経済産業省
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低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会(第5回)-議事録

日時:平成21年6月10日(水) 10:00~12:00
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

議題

  1. 中間報告(案)の審議
  2. 有識者からのプレゼンテーション
  3. フリーディスカッション
  4. その他

議事

畠山ガス市場整備課長
それでは、定刻となりましたので、ただ今より、第5回低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会を開催させていただきます。委員の皆さま方におかれましては、ご多忙のところご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、柏木座長が国会における法案審議のための参考人として招致されておりまして、急遽、欠席されることとなりまして、柏木座長のご指名もありましたので、中上委員に議事進行をお願いしたいと思っております。それでは、以降、中上委員、よろしくお願いいたします。
中上委員
ご指名でございますので、進行役をやらせていただきます。一昨日、省エネ部会の進行役でデビューしたばかりでございますから、何となく慣れているような、慣れていないようなものでございますけれども。
それでは、まず、恒例によりまして事務局より資料の確認をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
畠山ガス市場整備課長
配付資料をご覧ください。資料1、議事次第、資料2、委員名簿、それから、資料3-1、2、3として、中間報告骨子(案)、中間報告(案)、参考資料ということでお付けいたしました。それから、資料4、バイオガス関係、本日のプレゼンテーションの資料で、資料5、三菱総研からのプレゼンテーションの資料でございます。以上、過不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
中上委員
本日の議事は、今日のメーンテーマと申しますか、中間報告(案)のご審議をしていただくことと、それから、前回から引き続きまして、有識者の方からプレゼンテーションをいただきます。それを受けまして、フリーディスカッションということになっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、まず、資料3に基づきまして、事務局より中間報告(案)につきまして、ご説明をちょうだいしたいと思います。よろしくお願いします。

1.中間報告(案)の審議

畠山ガス市場整備課長
それでは、ごくごく簡単にと言いましても結構ありますので、ざっとご説明させていただきますが、お手元に、まず一つは、資料3-1ということで、中間報告骨子(案)の骨組みのところを1枚にまとめたものを用意しております。それから、その次に、中間報告(案)というものをご用意させていただいていまして、それから、これまで使用した参考資料を中心に、資料3-3として、参考資料集を付けさせていただいております。また、参考資料集等につきましては、次回の取りまとめに当たって、もう少し充実していければと思っております。
それでは、資料3-2に沿いまして、ざっとご説明を申し上げたいと思います。まず、あらためまして、目次をご覧いただければと思います。第1章として、エネルギーを巡る情勢ということで、最近の状況、本議事をスタートするバックグラウンドをご説明させていただいて、それから、第2章として、これも第1回に幾つかご紹介がございましたが、天然ガスにまつわる状況。それから、わが国のガス事業を巡る状況を整理しております。
その上で、本研究会のテーマでございましたガス事業の中長期のシナリオということで、2050年を見据えたシナリオを、議論に沿ってまとめさせていただきました。大きな塊としては、ここに書いてあるとおり、基本的な方向性の上で、三つの塊を提示しております。これまでご議論のあった一つ目として、分散型エネルギーシステムの展開ということで、需要面・供給面における電気と熱のベストミックスというお話と、二つ目として、水素エネルギー社会の構築に向けてというお話と、三つ目として、これは前回ご審議のあった産業部門における天然ガスの高度利用ということでまとめさせていただいております。
目次の次のページにいっていただいて、それをベースに、少しブレークダウンした具体的な取り組みの方向性を第4章でまとめております。以上が、報告(案)の大きな流れになっておりますので、駆け足で中身をご説明したいと思います。
まず、1ページ目をご覧ください。まず、「はじめに~最近のエネルギーを巡る情勢~」ということで、スタートするときにお話ししました二つ目のパラグラフの一番下に書いてありますが、今、関連法案が国会に提出されているということで、代エネ法の改正と、エネルギー供給構造高度化に向けた取り組み。具体的には、できるだけ化石燃料を有効に利用し、非化石燃料の導入をより一層図るという法案が出されておりまして、まさに柏木座長は、この法案の関連で、ただ今参考人として呼ばれておられるところでございます。こういう動きがあります。
それから、三つ目のパラグラフですね。大きな塊に書いてありますとおり、昨年、「低炭素社会づくり行動計画」というものが政府として決定されて、2050年という長期に、60~80%の温室効果ガスの排出量を削減するというものを掲げております。それから、ただ今、中期目標についてもご議論がなされているところで、こういうことを背景として、今後、中長期に低炭素社会の中で、どうガス事業が変わり、ガス事業者が貢献していくことが必要かということで、議論をまとめさせていただいているということです。
続きまして、2ページ目に移っていただいて、まず、天然ガスの状況ということで、これは、確認という形で、(1)天然ガスの物性に書いてございますが、CO2の排出が少ないクリーンなエネルギーであるということ。それから、二つ目のパラグラフにありますとおり、水素の減量となっているということ。それから、国際天然ガス市場を見ますと、幾つかの供給面でのポテンシャルというのは、本委員会でもご説明があったとおりで、新たな生産技術の開発なども進められています。
2)として、非在来型、これまでとは違った形で天然ガス資源の開発は進められています。それから、3)として、天然ガスの取引市場そのものがLNGという形でもマーケットが整備されてきつつあるという話。
3ページ目に移っていただいて、4)として、一方で、ただ今のこうした議論の背景になっているものとして、やはり金融市場の動向による国際ガス需給バランス、それから、ロシア、ウクライナ間の問題に代表されるようなガス供給セキュリティ問題等、不確実な面も増大してきているというのが現状です。
こと国内について見てみますと、わが国の天然ガスの調達状況というのは、長期契約を中心に、供給源の多様化を図っています。それから、メタンハイドレートのような可能性、国産資源の可能性はあるというのが現状です。
(4)として、そういうことも見つつ、天然ガスの利用状況を欧米諸国と比較してみますと、わが国は、括弧の中にありますとおり、約15%。資料には付けておりますが、アメリカ、22%、イギリス、35%、ドイツ、23%、フランスは、原子力がある関係もありまして14%、それから、ロシア、54%といった形で、現実問題としては、欧米諸国の利用比率が高いということです。
以上が天然ガスの状況ですが、二つ目として、ガス事業の現状として、ガス事業のこれまでの展開についてまとめております。ガス事業は、1969年のLNG輸入というところから、特に天然ガスの導入を進めながら発展してきました。自由化が開始された1995年以降、1.8倍ということでかなり伸びています。今、申し上げたとおり、都市ガス原料の天然ガス化というのは、いろいろな理由、安全面の理由なども含めて進めております。
4ページにいっていただいて、こういったことで、2010年末を完了目途に天然ガス化が一般ガス事業者の中で進められ、ほぼ完了しつつあるということです。
一方、ガス供給インフラを見てみますと、LNGの導入ということで、LNG基地の整備、それから、そこから広がる形で、花を開く形でパイプラインの整備、導管網の整備というのがつくられてきたということで、欧米などに比べると幹線網の整備は遅れているということで、重要な課題となっております。
ガス事業者のこれまでの取り組みとして、基本的なものとしては、高効率の機器、ガス関係の機器を供給してきました。それから、先ほども申し上げたとおり、CO2が少ないという意味で、天然ガスへの燃料転換を進めてきました。それから、コージェネ(熱電併給)を進めてきたということが挙げられます。
最後、5ページ目、ガス事業の制度面での点ですが、1995年以来、小売の自由化を進めてきております。評価小委員会などでも、これまでガス供給コストの削減によるガス料金の低減など一定の成果が上げられてきたということになっており、現在、総合エネ庁都市熱部会において、今後どうするかという議論が進められているところでございます。
その上で、6ページ目以降、中長期のシナリオということで整理しております。まず、1番目として、低炭素社会に向けた基本的な方向性と書いてありますが、一つ目のパラグラフの真ん中以降ぐらいで、わが国のガス事業は、エネルギーの安定供給および地球温暖化への対応という二つの柱を核に、基本的な方向性(中長期シナリオ)を描いていく必要があると、これは、今の基本計画でも、基本的にエネルギーの安定供給と温暖化への対応が重要だということで位置づけられております。皆さんのご議論の中でもこういう整理だったかと思います。
その上で、ご議論に出ていたことも踏まえて、二つ目のパラグラフですが、エネルギー源の多様化を進めていくことが重要ということで、ガスについても引き続き天然ガスの高度利用を図って安定供給に努めていくことが重要ということで、併せて、低炭素社会というものをにらんで、今あるインフラなども活用しつつ、うまく低炭素社会に移行していく、ないしは、うまく低炭素社会を構築していくことが重要であるということかと思います。大きく二つの観点から、三つの先ほど申し上げた方向性を提示しております。
一つ目が、2.に書いてありますとおり、分散型エネルギーシステムの展開ということで、これまでの委員会の資料でも皆さまのご議論を整理させていただいたと思いますが、一つ目は、分散型エネルギーシステムの意義ということで、6ページの一番下ぐらいから書いてあります。ガスの場合、需要地で発電を行って、同時に排出された熱をうまく使い切るということがもしできるのであれば、別々に供給するよりも相互エネルギーの効率は上がるということで、こういう観点から、コージェネレーション設備を核として、需要面・供給面を統合した最適な電気と熱の組み合わせを図る分散型エネルギーシステムの構築が重要な課題の一つとなるということです。
それで、こういったシステムを展開していくという意味からすると、研究会の中でもご議論があったとおり、近年、こうした環境が整ってきているのではないかということで、供給面では、燃料電池の実用化が今年度始まりました。それから、ご承知のとおり、太陽光発電の導入ということについても、本格導入が見込まれるようになってきています。それから、それ以外の分散型電源についても、今後の導入が期待されます。また、併せて、今回の法案の中でご議論になっていることもありますが、バイオガス、それから、太陽熱といった活用も、今後、進んでいくことが期待されます。
一方で、こういったものを制御するIT技術の発達といったものも、プレゼンテーションの中であったとおり、スマートメータやセンサーネットワークということを使うと、こうしたコントロールが、より可能になってきたということで、こうした環境変化、技術変化を踏まえて、需要面・供給面を統合した最適な電気と熱の組み合わせを図る分散型ネットワークシステム。まさに、プレゼンテーションの中でもあったスマートエネルギーネットワークの構築が求められております。
分散型エネルギーシステムの展開ということで、さらに下にいっていただくと、供給面へのアプローチとして、燃料電池等のコージェネレーション設備を核として、再生可能エネルギー、未利用エネルギーの活用を含めて、それぞれの設備、機器等の特性を踏まえた最適な電気と熱の組み合わせを追求すると。一方で、需要面では、需要構成、それから、需要規模、こういったものに応じて、うまい需要の組み合わせ。場合によっては、プレゼンテーションの中でもあったような、むしろ需要そのものを制御してしまうというようなことまで含めて、需要をいかにコントロールするかということを追求していくことが重要であります。
それから、7ページの一番下で、こうした分散型エネルギーシステムのその他の優位点ということでご指摘があったようなこと。それは、今、申し上げたのは、まず一つは、オンサイトで使うということで総合効率が高いという利点でしたが、それ以外にも、災害時や、8ページ目に移っていただいて、停電等、緊急時におけるバックアップ機能。それから、電力負荷平準化の機能。それから、こういう意味で、出力や供給面で不安定な太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー分散型電源を補完して、こうしたエネルギーの安定的、かつ、大規模な導入を容易にすることが可能であるという要素もあります。さらに、こうした分散型でものを考えると、さまざまな需要家、ないしは、需要家グループにおける取り組みというものも、枠組みづくりによっては期待し得るということです。
こういった分散型エネルギーシステムの中で、(4)にありますとおり、ガス事業およびガス事業者の役割ということで、供給インフラがある、コージェネレーション設備を開発・提供している、電気と熱の組み合わせを既にいろいろなところで行っているという意味で、ガス事業およびガス事業者は、今後、積極的な役割を果たしていくことが期待されていると思います。
それから、8ページ目の3.水素エネルギー社会の構築に向けてということで、(1)必要性ということで、一番下に、二次エネルギーとして「電気」に加えて「水素」を活用するということが重要な課題となっているということで、9ページ目、(2)に書いてありますが、再生可能エネルギーでの水素製造というものが究極、期待されるのですが、そこに至るまでの間としては、天然ガス改質水素の役割も大きいというご指摘もございました。
さらに、天然ガス改質のCO2については、回収システムがうまく構築され、CCSなどへつなげることができれば、さらに改質水素においてもCO2削減が可能となるということが考えられます。
それから、(3)として、こうした水素を有効利用するという意味でいうと、今後、水素の供給ネットワーク、水素のパイプラインを通じた供給というあたりのところを課題の一つとして挙げております。それから、当然、水素社会、これは分散型エネルギーシステムの中でもそうなのですが、水素社会の中でも、燃料電池というものが一つの主役であるということで、核となっていくということだと思います。
(5)に、これも水素との関係で整理していますが、10ページ目にいっていただいて、水素原料となる天然ガスを供給している、それから、燃料電池の実用化に向けた技術開発の担い手、それから、既にガスという気体を運搬している、それから、電気と熱の組み合わせについてサービスしているというようなことを踏まえると、ガス事業およびガス事業者は、今後、こうした水素エネルギー社会を視野に入れつつ事業展開を図っていくことが必要であるかと思います。
それから、10ページ目に移っていただいて、産業部門における天然ガスの高度利用ということで、これは、前回、プレゼンテーションがあったものをまとめさせていただきましたが、引き続き産業部門のCO2排出量というのはある程度あって、この中で、やはりさまざまな高度利用による省エネというものが期待されます。天然ガスの導入および高度利用を促進していくということが、今後、重要であるということで、(2)にあります天然ガスの高度利用ということで、前回ご紹介もありました、まずは高効率な機器(リジェネバーナー等)を推進する、それから、こういうものに加えて、高効率燃焼システム。二つ目のパラグラフに書いてありますが、幾つかの要素からなる高効率燃焼システムというものを導入していく、さらにCO2を回収するといったようなことを行いつつ、CO2の排出量をできるだけゼロに近づけていくということが可能になるかと思います。
併せて、先ほどの分散型とも絡む話ですが、バイオガスや再生可能エネルギーの組み合わせ、こういったことによって、廃熱利用まで含めてベストミックスを図ることが重要であるかと思います。以上が、具体的な方向性ということで、それを受けて、具体的な取り組みを12ページ以下に書かせていただいております。
これは、プレゼンテーションの中でも幾つかの技術要素のご紹介等もありましたが、一つ目としては、分散型エネルギーシステムのコアとなるコージェネレーション設備の普及・開発ということで、さまざまな技術開発。それから、コージェネレーションのコア、分散型のコアとなる燃料電池(PEFC)の、今後の更なる普及拡大。それから、SOFCの開発ということを引き続き進めていくと。
二つ目として、スマートエネルギーネットワークの構築ということで、いろいろなレベルでの実証試験等を行って、具体的にどういう場所で省エネができるのか、そして、さらにそれを具体的に導入していくということが重要であると。これは、いろいろなレベルで共通することかと思いますが、家庭レベルでの実施。それから、13ページに移っていただいて、集合住宅での取り組み。それから、プレゼンテーション等もあった地域・都市での取り組み。こういった中、それぞれ、地域・都市になると、例えば、一つ目のパラグラフの再生可能エネルギー、地域特性に応じた再生可能エネルギーや、清掃工場の廃熱なども含んだ未利用エネルギー等も含めて、どうやってうまく使えるかというようなことが重要になってきます。こうした具体的な実証試験の一方で、需要家グループ、この会議の中でもありました自治体等も含めて、いかなる供給、取り組み教科のための枠組みづくりが必要か、こういうことが重要になってくるかと思います。
14ページに移っていただいて、水素エネルギー社会の構築ということで、燃料電池は先ほど申し上げたとおり、それに加えて、(2)として、水素関連インフラの整備(ローカル水素ネットワークの構築等)を進めていくことが重要で、二つ目のパラグラフにも書いてありますが、水素インフラの整備、水素パイプラインの耐性の検証や安全面での検証、それから、諸外国の安全性基準等の調査研究等、いろいろな意味で水素インフラを整備するための研究が進められていくことが重要かと思います。
14ページ目の3.に書いてありますとおり、高効率機器・燃焼システムの開発・普及ということで、幾つかの技術要素について研究開発を進めていくと。それから、15ページですが、(2)としては、先ほど申し上げた天然ガスとバイオガスの混焼といった、再生可能エネルギーの利用促進を図ることが重要であるとしています。
15ページ目には、基盤的な取り組みとして、基盤インフラ整備が重要であるということで、これまで整理してきた、こういった今後の天然ガスの大きな高度利用の方向に沿って、こういうことに貢献するためのインフラ整備は、引き続き重要であるということかと思います。
(2)として、国民への広報・教育ということで、この会議でも皆さまからいろいろご指摘がありました。16ページに書いてありますが、エネルギー政策の推進のためには、この中で書かれていることなども含めて、さまざまなチャネルを通じて国民に対する広報・教育活動を行っていくことが重要であると。
また、別にご指摘のあったわが国の省エネ技術、これは、かなりのレベルということだと思いますが、こうしたものを海外へうまく移転し、これがまた産業の発展にもつながるという形で、好循環を生み出すということが重要なのではないか、それから、最後、ベースとして、安定供給の確保のために、資源外交なども含めた供給先の安定的な確保に努めることが重要であるということで整理しております。
最後、17ページに、「おわりに」ということで書いてあります。これまでのことを整理して、最後に書いてありますが、ガス事業として中長期シナリオの実現に向けて、不断の取り組みを進めていくことが強く期待されるということで結んでおります。
少し長くなってしまいましたが、以上でご説明を終わります。
中上委員
ありがとうございました。この研究会の取りまとめということになりますので、長い文を手際よく進めていただきましたけれども、多分、ご理解が行き届かなかった点もあろうかと思います。後ほど、フリーディスカッションの中で質疑を含めてご検討いただきたいと思います。
それでは、冒頭申しましたように、お二人の方から、今日は、プレゼンテーションをお願いしておりまして、最初に、社団法人日本ガス協会の中島常務理事さんから、「再生可能エネルギー・バイオガス利用に関する都市ガス業界の取り組み」について、お話をちょうだいしたいと思います。時間は20分程度でよろしくお願いします。

2.有識者からのプレゼンテーション

中島常務理事
今日、委員の高橋の代理でまいりました、日本ガス協会の常務理事の中島でございます。本日は、今、中上先生がおっしゃったように、再生可能エネルギーであるバイオガスの利用促進に関する都市ガス業界の取り組みということでご説明させていただきます。
早速ですが、右下のページ数が2というところをお開きください。順番に、ページを追って説明いたします。これまで私どもが行ってまいりましたバイオガス利用促進に対する取り組みでございますが、まずこの2ページのバイオガスの原料でありますバイオマスについて説明をいたします。
バイオマスとしましては、この表の種類というところの欄にありますように、上から下へ、家畜排せつ物、製材工場、下水汚泥、食品廃棄物等々、多岐にわたるわけですけれども、それぞれの利用状況という欄を見ていただきますと、未利用が多かったり、それから、エネルギー以外に利用されることが多かったりと、必ずしも十分な量がエネルギーに変換されているわけではないということがお分かりいただけると存じます。
また、このうち、下水処理場、食品工場については、比較的未利用のものが多くございまして、都市ガス供給エリア内に立地している場合もあります。下水汚泥、食品廃棄物からのバイオガスの利用促進が、都市ガス業界における取り組みの中心になっております。
3ページをご覧ください。下水処理場や食品工場におけますバイオマスからバイオガスを発生させるために、さまざまな課題があるわけです。まず、左上の枠内に記しましたように、下水汚泥につきましては、エネルギーポテンシャルは、原油換算で約100万klとされておりますが、実際にエネルギー利用されておりますのは、約1割弱にとどまっているといわれております。これは、今まで下水処理におきまして、汚泥を減容化、すなわち少なくすることが最大の目的でありまして、消化タンク設置によりエネルギーを生み出すことは、二次的なものであったためです。また、消化槽を設置するためには、一定の余白、スペースが必要で、維持にもコストが掛かることから、現在、設置はあまり進んではおりません。
ここには書いてございませんが、国土交通省下水道部の資料を拝見しますと、2003年をピークにバイオガスの発生量および利用率が減っているというご報告もあるようです。
次に、左下の枠に示しましたように、食品廃棄物につきましては、飼料や肥料での利用が中心であり、バイオガス等のエネルギー利用は優先度が低い状況です。
また、2ページの表にあったように、未利用の食品廃棄物はまだまだ多くございまして、これらの有効利用が必要と考えられますが、回収の社会システムが整っていないのが現状です。さらには、食品廃棄物を回収したとしましても、メタンガス発酵に適した原料だけを分別する必要がありまして、コスト、それから、技術面の課題もございます。下水汚泥、食品廃棄物のバイオマスからバイオガスを発生させるのには、以上のようにさまざまな課題がございますけれども、実際にバイオガスが生み出される、その場で利用している事例もございます。
次、4ページ目をご覧ください。都市ガス事業者によりますバイオガスの利用促進に向けた取り組みについてご紹介をさせていただきます。一つ目が、下水処理場での事例でありまして、下水処理場で消化ガスと呼ばれるバイオガスの中には、上の写真にありますように、シロキサンというのだそうですが、シロキサンと呼ばれるもこもことしたこういうものが存在しておりまして、主にこれは、髪の毛のリンスなどに含まれるコーティング剤が原因だそうです。これが、ガスエンジンの点火プラグ等に付着いたしまして着火できなくなると、そんなトラブルを起こすことがございます。
左下の方の写真は、このシロキサンというもこもこのものを除去する装置を導入した事例です。また、その右側ですが、これは、活性炭を用いまして、吸着式の貯蔵タンクを導入した例でございます。これにより、従来のタンクに比べましてサイズを4分の1、コストを3分の2ぐらいにして事業性を高めております。
5ページをご覧ください。これは、ビール工場における事例でございまして、ビール工場では、その廃液を有効利用するという取り組みが進められています。発生させたバイオガスを、ガスエンジンで利活用することによりまして、工場内で必要な電気と熱の一部を賄っております。左の写真、これは、微生物によりましてバイオガスの中の硫黄分を除去する「生物脱硫」という技術の導入事例です。
右側は、バイオガスと都市ガスを混焼させることによりまして、世界最高の発電効率のコージェネを開発した事例です。バイオガスの発生量とか熱量の変動を都市ガスによって補いまして、従来32%だった発電効率を38%まで高めるとともに、省エネも実現している例です。
6ページをご覧ください。6ページは、バイオガス導入についての自主目標と実績についてグラフのようになっております。ガス業界は、下水処理場・食品工場内でのオンサイトにおけるバイオガスの利活用を中心に取り組んでおりまして、2010年までに、上の箱の中に書いてありますように、22万klの導入を目指すことを、右に小さい字で※印で書いてありますが、2006年1月30日に開催されました第14回の新エネ部会におきまして、関係者の皆さまのご理解、ご協力を得ることを前提として表明させていただいております。
現在の見通しでは、一番下の枠内に記しましたように、なかなか20万klと厳しい状況、現在の見通しでは厳しい状況ではございますけれども、オンサイトでの利用促進を中心に、目標達成に向けて引き続き努力していきたいと存じます。
以上、これまでの取り組みにつきまして、ご紹介をさせていただきました。
次に、7ページ以降で新法と改正法に対する私どもの取り組みの考え方についてお話をいたします。
先ほどもお話がございました本国会で審議中であります石油代替エネルギー法の見直しに伴いまして、エネルギー供給構造高度化法と呼ばれます、このページの左下の枠内に記しました新法と、もう一つは、非化石エネルギー法と呼ばれます、右の枠内の改正法の両方が成立する見通しでございます。ご存じのように、これらは、いずれも非化石エネルギーの開発・導入促進を目的といたしております。
まず、新法はエネルギー供給事業者、供給者に対して、また、改正法の方は、エネルギーの使用者に対して、それぞれ非化石エネルギーの利用を求めることは皆さんご存じのとおりですが、本日のテーマでありますバイオガスも、この非化石エネルギーの一つでありますので、以下、その新法および改正法に対応したバイオガスの有効利用とガス事業の取り組みという視点で整理をいたしました。
8ページを見ていただけますでしょうか。このスライドページは、都市ガス事業者におけますバイオガスの利用促進に向けた取り組みを、都市ガス製造・供給・利用といったフェーズごとに示したものです。大別して、中ほどに(1)がありますが、これは、都市ガス工場での原料としての利用。その右側が(2)ガス導管への注入です。右の下の(3)でありますバイオガス発生場所における利用という、この3とおりが考えられます。
まず(1)、左のLNGタンクの絵のあるところですが、バイオガスの都市ガス工場での原料としての利用。それから、真ん中あたりの(2)ガス導管への注入。これは、赤い波線というか、点線で囲んだ部分でありまして、すなわち新法の枠内でガス事業者が自ら実施する取り組みです。
一方、右下の方にあります(3)バイオガスの発生場所、それから、オンサイトにおける利用というのは、ご説明しましたように、われわれとしても、最もバイオガス利用に貢献させていただいてきた分野だと思います。改正法の枠内で下水処理場や食品工場等のエネルギー使用者が実施するものです。引き続いて、これについては、われわれガス事業者が有している技術の提供等々によりまして、利用促進に協力させていただきたいと存じております。
新法におきまして、私どもガス事業者の義務対象となります1番の工場、それから、2番の導管における具体的な取り組みについて、引き続きもう少し詳しく説明をさせていただきます。
9ページをご覧ください。都市ガスの工場での原料としての利用について説明させていただきます。この利用形態を実現しますに、成立条件と書いてありますが、(1)バイオガス発生施設と都市ガス工場が隣接し、一定の投資採算性が見込めること。および、(2)バイオガスの品質、圧力、量、価格等の受け渡し条件を満たすことという、この二つの要件を満たす必要がございます。
実際に、下に事例がございますけれども、金沢市様、それから、ほかには長岡市様もそうなのですが、金沢市と長岡市様で、先行事例が、下水処理場と都市ガス工場が隣接しているため、こういう要件をクリアしまして、下水処理場に発生したバイオガスを都市ガス工場で原料として活用するスキームが実現した例がございます。
次の10ページをご覧いただきますと、二つ目のガス導管への注入に対する取り組みを書いてございます。昨年春に、大手都市ガス4社が、都市ガス導管でバイオガスを受け入れるための条件を示したバイオガス購入要領を策定いたしました。先ほどの工場の受け入れと同様、このページには、(1)~(3)まで示しましたとおり、バイオガスの品質や立地場所の成立要件が必要な上に、直接都市ガスとして供給するために、都市ガスと同等の品質を要求されることから、最下段の「→」以下に示しましたように、コスト等の問題がございます。
そのため、まずはオンサイトでの利用を行うことが合理的ではありますが、その上で余剰分が発生しました場合には、本制度を活用してバイオガスの有効利用を図ることができると考えております。現に、購入要領の策定以降、数件の問い合わせもいただいておりまして、これらの要件、案件から、実施に向けた課題の整理等を進めております。補正予算におきましても、補助制度を設けていただきましたので、関係者と協力して実施に結びつけたいと存じます。
以上、4ページぐらいにわたってお話ししたとおり、ガス事業者としては、バイオガスの有効利用に対して真摯に取り組んでまいります。特に、新法の義務対象であります都市ガス工場での原料としての利用、それから、ガス導管への注入ということについては、さまざまな課題がございますけれども、オンサイトでの利用促進と併せて取り組んでいきたいと考えております。
11ページご覧ください。ここで、今後のバイオガス利用の促進に向けた技術開発の取り組みについてご説明をいたします。今後とも、われわれガス事業者といたしましては、バイオガスの発生から利用に至るまで、具体的には、右側に1234と示しております。バイオガス化、精製、貯蔵、バイオガスの高効率利用の各フェーズにおきまして技術開発に積極的に取り組みまして、その結果、左側にイメージ図で示しておりますが、これまで未活用となっておりますバイオマス資源からのバイオガス化や、既に利用しておりますバイオマスからのガス化効率の向上、また、既存利用システムの高効率の利用などを進めて、バイオガス利用の拡大に貢献してまいりたいと考えております。
では以降、開発事例をご紹介いたします。12ページですが、これも、個々には説明いたしません。12ページは、ガス化に関する技術開発のテーマを一覧にしてございます。また後ほどご高覧ください。
13ページは、精製、貯蔵、利用に関するテーマの一覧です。これも、個々には説明いたしませんが、後ほどご確認いただきますようお願いします。以上のテーマの中から、特徴のある二つほどを紹介させていただきたいと思います。
14ページをご覧ください。これは、超高温可溶化技術ということでございまして、ポイントは、バイオガスを発生させる効率を高めることです。これによりまして、バイオガスの発生量を約20%高めまして、バイオガスの量が少ないところでも採算の合うガス化が可能になります。また、この技術は、結果的に残渣を削減することができますので、廃水処理量も削減することが可能になります。
左側のフローは、説明を省略いたしますけれども、右側の写真にありますが、これは、現在、京都で一般家庭や学校給食から出る生ごみを使って実証実験を行っております。こちらは、環境省の「地球温暖化対策技術開発事業」という補助金も頂いております。
次、15ページ、これが、乾式メタン発酵技術ということでありまして、この技術のポイントは、都市ガスのバイオマス資源でございます混合ごみからバイオガスを発生させることでありまして、乾式メタン発酵は、下の方の段に4行ほど書いておりますが、将来の都市におけるバイオマスの利活用を目指し、オフィスビルなどから発生します紙ごみ、それから、厨芥というのでしょうか、すなわち厨房から出るごみ、この混合ごみからバイオガスを発生させる技術であります。混合ごみをエネルギーとして有効利用できますとともに、一番下の行に書いておりますが、排水が発生しないために、湿式メタン発酵で必要となります排水処理が不要になりまして、省エネ、省コストを実現できるというメリットもございまして、今後の更なる技術開発が期待されております。
具体的には、右側の写真が、東京都の江東区様と、財団法人の東京都環境整備公社様と、東京ガスさんとが共同でオフィス等のごみからバイオガスを回収する実証試験を実施しているところでございます。こちらも、京都と同じように、環境省さんから補助をいただいております。
最後に、少々早口で恐縮ですが16ページ目にまとめをしております。私どもの今後の取り組み方針でございます。併せて、私どもだけではなかなか解決できない課題、それから、お願いしたい点についても書いてございます。先ほど申しましたように、バイオガスはオンサイトでの利用が最も合理的でございますので、まずはオンサイトで活用すべきと考えております。
オンサイトで利用した上で、なおもバイオガスの余剰、余りが発生する場合には、その余剰分をガス導管等に注入して活用を図っていくべきと考えております。私どもといたしましては、中長期的にもバイオガスの利用が拡大しますように、オンサイトでの利用促進、それから、工場導管での受け入れ、各フェーズにおける技術開発、また、そのノウハウの提供を積極的に進めていきたいと考えております。
しかしながら、先ほど来ご説明いたしましたように、バイオマス資源をバイオガスとして有効利用することは、なかなか限られているのが実情でございます。それを解決するために、バイオマス資源の有効利用に関して、下水処理場など、バイオガス発生施設を所管していただいております国公省さん、あるいは、地方自治体等々の行政の皆さま方の、ぜひご理解とご協力を賜りたい。バイオガスの利用実現に向けた取り組みへ投資をぜひお願いしたいと考えております。
併せまして、他の新エネルギーと同様に、バイオガス利用に当たりましては、高コストのため経済性がなかなか成立しないのが実態ではありますので、ぜひともそういう発生、利用に対してご支援の充実をお願いしたいと考えております。早口でございましたが、以上でございます。ありがとうございました。
中上委員
どうもありがとうございました。今朝、早起きなさった方は、NHKのニュースで、この江東区の例をやっておりましたので、ご覧になったかと思います。ありがとうございます。これにまさかこんなにぴったり付合する・・・。
嶋津委員
タイムリーですみません。
中上委員
戦略的におありになったとか、そうではないでしょうか(笑)。
それでは、引き続きまして、株式会社三菱総合研究所、環境・エネルギー研究本部、エネルギー研究グループの佐々田主任研究員様より、「2050年低炭素社会の構築における都市ガス利用の位置づけと貢献」についてお話をちょうだいします。三菱総研におきましては、先日、研究所として2050年のエネルギー研究ビジョンをご提示されたそうでございまして、今回の議論と関連のある部分もあるということで、事務局に対してプレゼンテーションのご提案がございましたので、一つの見方として、具体的な数字が出ておりますので、ご議論の参考としていただければということで、今日、ご報告していただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
佐々田主任研究員
三菱総合研究所の佐々田と申します。先月、三菱総合研究所といたしまして、日本における2050年のエネルギー自給展望を示しました。その内容に沿いまして、今日、プレゼンをしたいと思います。私に与えられた時間は20分ということですので、大体11時4~5分までやらせていただければと思っております。
目次ですが、まず、ベースシナリオというものを、われわれ、5月に提示いたしまして、それの前提条件と、その中での都市ガスの位置づけというものを簡単に整理したいと思います。次に、今までガスのあり方研でも検討されてきましたけれども、都市ガスの高度利用というものがあると、それを加味した場合の貢献というのはどの程度なのかを試算いたしました。最後に総括、および、水素を活用したケースの試算をしております。
3ページ目です。冒頭に申しましたけれども、2050年のMARKAL-JAPAN-MRIというモデルにおいて基本的にベースシナリオケースを提示しておりますが、その中で、都市ガスというものがどういう位置づけになるのかをあらためて見直してみましたので、それをご説明するということと、都市ガスの高度利用で低炭素社会にどのような貢献をもたらすのか、この2点を目的としております。
MARKALという言葉は皆さんあまり聞き慣れないかと思うのですが、これは、1970年代、80年代から国際的に研究を進められている枠組みでして、現在でも60カ国とか、70カ国の多くの研究機関で使用されている研究のフレームとお考えください。
日本では、現在の産総研ですとか、原研さんが参加してプログラムの開発がなされてきたのですけれども、基本的にこのフレームを活用いたしまして、われわれとして独自に開発を進めてきたものです。
この5ページ目から10ページまでは、簡単に前提のご紹介をさしあげます。5ページ目、構築シナリオということで想定される需要、産業、民政、運輸別に、それぞれの産業でどのような需要が想定されるのかを推計しているというものと、その下、想定されるエネルギー利用技術ということで、クールアースなどで出ている将来の技術というものをここで加味しております。
下にCO2削減目標と書いてありますが、制約条件といたしまして低炭素社会ということで、ここでは大胆に2050年、2005年比-60%のCO2排出削減というものを置いております。ここでの目的関数とありますが、基本的にMARKALというのはコストを最小化するというモデルになっておりまして、社会的費用を最小化するためにどういうもので活用したらいいかということを試算するというものです。
このページは、左側が人口予測とかGDPの予測をしていますということと、右側に技術革新の要素を書いております。クールアースなどに出ていますロードマップのコスト目標などを活用いたしまして、特にここで枠に囲っているような技術を今回のモデルの中に組み込んでいるということで、マクロ想定と技術想定の中で線形計画モデルを組んでいるというものです。
7ページは経済成長のシナリオです。いろいろここでGDP2005年比、2050年で1.3倍などと書いていますが、特徴はエネ庁様でやられている需給見通しよりも、ややGDPは控えめな想定にしております。それと、製造業が中心の経済成長をこれからもしていくという想定でやっております。従いまして、鉄鋼や化学という主要産業の製造量というのは現状と同程度で推移すると考えておりまして、国の機関でも、環境省系の機関ですと、そこら辺の前提条件が随分違う推定をされているところがあるのですが、われわれといたしましては、しっかり経済成長をしていく、産業分野を中心としてということを想定しております。
このページは、燃料価格とCO2の制限量なのですが、ポイントは、下のCO2排出量の制限値で、2050年地点で2005年比-60%。2020年時点で、大体経済的負担を考慮して、2005年比、-10%程度を置いているというものです。
こちらは、推計の簡単な考え方なのですけれども、GDPや世帯・人口の仮定から各種データを分析して、有識者のヒアリング、いろいろなアンケートを踏まえて、産業、運輸、民生、家庭の各用途別に需要を出したというものです。
前提条件、少々長くなったのですけれども、最後のページでして、民生では、住宅に太陽光パネルをしっかり入っていくという前提を置いています。2番目に、高断熱仕様の住宅・新規ビルの建設率が、2030年にほぼ100%に、高断熱仕様のものが新築ではなっていくという前提を置いています。
発電部門の主な条件設定ということでは、繰り返しになりますが、住宅への太陽光パネルの設置と風力の大規模な導入、および、原子力発電所の導入で、建設計画量13基+古くなった炉を150万kWにリプレースするという条件を置いて設定しているということです。
以上のような設定を置いてどのような結果が出てきたかということで、11ページから簡単に4ページほどでご紹介しております。このグラフの左側なのですが、部門別最終エネルギー消費量の推移ということで、2005年比、2050年では、78%ということですので、おおむね2割程度最終エネルギー消費量が減っていくであろうという絵姿を示しております。
その中で、右のグラフなのですけれども、エネルギー種別で見ますと、電化は順調に進んでいきます。天然ガスも産業用を中心として増加していきます。ただ、石油製品につきましては大幅に減少していくのではないかというような推計がなされております。あと、石炭につきましては、鉄鋼用の原料という関係もありまして、大幅に減るということはないのではないかとわれわれは推計しております。
12ページでは、部門別に見てみました。左上が産業なのですが、黄色の都市ガスというのが、一応ガスのコージェネレーションも含んだ数字になっておりますが、基本的に大幅に増えていくということ、都市ガス事業が増えていくと。これは、石油、石炭等からの天然ガスへの燃料転換ですとか、コージェネ導入によってそれが実現するものであると思われます。なお、産業の最終エネルギー消費量は、あまり2005年と2050年で大きな違いはないと考えております。
右に移りまして運輸なのですが、運輸は、2050年にかけて大幅にエネルギー消費量が減っていくのではないかと見ておりまして、最終的には電化、EVなどが増えていったり、都市ガスとか、一部水素が入ってくると。ガソリンが大幅に減ったり、ディーゼルが減っていくというような予測が出ております。なお、ここの都市ガスといいますのは、通常の乗用車ではありませんで、貨物用の自動車における天然ガス車というものと、水素につきましては、燃料電池車としての利用が膨らんでくるのではないかと予想しております。
あと、下の左、業務につきましては、順調に電化が進んでいくと。ただ、右の家庭とも合わせてみますと、業務、家庭は、やはり順調に電化が進むのではないか。ただ、2020年、2030年ごろに、都市ガスの役割も高まっていって、2050年でも一定の役割を果たしているのではないかと予測をしております。
この13ページ目の上につきましては、一次エネルギー供給について、やはり全体として天然ガスが増えていきますねということと、この右上のグラフなのですが、現在は、天然ガスといったときに、発電事業と都市ガス事業の比率なのですけれども、2対1で発電事業の割合の方が大きいと。それが遠い将来、2050年でいきますと、発電と都市ガス事業の割合が逆転する可能性があるのではないかということをこのグラフで示しております。
まとめということで、先ほど来、申しておりますとおり、産業分野では燃転・コージェネ導入による天然ガス化によるCO2削減が進む、民生では電化が進行していくものの都市ガスの役割を果たすものと見られます。運輸でも天然ガス車、燃料電池自動車(水素)で、都市ガス利用が拡大していくことが考えられます。
次の14ページ目は、産業だけ特出ししております。産業が大きく伸びる、都市ガスが伸びる、天然ガスが伸びるということで、現在と2050年で、その伸び率を都道府県別に落とし込むとどのようになるかということを示しています。左側の円グラフは、上が現在、下が将来の構成比でして、右は、現在と2050年との伸び率の比較。赤いところほど伸びていく、緑のところが5倍以内、青いところが5~10倍ということで、平均5倍程度ということです。これは何を言いたいかといいますと、ある地域だけ特別に天然ガスが増えるということではなくて、恐らくこういう絵姿であれば、全国で需要増があって、それに対応するための導管インフラの整備が求められるのではないかという論拠として書かせていただいております。
ここまでがベースシナリオケースということで、5月にわれわれが発表させていただいたものの都市ガスの位置づけをもう一度整理したものなのですけれども、2番目で、都市ガス高度利用ケース。民生で都市ガスの高度利用をした場合、どのような効果があるのかと。電化促進による低炭素化と同程度、または、それ以上の効果があるのかもしれないということで検証をしてみたということになります。
16ページを見ていただきまして、都市ガス高度利用ケースというものなのですが、左から業務、家庭、戸建て、集合と載っています。業務では、面的に熱と電気を融通し合う仕組みをつくっていくと。エネルギープラントがあって、隣のホテルや事務所などにも熱や電気を供給する仕組み。家庭の戸建てにつきましては、ここにありますように、ダブル発電、コージェネレーションなどがあって、制御機器などがあって、先ほどのご説明にもありましたけれども、一体運用によってトータルな利用システムをつくると。右側が集合住宅において、セントラル方式による供給。そのセントラルが、一つだけでのセントラルなのか、階ごとのセントラルなのか、いろいろパターンはあるかと思いますけれども、面的に電力や熱を融通し合う仕組みということでお考えください。
その高度利用が入るということなのですけれども、どの程度の需要量が見込まれるのかを検討いたしました。まず、業務につきましては、面的利用促進調査というものが以前からなされておりまして、そこで、非常に高密度な熱集約地域はどの程度あるという報告書がありますので、そのレポートを基にして大体のボリュームを出しています。
家庭につきましても、新築、既築、戸建て、集合別にどれだけ入るのかを推計しております。例えば、個人宅でしたら、3人以上とか、120m 2以上の大きな家でないとこういうものは入らないのではないか。そういう前提を置いて潜在量を出した上で、下ですけれども、ガス導管接続割合ですとか、ガス高度利用選択割合、半分の人がそういうものを選択するのではないとか、そういうものを加味して導入量を設定させていただきました。
その結果なのですけれども、18ページ、左がベースシナリオ、右が都市ガス高度利用シナリオの違いなのですが、ここで、青字のところが都市ガス高度利用ということになります。業務でも家庭でも一定の存在感を示すということになります。
注目していただきたいのは、右端にあります最終エネルギー消費量の差なのですが、やはり高度利用をするということで、最終エネルギー消費量自体が低減していくということが、大きな特徴ではないかということがいえるかと思います。それは、業務、家庭でも同じことです。
また、コージェネ導入につきましては、高度利用によってコージェネ導入が増えるということで、発電設備自体の設備容量が低減していくということが推定されております。
そこで、一つの試みとして、20~21ページにかけまして、今回、低炭素社会ということですので、CO2排出量削減の要因を分解して、都市ガスがどの程度貢献しているのかが算出できないかという試みをしてみました。
どのように分解したかと申しますと、20ページの1~5にありますとおり、電源の効率向上要因、高効率化が進むという要因。2番目、電源構成自体が変わっていく、再生可能が導入されるなど、そういう要因。3番目、最終エネルギー消費部門の燃転が進む、電化が進むということでの要因。4番目、機器の効率向上の要因。最後、5番目は、人口が減ったり、サービス量自体が減りますので、それによるCO2削減の要因というものがございますので、この五つの要因を見ています。
例えば、都市ガスでいいますと、2番でいう、ここのコージェネのところですとか、3番でいう、天然ガスへの燃料転換、そういうところが該当するかと思われます。
21ページが、その結果でございます。真ん中をまず見ていただきまして、先ほどのページで紹介した1~5が真ん中に出ておりまして、その中で、2番、3番、4番に該当する都市ガスの部分を赤で示しております。その都市ガスの部門をまとめ直したのが左のグラフになっております。2005年、排出量があって、2030年、真ん中に二つありますけれども、削減量が大体CO2、2.8億トン、その中で、都市ガスがどの程度寄与しているのか、赤で示しております。2030年のベースシナリオでは、大体4400万トンで、削減量自体の16%、高度利用の場合ですと若干増えて、4700万トンで、削減量自体の17%という結果が出ております。
2050年の-60%という非常にチャレンジな目標設定においては、ベースシナリオにおいて削減量の12%、この8700万トン。高度利用の場合はもっと増えまして、1億トン、14%程度が該当するのではないかという試算結果が出ております。
一番右のグラフは何かと申しますと、その2050年時点の赤の部分の内訳をさらに深掘りしてみたものでございまして、要は、ガス事業の寄与というものは何に成り立っているか、コージェネ利用、燃転、水素利用というものが大きいということが分かっておりまして、右側の高度利用によってピンクの部分が上乗せされているというのがご理解いただけるかと思います。
あと、追加的に右下に四角で囲ませていただいておりますのは、今、ご説明した中には含まれていないのですけれども、CCTSということで、分散型CCSの効果はどの程度あるのかを一応検討してみたものです。ベースシナリオでは960万トン、高度利用ケースでは1400万トン程度の更なるCO2削減の貢献が見込まれるのではないかということを、ここに記載しております。
22ページは、一応コスト面での押さえをしておかなければいけないなということで、コスト面でどうなのだということを整理しています。左側が高度利用を入れたことによって回避された投資回避効果ということで年間2000億円程度。真ん中が高度利用の今考えられるイニシャルコストを考慮すると、年間2800億円ぐらいかかるかなと。要は、やはり3割程度価格低減をしないとなかなか入りづらいのではないかということを申しております。
ただ、右にありますとおり、高効率システムを採用することで、輸入資源量自体が減少するという効果がありまして、それを考慮すると、2000億円と同程度になるのではないかという一つの見込みがあるということで、一つコスト面での押さえということで示させていただいております。
総括といたしましては、繰り返しになりますが、ベースシナリオとして-60%を達成するために、原子力や再生可能は非常に大きいということもあるのですが、一つの要素として都市ガス事業の役割が大きいということが分かったのではないかと。特に産業分野ではその効果が大きいということで、全国的に需要増加が見込まれるということと、都市ガス高度利用ケースにつきましては、従来いわれている電化促進という考え方もあるのですが、一つのシナリオとして都市ガス高度利用ケースというのもあるのではないかということを、ここでまとめさせていただいております。
時間もなくなったのですけれども、最後に、24ページ以降、水素活用ケース、本当に簡単になのですが、これまでのあり方研でもご指摘がありましたように、輸入水素を活用できないかというお話があります。パタゴニアから持ってこられないかというお話なのですが、なかなか非常に大きな構想です。2025年から、このようなことを35円/Nm 3でやるという文献などもありますので、そういう文献に基づいて試算した結果、25ページのように、赤で囲っている緑のところですが、水素の輸入量が増えて、水素の果たす役割が大きくなってくるということと。
26ページ、ちょっと駆け足ですけれども、ガス事業の内訳を比較していただきますと、水素が導入されることでガス事業の役割というものが若干増えてくるのではないかというのが、26ページの左右のグラフを見ると分かるかと思います。
最後にこのページ、27ページ、左下のグラフで赤のところがふくれあがっておりますけれども、こういうことをやることでCO2削減効果がさらに大きくなる可能性がありますねということで、今回、まとめさせていただいております。私の発表は以上です。
中上委員
ありがとうございました。2050年というのは相当先で、私は間違いなくこの世におりませんけれども、多くの方々はまだまだご活躍であろうと思いますから、ご興味を持ってご覧になったのではないかと思います。いずれにしましても社会が縮小していくわけでございまして、ガス事業のあり方を考えるより、石油事業のあり方を考える方が先かなという気がしなくもありませんけれども。
今まで三つのご報告、プレゼンテーションがあったわけですけれども、これからフリーディスカッションに移りたいと思います。ごちゃごちゃになってしまうといけませんので、最初に、今、お二方のプレゼンテーションをちょうだいしましたものを先にやってしまいまして、あとでじっくりと報告案についてと、このようにさせていただきたいと思いますので、時間は、10分か15分程度以内で、今のお二方についてのご質問、あるいは、ご意見等についてご討議賜りたいと思います。
進め方はいつものとおりでございまして、ご意見のある方は、札を立てていただきましたら、私の方から順次、ご指名させていただきたいと思います。では、よろしくお願いします。

3.フリーディスカッション

中上委員
崎田委員どうぞ。
崎田委員
質問をさせていただきたいのですけれども、最初の日本ガス協会の方のバイオガスのことなのですが、本当にバイオガスをきちんと使っていくというのは、地域にとって大変重要だと思っています。今度の新法のことで7ページに出ているのですが、これは確認なのですけれども、エネルギー供給事業者への義務付け、これは、供給ですね。すみません、そうすると、その関連なのですが、最後のページ、16ページのところ、やはりこの大量の発生源が非常にこういうことに参画するというか、それがとても大事だと思うのです。その道筋をつくっていくというあたりを、どのように今、考えていらっしゃるか、ぜひ伺いたいなと思ったのは、16ページの一番下、発生源の国や自治体の協力が重要だということ。これは、本当に食品リサイクル法や下水道汚泥の循環的利用など、委員会にかかわらせていただいた者として、大変重要なところで、これをやはり地域がきちんと将来計画をつくる中でこういうことを入れていくとか、かなり制度的に組み込むことが必要なのではないかと思っておりまして、事業者さんはどうのように、今、こういうことを展望されているか伺いたいと思いました。よろしくお願いいたします。
中上委員
一通りご意見、ご質問をちょうだいしてからお答えいただきたいと思いますので。
崎田委員
すみません、もう一方の三菱総合研究所さんへの質問なのですが、後半の方のコスト試算というところが、20何ページかにありましたね。このコスト試算に関して、将来高度利用などを社会で導入していったときに、私は最初、これが出てくるまでは、やはりかなり社会全体で負担する研究開発や、設備を更新することに対して社会が負担するコストは大きいのではないかと思っていたのですけれども、その辺、社会全体、あるいは、事業者さんと国民がきちんと負担していくようなものというのはどの程度増えるのか。これによると、資源も減るのでコスト的には大丈夫だというような、あまり変わらないというような結果が出ておりますが、その辺を教えていただきたいと思いました。
私は、国民自体は、必要なものは一緒に払っていくのが大事だと思っております。ただ、そういうことは、きちんと情報が出ることが大事だと思っておりますので、よろしくお願いします。
中上委員
ありがとうございました。ほかにどなたかございませんでしょうか。それでは、ございませんようですから、順に、今のご質問について、まず中島さんの方から。
中島常務理事
崎田委員は、バイオガスの利用の地域での取り組み、ステップのようなことをお聞きだったと思うのですが、確かに、各地域でいろいろなことをやるについては、一人、ガス事業者だけがやるというのは、なかなか、先ほど来、ご説明しましたように、いろいろな面で課題がございますので、確かにおっしゃるように、地方自治体さんなどと一緒にやらせていただかないと、下水処理場は、別に民間のわれわれガス事業者が持っているわけではありませんので、では、そこにそういうものがないといけませんから、本当に各自治体さんとの協力が大切だと思います。
では、具体的にどれだけ、今、動いているかということは、私どもも全容をつかんでいるわけではありませんけれども、いろいろな地方自治体さんの方からも、例えば、地方のガス事業者に対して、こういうことも、今、バイオガスの利用で下水処理場のことを考えているのでどうだというお話も、自治体さんからも実は幾つかいただいているものもありますので、うまい説明はできませんが、やはり自治体などと一緒になってやっていかないと、一民間事業者であるガス事業者だけという形ではなかなか進みにくいなというのが実態でございます。
それと、もちろんそれについてはいろいろ支援をしていただけるような何か制度が、一方では、制度面での整備がなされませんと、コストばかりいいにくいのですけれども、なかなか難しいなというのが現状ですので、ぜひ、そこはわれわれガス協会といたしましても、各地方のガス事業者と、今、211事業者ございますので、連携して自治体さんへの働き掛けなども積極的にしていこうとしているところでございます。
中上委員
ありがとうございました。それでは、まず三菱総研の佐々田さんの方から、コストの話で、マクロでございましたけれども、ブレークダウンするとどうなるかという話だと思います。
佐々田主任研究員
コストにつきましては、22ページに書いているのですけれども、われわれとしても幾らになるのかというのはなかなか見えないところがあって、業界関係者の方や有識者の方にヒアリングさせていただいて、この程度ではないかというあたりのめどというところで数字をつくらせていただいております。その数字で見ると、まだやはり若干高いのではないかというところもございまして、そういう面では、コストを下げていくという努力を今後ともしていく必要があるのかなとは思っております。
あと、高効率システムを採用するということで、輸入資源量が減りますので、それは一定の試算の中なのですが、それを加味すると、試算上はとんとんぐらいいくのではないかという一つの可能性として示させていただいております。ただ、これも、割と中長期的な話ですので、そこら辺は、今後詳細に詰めていく必要があろうかと思われます。
中上委員
今の崎田さんからのご質問では、例えば、国民への負担という形ではどのぐらいだろうかという、そういうお話があったのですが、そこまではまだブレークダウンされていないということですか。
佐々田主任研究員
そうですね
中上委員
できれば、そういう情報があると、一般の方々もこういう問題についてさらに理解が深まる、あるいは、協力しようという体制が強くなるということがあると思いますので、ぜひまた、ご研究の方をよろしくお願いしたいと思います。
それでは、村上先生の札が立っておりますので、よろしくお願いします。
村上委員
三菱総研の佐々田さん、大変明解なお話をありがとうございました。僕は、今回の審議会では、この話を最初に聞きたくて、何回も将来の需要予測の必要性について発言しました。本当に立派な資料だと思います。
一つ質問です。12ページに、最終エネルギー消費ということで、右下に家庭用がございますね。今、世界中でゼロエネ住宅やゼロカーボン住宅の推進が言われておりまして、これは、多分間違いなく近い将来実現できると思います。この予測では、2050年でもかなりの電気が使われていますけれども、これは全部再生可能エネルギーなのでしょうか。あるいは、いわゆるゼロエネ住宅やゼロカーボン住宅が実現されそうだという状況で、この数値はどう理解すればいいのか、教えていただきたいと思います。
中上委員
では、よろしくお願いします。
佐々田主任研究員
太陽光が相当数入っていく前提になっています。
村上委員
50%と書いていますね。
佐々田主任研究員
そうですね。10ページに示したとおり、相当入っていくと、併せて、太陽熱システムが若干増えていくということで、あと、高気密高断熱住宅が、2030年以降は、新築はすべて入るという前提を置いていますので、そういう意味では、ゼロエネ住宅、それに近い住宅が相当増えていくと想定されます。
村上委員
例えば、電気の部分ですね。この半分ぐらいが太陽光で発電するとか、それはよく理解できます。しかし、ほかの部分は自然エネルギーで代替するのは難しいということがあります。その全体像が見えないのです。おっしゃったように、断熱気密とかを向上させるのは当然として、ゼロエネやゼロカーボンといったときに、実際に都市ガスや石油など、そういったものはやはり残るという前提ですか。
佐々田主任研究員
そうですね、やはり地域的な話も、灯油を使うというのも一部は最終的に残ってくるということもありますので、すべて電化や再生可能エネルギー絡みで賄えるというわけではなくて、一部石油製品なども残らざるを得ないと思っております。
村上委員
ありがとうございました。
中上委員
私からも、18ページの図でいけば、2045年から、電気はともかくほかのエネルギーはがくっと落ちていますね。この極端な落ち込みはどういう・・・。私があまり言ってはいけないのかな。すみません、お願いします。
佐々田主任研究員
12ページの家庭でぐっと下がっているのですけれども、ここはやはり2050年のCO2制約-60%というのは、相当大きな制限になっておりまして、家庭で相当下げなさいというふうに、計算上出ているということで、そういう意味で、2040年でしたか、2045年以降、高効率のヒートポンプなどが導入されるなどの前提条件が入っておりまして、そういう中で、家庭では電化の割合が一層促進されるというように計算上は出てきております。
中上委員
ほかにどなたかございませんでしょうか。ございませんようでしたら、お二方のプレゼンテーションに対する質疑は、これで打ち切らせていただきまして、冒頭、課長の方からご説明いただきました、本研究会の中間報告の案について質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。では、順番に、樋口委員お願いします。
樋口委員
今日のプレゼン議論で、天然ガスの環境性、供給安定性、そして、低炭素社会の実現に貢献できるということが示されたと思いますけれども、中間報告の中で、少し言及したいのですが、今のMRIのプレゼンの21ページに、天然ガスへの燃料転換、それから、コージェネレーションの導入等によるCO2の削減効果がありました。2030年時点で、天然ガスによる貢献が、国全体のCO2削減量の16%を占めるという分析結果になっておりますので、2050年に至る過程において、天然ガスへの燃料転換が非常に確実性の高い低炭素社会への道筋であると理解をしております。ぜひその時間軸を少し中間報告の中で言及していただければと思います。
それから、景気が後退しているということで、中小工場等の環境対策がやはり先延ばしになっているということで、これは、全体的にそういう傾向があるかと思うのです。そういった意味での、家庭、業務、産業、運輸、あらゆる分野でのこういう低炭素社会実現に向けたいろいろな対策を促進するような検討、あるいは、支援が必要ではないかと思います。
それから、インフラ整備に関してですけれども、いろいろと天然ガスによる低炭素化への取り組みをしていく上で、先般もご説明いたしましたけれども、インフラ整備は非常に重要であるということでございますが、ガス事業者は、これを積極的にやっていくということで、これは中間報告の中でもそのように触れられておりますけれども、なかなかCO2の削減効果は高いけれども投資採算性の低い路線についても、事業者が早期にインフラ整備に着手できるような支援をご検討いただければと思います。
それから、今のMRIの報告の中で、2050年の高度利用ケースで1億トンのCO2が削減できるという試算がありました。こういった低酸素社会への取り組みを国全体のムーブメントにしていく上で、この1億トンの削減、CO2の1億トンのダイエットといいますか、そのようなキャッチフレーズ的なもの、スローガン的なものがあると、天然ガスによるCO2削減を長期にわたって取り組んでいくという合意形成というか、そういうものができるのではないかという気がいたしました。私の方からは以上です。
中上委員
ありがとうございました。続きまして、中島さん。
中島常務理事
すみません、たくさんしゃべっておりまして、また質問で恐縮でございます。質問といいますか、この中間報告(案)についてということなので、本当に低酸素社会におけるガス事業のあり方という大きなテーマの下、機器の効率化から水素社会まで実に広範囲にわたる議論を短期間で取りまとめていただきましたので、事務局には敬意を表したいと思います。
本中間報告(案)では、6ページの第3章のところで、(1)から(3)まで中ほどに分散型エネルギーシステムの展開とか、水素エネルギー社会の構築とか、高度利用、この三つの柱が展開されて、ガス事業者の低炭素社会において果たすべき役割が本当に明確になったということで、私ども事業者側として認識しております。こういう取り組みをぜひ具体化するために、確か12ページ以降だったと思うのですが、中長期シナリオに、実現に向けた具体的な取り組みということで、支援策等を記載いただいておりまして、先ほど私のプレゼンで申し上げましたけれども、技術開発支援、それから、実証試験、普及促進というステップ・バイ・ステップのアプローチというものが、そういう観点からさらに具体的な内容についてぜひ検討いただけますようにご期待申し上げたいと思います。
1点だけ、修正のお願いというと恐縮なのですが、3ページを開いていただきたいと思います。3ページの第2章、1.の4)に不確実性の増大という表題が付いている部分ですが、ここでは、欧州でのロシア・ウクライナ間の例のガス供給停止によりますガス供給セキュリティ問題が記載されております。このことに関しましては、欧州では、実は、天然ガスの地政学的な問題というのはガスパイプラインの問題と定義できると。従って、複数の国を経由せずに海上輸送で調達できますLNGはリスクが少ないとされておりますものですから、その後、LNGの輸入量は拡大されたという経緯がございます。
このようなことも踏まえまして、私どもといたしましては、ぜひLNGの需給環境はこうした状況であるという認識の下、中間報告への記載もご配慮賜れればと存じます。
もう1点だけすみません、質問ではないのですが、先ほどの中上座長代行の仕分けと異なりますが、先ほどの三菱総研さんのプレゼンは、本当に中長期シナリオ、それから、CO2削減ポテンシャルの話がございまして、大変大きな、例えば、CO2削減に対する都市ガスの寄与度が、グラフでも確か17%、2030年、16%という、削減ポテンシャルが50年では約1億トンという大きな規模になっておりまして、本当に興味深く拝聴いたしましたし、次の22ページでしたかにございました投資コストの面でも、高度利用ケースの輸入資源量が減少するということで、私ども、ある意味では海外の資金流出を防ぐことができて、しかも、わが国の高度利用技術の産業育成にも資すると、このような観点から社会的な意義は大きいと存じます。ここについても、大変いいプレゼンをしていただいたと思っております。以上です。
中上委員
ありがとうございました。それでは、佐々木委員、前田委員、それから、森永乳業の中嶌委員代理という順番でいきたいと思います。樋口委員はもう一度ということですね。
樋口委員
一言だけコメントをまた。
中上委員
あとでいいですね。では、今の順番で、佐々木さんお願いします。
佐々木委員
何点かご意見を申し上げさせていただきたいと思います。まず一つ目は、ベストミックスという表現が何カ所か出てくるのですけれども、もう少し丁寧にどういう意味でベストなのかという評価の軸をご説明いただくことが国民の理解を得るためには大事ではないかということが気になる点です。
もう一つは、コストの問題なのですけれども、特に家庭につきまして、ここで、大量生産等によってコスト低減を図るということをご指摘いただいています。これは、非常に大事なことだと思っておりまして、現在、私どもも業界を挙げて、太陽光発電であれ、高効率機器であれ、普及促進に努めさせていただいているのですが、いずれにしても、一般に相当広く進めていこうとすると、やはり投資回収が10年以下ぐらいになっていかないと広範な普及というのはなかなか難しいというのが実感という状況でございます。具体的な数字をここで書いてほしいということではありませんけれども、コストの問題は、相当に大きな課題であるということに、ぜひもう少し重点を置いていいただいた方がいいのではないかと思います。
三つ目は、いろいろな課題があることがよく分かりました。今後、中長期的に取り組んでいかなければいけないことが分かるのですけれども、もう少し時間軸の議論を見えるようにしていく必要があるのではないかと、何年までにという具体的なことはなかなか言えないのかもしれませんけれども、例えば、順番であるにせよ、あるいは、中間時点でどういう目標なのかであるにせよ、そういうことが見えないと、全部同時に進んでいくかのごとき印象を受けるということです。
それから、最後の点ですが、実はこれを読んでいまして、こういうことが、私ども、あるいは、国民の暮らしにどういう影響があるのか、あるいは、どういうメリットがあるのかということは、実はよく見えないなと、要するに、今の延長上でエネルギー構造が変わるということですよといっているのか、あるいは、このスマートグリッドの話というのは、例えば、国民の暮らしにとってどういういいことがあるのか、どうなのかというあたりですね。その点は、何回か前に中上先生からプレゼンがあった際のわが国の家庭用エネルギーの消費構造が今後どうなっていくのか、これからのわれわれの生活水準の向上を図っていかなければいけない中で、こういう議論がどう位置づけられるのかなということと、非常に大きなかかわりがあるのではないかと思います。ここでそこを示すことがなかなか難しいかもしれませんけれども、そういう議論の方向が必要だということは、国民の理解を得る上でも重要だろうと思います。
もう一つそれにかかわって、ガス事業といいますか、産業論という面で、ここに書いてあるガス事業のあり方というのは、今のガス事業の形態という延長上にあるような気がするのです。例えば、このスマートグリッドなどのようなそういう議論とか、あるいは、国民に対して、今申し上げたような新しい暮らしなり、新しい生活水準なりの議論をしていったときに、そこに何か新しいサービス産業とか、そういうものの議論の可能性というものがあるのではないかという予感もいたします。
住宅業界も、恐らくこれから、建てるだけではなくて、そういうところにだんだん力を入れていくということになっていくと思いますから、ぜひそういう展望がこういう中から見えてくると、いろいろな意味で協力が広がるのではないかということでございます。以上でございます。
中上委員
ありがとうございました。いつもエネルギー関連の人ばかりで話をしていますと、今のような視点が時々抜け落ちますので、非常に貴重なご指摘だったと思います。
それでは、続きまして前田委員。
前田委員
まとめ方について一つと、それから、細かい点を1~2。全体のこれから進むべき三つの方向ということでまとめているので、そういう意味では、非常にクリアカットになっているので分かりやすいという意味では、非常にいいのかなと思います。
それぞれについての支援策、あるいは、政策的なパッケージみたいなものというのが、必ずしも全部入っているわけではないかなという印象を若干受けるのと、それから、三つに切って分かりやすくなったために、そのほかに漏れてしまったところが幾つかあって、それらについても、何かやるべきことはあるのではないかなということで、そういったものを全部この中に、解決策がない状態で盛り込むのはなかなか難しいかもしれないのですが、課題的に最後の方で整理をするというようなことはあり得ないのかなと思ったところです。
もう一つは、その課題の中に、恐らく、これは電ガ部長の諮問機関ということなので電ガ部の範囲というのが、ある種、暗黙的にあるのかなとは思うのですが、実際には、他省庁だったり、あるいは、他部門だったりというところにかかわるようなもろもろの制度的な枠組みについての、これも、ですから、課題ということになるのかもしれませんけれども、そういったことを最後の方にやや羅列して課題を残すというか、そのようなことも必要なのではないかと思ったところです。
それから、先ほど時間軸という話が出て、この三つの中で、これでいいのか、あるいは、水素というのはどうしても時間軸的には少し後ろだというイメージがあるので、水素が3番目なのかなと。あるいは、政策的重要性でいうと、ここにあってもいいのかもしれない。少々迷うところですけれども、1個1個の中に時間軸を考えるのか、あるいは、その三つの中でも考えるかというのは、考えるべきところかなと思いました。
あと、細かい点でいうと、産業等についての高度利用ということでうたわれていますけれども、そもそも前に議論がありましたように、燃料転換そのものが相当大きな量的なCO2削減効果があるということを少しうたってもらえないかなと。その上で高度利用をすれば、もっとCO2削減になるということで、前段でその辺のところを修飾していただいた方がいいのではないかというのが一つ。
それから、同じように細かい話ですけれども、水素供給のインフラを考えるときに、ガス事業者としては、現在、天然ガス自動車をやっていますが、この天然ガス自動車を天然ガス自動車として一生懸命CO2削減等に貢献するということもありますけれども、あのインフラが、そのまま水素供給のインフラに比較的簡単に転換できるという、そういう意味での先ほどの時間軸論でいうと、その途中のプロセスとしてああいったものを推進しておくということが重要ではないかと思っておりますので、そういう意味でも、一行くらいそういうものを少し書き込んでいいただいた方がいいのではないかと思った次第です。以上です。
中上委員
ありがとうございました。今、個別に伺っておりますと、ご質問ということもあろうかと思いますけれども、出るものを全部出していただいて、最終的には、そのご意見を勘案して事務局の方で取りまとめていただくということにしたいと思います。ご回答いただこうと思うと時間が足りなくなってしまいますから、今日は、思いのところを皆さんからお伺いするという趣旨でいきたいと思います。特にこの場でということがございましたら、事務局の方から、また後でコメントしていただくという進め方にさせていただきたいと思います。だんだん混乱してまいりましたけれども、次は、中嶌委員代理ですね。
中嶌委員(代理:谷口)
中間取りまとめとしまして、ガスユーザーのさまざまな意見を取り込んでいただきましてありがとうございます。その上で、三つほど意見を付け加えさせていただきます。
8ページ(4)ガス事業およびガス事業者の役割ということなのですが、現在、ガス事業者様に、電気と熱の組み合わせについてサービスをいただいているのですが、近い将来に総合エネルギーサービスということで、ガス事業者さんに積極的な役割を果たしていただきたいと思っております。
その理由につきまして、総合エネルギーサービスの展開によりまして、現在、弊社では余剰な熱エネルギーを一部廃棄しておりまして、そういうエネルギーを地域社会で利用できるような、総合エネルギーサービスが必要だと思っております。そうすることによりまして、社会全体でのエネルギーの最適使用が可能になりまして、また、安定的な使用も可能になります。その上で、社会全体としてのコスト削減が実現できればといいなと考えておりまして、ぜひとも総合エネルギーサービスの担い手として頑張っていただきたいと思っております。
続きまして、13ページの下の(3)なのですが、「需要家グループの取組強化のための枠組みづくり」ということで、これは、下の方で、自治体の都市計画において、これらの取り組みの重要性を位置づけるとともに、中小都市と、その中の技術開発・イニシアチブ等を検討して、さらに積極的な取り組みを可能とするということですが、やはりインセンティブを持って積極的に取り組むとなりますと、取り組みに対するバランスの取れた適正な評価が必要だと思います。というのは、PDCAサイクルで、やはりプラン、計画の部分と行動の部分が完全なものであったとしましても、その後にあるチェック、評価の部分で適正なものがなければ、次のアクションに移りづらいというか、移ることができない状況にあると考えております。具体的には、今回の分散エネルギーシステムの核となりますコージェネレーションや、再生エネルギーとしての太陽光発電などの、そういうエネルギーを含めたマージナル係数の評価についても、またあらためて再考していただきたいところです。
最後になりますけれども、15ページで、下の4番(1)基盤インフラ整備なのですけれども、パイプライン等のインフラ整備は、一義的にガス事業者が潜在需要を見通して採算性を考えてやるということでご意見が今回も出ておりますが、その潜在需要の担い手となりますのが、われわれガスのユーザーでありまして、その潜在的需要を掘り起こすためのユーザーへの公的な関与や、そういう支援が必要ではないかと考えておりまして、できれば、その方向でもご配慮いただきたいと思っております。以上、3点ですが、私の方から述べさせていただきました。
中上委員
ありがとうございました。確かに総合エネルギーサービスという話は出てきたような気がしますが、報告書の中には明示的に入っておりませんでしたので、また、勘案していただければと思います。
それでは、続きまして、もうほとんど皆さん全員挙がりましたので、順番に、公平に行かせていただきます。樋口委員には少々待っていただきまして、よろしいですか。野口委員。
野口委員
12~13ページのスマートエネルギーネットワークの取り組みのところなのですが、特に13ページの3)地域・都市のところでございます。どうも読んだ感じで、このスマートエネルギーのところが、スマートに需給を制御しようという面が特に強く感じられるわけでして、家庭、集合住宅はそのような感じでいいのかなと思いますが、特に地域・都市のところは、それだけではなくて、太陽光等の再生可能エネルギー、あるいは、バイオガスなども含めて、新しい取り組み、エネルギーの、言葉として、エネルギー面的利用モデルという言葉があるのですが、これにもう少し具体的なイメージを、地域で取り組んでいくのだと。例えば、都市だったら、その中のどこかの地域、あるいは、農村の集落などでも、こういう分散型エネルギーの取り組みを具体的にやっていくのだと。その中には、ガスもあれば、太陽光もあれば、バイオなどもあるというイメージが、どうもここでは浮かんでこない感じがいたします。前のシナリオの方向性、7ページの方の表現では、そういうバイオマスや太陽熱等についての言及もあるわけですので、13ページの方も、何かそういう表現を工夫していただいた方がイメージがわくのかなという感じがいたします。
もう1点は、その下の(3)のところですが、需要家グループ(自治体等)という書き方なのですが、自治体等として取り組みを強化するための枠組みづくりということでは十分理解できますし、私が申し上げた部分でもあるのですが、これを需要家グループということで自治体を代表選手でくくるというのが、何かこのエネルギーの需要は自治体が中心なのだというようにも読めてしまうような感じがいたします。取り組みの一つの重要な主体として自治体が加わるということで、何か書き方を変えていただいた方がいいのかなと思います。
もう1点は、15ページの基盤インフラ整備のところでございまして、パイプライン等のインフラ整備についての公的な関与、支援ということをきちんと書き込んでいただいていると思いますが、もう少し、例えば、潜在需要見通しで投資採算性を勘案して投資判断を行うと。一義的には、それがガス事業者の取り組みとして必要なのだという書き方なのですが、まさに潜在需要を見通すところが難しくて、なかなか踏み切れない、投資ができないというのが実態なのかなと思います。
そういう中で、しかしながらのところで、そこを書いて入るのだと思うのですけれど、何かもう少しやらないと進まないのだということを踏まえた書き方はできないのかなと。例えば、CO2削減そのものにも資するのだということが、ここには書いていないような気がいたしまして、そのようなことを含めるとか、公的な関与、支援の必要性ということが、もっと分かるような書き方ができないでしょうか。
それと、これは、可能であればなのですが、2050年の姿を述べている中で、では、この基盤インフラというものが2050年にはどういう姿になっているかという全体像が示された方が本当はいいのではないか、全国の中で、どのぐらいパイプラインが整備されている、そういうものを目標にしていこうというか、何かそれに近い言及はできないものかと思いました。以上です。
中上委員
ありがとうございました。多分ご指摘のところは、本文中に全部盛り込めるかどうかは別にして、資料等で補足するような形でもよろしいでしょうか。その点、そういうことを勘案してまとめていただきたいと思います。
それでは、引き続きまして、崎田さん、お願いします。
崎田委員
ありがとうございます。先ほど佐々木委員の方から、住まい方のイメージがあまりわいてこないというお話がありました。生活者の立場からいっても、私たちがきちんと素晴らしい機器を有効に使っていくということが大事なところですので、そういう部分を込めていただくということは大変重要だと思っております。
特に、これは将来展望を書くということなので仕方ないのかなと思うのですが、実は、現状の中で家庭のエネルギー消費で一番消費が大きいのが給湯器というように、確かデータが出ていると思います。いろいろ情報では、家庭の電気の使用量で一番大きいのはエアコンだというような情報が例えば多いので、あまり私たち消費者は、自分の家の給湯器がとてもエネルギーを消費しているという感覚がなかったりするのです。そういう、第一歩のところから、もっともっと私たちが自分の家の給湯器などを、建て替えのときに次のバージョンにきちんとするとか、そういうところから大事だと思うのですが、そういう入り口のところから、次の将来展望と、その先の水素とか、その辺のところが少しつながるのか、そういうところが少し見えてくると、こういうものを拝見したときの自分たちの将来像が見えてくるのかなという感じもして拝見いたしました。
それと、13ページのあたりで、集合住宅や地域・都市、あるいは、需要家グループという、このようにいろいろなところで出ているのですけれども、こういう分野をどんどん誘導的に進めるための政策的にどういう政策がこういう展開に必要なのかというあたりを、きちんとまとめていただくということも大事かなと思って拝見しておりました。その中の一つとして、例えば、今、大企業さんと中小事業者さんの企業間の排出量取引とか、そのようなところが始まり始めていますけれども、次のところでは自治体間や地域間のカーボンオフセットとか、今、盛んにそういうことに関心が高まっていると思うので、そういうことがもっと強くなってくれば、皆さん、かなり真剣に、こういう面的にきちんとエネルギーを効率的に使うとか、本当に関心が高まってくると思いますので、何かそのような将来展望の道筋のようなものも少し入っているといいのではないかと感じました。
最後に1点、特に家庭のところでは、エネルギー利用モデルの実証試験等と、わざわざ実証試験と書いてあるのですが、地域のところでは、面的利用モデルを構築ということで、あまり実現させるという印象で書いていないのです。そろそろこういう絵を描くだけではなくて、少し環境モデル都市のチャレンジングな都市をつくっていくというような、そのようなニュアンスで書き込んでいただいてもよろしいのではないかと、そのような感じがいたしました。よろしくお願いいたします。
中上委員
ありがとうございました。今日は、うまく終わるかなと思っておりましたが、皆さん、全員挙がったものですから、かなり厳しくなってまいりました。時の記念日なので、ぜひ今日はぴったりいってやろうかと思っていたのですけれども(笑)。その切り札も使えそうにありませんので、不満が残るといけませんので、多少時間が延びるかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、小山委員、お願いします。
小山委員
ありがとうございます。それでは手短に4点ほど申し上げさせていただきたいと思います。今回のこの取りまとめは、非常にきちんと包括的にまとめていただいていると思いますが、やはり、特に重要なのは、第4章の具体的な取り組みになるかと思います。ここで、一つは、政策として取り組むべきところと、それから、例えば、ガス事業者さん、あるいは、関連産業として取り組むべきところ、あるいは、自治体としてと、関連するいろいろなプレーヤーがそれぞれに何をしていくべきなのかという視点があると、やはり明確になっていくのではないかと感じたのが1点です。
2点目は、既に皆さんから出てきた時間軸の問題ですので、これは割愛したいと思いますが、全く同感で、全部を網羅的に同時に進めるというよりは、どこが重点で、どこからやっていく、あるいは、最終的に長期的な課題は何かというような、そういう整理の仕方がやはりよろしいのかなという感じを受けております。
それから、3点目でございますが、この研究会は、日本のガス事業、産業がどう発展していくのかということを議論してまとめているわけですが、翻ってみますと、日本は世界でも有数の天然ガス消費国であり、LNGについては、世界最大の輸入国でもありますので、この方向性は、必然的に、国際的な意味を持つだろうと感じております。この報告を取りまとめていくときにも、国際的な意味、インプリケーションを持つという意識を持つのが必要に大事ではないかと思っております。
ガスの市場や事業者、産業が発展していく上では、言うまでもなく安定調達、安定供給、そして、経済性を持って調達をしていくということも非常に大事な要素ですので、上流や調達といった面、今回はあまり議論ができなかったのですけれども、まとめのところでは、15ページに書いていただいていますけれども、本来はやはりきちんと議論をするべきアイテムではないかと考えております。
最後、4点目ですが、これも多くの委員の方から、既にご指摘があったのですけれども、第4章の最初の3点は、利用すべき高度な技術をどう開発して、普及・展開していくかということですが、それの背景として非常に大事なのが、まさにその基盤整備として取りまとめられている部分だと思います。本研究会の3回目、4回目の議論でも、インフラの重要性ということが指摘をされて、なかなか議論が難しいところがあるかと思いますけれども、ここは、取りまとめのところできちんと位置づけるというか、工夫をしていただく必要があるのかなと思います。
ここでの基盤インフラという中に、いわゆるスマートエネルギーネットワークということは明示的に書いていない部分があるかと思うのですけれども、広く言えば、これもやはりインフラだろうと思います。このスマートエネルギーネットワークについては、まさに今、現在進行形で進んでいたり、急速に注目が高まっているところかと思います。一方、スマートエネルギーネットワークについては、まだまだファクトベース、さらにはその政策的意味合いも分析が詰め切れていないところがあるかなと思いますので、そこは、これから十分な調査や分析といったものが大事になってくるという感じを受けております。以上です。
中上委員
ありがとうございました。非常に意義の深いご指摘が幾つかあったと思いましたので、ぜひまたこれは事務局の方で勘案していただきたいと思います。
続きましては、私の手元の順番では、村上委員、嶋津委員、永田委員という順番でいきたいと思います。よろしくお願いします。
村上委員
このレポートの1ページに注があって、ガス事業の定義をしていただいております。これについては、最初の会合で指摘しました。これを読むと、今回取り扱うガス事業は都市ガス事業だけで、これは即、大都市の問題だけを取り出すのかというように、短絡してうけとられかねないのです。そうすると大都市以外はどうなるのかという疑問が、当然出る可能性があるわけです。その場合、現下の日本の人口減少社会で、今後、人口が集まるのは大都市だということになります。だから、日本国としてのインフラ整備の最適化という視点から、大都市に重点を置くことが必要であるという、そのような記述があった方が収まりがいいのではないかということ、それが1点。
二つ目は、佐々木委員からの指摘もありましたけれども、このレポートには、私の見落としかもしれませんけれども、国民や市民という言葉は一度も出てこないのではないかと思うのです。そういう国民や市民に対する視線、目線があって、そういう人たちに対するメリットがあるからこういうものをやる必要があると説明したらどうでしょうか。そうしないと、最初にインフラ整備ありきという形で受け取られると、やはり誤解を与えるのではないかと。
三つ目、これもやはり佐々木さんが指摘しましたが、全体的印象として、従来の、今までのガス事業の延長という印象があるわけです。今回、これだけの大きく2050年に向けての変革を展望するのであれば、日本のエネルギー需給全般の中でガス事業はどうあるかという視点に立って、わたし自身、以前にも指摘しましたけれども、ガス事業の総合エネルギーサービスということを謳ったらいかがでしょうか。さらに、もう一歩いくと、国民に対するサービスという意味では、総合生活サービスと、そういったガス事業の新しいあり方に関しても一言あってよろしいのではないかと思います。以上3点です。
中上委員
これも非常に重要なご指摘でしたので、これはぜひ盛り込まなければいけないのではないかと私も思います。それでは、嶋津委員。
嶋津委員
皆さんのご意見と大体重なるのですけれども、やはり今回のこの研究会、それから、この報告書の取りまとめ、短時間でよく取りまとめられていると思いますけれども、やはり時間的に2020年ぐらいの、今度の、まさに今日発表される中期目標的なタイムスケールと、2050年というもう少し先になって、多分そこにいくと、これからの技術革新など、そういう不確定な要素が非常に多い部分があって、そこをまとめて論ずるというのが非常に難しいところがあるのではないかという気がいたします。
そういう中で、CO2削減という意味では、私の受けた印象では、やはり産業分野のエネルギー転換のようなものが、ガスに転換していくというものが、相当直接的に、手っ取り早いCO2削減の見える寄与分だとしたら、そこのところをもう少し報告書の中で強調してもいいのではという気がいたします。
それから、先ほどの佐々木さんのお話を聞いていて触発されたのですけれども、やはり家庭については、非常に私などは、今度の中期目標の資料などが出てきた検討委員会の資料などを見ていても、家庭でこのようにやるとCO2が減りますよという中で、次世代自動車を買い、高効率給湯器を買い、立派な断熱材を入れてというような、そういうことを1個の家庭がやると、CO2の排出量が半分ぐらいに減りますというのですが、それをやるためには、プラスアルファで500万円ぐらいお金をかけないとできないと。
もちろんその部分は、例えば、高効率給湯器でも、量産効果などで安くなっていくのかもしれませんけれども、日本の住宅事情からしますと、新築住宅でそのようなものが最初から入っていればいいのですが、住宅ローンを抱えてようやく住宅を買って、その住宅が古くなって改築をしなければいけないのではとなったころには、老い先が短くてなかなかお金をかけられないと、住宅自体が、なかなか日本の今の・・・。
中上委員
嶋津さん、時間がないものですから、一般論は少しはしょってお願いします。
嶋津委員
すみません、もう少し、個々のものを、そういったものを導入するというのは大事なのですが、社会政策として、住宅をこういうイメージでこういう出資をしていくとやはりCO2が減るのですよと。その中で、ガスをこのように利用したらいいのではないですかと。そういったようなものをもう少し、イメージを分かりやすく打ち出していただきたいという気がいたします。
中上委員
ありがとうございました。申し訳ありませんでした。途中で話の腰を折りまして。時間がないものですから、焦っておりました。次は、永田委員、お願いします。
永田委員
はい、ありがとうございます。先ほど来、いろいろな方がおっしゃってくださっていますけれども、ガス事業のあり方に関する研究会ですから、家庭や市民生活の記述が少ないのは分かるのですけれども、ガス業界の発展と、やはり消費生活の向上というのは、車の両輪であってほしいと思っております。ですから、第4章の具体的な取り組みの家庭のところに、もう少し具体的に、家庭生活がどう変わっていくのか、どう変えたら省エネや低炭素社会になるのかというところが見えてくるとよかったなとは、感想として思っております。大型の発電所でつくったエネルギーを遠くまで運んでくるよりは、消費地近くで電気をつくって使うという分散型エネルギーシステムの展開こそ、将来のエネルギーの供給システムとしてふさわしいと思いますし、そこで、天然ガスの果たす役割というものも非常に大きいということが分かりました。
しかし、低炭素社会を実現するために、優れた機器や技術、そして、システムが開発され、そして、ガス業界が進歩発展するとしても、やはり一般消費者や自治体がその有用性を理解して、それを導入しようとするインセンティブが働かなければ、やはり低炭素社会の実現というものは、広がりは難しいだろうと思います。
そこで、一つに、導入のインセンティブが働くように、例えば、インフラ整備であるとか、また、機器の導入だとか、いろいろですけれども、業界だけではなく、市民といいますか、消費者に対しても支援政策、支援施策を取っていただきたいというのが1点目。
それから、2点目は、消費者への分かりやすい情報提供、それから、周知の徹底、将来を見据えた長期的、系統だった教育がとても重要だと思っております。国もガス業界さんも、広い視野に立ってもっともっと積極的にこうした活動を行っていただきたいと思います。もちろん中立公正な情報であるべきことは言うまでもありませんけれども、とかく、消費者と業界、または、精算者さんとの間というのは、情報の格差というのが非常に大きいという、ここから消費者問題が生じてくるといわれるぐらいですので、ぜひぜひお願いしたいと思います。以上です。
中上委員
ありがとうございました。続きまして、石井委員。
石井委員
ありがとうございます。時間もないということなので、短くやらせていただきます。基本的に、私は、この案につきましては、短い時間の間でよく取りまとめていただいたと思っておりまして、大変ありがとうございました。
第4章について、すでに各委員からも指摘がありましたように、この内容の取りまとめのところで、今後のガス事業のあり方が問われてくると思っております。
14ページで、私がお話しさせていただいてきました水素インフラという観点からのパイプライン整備について、また、15ページで、「基盤的取り組み」の項目にパイプライン等のインフラ整備ついて記載していただきありがとうございました。
ただ、今日のMRIさんのプレゼン資料の14ページを見ますと、ベースシナリオにおける、産業用都市ガス需要の伸び率が10倍以上のゾーンが示されている一方で、参考資料集(資料3-3)の16ページの、わが国のパイプラインあるいは、LNG基地等の現状等を見ていただきますと、当該ゾーンのところには基盤インフラがありません。このような地域の基盤インフラを整備することが、今後、10倍以上のガス需要の伸び率につながり、CO2の削減につながるのだというようなシナリオも入れていただければと思っております。
加えて、中間報告案の15ページの真ん中あたりに、「我が国においては、パイプライン等のインフラ整備は、一義的にはガス事業者等の個々の民間企業が」という記載がございますが、ガス導管事業者もガスインフラ整備には重要な役割を今後も担うのではないかと思っていますので、ぜひこの辺は、ガス導管事業者の位置づけも明確にしていただいた上で、記載を少し膨らませていただければと思っている次第でございます。以上です。
中上委員
ありがとうございました。それでは、引き続きまして、山内委員。
山内委員
ありがとうございます。時間もないので簡単にやらせていただきます。今、石井さんもおっしゃっていたパイプライン、15ページのところですけれども、基盤インフラ整備というところです。一つは、ここで、パイプライン等の基盤インフラ整備が重要だということが書いてあるということは、非常に結論として望ましいことだと思います。ただ、基盤インフラ整備がパイプラインだけかどうかという議論が先ほども出ていましたし、私は、もう少し視野を広めて、スマートエネルギーネットワークとか、あるいは、中島常務理事のプレゼンテーションの中にそういうものがありましたので、そういったところも少し視野を広げていくべきだと思っています。
もう一つは、ここで、特に第3段落の最後のところに、ある程度は法的な関与、支援も望まれるところであるとあります。これも重要なことですし、これは、結論的にはこの方向なのだと思いますけれども、やり方はほかにもいろいろあります。インセンティブなどいろいろありますので、その辺も書いていただければと思います。特に、先ほどもご議論がありましたけれども、インフラというのは、どうしてもmarket failureになりがちだと。例えば、民間事業者の意思決定の時間的なスパンの中に、インフラ整備というものがなかなか入ってこないというケースがあって、それは、一つのmarket failureですけれども、そういったことも頭に入れて、この辺、書いていただければよろしいのではないかと思っています。以上です。
中上委員
ありがとうございました。前田委員は下げていただきまして、樋口委員、すみません、お待たせしました。
樋口委員
ありがとうございます。もう1点だけなのですけれども、エネルギーセキュリティについて、1ページに、検討の背景としてエネルギーセキュリティの確保、および、地球温暖化への対応を図っていく観点からと言及されているのですけれども、それに関する記述が、要は、15ページの基盤的取り組みの中の「天然ガスインフラの拡張、エネルギーセキュリティの観点からも重要であることに加え」、どうもここぐらいしかないという感じはしています。
先ほど、三菱総研さんの分析については、こういうエネルギーセキュリティという要素は全く入っていないわけで、エネルギーセキュリティについて、もう少しやはり言及する必要があるのではないかというのが、私の要望でございます。

4.その他

中上委員
ありがとうございました。大変な役割を負わせられたと悔やんでおりますけれども、ここのシナリオでは、私に総括をしろと書いてありますが、とても総括などできたものではございませんので、今日、ご意見をちょうだいしましたけれど、このまま、今、メモをきちんと取っていいただいたとは思いますけれども、行き違いがあってはいけないので、もしかすると皆さまのところに、事務局の方からご確認の電話などがいくかもしれませんけれども、それを踏まえて最終報告に取りまとめていただければと事務局にお願いしたいと思います。それでよろしいでしょうか。何かございましたら一言。
それでは、これで今日の審議を終わりたいと思いますけれども、最後に、事務局より次回の日程についてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
畠山ガス市場整備課長
どうもご議論ありがとうございます。次回は6月30日の火曜日、3~5時ということで、経済産業省の別館の11階1120会議室にて開催させていただきますので、よろしくお願いいたします。
中上委員
どうもありがとうございました。

以上

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電話:03-3501-2963
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最終更新日:2009年8月4日
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