経済産業省
文字サイズ変更

低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会(第6回)-議事要旨

日時:平成21年6月30日(火)15:00~17:00
場所:経済産業省別館11階共用1120号会議室

出席者

委員
石井委員、小山委員、崎田委員、佐々木委員、嶋津委員、髙橋委員、中上委員、中嶌委員(谷口代理)、永田委員、野口委員、樋口委員、前田委員、村上委員、山内委員
欠席
松橋委員
事務局
西山電力・ガス事業部長、後藤電力・ガス事業部政策課長、畠山ガス市場整備課長、安永ガス安全課長、安芸燃料電池推進室課長補佐、西山電力・ガス事業部政策課長補佐、猪狩ガス市場整備課長補佐

議題

  1. 中間報告案のとりまとめ
  2. フリーディスカッション
  3. その他

議事概要

コージェネレーション

  • コージェネレーションシステム(CHP)について、欧米においては、再生可能エネルギーとならんで重要な政策と位置づけられており、導入目標、支援法、普及促進策(補助金、買取制度等)が策定されるなど一連のパッケージとなっている。例えば、英国ではCHPの排熱利用はCO2をゼロカウントとし、再生エネルギーと同等の位置づけとなっている。我が国でも、このような方向に向けて検討すべきであり、例えば、「燃料電池は水素利用という観点、コージェネレーションシステムの排熱は欧米において再生可能エネルギーと見なしているという動向を踏まえて、わが国においてCHP政策における位置づけについて検討していくことが重要である」というような文言を報告書に記載すべき。

天然ガスのポテンシャル

  • 本研究会において、低炭素社会における天然ガスやガス事業の貢献の道筋が示された。三菱総合研究所の分析結果では、産業部門における燃料転換と天然ガスの高度利用を前提条件として、2050年における国全体のCO2削減に対して天然ガスの貢献度合は15%程度という試算がなされており、報告書で取り上げるべき。

エネルギー政策

  • 今後、「長期エネルギー需給見通し」や「エネルギー基本計画」の改定が想定されるが、今回の中間報告を基礎にして議論してほしい。
  • 中間報告の趣旨である天然ガスの重要性を、エネルギー基本計画等、今後の国のエネルギー政策に反映し、早期に実行できる環境を整えるべき。
  • ガス事業、電力事業ということではなく、公益事業そのものがどうあるべきかという議論が必要。競争には技術や制度的な発展があるが、協調すべき点は協調すべき。報告書では総合エネルギー産業という新しい切り口が示されているが、ガスだけでなく、今後あらゆるエネルギー産業が総合エネルギー産業としてやっていくべき。
  • 第4章における具体的取り組みが、第3章の中長期のシナリオとどのように結びつくのか今ひとつ理解できない。今回の問題を突き詰めると、今後のエネルギー供給や産業のあり方をどのように構築していくかという問題になる。「産業融合」を今後考えていく必要あり。

バイオガス

  • 効率は悪いが重要である「再生可能エネルギー」に関し、バイオガスをきちんと位置づけていることは有益。エネルギーの自給率の低い我が国では、できるだけ地域の未利用エネルギーを利用すべき。環境対策が遅れている下水処理施設について、バイオガス利用の検討等、総合的に考えていく時期に来ている。その意味で、「自治体などと連携」を報告書に示されたことは、自治体との連携しながら将来像を考えていくスタートが切れたものと評価。
  • バイオガスの導入促進のためには、地方自治体との連携が大事であり、地域貢献というガス事業の優位な点が発揮できるポイント。バイオガスは熱量が非常に低く、熱量調整とコストの問題あり。柔軟なカロリーに対する考え方をベースに、大気放散されるメタンガスの有効利用することにより温暖化対策になるとの視点から、このような問題を次のステップで検討すべき。

インフラ整備

  • 様々な部門で天然ガスが低炭素社会実現に貢献できるよう、技術開発・商品化を通じて利用促進や導入拡大、パイプライン等インフラ整備に努力するが、引き続き国の支援を望む。
  • 産業分野を中心に天然ガスの需要が潜在的に相当あるが、基盤が未整備のため、利用できない地域・企業があり、インフラ整備を進めるべき。最終的には全国どこでも利用したい人が利用できることが理想。未普及地域へのパイプライン網の拡大を具現化すべき。公的支援についても、今後政策として具体化を進めるべき。
  • 今後の水素社会を考える上で、天然ガススタンドで改質して水素を製造し燃料電池車に使うことが考えられるが、業界としても普及に向け努力していく。

分散型エネルギーシステム・地域での面的利用

  • 低炭素化のために天然ガスを活かしていく上で、自治体なども取り込んだ形での面的な取組みを推進すべき。報告書に記載されている積極的な取組みが可能となれば一体どうなっていくのか、我々自治体も交えて具体的な検討を進めてほしい。
  • 中期目標の15%削減のうち、民生部門が70%を占めており、民生部門の削減にあたっては、分散型の期待大。産業部門と記載するのであれば、中期目標との関係からも、民生も記載すべき。
  • 京都議定書目達計画のなかで、エネルギーの面的利用の重要性がうたわれているが、導入はあまり進んでいない。これを支援する意味でも、分散型エネルギーが必要である旨記載すべき。面的利用が脚注でも記載されていればよい。

スマートエネルギーネットワーク

  • スマートエネルギーネットワークの構築に向けた取り組みとして、実証事業の検討が不可欠とあるが、今後、自治体にも参画を募り、事業を進めるべき。
  • 単一のエネルギーだけではなく、未利用エネルギー、再生可能エネルギーを組合せ、需要家の視点にたったエネルギーのベストミックスを進めることが重要。スマートエネルギーネットワーク構築は、需要家側のエネルギーのベストミックを進めるための一つの方策であり関係者の協力のもと着実に進めるべき。

消費者への広報・市民の役割

  • 市民の視点から、このような状況を理解しながら、自らのライフスタイルにおいてできるだけ省エネに努めていくことは大変重要。事前の打ち合わせでもかなり話をして文言を強くしていただいたが、市民の役割が大きいことをもっと強く言っても良い。
  • 一般の消費者にはなかなか情報が行き届かないのが現実。機器・システムは使う側の理解・認識があって初めて生かされるもの。報告書にもあるとおり、様々なチャンネルからわかりやすい形で広報・教育を行い、「見える化」「分かる化」を図っていくべき。
  • 今度の中期目標において家庭用の占める役割が大きい中で、家庭の暮らしのレベルを維持・向上していくには、国民の側が、今後の取り組みについて認識を深めていくことが必要。
  • 中期目標達成のためには、家庭の果たす役割が高まっているが、家庭にとっては相当なコスト負担がかかってくる。いろいろなエネルギー供給事業者が、住宅メーカーと協力して、実証試験を行い、様々な仕組みの組み合わせを提示し、国民に対し、負担や効果を伝えるべき。

天然ガスの安定供給

  • 日本のガス事業が発展していくためには、経済性や競争力をもって原料調達を行い供給することが重要。5章の安定調達の問題は、将来の課題として今後も取り組むべき。

その他

  • 「再生可能エネルギー等の導入」、「基盤インフラ整備」、また「天然ガスの安定供給」や「運輸部門での天然ガスの利活用のあり方」は、残された課題であり、今後さらなる検討が必要。
  • 参考資料P37について、業務用と家庭用の用途別のグラフは上下が逆になっている。また、業務用は多種多様な業種があり、暖房用、給湯用、冷房用等といった家庭用のような仕切り方は不適切。やるのであれば、空調用、動力用、照明、あるいは熱需要といった切り口でおさえるべき。
  • P19以降の「5.基盤的取り組み」に関し、政策的な内容が含まれているが、残った課題を明記しただけとの印象を拭えないので、書き方や説明の仕方で工夫すべき。
  • 今年の「IEA World Energy Outlook 2009」では、地球温暖化と天然ガスが二大トピックとなっており、低炭素社会に向かう中で、日本のガス事業・ガス市場の今後の方向性について、世界的にも関心が寄せられている。中間報告の骨子を外向けに発信できるようにすべき。
  • 3章の最後に「ガス事業及びガス事業者役割」が記載されているが、現在の実態や機能が整理されているので、2章で整理してはどうか(必ずしも修正が必要なわけではないが)。あるいは、具体的な取り組みが記載されている4章に記載してもいいとも思うが。
  • 電力との兼ね合いなど複雑な問題もあり、また、協調と競合の話もあったが、最終的にはユーザーが選択するので、その辺の視点は明確にすべき。

中間報告案については、今回の審議結果を踏まえ、加筆・修正を行い、都市熱エネルギー部会の報告書としてまとめていくこととした。それまでのプロセスについては、柏木座長に一任することとなった。

今後の研究会については、必要に応じ、議論を再開することとした。

 
 
最終更新日:2009年7月9日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.