまして、各国とも基本的にはTSOと言われております技術支援機関を持ってございますけれども、我が国の場合には、JNESがそのTSO、技術支援機関に該当するわけでございます。私どもがなかなかできないクロスチェック解析といったような専門的なアクティビティーにつきましては、JNESの持っているアセット、あるいは力というものを十分に活用することによって、適確な規制行政ができるようにということでございます。
なお、JNESは独立行政法人でございまして、その組織体としての運営の適切性、健全性につきましては、左下にございますように、中期目標の作成、あるいは中期計画の作成等のプロセスを通じまして適切な業務運営がなされるような、そういう仕組みの下で運営をするという体制を取っているところでございます。このJNESの運営、あるいは国との役割分担につきましては、後ほど曽我部理事長からお話があるものと承知をしてございます。
1枚おめくりいただきまして、そうした外部の専門家の方、そしてTSO、JNESの技術的な支援を受けまして、私どもは安全規制行政を行っているわけでございますけれども、私どもの行っている、まさにその安全規制行政の適切性につきましては、政府部内で原子力安全委員会によるダブルチェックを受けることになっております。同委員会によって、きちんとその客観的・中立的な立場から、我々の業務の適切性を確認するという体制を取っているところでございます。
1枚おめくりいただきますと、例示として中越沖地震後、私どもが行いましたいろいろな活動を、どのタイミングで、どういった形で原子力安全委員会に報告をし、それを基に原子力安全委員会がどのような形で私どもにまたフィードバックをしていただいたかということが、矢印とともに事項の整理が時系列的になされてございますので、御参考としていただければと思います。
なお、原子力安全委員会から報告を求められて、それに対して回答するということだけではなく、私どもの方から真ん中の点線に書いてございますような海上音波探査の実施結果についての報告をするといったような形で、報告を随時しているということでございます。
1枚おめくりいただきまして、今までがマクロな我々の安全規制行政の適切性を確保するための仕組み、仕掛けでございますけれども、もう少しマイクロスコーピックに私どもの日々の安全行政を日々の院内のマネジメントとして、適切性をどういう形で担保しようとしているかということの御説明でございます。
まず、私どもの業務運営の適切性を確保するために、業務運営委員会というものを持ってございます。これは院長以下幹部を構成員としておりまして、毎年度の業務実施計画を策定することになってございます。
今、お手元に参考資料1がございます。これは「原子力安全・保安院の使命と行動計画」で、私どもがミッションペーパーと呼んでいるものでございます。従前、院内の内部の文書という整理でございましたけれども、今般から、これを公開をすることによって、言ってみれば私どものマニフェストのような形で広く一般に、何を私どもが目標に掲げ、どういうことをしていくのか、当面の課題と中長期の課題をどのように認識して取り組んでいるのかということを明らかにしてまいろう、そして、そのときどきの達成状況に応じて、この中身も見直し、修正をかけていくということで、PDCAサイクルを不断に回すということ、それを透明性、公開性の高い形で進めていこうということでございまして、今年の7月6日にできたばかりでございますけれども、新しい業務運営委員会により決定されたミッションペーパーを作成したところでございます。
8ページにつきましては、そのエッセンスが書いてございますので、御参照いただければと思います。
それから、やはり安全行政の中心的なリソースは人材でございますので、必要な人材を必要なタイミングで必要な量だけ確保し、かつ不断に人材のスキル、ナレッジというものを上げていくという取組みが非常に大切でございます。
ただ、御案内のように、原子力分野は非常に高度かつ複雑、専門的な知見が非常に求められる行政領域でもございますので、プロパー職員の育成をしっかりと進めていくのと同時に、民間からの中途採用者の積極的な採用を車の両輪という形で進めておりまして、中途採用者の持っておられますノウハウとかスキルを随時プロパー職員に移転をしていくといったこと、また、民間の方は行政のノウハウをなかなか持っておられない場合が多いわけでございますので、逆に中途採用者に私どもの持っております行政上のノウハウなどを伝授し、そのやりとりの中でしかるべきリソースの蓄積等を進めていきたいということでございます。
特にプロパー職員の育成に関してでございますが、1枚おめくりいただきますと、職員の研修がございます。従来、こういうスキルマップのようなものはつくっておりませんでしたけれども、今般から、左側にポストのグレードが下から上に上がっており、右に行政分野というものが書いてございますけれども、そういった各行政分野に応じて、どのようなポストにどういった知見が必要なのかというのを一旦整理をして、その中で必要なものについては新たに研修制度を設けるといったような対応を進めております。
これも参考資料2ということで「原子力安全・保安院の研修案内」を置かせていただいております。これは私どもが運営をしております原子力、産業保安の分野の研修をすべて網羅的にガイドブック化したものでございます。これも今般の6月の人事異動の際から、辞令を交付するに当たって、このガイドブックを交付すると同時に、着くポストにとって、こういう研修を受けるべきであるというサジェスチョンを併せて行うということで、人事と研修の一体化という取組みを始めているところでございます。
1枚おめくりいただきまして、こうした取組みをよりシステマティックに進めていくために、幾つかの対応を進めてまいりたいと思っております。11ページに書いてございますけれども、俗称で言いますと力量管理と申してございますけれども、真ん中辺りに※がございますが、「力量管理表」という表をつくりまして、その中に、その職員の保安院における職歴、教育訓練の履歴、その役職に必要な力量とその習得に資する研修、当人にとって必要とされる力量、知識とかノウハウとかでございますけれども、そういったものを年度末において確認をして評価をするといったようなフォーマットをつくりまして、それを管理職と当該本人が共有をする。
従来は、例えば、研修であれば、上から一方的に受けなさいということだけでありましたけれども、自分のこれまでの職歴を自分自身で管理をし、そして自分自身としてこういう研修を受けていく、それを組織的に管理者も一体となって確認をすることによって、当該個人の研修意欲というものをしっかりエンドースしていく、そういった対応を進めていこうという取組みでございまして、こういったことも本格的に今後取り組んでいきたいと思ってございます。
1枚おめくりいただきまして、個々人の能力を上げていくと同時に、私どもの持っている、いろんな規制に関する品質保証のためのシステムも同時並行的により強固なものにしていく必要があるんだろうと思っております。NISA文書と称しておりますけれども、私どもからいろんな通知文書や指示文書などを出しております。そういったものをしっかりとツリー構造の中に位置づけまして、どういう根拠でそういう文書が出されているのか、どういう経緯でそういう文書が出されているのかということを一覧性のある形で示せるようなデータベースも併せて整備していくことが必要であろうと思います。そのことによって、個々人が保安院のこれまでの諸活動を体系的に理解し、把握することができるんだろうと思っております。
その具体的なツールといたしまして、次のページにございますけれども、知識共有化情報スペースを別途設けまして、その中にいろんな資料、文献、図書、デジタルデータ、この中には動画も含まれますけれども、そういったものを体系的に整理して、個々人のアクセスを自由にできるようにして、自らの行為、あるいはやろうとしている安全規制が、どういう位置づけ、どういう過去からの経緯の上に立脚して進められているのかということ、それから、もっと基礎的に、原子力の安全のそもそもの考え方であるとか、そういったものも含めて体系的に習得できるような仕組みも整備をするということを考えてございまして、そういったややマクロ的な取組み、そしてミクロ的な取組み相まって、保安院全体としての規制の品質というものを保っていこうという取組みを始めているということでございます。
以上でございます。
村上委員長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、今も話題の中に触れられましたけれども、「JNESの取組みと課題」ということで、資料2に基づいて、曽我部委員からお話を伺いたいと思います。よろしくどうぞ。
曽我部委員
JNESの曽我部でございます。
資料2に基づきまして御紹介させていただきます。
先ほど加藤課長からのお話にもございましたが、独立行政法人原子力安全基盤機構法という法律に基づきまして、平成15年10月に設立されたものでございますが、位置づけは技術支援機関でございまして、直接的な行政責任を負うものではございません。
業務的には、安全研究から検査まで、高い専門性と総合的な取組みができるというところが私どもの強みでございます。第1回目の会議でも申し上げたかと思いますが、500人規模の組織で、安全を専らにする専門機関、こういうものが公的につくられたというのは、原子力行政50年の歴史の中でも画期的なことであると私は思っております。
そしてまた、この5年数か月の実績でございますが、いささか自画自賛になりますけれども、NISAにとっても、また国民にとっても、大変価値ある組織であることを示すことができたのではないかと思いますし、また、国際的にも高い評価を得ております。
続きまして「業務の範囲」で、保安院とJNESの役割がどうなっているかということでございます。保安院の業務全般にわたりまして支援をしていると考えていただいたらいいと思うんですけれども、明確にその役割分担がはっきりしておりますのは検査でございます。あとは基本的には情報提供というような形でございまして、ケース・バイ・ケースでその境界が違ってくるということでございます。私どもは支援機関という位置づけでございますので、活動を一生懸命やっている割には外には姿が見えにくいということでございます。
続きまして「組織」でございますが、これはごらんいただいたらおわかりでございますので、説明は省略させていただきます。
「人員、予算、検査の処理件数等」でございますが、職員数としては約450名でございますが、これ以外に、年齢が比較的高いけれども、非常に専門性が高くて意欲的だという職員を非常勤として加えておりまして、それらを合わせますと約500名。この中には事務系の職員も入れております。
予算規模は、独立行政法人として運営交付金をいただいております。それ以外に、検査手数料収入、あるいは若干の受託収入等がございまして、およそ240億円前後が予算の規模でございます。
続きまして、具体的にどういう実績を上げたかということになりますが、たくさんございまして、時間もありませんので、ごくごく代表的なものを御紹介させていただきますと、新検査制度は、保安院の委員会によって検討され、オーソライズされたものでございますが、その前段階、保安院の検討段階で、私どもは、そこに書いてありますような、いろんな面から情報提供いたしまして、この制度の構築に向けてその促進を図ることができたものと、貢献できたものと考えております。
それから、次のページでございますが、御承知のように2年前に中越沖地震が発生いたしました。行政課題としましては、左に書いてありますような3つの点がございまして、いずれも保安院の部会、あるいは小委員会等で検討がなされたものでございますか、機構を挙げて全面的にバックアップいたしました。その中でも、技術的検討の中で、地震・地震動の点でございますが、想定を大幅に上回る地震・地震動がなぜ起こったのか。これは柏崎だけなのか、あるいは他のサイトでも起こり得るのかという点が行政的には非常に大きなポイントだったかと思います。私ども、かなりハードな作業でございましたけれども、数か月かけてこの点を解明しまして、保安院に報告をいたしております。その結果、この分野での検討は大幅に促進されたのではないかと考えております。
それから「人材育成」はどの組織でも懸命に取り組まなければいけない点でございますが、特にここで掲げておりますのは、昨年の4月に保安院との共同利用施設として開設されたものでございます。私どもとしては検査員、保安院としては検査官ということになりますが、新しい検査技術に対応して、あるいはより力量を上げるための体系立った研修ということで、アメリカのNRC等の制度、施設も参考にして始めたものでございます。
それから「他機関との連携」でございます。大変重要な点でございますが、私ども、総合的に安全の分野で取り組んでいると申しましても、すべて私どもでできるわけではございませんで、そこに書いてございますように、学協会、大学の先生方、あるいは民間の研究機関、産業界等、さまざまな協力を得て、あるいはこちらから協力する場合もございますが、情報交換等、共同研究も含めまして連携をしながら、効率的、効果的に進めてございます。
それから「国際活動の現状」でございますが、これはボリューム的にはかなり活動量が多いと考えていただいていいと思います。IAEA、OECDのさまざまな活動への協力。それから、近隣アジアへの協力。例えば、中国、ベトナムの規制機関の職員等に対するセミナーや研修等の実施。それから、これは日中韓で協力してやっているわけでございますが、アジアの8か国の中でネットワークを構築して、技術情報等を共有しているものでございます。それから、各国の似たような支援機関との情報交換。それから、原子力安全条約、廃棄物条約に基づく国の活動支援でございます。
基本的には、最初の○と最後の○の部分は特に国の関与が大きな部分でございますが、保安院の皆さんは大変忙しくて、私どもで代行して、代理で出席する場合も多いというのが現状でございます。
それから、先ほども加藤課長のお話にもございましたが、TSO(Technical Support Organization)、技術支援機関というものがIAEAで提唱されておりまして、国際的にもその役割が重要と認識されつつあるのが現状でございます。その役割として3点書いてございます。常に最新の技術・科学的専門知見を規制機関に提供する、強力な知識基盤と技術基盤、あるいは独立性が必要ではないかという議論として進んでいるということであって、これでなければいけないというわけではございません。
次のページでございますが、各国に多かれ少なかれTSOがあるわけでございますが、その規模、専門性の高さ、規制機関とのかかわり合いは各国によって千差万別でございます。例えば、フランスが一番日本の私どもJNESに近いものでございます。約1,700人でございます。私どもJNESと違うところは、基本的に検査はやっていない。しかし、日本で言いますと文部科学省が所管する放射線防護をも扱っている、そういう違いがございます。
それから、参考までに「IAEA国際TSO会議」、TSO活動を進めていこうという一種の運動でございますが、第1回は一昨年の4月にフランスで、45か国が参加して行われております。来年10月に東京で、JNESがホストとして開催の予定でございます。
続きまして「JNESの課題」でございます。左に4つ書いておりまして、人材確保、情報発進力の強化、国際性の発揮は省略させていただきますが、特に申し上げたいのは、NISAとの適切な役割分担でございます。
現在、保安院との役割分担が不適当であるということでは毛頭ございませんで、むしろ双方の特徴を生かした、より効果的な分担というのはあり得るのではないか、少なくともそういう議論があっていいのではないかという問題認識でございます。
JNESが創設されましたときの保安院の院長の佐々木さんという方がおっしゃったのですが、NISAとJNESの役割というのは車の両輪であるということでございました。これは、規制行政機関と技術専門機関それぞれの立場をお互いに尊重して、対等の立場で原子力安全行政を支えていこうではないかと、こういうことであったかと思いますが、誠に適切な表現であり、そうあるべきと私は思っております。そういう意味で、保安院にとって最も重要な技術的基盤はJNESであると認識していただいて、より積極的な活用を検討していただいたらどうかというところでございます。
ちなみに私は、平成13年6月、つまり、前回の小委員会でのとりまとめ以降の原子力安全行政の環境変化を考えますと、1つ大きなのは、やはりJNESの創設であった。もう一つは、原子力ルネッサンスに伴う原子力安全にかかわる国際化の進展で、この2つが非常に大きいと私は思っております。ですから、この小委員会のとりまとめ検討に当たっても、この2点をよく踏まえて検討していただきたいと思う次第でございます。
以上です。
村上委員長
どうもありがとうございました。
それでは、(1)のアジェンダで3番目のプレゼンテーションを引き続き班目委員から、東京大学原子力法制研究会についての議論を御報告いただければと思います。よろしくお願いをいたします。
班目委員
それでは「原子力規制の諸問題」ということでお話しさせていただきたいと思います。
第1回の会合のときに、たしか秋庭委員だったと思いますけれども、日本の安全規制が諸外国より遅れているかということで、ちょっと驚かれたような発言があったかと思います。そのとき、私の方から、実は制度が硬直化して、いろいろ問題があるんですとまではコメントさしあげたんですが、詳しい説明は時間の関係でできてございません。今日、時間をいただいて、少し御説明させていただきたいと思います。
1ページ目でございますけれども、東京大学では、原子力法制研究会というものを組織して、これは大学だけでやっているんではなくて、産官学のメンバーを集めて、非常にフランクな議論をさせていただいております。
IAEAのセーフティガイドに、規制機関と事業者の相互の理解と尊重及び率直で隠し立てがなく、それでいてフォーマルな関係を育成しなければいけないというのがございます。ところが、IRRSなどでは、我が国はその点が遅れているというふうに書かれてしまっているんですけれども、私としては反論したい。実は、ちょっと自画自賛になりますけれども、学が間に入ることによって、規制当局と被規制者とのフランクでフォーマルな議論が実態としてできているということを御紹介させていただきたいと思います。
この研究会でございますけれども、公共政策大学院、これは法学部と考えていただいて結構ですが、そこの先生方と、それから、工学部とで運営してございます。法学部が「社会と法制度設計分科会」、工学部が「技術と法の構造分科会」をやってございます。
本日、基本政策小委の議論に特に参考となると思いますので、平成20年度の「技術と法の構造分科会」活動を紹介させていただきたいと思います。
まず、これは検討途中であること、ほかにもたくさん問題があることは御記憶いただきたい。それから、メンバーにはお役所の方なども参加していただいているんですが、あくまでも個人としての参加でございます。したがって、メンバーはこの報告書の内容に責任を持っているわけではないということは御注意いただきたい。ただ、非常にフランクな議論でまとめられたものですから、そういう意味では非常に有益な内容が盛り込まれていると私は思っております。
次でございますが、規制の問題を御理解いただくためには、現状をまずよく御理解いただく必要がございます。我が国は段階的安全規制を行ってございます。基本設計というのは設置許可申請時に審査が行われます。その後、詳細設計が工事計画認可として審査されるわけですが、このときの主眼が、基本設計の約束が守られているかどうかをチェックするという形で行われます。以下同様で、前の段階での約束事が守られているかどうかを確認していくというやり方なわけです。ということは、最初の基本設計が非常に重要だということで、これを非常に厳しく審査している。入口をとにかく厳しくというのは大学の入学試験によく似ているなと思うんですが、そんな感じになってございます。
これはこれで構わないんですけれども、基本設計段階では物は全くないわけです。後ろに行くほど物でできてくる。だから、情報が増えてくる。それを踏まえて、そのフィードバックがどれだけできているかという問題があります。この図の運転段階の規制については、検査制度改革が進みつつありますので、昨年度は赤字で書いてある辺りを中心に検討してございます。
次に行っていただきたいんですが、この場でも紹介されましたように、我が国の安全規制はIAEAのレビューを受けてございます。そこでいろいろな指摘を受けているんですけれども、私は個人的には包括的安全解析報告書関連の指摘は特に重要だと思っております。最終的に原子力発電所はどんな姿になって運転されているのかとか、その安全の余裕はどれぐらいあるのかとか、そういうのを運転開始の前の段階でいま一度しっかり確認することを求めているんです。
我が国の場合、段階規制ですから、前段階の約束が守られていることは確認しているんだけれども、本当にそれで十分かどうかという問題でございます。ちょっと言い方としてきつくなりますけれども、ある意味では、規制当局というのは発電所の最終図面を持っていないんです。どういう機器配置になっているかとか、配管の引き回しがどうなっているかというのは、これはちょっと言い過ぎになるんですけれども、持っていない。持っていないまま規制しようと思うと保安検査官が迷子になってしまうから、実際には最終図面を発電所の方から親切に渡しているんですけれども、やはり法的にも最終図面を持つべきだというのは当然だと思います。
図面という言い方をしましたけれども、図面だけではなくて、いわゆる評価結果などすべてでございます。それらが修正されて更新されたものを、以下ではアズビルトという言い方をさせていただきたいと思いますけれども、アズビルトされたものを確認して、運転していいかどうかをチェックすべきだというのが我々の主張でございます。
「法の構造の抱える課題」でございますが、これを私たちはとりあえず(1)~(6)まで整理させていただきました。
まず、(1)でございますけれども、設置許可の変更申請が非常に形式的でございます。11ページに設置許可申請書の構成を付けておきましたけれども、本文事項というのは必ずしも直接的な安全上重要な事項ではないんです。添付資料の八とか十とかに安全にかかわるものが書かれています。しかし、本文事項が変更される場合には、変更許可を受けることができる、そういう約束になってしまっています。
4ページに戻りまして、(2)は、(3)や(4)とも関係してございます。工事計画認可で構造強度を入念に見ているのはいいんですけれども、バランスがいいかどうかなんです。原子炉というのは壊れなければいいというものではなくて「止める」とか「冷やす」という機能、その性能が重要なんです。通常時の機能・性能を保証する核・熱設計だとか、事故時の機能・性能を保証する安全解析、添八とか添十になりますけれども、これも規制当局がしっかり見るのは当然で、有限な規制資源のバランスのよい配分が必要なんです。
ただ、こうなっているのは、国だけが悪いわけではないんです。(3)に書いてある第三者認証活動がないことが理由でございます。
それから、(5)に保安規定のことを書いてありますけれども、これは、運転方法を縛るもの、運転に入ったときの憲法みたいなものでございます。こうなったら原子炉は止めなければいけませんよという運転制限条件が書かれていると同時に、教育訓練など、すべてが保安規定に盛り込まれているのが現状でございます。したがって、保安規定違反といっても、重いもの、軽いもの、いろんなものが混在しているわけでございます。
それから、(6)は、先ほどIRRSの指摘として説明したものでございます。
以下、この順番に、どうしたらいいかということまで含めて、少し説明させていただきます。
法律では、災害の防止上支障がないことを要求しているんですけれども、問題なのは、何をもって災害の防止上支障がないのかという説明がない。わかりやすい説明がどこにもないというのが実情でございます。これは重たい課題です。
それから、先ほど見てもらった11ページの基本設計書なるものは、物がない段階で書かれたものです。そこに書かれているのはあくまでも基本方針です。設置許可段階では物がないんだから、基本方針を書くしかないんです。だけれども、そこの本文事項が直接的な安全上重要なものとは限らない。ところが、添付の八とか十とかに書いてある安全上重要なものというのは、それだけ変更させてくださいと言ってもできないルールになってしまっています。
ちょっとわかりにくいかもしれませんけれども、例えば、PWRには蒸気発生器があって、伝熱管にひびが入ると栓をすることになっています。これは最初からそういうふうに設計しています。問題なのは、どこまで栓をしていいのか。それを決めるのは、添付十に書いてある安全評価の結果、決まるわけです。うっかり基本設計のときに施栓率5%で評価しておくと、6%になったときに、これ、運転していいのという問題が起こってしまいます。そういう解析をしていないから、しかも添付十は変更できないよといったら、それでもう運転してはいけないよと言うんですか。こんなのはものすごく不合理です。
実際には、そういう場合には問題ないということを安全委員会に報告して了承を受けるとか、そういうふうに個別に対応してきています。だけれども、そういう個別の対応で、要するに、運用で何とかするというんで本当にいいんでしょうかというのが私の問題提起でございます。安全上重要なものはちゃんと変更許可を受けなさい、そうでないものは届け出なさい、こういうふうにして、とにかく規制当局はアズビルトの書類を常に持っている、こうあるべきだと思っております。
次に、(2)と(3)でございますけれども、工事計画認可、つまり、詳細設計ということになりますけれども、それとか、使用前検査では構造強度が重視されているのが実情です。
最後の18ページに日米の検査項目を比較してございます。細かくは追えませんけれども、アメリカの方が我が国よりずっと幅広く見ていることがおわかりいただけるんではないかと思っています。こうするにはどうしたらいいのか。それから、設計も、書類だけではチェックできないのは明らかなので、品質保証も要求すべきです。そして、バランスよく性能を見る、これが規制資源の有効活用だと思っております。
それがなぜアメリカではできるのかなんですけれども、17ページを見ていただくと、実は、アメリカの場合には、定型的な設計の審査は、民間の人でいいんですけれども、Professional Engineerという資格を持った人に任せる。それから、検査は、Authorized Inspection Agencyという、これも民間機関なんですけれども、そういうところに任せるんです。これで規制資源の有効活用を図っている。
我が国はそもそもそういう認証制度がないから、これはできませんけれども、制度がないことが問題以上に、制度をつくったとしても、それを引き受けられる民間組織はありますかというと、ないんです。だから、そういう受け皿を用意していないというのは、規制当局が悪いんではなくて、むしろ民間が悪いと言った方がいいかと思います。
研究会の場でこういうフランクな議論をすることによって、そうですねというんで、事業者の方で少し制度設計を検討中というふうに私は聞いているんですが、是非そういう議論をやっていただきたい。
それから、アズビルト化に関しては、(1)のところで述べましたように、きちんと変更の許可を受けるとか、届け出るとかして、最終図面は常に持つべきで、それなしで規制しているというのは本当におかしな姿だなと思います。
7ページの(4)に行きますけれども、機能とか性能重視と言いましたけれども、これは何かをもうちょっと説明させていただきます。例えば、中越沖地震のことなどもありましたけれども、火災防護が重要なのはだれしもが御理解されると思います。火災防護について、基本方針だけは基本設計の中で書かれているんです。だけれども、実際、工事計画認可では見ていないでしょうし、使用前検査でも見ていない。そんなことでいいのかというと、例えば、消防法とか、ほかの法律がありますから、そちらでは勿論見ているんだと思うんですけれども、やはり原子力安全の観点で、本来、総合的に見るべきなんです。
それから、完成検査で使用前検査をやっているんですけれども、それでは見られないものがあるんです。何か月か前に熱処理のごまかし問題が新聞に載ったことがあるかと思いますが、そんなのは幾ら完成品を検査してもわからないんです。ということは、品質保証を要求して、プロセス型の検査にしなければいけないんです。
実は、今、申し上げていることは、私が委員長をやっています検査の在り方検討会の報告書にとっくに書いてありまして、14ページに載せておきましたので、後ほどでも見ておいていただきたいと思います。
ただ、こういう議論をしていくと、そもそも何で基本設計と詳細設計に分けているのかということ自体が疑問なんです。詳細設計を基本設計にフィードバックして、許可を与えた条件をアズビルトしていくんだったら、両者は一体的に運用できるはずなんです。世界で設計を2段階に分けているのは日本だけで、こんなものは普遍的なルールでも何でもないということは御理解いただきたいと思います。
8ページにまいります。設計建設段階の規制の問題のしわ寄せというのが、実は運転段階の規制にきてしまっています。まず、保安規定なんですけれども、先ほどもちょっと申しましたけれども、基本設計の要求事項は勿論、運転段階でも守られなければいけません。運転許容範囲を超えたら、当然原子炉は止めなければいけないんです。こういう約束事はテックスペックというふうにアメリカでは言っています。
我が国の保安規定は、先ほども言いましたように、こういうテックスペック以外にも、基本設計で基本方針だけが書かれていたものを具体化した、例えば、教育訓練の在り方とか、そんなものも全部盛り込まれてしまっています。これがいいかどうかは最終的には保安規定を認可するという段階でなされるんですけれども、その状況確認は保安検査でしか行えませんから、原子炉の運転を開始してから行っています。だけれども、教育訓練の在り方がどうのこうのなどという話は運転を開始する前に見るべきなんです。そういう問題もございます。
それから、包括的安全解析書、IRRSでも指摘されたことで、これはもっともなんですけれども、よく考えてみると、設置許可申請書をアズビルト化していけば、ほとんどの問題は解決すると我々は思っています。設計建設段階の情報すべてを、設置許可申請書をどんどん厚くしていって盛り込んでいけばいい。このアズビルト化は、運転を開始したところで終わっていいかというと、そうではなくて、運転開始後も定期的にやっていく。規制当局は常に最新の情報をちゃんと握っているべきだと思います。本来は、こういう検査を、例えば、いろいろと新たに創設すべきだと思いますけれども、どんどん複雑になりますから、どこかで全体の整理も必要だろうなと強く思っております。
9ページが「燃料体規制」について書いてございます。これは段階規制の問題でもあるけれども、それと切り離しても問題なので、別扱いで検討してございます。余り知られていませんけれども、国産の燃料と輸入燃料では検査の詳しさが全然違っています。
13ページに国産燃料の場合はどういう検査が行われるか書いておきましたけれども、加工の工程ごとに行われます。だから、燃料材だとか、被覆材だとかが検査ができるようになったら、その時点でもやらなければいけないし、燃料要素が加工された段階でも行わなければいけないし、集合体として組立てが完成したところでも検査が行われるとか、そんな形になっています。
一方、輸入燃料については、日本に来たとき、完成検査としてだけ行われる。
では、国産燃料が輸入燃料よりも性能が劣るのかというと、そんなことは全然ありません。余りにも不合理なので、実際には国産燃料については検査の省略というので、運用的にうまく処理しているわけです。この問題についても、実は検査の在り方検討会で検討したことがございます。
燃料については、設置許可申請書の本文事項、基本設計の本文事項になってしまっている。要するに、原子炉の構造に関係するということからそうなっていて、ここにものすごくひずみがきています。安全上問題がなくても、そう言ったら申し訳ないんですけれども、面倒な設置許可変更が必要となると、技術進展を阻害します。
例えば、日本のBWRというのは相変わらず9×9燃料を使っています。アメリカは、とっくの昔から10×10という、性能的にもはるかに優れた燃料を使っている。非常に恥ずかしい話です。今日、関村先生いらっしゃらないけれども、我が国ではこれから、例えば、濃縮度5%を超すような燃料を世界に先駆けて開発するとか何とか言っているんですけれども、規制制度がこんな状態でそんなことが本当にできるんですかと言いたくなるような状況で、やはり技術開発と制度を見直していくということは常に同時進行で行われなければいけない。
私が申し上げていることは、かなり規制強化につながることもあるんですけれども、と同時に、規制というのは合理化していかなければいけない。私は規制緩和しなさいなどということは口が避けても言う気はありませんけれども、是非、適切な規制を目指して改革努力を続けていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
村上委員長
どうもありがとうございました。
率直にいろいろお話しくださって、大変貴重な御意見をありがとうございました。
それでは、ここまで3つのプレゼンテーションをいただいたわけですが、特にどれと指定をいたしませんので、これまでの御説明に対して、御質問、御意見、ございましたら、御自由に御発言ください。
大橋先生。
大橋委員
ありがとうございました。
原子力安全・保安院がいろいろ事業を実施していかれる上で、安全規制という範囲内では、今日、お伺いした保安院とJNESの範囲の中でいいと思うんですけれども、社会の中に原子力安全だけがあるわけではなくて、やはり開発だとか、事業をやられる方がいらっしゃるので、例えば、行政庁ですと、推進側と呼ばれていますけれども、エネ庁ですとか、文部科学省ですとか、または産業界とどういうふうに意見交換をしていかれるおつもりかということを1つお伺いしたいと思います。
もう一点は、ちょっと重い課題で、例えば、資料1~3、班目先生のお話も含めてですけれども、我々が信頼ということをどう考えていくのかということで、非常に難しい時期に差しかかっているように思います。そもそも我が国としても、例えば、規制行政を設ける、または電気事業者の方にそれをお願いするとかというシステムを持ってやっておるところですので、本来そういうインフラストラクチャーの事業というのは、事業体が国民から信頼を受けて、国民の負託に応えるという構造が一番好ましいように思うんですけれども、いろんな経緯があって、私は重々承知はしておりますけれども、どちらと言えば規制がリードしていくような方向へやや移りつつあるような印象があります。
本来は事業者が信頼されることによって事業を進めていく、規制行政も含めて原子力産業にかかわる全体がそれを支援するような構造が一番望ましいと思うんですけれども、高度消費社会がこういうふうにいろいろなトラブルを経験して移っていくと、規制のある種の強化というのはやむを得ないかなとも思うところです。
ただ、これが極端に行きますと、すべてを規制行政が把握をしてリードしていって、事業者は逆に信頼が落ちていきますから、基本的に電気事業者だとかメーカーの方は悪いことをやるんだ、それを規制行政としてチェックしていくという方向にいくと、これは国民との関係において、インフラストラクチャーとしてはなじまないということになってくるかと思います。
済みません、長くなるといけないんで早口で申し上げますけれども、耐震偽装の問題のときに我々が経験したことは、要は、性善説によって成り立っていて、建築設計の事業者はきちんとしたコードできちんとした設計をやってくる、規制行政というのはそれをチェックをすればいいということでやっていたんですけれども、そのとき、そうではないということが起きて、ある被告の方が、検査料を取って国がそこまでやっているんだから、国が責任を持つべきだということをおっしゃられて、私は一理あると思った経験があるんです。
そういうことを突き詰めていきますと、本当に原子力安全保安行政が原子力安全施設の安全を国民に対して100%引き受けるようなところまでいくのか。今は、電気事業者を信頼をして、そのプロセスとか、企業の成り立ちとか、人材の育成というのを見て、きちんとやっていればいいやというような規制のやり方であったところ、本当に細かいところまですべて規制行政が見ていくと、今度、規制行政の方へ責任が移ってくる構造になるかと思うんです。その辺が、細かい議論をしていくと、すべて今日議論されたような方向へ移っていくと思うんですけれども、国民の利益というのは、1つは国民の安全と、もう一つは国民の福利、両方あると思うんですけれども、そういう点から、どう考えていくのか、実は非常に難しい課題だなと感じた次第です。
長くなって申し訳ありませんでした。
村上委員長
いいえ、ありがとうございました。
それでは、最初の問題は、他の省庁などをどのくらい巻き込むお考えがあるのかどうかということで理解してよろしゅうございますか。その点については、どなたか。
大橋委員
情報交換ということで結構です。
村上委員長
どうぞ。
大村基盤課長
では、私から。今回、ステークホルダーとのいろいろな情報の共有というのも1つの大きな課題でありまして、その中には関係省庁というのも入り得ると思っています。この後、いろいろ御説明しようと思う中にも、例えば、新型の軽水炉の開発の問題でありますとか、RIの規制の話であるとか、いろいろあると思うんですが、そういうのは関係の省庁等も、それから、経産省の中の部署もございますが、そういうところと情報共有等もしながら、保安院は保安院として、規制機関としてどう対応していくのかということは、そういう情報交換の中でしっかり考えていくということは常日ごろから行っているつもりでございます。
村上委員長
それから、大橋委員がおっしゃった第2番目の問題は、かなり根本的な問題だと思いますが、班目委員、ちょっと。
班目委員
研究会での議論とか、そういうのを総合してお答えさせていただきます。こうやって規制強化していくと、どんどん事業者は信頼を失って、すべて国が責任持たなければいけないかという話なんですけれども、例えば、NRCは何と言っているかというと、We trust licensees but verify them、要するに、基本的に事業者を信用はする、だけれども、ちゃんとベリファイはする、ちゃんとやっているかどうか確認する、こういう方針で結構うまくいっています。
耐震偽装などの問題もありましたけれども、原子力というのは結構特殊で、事業者といっても電力会社しかない。そう規制が難しいはずはないんです。まずは事業者の方でしっかりと、我々はこういうふうにきちんとやっていますということを証拠をもって示してもらう。それを国がベリファイしているという姿ができ上がれば、国民もかなり信頼してくれると思います。
今、ちょうど過渡期で、実は、20世紀の間は、原子力の規制というのは究極の性善説に立っていまして、保安検査も何もなかった。年1回、技術基準適合性だけを見ていたという状態から、保安院などができて、まさに今、NRCのやり方に移行している最中で、その間に過去の問題も含めて、ぼろぼろ出てきている状態なんで、私はこれをきちんとやっていけば、国民から事業者も信頼される、事業者は事業者自身でむしろ信頼を獲得する努力をしていただきたいと思います。
以上です。
村上委員長
ちょうどお願いしようと思っていたんですが、武黒委員、御発言いただけますか。
武黒委員
今の大橋先生、班目先生の御意見は、私の認識とそんなに変わっていないつもりであります。歴史的な経緯を見ると、規制との関係、距離感の在り方、あるいは我々がどういう事業運営をする、それをどう説明していくのかというところで、かつて十分でなかったというところもあったと思います。また、そこら辺の突き詰め方も不徹底だったところもあるかと思いますけれども、私どもでかつてあった不祥事を境にして、相当この点は社内で詰めてきて、事業者としてのありようというところに遡って、行動を積み重ね、言葉で言うだけでは何もなりませんので、実際に悪戦苦闘しながらしてきたつもりであります。会社としても、経営ビジョンの最上位にあるのが社内の信頼を得るということでありまして、インフラ産業ですから、それがない限り、産業としての存立をし得ないわけで、そうなれば、当然のことながら、アカウンタビリティーの高い事業運営をするということであり、それは単に情報公開をすることだけではなくて、我々が目指すべきことや、やっていることも含めて、見せていく、説明をしていくということでもあるし、必要な改善をするということで、このところが非常に大事だと思います。
今日のお話も、その意味では、きちんとPDCAを回して、改善がどこまでできるかということでもあると思います。その点では、先ほどの班目先生のお話にあったような、例えば、設置許可の在り方との関係で言えば、私も余り形式的な判断よりも、実態的な安全とのかかわり合いで、こういう許可の内容の判断を積み重ねていくべきだと思いますし、そういったことをすることがむしろ事業者としての内部の統制がしっかりできていくということにもつながるし、社会の理解という点でも最も大事な接点を築いていくことができるんではないかと思います。
それから、第三者認証も我々は出遅れていたところです。運転分野だとかになると、大分プロセス検査は進んでいますが、一方で物をつくるところでは遅れている。だけれども、日本の原子力設備のいいところは、何といっても設備の信頼性が非常に高いところで、これは我々がしっかりと守っていく必要があります。したがって、設備の物のいいところは物のいいところで、ちゃんと見ているということが必要なので、そこは第三者認証制度をつくっていかなければいけないと思いますし、その取組みを始めたいと思っています。既にいろんな意味で、認証とか、認定とかいう制度は日本にありますので、そういったものとの関係を深めていくことで、これは必ず形を整えて意味のあるものにしていくことができる。長くなって恐縮ですが、既に維持基準との関係では、PT制度などができているわけであります。
それから、包括的安全解析というか、アズビルトの話もやはりガバナンスにかかわることですが、きちんとしたドキュメント、実際に保安検査官さんには、配置図だとか、配管図、配線図をお渡ししていなければ検査になりませんので、当然お渡ししているわけです。きちんとそういったものが準備されている状況、位置づけがあいまいであれば明確にすることは、我々にとっては日ごろやっていることですから、それをきちんと見ていただけばいいだけの話なので、むしろそういったことをやっていきたいと思います。
そういうふうにして安全なり品質を高めていくという努力に事業者の精力が傾注されて、そこを規制当局もしっかり見ているという総合関係をアカウンタビリティーをもって国民の皆さんにお示しすることで、そこからの先の判断は国民の皆さんの判断だと思いますが、こういうところをよりコアのこととして扱って積み上げていくという努力をしない限り、この問題は出口が見つからない。こういった取組みを10年近く悪戦苦闘しながら思うところでありまして、以前も申し上げました。その意味で、私は私どもの事業を運営するときの価値観というのは、ISQOの順であって、これを間違えてはいけないと思っております。
長くなって恐縮です。
村上委員長
いいえ、ありがとうございました。
実際上は、おっしゃったようになっていて、運営でそういうふうに担っていくだろうと思うんですが、班目委員のおっしゃったことの1番、基本は段階的安全規制そのものを考え直すべきではないかという、そこに問題意識があったと理解しておりますので、その点はかなり深刻な問題であるだろうとは思います。ただ、現実にどう対応していくかというのは、今、武黒委員がおっしゃったように、あるいは大橋委員もおっしゃったような形で、今のところ進まざるを得ないというのが実情なのではないかと思います。
知野委員、どうぞ。
知野委員
斑目先生の説明に対する質問なんですが、今のお話ですと、段階的安全規制というのが、時間とお金もかかって不合理であるとか、あるいは世界の潮流から離れていてバランスを欠いている、そういう御指摘だったと思うんですが、このやり方を続けることによって、安全性とか品質についても、何か問題を生んでいるというふうに先生は御認識されているんでしょうか。
班目委員
基本設計だけしっかり見ているけれども、その後、詳細設計か何かで落ちてしまっている項目があって、例えば、火災防護を例として申し上げると、火災防護の基本方針は基本設計に入っていますが、詳細設計としてどうされているか、多分、入っていないんではないか。少なくとも使用前検査などの項目にはなっていない。そんなことで本当に国民は安心できるんでしょうか。是非、そういうことも含めて、バランスよく、要するに、壊れないということだけしっかり見ているから国民は安心してくださいとだけいうのは、原子炉安全全体を語っていないという意味である種の欺瞞であって、こういうのも見ています、こういうのも見ていますと、全部バランスよく見ているということに議論の中心を移していただきたいというのが私の趣旨でございます。
知野委員
こういうやり方をしようと決めたときの安全思想に問題があったとお考えなんでしょうか。
班目委員
歴史的に見ますと、構造強度を中心に見ているという考え方は、水力発電とか火力発電の方からきています。あちらの方は、要するに、壊れなければ安全なんです。ところが、原子力だけは、壊れなくても「止める」「冷やす」ができなかったら危なくてしようがない。そのときに本当はもうちょっと考え方を変えるべきところ、まだ経験もなかったので、火力の考え方をそのまま使って、その後、根本的な見直しはほとんどやってきていなかったことに問題があるんだろうと思っています。
村上委員長
どうぞ、草間委員。
草間委員
原子力が始まって我が国は長い年月がたつわけですけれども、立地、設計、建設、運転という形で安全審査が段階的に行われてきました。今の班目委員の御説明を伺うと、国民に対して、欺瞞であり、だましていることになるという言い方は、もしここに本当に不安を持たれた国民がいたとすると、今、動いている50数基の原子炉、大丈夫なのかなと、こういうふうな形になると思うんです。今、村上先生が言われたように、しばらくはこれでやらざるを得ないと思います。大くくりで見たときに、このやり方のメリットもあるんではないかと思うんです。だから、そういったものも併せて説明していただかないと、国民はどうしたらいいんでしょう。
村上委員長
では、薦田院長。
薦田院長
私も御説明をしないといけないと思っていたんだけれども、規制というのは、被規制者たる事業者のもともとのレベルの問題、それから、法遵守の考え方の問題、更にそれを伝える日本の原子力産業界、メーカーの問題、下請の問題、こういう総合的な実力とのバランスで規制の在り方が本来決まっていくのではないかと思っているんです。したがって、アメリカの場合と日本の場合で随分また違っておりますので、アメリカのやり方がすべていいわけでもありません。
現実に、日本の原子力の安全のレベルはどうなのかと聞かれたときに、一番よく言われるのは、例えば、その原子力発電所が動いているときの意図せざる停止率などで見ますと、日本の方がアメリカよりはるかにいいんです。そういう点で言えば、いわゆる国民の目から見たときに、うちの発電所は安全ですかと言われたときの程度は、少なくともアメリカよりはずっと上にある、あるいは世界的に見ても高く評価をされているというところで、それはまず認識をしないといけないと思っているんです。
ただし、今、先生がおっしゃったような法制度の中で、新しい技術が入ることについて、障壁になっているということがあることも事実だろうと思っております。むしろ、ここにおけるメリット、デメリット、そういうものをもう少し定量的に見た上で、今後の在り方を検討しなければいけないのではないか、私自身はそのように思っているところであります。
村上委員長
では、もう一言、班目委員。
班目委員
一言だけ。我が国の原子力発電所が危険であるということは全く言う気はございません。当たり前のことなんですけれども、原子力安全の第一義的な責任は事業者にありまして、事業者は基本的には懸命な努力をしているだろうとは思っております。そこは信じております。実際に1999年までは保安検査すらなかったんです。しかし、それでも我が国の原子力発電所は安全だったんです。だけれども、規制当局もちゃんとバランスよく見ていますよという方が国民は納得するんではないでしょうかという問題提起をさせていただいていると御理解いただきたい。
薦田院長
ただ、今、保安検査がなかったとおっしゃったけれども、スリーマイルの発電所の事故があって以来、現実には常駐の検査官を置いて、保安検査という制度ではありませんけれども、毎日、当方の職員が見回って、保安規定に違反しているかどうかというチェックを実質的に行い、その際に、もし違反していれば、直ちに法律的に立入検査という形で処理はできたということであって、そういう点では実質的な体系はある程度できていたと思いますし、それから、それを行使してきたということも事実だろうと思っているんです。それを保安検査という形で制度化をしたにすぎない。実質やっているものを更に制度として昇華させていくということも非常に重要であります。ただし、すべて制度にすれば済むかという問題ではないので、必ずメリット、デメリットがあります。例えば、今、保安検査と言いましたけれども、これは年に4回やるだけであります。うちの職員が365日24時間見ていることの方が実質的には大事なことだと思っているんです。制度化と、その改善というのは常に考えていかないといけませんけれども、そのときのメリット、デメリットはもう一度見た上で考えていきたい、こういうふうに考えております。
村上委員長
武黒委員、一言。
武黒委員
事業者として言わせていただきますと、もし事故が起きたときには、事業者は無過失・無限責任を負っております。その意味で、原子力発電所の安全に対しては、私どもが第一義的な責任を負っているわけでして、会社の事業運営がそれを担保できるものでない限り、会社の存立にかかわってしまいます。したがって、規制当局との関係はそれなりに必要だということはよく承知しておりますけれども、私どもがきちんとした保安管理を行うことが、規制とは別に、そもそも事業を行う上で必要なことだと思っております。
その意味では、規制当局に対しては、今でも保安検査官さんに対しては、特にここ数年間でそういったやり方も変えてきていますが、発電所の中のどこでも、資料を持って見ていただいて結構ですということにしていますし、社内の会議等も自由に入って見ていただいて結構ですというふうにして、それは規制当局との間の関係ですけれども、基本的に私どもが事業運営する限り、私どもが保安の確保に第一義的な責任があり、結果についても責任を負わなければいけない。その覚悟を持ってやるというのは当然のことだと思っています。
村上委員長
新野委員。
新野委員
付け足しのようですけれども、第1回目のときに、住民側からすると、そろそろ根本的にもいろんな議論を加えていただきたいという発言をしたかと思うんです。今日の班目先生の資料を見せていただいて、こういうところまで踏み込んで、いろんな研究が以前からもされていたということで、とても歓迎する内容でした。10年ぐらい前からということなんですが、地元では10年ぐらい前までは、企業にお任せ、国にお任せというところにおりまして、プルサーマルの問題辺りから少しずつ、それだけでは済まない状況になってきまして、それからがまたいろんな問題の噴出が続いたものですから、今、混乱しているような状況にあります。
地震以後、詳しくはわかりませんけれども、住民側から見て、今の規制が何となくバランスがよくないというんでしょうか、何かが欠けている。住民からの視点は当然欠けているんですけれども、そのほかにも規制の方法で何かが違うのかなと、要するに、伝わってくる情報の量の違いなのかもしれないんですけれども、そういうことから、根本的にきちんと整理していただきたいという漠然とした空気があるんだろうと思うんです。今日の御説明をいただくと、理論的にきちんと専門家が整理されると、こういうふうになるんだなというので、専門的にはわからないんですけれども、気持ちとすると、非常に整理されていくような期待感を持って見させていただきました。
その後に発言していただいた、ほかの関係省庁とのことですけれども、地元、国民側からすると、縦割りの行政にも何となく違和感を持っています。そうなると、当然、これだけの大きい動きと、一生懸命の議論があるのならば、やはり原子力にかかわる、幾つかの大きな機関の方も、同時にとは言いませんけれども、もう少し深くかかわっていただいた方が、住民からすると合理的かなという感想は持ちますし、ここでうまくシナリオができたとしても、また周知するところが増えるわけですので、そういう意味では不合理かなと思ったり、ここだけでは安心できないので、ほかの部門の方たちはどう考えるんだろうと、まだいろいろな情報を取らねばならなくなるので、そうなると、もう少し踏み込んだ相互の情報もいただけると、非常にバランスのよい情報となって、住民側からは理解しやすくなるだろうと思います。
それと、資料1の4ページにJNESさんに関することが出ていまして、右下の方に独立行政法人の評価委員会の役割という文字だけが見えたんですけれども、私も電車の中で考えていましたら、安全規制みたいなところには当然信頼が欠かせないわけで、そうなると、いろんな過去のことと現在を語ることと未来があるわけですけれども、今度、何かが変わったとして、こういうことを評価、検証する機関が、本来、住民に届く情報として何かあっていただけると、同次元でいろんなものが合理的に進むんではないかと思っていたんです。
実は、柏崎は、私が見るに、トータルでとても長い先を見るのが余り得意でない地域のように見えるんですけれども、今、10年計画を立てて、第4次総合計画にのっとって、いろんな施策が進んでいるんです。4回目の評価があって、先のシナリオは書いたんですけれども、やはり評価システムみたいなものがないんです。この7月に初めて評価をするというか、一緒にそれを検証していく委員会を初めて立ち上げると聞いていますので、それが機能するかどうかはこれからなんですが、やっとそのレベルにきたかというような住民の感想があります。なので、新しいところに踏み込まれるならば、同次元でそちらの視点もウェイトを置かれて、決められたことがきちんとされていく姿を別のところで評価して、国民にわかりやすく解説していただけるような場所があればいいなと期待を持って考えていましたので、述べさせていただきました。ありがとうございました。
村上委員長
ありがとうございました。
念のために申し上げますが、これは今後のよりよい保安院のいわばマンデートをつくり上げていくための議論の非常に重要な積み重ねの1つとお考えくださいませ。
では、石榑委員。
石榑委員
今までの議論とはちょっと違うかもしれません。第1回のときにもちょっと申し上げたんですが、図らずも資料3に書いてございますように、ここでの議論というのは基本的に原子炉の規制なんです。ですけれども、保安院の分野別という欄のところを見ますと、当然、バックエンド、例えば、廃棄物とか、廃止措置とか、いろいろあるわけであります。私がそのバックエンドにかかわってきた経験で申しますと、原子炉の規制とそういうバックエンド絡みの規制は当然オーバーラップする部分はあるわけですが、やはりちょっと違っている、異質の部分もある。そういうことについて、今回は時間的なこともあり、まだバックエンドの規制というのはそんなに長い歴史を持っておりませんから、今、整理するのはまだ難しいのかもしれませんが、ある適切な時期にバックエンドの規制についても、ここでいろいろ原子炉の規制に対して行われているような整理を是非お願いをしたい。
更にもう少し具体的な形で申し上げますと、例えば、廃棄物の安全確保、あるいは規制ということを考えると、公衆の放射線被ばく、あるいは放射線防護といってもいいのかもしれませんが、それが非常に重要なキーワードになってくるわけです。そういう問題になると、資料1の5ページに安全委員会と保安院との関係は書いてあり、安全委員会でも放射線防護のことはある程度やるわけですが、もう一つは放射線審議会がある。その辺の関係は、私どもも具体的な問題を扱うときに多少悩むことがありまして、そういう意味で、1つの簡単な御質問は、放射線審議会との関係はどういうふうにお考えになっているのでしょうか。
それから、もう少し全体的に見て、これは私の個人的な印象ですが、放射線防護とか、そういった面での保安院の対応はちょっと弱いんではないかという気がしております。それは図らずも先ほどJNESの説明のところで言われたんですが、放射線防護は、私の聞き方が正しければ、JNESではカバーしていないとおっしゃったように思うんです。そういう意味で、バックエンド等が加わってきますと、その面も、これは基本的には放射線審議会は文科省が対応していますから、他の省庁との関係の問題もありますけれども、保安院としてもやはりもう少し強化していただく必要があるんではないかということを申し上げたい。
村上委員長
ありがとうございました。
実は、石榑委員が今、御指摘になったのは、まさにこの後の(2)の議題のところで、安全規制の対象の拡大という問題がありますので、そこで事務局からも反応していただこうと思いますので、もしよろしければ、次の議題へ進ませてください。
ちょっと時間が押していて、申し訳ないんですが、できるだけ簡潔にお願いします。
大村基盤課長
それでは、資料4-1と4-2に基づきまして説明いたしますが、内容がかなり多いものですから、できるだけかいつまんで行いますけれども、時間が少し押してしまうかもしれません。今、この場ですべて御意見を承ることはなかなか難しいのではないかと思いますので、よく見ていただいて、御意見を後で送っていただくということを考えたいと思います。そういった前提で少しお聞きください。
まず、資料4-1でございますが、今回の検討の背景と課題・論点についてということで、今回の小委員会の検討につきましては、第3回まで、それから、前半の御議論ということで、関係の方々の状況、それから、いろんな課題・論点を大まかに把握を行ってきたというふうに考えております。
今回の委員会の検討の目的につきましては、今後取り組むべき安全規制の課題を適切に設定をするということで、それを行うためには、なぜそうした課題の検討が必要であるか、すなわち検討の背景をしっかり整理をすることが一番重要なことではないかと考えております。
その規制課題の検討につきましては、当然、安全規制をどういう方向で目指すのかということがしっかり定まっていることが前提条件だと思うんですけれども、そこにつきましては、平成13年の保安部会の報告、第1回目で説明しましたけれども、そのときに原子力安全規制の理念、それから、保安院の目指すべき方向がかなりしっかりと打ち出されておりまして、現在でもこれは変わっていないというふうに事務局の方で考えているということを付け足したいと思います。
本資料の取扱いでございますけれども、別添1、2とございますが、今回それぞれ御提起いただいたような課題とか論点を踏まえまして、背景を解説するとともに、その内容を整理をしたということでございまして、一種のメニューの提示を行ったということでございます。したがいまして、今後の御検討では、個別の課題とか論点が妥当であるかどうか、それぞれの背景の解説は十分であるかどうかということについては、継続的に今後とも御審議をいただきたい。それを踏まえまして、不明な点、不足する点、更にもっとしっかり検討すべき点、こういうものを対応を含めて修正を図っていきたいと、こういう性格の資料でございます。
別添1は、別添2の項目だけを抜き出して、それを一覧にしたものでございます。これは割愛をいたします。
別添2ですけれども、これは幾つかの背景を整理をしたものでございます。まず1つ目に「経験と知見を活用した知見の実行性の向上」という観点から背景を整理をいたしました。
一番左に「重大な事故・事案の経験と再発防止」とございますけれども、保安院発足以降、さまざまな事故、トラブル事案がございまして、こういったものにどう対応してきたのかということ。それから、日常的なトラブルとか、運転経験の蓄積というのがございます。それから、安全研究等で非常に技術が進歩したという面もございます。
こういったような知見をどういうふうに活用して実効性を向上させていこうかというのが最初の「重大な事故・事案の経験と再発防止」ということで、1つ目は「検査制度における品質保証の考え方」でございますが、これは前回、委員会で少し詳しく御説明をいたしました。ハードだけでなく、事業者のマネジメントというものについて、規制当局としてしっかり見ていこうという流れで、検査制度につきましては、これまで相当程度充実を図ってきたという歴史がございます。
ただ、先ほど班目委員から少し話もありましたように、14年の検査の在り方検討会でもいろいろ御指摘があったのですけれども、燃料体の検査とか、使用前の検査とか、品質保証的なことをどういうふうにしていくのかということで、まだ課題が残っているものもあるというふうに理解をいたしております。
それから、IAEAのIRRSという評価サービスですけれども、ここにおいても、建設段階で品質保証をもう少し見るべきではないか、こういう御指摘もございます。
右の方は、それに対応する課題・論点でございますが、細かいので、省略いたします。
いずれにしましても、品質保証を検査制度で取り入れていく、この辺りについて今後検討していく必要があるのではないかということでございます。
ただ、その際、これは後ほどまた御説明いたしますけれども、国際化が進展をしているということで、ベンダーインスペクションとの関係もございますので、そういう国際的な動きも踏まえつつ検討を行う必要があるということでございます。
その次に「設計段階における品質保証」という項目がございます。これは、例えば、工事計画認可など設計段階の審査におきまして、品質保証というものをどういうふうに考えていこうかということです。現在は設計について、これが妥当かどうかということを国が直接確認をしているという制度でございますけれども、設計段階において事業者の品質保証というものをどう確認していくのかが1つの課題であろうと考えてございます。
それから、めくっていただきまして「大規模地震による被災」がございます。これは、2年前に経験をいたしました中越沖地震等における技術的な知見が多々あったわけですけれども、こういうものをできるだけ反映をしていこうということで、ここにつきましては、もう既に今年の5月段階で新知見を反映する仕組みというものを構築をしておりまして、これを今後どういうふうに運用していこうかという段階にあるということでございます。
あと「緊急時の情報提供に関する教訓」という項目がございますけれども、現在「モバイル保安院」等、緊急時の情報提供につきましては、かなり努力をして構築をしております。ただ、一層の迅速化等、まだまだ取り組むべきところがあるのではないかという課題でございます。
それから「事故・トラブル情報の安全規制活動への反映」でございますが、一般にはこれは運転経験のフィードバックと言ってございます。国際的には、事故・トラブルなどの経験をどうやって反映していこうかという機能を「クリアリングハウス」と呼んでおりますけれども、我が国におきましても、こういう活動は従前からずっと行っておりますが、もっと充実強化をしていく部分もある。特に法令報告にならなかったような情報も公開されておりますけれども、こういうものをどうやって規制として取り上げていくのか、こういう課題があるのかなと思います。
次をめくっていただきまして「安全研究等による新たな技術・知見の活用」ということで、国もそうですし、民間におきましても、どんどん技術的な知見が進歩しているわけでございます。一番上にありますのは規格基準整備ということで、そもそも規格基準は規制に活用している部分が多いわけですが、これは数年前に技術基準の性能規定化ということで、民間のさまざまな技術的な進歩を迅速に取り入れた最新の規制をしていこうという方向を既に打ち出して、各種の民間規格が活用されております。ただ、これもまだ道途上でございまして、今後まだまだ整備をする。これは原子炉に限らず、ほかのサイクルも、バックエンドの分野も含め、まだまだやるべきところがあるというふうに認識をしておりますので、その体制整備を含めて検討していく必要があるのではないかということであります。
それから、真ん中の「トピカルレポート制度」でございます。そもそも、このトピカルレポート制度でございますが、メーカー等の産業界がいろんな技術や知見を進めているわけですけれども、それをあらかじめ規制当局に提出をして、安全性の評価を受けておくという制度でございます。実際に審査のときにはそういう検討を活用していこうということで、国際的にはかなり多くの国で使われている制度でございます。
資料の4-2という補足資料の12ページを見ていただきますと、トピカルレポート制度はどういうふうに使うのかということが書いてございます。これは我が国でももう既に一部分野において制度化されております。これは、プラントメーカー等が保安院に対して評価の依頼をするということで、保安院としましては、JNESと協力して評価をする。一番右にありますように、原子炉安全小委員会ワーキングで審議をいただきながら報告書をつくっておく。これは申請が出てきた際に個別審査で活用するというスキームでございまして、規制当局としても、規制の予見性を高めるということから、安全規制の観点からもメリットがある制度と位置づけてございます。
今後の課題としましては、今は燃料、解析コードに限定しておりますけれども、これをしっかりやるとともに、今後どういう形で分野を拡大していくのかということが1つの課題と思っております。
それから、その次に「リスク情報の活用」というのがございますが、これは前回の委員会でかなり詳しく説明いたしましたので若干省略をいたしますが、リスクの情報活用によりまして、相対的に重要性の高い事項に重点的に規制資源を配分したり、重点化ができるということで、規制の実効性を上げるという意味では大きなメリットがあると考えられます。
ただ、一方で、これはリスクというものを数値で評価をするわけでございますので、数値というのは評価の仕方によって上下をする、100%完全ということもないということもございまして、扱いによっては慎重に対応する必要があるという部分もある。したがいまして、どういうメリット、デメリットがあるのかということをしっかりと個々に評価をしながら活用していくことが重要かということでございます。
次のページに行っていただきまして「シビアアクシデント対応の規制上の取扱」がございます。米国のスリーマイルアイランド事故、それから、旧ソ連のチェルノブイリ事故以降、シビアアクシデントの研究が世界的に非常に進展をいたしました。
我が国におきましても、このシビアアクシデントをどう扱うかということが従前から随分議論がされておりまして、安全委員会の方では、アクシデントマネジメントという形で、シビアアクシデントに対応する、いろんな設備を整備をするということを推奨しています。すなわち、規制上の要件とするわけではないけれども、事業者の実質的な取組みの中でやってください、こういう位置づけになったという経緯がございます。
ただ、世界の趨勢は、シビアアクシデントというものを規制の中で取り扱おうということが、最近かなり大きな動きとして出てきておりますので、我が国におきましても、これを規制上の取扱いということで検討する必要があると考えてございます。
それから、最後に「既存規制制度に関する改善の指摘」とございます。これは、今、班目委員から御指摘のあった2点でございます。安全審査関係文書、運転開始前の総合的レビュー、こういうものをしっかりとやっていく必要があるんではないかというIRRSの指摘がございますので、これについてはしっかりと対応していくことを考えております。
次のページでございますが、「放射線業務従事者の被ばくに関する原子力安全条約検討会合での指摘」とございます。これはデータを見た方がいいと思うんですけれども、資料4-2の21ページを見ていただけますでしょうか。「放射線業務従事者の被ばく(集団線量)」とありますけれども、これは一人ひとりということではなくて、1年間に1つの発電所当たりどのぐらいの被ばく量があるのかというデータでございます。
日本は、80年代はかなり高かったんですが、その後、急激に減りまして、90年代は諸外国に比べても相対的に非常に低い、非常にいい成績であったと思います。ところが、諸外国はそれからまたどんどん低減をした、日本は余り変わらなかったという経緯もございまして、今は日本の集団線量は高い部類に属しているという状況にございます。
これは、作業環境とか、放射線レベルが高いとか、そういうことでは全くございませんが、恐らく考えられる原因としては、過去、事故、トラブル、いろいろな事案がございまして、点検の量が相当多かったということが1つの要因ではないかと思われます。その辺りを含めまして、これの低減について、諸外国の例等も参考にしながらやっていくということが課題になってございます。
村上委員長
済みません。バックエンドの話ではないんだけれども、放射線の話が出ましたので、先ほど石榑委員がおっしゃった文科省の放射線検討委員会その他との関連がどんなふうか。
大村基盤課長
後の方で出ますので、後でまた。
それから、次の背景としまして「規制対象の拡大・多様化への対応」がございます。左の項目を見ていただきますとわかりますように「中間貯蔵事業の進展」「プラント廃止措置の本格化」「放射性廃棄物処分等に係る状況の進展」ということで、特にサイクル、バックエンド関係が多いんですけれども、こういった分野につきましては、どんどん事業が進展をしていく、拡大をしていくという状況にございまして、かなり精力的にいろんな制度整備をしていく必要がある分野となります。
ただ、何を取り組んでいくのかという課題につきましては、それぞれの項目につきまして、今、かなり見えているというか、予見できるということで、例えば、中間貯蔵事業にしましても、既にむつの中間貯蔵施設の安全審査、輸送容器の安全審査が行われておりますが、こういったものの取扱いについて、今後、具体的に運用の整備を図っていくということは課題として想定されているということでございます。それは廃止措置の本格化につきましても同じです。放射性廃棄物処分につきましても、整備すべきところがかなりまだ多いんですけれども、取り組むべき課題につきましては、ある程度整理はされているという状況にあるというふうに理解しています。
その次のページの(4)に「次世代軽水炉の開発」がございます。平成20年度から、国のプロジェクトといたしまして、次世代の軽水炉を国内メーカーを主体に進められております。これはどういったものかといいますと、資料4-2の22、23ページを見ていただきますと、2030年前後に見込まれる国内外の代替炉の建設需要に備えまして、世界標準を獲得し得る次世代軽水炉を開発しようということで、23ページには新しい6つのコアコンセプトがございまして、こういう開発が現在、開始をされているところでございます。これにつきましては、開発側からも規制側に対して、今後、どういった安全上、規制上の要件が必要なのかということにつきまして、できるだけ意見交換をしていこう、こういう要請がございまして、規制当局の立場からしても、できるだけ予見性を高めるという観点から、しっかりと検討していく必要があるのではないかということで、課題の1つに挙げてございます。
次のページへまいりまして「社会・国際環境への変化への対応」ということで、近年のエネルギー問題、地球環境問題等を背景といたしまして、さまざまな取組みが国際的にも行われており、国内的にも行われているということでございます。その1つの大きなものが「既存設備の有効利用への取組」でございます。真ん中にありますように「出力向上」「長期サイクル運転」「リスク情報の活用」で、特に運転中保全、オンラインメンテナンスという取組みが行われてございます。
一番上の「出力向上」につきましては、大きな設備変更はしないんですけれども、今の実力の中で出力向上が図れる部分がある。ただ、その場合に、安全上の影響というものはしっかりと確認をする必要がございますので、これは既に着手をしているところでございます。
「長期サイクル運転」は、新検査制度の実施に伴う、運転期間が長くなった場合の炉心への影響を規制当局としてはしっかりと確認をしておく必要があるというものでございます。
最後のオンラインメンテナンスにつきましては、これは今後の話でございますが、事業者が、通常は定期検査中、要するに、運転を停止している状態でいろんな機器のメンテナンスを行うわけでございますけれども、これを運転中に実施をするということが検討されております。オンラインメンテナンスにつきましては、定期検査でたくさんの機器を一気に点検をすることで非常に作業が輻輳するということで、これを分散することによる各種のメリットがございます。ただ、一方で、運転中に機器の停止があるということで、リスク上のいろいろな変動もあるわけでございます。したがいまして、そういうのをトータルとして見て、本当に安全性が確保できるかどうか、この辺りをしっかりと確認をしながら、この導入の可否も含め、検討していく必要があるということが課題として挙げられるものではないかと思います。
次のページでございますが、「原子力利用のグローバル化の進展」がございます。この場でも何回か出ておりますけれども、多国間設計プログラム(MDEP)という活動がございます。これは、各国のメーカーが新規の設計炉をいろいろ開発をし、提案をしているわけでございます。実際に審査をされているものも幾つかございます。したがいまして、各国が新規の設計炉について導入しようという場合に、国際間で規制の標準化、情報の共有を図っていこうということで、OECD/NEAにおきましてやられている活動でございます。これは日本も参加しているわけでありますけれども、特にその次の項目にありますベンダーインスペクションにつきましては、我が国においても非常に大きな関連があるということでございます。
そのベンダーインスペクションですけれども、これはグローバル化の進展の中で、日本も輸出をすることになるでしょうし、海外から機器の調達というものも今後恐らく拡大をしていくということになりますと、輸入国の規制機関がそれぞれのメーカーの製造に関する検査を行う。これは世界的に既に行われていることでございますけれども、これを国際的にハーモナイゼーションを図っていこうという動きがございます。現在、各国の状況の調査であるとか、今後の可能性、こういったものを検討しているわけでございまして、日本としても、これにはしっかりと関与をしていく必要があるということではないかと思います。
駆け足で恐縮ですが、その次のページに「国際的な安全規制の共通化」という項目がございます。ここに「放射線防護に係るICRP勧告の我が国規制への反映」という点がございます。これは石榑先生の御指摘のところかなと思います。国際放射線防護委員会ICRPは、2007年に新たな勧告を公表しております。
資料4-2の34ページにこの辺りを少し解説をしてございます。ICRPでございますけれども、1950年に設立をされた放射線の専門家の委員会で、ここの勧告が非常に権威あるものとして、国際的にはこれを各国の規制に反映する、取り入れるということが従前から行われてございます。
そのときに、国内の体制としましては、放射線審議会でしっかりと検討して、それを各規制機関等が活用を図るというスキームになっております。現在の法令は、ICRPの1990年の勧告をベースにしているということでございますが、2007年に新たなICRPの勧告が出ましたので、これをどう取り入れるかということで、放射線審議会の方で現在検討を開始したところと理解をいたしております。
したがいまして、少し時間がかかるかなとは思うんですけれども、これを保安院の規制におきましてもしっかりと反映をしていくことが今後必要になってくるということで、この点につきましては、放射線審議会の審議状況をよくフォローしながら、保安院の中でも、どういった対応をしていくのかということは、体制面も含めてしっかりと構築をしていかなければならないんではないかと、こういうことでございます。
本文に戻っていただきまして、その次の11ページ「ステークホルダー・コミュニケーションの充実」というのがございます。これは前回、相当突っ込んで御議論いただきましたけれども、まず1つは、規制課題の設定、何に取り組んでいくのかというところにつきまして、検討している段階から先取り的に関係者と情報共有を図りながら、また意見交換をしながら設定をしていく必要があるという非常に強い御意見をいただいたと考えております。
それから、それとの関連で、結果としてこうでしたということではなくて、安全審査等の規制のプロセスの中で、特に地元の方々なども含め、関係者とよく意見交換なり情報公開をして、意見の反映を図るという活動も大事なのではないかという御指摘がございました。そういった意味のコミュニケーションの充実、この方策につきまして、いろいろ検討していく必要があるのではないかと考えてございます。
12ページでございますが、「産業界とのコミュニケーション」につきましては、これも前回説明をいたしたところでありますけれども、IRRSの報告書でも指摘を受けてございます。したがいまして、民間の関係の機関等の活動も含めて、コミュニケーションの一層の充実を検討していくのが1つの課題であろうと思います。
最後の「5.業務の課題と規制資源の制約への対応」でございますけれども、規制業務につきましては、非常に高度化をし、複雑化もしてきている。トラブルがあるたびに、いろいろ制度の見直し等をやってきたという経緯もございまして、かなり複雑なものもあるというふうには認識をいたしております。したがいまして、業務量が当然増大をしていく。
それから「人員の制約・高齢化」というような制約要因もある。
あと「業務の品質保証」は、最初のプレゼンでありましたけれども、やはりきっちりとした品質保証を行っていく必要がある。こういった状況の中で、幾つかの課題があろうかと思います。特に品質要求を明確化をしていく必要がございますし、場合によっては外部の専門機関の活用も図りながら、規制全体としてのパフォーマンスをどうやって上げていくのか、適正化を図っていくのか、こういった課題があるのかなと思います。
お時間が相当押してしまいましたけれども、以上のようなことがこれまでいろいろ提起されたものの整理でございます。ただ、まだ足りない点があるでしょうし、不明な点も多々あるかと思います。したがいまして、この場でいただけるものはいただいてよろしいんですけれども、この後、こういうところについてはもう少しという御意見をいただきたいと思いますので、それはまた別途御連絡をさしあげたいと思います。
村上委員長
ありがとうございました。
私の不手際で時間がほとんど残らなくなってしまいましたので、今、御説明のあったことで何か直接的にどうしても聞いておきたい御質問がもしありましたら、簡潔にお願いしたいんです。先ほどの言葉を使えば、総合メニューを出していただいたということなので、まだメニューとして足りないよということもおありでしょうし、それから、このメニューのこの部分についてはこういうふうに考えろという問題提起もございますでしょうから、それは今日ではなくて、別途、文書なりメールなり、また別の機会なりで承らせていただきたいということでお許しをいただきたいと思います。
立っているのが草間委員と服部委員と北村委員、それに内田委員、それでは、できるだけ簡潔にお願いいたします。
草間委員、どうぞ。
草間委員
1つ是非お考えいただきたいのは、安全規制という概念になじむかどうかわからないんですけれども、今までの原子力発電所の止まった原因とかを考えますと、セーフティカルチャーにかかわるところが大変多かったんだろうと思うんです。だから、人材育成のところに入るのかもしれないですけれども、人材育成というのが単に高度化とか先進化に対応した人材育成というだけではなく、セーフティカルチャーを醸成するためにどうするかということも入れていただく必要があるんではないかと思います。
それと、先ほどICRPの御説明があったときに、これは放射線業務従事者の被ばくが大変関係するわけでして、放射線業務従事者というのは、今、原子力発電所だけでなく、さまざまな場所を異動して歩く。雇用の多様性に伴いまして、大変異動が多いので、そういう意味では、必ずしも保安院だけではなく、文科省、特に職業被ばくということになりますと、厚労省との関係等も出てまいりますので、関係省庁との連携に関しても、一番右側の欄に入れておいていただくとありがたいと思います。
以上です。
村上委員長
ありがとうございました。
特にお答えはよろしいですね。
服部委員、どうぞ。
服部委員
先ほど斑目先生の方から大変重要な指摘をされたと思うのですけれども、資料3が資料4-1にどういうふうに取り込まれるのでしょうか。資料4-1というのは、課題ごとに整理をされているのですが、多分それぞれの課題を横軸とすると、資料3で指摘されたものは縦軸として各課題に共通の課題として関わってくるのではないかと理解しています。例えば、先生の指摘をされた段階規制の話だとか、あるいは第三者認証の話などなどがそれぞれに関係してくるのではないかと思いますので、是非、資料の3と4-1をうまく合体させるような形で整理することを御検討いただければと思っております。
村上委員長
ありがとうございました。
これも御提案としてありがたく承っておきます。
北村委員。
北村委員
個別に申す時間はないと思うので、全体的に一言だけ申し上げますが、基本的に検討の方向については大変結構だと思います。しかし、原子力の中だけで解決できる問題と、国民全体、あるいは先ほどの大橋委員の言葉を借りれば、他省庁連携的に、より供覧的に対応しないとどうにもならない問題も幾つか入っているように思います。そうしなければ解決できない、どうにもならない問題を原子力規制の中だけで解決しようと努力すると無理が生じますので、その点についてだけ、どこかにリマインダーをつけていただければなと思う次第です。
以上です。
村上委員長
ありがとうございました。
これも貴重な御提言として承らせていただきます。
内田委員、お願いいたします。
内田委員
原子力職場で働く者の立場ということで「産業界とのコミュニケーション」について要望させていただきたいと思います。先ほどのテーマの中で、安全ということが論点になっておりましたが、働く者の立場から見ても、安全というのは最優先課題でございます。電気事業ということになれば、公衆の安全と自らの安全を守るという視点がございますが、これは双方に関連がございまして、地域の安全が守られなければ自らの安全も守られないし、自らの安全を守れば地域の安全が守られる、こういう関係にございますので、今後とも安全優先を第一義に働いていきたいと思っております。
そういった意味から、新たな技術とか人材育成ということもございますので、規制側と働く者双方のコミュニケーションが非常に大切であり、どういう目的で検査をやっているかということが働く者が理解していないといけないと思います。実際に現場で働く者さらには労働組合という組織もございますので、労働組合とか働く者とのコミュニケーションについて、要望いたします。
村上委員長
ありがとうございます。
これも大変大事なことを承ったと思います。
無理に時間短縮させてしまって申し訳ございませんでした。ほかにどうしても発言しておきたいという御要望が、何となくこっちが強要しているようで申し訳ないんですが、なければ、ちょうど時間になりましたので、今日の「第4回基本政策小委員会」はこれで終わらせていただきます。皆様方に大変御熱心な御討議をいただきまして、誠にありがとうございました。できる限り今後の進行に役立てさせていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
大村基盤課長
次回でございますけれども、日程を調整させていただきまして、御都合のよいときに設定させていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
村上委員長
いずれにしてもまだ次回がございますので、御了解ください。
問い合わせ先
経済産業省
原子力安全・保安院原子力安全技術基盤課
電話:03-3501-0621
FAX:03-3580-5971
最終更新日:2009年10月9日
