経済産業省
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低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会(第1回)-議事録

日時:平成21年4月6日(月)13:30~15:30
場所:経済産業省別館10階1014会議室

議事概要

  • 畠山ガス市場整備課長
    どうも。皆さんおそろいですので、少し早いですが、始めたいと思います。
    ただいまから第1回低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会を開催させていただきます。私は本研究会の事務局を務めますガス市場整備課長の畠山と申します。よろしくお願いいたします。委員の皆さま方におかれましては、ご多忙のところご出席いただきまして、どうもありがとうございます。
    まず本研究会の開催に当たりまして。西山電力・ガス事業部長よりごあいさつを申し上げます。
  • 西山電力・ガス事業部長
    皆さん、こんにちは。電力・ガス事業部長の西山でございます。本日はお忙しいところをご出席いただきまして誠にありがとうございます。
    さて、政府におきましてはポスト京都、すなわち2013年以降の気候変動に関する国際的な枠組みにつきまして、本年末にコペンハーゲンで開かれますCOP15に向けた検討を行っているところです。つい最近では3月27日に首相官邸におきます中期目標検討委員会において、中期目標の五つの選択肢が提示されたところです。今後、合意に向けまして、さまざまなレベルで議論が進められていくことになると思います。
    また、本年1月の総合資源エネルギー調査会の総合部会というところにおいて、エネルギー供給構造の高度化および地球温暖化問題の対応という観点から、従来の石油代替エネルギーの開発・導入という政策を見直しまして、非化石エネルギー、化石エネルギーではないエネルギー導入の拡大、それから化石資源につきましては、その高度利用、あるいは有効利用を図っていくという形の政策の方向性が示されたところです。これに関しまして、先日、関連の二つの法案が国会に提出されたところでもございます。
    このように、わが国のエネルギー環境を取り巻く状況というのは大きく変化しております。こうした中で、わが国のエネルギー供給の重要な一画をなすガス事業につきましても、来るべき低炭素社会においてガス事業が占める位置づけをあらためて明確にすることが必要であると思いますし、また、その将来像をしっかり描いておくことも重要であると判断したところです。そういう考え方から、この研究会を設置させていただくことといたしました。
    委員の皆さま方におかれましては、低炭素社会におけるガス事業の道標となるような方針をお示ししていただきたいと思います。そういう意味で、忌憚のないご意見をちょうだいすることを期待いたしております。まず、冒頭に当たりまして、今のようなお願いを申し上げて、私のごあいさつとさせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  • 畠山ガス市場整備課長
    続きまして、資料2としてお配りしております委員名簿に沿って本研究会の委員のご紹介をさせていただきます。なお、本研究会の座長につきましては、誠に勝手ながら事務局からの推薦として、柏木東京工業大学統合研究院教授にお願いしております。それでは、まず柏木座長から一言ごあいさつをいただければと思います。
  • 柏木座長
    どうも柏木でございます。大変なメンバーの中で、座長という大変な大役をお引き受けさせていただきまして、皆さま方とともに、いい審議をさせていただければと思っているので、よろしくご協力をお願いしたいと思います。
    私自身は今から25年ぐらい前から都市部を含めたエネルギーシステム解析を専門としております。その中で、私どもの定量的な答えとしては、電力に関して言えば、原子力のような大規模のメガインフラの上に、熱需要のあるところに、今現在ですと自然エネルギーも含めて、分散型の合理的な利用が要所、要所に入ってくると。これがうまく調和したときに最も省エネルギー型、今で言うと省CO 2という格好になりますね。これが実現するのだという強い考えを持っておりまして、それを実証しつつ、技術開発もずっと行って、もう既に25年たってきたわけです。最近になって低炭素という形で、2020年問題、CO 2を低炭素型に持ってこられるシステムとはどうあるべきかということになったときに、あらためて今まで一貫してやってきた内容というのが世の中で認知を受けてきたなと考えております。
    ただ、一つ言えますのは、私は今、新エネルギーの部会長を拝命しておりまして、自然エネルギー系の新エネルギーはこれからインフラがそろってきて、ですから、大量に導入されればもちろんのことながら、例えば太陽電池が大量にディマンドに入ってくることになりますと、やはり系統との一体化で考えていかなければいけませんし、これからインフラを伴う新しいシステム、これが比較的リードタイムが短くて、低炭素化にぐっとシフトしていくには重要だと考えています。
    一方において、やはり電力、ガス、熱供給は既にインフラが伴っているものがあります。このエネルギーシステムというのはインフラを伴っていますから、そう簡単に変えられない。これをいかにうまく使っていくかというのが併せて重要になるわけです。この中で電力というのは二次エネルギーですから、極めて有効なエネルギーシステムを構築するインフラだと思いますけれども、ガスは一次エネルギーですので、一次エネルギーから電気もできれば、熱もできれば、最もその根源をなすのが、やはり物質を輸送するパイプラインだと思っております。そういう意味で、この委員会、研究会に課せられた使命というのは極めて大きいと思っています。
    今までガスといいますと、役所の中でも料金のことは随分しっかりやってこられた。この全体のグランドデザインとか、そういうことはそれぞれの事業者に任せておられたような気がしました。これを、こういう大変な、余人をもって変えがたい皆さまとともに、グランドデザインはどうあるべきかと。2050年という長期ビジョンを含めて、バックキャストしながら2020年問題等々を多角度から検討して、ある方向性を明確にさせていただきたいと思っております。
    今日もコンパクトシティの村上先生がいらっしゃいますが、私は村上先生にはいろいろな意味で、建築行政の分野でご指導いただいています。今日はどうも国交省系のいろいろな方々がお入りになっておられます。特にこれだけオープンになっておりますので、極めて大所高所から、いろいろとご支援をいただければ。よろしくお願いいたします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    どうもありがとうございました。続きまして、委員のご紹介をさせていただきたいと思います。こちら側から、石井正一委員です。
  • 石井委員
    よろしくお願いします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    小山堅委員です。
  • 小山委員
    小山です。よろしくお願いします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    崎田裕子委員です。
  • 崎田委員
    崎田です。よろしくお願いいたします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    佐々木宏委員です。
  • 佐々木委員
    佐々木でございます。よろしくお願いいたします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    嶋津八生委員です。
  • 嶋津委員
    嶋津です。どうも。
  • 畠山ガス市場整備課長
    高橋晴樹委員です。
  • 高橋委員
    高橋でございます。どうぞよろしく。
  • 畠山ガス市場整備課長
    中蔦賢治委員です。
  • 中嶌委員
    中嶌でございます。よろしくお願いします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    野口通委員です。
  • 野口委員
    野口です。よろしくお願いいたします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    樋口洋一委員です。
  • 樋口委員
    樋口でございます。よろしくお願いします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    前田忠昭委員です。
  • 前田委員
    前田でございます。どうぞよろしくお願いします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    村上周三委員です。
  • 村上委員
    村上でございます。よろしくお願いします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    なお、本日はご欠席されておりますが、このほかに中上英俊委員、それから永田康子委員、松橋隆治委員、山内弘隆委員がいらっしゃいます。
    それでは、以降の議事進行は柏木座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 柏木座長
    それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    それでは、配付資料の確認は表紙の配布資料一覧をご覧ください。資料1から資料10までございます。過不足等がございましたら事務局までお申し付けください。

(1)「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会」の設置について

  • 柏木座長
    よろしいでしょうか。では、続きまして資料3ならびに資料4に基づきまして、事務局から本研究会の設置の趣旨および議事の取り扱いにつきまして、ご説明をお願いいたします。
  • 畠山ガス市場整備課長
    資料3をご覧ください。先ほど部長の方からもご説明申し上げましたが、設置趣旨といたしましては「低炭素社会を構築するため、エネルギー供給構造の高度化や地球温暖化問題への対応の観点から、ガス事業における課題を示すとともに課題を克服するための具体的な政策等の検討を行うことを目的に、資源エネルギー庁電力・ガス事業部に『低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会』を設置することとする」と。検討内容につきましては以下に示されたとおりです。
    それから資料4をご覧ください。「議事の取り扱い等について」ということで、1「議事要旨については、原則として会議終了後1週間以内に作成し、公開する」、2「議事録については、原則として会議終了後1カ月以内に作成し、公開する」、3「本研究会は、原則として公開する」、4「配付資料は、原則として公開する」、5「本研究会の開催については、事前に周知を図るものとする」、6「個別の事情に応じて、会議または資料を非公開にするかどうかについての判断は、座長に一任するものとする」というのが案です。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。今の資料3、4につきまして、いかがでしょうか。お諮り申し上げたいと思います。設置の趣旨ならびに議事の取り扱いは、ここにありますように原則オープンということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、議事の取り扱いにつきましては、このようにさせていただきたいと思います。
    引き続きまして、次の議題について事務局からご説明をお願いいたします。

(2)わが国のエネルギー・環境政策を巡る最近の動向
(3)今後の検討課題について(案)

  • 畠山ガス市場整備課長
    ちょっと今日は盛りたくさんですので、できるだけ簡潔にご説明したいと思いますが、資料5をご覧ください。まず私の方からは「わが国のエネルギー・環境政策の展開」ということで、先ほど部長からもごあいさつを申し上げたような最近の動きについて、全体像をざっとご紹介するとともに、その中で天然ガスの位置づけ等を若干ご紹介して、その次に資料6ですが、検討課題として掲げられている点についてご説明したいと思います。
    それでは、まず資料5の2ページ目をご覧いただけますでしょうか。「わが国のエネルギー・環境政策の展開」ということで一覧表というか、ポンチ絵があるかと思います。皆さまもご存じのことが多いかと思いますが、ざっと全体像を申し上げます。
    平成14年6月にエネルギー政策基本法というのができました。この中で三つの基本方針ということで黄色い四角が書いてありますが、(1)安定供給の確保、(2)環境への適合、(3)市場原理の活用ということが掲げられ、これに基づいてエネルギー基本計画というのが策定されております。現行の基本計画は19年3月に、2年前に改定されております。基本計画そのものは今後10年程度を一つの目安として、ここに書いてありますとおり、3年ごとに見直しを図るということになっております。
    それから、平成18年5月には新・国家エネルギー戦略というのができまして、目標として、エネルギー安全保障の確立、エネルギー問題と環境問題の一体的解決による持続可能な成長基盤の確立、アジア・世界のエネルギー問題克服への積極的貢献ということで、幾つかの具体的な戦略目標が掲げられております。それはここに書いたようなとおりで、30%以上の省エネとか、2030年を目標に数値目標が掲げられています。
    それから、地球環境問題の関係で申し上げますと、真ん中の上の丸にありますが、京都議定書の目標達成計画が平成20年3月に改定されて、ご承知のとおり、基準年比6%削減を2008年から2012年度に行うということを目標にしております。
    それから平成19年、20年に入りまして、右側の四角の低炭素社会づくり行動計画というのが平成20年7月に閣議決定されました。ここでは2050年というものをレンジとして、現状から60~80%のCO 2を削減するというようなことを目標に掲げております。これに伴い、技術開発等が行動計画の中で示されております。
    真ん中のところに長期エネルギー需給見通しというのが書いてありますが、これも昨年5月、2010年のエネルギー需給見通し、京都議定書達成ということを意識しつつ、先ほど申し上げた新・国家エネルギー戦略の姿として、2030年のエネルギー需給見通しを立てているということです。これがおおよその全体像でして、あとはささっとご説明申し上げたいと思います。
    5ページをちょっと見ていただいて、「エネルギー基本計画の中における天然ガスの位置づけ」ということです。3年ごとに基本計画に検討を加えて、必要があると認めるときは変更するということになっていますが、現行基本計画の位置づけでは、下の四角に書いてありますとおり、「天然ガスの導入および利用拡大を推進する」と。
    それから(2)「天然ガスの調達・国内流通の円滑化に向けた取り組み」を進めるということで、「パイプラインにかかる投資インセンティブの付与」「関係行政機関の連携によりガス導管網の整備とその相互連携や第三者利用を促進する」といったようなことが書かれています。
    それから(3)「需要拡大のための方策」として、「効率的な天然ガスコージェネレーション、燃料電池等の分散型電源の導入促進に加え、競争環境の整備等を通した販売価格の引下げを図る」というふうになっております。
    それから6ページ目をご覧いただいて、新・国家エネルギー戦略においても、四角の中に書いてありますとおり、「石油・天然ガス開発企業に対する支援の強化」「天然ガス調達戦略の強化」「化石エネルギーのクリーンな利用の開拓」ということで、CO 2負荷の少ない天然ガスの利用拡大等が示されております。
    続きまして7ページ目をご覧ください。長期エネルギー需給見通しが平成20年5月に策定されましたが、ご覧いただきましたとおり、2005年度の一番左上の「一次エネルギー国内供給」というのが、原油換算で587/100万キロリットルということになっていまして、2020年度最大導入ケースが561、それから2030年度最大導入が526という数字で、天然ガスにつきましては、全体がこう動く中で、ご覧いただいたとおり、構成比が15%、最大導入ケースで14%、2030年も14%というぐらいのところが今の見通しの中で掲げられているところです。
    それから8ページです。これは先ほどの部長のごあいさつにもございましたとおり、一番下の四角に書いておりますが、エネルギー供給構造高度化法案等を国会に提出しております。本年の3月10日に閣議決定がなされました。
    具体的には9ページ目をご覧いただければと思います。真ん中の緑色のところが、ちょっと長い名前ですが、正式な法案の名称です。その下の四角に書いてありますが、具体的にはエネルギー供給事業者(電気・石油・ガス事業者)による二つのこと、一つは非化石エネルギー源の利用、もう一つは化石エネルギー原料の有効な利用というものを促進するということが掲げられております。
    続きまして11ページをご覧ください。これは先ほどご紹介した京都議定書の目標達成計画です。この中には、先ほど柏木座長からもお話があったような「面的な利用の促進」と、その四角の中に掲げてありますが、「低炭素型の都市・地域構造や社会経済システムの形成」ということで、「面的な利用の促進」ということで幾つか掲げられています。
    それから「エネルギー転換部門の取り組み」ということで、天然ガスの導入・利用拡大、それから水素社会の実現等々が掲げられております。
    続きまして12ページです。こちらが2050年までの長期目標を出した福田ビジョンを達成するための行動計画として示されたものです。これは先ほど申し上げたとおり、2050年までに現状から60~80%の削減ということで、(3)「2009年のしかるべき時期に、わが国の国別総量目標を発表する」と。これが後で出てくる中期目標ということになるかと思います。そういう目標を立てておりまして、技術開発の議論、それから地方、国民の取り組みの支援といったようなことが明示されております。
    次に13ページに行っていただいて、この中期目標の議論につきましては昨年11月から中期目標検討委員会がスタートされています。これは設置の趣旨のところからの抜粋ですが、複数の目標値というのが提示されて、今後は多分広く意見を聞いて、政府において諸事情を勘案しながら何を採用するかというのを別途判断するということになるかと思います。
    以上が大きくエネルギー政策、それから地球温暖化関係の動きです。
    続きまして、ガス事業政策の方について若干触れさせていただきます。16ページをご覧いただければと思います。ガス事業制度につきましては平成7年以降に自由化を開始しまして、16ページの下に絵が描いてありますが、200万m 3から徐々に拡大してまいりました。
    その上で、17ページをちょっと見ていただくと、昨年の4月に制度改革評価小委員会で、これまでの制度改革の評価を行い、「全体としての評価」というところの中に書いてありますが、自由化開始以降、ガス供給コストの削減によるガス料金の低減、シェアの増加等を一定程度実現しております。
    それから、世界的なLNGの需要増等を背景にして、LNG需給は今後とも厳しさを増していく恐れがあると。それから、インフラについては順調に整備は進捗しているものの、インフラ整備の余地は依然として存在しているといったようなことが評価として挙げられておりまして、今後の検討課題として、先ほどの10万m 3まで来ている自由化の範囲の拡大をどうしていくかということです。
    それから、これは18ページに掲げていますが、今日はご説明は申し上げません。幾つかの諸制度につきまして見直しを進めていくことが適当であるとされております。
    以上が今の幾つかの状況です。
    続きまして、資料6の一枚紙を見ていただけますでしょうか。取りあえず資料6の一枚紙に事務局として「今後の検討課題の案について」ということです。
    まず一つは、本日も何名かの方からプレゼンテーションをいただくことになっておりますが、そもそもの天然ガスの特性、それからガス事業のそもそもの特性というのをあらためて整理するということがまず必要なのかなと。
    それから二つ目以降として、先ほどの全体が動いている中で「低炭素社会に向けてガス事業の進むべき将来像はどういう姿か」と。幾つかの要素はあるとは思いますが、熱と電気の組み合わせによるエネルギーの有効利用をどう図っていくのか。それから燃料電池を活用した水素社会の構築というのをどう目指していくのかといったあたりのところ。
    それから、そういった将来像とある程度、大いにつながる形で、「民生部門においてガス事業をいかに展開していくべきか」。それから「産業部門においてガス事業をいかに展開していくべきか」といったようなことについて、相互に性質が違う部分もあるかと思うので、ご議論いただければと。
    それから、新しい法律との関係も含め、ガス事業において新エネルギーの導入をどう積極的に進めていくべきか、バイオガスの利用拡大等も含めて議論してみてはどうかと思っております。取りあえず、ばたばたとご説明の方を終わらせていただきます。
  • 柏木座長
    どうもありがとうございました。特にこの資料6は案ですが、後でまとめて、ディスカッションのときのポイントとして示させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

(4)委員等からのプレゼンテーション

  • 柏木座長
    それでは、今日はこれからお三方からプレゼンテーションをいただくということになっております。まずは小山委員、次に本日は特別にご出席いただいております独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、JOGMECの石井主席エコノミスト、最後にガス協会の高橋委員からプレゼンテーションを行っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
    まず小山委員にやっていただいた後、石井エコノミストにやっていただいて、高橋委員です。その後ディスカッションとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
    まず小山さん、よろしくどうぞ。
  • 小山委員
    座長、ありがとうございます。では早速、お手元の資料に沿って報告させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
    資料7ですけれども、私は天然ガス・LNGを含めて、世界のエネルギー情勢という観点で日ごろ研究しておりますので、今ご説明いただいた資料6、今後の検討課題を議論していただく際の一種のたたき台というか、参考資料ということで資料をまとめております。
    私が今日申し上げたい点は主に二つございまして、一つは天然ガスについては非常にさまざまな有用性があるエネルギー源だということで、その有用性のために、これまでも市場は拡大してきたし、これからも非常に大きな期待があるということを最初にご説明したいと思います。
    2点目は、その天然ガス・LNGについては昨今のエネルギー市場の中で課題というか、不確実性というのも出ております。これをきちんと解決する、対処していくということが、天然ガスの将来の発展という意味でも非常に大事ではないかということをご報告したいと思います。
    早速ページをめくっていただいて2枚目です。これは過去40年間余りにわたってのエネルギー別の消費量の推移を示しております。天然ガスは黄色の線ですけれども、一つ申し上げたい点は、エネルギーの中で最も安定的に、そして大きな量を持って拡大してきたのが天然ガスであるということです。他のエネルギー源の場合ですと、その動きに不安定な部分があったり、あるいは割合としては非常に拡大しても、量的な貢献という意味では限定的であったりする面がございます。その2点について、天然ガスは非常に大きな役割を過去に果たしてきているということが一目瞭然です。
    それはなぜかということで申し上げれば、スライドの3番目になりますけれども、ここに挙げた6点のような有用なアドバンテージというのがあるということです。天然ガスの場合は、化石燃料の中で最もクリーンなエネルギーであるということは、ここにお集まりの皆さまはよくご存じですし、かつ「有意な」と書きましたのは、その量的な面で大きな貢献ができるエネルギー多様化ソースであるということでした。また、これまでの経緯の中で供給サイド・消費サイドの両方でいろいろな技術進歩というのがあって、それを活用することができた。資源的にも埋蔵量が比較的分散して豊富にあり、そしてこれまでのLNGなどでもよく見られるとおり、長期の契約に基づいて高い安定供給性というのが担保され、エネルギー源として信頼性があった。それに加えて、最近ですとインフラの整備の進展やLNG市場の発展といったために、信頼性とともに柔軟性が増すということで、こういうような発展があったということです。
    スライド4を見ていただきますと、これは世界全体で見た天然ガス需要についての見通しを整理したものでして、IEA、あるいはアメリカのエネルギー省といったような予測機関が、これから先、2030年にかけて、基準ケースの場合ですと大体5割の需要増を、地域的に言うと例えばアジアなどを中心にして予想しているということになっているわけです。
    ここの出所のところでIEA“World Energy Outlook 2007”となっておりますが、失礼しました。これは2008の間違いですので、訂正をお願いいたします。
    その2008年のWorld Energy Outlookで、地域別に需要がどう増えるかを分析しているのが、スライド5にまとめてございます。上の紫色の部分が1980年から2006年、下の緑色の部分が2006年から30年の増分で、ポイントは、世界のほぼすべての地域において需要の増加が見込まれていることであり、同時に、特に中東やアジアといったようなところで、天然ガスの需要の拡大というのは非常に強く見込まれているというのが、この地域別の特徴になります。
    用途別に整理したものが、次のスライド6です。全体で申し上げますと、これから2030年までに52%増えるということですが、ほぼすべての用途にわたって万遍なく、着実に需要増加が期待されている。ただし、この見通しにおいては発電用での需要増加というのが一番高く見られております。ただ、他の用途におきましても天然ガスの拡大というのが織り込まれているということが一つの大きなポイントかと思います。この天然ガスの市場の拡大と発展の中で、供給サイドというか、市場の供給面においてもいろいろな変化が出てまいりました。
    一つは、スライド7にあるとおり、LNGの市場の拡大、役割の大きさということが出ております。ご案内のとおり、日本は天然ガス供給のほぼすべてをLNG供給で賄っているわけですが、世界的に見てもLNGの拡大というのは著しい。赤で示しましたパイプラインによる供給というのが、現在でも世界の主流ですけれども、過去10年余りの場合に、LNGの場合ですと2倍に伸びるということで大幅に増えてまいりました。
    しかも、スライド8にございますとおり、いわゆる非伝統的な取引、スポット取引と括弧付きにしましたけれども、かなり柔軟な取引というのが拡大してきたことは皆さんもよくご承知のとおりです。これはたまたまデータが2007年まででして、これから先、2008年以降のデータが出てまいります。ただ、その2008年以降のところは、この非伝統的な取引がやや鈍っているのではないかと思いますけれども、それでも、いわゆる柔軟な取引量が世界の中で大きく拡大してきて、2007年レベルでいうと全体の2割、これだけそういう柔軟な取引というのが増えてきているということです。もちろんこれは石油のスポット市場のように、本当に自由で柔軟なものとは若干違いますけれども、それでも、このLNGの市場の構造というのは変わってきたと思います。こういった点を踏まえて、天然ガス、LNGの利用拡大が進んできたということかと思います。
    スライド9は、こういう天然ガスやLNG市場にどんな、先を見る上で注意すべき点が出ているのかということを3点、簡単にまとめております。まず1点目は、国際的なガスの需給バランスに足元では大きな変化がある。これはご案内の金融危機の影響もあり、また、特に世界で最も重要なガス市場であるアメリカにおいて、新しいガス資源というか、ガスの供給が開発されてきている点があります。これが一つ大きなポイントだということでまとめております。
    2番目はガスの供給セキュリティに関しての問題について、ここのところ関心が非常に高まったということがあるということです。これは後で申し上げる、ロシアとウクライナの間のガスの紛争などが、一つの重要な契機になってしまったというようなこともあって、実際にエネルギー関係者、政策関係者の関心を集めております。
    そしてもう一つは、先ほど座長、それから事務局の皆さんの方からご説明があった、これからまさに非常に重要になってくる環境問題と、その対応策がどう影響してくるのだろうか、という点です。ここは非常にまだよく見えないところがたくさんあるということですが、この三つにまとめたとおり、そもそも長期的なポスト京都の枠組みがどうなっていくのかということ自体、これから先、まさに決めていくことであり、長期的に低炭素社会に移行していく場合、どういうパスやどういう時間的な感覚でもってそれが進んでいくのかということが重要であり、かつその中で、例えばCCSといったような技術開発によっては化石燃料の需要に対しての影響がさまざま出るということで、この3点が非常に大きなポイントになると思っております。
    以下、その3点を簡単にご説明してまいりたいと思います。金融危機後、これはすべてのエネルギー源について同じですが、やはり実体経済が悪くなる中で、産業活動の低迷等で、やはりガス需要も鈍化してきている。これは世界的にもそうですし、わが国でもそれが見られてきているということです。
    そして2番目に書いたとおり、需要が鈍化する中で、昨年の夏まで続いてきた、いわゆる高価格期までに投資決定されたプロジェクトがどんどん立ち上がってきているわけです。それから、少し詳しく申し上げる米国でのガス供給の非在来型の供給拡大というようなことがあって、ガス・LNGの国際市場も大きく様相を変えてきているといったところがポイントです。当面は、ガスを買うという点にとってはやや優位なというのでしょうか、2008年ぐらいまでの状況とはだいぶさま変わりし状況が出てきているということで、その点は本当に大きなポイントなのですが、ただ、中長期的に見て、今と同じような状況がずっと続くかどうか。これはまだ、なかなか読めないと思います。
    供給サイドにつきましては石井さんの方から後で非常に詳しくお話しいただけると思いますけれども、この金融危機が収束していった暁には、いずれ途上国を中心にしてガスの需要は拡大していく可能性があると思います。その中で、これから先、投資決定をしていく新規のプロジェクトがどうなっていくのかといった点は、今後のガスの需給を見る上で大きなポイントだということです。
    その辺を簡単に1つずつ見てまいりますと、スライド11は非在来型のガスです。アメリカでは国産のガスというのがもう限界というか、あまり増えないのではないかと見られていた時期さえあったわけですが、実は全くそれが外れていたというか、違ったということです。今や、いわゆる非在来型、シェールガス、CBM、タイトサンドガスといったような非在来型のガス源が全体の半分ぐらいを占めるようになってきた。これはまさに、ひとえにアメリカでのガス開発に関する技術革新が展開されていったことと、昨年までのガス価格の高騰といったことによって開発が促進されたわけです。この下のグラフにありますとおり、非在来型のガスの供給量の見方が大幅に上に修正される結果、国内向けに入ってくるLNGの需要量というのが相当下方修正されるということで、アメリカのガス市場は大きいだけに、世界的にも大きな影響を与えるわけです。
    右側の方はアメリカのシェールガス資源ですが、このガス資源は別にアメリカに限ったことではなく、世界的にも賦存しているといわれております。
    こうした中で、世界とアジアのLNGの需給バランスをまとめたものが次のスライド12、13です。簡単に申し上げますと、これから先、LNGの需要は世界的にも増えていく。スライド12の場合ですと世界が2030年で約4億トン。スライド13ですと、アジアについては2030年に2億トンまで増えていく可能性がございますけれども、今立ち上がっているプロジェクトで、もう既に契約等が結ばれて確度が高いもの、そして今、事業化が検討されているものといったものを加えると、十分な供給余力があるという状況です。加えて、スライド13のアジアの場合ですと、ピンク色に書いてあります、いわゆる大西洋市場から柔軟性を持って供給される可能性のあるものというのを加えると、十分な供給があるというふうに見ていいということかと思います。
    天然ガスの供給を支える資源を見てみますと、スライド14にまとめました。これは石油と比較して、隣に石油を置けばよかったのですが、ガスだけとなっております。石油に比べますと、いろいろな国、いろいろなところで賦存しているというのが一つの特徴です。ただ、それでも上位3カ国のロシア、イラン、カタールといったところで全体の5割強ということになりますので、これから先、特にこうした大きな資源を持つ国の動向に注目していかないといけないのかなと思います。
    スライド15は、先ほど申し上げたIEAの2008年見通しでの、これから先の天然ガス生産というのを見たものです。やはり2030年にかけて旧ソ連、ロシアや中央アジアといったところが中心になりますし、あとは中東です。ここが2030年にかけて供給量を大きく増やしていってもらうという必要がございます。もちろんそのほかにもアジアやアフリカといったところの供給拡大というのも見込まれておりますが、全体のパイでいうと、やはり旧ソ連、中東というのが、恐らく世界についても、日本への供給という観点でも非常に重要になるだろうということです。
    その点で、今年の年初に起きた一つの事象として、ロシアの対ウクライナガスの供給の停止ということがございました。停止に至る経緯は上の方に文章で書いてありまして、これはご説明いたしませんけれども、結果的に言うと、1月の上旬から中旬ぐらいにかけて10日間余りの間、実際にヨーロッパの一部の国でガスの供給が止まってしまったということが起きました。その結果として、ガスの供給国としてのロシア、そしてそのガスをヨーロッパ向けにトランジットさせているウクライナの両方が、ある意味で評判を非常に落としてしまったわけであります。
    この原因については、私自身は経済的な要因、それから政治的な要因が密接に結びついた結果としてできたということですが、とにかく供給が停止されたということがあって、ヨーロッパではエネルギー安全保障への問題が大きく高まったということかと思います。その下に書いたとおり、実際には代替的な供給源、代替的な供給手段、代替的なエネルギーというのをこれから入れるというのは容易ではありませんし、時間がかかることですけれども、エネルギー安全保障を強化するといったことが、ヨーロッパのエネルギー政策の関係者の間で、アジェンダとして上位に上がった、あるいはトップアジェンダに上がった、そのきっかけになってしまった事象かと思います。
    それからもう一つ、長期の問題を考える上で、「産ガス国の連携を巡る動き」ということでスライド17に書きました。これはいわゆるガス輸出国フォーラムの形成から昨年の第7回の閣僚会合のところまで、徐々に産ガス国間での連携を強めていく必要があるのではないかという話し合いが展開されてきているということです。
    一部、これは即ガスOPECで、カルテルというような感じにとられたような報道振りもありますけれども、私自身はこれがカルテルとか、実際のOPECと同じように機能するというのはまだまだ相当先か、あるいは実現性については難しいのかなとは思っております。ただし、現実問題として大規模なガス資源を持っている国の間で連携を考えようという動きが出ていること自体は注目していく必要がありますし、やはり欧米の専門家も注目するところかと思います。
    不確実性の三つ目ですけれども、これはまさにこれから先の温暖化対策によってエネルギーのミックスが大きく変わるということです。これはIEAの先ほどからご説明している昨年の見通しの中で、2030年について、基準のケースと、550ppm、450ppmということで、非常に温暖化対策を強化していった場合にどうなるかというのを示したものです。世界全体で見て、この中身や数値そのものについてはいろいろな見方があると思いますけれども、エネルギー供給量全体を効率化して省エネを進めていくということと、化石エネルギー源からできるだけ非化石エネルギーにシフトしていくという見通しというのが出されているわけです。
    IEAのOutlookの中では、発電用はガスが一番伸びると申し上げたのですが、スライド19にありますとおり、基準ケースと450ppmのシナリオでは電源についても大きく動きが出てくるということがその整理で出ております。この見方として、黄色の部分が現在の能力、赤の部分で示したのが基準ケースで予想されているもので、緑の部分は450ppmです。ですから、例えば石炭が一番大きく影響を受けるわけですが、基準ケースの見通しに比べて、450ppmの場合ですと全体としての供給量(需要量)そのものが相当圧縮されることになります。しかしその中で、原子力、水力、風力といったような非化石の部分が、今度は450ppmになってくるとかなり追加されて出てこないと、バランスが取れないということです。この場合、上から2番目のガスも、やはり450ppmケースの場合ですと、電源としての必要能力というのがかなり削減されるというまとめになっているわけです。
    最後のスライド20のところで、「まとめ」として申し上げたいのですけれども、冒頭の方で申し上げたとおり、私自身が指摘した天然ガスのさまざまな優位性の6点、これは基本的に不変であると思います。その優位性を背景として、今までも順調にガスの市場は拡大してきて、これから先もその期待は十分にあるということだと思っております。ただ、後半の方で申し上げたさまざまな課題が出ていることも事実でして、それにどう対処するのか、が非常に重要です。今の国際的なエネルギー市場は、まさに金融危機の問題も含めて、非常に多様で複雑な問題が同時に存在しているという状況だと思います。
    私は「魔法の杖」と書いたのですが、本当に一つの素晴らしいものがあって、それさえあると全部解決してしまうというようなことが仮にあるのであれば、それはそれで一つの望ましいものかもしれませんが、それが本当に実際にあるのかどうか、疑問に思っております。その意味でいくと、私自身はすべての有効なエネルギーのオプションが最適な形で有効活用されなければならないのではないかと思っております。
    これは冒頭の方で座長がお話しされたことと、私は全く同感ということで、ガスについての有意性や有効性というのが今の時点で基本的に変わっていないということを考えますと、これから先の対策や戦略については、その効果が出てくる時間軸というのも踏まえることが非常に重要であると思います。またインフラの問題も含め、いろいろな論点を踏まえて、ガスの最適利用を、そしてその他のエネルギーの最適利用を考えていかなければいけないのではないかということです。
    最後のスライドに書いたとおり、様々な課題の部分に対して、どのような対応策を考えていくのかということは、政策や産業や研究・学術すべての領域でのチャレンジかと思いますので、今回のこの研究会はまさにそのための議論ということで、解決策を検討して、立案して、実施していくということにつながれば、これほど望ましいことはないのではないかと思っております。
    以上で私からの報告とさせていただきます。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。世界的な天然ガス・LNGを巡る情勢を極めて明快に、特にまとめの6点は的を突いていたと思っております。
    続きまして、石井さんからよろしくお願いいたします。今日は最初ですので、皆さまからご意見を伺うというふうに予定しております。あらかじめ申し上げておかないと、突然言いますと申し訳ないので、あいうえお順で行けとなっておりますので、よろしくご協力をお願いいたします。
  • 石井主席エコノミスト
    ご紹介いただきましたJOGMECの石井でございます。今日はあまり時間がないこともありまして、かいつまんで供給サイドの状況と、需要に関しても供給サイドからのロジックというのをご説明したいと思います。
    まず最初に資源、あるいは資源量ということなのですが、石油・ガス産業というのは150年の歴史があります。石油に関しましては、非在来型はともかくとして、在来型石油についてはピークオイル論等々、つい1年前まで相当議論が盛り上がっておりました。ピークオイル論うんぬんが正しいかどうか。われわれはそんなにすぐにピークが来るとは思っておりませんが、石油との比較で天然ガスがどういう性格があるのかということなのですが、ここに書きましたのは資源がどういう地下深度で埋まっているというか、生成されるかというグラフです。左の方で1000メートル、2000メートル、3000メートル、4000メートルとありますが、石油は大体2000メートルから3000メートルの間でできるということが今の常識です。それに対してガスというのは、はるかに深いところということです。それに対しまして、世界でこれまで掘られました井戸の平均深度というのは2000メートル行っていないのです。従いまして、原理的に言って、今まではガスよりも石油がたくさん見つかるという性格の探査というのが世界的になされてきたということです。
    それを若干反映するような格好でして、これは世界の埋蔵量の絶対数値ですが、確認された可採埋蔵量の変遷です。青が石油で、赤がガスですが、80年代のころはガスの埋蔵量は熱量換算で石油の大体半分でした。それが2000年を超えるごろから、ほぼ石油に追いついたと。ここで言えることは、ガスの発見の方が最近は勢いがついている、石油の発見を凌駕しているということです。上に書きましたが、資源に関して、ガス資源は石油に比べると、石油が仮に40歳の壮年とすれば、天然ガスというのはまだ20代の若者と考えていただいてよろしいのではないかということです。
    それを若干反映しまして、先ほども小山さんの方から説明がありましたけれども、アメリカの天然ガス埋蔵量です。アメリカは天然ガス産業発祥の地でして、大体100年以上の歴史があります。従いまして、実質的にそろそろマチュアで、もう新しい発見はないのかなと思っていたところ、最近ものすごい勢いで発見がありました。これは主に非在来型です。非在来型だけではなくて、メキシコ湾の深海でも相当ありますけれども、2008年は、正式な数字はまだ出ておりませんが、史上最高レベルに戻っております。一部の業界人からは「天然ガスルネサンスである」と言われているということです。
    今度は可採年数です。確認可採埋蔵量の可採年数ですが、これはBP統計をそのまま持ってきましたから、83年から2007年まで、ほぼ60年でコンスタントです。それに対しまして石油というのは、真ん中に白い破線で書いてありますけれども、大体40年、こちらの方も大体コンスタントです。ですから、石油に比べると埋蔵量的には、需要との関係ではまだまだ余裕が十分にあるということです。
    今度は確認可採埋蔵量だけではなくて、今後発見されるだろうという埋蔵量推定も含めて、特にアジア太平洋地域、あるいは広域極東と書いてありますけれども、日本とか中国にとって利用可能な、意味のある地域での可採年数の比較をやりますと、例えば石油であれば、右肩にありますが、この地域では20年ぐらいしかないのです。需要に対して資源量がどのぐらいあるかということです。それに対してガスの方は大体100年あります。ただし、これはどちらも非在来型を含んでおりません。従って、究極的に利用可能な可採年数ということになりますと、この何倍にもなるということです。
    それを反映する格好といっていいかと思いますが、過去10年間の96年から2005年までに世界で発見されました埋蔵量の地域別の割合です。緑が石油で、赤が天然ガスということで、これは一目瞭然ですが、アジア太平洋の天然ガスというのは世界最大の発見です。中東の石油よりももっと大きい。これは10年間の発見です。ただし、これは地質的に比例して発見されたというよりも、中東等ではほとんど探査がなされておりません。非常に低調です。それに対してアジア太平洋ではかなり探査投資があったということで、こういう結果になっているわけですが、それであってもアジア太平洋というのは、皆さまが一般的にお持ちになっているイメージよりははるかにガス資源がたくさんある、あるいはたくさん発見されているということをご理解いただければありがたいということです。
    それを反映しまして、これはちょっと古い数字ですが、CERAが2008年4月に出しましたLNGの潜在供給力です。青いところがこれからのポテンシャルですが、赤い破線で囲んであるところが極東向けです。ですから、極東向けのポテンシャルというのはものすごい量があるというのがお分かりいただけると思います。ちょっとこれはキャプションが間違っていまして、真ん中に「Committed」というのがありますけれども、実際のグラフでは、カタールのところをご覧になると分かるのですが、全部黄色くなっていまして、真ん中の3000万トンぐらいのところに黒い線があります。それから上が「Committed」、要するに建設中のものということです。青いのはこれからのポテンシャルということです。ですから、申し上げたいのは、日本を含むアジア太平洋地域というのは、これからものすごいLNGのポテンシャルがあるということです。特にオーストラリアにご注目いただきたいということです。
    それを反映しまして、実際に名乗りを上げている新規の案件というのは緑色と白です。ただし、サハリンIIはもう既に稼動しましたので、これは星印の既存のものに変えなければいけないのですが、これだけたくさんあるということです。
    これは先ほど小山さんの方から説明がありましたので割愛しますけれども、スポット取引が拡大して柔軟性が増しているということです。二つだけ追加でコメントしたいのですが、これを石油と比べるとどうなのかということです。石油は皆さんもご承知のとおり、国際商品の中では最もコモディティ化、流動性が拡大しております。LNGの場合は20%ぐらいまで来ています。去年はちょっと下がって15%ぐらいという数字も出ていますが、石油は大体40%です。ですから、石油には及びませんが、市場の柔軟性において、かなり近い水準まで来ているということです。
    それからもう一つ、石油との違いは、LNGだけ比較しますと、今申し上げたように石油にかなり近くなってきてはいるのですが、先ほども小山さんからご説明があったように、実はLNGというのは、貿易に占める割合でも、世界の生産量、輸送量に占める割合でも、マイナーな存在でして、パイプラインガスが圧倒的です。ですから、パイプラインガスまで含めますと石油市場とはほど遠いし、近くなることはまずあり得ないということです。
    先ほどアジア太平洋の海側の資源の説明をさせていただきましたけれども、忘れていけないのは極東ロシアのポテンシャルです。極東ロシアにはものすごい量のものが既に確認されているということです。サハリンI、IIはご承知のとおりです。IIはもう既に、今日ですか、袖ヶ浦に入る予定ですが、それ以外にもIとIIIが、IIIは100%まだ存在が確認されておりませんが、非常に有望視されています。
    それからコビクタ、チャヤンダ、全部合わせますと200tcf、200兆立法フィートぐらいありまして、これは日本の現在のLNG輸入量の100年分弱ぐらいに相当する膨大なものです。さらにこれから見つかるものも当然あるということですから、それプラスということになります。
    それから、最近は新しいLNGの生産方式というのが注目されている。これは洋上プラント方式です。まだ実現はされていませんが、近い将来実現する可能性は非常に高い。
    この特徴は、今までLNG事業の対象にならなかったような、特に海洋の中小ガス田で採算に乗らなかったようなものが、これからどんどん採算に乗ってくる可能性があるということです。なぜそうなのかというのは、今日はちょっと時間がありませんので、ご説明はしませんけれども、洋上プラントにすると中小ガス田の開発が可能になる。これが結構、全体としてはすごいボリュームがあるということです。大体未開発のガス田の合計が80tcfあります。このtcfというのは兆立方フィートです。これがどのくらいかというと、これは「1億t/y×20年分」と書いてありますけれども、ちょっと間違っていますね。いずれにしても8000万トン×20年分ぐらいです。大体合っていますか。ですから、今の世界のLNG生産量の半分を約10年間賄うぐらいの、ものすごい量があるということです。
    最近のLNGの市場につきましては、先ほど小山さんの方からご説明がありましたけれども、去年の夏までと様変わりでして、今後4~5年は、十中八九、多分買い手市場になると。そこから先はまだ分からない。これからの投資次第、経済状況次第、あるいは環境政策次第ということですが、昨年夏以降、非常に顕著になってきましたのは、需要が落ちただけではなくて、アメリカの生産量がものすごく上がってきたということです。その結果、アメリカに向かうはずのLNGが余り出したと。これがLNG市場の買い手市場化の非常に大きな要因です。このグラフは2008年の最新のEIA、エネルギー省の見通しと2006年、2年前の見通しの比較です。アメリカのLNG輸入必要量が相当落ちたということがお分かりになると思います。
    その最大の理由はシェールガス革命です。シェールガスというのは今まで非常に低浸透で、コストが高いと思われていたガス資源が、ぞくぞくとコマーシャルになってきた。生産量が上がっているということです。
    このシェールガスの資源というのは別にアメリカに限りません。この地図に示しましたように世界中にあります。アメリカのところが赤くなっておりますが、ここだけが今まで商業化されたところで、ほかのところはまだ商業化に至っておりません。先ほど資源量ということで、いろいろ数字をお示ししましたが、これは全部在来型資源でして、こういう非在来型のものは全く入っておりません。例えばオーストラリアとか中国、あるいはインドネシア辺りも、この地図からいえば、長期的には相当、こういう非在来型のシェールガス資源の期待が持てそうだということです。
    それから、もう一つ非在来型として注目しなければいけないのはコールベッドメタンです。炭田に含まれております天然ガス、メタンですね。これに関しましては、アメリカではかなり前から商業化、あるいはメーンの天然ガス生産ソースになっておりますが、特に日本との関係が急激に、ここ1年ぐらいで出てきました。と言いますのは、クイーンズランド州に大量のコールベッドメタンがあるのが確認されていますが、これをLNG化して日本その他に輸出しようという計画が雨後の竹の子のようにたくさん出ております。この金融危機下であっても非常に活発に動いております。今年中ないしは来年あたりに第1号案件のファイナル・インベストメント・ディシジョンがされる可能性も十分あるということです。
    これはオーストラリアだけではありません。実はインドネシアにもものすごい量があるということです。皆さんもご承知のバリクパパンにありますインドネシアのLNG輸出プロジェクトは日本が最大の買い手ですが、最近、資源が枯渇しかかっているかのごとく報道されまして、実際に輸出量も落ちているわけですが、実は資源自体は枯渇しておりません。かつ、こういうCBM資源が、ここにKUTEI BASINと書いてありますけれども、ものすごい量があるということでして、長期的には資源の枯渇というのは当分ないということです。
    それから、このCBMにつきましては中国にもたくさんあります。中国でもまだ本格的な商業生産が始まっておりませんが、近々、あるいは最近始まりました。主に山西省にありまして、ここが外資も含めて、例えばシェルとか、オーストラリアのアローも入りまして、どんどん開発されてくるという状況になってきております。これは埋蔵量統計には入っておりません。
    それから皆さんもご承知の、長期的にはメタンハイドレート、特に日本では大陸棚に100年分ぐらいあるのではないかと。100年分というのは日本のガスの需要量のです。ただし、これはCBMとかシェールガスなどの第1世代の非在来型に比べますと、まだまだ先の話、第二世代の非在来型ということで、商業化のめどにはまだ10年20年かかるということです。非常に長期的な案件ということです。
    結果として、日本は欧米諸国に比べて天然ガスの一次エネルギーに占めるシェアが非常に低いというのをお示ししたグラフです。左から二つ目が北米の平均、三つ目が西欧の平均ですが、一番下の青いところが石油です。その上の白いところが石炭、その上の薄い水色が原子力です。原子力とか石炭は、大体世界標準というか先進国標準、それでもやや多めだと思います。それから石油は非常に多めですね。それに対して天然ガスが異様に低いということになっておりまして、供給側から見ると、まだまだ天然ガスは拡大する余地が十分あるだろう。特に最近の日本を囲む資源状況から見れば、これを拡大しないのが非常に不思議である、拡大するのが自然であると考えられるということです。
    ヨーロッパは天然ガスのシェアが非常に高いのです。その理由ですが、幾つかありまして、一つはインフラの整備というのが90年代までの国営ガス会社対策によって非常に進んだと。いわゆる民営化、自由化というのは、こういうインフラが出来上がった後にやっているということです。それから資源が、60年にオランダで発見されました。それから70年代に北海で発見されたと。この辺の裏庭で見つかったということが非常に後押しになったということです。それから政策的な後押しもあったと。特に国内資源有効活用ということです。例えばアルジェリアは1962年までフランスの海外県だったのです。それからドイツではデタントの東方政策ということで、非常に政治的に、意図的にロシアからの大容量パイプラインが引かれたと。そして東ドイツを併合した後、このときはもう既にCO 2問題が出ておりましたので、これを一番手っ取り早く減らす方法として石炭の天然ガスによる代替というのをやって、これが非常に成功したということです。等々、そういう理由がありました。
    環境とのかかわりにつきましては、いろいろな数字がありまして、これは環境省の数字を持ってきています。熱量当たりのCO 2排出量でいきますと石炭の半分近く、55%しか出さない。それから、例えばアメリカのトウモロコシとかコムギのバイオエタノールと比べても、ほぼ同じということで、CO 2削減には非常に有効な手段であろうということです。
    さらに、今のは単なる実験室ベース、燃焼ベースの話ですが、実際に使うということになると、機器の効率というのが相当影響してくると。例えば通常型の石炭火力の、単位発電量当たりのCO 2排出量を100とすると、天然ガスのコンバインドサイクル発電、これはもう既に確立された技術です。これから特に技術開発は必要ありませんが、それでも35から40ということで、大体6割以上が非常に簡単に削減できる。要するに石炭火力を天然ガスのコンバインドサイクルで代替すれば、最も安く、最も早く、最も大量に削減できる手段であるということです。
    それから、これは有効熱利用効率です。後からまたご説明があると思います。これはガスも含めてですが、もともと通常の火力発電というのは、一次エネルギーの熱量に対して有効利用できるのは大体35~40%ぐらいです。それに対してコージェネレーション、特に燃料電池を使ったものの場合は70~80%ぐらいいくということで、非常に高い効率が達成できるということです。
    これもCO 2削減には非常に有効な方法だろうということで、先ほどご説明しましたけれども、実際にドイツでは90年比15%のCO 2削減に成功しています。このからくりは東ドイツです。基本的に石炭ベースの経済だった東ドイツを、統合後、天然ガスにどんどん切り替えたと。これが最大の要因です。マスメディアなどでは太陽光・風力を積極的に導入したからだという説明がよくされますが、このグラフを見ていただければお分かりのように、それは間違いです。ほんの少し寄与はありますが、圧倒的には天然ガスです。もっと言うと効率向上というのがありますけれども、資源的、あるいはエネルギー源的には、天然ガスで石炭を代替したと。これは圧倒的に早く効くという典型的な例だと思います。
    それからオバマ政権の、特にアメリカの場合の問題です。グリーンニューディールということでは、特に天然ガスと原子力については明確な位置づけはされていません。しかし業界筋では、オバマ政権がやろうとしている環境政策をやればやるほど、天然ガスの需要は増えるだろうと。特に一番下、CO 2排出規制が厳しければ厳しいほど、削減率あるいは削減目標の時期が厳しければ厳しいほど、天然ガス需要を促進するだろう。
    なぜならば、例えばCO 2排出規制をやりますと、今まで申し上げたように石炭・石油からの燃料転換が最も安価で、最も機動的であるからです。それからプラグインハイブリッド車を入れますと、ガソリン需要が電力需要に置き換わるわけですが、特にアメリカの場合は発電原料の50%は石炭ですから、これを早期にやろうとすると、当然増加分の大半はガスタービン・コンバインサイクルにならざるを得ない。それから、太陽光とか風力のかなりの積極的な導入というのも、これをいきなり系統電気に大量につなぐと、とてもではないけれども、系統電気の方が対応できないということで、天然ガスの分散型発電とパッケージにする必要があるということです。なぜかというと、蓋電池利用とか水素よりもはるかに安価で、技術的に今アベイラブルだということです。
    ということで、アメリカではインフラが随分出来上がっています。本当はこれは毛細血管になるのですが、これは模式図です。
    ヨーロッパでも、やはり同じように毛細血管のように出来上がっていると。ヨーロッパで一言申し上げたいのは、ヨーロッパのインフラというのはつい最近できたということなのです。70年代は日本と同じぐらいしかなかったのです。
    ところが、95年においては今とほぼ近いようなものが既に出来上がっている。これを前提に自由化というのがなされたということです。
    日本はご承知のようにインフラ的にはまだまだ改善の余地があるということです。
    取りあえず以上です。
  • 柏木座長
    どうもありがとうございました。将来のポテンシャル等々を明快に、ありがとうございました。
    それでは、続きまして高橋委員からお願いいたします。
  • 高橋委員
    どうもありがとうございます。日本ガス協会の専務理事をしています高橋でございます。今回、この研究会に参加させていただいてありがとうございます。手元にございます資料で説明をさせていただきたいと思います。
    私どもは常日ごろいろいろな審議会に顔を出して、いろいろお聞きしておりますと、ガス事業から見た天然ガスやエネルギーといった問題についてはほとんど議論がなかったものが、今回は都市ガス事業から見て上流・下流のいろいろな問題点を探るという研究会で議論がなされるということで、私どもにとって時宜を得ているものと感じております。柏木座長をはじめ、また役所の方々に深く御礼申し上げたいと思います。
    それでは、お手元の「都市ガス事業のこれまでの取り組み」について説明します。都市ガス事業はプロパン事業などと一緒になりがちですので、私どもの都市ガス事業、一般ガス事業につきまして、簡単にご説明をさせていただきます。併せて、どのような取り組みをしているかということもお聞きいただければと思います。
    まず第1章の日本の都市ガス事業と天然ガスの位置づけです。4ページをご覧いただきたいと存じます。いわゆる都市ガス事業というのは、去年話題になりました「篤姫」のおやじさんになる島津斉彬公のガス燈の点火から始まりまして、横浜の馬車道のガス燈の1872年から約150年がたっているわけです。
    ガス燈から始まって、動力用、厨房用、給湯用、暖房用、それから生産用熱設備、空調、コージェネによる熱電併給と、いろいろ用途開拓をしてきたのがその歴史です。逆に言えば、用途がどんどん追われて、自ら開発していかないといけないということで、一生懸命苦闘してきたと思います。
    次のページをご覧いただきたいと思います。ガス事業を行っているというところはガスの需要密度の高い、いわゆる都市部の民生用の地域で、都市計画とともに先行的にガス導管を引き、インフラ整備した後に、計画的にガスの需要拡大を図り、結果、長期にわたりその地域の中においてガス供給を行うという特質がございます。
    4月1日現在、一般都市ガス事業者は全国に211ございます。一番小さいときおろはお客さまの数が900件、従業員6人というものから、お客さまの数が1000万件というところまで種々の事業者がございます。多くの方は東京ガス、大阪ガス、東邦ガスなどがガス会社というふうにご認識いただいておりますけれども、そのほかにも都市の中核のところに、ぽつんぽつんというと語弊がありますけれども、存在するというのが実態です。ガスの売上高別の事業者数もご覧いただければと思います。
    それから、天然ガスのパイプラインやLNG基地の整備状況です。もともと国産の天然ガスがございました新潟地域、秋田地域、それから房総地域についてはパイプラインがあったわけですが、そのほかについてはもともとガス田がないため、欧米のような国土縦貫パイプラインというものが整備されておりません。それでLNGの基地近傍から、いわゆるにじみ出しで、都市部から周辺部にガス事業者がパイプラインを敷設してきたという歴史がございます。近年、大都市間を結ぶパイプラインが建設・計画されています。
    先ほど役所の方からご説明がございましたので詳しく述べませんが、天然ガスのエネルギー政策、または環境政策上の位置づけは、7ページに書いてあるとおりです。地球温暖化対策の強化が進められている中で新エネルギー導入促進が進められていますけれども、2030年においても一次エネルギーの7割を化石燃料が占めるのが現在の見通しですので、私どもとしては、エネルギー政策上の天然ガスの位置づけは今後変わらないと考えて、努力をしているところです。
    8ページは都市ガス販売の推移です。1940年から50年の間がぽつっとへこんでおりますが、これは太平洋戦争で大部分のガス会社が壊滅的な状態になったところです。戦後は少しずつ回復いたしまして、1960年代については家庭用のお湯、それから台所の厨房需要をガスにするということで、都市ガスの普及率を高めてまいりました。
    1970年代には天然ガスの転換作業とガス空調事業を開始いたしました。それにより、少しずつ需要が伸びてまいりました。1980年には、いわゆるコージェネ事業が開始され、業務・産業用のガス販売が拡大いたしました。90年代以降は京都議定書や、環境対応のニーズで産業用熱市場での天然ガス化が加速し、このようにガス販売全体が急増したところです。
    9ページをご覧いただきたいと思います。ガス事業者が取り組んできた原料の低炭素化を示すものです。もともとは石炭、または国産の天然ガスから始まったガスですけれども、供給ガスの原料を天然ガス化する、また高カロリー化するということを進めてまいりました。これは1990年に当時の通産省がIGF21計画、「Integrated Gas Family 21」という計画を作られました。私どもはそれを受けまして、天然ガス化の方に進んでまいったわけです。これは、石炭ガスによる一酸化素中毒の問題も併せて解消するとともに、ガス器具を統一化するということによって合理化が図られるということで進めてきたわけです。
    天然ガスに熱量変更することを、私どもの業界は「熱変」と言っておりますけれども、その際には器具の調整というのが必要です。カロリーが異なり、空気の量が異なるということで、器具を調整して取り替えるということを30年以上にわたって、一兆数千億円をかけてやってきました。LNG基地建設ふくめ、相当の費用をかけて、2010年にはようやく天然ガス化が達成できるという時期までやってまいりました。
    天然ガスがクリーンなエネルギーである、というのは先ほどご説明がございましたが、石油から天然ガスに燃料を切り替えることによって、CO 2については3~4割程度削減できるということも示しています。
    10ページをご覧いただきたいと思います。天然ガスの供給国を示したものです。環太平洋を中心にLNGを14カ国から購入しています。その多くが15年から20年の長期契約で確保しております。先ほど石井さんからもお話がございましたように、今日、サハリンIIの船が千葉県に入ってきたわけですが、そのように供給源の分散化を図っています。一方で、スポット、短期契約もございまして、エジプトやトリニダードトバゴ、ナイジェリアというようなところからも購入して、柔軟性が高まってきているのではないかと考えています。
    総合エネルギー調査会で以前、ヨーロッパではロシアからの供給についてセキュリティ上問題だという議論があったと小山さんからお話があったわけですが、われわれ極東にある日本からすると、数日でサハリンからLNGを受け入れられるという面と、われわれ日本にとっては供給源の分散化という面でLNGの安定供給に貢献しているのではないかと思っております。
    12ページをご覧ください。これは皆さまもご承知の家庭用の高効率な機器です。左は「Siセンサーコンロ」というもので、従来のコンロよりも一次エネルギー効率を格段に上げたものであり、かつ安全性の高いものです。それから潜熱回収型給湯器「ECOジョーズ」というものがございます。また、ガスエンジンのコージェネレーションシステムである「エコウィル」、それから、今年度5月から実際に販売されますが、家庭用の燃料電池というものです。これらに取り替えることによってCO 2を削減できるということで、私どもは高効率な器具への取り替えをお客さまにご推奨しているところです。
    13ページは、そういう高効率のガス機器を活用して給湯、暖房、蒸気、そして電気をトータルに一体運用することで、省エネ・省CO 2化を図る住宅のモデルです。エネルギーの見える化を図るために、リモコンタイプの省エネナビゲーションをお付けいただくようにしたらいかがかというご提案をいたしております。
    次は14ページです。産業用分野でどういうことを行っているかを示しています。大口の熱の需要があるところで、天然ガス化と、高効率な技術を取り入れることで、石油からの燃料転換による二酸化炭素の削減効果が相当大きくなるということを見せています。
    A重油と従来のバーナでCO 2が100出たものを、天然ガスと従来バーナで75、そしてリジェネバーナという新しい方式のバーナで、右から左から交互に熱を出していくバーナを使っていくと45になるというポンチ絵です。ただ、産業におけます都市ガス比率はいまだ小さいわけでして、首都圏や関西、中部圏以外の地区では導管のインフラ整備によって極めて大規模なCO 2削減効果が期待できるのではないかと思います。
    15ページは、工業用機器につきまして、どんなものがどういうところで使われているかというのを、設備の容量と炉の温度で示したものです。工業用の機器につきましては高温が必要であるという特質がございまして、化石燃料による燃焼が必要とされます。石油でなければできないというところもりますが、多くはガスでも可能になっています。機器に加えて省エネのエンジニアリングを組み合わせて、貢献してまいりたいと考えております。
    次に16ページです。コージェネによる省エネ化・CO 2削減につきましては、それぞれの建物の規模や熱の需要の大きさに応じて、高効率のコージェネを導入しては、という提案です。右側に書いてありますように、2007年度末で累計431万キロワットのコージェネが導入されておりまして、約1200万トンの二酸化炭素削減効果を発揮していると考えております。
    次に17ページです。ガス空調による電力負荷平準化への貢献についてです。以前は電力需要が非常に旺盛で、発電能力が間に合わないというようなこともございましたし、また特に夏場の昼間のピークをカットするという要請がございまして、ガス業界としては吸収式の冷温水器や、ガスエンジンヒートポンプの効率を向上させることによって、大型の発電所10基分に相当いたします1000万キロワットのピーク電力の削減に寄与しているところです。また、これを一層伸ばしていく必要があるのではないかと考えているところです。
    18ページは輸送用で、天然ガス自動車による二酸化炭素の削減です。天然ガス自動車はガソリン車よりも2割程度二酸化炭素の排出量が少ないということ、それから粉塵などが出ませんので、その点を評価され、特にトラック業界を中心に導入が進んでおります。2008年度末で3万7000台の普及を見込んでいるところですが、積載重量も大きく、また、運転稼働率が高い商用車を中心に導入が進む見込みであり、これも技術開発などを国土交通省で進めていただいております。
    19ページ以降ですが、私どもは事業者団体としまして、昨年の長期エネルギー需給見通しができるのに併せまして「ガスビジョン2030」というガス協会のビジョンを昨年4月に発表いたしました。これは将来にわたり、お客さま先での天然ガスの利用拡大による省エネルギーの推進、それから二酸化炭素の削減ということを目指しております。具体的には天然ガスの高度利用、それからお客さまの使用パターンに応じて高効率の器具の導入を行う、適材適所のエネルギー利用を柱にいたしまして、分散型エネルギーシステムの進化を進めて、お客さま先でのエネルギーのベストミックスを実現したいということです。供給側の適材適所といわれておりますが、私どもは供給側も、需要側も適材適所にエネルギーを利用すべきだということは常々申し上げているところです。
    それによってどのぐらいのCO 2が削減されるかについては、20ページをご覧ください。先ほど申し上げましたとおり、われわれとして家庭用、業務用、産業用とに対し働きかけを行って、成功すれば、2030年には、2005年と比較いたしまして、お客さま先で二酸化炭素が4800万トン、一次エネルギーが石油換算で1200万キロリットル削減できるというふうに考えております。
    最後に、21ページです。私どもが考える今後の都市ガス事業の課題です。これまでもいろいろ努力してまいりましたけれども、これからもわが国のエネルギーの安定供給や、地球環境問題に貢献してまいりたいと思っております。課題の第1点目は、新たなエネルギーセキュリティの問題です。すべてのエネルギーにおいてセキュリティ問題が出てまいりましたので、これを検討しなければならないということです。
    2点目は、2050年の超長期におきまして、二酸化炭素を60~80%削減する低炭素社会に向けて、ガス事業をどう持っていくかということです。ガス事業の役割とか、エネルギー政策での天然ガスの位置づけ、技術開発の方向ということで、家庭用、業務用、産業用、運輸のあらゆる部門で、次世代のガスエネルギーシステムのあり方について検討を進める必要があると考えております。
    3点目は、2050年のあり方を見据えて、手前の2010年、2020年、2030年で、どういう道筋を付けていくかということを検討していく必要があると考えております。
    本研究会におきまして、このような観点からご議論いただくことを期待いたしまして、私からの説明は終わらせていただきます。ありがとうございました。

(5)フリーディスカッション

  • 柏木座長
    どうもありがとうございました。都市ガス事業者の高度化利用、低炭素化の現状でした。
    極めて時間が予定どおり進んでおりまして、あと三十数分ございますが、ちょうど今日は11人がご出席でいらっしゃいまして、単純平均しますと3分ぐらいということでお願いができれば。特に所用等々で、中途でご退席される方がいらっしゃいましたら挙手をいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
    それでは、先ほどもう既に準備いただいていると思いますが、あいうえお順で石井委員から、今後の検討の方向性、あるいはこの研究会の位置づけ等、どの角度でも結構です。あるいは今のお三方のご質問を含めても結構ですので、よろしくお願いいたします。
  • 石井委員
    それでは座長のご指名ですので、トップバッターでご発言させていただきます。石油資源開発の石井でございます。よろしくお願いいたします。
    私からは3点ほど申し述べさせていただきたいと思っております。1点目は、やはり今までのプレゼンでお話が出ておりますように、バランスの取れたエネルギー政策が重要ではないかということです。エネルギー政策は、皆さまも既にご承知のように、国民経済の根幹をなすものでして、方向性を誤ると国民生活に多大な影響を及ぼすことになってしまいます。
    その意味では、日本において低炭素社会の実現に向けまして推進されるべき政策として、太陽光をはじめとした非化石エネルギーの導入促進とともに、現在大量に使用されております化石エネルギー、すなわち石炭、石油、天然ガスの利用高度化に向けて、技術革新を含めた普及政策が強力に推進される必要があると考えている次第です。その意味では、この委員会におきまして、非化石、新エネに偏り、バランスを欠いた議論等も真正面から受け止めて、あるべきエネルギー政策について、より公平な視点で検討が必要ではないかと思っている次第です。
    2点目は天然ガスの利用高度化についてです。既にJOGMECの石井さんやガス協会の高橋さん等からご指摘をいただいておりますように、私の方からもガスインフラ整備が重要であるということを申し述べさせていただきたいと思っております。特にわが国の天然ガスインフラはLNG基地が中心でして、広域パイプライン網は先ほどのご説明のとおり、整備途上の状態にあります。そのため、天然ガスは化石エネルギーの中でも最も優れた環境特性があるにもかかわらず、現在は発電用や産業用としての使用が中心で、民生利用は都市圏に限られている状態です。
    天然ガスの広域パイプライン網の整備には少なからぬ初期投資が必要ではございますが、日本全体の温室効果ガス削減という観点からいたしますと、まず石油・石炭系燃料から天然ガスへの転換、天然ガスの利用高度化に伴う削減が見込まれるとともに、パイプライン輸送の充実により、タンクローリー等にかかる運輸面での大幅なCO 2の削減効果も確実に見込まれると考えている次第です。そうした視点でCO 2の削減効果も一度ご検証いただきたくお願いしたいと思っている次第です。
    また、将来的にも天然ガスパイプラインは新しいエネルギー源としての水素や、大量に分離・回収されましたCO 2の輸送にも転用する可能性も有するのではないかと思っております。従いまして、パイプラインの大型投資が今後無駄になるということは考えられないとも思っている次第です。
    最後の3番目ですが、エネルギーセキュリティという面を含めました既存のエネルギー政策との整合性という点についても申し述べさせていただきたいと思っております。初めに申し上げましたとおり、バランスの取れたエネルギー政策という点とも関連してまいりますが、例えば政府が決定いたしました「新・国家エネルギー戦略」で、わが国の自主開発比率を2030年までには40%まで高めるという目標が掲げられております。これは石油および天然ガスです。既にこの目標に向かいまして、日本の139の企業が世界各地で石油・天然ガス開発プロジェクトを推進中です。また、そのうちの73社は石油・天然ガスを既に生産中です。平成19年度においては、まだこの(自主開発)比率が18%にとどまっておりますが、国としてのエネルギーセキュリティの確保の面からも、この目標達成に向けて一層の事業展開の強化が求められている状態です。
    また、去る3月24日には麻生総理大臣を本部長とされる総合海洋政策本部が開催され、海洋エネルギーの鉱物資源開発計画も承認されております。その中で、先ほどご指摘がありましたように、日本国内年間消費の100年分も大陸棚にあるという日本国の自前資源としてのメタンハイドレートの開発の重要性が確認されたばかりです。
    それぞれの政策の背景について詳細を申し述べることはいたしませんが、わが国におきまして、このような政策の重要性がうたわれて実行されていることと、国内での天然ガス等の高度利用の促進と技術革新への取り組みは一体的な政策として整合性が取られなければならないと思っている次第です。温室効果ガス削減に向けました取り組みにおきましても、全体調和の中での確実な推進が必要なのではないかと考えている次第です。私からは以上です。
  • 柏木座長
    どうもありがとうございました。3点のご指摘です。小山委員、もしありましたら。
  • 小山委員
    私は先ほど時間を取って話をさせていただいて、基本的な考えはまとめのところに述べさせていただいたと思っておりますので、後でまた時間があったらということで。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。崎田委員、どうぞ。
  • 崎田委員
    ありがとうございます。私も大きく分けて3点ほどお話をさせていただきたいと思います。まず第1点は、やはりこのエネルギーの分野は私たち市民の理解が大変重要だということですので、広報とかコミュニケーションに関して徹底していただきたいということです。昨年は石油の価格が非常に上がって、多くの市民は、あれは自動車エネルギーでしたけれども、生活全体の電気、ガスを含めて、エネルギーの自給率が低い日本の現状というのをかなり認識した方が多かったと思っています。ガス事業の理解のためにも、ガスエネルギーのことだけではなく、エネルギー全体のことをまずきちんと理解するような教育なり広報なりを徹底していただきたいと思っています。そのベースには、やはり安定供給とCO 2削減の徹底という、この二つは大変重要だと思っております。こういう広報の徹底は、民生部門で増加している温室効果ガスの排出量を、私たちが暮らしや地域の中できちんと下げていくという、この喫緊の課題に対しても大変重要だと思っています。
    今日お話を伺った中にも、暮らしの中で、将来は燃料電池導入するなど、いろいろな技術的な提案もありました。今後、例えば太陽光パネルと燃料電池をどういうふうに一緒に使っていくかとか、いろいろな選択肢が増えてくると思うのですが、電気とかガスとか、いろいろなものを含めて、家を改築しよう、新しくしようというようなときに、きちんと市民がさまざまな情報を得られるようにしていただければうれしいと思っています。
    2番目に、こういう市民の自宅だけではなく、それを少し広げて、地域とか町とかを考えると、これから面的にきちんと利用するコージェネレーションのお話もありましたが、徹底して効率的に利用していただくというのが大変重要だと思っております。電気事業者さんとガス事業者さんは、先ほど競争が激化するというような将来展望がありましたけれども、技術開発は競争していただきながら、日本のエネルギーの安定供給と発展に向けて、できるだけ連携しながら効率よく使っていく風土を作っていただければうれしいなと思いました。
    なお、地域の街区とか、地域で新しいエネルギーを効率よく使うということを考えると、地域で将来プランをきちんと立てる取り組みが広がっていくことが重要だと思っております。そのときには地域の開発事業者さんだけではなく、例えば自治体の方とか、住民とか、いろいろなエネルギー事業者さん、多様な主体がかかわって、地域の将来像、将来ビジョンを考え、そのときにエネルギーをどうするのかというようなことも考えるような、風土が定着することが大事だと思っております。
    3番目に、今、地域で環境活動をしていらっしゃる方と連携するような取り組みを広げているのですが、地域にあるバイオマスなど未利用資源をできるだけ活用していこうという地域の動きも大変強まっております。その中で、特にバイオガスに利用できるような、例えば畜糞とか、食品とか、下水道汚泥などがありますけれども、そういう未利用資源を活用するよう、地域で連携して総合的な地域のエネルギービジョンを立てることも大切だと思います。先ほどとつながりますけれども、こういうバイオガスに関しても、きちんとした位置づけを考えていくということが必要だと思っております。
    今後RPS法見直しなど、できるだけ地域のエネルギーを広く使っていく方向の議論も出てくると思います。コスト負担とか、様々な課題があると思うのですが、みんなできちんと課題を共有しながら話し合って解決していく、ということが大事だと思っております。よろしくお願いいたします。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。佐々木委員、どうぞ。
  • 佐々木委員
    ありがとうございます。私どもは住宅を供給するハウスメーカーの立場です。まず第1にお願いしたいのは、先ほど来皆さまからご指摘がございます、高橋委員からもございましたけれども、今後の2050年なら2050年に至る長期的なシナリオというものが明らかになっていくということが非常に重要ではないかと思っております。
    これまでオイルショック以来、わが国の住宅につきましては断熱化を中心にいろいろな対策がとられてまいったわけで、ハウスメーカーとしても、それぞれ断熱性能を向上させるためにいろいろな努力を重ねてまいったわけです。そういうことの中で現在、家庭部門のエネルギーの中で増えているのは給湯用と動力用ということですし、一方で断熱性能をこれ以上コストをかけて向上させるということが果たしてコストに見合うものなのかどうかというような議論もございます。
    そういうことで、これからは設備も含めた、それから建物の躯体も含めた、総合的な対策が非常に重要になってくると考えております。各ハウスメーカーもそういう方向での技術開発の努力が出てくると思いますが、その際には、どういうエネルギー供給構造の中で考えていったらいいのかということが非常に重要ではないかと思います。
    それからもう1点は、既存住宅というテーマがどうしてもございます。これまで作った既存住宅の断熱化というのは、いろいろな優遇措置を講じてもなかなか進まないわけです。一方で考えてみますと、現在建てている住宅も、少なくとも今世紀後半までは使われる建物です。従いまして、今後どういうものをわれわれハウスメーカーとしては供給していったらいいのか。設備はまた途中で更新という可能性もございます。そういったプロセスをどのように考えていったらいいかということを考えていく意味でも、ぜひ長期的な方向づけということをお願いしたいということです。以上です。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。長期シナリオは大事です。嶋津委員、どうぞ。
  • 嶋津委員
    よろしくお願いいたします。何をお話しするか、あまりまとまったことも考えてきていないのですけれども、ちょっととりとめのないお話になるかもしれません。
    崎田さんがおっしゃっていた市民の理解が必要だというのは、すごく大事だと思うのです。ここにおられる方たちというのは、言ってみればその専門家であり、業界に近い方たちであり、そういった方たちが多いわけです。そういう中で、例えば「エネルギー安全保障は大事ですよね」「バランスの取れたエネルギー供給ソースを日本としてしっかり確保していくことが大事ですよね」というのは、多分ここの世界では共通認識の土台としてあるのだろうと思うのですけれども、それが果たして世の中に対してプレゼンするときにどれほど有効性を持つのかというのは、ちょっと危ういというか。
    表現が悪いかもしれませんが、最近は地球温暖化問題が非常にヒステリックというか、相当熱を帯びてくる中で、それぞれの価値観の下で、自分は絶対にこれでやるのだとか、例えば自然エネルギーか原発かという、非常に強い二者選択論みたいなものになってしまったりするわけです。そういう全体の位置づけの中で、天然ガス、LNGというのは非常に大事なのですということを世の中の一般の人たちに分かっていただくというのは案外難しいのではないかなと。
    ですから2020年、2030年を見据えたときに、例えば先ほどのお話の中に出てきているような産業用の重油をたいている工場なんかを天然ガスに転換していくというのは、それなりの目に見えるCO 2削減効果があるのだろうと思うのですけれども、そういうことを例えばもし環境派の人たちに言ったとすると、「そんなことを言うのだったら、石炭火力なんか全部やめてしまって、天然ガスに転換すればいいではないですか」とか、さらにもっと激しい人は「天然ガス火力だって少ないかもしれないけど、CO 2を出すのだから、それは全部やめた方がいい」とか、そういう非常に激しい議論になっていく恐れがあるわけです。そういう中で、この会でどういう取りまとめをし、一般の人たちに理解を求めていくのかということが結構大変なのではないかという気がいたします。
    先ほどの小山さんや石井さんのお話を伺っていると、つい去年、一昨年までオイルピーク論でわれわれも大騒ぎしていたのですけれども、資源はまだたくさんあると。そういう意味では心強いのですけれども、うまくやっていかないと「資源はたくさんあるけど、使っては駄目だ」とか、そういう議論になっていく恐れもあります。そこら辺のところを、私もない知恵を出したいと思いますけれども、ぜひやっていただきたいと思います。
    それから、これは老婆心というか、変な話なのですが、いわゆる環境派の人たちとか、そういう人たちを説得する意味でも、天然ガスはこんなにCO 2削減効果があるのですよというのは、一つはもちろん燃やすレベルで比較するのは大事なのですけれども、あの人たちも専門家ですから、ライフ・サイクル・アセスメントというのでしょうか、オーストラリアで掘ったときにエネルギーをどの程度使って、そのときに、僕は全然ここら辺は知識がないから知らないのですが、そういうメタンガスや何かが漏洩している恐れがないのかとか。そういうのも含めてきちんと世の中に対して「ガスというのはこんなに有用なものなのですよ」という論理を作っていっていただきたいなと思っております。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。生活者の視点というのを、教育・広報も含めて、プロサイドだけではうまくないので、そこら辺もこれから考えて。高橋委員。
  • 高橋委員
    私は先ほど申し上げましたので、割愛させていただきたいと思いますが、嶋津さんから今お話があったライフ・サイクル・アセスメントについて申し上げます。過去にエネ研などで調べたことがあります。昔はロシアでガスが漏れていたなどということがありましたが、最近はそうしたことなくなってきており、石油やLPGよりも天然ガスはライフ・サイクル・アセスメント上いい、という結論が3年ぐらい前に出ているかと思いますので、一言付言させていただきます。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。中嶌委員、どうぞ。
  • 中嶌委員
    私どもは生産活動を通じて低炭素社会、またはエネルギーの有効利用ということを常に考えているわけです。ご存じのように生産活動といいますと、もちろん低コスト、低環境負荷ということが大前提の時代になっております。その中でコストとか、需給とか、安定かつ効率的なエネルギーという意味で、システムおよび有効なエネルギー使用ということで天然ガスを大変推進しております。
    ただ、日ごろ仕事をしている中で感じることを幾つか申し述べたいのですが、一つは先ほど何人の方もおっしゃったように、消費者志向が大変急激に変わってきておりまして、今起こっている小さな変化が即日常になるという状況の市場です。その市場はますます健康や安全といった意味で、生活の質、生活のクオリティーを上げる方向に走っておりまして、それに私たちがどう対応していくか、また応えていくかというのが私たちのキーになる言葉になっております。設備投資のエネルギーに関しては大変なコストがかかりますので、何人の方もおっしゃっているように、中長期の見通しに私どもは大変注目しております。
    それから、低炭素社会の実現に向けて幾つかのことが必要ではないかというのを日ごろ考えております。一つは、社会の生産性というのは何だろうと。例えば24時間活動するのが生産性なのか。そういった意味で、社会の生産性という議論をどこかできちっとしておかないとなかなかうまくいかないのではないかと。
    それから、もう一つは環境税を含めて、先ほどガス利用についても地域差があるという説明がございましたが、私たちのビジネスでも地域によってまだそこまでいかない地域がございます。どうしても大都市部に天然ガスは偏っておりますので、そういった意味では環境税も含めて、大きな政策誘導はどうしても不可欠ではないかと思っております。
    具体的なビジネスの中では、最近感じたのですが、企業ないしは工場が、その枠の中でエネルギーを考える時代から、場合によっては作った電気を売るとか、ないしは地域にエネルギーを供給するとか、エリアで物を考えていく時代に変わってきているのではないかと考えております。トータル的には地域格差とか、設備の転換コスト、または新エネルギーへの転換コストに随分かかります。現実に私どものビジネスから見ますと、太陽光とか、いろいろなことがありますけれども、なかなかうまくペイしないのが現状です。新たな方向の中で、天然ガスを利用したガスについては大いなる期待をし、また、そんなことを参考にしてビジネスに生かしたいと思って研究会に参加しております。以上です。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。やはり中長期のシナリオというのは、これからきちっとしていかないとまずいかもしれないですね。
    続きまして野口委員、どうぞ。
  • 野口委員
    私は茨城県で産業立地、企業誘致を担当しているわけです。企業の方に茨城県にぜひ新しい工場を建ててほしいというようなお願いをするのが仕事なわけですが、「茨城に出た場合、天然ガスは使えますか」ということを聞かれることが最近目立って増えております。本当に企業さんのニーズが高まっているなと感じているわけですが、残念ながら茨城県というのは、特に関東の中で見た場合にはガス未開の地でして、なかなか供給できないところばかりです。東京ガスさんなんかにも相談するのですけれども、差し当たってローリーで運ぶしかないなというようなお話になってまいります。
    そういう中で、先ほど高橋委員のご説明の資料9の6ページに、私どもの関係で、一つには千葉~鹿島ラインというパイプライン、そしてその上に日立LNG基地というのが書かれておりますが、東京ガスさんの中期の計画で方針を位置づけていただいたということで、大変ありがたいことだと思っております。ただ、実際にこれが出来上がるまでに、特に日立のLNG基地については相当時間もかかると伺っておりますし、多分そこから西の方にパイプラインを延ばしていかれるということで聞いておりますけれども、それについても相当の時間がかかるのだろうなと思っております。最終的なユーザーがここから出てくるガスを使える時期までは、まだまだあるのだろうなと思っております。
    私といたしましては、ぜひこの研究会でも、どうすればインフラの整備が早くできるのかという整備の促進・方策について検討いただければと。特に自治体関連といたしましては、道路と併せてパイプラインを整備していくとか、市町村をまたぐときのさまざまな問題とかがあろうかと思います。そういう具体的なことにつきましても議論の対象にしていただければ、地域産業の振興のためのガス利用ということで、より議論が深まるのではないかと思っております。
    それから産業関連ということで申し上げますと、お隣の中嶌委員が今おっしゃった、エリアでトータルで考えるという観点がCO 2削減で大変重要かなということに今気づいたわけです。例えば工業団地という単位で、熱とか蒸気とかをセットでいろいろ考えるときの天然ガスの活用というような観点もあろうかと思います。
    あと、もう1点だけ。実は自治体も最近CO 2の削減ということについて非常に一生懸命取り組もうとしております。大変高い関心を持っているのですけれども、今だいぶ注目がいっておりますのが太陽光関係です。それについていろいろな試みがなされているわけなのですけれども、実際に進めようとすると、系統の安定化の問題とか、コストの問題とか、いろいろな問題があって、そう簡単にこれだけで答えになるというものではないと理解しております。一方で原子力発電のシェアを急速に大きくするということも簡単ではないということも理解しております。
    そういう中で、天然ガスを利用した分散型のコージェネとか、燃料電池を用いたやり方ということで、ベストミックスを見出していくということは大変重要かと思っております。まだまだそういう観点というのが自治体の中でもあまり理解が進んでいないのではないかという感じを持っております。ぜひこの研究会でもそういう議論を深めていただいて、私どもも自治体に持ち帰って普及を図っていきたいと思っております。以上です。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。樋口委員、どうぞ。
  • 樋口委員
    先ほどガス協会の高橋副会長から今後のガス事業における三つの課題を示していただきましたけれども、私の方から少し補足させていただきたいと思います。
    1点目はエネルギーセキュリティの問題です。ご存じのように、わが国は資源小国ですので、低炭素化を進める前提としては、やはりエネルギーセキュリティを確保していくということを念頭に置いて議論していかなければならないと思います。そういった意味では、今日の議論にもございましたけれども、LNGは埋蔵量が豊富であり、長期契約に基づいて調達しているということですので、エネルギーセキュリティ確保の観点からも重要なエネルギーと考えております。
    ガス事業者としては今後とも、これも先ほどお話がありましたけれども、供給ソースを多様化したり、あるいは上流プロジェクトに直接参画するといった形で、供給の安定性を高めるための取り組みをさらに進めていきたいと考えております。ぜひこういった意味でもいろいろご指導、ご支援をいただければと考えております。
    また、本研究会においては、2050年というかなり先の未来を見据えているわけです。そういった時間軸においては、メタンハイドレートが大きなポテンシャルを持った国産エネルギーとしての可能性を秘めています。メタンハイドレートの活用といった意味においても、将来に向けて天然ガス利用インフラを拡充するということは、エネルギーセキュリティの観点からも重要であると認識します。
    2点目は低炭素社会に向けたガス利用技術です。さまざまな分野で低炭素化に貢献する次世代のガスエネルギーシステムのあり方について検討を進める必要があるという指摘がありました。私どもはガス利用技術のさらなる進化によって低炭素化社会の実現が可能であると考えております。天然ガスは供給面においても輸送ロスがない、非常に高効率なエネルギーですので、需要家サイドで、より一層の高効率利用を図っていく必要があると考えております。
    次回以降の議論になるかもしれませんけれども、例えば一例を申し上げますと、50%を超える発電効率が期待できますSOFCといったものが商品化されますと、排熱利用はするわけですけれども、排熱利用分をカウントせずとも系統電源よりも高効率な分散型電源が導入される可能性が出てまいります。さらに、SOFCを、太陽電池や蓄電池といったさまざまなシステムと組み合わせることによって最適な民生用の次世代エネルギーシステムを構築できるのではないかと期待しているところです。本研究会においても、こういったガス利用技術の進化の方向性を示した上で、2050年においても、低炭素化社会の中で、引き続き天然ガスが重要な役割を果たすことができるということを示していきたいと考えております。
    また、こういった燃料電池等に代表される省エネルギー技術ということにつきましては、海外に展開していくことも可能だと思います。省エネルギー技術の海外展開といった形で、国際的なCO 2削減にも貢献できるのではないかと思います。また、国の新しい産業育成という観点からも、太陽光発電と並んで、燃料電池を初めとしたこれら省エネ技術を、いわば省エネルギー産業として発展させていくということが期待できるのではないかと思っております。
    3点目は、2050年に至るまでのプロセスの中で、これも何人かの方がおっしゃっておられましたけれども、2020年、2030年における天然ガスの位置づけを明確にしていく必要があるということです。昨年5月の長期エネルギー需給見通しの中で、2030年の局面で一次エネルギーの消費に占める化石燃料は約7割ということです。そのような状況において、CO 2の排出量を削減するためには、化石燃料の中で可能な限り天然ガスを利用していくということが効果的で即効性のある取り組みであると考えております。2030年までを天然ガスの利用促進を図る第1ステップとし、その後2050年の低炭素化社会に向けた取り組みを第2ステップとして、CCSといった、新しい技術により、CO 2の削減がさらに進展していくといった流れで考えていきたいと思います。そういう意味では、本研究会において、第1ステップまでの取り組みと第2ステップ、それぞれの重要性を整理して、そのつながりを明確にしていくということで検討を進めていったらいいのかなと思っております。以上です。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。まとめをしていただいたような感じでしたが、大変どうもありがとう。前田委員、どうぞ。
  • 前田委員
    前田でございます。ガス事業者が続きますので、少し違った観点で言わなければいけないかと思っております。
    今日の今までの議論を一言で言うと、天然ガスの役割について、環境問題を考えたときに、2050年で大変大きな役割を担うはずだという共通認識ができているということと思います。具体的には、今後の研究会で追い追い立証されていくことになるだろうというのが最初の感想です。
    こうしたことに加えて、全然違う観点から二つほど申し上げたいと思います。一つは、世の中でいろいろな長期シナリオが、跳梁跋扈というと失礼かもしれませんが、いろいろありますけれども、価値観があまりにも一つのところに偏りすぎて作り上げたシナリオがたくさんあるように思えるので、価値観が多様であることの良さというのを、もう少しきちっと世の中に示すべきであろうということです。
    今までも、何十年間にわたって、そのつど、そのつど政策がきちっと打たれたけれども、そのときの政策と、その後10年後20年後の政策というのは必ずしも整合性が取れているわけではないことがありました。一つの価値観だけで大きく振れた政策を実行すると、国民生活がある程度犠牲になる可能性があるということを前提に置かなければいけないと思います。従って、価値が多様であるシナリオを作るというのが非常に重要なのではないかと思っています。
    それから、もう一つは全然違った観点から申し上げます。最近、私はあちこちでこんなことを書いておりますが、私はガス事業というネットワーク事業者の一員です。ネットワーク事業者というのは、通常は自分のところを中心に考えますから、まずは大規模にやるのが一番経済合理性があるということで、遠くで大規模にエネルギーを作り、必要とされるところまで延々と運ぶという考えになります。そこに予定していなかった新しいものが混じるのは、どこか不愉快な状況になるところがあるのは当然です。こうした自分中心の考え方で、これからの社会はいいのだろうかと疑問に思っております。そもそもネットワーク事業者の物の考え方というのを変えるべき時が来ているのではないかと思っているところです。これは電力ネットワークにも当然通じるところです。
    ネットワークを支える人間というのは、そこにある需要すべてに応じて外から供給するということをもともと前提にしていたわけです。最近のように太陽光や太陽熱など、ローカルにエネルギーが作られ、その場で使われる場合には、その分を差し引いたものが自分たちの需要だと考える必要があります。あるいはネットワークの作り方そのものについても、上流から下流に一方的に流れるという、非常に長い間有効だった哲学にのっとってインフラを整備してきましたが、それを全部変えるなんて当然できないけれども、ほんのちょっと考え方を変えることが必要です。ネットワークの作り方を変えることによって、分散型の再生可能エネルギーがたくさん入る可能性が将来あるのだと思います。そういう物の考え方に少し変わっていくべきではないかと、このごろ個人的に思っているところです。
    そうすると、分散型、太陽光とか、太陽熱とか、そういう再生可能エネルギーをできるだけ多く使って、その残りを、残りと言ったってそれが大半なのですが、大規模なシステムで補完していくことになるわけです。ローカルネットワークと大規模ネットワークをうまく組み合わせるというネットワークにおけるベストミックスというのを、これから考えるべきときなのではないかと思っております。
    発電所のことを言って申し訳ないけれども、やはり海に熱をあまり捨てない方がよい。できるだけローカルにエネルギーを作り、かつ、熱も外に捨てないという方向をまず出して、残りをわれわれのようなネットワーク事業者がサポートするのだという姿勢に立っていかなければいけないと思います。私もネットワーク事業者の一員として、このごろ反省しているところです。
    今は、こういう発想の転換を必要としているような時期なのかなと思っています。いずれにしても、この研究会でいろいろなことができればありがたいと思います。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。村上さん、どうも遅くなりまして、大変申し訳ありません。
  • 村上委員
    よろしいですか。時間が来ていますけれども。
  • 柏木座長
    ちょっと時間が超過していますが、できれば10分ほど、40分ぐらいに終わりたいので、よろしくお願いします。
  • 村上委員
    なるべく短めにやります。私は建築が専門ですから、需要サイドからお話し申し上げます。
    過去10年、1997年の京都議定書の採択以来のエネルギー消費の状況を見ますと、産業と運輸は3~4%減っていますが、民生だけは16%増えております。ですから、民生部門の省エネは喫緊の課題でございますので、ぜひこの研究会でも目配りいただきたいと思います。
    さきほどの前田さんのお話とも関係しますが、人口減少社会の下で、将来、社会全体としてインフラが余ってくるのではないかと思います。6割とか8割とかのCO 2削減を進めますと、エネルギーインフラも余ってくる地域が出るのではないかと懸念しております。ですから、インフラが地域によっては過剰になるのではないかという想定を含めて、エネルギー需要、供給のベストミックスのデザインが必要ではないかと思います。
    インフラ問題と関連して、エネルギーの需要の立場から言うと、立地条件の問題があると思います。郊外の低密度の地域と都市内の高密度の地域では、再生可能エネルギーの利用を含めて、エネルギーの供給、需要の形態が異なるのではないかと思います。例えば家庭用で申しますと、今後の重要な技術として、太陽光発電、燃料電池、あるいはヒートポンプなどが指摘されます。これらの技術の利用の仕方は立地条件によって異なると思います。ただ幸運なことに、三つの技術は補完関係にあるという側面を指摘することができます。供給が不安定な太陽光発電に対して燃料電池が補完するとか、燃料電池で発電した電力にヒートポンプを活用するなどです。そういう三つの大きな技術のベストミックスも、ぜひお考えいただきたいことです。
    最後になりますが、何人かの方が市民の視点ということを指摘されました。畠山課長にもお話したのですが、多くの日本人は、ガスというと都市ガスとプロパンガスを思い浮かべます。今回はプロパンに関する検討は一切やらないようですけれども、この点については、一般の市民に対する配慮という意味で、最初にその旨を断っておいた方が誤解がないのではないかということです。
  • 柏木座長
    ありがとうございました。どうしましょうか。畠山さん、答えますか。いいですか。そうですか。どうぞ。
  • 畠山ガス市場整備課長
    1点だけ、プロパンの方のお話は、先ほどガス事業者、ガス協会からもお話がありましたが、導管でエネルギーを供給しているという性質を持っている事業者ということで、実はプロパンを使っている事業者さんもいらっしゃるのですが、議論を進めていく際に、話の外縁を絞って議論しておいた方が効果的に議論できるのではないかということで、取りあえず初期の設定としては天然ガスを供給しているガス事業者さんというのを中心に議論を進めていこうかと思っております。
    今ご指摘の点なども含めて、例えば全体を見据えたときに、そういう議論をしなければいけないということになったときにはまた考えなければいけないのですが、その場合には多分供給の形態とか、そういうスタイルも含めて、かなり違った視点で議論を進めていかなければいけないということになると思うので、取りあえず間口を、天然ガスを使った導管によるガス事業というところに絞って議論していきたいというのが事務局側の考えです。
  • 村上委員
    それは結構ですが、一言断っておいていただけると混乱がないということで。
  • 柏木座長
    そうですね。ありがとうございました。大変広い範囲でご意見をいただいたと思っています。やはり低炭素というと、これは独り歩きしているけれども、セキュリティというのがわれわれは一番重要だと思っています。プロサイドの話だと低炭素プラスセキュリティで、それを担保した上で天然ガスの位置づけを明確にするというご意見が一つですね。
    それから、低炭素セキュリティ、新・国家エネルギー戦略ではないけれども、2030年で40%まで自主開発を上げろとかという国家戦略に合った形での、海外資源開発まで含めた中長期のわが国独自のシナリオはどうあるべきか。これはいろいろなシナリオがあります。これにはやはり技術開発なしには、例えば樋口さんがおっしゃったSOFCもあるし、長期に対していつ、どのぐらい、どういうシステムが出てくるのか。これはずっとプロサイドの話ですね。どういうものが本当に商業化されるかというのを考えないと、幾ら長期のシナリオといったって、これは全く技術によってがらっと変わりますから、パラダイムシフトできます。そういう技術と、セキュリティ、資源開発での、わが国独自の中長期のシナリオ。これは人のまねをすることはありませんから、独自のシナリオで。そのためにはインフラをどうするかというのが重要になってきますよね。つなげていないところはつなげなければいけないし。そういう理論武装です。
    それから、今はどっちかというと供給サイドで、面的展開、分散型のメリット、新エネにどう取り組むかというのは、低炭素セキュリティからすれば極めて重要なシームレス化になってきます。というのは、皆さんのキーワードをずっと書いてみたのですが、メモの中では何かそんなような絵が見えてきます。
    それから、大事なのは、崎田さんもおっしゃっておられて、この間首相にもおっしゃっておられたのを聞きましたし、これは村上先生もおっしゃっておられました。建築、住宅、暮らしとエネルギー、都市ガスのあり方、これはやはり広報で、嶋津さんもおっしゃっておられましたよね。教育、それから消費者の志向をきちっと把握できるように、都市ガスのメリットをきちっと明確に言えるようにしなければいけないので、需要者からどういうふうに考えていくかというのを併せてやっていく。これは今後入っていますかね、そういう考え方は。入っていなければ少しずつ、今日はキックオフですから、皆さんのお考えを聞いた上で今後の展開を図っていくと。
    一応プログラムとしては資料6に、最初に畠山さんにご説明していただいた五つのポイントから、これからプレゼンを進めていこうと思っておりますけれども、適宜今日の内容にふさわしいプレゼンテーションを入れていかないと、本格的に開かれた委員会ですから、広くきちっと徹底できるように、オープンにしながらやっていきたいと思っています。
    それから野口さんも、自治体の天然ガスを企業が求めているけれども、インフラをどうするのだとか、中嶌さんは、今度は生産会社でビジネスモデルに取り組む分散型のメリット、ただ、新エネも取り組みたい。そうすると、先ほど言ったようなセキュリティとか低炭素まで全部含めたような形での、これからの日本の生産のあり方、天然ガスをどう考えていくかという話になっていくのだろうと思います。
    いずれにしましても、今日は随分お話をいただきましたので、これを事務局の方でもう一度キーワードをまとめていただいて、今後の数回でまとめるということで、何回になるか分かりませんけれども、できる限りエフィシェンシーが高く、かつ低炭素でやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(6)その他

  • 畠山ガス市場整備課長
    では、今後のスケジュールだけ。資料10の方に今後のスケジュールを書いております。先ほど座長からもありましたとおり、本日もいろいろご意見があり、かなり広がりも大きいということですが、まずイメージとしては、先ほどちょっと検討課題で挙げさせていただいたような点を今日のご議論を踏まえて事務局側で整理させていただいて、4月、5月ぐらいにかけて、できれば3~4回開催して、6月中に中間報告を、取りあえずの方向性ということで取りまとめを行うということにしたいと思っております。
    ただ、今日ご議論がございましたとおり、いろいろなテーマ、それから単純に終わるテーマではないものもございますので、また座長と相談しながら6月の中間取りまとめ以降もいろいろとご相談していければと思っております。取りあえず事務局からは。
  • 柏木座長
    どうも大変多岐なご意見をいただきました。特に今日はお三方のプレゼンテーションは大変な内容が書かれておりますので、今日の中の答えも随分この中に出ているように思いますので、十二分に活用させていただきます。いずれにしましても大変なプレゼンテーションをありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月11日
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