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総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子炉安全小委員会運転管理ワーキンググループ(第2回)−議事録

日時:平成21年7月24日(金)14:00〜17:00
場所:独立行政法人原子力安全基盤機構JNES会議室(9階9G会議室)

出席者

主査:
片岡 勲

委員:
岡本 孝司、長崎 晋也

専門委員:
平野 雅司、渡邉 憲夫

特別専門員:
古川 雄二(大嶽 通明代理)、清水 俊一、藤原 健二、古橋 和己

議事概要

上戸統括原子力保安検査官
それでは、皆様、定刻になりましたので、ただいまより「第2回運転管理ワーキング」を開催いたします。
本日は、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
さて、早速ですが、定足数の確認をさせていただきます。本日は、5名の委員のうち3名以上の御出席、過半数を得ておりますので、「総合資源エネルギー調査会運営規程」に基づきまして、本日のワーキングは成立となっております。
1つ御紹介したいと思います。先ほどの私どもの人事異動で、福島首席から中村首席へ交代をしておりますので、中村首席を紹介したいと思います。
中村首席統括安全審査官
よろしくお願いします。
上戸統括原子力保安検査官
それでは、片岡主査、よろしくお願いいたします。
片岡主査
本日は、お忙しい中、御出席いただきましてどうもありがとうございます。
それでは、まず、事務局の方より配付資料の確認をお願いいたします。
上戸統括原子力保安検査官
それでは、お手元に用意しております資料について確認させていただきます。
まず、配席表が一番上に乗っておりまして、その次に議事次第、その後、資料1といたしまして「米国原子力規制委員会等との意見交換の実施結果について」でございます。
資料2が「我が国の運転実績及び米国STS改訂を踏まえた保安規定の規定に係る規制要求の見直し方針及び運転管理規定の見直し方針について」で、私ども検査課のクレジットがついているものでございます。
資料3が「海外の運転中保全(オンラインメンテナンス)の動向を踏まえた我が国の運転中保全の実施について」で、電事連のクレジットがついているものでございます。
資料4が私ども検査課のクレジットがついております「運転中保全(オンラインメンテナンス)の実施に係る規制上の要求事項について」でございます。
資料5は「今後の運転管理WGスケジュール(予定)」でございます。
それとは別に、机にうずたかく積もっている資料といたしまして、机上配付資料ということで配らせていただいております。これは後で回収しますので、お帰りのときは置いていただければと思っております。机上配付資料の上に1枚紙の一覧表がついておりますが、実際の保安規定として机上資料−1、2。3〜6がSTSに関する資料。7が、この前、訪米したときの質問事項であります。8が保安規定の審査内規ということで、ここに一覧表が書いてございます。
以上でございます。資料に過不足ございませんでしょうか。
第1回の議事録につきましては、既に各委員の確認を受けまして、私ども経産省のホームページに掲載されているところでございます。
それでは、片岡主査、よろしくお願いいたします。
片岡主査
それでは、基本的な議事の進め方として、最初に資料を説明して、その後にディスカッションの時間を用意したいと思います。
それでは、議題の1番目ですが、「米国原子力規制委員会等との意見交換の実施結果について」です。事務局の方より御説明をお願いいたします。
弥益保安規定係長
では、資料1に基づき御説明させていただきます。ページ番号が右下に打っておりますので、それに基づいて説明させていただきます。
まず、1ページ目でございます。「米国原子力規制委員会等との意見交換の実施結果について」ということでございます。
2ページ目をごらんください。「実施内容」でございますが、米国原子力規制委員会(NRC)の標準技術仕様書(STS)改訂内容を踏まえた運転管理規定の見直し検討に当たって、STS改訂理由等、以下の(1)〜(6)について、NRCとの意見交換を実施いたしました。
3ページ目をごらんください。「意見交換日程・参加者」でございます。意見交換先は、NRC、NEI、BWRのFermi発電所と、PWRのCatawba発電所と、エクセル・サービス社に行ってまいりました。参加機関は、原子力安全・保安院と、原子力安全基盤機構と、電気事業連合会でございます。
次に、4ページ目でございますが、早速ですが、「意見交換結果」について御説明いたします。
まず(1)でSTSと個別プラント技術仕様書(TS)との関係でございます。米国での状況の確認結果でございますが、まずはSTSの位置づけですが、1つ目のポチは、STSはガイドラインの取扱いであり、要求スペックとしての運転上の制限等を定めた文書(Spec.)と、その根拠を定めた文書(Bases)がありました。
ただ、規制といたしましては、10CFR50.36でTSの作成を要求しておりますが、個別TSへのSTSの導入は任意とされていました。
10CFR50.36ですが、下の※にありますが、ここで安全制限値であるとか、運転制限値であるとか、サーベイランス要件等を規定することを要求しております。
下の枠ですが、最終安全解析報告書(FSAR)と個別TSの関係、日本で言う設置許可と保安規定の運転管理規定との関係でございますが、基本的にこちらは日米とも大きな差異はなかったということでございます。
次の5ページ目でございますが、今度は個別TSと、その根拠文書(Bases)との関係でございます。個別TSにおいても、それに対応する個別Basesを米国においては作成しておりました。これを現場においても活用していたということでございました。
次ですが、STSの個別TSへの導入状況でございます。STSの導入は任意であることから、3割のプラントはSTSを導入しておりませんでした。
また、既にSTSを導入しているプラントにおいても、STS改訂内容の反映は任意であるということでございました。
次の6ページ目でございます。こちらは我が国の状況でございますが、最初のポチですが、我が国においては、STSに相当するものとしては、JNESがとりまとめを行っている国−事業者の合意文書「技術資料」があります。
下の※で、これはどういうものかといいますと、保安規定各条文の技術的内容と背景にある安全上の考え方に対する現時点の知見をとりまとめた資料でございます。
上に戻っていただきまして、また、標準のBasesに相当するものとしても同様に「技術資料」に含めておりまして、個別プラントごとのBasesは日本においては作成していないという状況でございます。
次に、グリーンの枠に行きますが、ここは日米を比較した結果について書いてございます。結局、比較した結果、枠組み、考え方としては、個別プラントごとのBases作成を除き、日米では大きな差がないということがわかりました。
次に、ピンク色の枠でございますが、それを踏まえた我が国での今後の対応等でございます。まず最初のポツでございますが、米国では個別プラントごとにBasesが作成されているなど、我が国に比べ精度の高い運用がなされています。よって、これらを参考としつつ、技術資料の充実等について検討していくこととしたいと思います。
次に、7ページ目をごらんください。(2)でSTSの改訂の経緯と詳細について御説明したいと思います。
これについては、次の8ページにて御説明したいと思います。まず最初に、TSの改訂手続について御説明したいと思います。まず、TSを改訂する場合は、NRC、事業者から見直し要求があります。基本的にTSの見直し要求の総数に対する比は、事業者側が3分の2、NRC側が3分の1であるということでございました。
その後、見直し要求を受けてTravelerというものが作成されます。要は、見直し要求を受けて変更するような場合は、必ずTravelerというものが作成されます。このTravelerはTSTFが作成することになります。これはプラント・オーナーズ・グループで組織されたTSTFというものですが、それによってTravelerは作成されるということになります。
それと、Travelerの作成は、複数のプラントの案件のみに対して作成されまして、個別の案件では作成はされません。そのTravelerの作成を踏まえて、それについて議論がなされます。
左側の大きな矢印が下に向っていますが、議論を踏まえてNRCが承認します。その後は、左側の矢印で下りていっていますが、個別TSの申請は各社任意で、TSを変更したい場合は、そのTravelerを使って変更するというふうになってございます。
それと、赤の点々で囲っているところでございますが、これはNRCで活用されているCLIIPという制度でございまして、先ほどのTravelerの作成までは同じなのですが、他電力に展開する可能性が多いものについて、NRC側が申請書の標準化を行います。更に、申請書の標準化とTravelerをパブリックコメント(公衆審査)にかけます。その後にNRCが承認することになっております。これは何が違うかといいますと、Travelerを使って申請した場合は、この申請書の標準フォーマットを使えば、簡便な審査がなされるということでございます。
話を戻しまして、Travelerを作成してNRCにより承認されるんですが、承認されたTravelerはSTSにすべて反映されます。要は、Travelerが承認されると、Travelerがある程度たまった段階でSTSに反映されることになっております。
更に、先ほど参考と申しましたが、STSを踏まえて、個別TSの改正というのは事業者の任意ということでございます。
次に、9ページに行きまして、STSの改訂理由等でございます。STSの改訂理由等について、事前に質問票をこちらからNRCに対して送付いたしまして、その回答の聞き取り等を実施してきました。実施した結果、改訂理由としては、大きく3つのカテゴリーに分類されました。
まず1つ目のカテゴリーが、調査結果例の(1)でございます。まず、運転実績に基づく変更という1つの大きな変更がありました。これは、いわゆる決定論に基づく変更でございます。
次に、10ページ目でございますが、もう一つ、大きな変更理由のカテゴリーとしては、リスク情報に基づく変更がありました。
それと、次のページに行っていただきまして、3つ目の変更としては(3)規制の変更に基づく見直しがございました。これは、FCSの機能要求が10CFR50.44の改正により削除されたものでございますが、こういう規制の変更に基づく見直しという、大きな3つの変更がございました。大体この3つのカテゴリーの中に改正理由がおさまることがわかりました。
次の12ページ目でございますが、我が国での現状でございます。我が国の現状は、運転管理規定に係る改訂検討は平成13年以降は行われていないという現状がございます。
下のポツでございますが、我が国においては、リスク情報に基づく運転管理規定の変更の実績は現状ございません。
もう一つ下でございますが、米国においては、保安規定見直しに係る活動がシステム化されておりますが、我が国の場合は、今回の運転管理ワーキングが初めてでございます。
また、日米を比較した結果がグリーンの枠でございますが、リスク情報の活用については米国の方が進んでいることと、保安規定の改善に係る取組み、いわゆるプロセスについては米国の方が充実していることがわかりました。
次のピンク色、では、これを踏まえた我が国での今後の対応等でございます。まずは、STS Rev3までの改訂理由等を参考として、今回のワーキングの目的であります運転管理規定の見直しを検討するということでございます。
その下のポツです。リスク情報の活用についても今後検討していくことが必要だろうということと、次の下のポツ、我が国においても保安規定の改善に係る仕組みづくりについて検討していくということでございます。
次に、13ページでございます。(3)STS及び保安規定におけるLCO、SR、AOTの考え方でございます。米国における状況でございますが、LCOについては、NRCも事業者側も、Operableについて詳細な文書化を行っていたということがございました。あと、SRとAOTについてはごらんのとおりでございます。
次に、14ページでございますが、我が国での状況でございます。LCOについて、Operableについては動作可能であることは米国と同様の趣旨でございますが、すべての条文において詳細な文書化は、Operableについては行われていないことがございます。あと、SRとAOTについては、ごらんのとおりでございます。
日米を比較した結果がまたグリーンの枠でございまして、動作可能であることの定義については、米国の方が明確化されているということでございます。
それを踏まえた今後の対応がピンク色の枠でございまして、我が国においても「動作可能」の定義、その範囲の明確化について検討するというところでございます。
次に、15ページにまいりまして(4)個別プラントTSの運用に係るLCO判断の運用でございます。まず、米国における状況でございますが、項目の上から2つ目、LCO判断までの時間制限というところに御注目いただきたいんですが、米国の場合は「即時決定」、いわゆる当直のシフト内に決定するものと「prompt決定」、3日以内に決定するというルールがございます。これはNRCが一般的に認めている方法でありまして、発電所の手順書にも記載されているということでございました。あと3項目については、ごらんのとおりでございます。
次の16ページ目でございます。我が国の状況でございますが、上から2つ目の項目、LCO判断までの時間制限に御注目いただきたいんですが、保安規定においては、LCO逸脱の判断は速やかに行うことが規定されているということでございます。他の項目については、ごらんのとおりでございます。
またグリーンの枠ですが、考え方としては、日米間では大きな差異はないというところでございます。
それを踏まえた今後の対応がピンク色のところで、今後も確実な保安規定運用を継続していくというところでございます。
次に、(5)でございます。個別プラントTSを使った検査方法でございます。米国における状況は、一言で言うと、原子炉監視プロセス(ROP:Reactor oversight process)に基づいて検査が行われておりました。
次に、18ページでございますが、我が国での状況でございます。我が国の場合は、一言で言いますと、2週間連続の検査を年間4回実施して、2年間で保安規定の全項目を検査しているということでございます。この中に運転管理規定があるということでございます。
またグリーンのところですが、検査手法の相違はあるものの、日米に大きな差異はないことになっております。
また、ピンク色の枠を見ていただきたいんですが、今後の対応ということですが、今後も確実な検査制度運用を継続していくということでございます。
次に、19ページでございます。(6)その他の情報、意見交換等でございます。まずAOT延長に係るリスク情報の活用ですが、AOTの延長については、STS Rev1からRev2での変更分については、決定論的に措置時間として実際に必要な時間確保のために延長したものがかなりありましたが、Rev2からRev3においては、リスク情報の活用による変更がほとんどであったことがわかりました。
それと、STS Rev4に向けての検討をアメリカはもう既に行っております。これは、STSの変更に当たってリスク情報の活用による変更が多く採用されるということがこの秋から行われるということでございます。
20ページでございます。「今後の対応(まとめ)」でございますが、(1)は今回のワーキングの目的でもございますSTS改訂理由等について調査した結果を参考とし、運転管理規定の見直しを行うということでございます。
(2)については、以下の点について引き続き検討していくということでございまして、(1)で技術資料の充実等、(2)でリスク情報の活用、(3)で保安規定の改善に係る仕組みづくり、(4)で「動作可能」の定義、その範囲の明確化について引き続き検討していくということでございます。
米国調査の報告については以上でございます。
片岡主査
どうもありがとうございました。
短期間で非常に精力的に調べていただきまして、明確に日米の差が示されていると思います。それでは、議題1について、御意見等お願いいたしたいと思います。
どうぞ。
渡邉委員
2つほど質問させていただきたいんですが、1つは、SRの日米の扱いの違いなんですが、SRそのものが日米で違っているのかどうかというのは把握しておりますか。そのものというのは、SRのやり方も含めて、何か違うところがあるのかということなんです。というのは、アメリカはLCOと同じ扱いにしているのに対して、日本はしていないというのは、何かしら違いがないと説明がつかないなという気がします。
それから、もう一点は、19ページにAOTの延長についてというのがありまして、STSのRev1からRev2では決定論的に必要な時間確保のために延長している、2から3はリスク情報の活用だということなんですけれども、日本はたしかRev1を参考にして今の保安規定ができている。一気にRev3まで飛んでしまうので、そうすると、STSを参考にする場合に、Rev1からRev2で何が変わったか、それから、Rev2からRev3で何が変わったか、要するに2段階で変わったものがあるのかとか、その辺の整理というのはきちっとできているんでしょうかという質問なんです。
弥益保安規定係長
まず、SRの方については、違いがあるかどうかという御質問については、米国に調査に行く前からわかっていることがありまして、例えば、大きな違いというのは、運転中というか、出力を下げてサーベイランスをやるという手法があるというのが1つでございます。
もう一つ、アメリカの場合は、13ページにありますように、一時的な待機除外の場合も動作不能として、LCO逸脱として扱っているという点でございますが、アメリカにおいて、どうしてそうしているんですかということについて聞いてまいりました。それについては、むこうとしては、サーベイランスであろうが何であろうが、要は機能喪失をさせた場合はインオペであることをしっかり認識してもらいたいということで、そういう扱いをしているということでございました。
渡邉委員
実際には、サーベイランス中でも自動復帰みたいなものがあって、復帰できるものであってもそうするということなんですか。
弥益保安規定係長
そういうことでございます。むこうは厳格に、それはやはりインオペになっているんですということで扱っている。
渡邉委員
わかりました。
弥益保安規定係長
それと、2番目の質問でございますが、Rev1〜Rev2への変更、Rev2〜Rev3への変更というのは行く前に調べておきました。それで、それに対してそれぞれ質問させていただいて、その結果、Rev1〜Rev2が決定論的なものがかなり多くて、Rev2〜Rev3については、やはりリスク情報を活用したものが多いことがわかりました。それも実は質問票で改訂理由を事細かく質問いたしまして、どれが決定論ですか、どれがリスク情報ですかということを御回答いただいているということでございます。
渡邉委員
2段階に変わったものはありませんでしたか。要するに、Rev1〜Rev2に変わって、なおかつRev2〜Rev3に変わったものはありましたか。気になるのは、決定論的なもので決めたもので、リスクでやったら違う格好になったので変えたとかいうのがあるかどうか知りたいなと思ったものですから。
弥益保安規定係長
済みません。すぐ答えで出てきません。
渡邉委員
わかりました。
片岡主査
そのほかに御意見等ございますでしょうか。
どうぞ。
平野委員
STSの改訂理由が3つあって、運転経験に基づく変更、リスク情報に基づく変更、規制の変更に基づく見直し、カテゴリーは大体この3つありますという意味だと思うんですけれども、1番の9ページの運転経験に基づく変更というのも、中身を見てみると、過渡事象の発生確率が低いため許容可能であると書いてあるので、内容的にはリスクを議論している。しかしながら、ここでは、定量的なリスク評価、PSA、あるいはPRAをやっていない。そういう意味で(2)と違うと、そういう理解で、見ているものは同じなのだけれども、1つは定量的な評価をやっている、1つはエンジニアリングジャッジメントをやっている。ただし、そのエンジニアリングジャッジメントのベースとなっているものは運転実績なのだ、だから(1)は運転実績に基づく変更なんだと、そういうふうに理解すればよろしいですか。
弥益保安規定係長
はい、そのとおりでございます。
平野委員
もう一点、先ほど「決定論的な」という言葉が出てきましたけれども、それは(1)の運転実績に基づくという意味と理解してよろしいですか。
弥益保安規定係長
はい。
平野委員
わかりました。ありがとうございます。
片岡主査
よろしいでしょうか。そのほかに御質問ございますでしょうか。
それでは、次の議題2に移りたいと思います。議題2は「我が国の運転実績及び米国STS改訂を踏まえた保安規定の規定に係る規制要求の見直し方針及び運転管理規定の見直し方針について」です。これについて、御説明をお願いいたします。
弥益保安規定係長
では、資料2に基づいて説明させていただきます。同じくページ番号は右下に打っております。
では、早速でございますが、「我が国の運転実績及び米国STS改訂を踏まえた保安規定の規定に係る規制要求の見直し方針及び運転管理規定の見直し方針について」でございます。
ページをめくっていただきまして、2ページ目でございます。まず「我が国の運転実績及びSTS改訂を踏まえた保安規定の規定に係る規制要求の見直し方針」でございます。一番下で申し訳ないんですけれども、机上配付資料−14は、第1回ワーキングの資料でございます。中央下にページ番号が打ってございます。11ページの下の欄をごらんいただきたいんですが、第1回ワーキングで、まさにSTS改訂を踏まえた保安規定の課題についてということで、運転管理規定充実後の我が国で蓄積された運転実績とSTSの改訂内容についての2つの項目について調査、検討しますというふうに御説明させていただきました。
また資料2の2ページ目に戻っていただきたいのですが、最初の■でございます。運転実績及びSTS改訂に係る調査により抽出された事項について、以下の視点から保安規定の反映要否について検討するということでございます。
これも、先ほどの机上配付資料−14の21ページの下の欄で、この方向で検討していくというふうに御報告差し上げたところでございますが、これに基づいて、上流規制との整合性、運転実績、STSとの比較について、この3つの視点から保安規定の反映要否について検討いたしました。
資料2にまた戻っていただきまして、次の■でございますが、その結果、運転実績に基づき抽出された事項とSTS改訂等から抽出された事項について、カテゴリー分類することができました。以下、運転実績に基づく事項と、STS改訂等により抽出された事項の2つ、それぞれについて、カテゴリー分類について御説明させていただけたらと思います。
次に、3ページ目でございます。「運転実績に基づき抽出された検討事項の反映要否検討」でございます。これは、原子力安全を合理的に達成することを目的に、上流規制との整合及び運転段階における安全性確認の視点から保安規定の反映要否について整理いたしました。
下のフローが運転実績に基づくフローでございます。まず、国内運転実績等を踏まえて見直しを検討するものでございますが、基本的には左側の保安規定を見直した場合でフローを流してまいります。
最初の菱形の上流規制に行きます。ここでは、どういう視点で見ましたかと申しますと、設置許可及び工認において安全性の確保が確認されているものです。これは保安規定を見直した場合です。それについて、この安全性が確認をされている場合については、YESのYで下に下ります。もし確認されていない場合はNOということで右に行きます。
次に、Yで下に下りて、次は運転段階における安全性確認です。これはどういう視点で見ましたかというと、基本的にこれは保安規定を認可するときにこういう視点を活用して見ておりますが、設置許可及び工認の安全性が運転段階において継続して確保されていることが確認できるかどうか。要するに、設置許可及び工認で確認した安全性が運転段階においても実現されているかどうかということでございます。もしそれが確認されるんであればYESでY、下に下ります。これについては、保安規定を見直しても問題ないということで、(1)、保安規定を見直せるものというふうになります。
次に、また上流規制の菱形に戻っていただきまして、NO、Nに行きます。そうすると、次に再整理・再評価とありますが、これは何を言っているかといいますと、保安規定を見直した場合において、設置許可の事故解析のやり直しにより安全性の再評価を行うことや、設置許可等において確認された安全性に包絡されているかといった再整理などがこれに該当します。それで問題ないことが確認された場合は、Y、YESということで、また下に下りていくことになります。
これがNOになると右側に行きます。右側は(3)の1と(3)の2に分けております。まず、(3)の2でございますが、これはリスク情報の活用が課題となっているものでございます。では、(3)の1はどうかというと、リスク情報以外のもので上流規制との整合の観点から課題があるもので、これは見直しができないことになります。
それと、上流規制で一回Nになるんですが、再整理・再評価でYで戻ってきて、運転段階における安全性確認でYになったものが再(1)になります。
あと、特殊ですが、保安規定を見直さない場合があります。それでフローを流します。まず、上流規制においては、問題ないことが確認されてYES、運転段階の安全性の確認で、運転段階において安全上配慮すべき事項があるため、それは見直さないとだめですよということでNOに流れて(2)というふうに、ここは特殊なフローの流し方になっておりますが、基本的にはこういう形でフローに流れているということでございます。
それと、(1)と再(1)については、見直せるものということでございまして、これは何かというと、先ほどもSTSについては、基本的にはアメリカの場合は参考ですということで、Rev3、要は、個別TSに反映しているもの、反映していないものがあるということです。要するに、見直しても問題ない、見直せるもの、見直さなくてもいいですし、見直してもいいですというスタンスでございます。ということで、見直せるものでございます。
ただし、(2)については、安全上配慮すべき事項があることから、保安規定を見直すものというふうに整理してございます。
まず、運転実績に基づくものについては、この5つのカテゴリーに分類することができました。
次のページに行っていただきまして、4ページ目ですが、これが先ほどのカテゴリー分けを一覧表にしたものでございます。一番右に代表例がございます。ただ、このカテゴリーの(3)の2については、リスク情報が課題となっているものでございます。これについては該当事例はございません。というのも、運転実績に基づく抽出事項については、先ほどの机上配付資料−14の12ページの上欄にありますが、現場の意見と、現状のPWRとBWRの保安規定の比較によるものでありますから、基本的にはこれは出てこないことになっております。
あと、その他、(1)〜(3)の1については、具体的に次のページ以降で御説明させていただきます。
では、5ページ目に行っていただきまして、これは(1)の例でございます。これは第1回の運転管理ワーキングで御説明させていただいたものでございます。原子炉運転モードの適用条件の適正化でございますが、長期停止したプラントにおいて、原子炉圧力容器の耐圧試験を行う場合、燃料を装荷しない状態で、原子炉冷温停止のLCOが適用された運転実績を踏まえ、燃料の有無に係る運転上の記載について検討するということで御説明させていただいたものです。
なお、アメリカは、燃料が原子炉内にない場合はモードを適用しないというような文言が入ってございます。
次の6ページ目に行っていただきまして「カテゴリー『(1)』」についてフローを流しました。まず、保安規定を見直した場合で、最初の菱形で上流規制に入ります。ここでは、設置許可における事故解析では原子炉内に燃料があることを前提としておりますので、整合しているということでY、下に下ります。
次に、運転段階における安全性の確認ということでございますが、炉内に燃料がない場合は、炉心での事故を想定する必要がないということで、これもYに下ります。
なお、米国においてもSTS作成時から同様な運転がなされているということでございます。
次の7ページ目ですが、これが具体的な根拠を書いたものでございます。要は設置許可にどう書いているかということでございますが、これはBWRの設置許可の抜粋でございます。例えば、1.1.1運転時の異常な過渡変化で、1.1.1.3判断基準に、炉心は損傷に至ることなく、あと、1.1.2事故の1.1.2.3判断基準で、炉心の溶融あるいは著しい損傷のおそれがなくという形で判断基準がございまして、これは当然、原子炉内に燃料がない場合は判断基準を満足していることがわかります。
次のページに行っていただきまして8ページ目でございます。ということで保安規定を見直しても問題はないということでございまして、「保安規定の見直し」としては、原子炉内から全燃料が取り出された場合の「原子炉の状態」を定義するということになりまして、1例といたしましては、赤字で書いてある「ただし、原子炉内から全燃料が取り出された場合は、表11を適用しないことを規定する。」というような形で保安規定を見直せるものとして整理してございます。
次のページに行っていただきまして、9ページでございます。次の事例は再(1)の事例でございます。これは、要求設備数の記載の見直しでございます。安全保護系のチャンネル数については、確実な動作を保証する要求設備として、2out of3を構成することで達成されます。また、事業者はこの設備要求に対し、保守性・設備信頼性の向上を図る目的から2out of4の設備構成にする場合があります。この場合の保安規定における要求設備数について検討していくということでございます。
下の例を見ていただきたいんですが、A発電所では実設備数が3で、2out of3なので、保安規定には3と書かれています。B発電所の場合については、実設備数は4あります。ただし、バイパス時の実設備数は3、保安規定には4と書かれているものでございます。
次のページに行っていただきまして10ページ目でございます。これについてもフローを流してみました。保安規定を見直した場合として流しております。まず、最初の菱形で上流規制に入っていただきまして、ここで設置許可の安全保護系のチャンネル数は必要な設備数以上を記載しています。ただし、確実な動作を保証する要求設備数について、必ずしも設置許可で明確になっているとは言えないという現状がありまして、一旦NOに行きます。その後、安全解析上の必要数と保守のために必要な設備数の考え方を整理いたします。再整理いたしまして、YESということで、また下に戻ってきます。運転段階における安全性の確認ということで、最低限必要な設備数を規定することで安全性は確保されます。YESということで、再(1)になります。
なお、米国においても同様な運用がなされているということでございます。
それの根拠について、11ページに書いてございます。設置許可の安全保護系のチャンネル数は必要な設備数以上を記載しております。ただし、設置許可の記載にて安全解析上必要な設備数と、保守のために必要な設備数が整理されていないものがあるということがございます。
まず、安全設計審査指針の指針34、35、多重性、独立性を受けて、設置許可では、下2つの枠でこのように書かれていまして、例えば、BWRの例を見ますと、8.5.2で赤字で書かれていますが、「必要なチャンネル数よりも一つ以上多いチャンネル数を設け、原子炉運転時においてもバイパスして保守、調整及び較正が行われるようにする。」とあります。要するに、保守のために設備数が整理されているという書き方がなされています。
一方、左側のPWRのB発電所でございますが、ヘのところです。「安全保護回路は、多重チャンネル構成とし、測定変数に対して『2out of4』方式等の回路を形成し、原子炉トリップ及び非常用炉心冷却設備作動等を行う。」とありまして、必ずしも保守のために必要な設備数が書かれていないということでございます。
次の12ページでございますが、以上のことから、保安規定においては、安全上要求される設備数を記載すれば、安全性は確保されるということでございます。
次の13ページの「保安規定の見直し」でございますが、保安規定では、実設備数ではなく安全上要求される設備数を規定するということでございまして、右側の見直し案の赤字のところでございますが、「安全保護系における安全設計審査指針を満足するch数の記載に変更する」ということでございます。
次に、14ページでございます。これも第1回のワーキングにて御説明させていただいたものでございます。これは(2)の事例でございます。中央制御室換気空調系の空気調和機についてでございます。これについては、STSでは、中央制御室の温度制御が要求されております。
今、日本の保安規定においては、事故時に、運転員が過度な被ばくを受けないようにするため、外気と隔離し、チャコールフィルターを通して再循環できることが要求されていますが、保安規定側には温度制御の要求がなされていません。
下の中央制御室空調系の例を見ていただきたいんですが、赤の点々で囲んでいる空調ファン、空調ユニットを設けておりまして、空気を調和するというのが設置許可の添付8の中で書かれております。
次の15ページに行きまして「カテゴリー『(2)』」でフローを流してみました。これは保安規定を見直した場合としてフローを流します。まず、上流規制です。上流規制については、安全設計指針では機器に対する環境条件が要求されているということですが、これは既に先ほど説明しました添付8の中で記載されているので問題はないということで、YESということで下ヘ行きます。
ただし、運転段階における安全性の確認については、米国においては、事故時対応に伴う操作員及び計装機器に対して制御室温度の制約を課しているということがあって、運転段階において安全上配慮すべき事項があることから、保安規定を見直すものとして(2)として整理してございます。
次の16ページでございます。安全設計審査指針の指針6では、安全機能を有する構築物、系統及び機器にすべての環境条件に適合できることを要求しております。このためにも運転段階においても、中央制御室の機器についても事故時を想定した温度条件で機能を確保する必要があるということでございまして、保安規定の見直しとしては、事故時においても中央制御室の機器の機能が保たれるよう、中央制御室の温度について保安規定を見直すということでございます。
次に、17ページでございます。これは(3)の1の事例でございます。これはモード3における低圧注水系の一部適用除外、PWRの例でございます。非常用炉心冷却系の低圧注水系はモード3で要求されていますが、モード3のうち燃料の残留熱が小さいプラント起動時には適用除外することを検討するという事例でございます。
これについては、左の図ですが、原子炉停止で3、4、5、6とモードを落としていきまして、最終的に燃料を取り出して、また燃料を装荷して、6、5、4、3というふうに起動を上げていくんですが、この起動の3については、要するに、要求を外してもいいんではないかという事例でございます。
それについてフローを流してみました。それが18ページ目でございます。これも保安規定を見直した場合ということで流しています。まず最初の菱形でございます。上流規制です。設置許可では配管破断事故時の崩壊熱について定格出力の102%で長時間運転を想定しております。ということで、まずはNOです。
その後、低圧注水系を待機除外とする起動時のモード3での崩壊熱を前提とした再評価は行っていませんということで、(3)の1、上流規制の整合の観点から課題があるものということになります。
その根拠が19ページでございまして、設置許可では想定される配管破断事故時において、ECCS設備を要求しております。それが下の設置許可記載事項の3.2.1.2事故経過の解析の2)解析条件で、解析に当たっては云々かんぬんあって、次のような解析条件を用いる。h.で云々かんぬんあって、原子炉は定格出力の102%で長時間運転されてきたものとしてございまして、見直しには少し課題がありますねということでございます。
今までが運転実績に基づいたフローでございます。
次に「STS改訂内容等から抽出された事項の反映要否検討」ということで、次のフローになります。これは、STS改訂内容等について、上流規制との整合及び運転段階における安全性確認の観点から保安規定への反映要否について整理したものでございます。
下のフローに行きますが、STS規定内容の追加・変更・削除、実運用を踏まえた見直し等を検討するものでございまして、これはすべて保安規定を見直した場合でフローが流れていきます。
最初の上流規制の菱形は、これは先ほどの運転実績に基づき抽出された検討事項と同様でございます。再整理・再評価のところも同様でございます。上流規制でYESで下に下ります。
次に、下の菱形です。ここが先ほどと違います。国内運転実績により安全性を確認というものがございます。これについて、※に注目していただきたいんですが、要は、国内運転実績とは、日本の現行の保安規定、PWR、あるいはBWRにおいて、保安規定が既に認可されているものを指しています。これは、上流規制と整合していれば、PWRかBWRの保安規定で認可実績があることからも、運転段階においても継続して設置許可、工認の安全性が確保されていることは確認していることから、YESと下りているものでございます。
国内運転実績により安全性を確認でNOになったもの、要は、PWR、BWRともに保安規定の認可実績がないものがNOとして右側に行きます。
その後、運転段階における安全性の確認は、先ほどの運転実績に基づき抽出された検討事項と同様な形でフローを流します。
上流規制でYES、国内運転実績により安全性を確認でYESとなったものがAでございます。
上流規制ではNO、再整理・再評価でYES、国内運転実績の安全性確認でYESとなったものが再Aでございます。
あと、上流規制でYES、国内運転実績により安全性を確認でNO、運転段階における安全性の確認でYESになったものがBでございます。
今度、上流規制でNO、再整理・再評価でYES、国内運転実績の安全性確認でNO、運転段階における安全性確認でYESとなったものが再Bでございます。
上流規制がNO、再整理・再評価がNOになったものがD1、D2です。D1、D2を分けたのは、先ほどと同じでございまして、D2がSTS改正の内容がリスク情報に基づいたものであり、リスク情報の活用が課題になっているものでございます。D1については、リスク情報以外で上流規制との整合の観点から課題があるものという整理でございます。
このように、STS改正側の方は7つのカテゴリーに分類することができました。
次の21ページ目でございますが、カテゴリーの一覧を示しております。それぞれ7つのカテゴリーがあるんですが、このうちC、上流規制と整合しているが、国内運転実績がなく、運転段階においても安全性確認がなされていないものは該当事例がございません。
それぞれの事例については、1つずつ具体的な事項について、次ページ以降で御説明させていただきます。
では、22ページでございます。まず、Aのカテゴリーでございます。これは第1回のワーキングで御説明させていただいたものでございます。原子炉保護系計装モニタのオーバーラップの確認の削除で、BWRでございます。STS改訂において、原子炉保護系計装モニタ(SRM)と中間領域モニタ(IRM)とのチャンネルのオーバーラップの確認と、IRMと平均出力領域モニタ(APRM)とのチャンネルのオーバーラップの確認の要求が削除されたというもの。いわゆるRev1からRev3に改訂される間に削除がなされたものでございます。
次に、23ページでございますが、フローを流してみました。まず、保安規定を見直した場合ということで、上流規制の菱形に入ります。ここでは3つの計装領域を各領域の測定範囲を相互にオーバーラップさせ、測定が不連続とならない設計設置がなされておりますということでYESで下に下ります。
次に、同様設備についてはPWRにおいても保安規定は認可されており、運転実績からも安全性は確保される。要するに、PWRでも既にオーバーラップについては規定していないということでYES、Aでございます。
24ページ目が、その根拠について示したものでございます。設置許可、工認のとおり、測定が不連続とならないような設計、設置がなされており、PWRの運転実績からも安全性が確保されているものでございます。
設置許可にはどのように書いているかというと、BWRの例でございますが、8.5.2設計方針の(1)で原子炉中性子計装は云々かんぬんありまして、中性子源領域、中間領域、出力領域の3つの計装領域を設け、更に、各領域の測定範囲を相互にオーバーラップさせて、1つの領域から他の領域に移る際にも測定が不連続にならないようにするとあります。
その後、工認側が下の左側ですが、BWRの例でございます。(1)中性子源領域計装ということで、計測範囲は、括弧書きのところを見ていただきたいんですが、1×109、次の中間領域モニタ計装を見ていただきたいんですが、同じく括弧書きのところで1×106ということでオーバーラップしているということでございます。
このように、オーバーラップについては、設置許可、工認側で担保しているということでございまして、米国においても設計で担保されていることから、STSには記載されていないということで、見直したとしても安全性は確保されるという例でございます。
今度は、25ページ「保安規定の見直し」でございますが、STSの改訂を踏まえ、オーバーラップ確認行為の記載を削除するということで、見直せるものという整理でございまして、まさにオーバーラップ確認行為を保安規定から削除するということでございます。
次に、26ページ目でございますが、再Aの事例でございます。これも同じく第1回のワーキングで御説明させていただいたものでございます。原子炉建屋、非常用ガス処理系のLCO適用範囲の変更についてでございます。STS改訂において、LCO適用範囲のうち「照射された燃料を[2次]格納容器内で移動中、炉心変更中」について「[最近(recently)]照射された燃料を[2次]格納容器内で移動中」に変更されております。
次のページに行っていただきまして、27ページ目でございます。これも保安規定を見直した場合ということでフローが流れていきまして、まず、上流規制の菱形でございます。照射終了後の所要の時間を経過した照射済燃料の破損事故について、原子炉建屋、非常用ガス処理系等の機能に期待しないことを前提とした評価が行われていないプラントもありますということで、その評価を行っていないプラントについてはNOということで右に行きます。
そこで再整理・再評価、照射終了後の所要の期間を経過した照射済燃料の破損事故について、原子炉建屋、非常用ガス処理系等の機能に期待しないことを前提とした評価を行って問題がなければYESということで、またこちらに戻ってきます。
国内運転実績により安全性の確認の菱形でございますが、PWRの一部のプラントの保安規定においては、評価の上、認可されているものがございまして、それについて、評価したプラントの安全性は確保されているということでございまして、米国も同様な運用がなされていたということでございます。いずれにしてもYESということで、再Aに下りるフローでございます。
その根拠が28ページ目でございますが、PWRの一部のプラントでは、設置許可において、アニュラス空気浄化設備の機能に期待しないことを前提に、照射終了後の所要の期間を経過した照射済燃料の破損に対する評価を行っています。この評価を行っていないプラントについては、同様な評価を行い、設置許可変更すれば、保安規定を見直せることになります。
ここでアニュラス空気浄化系と出ているんですけれども、右の図を見てもらいたいんですが、これは原子炉取扱建屋というところです。ここは二次格納容器内というところなんですが、燃料が落下して破損した場合に、放射性物質が環境に放射されるのを防止するということがあって、落下信号を受けて、実際にこのファンで引っ張って、フィルタを通して排気筒から出すというものでございます。
今度、設置許可にどう書かれているかということでございます。これはまさに評価を行っている設置許可の例でございますが、3.4.3.2の(2)のg.で、燃料取替室内に放出された希ガス及びよう素は、アニュラス空気浄化系設備を通して格納容器排気筒から大気中に放出されるものとするとあって、表の下がポイントでございまして、なお、燃料取替時以外の燃料取扱いは、使用済燃料の放射能が十分減衰した状態でなされるので、仮に燃料集合体の落下を仮定しても、アニュラス空気浄化設備のよう素フィルタを通さなくても、上記評価結果より厳しくなることはないというふうに評価されているものの例でございます。
29ページに行っていただきまして、評価を行っているプラントにおいては、保安規定に「照射終了後の所定期間を経過した照射済燃料を取扱う場合、運転上の制限を適用しない。」というふうに現在規定されているところでございますが、それが下の赤字で書いた例でございます。
次に、30ページでございます。今度は「保安規定の見直し」でございます。再整理・再評価により上流規制と整合していることが確認できれば、保安規定に追加することができることになってございます。
次に、31ページ目でございます。Bの例でございます。これは第1回のワーキングで御説明させていただいたものでございます。サーベイランスが定められた頻度内に行われなかった場合の措置でございます。STS改訂においては、サーベイランスが定めた頻度内に行われなかったことが発見された場合、発見時刻から24時間、またはサーベイランス頻度の期限のうち長い方の期間までにサーベイランスを行い、LCO判断を行うよう変更されております。
次に、32ページでございますが、これは「カテゴリー『B』」で流したものなんですが、これについては、サーベイランスが定められた頻度内に行われなかった場合で、24時間以内にサーベイランスを行う場合についてフローを流しています。
これについても同じく保安規定を見直した場合、まず最初、上流規制の菱形に入ります。設置許可においては、定期的に試験ができることを要求しております。ということで、まずはYES。
次に、国内運転実績により安全性を確認ということで、保安規定にまず認可実績があるかどうかということですが、これはないということでNOなんですが、STSでは、サーベイランス未実施を発見後、すぐにサーベイランスを実施することでLCOを満足していることを確認していますが、日本の保安規定では、LCO逸脱を宣言しサーベイランスを実施しているということになっています。
次に、NOで右に行くんですが、運転段階における安全性の確認です。米国ではサーベイランス未実施を発見後、それまでの期間、安全機能が確保されていたことを踏まえ、安全機能の影響が少ないと判断される24時間以内であれば許容されるとしております。我が国においても同様に考えますということでYESということでBに行きます。
次に、33ページでございますが、設置許可において、定期的な試験実施の記載はあります。設置許可のPWRの例でございますが、例えば、3.3反応度制御設備、3.3.5試験検査ということで、制御棒駆動装置は、その機能の健全性を確認するため、定期的に機能検査を行うであるとか、4.3余熱除去設備、4.3.5試験検査で、余熱除去設備は云々かんぬんで、定期的にミニマムフローラインを用いて起動検査を行うと書いていたり、5.2原子炉格納容器スプレイ設備、5.2.5試験検査でも、テストラインを用いて起動検査を定期的に行うというような書きぶりがあるということでございます。
次に、34ページでございますが、「運転実績による安全確認」です。まず、米国の運用は、サーベイランス未実施を発見後、それまでの期間、安全機能が確保されていたことを踏まえ、安全機能への影響は少ないと判断し、すぐにはLCO逸脱とは判断せず、その後実施するサーベイランスの結果によりLOCの判断を行っています。
サーベイランス未実施を発見した場合は、サーベイランスを実施する前の準備期間として、24時間を許容しています。これについては我が国も同様に考えるということで、保安規定の見直しということで、サーベイランス未実施の発見後、速やかにサーベイランスを行う。この速やかにというのは、今回の資料1の14ページでも御説明させていただきましたが、日本の場合は、LCO判断は速やかに実施することを規定しているため、速やかにサーベイランスを行い、その結果によりLCO逸脱の判断を行う運用を取り入れるため、保安規定を見直すということでございまして、具体的な見直し案は次ページのとおりでございます。
次は36ページにまいりまして、これは再Bの例でございます。これも第1回の運転管理ワーキングにおいて御説明させていただいたものでございます。ECCS2系列動作不能時の措置、BWRの例でございます。STSでは、非常用炉心冷却系(ECCS)の2系統の動作不能期間が許容されています。AOTが72時間ですが、日本の保安規定では、2系統の動作不能はプラント停止を要求しております。
ということを第1回ワーキングで御説明させていただきましたが、それについてフローを流してみました。それが37ページ目でございます。まず、保安規定を見直した場合、上流規制の菱形に入ります。ここでは、安全評価指針に基づき事故解析を行い、最も厳しい単一故障を仮定しても判断基準を満足していることを確認しております。しかし、2系統動作不能時の機能喪失範囲が事故解析にて包絡されているという評価は、すべての組み合わせで行われていないということが現状ですので、NOです。
その後、再整理・再評価ですが、ここでECCS2系統同時動作不能時の機能喪失範囲(組み合わせ)が、設置許可の事故解析にて包絡されていること等を再整理・再評価すれば、要するに、包絡されることが確認できればYESということで、もう一度戻ります。
今度、国内運転実績による安全性確認ですが、現状、ECCS2系統が動作不能な場合は保安規定で停止することが規定されているということで、BもPもそうですが、NOということで右に行きます。
今度、運転段階における安全性確認でございますが、設置許可の事故解析結果にて包絡される範囲であれば、72時間に限る運転継続の安全性は確保されるということでYで、再Bに行きます。
なお、米国では、ECCS2系統動作不能時の場合でも、ECCSに限らず100%の冷却機能が維持されていれば、72時間に限り運転継続が認められています。
次のページに行っていただきまして、38ページ目でございますが、「上流規制との整合(1)」でございます。安全評価指針に基づき事故解析を行い、最も厳しい単一故障かつ外部電源喪失を仮定しても判断基準を満足することを確認しています。しかしながら、ECCS2系統の動作不能時の許容については、再整理・再評価が必要ということでございます。
ここで発電用軽水炉型原子炉施設の安全性評価に関する審査指針ということでございまして、解析に当たっては、想定された事象に加えて「事故」に対処するために必要な系統、機器について、これはECCSの場合ですが、炉心冷却の安全機能で解析の結果を最も厳しくする機器の単一故障を仮定して行われなければなりませんとあります。
次に、事故の解析に当たっては、工学的安全施設の動作を期待する場合においては、外部電源が利用できない場合も考慮しなければならないとあります。
それを踏まえて次の39ページ、これが包絡される例ですが、ECCSのBWR5の構成例でございます。基本的にBWRの事故解析で、大LOCAでは、HPCSの単一故障が最も厳しいということになります。要するに、区分IIIについて、要は機能喪失しているという状態なんですが、上から2つ目の■で書いているBWR5の例で最も厳しい単一故障を想定しておりますので、D/G(A)の動作不能は、外部電源喪失を仮定していることからも、LPCSとLPCIは動作不能となっていることから、事故解析に包絡されているということで、LPCSとLPCI(A)というような組合せについては包絡されているというものがあります。
次の40ページの「保安規定の見直し」でございますが、ECCS2系統動作不能時のAOTは、以下の方向性で保安規定を見直すということで、吹き出しの赤字ですが、ECCS2系統動作不能時の機能喪失の範囲が設置許可の事故解析結果にて包絡されること等を再整理・再評価し、その結果を踏まえて保安規定を見直すことにしております。
次に、41ページでございますが、D1の例でございます。これも第1回のワーキングで御説明させていただいたものでございまして、可燃性ガス濃度制御系(FCS)の規定の削除でございます。これについては、STS改正において可燃性ガス濃度制御系の機能要求が削除されたというものでございます。
次に、42ページに行きまして、これについてフローを流してみました。これも同じく保安規定を見直した場合ということで、まず、上流規制の菱形ですが、可燃性ガス濃度制御系(FCS)は設置許可において、原子炉格納容器設計用の想定事象に対して、その機能が要求されているということでNOです。
次に、再整理・再評価ということで、現状の安全設計指針で要求される原子炉格納容器想定事象において、格納容器内の水素・酸素濃度を抑制するためにはFCSが必要となりますということでNOで、D1ということで整理されます。
次に、43ページに行っていただきたいんですが、FCSを設置許可の事故解析で要求しており、保安規定から当該条文を削除するためには、まず設置許可の変更が必要ですということがあります。
指針にどう書かれているかというのが水色の四角なんですが、指針33の「2.可燃性ガス濃度制御系は、格納容器の健全性を維持するため、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して原子炉格納容器内に存在する水素又は酸素の濃度を抑制することができる機能を有する設計であること。」とあります。
次に、下の○ですが、BWRでは、現状指針要求を満足するためにFCSは必要となります。
一方、米国では、可燃性ガス濃度制御に関する要件(10CFR50.44)の見直しについて検討した結果、格納容器内を不活性化させているBWRでは、格納容器内水素燃焼による格納容器健全性への影響は小さいとされました。
この結果を受け10CFR50.44は改正され、可燃性ガス濃度制御の設計要求において、格納容器設計用の想定事象(大LOCA)に関する要求が削除されたため、FCSが不要となりまして、これを受けてSTSから削除されたというものでございます。
次のページに行きまして、44ページでございます。要するに、FCSは設置許可の事故解析で要求しており、保安規定から当該条文を削除するためには設置許可の変更が必要ということでございまして、以下、ブルーの枠で設置許可と保安規定に書かれているように、それぞれFCSが要求されていることになってございます。
次に、47ページ目でございます。これはD2の事例でございます。これも第1回の運転管理ワーキングで御説明させていただいたものでございますが、サーベイランスが定められた頻度内で行われなかった場合の措置でございます。同じくSTS改訂においてサーベイランスが定められた頻度内で行われなかったことが発見された場合、発見時刻から24時間、またはサーベイランス頻度の期限のうち、長い方の期間までにサーベイランスを行い、LCOの判断を行うように変更された。24時間を超える場合はリスク評価が必要となっています。
次の45ページに行っていただきまして、これはサーベイランスが定められた頻度内に行われなかった場合で、24時間を超えてサーベイランスを行う場合についてフローを流してみました。
これは、保安規定を見直した場合、最初の上流規制の菱形ですが、リスク情報を活用した規制は検討している段階でありまして、米国では24時間を超えてサーベイランスを行う場合はリスク評価を要求しておりますが、日本はまだ検討段階ということで、NOということで右に行きます。
再整理・再評価も同じで、現状、リスク情報を活用するための規制基盤を整備している段階であり、現状、リスク情報を活用した保安規定の見直しはできないということで、NOでD2ということで、STS改訂の内容はリスク情報に基づいたものであり、リスク情報の活用が課題となっているものということでございます。
以上、2つの事項についてのカテゴリーについて御説明いたしましたが、では、運転管理規定の見直し方針はどうなりますかということが47ページ目でございます。
まず、運転実績に基づき抽出された事項のうち、以下のカテゴリーに分類された事項は保安規定の見直しを可能とするということで、上流規制と整合し、運転段階における安全性がなされたもの、要するに、先ほどの(1)と再(1)でございます。
次は、その下の○で、運転実績に基づき抽出された事項のうち、以下のカテゴリーに分類された事項は保安規定を見直すということで、上流規制と整合しているが、運転段階において安全上配慮すべき事項があるものということで、これは先ほどの(2)でございますが、中央制御室の空気調和機のところでございます。これは見直すものということでございます。
次の○が、STS改訂内容等から抽出された事項のうち、以下のカテゴリーに分類された事項は保安規定の見直しを可能とするということでございまして、まず1つは、上流規制と整合し、国内の運転実績により安全性が確認されたもの。いわゆるAと再Aでございます。
次が、国内運転実績はないが、上流規制と整合し、運転段階における安全性確認がなされたもの、いわゆるBと再Bでございます。これについては、見直しを可能とするということでございます。
これまでの検討結果を踏まえて、まずは保安規定審査内規の見直しを行って、運転管理規定の内容を充実させることにしたいと思います。
以上でございます。
片岡主査
どうもありがとうございました。
それでは、議題2について、御意見等、お願いいたします。かなりたくさんの内容がありますので、ディスカッションの時間も十分取っていきたいと思います。どの項目からでも結構ですので、お願いいたします。
どうぞ。
岡本委員
しっかりまとめていただいていると思うんですけれども、考え方の基本としては、これはいろいろな事例をベースにまとめていただきましたけれども、最終的にこれを評価していく段階としては、例えば、アメリカでTravelerを500個やられたというようなことを書かれていますけれども、これは一個一個がそれぞれ個別のTravelerになって、そのTravelerがどういうふうな考え方で組み入れられるか、それともリジェクトされるかといったような評価をしていくという、その大枠を示されたというふうに考えればよろしい、ですから、基本的にはアメリカでやられているTravelerについての考え方をこちら側でこういうふうに考えてみたら、こう整理できるという理解でよろしいわけですね。
弥益保安規定係長
まず、運転実績から抽出された事項と、STS改訂から抽出された事項と、2つのものについて、このカテゴリーでいいかどうかという話と、そのカテゴリーごとに本当にこのフローの流し方でいいのかどうかということを、是非このワーキングで御審議いただきたいということでございます。
岡本委員
わかりました。それでは、個別の議論に入っていくと気になることがいっぱいあるんですけれども、まずは大枠の議論ということで考えていくと、例えば、31ページ、32ページ辺りの運転実績からのものは、基本的には考え方はよろしいかと思うんです。
STSの内容で、24時間以内だったらばBで、24時間を超えるとD2になると、まさにこの話だと思うんですけれども、これはSTSでそういうふうに書かれているかという、STSの記載事項を根拠にこの2つに分けられていると理解したんですけれども、ここのところは、24時間という考え方については、もう一回、なぜ24時間なのか、それが日本の場合に当てはめてアクセプタブルなのかという議論をしておくべきではないのかなという気がするんです。
すごく細かい話、個別の議論になっていってしまうんですけれども、運転実績の方は割とわかりやすいんですが、STSの場合は、STSでこう書かれているからD2であって、こう書かれているからBであるという御説明をされたような印象があるんですけれども、そこの判断の前に根拠をしっかり評価した上で、Bになるか、D2になるかということになるんだと思うんですが、その辺り、いかがでしょうか。
弥益保安規定係長
そこは確かにおっしゃるとおりで、アメリカが24時間で延ばしているから問題ないということではなくて、日本の枠組みに当てはめて問題ないというふうにしないといけないので、そこは精査の必要はあるかなと思います。
岡本委員
ありがとうございます。
あとは、本当に個別の事例で幾つか気になる点があるんですけれども、大枠としては、この流れとして、私としてはアクセプタブルだというふうに理解しております。
片岡主査
そのほか、御意見ございませんでしょうか。
どうぞ。
平野委員
非常に丁寧に分類されているんですけれども、よくよく考えると、比較的単純に、変更後の状態が規制側の要求事項を満足しているかどうかということだけで分類していると考えると、非常にわかりやすいのかなという感じもしているんです。
例えば、3ページ、上流側とか、運転段階における安全性確認と書かれるとよく理解できない面があるんですけれども、上流側というところは、実は、保安規定を見直した後の状態が、設置許可及び工認において、要するに、設置許可、許認可条件に適合しているかという記載でいいんですか。それから、下の方は、運転段階において、設置許可条件を踏まえているか、あるいは設置許可条件を実現するように運転管理がなされているかという菱形を書けば、すべてについて共通なことをやっているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
弥益保安規定係長
まさにその理解でよろしいです。というのも、現行の保安規定においてもそうなんですが、上流規制が流れてきて、運転段階においてNOとなるものは基本的にはないんです。まさにおっしゃったとおりで、運転段階というのは、設置許可、工認で書かれた安全性が本当に運転段階でも実現できるかどうかという視点で見ていますので、一体物と考えていただいても構わないと思います。
平野委員
そういう目で見ると、全体を統一的に見られるような感じがしているんですけれども、1つだけ理解できないのがあって、15ページなんです。見直しをした場合、見直し後の状態がどうであるかということを今、議論しているんであって、これだけは見直しをしない場合から出発しています。しかも、右方に行って(2)となっていますから、許認可条件に合っていませんよ、許認可条件の考え方に適合していませんよということです。ということは、現状が適合していない状態ですよということを言っているんですね。だから、直さなければいけませんよということを言っているんではないでしょうか。ですから、これは非常に特殊な例で、どちらかというと不適合に近いもので、外しておくと、すべて統一的に、要するに、変更後の状態が、私が最初に言った基本的な要求事項に合っているかどうかということできれいに分類できますと言った方が、全体としてロジカルなんではないか、これはやはり特殊なのではないかという感じがいたしました。
以上です。
弥益保安規定係長
わかりました。実は、私たちも検討する中で、これは特殊なフローでしたので、フローからは切り離して、これは特殊な事例として別枠として整理した方がいいかもしれませんので、そこはもう少し検討させてください。
上戸統括原子力保安検査官
こういう例はこれ1件だけですか。
弥益保安規定係長
今のところは1件だけです。
片岡主査
どうぞ。
渡邉委員
今「不適合」という言葉が出たんですけれども、これは多分、不適合まではいかないですね。要は、上流側できちっとここまで要求していると読めるか読めないかが難しい部分があって、必ずしもこれまで要求していると読めるものではないと思うんです。だから、明確化をするというのがむしろ重要なポイントなんだと思うんです。明確化をした上で、この扱いをどうするかというのを決めないと、保安規定の中で定めていかないといけないという代物だと思います。
済みません、それとちょっと違うんですが、新しい事例が1個か2個入っていまして、9ページから11ページにかけて、これは新しいです。前回のワーキングにはなかった事例です。
弥益保安規定係長
前回のワーキングで参考で付けさせていただいたものだと思いますが、ちょっと待ってください。
渡邉委員
それは結構なんですが、これは要するに、保安規定の記載が実設備数をあらわしていて、要するに、所要チャンネル数だと書いておきながら、実はそうではなかった。所要ではない。本来、必要なチャンネル数だけ書けばいいのに、実際に自分たちが予備につけたものまで含めて書いていたという状況なんですね。それを本当に必要な数に合わせましょうという記載の変更ですね。
弥益保安規定係長
そのとおりです。
渡邉委員
そうすると、実際に申請書の方には4系統と書かれているわけです。保安規定の方は3系統になるわけです。2つの書類の中で違う台数が記載されることになります。ちょっと混乱を招くんではないですか。
弥益保安規定係長
11ページ目に書かせていただいたんですが、例えば、設置許可のBWRの例を見ていただきたいんですが、ここでは「必要なチャンネル数よりも一つ以上多いチャンネル数を設け、原子炉運転中においてもバイパスして保守、調整及び較正が行えるようにする。」とありますので、ここは書き分けたとしても齟齬はないということになるんですが、ただ、PWRのB発電所で、ここはやはり2out of4というふうにしている例がありますので、そういう意味で混乱を招くというのがありますので、これを要は保安規定にアタッチというか、フィットするには、やはり再整理が要るんではないか。
渡邉委員
実際に設備をつけるとなると工認の資料も4設備の分、付いていますね。要するに、2out of4だと、工認は4設備分の工認資料が出ていて、設置許可も今の場合だと4つになっていて、工認も4つになっていて、保安規定になると突然3つに変わってしまうという記載になってしまいますね。そうすると、現場は本当にわかるのか。要するに、記載の不整合で後でまた問題になったりしないのかなというのがちょっと気になるんです。
弥益保安規定係長
それは整理の必要はあるのかもしれないですけれども、例えば、米国の状況で言うと、必要な設備数を記載しているというのがあるので。
片岡主査
どうぞ。
岡本委員
私はここはやはり3とやるべきであって、必要であれば保安規定の方に3の根拠を*か何かで、2out of4だけれども、3であればいいんだということを書いておけば、そこのところのリンクは十分取れると思いますので、私はこれはロジカルに、逆に言うと3でないとおかしい。現行では、バイパスの場合だけはできるように書かれているということなんですが、3がロジカルだと思いますので、混乱を招くという心配であれば、混乱を招かないような何らかの工夫があればいいような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
渡邉委員
いえ、私は直すのに反対しているわけではなくて、要は、数値の違いがあちこちに出てくると、できるだけ混乱を招かないようにしないといけないなという指摘だけです。別に直すなという話ではないです。
弥益保安規定係長
そこは工夫の必要もあると思うんですけれども、先ほど資料1で説明させていただきましたが、技術資料、米国で言うBasesに相当するものがありますので、そこで明確にするという方法もあります。それは1つかなと考えています。
片岡主査
この件、よろしいでしょうか。大分御意見いただきまして、いろんなところの整合性を事務局の方で御検討いただければと思います。
どうぞ。
岡本委員
どうしようか迷っていたんですけれども、17ページのモード3の低圧注入系の話なんですが、確認だけなんですけれども、前回の資料では、机上資料−14の14ページに、例えば、BWRの隔離時冷却系のタービン駆動式のポンプが順番が逆転しているのを見直すということが書かれているわけですけれども、例えば、原子炉隔離時冷却系のタービン駆動のものなどはここには入ってこないんですか。
弥益保安規定係長
これは事例が違いまして、PWRの低圧注水系のモード3のことを言っていまして、第1回のワーキングの14ページのRCICとタービン駆動の補助給水ポンプの例でございまして、こちらは低圧注水系のもので、ちょっと事例が違っております。
岡本委員
いえ、私がちょっと気になったのは、原子炉隔離時冷却系、基本的にはタービン駆動型のものはモード3においては齟齬があるという話だったんですけれども、今、すぐにはわからないですが、これはいいんですか。
渡邉委員
これはPWRだけです。Bには、要するに、これに対応するモードがないんです。ホットスタンバイというモードがBにはなくて、PWRだけあるんです。
岡本委員
でも、ここにBWRについてもと書いてあるんですが、そこは関係ないわけですね。
弥益保安規定係長
関係ないと思います。
岡本委員
そこだけ確認したかったので、ここの記載の仕方と、それから、ここの部分で、崩壊熱を前提とした評価を行っていないから(3)の1になるんだという説明もよくわからない。恐らく論理的に考えれば、再整理・再評価で下の方にいけるようなモードだと理解しているんですけれども、それが今、やっていないから(3)の1であるという御説明だったんですが、これは再整理・再評価をすれば、逆に言うと下に行くという理解でよろしいんですか。
弥益保安規定係長
それは、できるものとできないものがあるということでございまして、これは17ページの原子炉燃料なしという期間に依存します。これが短いとディケイ・ヒートが大きくなりますので、解析条件が違ってきます。それが長いと、それを評価すると再整理できるということになりますが、そこに依存しているので、必ずしも下りるとは限らないということになります。
岡本委員
わかりました。では、長期停止の場合はここは省かれるかもしれない。だから、そういうふうな整理をすれば、そういう感じのTravelerを出していただければ、それを評価するというイメージでよろしいわけですね。
弥益保安規定係長
はい。
岡本委員
わかりました。
渡邉委員
今の関連質問なんですけれども、モード3がだめでモード4がいい理由は今は何なんですか。温度がちょっと違うだけだと思うんです。実際にモード3とモード4だと、そこに置かれている期間はモード3の方が短くて、モード4の方が長いような気がするんです。そもそもモード4がよくてモード3がだめだというのがよくわからないんです。
弥益保安規定係長
済みません。すぐに出てきません。ちょっと待っていただけますか。
渡邉委員
いえ、後で結構です。
弥益保安規定係長
わかりました。
片岡主査
どうぞ。
長崎委員
細かい話ですけれども、考え方と枠組みはこれで私はいいと思うんですけれども、このフローチャートの書き方として、STS対応のところのD2と、その前の(3)の2は、元来、我が国の中ではリスク情報に基づいて物は考えていないんだから、そもそもフローチャートの中に書くこと自体が考え方としてはおかしいんではないか。
もう一つは、先ほど資料1で、情報を集めてこられたときに、リスク情報に基づいてやったんですよということは、どれがそうですかというのは完全に把握されているということだから、今回はこの中に反映されてこないというふうに、そこは現時点でわかっていると考えていいですね。
もう一つは、さっきの24時間という数字自体がリスクに基づいた議論をして24時間とか言っていないんでしょうねという、そういうところの確認はされていますか。リスクと明記していないんだけれども、リスクに基づいて議論されていることを、何となくリスクと明記されていないからリスクではないなと思って使っていないということをどこかで確認しておかなければいけないんではないかと思います。
弥益保安規定係長
まず、D2と(2)の2については、おっしゃるように、現状、リスク情報に基づく変更、実績というのは確かにないので、先ほど資料1で御説明しましたが、リスク情報の活用については今後検討していくということになって、検討されたときに、もうカテゴリーで分けていますので、それは更に検討の土台にすぐ乗せやすいために、カテゴリー分けをさせていただいたところでございます。
要は、運転実績に基づくものかというのと、リスク情報に基づくものかというのは、NRCに対して、実は事細かく質問を投げました。それに対して、これは運転実績のものです、これはいわゆるリスクベースのものですという御回答はいただいていますので、その分け繰りは可能です。
それと、3つ目の、24時間はアメリカはどう考えているかということについては、34ページにも書かせていただきましたが、いわゆるサーベイランス未実施を発見後、サーベイランスを実施するまでの準備期間として24時間を許容しているということで、決定論的に決めているというところがあります。
片岡主査
実際上、24時間はかかるでしょうということですね。
弥益保安規定係長
はい。
片岡主査
そのほか、どうぞ。
渡邉委員
今の34ページなんですけれども、この準備期間に入るのはいいんですが、その前に、すぐにはLCOの判断をしない、逸脱しないということですね。そうすると、サーベイランスをしていなかったということ自体は、規制側には報告はするんですか。
弥益保安規定係長
サーベイランスをしなかったというか、むこうの場合は、LCO逸脱をして、炉停止になるような場合はNRCに対して報告するというのはあるんですけれども、それ以外は基本的に報告しないというスタンスです。
渡邉委員
そうすると、日本でこういう考え方を入れるとすると、サーベイランスをしなかったということに対して、気づいた段階で何かしら報告するのかどうかというのも考えないといけないと思うんです。以前は、アメリカは報告だったと思うんです。緩和されたんで報告がなくなったんだと思うんです。要するに、一応、決められたことをやらなければいけないというものを逸脱したわけですから、そこに対してどういうふうに処理するかというのは決めておかないといけないんではないか。
岡本委員
QAで、何らかのあれに入ってくるんではないですか。
渡邉委員
と思うんですけれども。
もう一点、ECCS2系統の動作不能の話なんですけれども、今の保安規定では、同じ機能を持つ系統で2系統になった場合は、同じ機能を有する2系統が同時動作不能の場合はプラント停止、全然関係のない2系統でもプラント停止ですか。
弥益保安規定係長
ECCSに限って言いますと、ECCS2系統動作不能になればプラント停止です。
渡邉委員
いえ、ECCSというのは同じ機能を持っていますね。冷却材を注入する機能を持っていますね。同時に喪失した場合はプラント停止ですか。例えば、ECCSではなくて、PWRの例が多分一番いいと思うんですけれども、補助給水系の1系統と、ECCSの1系統が同時に動作不能になった場合には、それはプラント停止なんですか。多分、事業者さんの方は御存じだと思うんです。
藤原特別専門員
それは条文が違っておりまして、それぞれ1系統ずつならばプラント停止に行きません。
渡邉委員
行きませんよね。わかりました。要するに、1つのLCOが適用されるようなものだけですね。わかりました。
片岡主査
そのほか御意見等ございませんか。非常に内容が多岐にわたりますので、個別のことについてはまた御意見等を伺うことがあるかと思いますが、全体の大枠につきましては、こういうふうな大枠で本件見直しを進めるということでよろしいでしょうか。個別のことにつきましては、この時間だけでは勿論、時間も限られていますので、お気づきになった点について、事務局の方に照会並びに御意見をいただくという形で進めていけばよろしいんではないかと思います。それでは、どうもありがとうございました。
次に移らせていただきます。次は議題の3番目でございますが、「海外の運転中保全(オンラインメンテナンス)の動向を踏まえた我が国の運転中保全の実施について」の御説明をお願いいたします。
電事連(宮田)
それでは、資料3につきまして御説明申し上げます。
めくりまして2ページ「まえがき」ですけれども、前回、LCO対象機器の運転中保全によって、機器の信頼性向上、作業品質の向上等を見込むことができるという御説明を差し上げまして、今回は諸外国の実施状況、米国での実施経緯を参考にして、我が国での実施可能性について検討していくということで説明させていただきます。
3ページ目に「今回の審議事項」というところがございますが、下の方にまとめてございますけれども、前回は作業品質の向上等の効果を期待して、運転中保全の対象範囲を拡大していきたいということを要望させていただいて御理解をいただいたという中で、今回については、運転中保全の安全性、それから、実施方法を中心に御審議いただければと思っております。
めくっていただきまして4ページですけれども、「諸外国のオンラインメンテナンスの実施状況」ということで、米国、欧州について、欧州については余り細かい情報は入りませんので概観的になってございますけれども、全体的に大体どの国もおおむねオンラインメンテナンスを実施してきている。
米国につきましては、後で詳細を申し上げますけれども、10CFR50.65というメンテナンスルールに基づいて許容されていて、事業者としましては、自主管理としてAOTを超えるとプラント停止等の可能性が出ますので、その手前で作業が終わるような計画を立てるという意味合いでAOTの50%を超えない範囲での計画をしているというところがございます。
類似のところがスペインの事業者にもありますが、50%というのはそれほどリジットなものではない。こちらでは60%という数字がございますけれども、そういうことをやっている。
あと、特徴的なのはベルギーの規制側を見ていただきますと、運転上の制限に抵触する場合は、原則許容せずとなっておりますが、事業者のところをごらんいただきますと、安全系は50%容量×4系統で設計されているということで、これはいわゆるN+2の設計ということで、1つの区分については、運転制限にかかわらずメンテナンスができるというような設計になっているということでございます。
続きまして、5ページで「米国のオンラインメンテナンスの実施の経緯」について詳細を少し御説明させていただきます。1980年代、アメリカではメンテナンスを規定した法令規則要件がなくて、基本的には運転管理に関するTech.Spec.で規制が行われているという状況でございました。
そういう中で事業者はAOTを使いまして、AOTの範囲でオンラインメンテナンスを実施しておりましたが、NRCとしましては、LCOはもともと複数の系統を同時に待機除外することを意図していないこととか、あるいはAOTの反復使用というものを事業者によってはやっている場合が見受けられるということで、懸念を示していたという状況です。
そういったことも含めて、90年代に入りまして、保守に関する規則が公表されました。これは1991年ですけれども、この辺りから運転管理の要件と保守管理の要件が分離されてきたというところになっています。
左側に保守管理について御説明していますけれども、NUMARC93-01という民間のガイドラインがありまして、これはNRCによってエンドースされておりますけれども、そこに単一系統のオンラインメンテナンスに関しては、Tech.Spec.の範囲で実施するというふうな記載がございます。そういうこともありますけれども、NRCは、この保守規則が新しい規則だったので、きちんと事業者が実施しているかということの確認をするために検査を実施しておりまして、一部、保守規則が適切に遵守されていないところを確認してございます。
その結果が2000年の10CFR50.65の改定につながってくるんですけれども、先ほどの適切に遵守されていないところの括弧書きなんですが、申し訳ありませんが、ここはちょっと表現が適切ではなくて、ここは本来は、メンテナンス前の評価が不十分であったということを書くべきだったんですけれども、それを受けて保守規則の改定となって、具体的に言いますと、メンテナンス実施前の評価の義務づけを新しく加えたということになってございます。この流れで、実質的に複数系統を含めた同時のオンラインメンテナンスが可能になってきているというのがアメリカの状況である。
一方で運転管理の方なんですけれども、オンラインメンテナンスは90年代には大分増えてきて、そういう中で、先ほど申し上げたAOTの範囲でやるということなんですけれども、AOTがプラント、あるいは系統によっては非常に短いものがあって、それではなかなかオンラインメンテナンスができないなというところで、それを延長したいという機運があって、一方でリスク情報活用ということで、ここにReg.Guide1.177とあるんですけれども、AOTを延長するときにリスク情報を使って、どういうふうに延長するかというガイドラインが98年に出されまして、事業者はこのガイドに従って、かなり多くのAOTの延長申請、例えば、非常用ディーゼル発電機の延長申請などをたくさん出して、NRCはそれを認めてきている状況にあるというのがアメリカでの実施の経緯になってございます。
6ページを一旦飛ばして、7ページ、8ページをごらんいただきたいんですけれども、今「単一系統」あるいは「複数系統」という言葉が出てきておりますけれども、これは何かといいますと、7ページに「単一保全の運転中保全」の定義を書いてございます。これは絵で見ていただきますと、ECCSの、例えば、A系統、弁、ポンプ、弁となっていますが、この範囲が単一系統ですということで、単一系統、この範囲はやれるんだけれども、その外側、例えば、B系統、あるいはほかの計測制御装置などを同時に運転中のメンテナンスをすることはしないというのが単一系統の運転中保全ということです。
逆に8ページを見ていただきますと、ECCSのA系統と安全保護系のあるチャンネル1つを同時に実施する、こういったところが「複数系統の運転中保全」であるというふうに定義をさせていただいています。
6ページに戻っていただきまして、先ほどの米国の経緯などを踏まえて、それでは、我が国でどういうふうにやっていったらいいかということを考えてみたわけです。さすがにアメリカで20年、30年かけて実施してきたものを一遍に進めるのは難しいと思っておりまして、段階的に進めたいということで、それがまさに今の単一系統のオンラインメンテナンスから始めるというところでございます。
単一系統のオンラインメンテナンスに関しましては、米国ではTech.Spec.のAOTを満たすように実施することになっておるわけですが、我が国では、勿論、同じようにLCOとかAOTは規定されているんですけれども、基本的にはAOTは受動的待機除外に適用するものである。受動的というのは何か。壊れてしまったらば、それを直すというような受け身の形です。そういうときに使うものだという認識を持っております。したがって、AOTを能動的な待機除外に用いていくということの検討が必要になると考えます。
その先に置いております複数系統のオンラインメンテナンスにつきましては、米国でもリスク評価などの要求があって、実施ができるようになってきているというところを考えますと、我が国ではリスクに関するいろんな検討が必要であろうと認識しております。
ということで、我々としては、まず、単一系統の運転中保全の実施について検討していくというふうにしております。
9ページをごらんいただきますと、先ほど保安院さんの方の説明でもございましたけれども、単一系統の運転中保全の安全上の整理ということで、設置許可の事故解析における仮定との関連を示しております。先ほども御説明があったので余り長くはお話ししませんけれども、安全評価指針の中で、事故に対する仮定として、設計の妥当性評価という観点からの仮定として、単一故障を仮定するであるとか、外部電源が利用できない場合も考慮するということをやっておりまして、左側にBWR−5の大破断LOCAに対する単一故障の仮定を書いてございます。ここでは、HPCS、高圧炉心スプレイ系の単一故障、すなわち、それが機能喪失していることを評価しておるわけですが、これは最も厳しい単一故障ということで、その右側の括弧で囲ってありますさまざまな組合せの単一故障いずれよりも、このHPCSの単一故障の方が評価上は厳しいということがわかっております。結果、何が言えるかといいますと、その右下の方にありますけれども、いずれの単一系統が待機除外されたときでも、その安全性は事故解析の結果に包絡されている、すなわち、安全性が確認されている状態にあると考えることができると思っております。
続きまして、先ほどの能動的・受動的の話になるんですけれども、10ページでは保安規定の現状について御説明しております。平成13年にJCO事故を受けた保安規定改正がありまして、アメリカのSTSを参考にAOTの記載を充実してきておりますけれども、その以前から一部の系統についてはLCO逸脱時の復旧のための許容待機除外時間(AOT)を規定していたところでございます。
ただ、3つ目のポチになりますが、13年事故の保安規定改正認可の後に、原子力安全委員会の方で規制調査が行われまして、具体的には関西電力の高浜原子力発電所の保安規定認可に関する規制調査で、このAOTを規定していることに関して、認めるという形の宣言が出されているということで、現状は、突発的なLCO逸脱時の回復措置は、現行AOT範囲内で許容されているということになります。
11ページにまいりますと、それでは、受動的待機除外と能動的待機除外の違いは何かということなんですが、設備上のサイトと作業管理上のサイトに分けてございます。設備上は、例えば、ポンプが壊れて補修する場合と、壊れてはいないんだけれども、自ら点検に入る場合と書いてございますが、状態としては、この系統が使えないことに変わりありませんので、設備上の差異はないということになります。
ただ、作業管理上は、受動的待機除外の場合には突発的な場合が多くなりますので、作業計画を急いでつくって、作業員を手配してという感じでやられます。一方、能動的待機除外であれば、作業計画を立てる時間が十分にありますし、人の手配なども事前にやっていますので、能動的待機除外では高い作業品質が期待できると考えてございます。
12ページは、リスク評価を少し参考としてやってみたところでございます。左側にポンチ絵がありまして、横軸に時間、縦軸に炉心損傷頻度。待機除外が発生すると、炉心損傷頻度が少し上がって、復旧すると戻る。色を塗ってある四角の部分がリスクというか、炉心損傷確率の増分ということになりますが、これが大きいか小さいかということがある判断になるのかなと思っています。
そこにICCDPということで、面積を計算するような式が書いてございますけれども、これは先ほどの米国のReg.Guide1.177で言う、いわゆるAOTの延長申請をする場合の指標として使われているものですが、これを使って評価をしたのが、その右側の絵になっております。ざっと見ていただきますと、一番高いものでもマイナス8乗からマイナス7乗の間ぐらいということで、これはBWR−5の代表プラントですけれども、その他の国内のPWR、BWR、全プラントについてサーベイして、一番大きくても5×10−7程度かなということで、参考としてお示ししてございます。
13ページは安全性に関するまとめになっております。単一系統の運転中保全の安全性ということで、単一系統が待機除外された状態は、事故解析結果で包絡されています。
それから、受動的待機除外については、AOT内で系統復旧することを許容されています。
それから、受動的待機除外と設備上の差異はないけれども、能動的待機除外の方が高い作業品質が期待できます。
それから、リスクに関しては、リスクゾーンは十分小さいと思われます。
したがって、単一系統の運転中保全の実施に向けての考え方としましては、こういった安全性の特徴を踏まえまして、単一系統の計画的な運転中保全をまずは実施していきたい。
ただ、これまでそういった実績がありませんので、AOTの範囲を超えないことを確実にしたいということで、AOTぎりぎりで計画をするというよりも、米国などで言っているようなAOTの半分程度を目安として、なるべく簡単なものから作業を実施していくということを考えていきたいというところでございます。
続きまして、運転中保全の具体的な実施手順について御紹介したいと思います。
電事連(大神)
続きまして、14ページで、作業管理上、能動的待機除外の方が高い作業品質を期待できるということを申し上げているんですが、これをどのように担保できるかというところを具体例で御説明申し上げたいと思います。
14ページの左半分が運転中保全の実際の実施の概略のフローを示しております。初期の設定から計画実施して、評価して、是正につなげるというような大きいPDCAのサイクルを回しておるんですが、それぞれのステップに対して、右の黄色い枠で囲っている特記事項のところで、例えば、どういうところを考慮するだとか、確認するだとか、検討することによって、高い品質を担保できるというところを示しております。
例えば、フローの(1)、(2)といった、実施対象の設備を選定したり、隔離の範囲を設定するというところでは、黄色いところで、原子力安全だとか労働安全、発電影響等を十分考慮する。
それから、(3)の作業時間の検討というところでは、先ほどの目安の2分の1AOT程度内で作業が可能かどうかを十分検討する。
それから、(4)のプラントの安全性評価といたしましては、定量的、定性的に安全評価のレベルを確認する。
それから、(5)の実施工程計画という断面におきましては、リスクの抑制度合いであるだとか、最後の平準化といったことを考慮して策定する。
それから、(6)の実施作業の断面では、安全措置を検討しておく。
それから、(7)の事前の準備段階においては、運転中保全実施中において予期しないようなトラブルが発生した場合に備えて、運転中保全を中止する場合の判断の基準であるだとか、そこから復旧手順といったものを事前に整備をしていく。
それから、(9)の実際の実施の断面においては、作業の進捗状態を定期的に確認しておく。
それから、(10)の妥当性の評価においては、作業完了後、全体の実施計画であるとか、プロセスを全体評価して改善につなげるというところで高い作業品質を期待できると考えております。
これを絵面で具体的にお示しするのが次の15ページでございます。左上の絵のところがある系統の系統図を示しておりまして、ここから実施対象の設備の選定、隔離範囲を設定するということで、ブルーのハッチで囲っているところは、LCO対象機器に対する隔離範囲をしっかりと定める。この中で、2分の1AOT程度内で可能な保全作業について、作業平準化を考慮しながら、下の表のような実施の工程の計画を作成していく。縦軸にLCO対象機器の系統名がございまして、右に実施工程、期間(1)〜(12)まで示しておりますが、こういったところでどの系統を作業するかというところをばらけた上で、下で作業工数が平準化されているかだとか、プラント安全性としての定量的、定性的な評価、例えば、これはリスクのICCDPを並べておりますが、こういったところでの確認を行う。
それを踏まえた上で、右上になりますが、作業計画の断面では、評価レベルに応じた安全措置を計画していくということで、安全措置の例といたしまして、例えば、(1)で作業を効率的に実施する。予備品を事前に調達しておくだとか、作業員の方の教育や訓練を実施する。それから、体制をしっかりと構築する。
(2)といたしまして、リスク抑制措置といたしまして、作業前の関連する系統について健全性を確認しておく。それから、安全機能を有するような設備エリアへの立入りを当該時間は制限するといったような措置を計画いたします。
作業の事前準備の段階におきましては、作業時の注意事項であるだとか、作業中止の判断基準、復旧手順を整備しておくんですが、こういったものを、この下に絵を張っておりますが、これが実際の作業をやられる方が使用される作業の要領書なんですが、こういったところに文字で反映をしておき、作業員に対して事前に周知徹底しておく。こういったことを能動的待機除外の場合、十分に時間をかけて作業を計画でき、かつ事前準備ができるため、作業品質の向上が期待できるというように考えております。
次のページから、作業負荷平準化といわれるものをシミュレーションしたものを御説明差し上げます。前提といたしまして、左の1番の囲みでございますが、今回はPWRの1〜4号機、4つのプラントを持つものについて、将来の定検計画に基づいて、LCO対象機器の定検における作業負荷想定をまずいたしました。
それに対しまして、右側の緑でございますが、この中の(1)〜(3)、運転中保全実施可能設備、対象作業を抽出し、運転中保全に移行できる作業割合を抽出した上で、運転中保全計画を立案して、これらをインプットして、最終的に左下のブルーで囲っておりますようなLCO対象機器の定検作業を運転中に移行した場合の作業負荷を想定するということでございます。この緑のハッチの部分で、前提といたしまして1〜4号機までございますので、定検中のものを運転中にシフトするということで、定検期間等は変えずに、そのまま1号と2号の間の定検に単純に割り振っていくというような形でシミュレーションいたしたということでございます。
この緑の部分について、もう少し具体的に示したのが次の17ページでございます。まず、実施可能設備の抽出でございますが、左のフローにございますように、対象・系統に対して、例えば、高放射線であるとか、高温・高圧環境にあるものについては、運転中保全が少し困難であろう。それから、設備の隔離によって発電停止に至るだとか、定格出力の維持ができないという観点でフローを絞り込んでいきまして、設備がLCO対象であるかどうかというところを最後に振り分けて上で、LCO対象であれば、条件つきで運転中保全が可能なADRに現状なっているというような設備対象を抽出しております。
これに対して、運転中保全対象作業のイメージといたしまして、右上の表でございます。運転中保全可能なものについて、現状、目安として2分の1AOTを使っておりますので、2分の1AOT内で実施可能な作業を、軽微な作業という言い方をしておりますが、保全作業の例といたしまして、電動弁から一般弁、計器に対して、開閉試験だとか、外観点検、潤滑油の入替えといったような、文字通り軽微な作業ぐらいが実施できるであろうと考えております。
これに対して、2分の1AOTを超えて、AOT内で実施可能な作業であれば、本格作業という言い方をしておりますが、バルブであるとか、ポンプ、モータに対して分解点検が可能なエリアになってくるであろうと考えております。
このイメージをPWRのRHR系統において、色分けをして、軽微、本格と分けた例がこの下の表になっております。
このような分類をした上で、作業負荷平準化効果のシミュレーションを実施したものの結果が、次の18ページでございます。18ページの上の表でございますが、これがLCO対象機器の定検作業のうち、運転中に移行できる作業の割合を示しております。左の2番目のセルのところで、全作業量、作業工数(人日)で1万強であるものに対して、運転中保全が困難であるものが7割程度、残りの3割程度の保全対象作業量のうち、2分の1AOT程度内の軽微な作業が約7%、それから、本格作業までいきますと、残りの約28%まで展開できると考えております。
これを絵面でグラフにいたしましたのが真ん中でございまして、縦軸に作業者数、横軸に平成22年度から28年度の先のPWR、4つのプラントについての定検作業時の作業者数のイメージをあらわしております。ブルーであらわしております線が運転中保全移行前でございまして、若干山谷がきつい。それに対して軽微な作業まで入りますとオレンジ、本格まで行きますと赤いラインというように、山谷が改善されていく様が見て取れます。
これを少し簡便に数値化してあらわしておりますのが左下のブルーで囲っております作業負荷平準化指標というものでございまして、作業者数の最大値を分母とし、最大値と最小値の差を分子として置いております。したがいまして、一番ひどい山谷のあるときが1になりまして、それが改善されて最大値と最小値の差がゼロに近づいていくと、指標としてゼロに近づくというような指標でございますが、運転中保全移行前には0.533であったものが、軽微で0.5、本格までいくと0.35というように、運転中保全の範囲拡大によって作業負荷平準化の効果を高めることができ、これがひいては作業品質の向上が期待できると考えております。
運転中保全実施に当たってのAOTの反復使用に当たっての事業者の考え方を次の19ページに整理しております。上のセルでございますが、基本的な考え方といたしましては、能動的待機除外による反復的なAOTの使用については、非待機時間であるUA時間を目標値として管理するというふうに考えております。
ただし、劣化兆候をとらえた場合は、UA時間の目標値を超えても運転中保全を実施するというふうに考えておりまして、UA時間設定につきましては、現状の保全プログラムの中でブルーの色づけをしておりますが、これの真ん中のところの保全活動管理指標として、現在、保全重要度の高い系統に対して設定をされているものでございます。このUA時間を使って、管理指標を設定した上でそれを監視し、保全の有効性評価でそのレベルを超えているかどうかを有効性評価した上で次の計画につなげるというところで、有効性評価をする上で事業者の活動改善の対象とし、管理していきたいと考えております。
具体的にはどのような管理になるかというところを絵面であらわしておりますのが、次の20ページでございます。上半分が計画段階で、縦軸にUA時間を取り、右に時間軸として、第Nサイクル、第N+1サイクルというようなサイクル数であらわしております。上点線のところがUA時間の目標値として赤い点線で置いておりまして、第Nサイクルで予防保全を行えば、当然UA時間は上がりまして、第N+1サイクルでUA保全を行うとまた上がる。この絶対値を目標値の中で管理するという計画でございます。
実施の段階におきましては、例えば、先ほどのような計画を行ったとしても、その後に機能に支障を来し得るような異常兆候が発生する場合でも、一応、UA時間というのは目標値として置いておりますので、これを超えるからといって予防保全の活動を行わないということではなく、これを超えてもきちっと保全を行うということでございます。その保全を行った上で、目標値を超えますので、保全の有効性評価を行い、それを改善活動につなげていくというところで、UA時間に基づいた管理でAOT反復使用について管理していこうと考えております。
続いて「まとめ」でございますが、次の21ページでございます。単一系統を待機除外した状態での安全性は、設置許可の事故解析結果において包絡しており、回復措置に関しては、現行保安規定のAOTの間に限定することで許容されていると考えております。
また、受動的待機除外と能動的待機除外に関しては設備上差異はなく、能動的待機除外は突発的機能喪失を未然防止することに寄与でき、また安全に配慮した計画の下に実施することで、作業品質の向上を期待できると考えます。
更に、運転中保全による作業平準化効果を試算した結果、作業品質の向上にも寄与できると考えております。
これらを踏まえて、単一系統の運転中保全から実施いたしたく、実施に当たっては、実施保安の観点から、保守的にまず2分の1AOT程度の作業から実施していくというふうに考えております。
その際には、能動的待機除外による反復的なAOTの使用については、UA時間にて管理し、継続的な活動改善につなげながら進めたいと考えております。
以上でございます。
片岡主査
どうもありがとうございました。
それでは、議題3について、御意見をお願いいたします。
どうぞ。
渡邉委員
書きぶりについて幾つかコメントがあるんですけれども、まず、4ページの海外の実施状況の話なんですが、いつの時点の状況なのか、本当はどこかに欲しかったなという気がするんです。というのは、状況は多分、各国とも少しずつ変わっているんではないかと思います。大体で結構なんですけれども、もし今おわかりでしたら、これはいつごろの各国の状況だったか。
それから、2つ目は、次の5ページのアメリカの状況なんですが、2000年代の箱の一番下のところを見ると、実質的に複数同時のオンラインメンテナンスが可能になったのは2000年代と読めてしまうんですが、実際にはもっと前からやっていたわけです。言葉は悪いんですけれども、公式に認められて、やれるようになったのはこのころだという理解でよろしいんでしょうか。昔は自主的にやっていたから、NRCが頭にきてルールをつくったみたいなところがあって、2000年代に入って、NRCも認めてできるようになったと、そういう理解でよろしいんでしょうか。
もう一点、3つ目が、次の6ページのところで、複数オンラインメンテナンスの考え方のところというか、今後の課題のところなんですが、要はリスク情報を中心にやっていくみたいな話が書いてあるんですけれども、先ほど私が申し上げましたように、現行のLCO逸脱の許容で複数系統で関連のないものだったら許されているということもあって、それとの整合を取るとか、整合した複数の設備ならやってもいいということは、現行のままでも十分可能だと思うんです。必ずしもリスクにとらわれずにできる範囲がある。そういうものをちゃんと見極めた上で、なおかつアディッショナルにやるということになってリスクを使うというふうなステップを踏んだ方が、スムーズに進むんではないかという気がしますので、その辺をもう少し工夫した書き方ができればなと思います。
片岡主査
今回、事業者さんが書いてありますように、単一系統の運転中保全ということなので、御質問の内容については今後の検討課題も含まれていますが、そういうことを踏まえて可能な範囲でお答えいただきたい。これは調査した範囲によると書いてあるんですが、この調査した範囲というのはいつのものかということですね。
電事連(宮田)
調査は可能な限り情報を取ろうとしているんですけれども、主たる情報源がOECD/NEAのレポートで、2001年です。ちょっと古いということはあると思います。それ以外の情報も取っているので、もうちょっとリバイスされている部分もあるんですが、そういう意味で、先ほどもちょっと言い訳していますけれども、必ずしも完全に今の状態を表現しているということではないかと思っています。
それから、5ページの実質的に複数系統云々ということですけれども、複数系統については、大分前から実際にやっていた。そういったことはよくないというのは80年代のNRCの懸念だったということで、メンテナンスルールが入って、実はメンテナンスルールが入った段階である程度許容されているというふうに見ることもできると思っています。ただ、公式にそれが認められたというような文書は実はなくて、実態としては複数系統、たくさんやっているのは間違いないし、NRCもメンテナンスルールにちゃんとミートしていればそれでよしということでやっているので、公式に認められていると言ってもいいと思うんですけれども、文章表現としてはそれが書けなかったというのが実態です。
それから、3つ目の複数系統の整理の仕方が必ずしもリスク情報を活用しなくても、現状の整理をうまくすると、ある範囲はできるんではないかという御指摘については、そういう面もあるというふうには認識しておりますけれども、今の段階ではそこまで整理し切れなくて、ここまでが今の設置許可の範囲である、ここから先は違うというような、いろんな段階があろうかと思っておりますので、今後、まずは単一系統をやらせていただければ、次のステップとして、そういう範囲をしっかりと検討して、また御議論いただけるような場があればというふうに期待してございます。
片岡主査
よろしいでしょうか。そのほか、御意見ございますでしょうか。
どうぞ。
平野委員
運転中にメンテナンスをやる場合のリスクを考えると、2つに分けられる。1つは、安全機能を持っている機器をある時間、待機除外している間に、その機能を要求するようなトラブルが起きてしまった。ECCSを待機除外している間にLOCAが起きてしまったという部分と、運転中に保守をやったことによって何らかのディスターバンスを入れてしまって、起因事象をつくってしまったということなんではないかと思います。
待機除外の方については、21ページのまとめに書いてありますように、能動的な場合と受動的な場合に設備上の差異がない。基本的には、最後のところに、反復的な使用についてはUA時間で管理できるということで、待機除外については特段の問題はないのかなという印象を持ちました。
ただし、何かディスターバンスを入れてしまうというのは、管理を計画的にやるんで、管理を強化できますというところで担保しているのかなという気がしているんです。要するに、リスクを使わないで、それをきちっと言おうとすると、運転経験から言って、運転中に補修をやっても、ディスターバンスを入れて何か大きなトラブルになってしまうというような可能性は小さいんですよということを、運転経験をベースにしっかり言わないといけないということだと思います。配管系だとか、そういうものは比較的そう言えるんではないかと思うんですけれども、信号系だとか電気系だと、そこをきちっと言おうするのはなかなか難しいんではないのかなと感じています。運転経験に基づいて言うということですから、日本では経験がないわけです。ですから、海外の事例の中で、そういう事例があるのか、幾つかあるんではないかなと思うんですけれども、見て、そういうものを根拠に、これで大丈夫なんですよという論理をつくらないと、そちらの方は現状では説得力があるのかどうか、余りよくわからないなという感じがしているんですが、いかがでしょうか。
電事連(宮田)
ディスターバンスの件は、我々も非常に懸念していまして、特に電気系、計装系、こういったところはちょっとしたことでプラントトリップに至るようなことはあると思っていますし、そういう経験もあるようにも聞いています。まだ我々も勉強段階で、米国の情報を今、一生懸命集めている状況で、そういったものを踏まえて、我々としては実際に実施していく段階での保全計画、作業手順とか、あるいはその体制の中でだれが何をやって、何を確認してというようなことをしっかりとやっていく。今の段階でお答えできるのはその程度で、おっしゃるとおり、運転経験などをきちっと踏まえてやっていきたいとは思ってございます。
渡邉委員
ディスターバンスの話なんですけれども、多分、運転経験というか、アメリカの経験を集めるといっても、非常に難しいと思います。というのは、メンテナンス中にやったかどうか、はっきりわかるような報告書になっていないと思います。幾つかあることは把握しているんですけれども、これで全部かと言われたら多分わからなくて、少ないという証明は多分できないと思います。したがって、運転経験から、これはやっても大丈夫だというようなものは、恐らくつかめない。というよりは、むしろ、例えディスターバンスが入ったとしてもスクラムするんですというぐらいのシナリオで全部おさまるかどうかの確認の方が私は重要だと思います。
要は、スクラムするだけで済むんであれば、普通のトリップなんです。普通の過渡が起こったということだと思うんです。それで済まないようなことは絶対起こらないということをロジカルに説明できれば、私はそれで十分なのではないかと思うんです。要するに、スクラムがかかるというのは、いわゆる誤トリップが余り回数が多くなると、それは困るんですけれども、通常の過渡事象が起こる頻度に、それがわずかに増える程度、あったとしても、多分、そのぐらいにしかならないんだろう。むしろスクラムに必ず至るか、スクラムに至るパスがどんなものであって、それ以外は起こらないんですよということを説明した方が合理的なんではないかという感じがします。
電事連(宮田)
その件につきましては、我々、最初は単一系統というところから入りたいと思っておりますので、計装系の運転中保全をやったときにディスターバンスが入ってトリップしたとしても、影響範囲はそこまでしかないはずだと思っています。ですので、まずは第1段階の導入としては、停止する可能性、ディスターバンスが入る可能性は否定できませんけれども、止まったことによって、それ以上安全性の懸念はないというような意味合いではさほど問題にはならないのかなと思っています。
ただ、我々は不用意に止めることは絶対に避けるべきだと思っていまして、それ自身、ディスターバンスは安全上の問題にもなり得ると思っています。公式ないろんな情報という意味では余り多くないのかもしれないんですけれども、アメリカでたくさんの経験をしているということで、EPRIから、勿論、非公式な情報で、たくさんの経験があるように聞いていますので、それはよく勉強したいと思っています。ある種、反面教師がたくさんあるんではないかと思っていまして、逆にそこは期待しているところではありまして、よく勉強していきたいと思っています。
片岡主査
よろしいでしょうか。そうしましたら、運転中保全の電気事業連合会の方からの御説明について、以上で終えたいと思います。どうもありがとうございました。
今度は、これを受けてといいますか、4番目の議題なんですが、資料4の「運転中保全(オンラインメンテナンス)の実施に係る規制上の要求事項について」の御説明をお願いいたします。
弥益保安規定係長
では、資料4に基づいて説明させていただきます。同じく右下にページ番号を打っております。「運転中保全(オンラインメンテナンス)の実施に係る規制上の要求事項について」でございます。
1ページめくっていただきまして、2ページ目でございます。まず「1.運転中保全(オンラインメンテナンス)に対する規制当局の考え」です。最初の三角にあります、個々の機器の保全を運転中に実施するか停止中に実施するかは、安全確保を大前提としつつ、一義的には、当該機器の機能や作業性等を踏まえて事業者が判断すべきものと考えております。
国としては、安全が確実に確保され、かつ、それを国が確認できる条件や仕組みを検討・整備する必要があると考えます。
以下、これらの条件や仕組みの検討、整備状況について御説明したいと思います。
3ページ目でございます。「我が国における運転中保全(オンラインメンテナンス)の規制上の要求事項」でございます。単一系統の運転中保全でございます。最初の三角でございますが、これは現状についての説明でございますが、現行の保安規定において、受動的待機除外、いわゆる突発的機能喪失に対応するため、AOT内での分解補修等(事後保全)を含めた復旧措置は許容しております。
次の三角でございますが、これも現状でございますが、また、能動的待機除外による分解補修等を実施する場合においても、やむを得ない保全であれば既にAOT内での実施は許容しております。これは、下の矢印青字で書いていますが、受動的待機除外による分解補修等を実施することも、監視を強化し能動的待機除外により分解補修等を実施することも、やむを得ない保全に限定しておりますが、AOT内であれば許容しているということが現状でございます。
次に、4ページ目でございますが、これも現状の整理でございます。これは第1回のワーキングの資料にもございましたが、まず、現状は、真ん中のLCO対象機器への保全について、赤字の下の事後保全、LCO逸脱を宣言し実施ができるということで、上の緑色の予防保全については、やむを得ない予防保全については、現状、実施可能ということですが、一番上の赤の点線で囲んであるところ、やむを得ない保全を除いた計画的な予防保全については、現状、実施は不可となってございます。
次に、5ページ目でございますが、まず、単一系について今回論じたいと思います。単一系については、先ほど同じような資料がありましたが、ECCSのA系統、例えば、低圧注水系でA系統についてやっている場合については、同じく低圧注水系のB系統はやらないとか、他の計装系についても、いわゆる他のLCO対象機器系統の運転中保全は実施しないということでございます。
次に、6ページ目でございますが、現状について説明しております。一番左側が事後保全ですが、赤で囲まれている現状の保安規定で許容される受動的待機除外に対応するための分解補修等についてでございます。これについては、白の吹き出しで書いている、ある箇所で故障が発生します。今度、オレンジ色の吹き出しで、突発的な対応による分解補修等を実施することになります。
今度は、矢印が右下に出ていますが、青の下の絵がありますが、甲社の低圧注水系B系統でも、先ほどと同じ部品を使っている。甲社の低圧注水系A系で、ある箇所に故障が発生している、これと同じ部品を使っているということで、同様な故障を防止するのに必要な予防保全を実施可能ということで、水平展開としてブルーの枠に書いています、現行の保安規定で許容される能動的待機除外による分解補修等、いわゆるやむを得ない保全については、現行でも認めていますが、これについては、水色の吹き出しで書いていますとおり、計画的な分解補修等が実施できるということでございます。
次に、一番右側です。同じく予防保全ですが、現行の保安規定で許容されない能動的待機除外による分解補修等でございます。これは、やむを得ない保全を除く計画的な保全でございまして、例えば、白の吹き出しで書いていますが、運転中に劣化兆候を発見しますと、水色の吹き出しで計画的な分解補修等を実施することになるんですが、現状はこれが実施できないことになっています。ということで、一番下の青字で書いていますが、AOT内でのやむを得ない保全を除く計画的な保全、いわゆる黄色の枠字の部分について検討する必要があるということでございます。
次に、7ページ目でございますが、現状の保安規定で許容されているAOTを超えない分解補修等について、炉心損傷確率の増分を試算したものでございます。右上に計算式を書いていまして、炉心損傷確率の増分(ICCDP)は、炉心損傷頻度の増分(ΔCDF)×待機除外時間となっていまして、炉心損傷確率の増分を試算した結果は、最大でも5×10−7であったということでございます。
次に、下の緑色の枠を見ていただきたいんですが、受動的待機除外の場合においても、能動的待機除外の場合においても、点検対象を物理的、あるいは電気的に系統を隔離して点検を実施することから、隔離範囲、隔離期間が同じであれば、上記に示した待機除外による両者のリスクの増分はまず一致するということが言えると思います。
下のポチでございますが、受動的待機除外は、LCO逸脱を宣言して保全を行い待機状態に復旧されることにより、結果、機器の故障率であるとか、起因事象発生率であるとかを低減させて、これ以降の待機除外に伴うリスクの増分の低減に寄与しているということが言えるのかなと思います。
次の8ページに行っていただきたいんですが、やむを得ない保全を除く計画的な保全は、先ほどの6ページの右側の黄色い枠の部分を反復継続的に実施していけば、非待機時間が長くなって、累積リスク自体が大きくなるということがあります。そこで、反復的なAOTの使用についてということでございますが、能動的待機除外による反復的なAOTの使用を制限するために、現在の保安規定に保全活動管理指標として設定することとしているUA時間(機能を期待できない時間:非待機時間)による管理が必要である。このUA時間は、すべてのLCO対象機器系統について、今、設定されるようになっています。UA時間により管理するということですが、例えば、AOTの反復使用が著しい能動的待機除外による計画的な保全を実施している場合には、保全の有効性評価において、保全活動管理指標(UA時間等)の監視結果の評価が行われて、これにより保全が改善されるということです。
下の絵を見ていただきたいんですが、MC−09保全活動管理指標の設定ということでUAが設定されて、監視計画がつくられます。MC−10でこの保全活動管理指標の監視を行います。最終的にMC−15で保全の有効性評価が行われて、フィードバックされて保全が改善されることになっていまして、このことからも、能動的待機除外による反復的なAOTの使用を制限するためには、UA時間を適切に管理する必要があるとしております。
次に、9ページでございますが、「運転中保全の安全性」でございます。まず、現状でございます。現状は、受動的待機除外については、保安規定においてAOT内で分解補修等を実施することを許容しております。また、能動的待機除外、やむを得ない保全においても、既にAOT内で分解補修等を実施することは許容しております。
次に、安全性の検討でございます。最初のポチで、作業管理上は計画的な保全である能動的待機除外の方が作業品質を高める可能性がある。
ただし、能動的待機除外についても、受動的待機除外と同様にAOT内で分解補修等を実施することについて、安全性を確認する方法を検討していく必要がある。
また、我が国においては、LCO対象機器・系統の能動的待機除外、やむを得ない保全は除きますが、計画的な保全の実績がないことを踏まえて、AOTを超えないことを確実にする必要がある。
更に、能動的待機除外による反復的なAOTの使用を制限するために、UA時間を適切に管理する必要があるとしております。
10ページでございますが、「単一系統の運転中保全」です。以上のことから、LCO対象機器・系統の能動的待機除外による運転中保全については、以下の事項について、許容できる条件を明確にする必要がある。1つは、計画的な運転中保全の実施、AOT内での実施、UA時間の適切な管理でございます。
次に、11ページにいきまして「複数系統の運転中保全」はどうですかということですが、単一系のAOT内における運転中保全については、今回の運転管理ワーキングの検討対象範囲でございますが、複数系統の能動的待機除外による運転中保全については、更に検討が必要。
矢印青字で書いていますが、複数系統の運転中保全は、個別の複数系統におけるリスク情報を含めて評価する必要がある。このため、リスク情報の活用については今後検討していくことにしてございます。
次に、12ページでございます。複数系統の運転中保全については、この絵に示したとおりで、LCO対象機器のうち、異なる機能を有する複数の系統内の機器・系統を同時に待機除外して実施する運転中の保全でございます。
例えば、ECCS、A系について、オンラインメンテナンスをやっているときについては、他のLCO対象機器・系統に対して同時に実施することなどがこれに該当します。
次に、13ページでございますが、「複数系統の運転中保全の課題」でございます。米国の状況ですが、複数系統同時待機除外については、決定論的な解析は行われていない。何らかの安全確認が必要である。どうやっているかというと、定量的方法、リスク評価等、あと、定性的方法による評価を事前に行うことで安全性を確認しております。あと、しきい値以下であれば運転中保全を実施しているということでございます。
我が国での課題ですが、複数系統待機除外については、まず実績がない。何らかの安全性確認が必要。我が国では、確率論的安全性評価を用いた規制についてはまだ検討段階でございまして、しきい値についても検討段階でございます。
下にリスク許容基準(しきい値)について書いてございますが、米国は以下のとおり基準が整備されているということでございまして、以上のとおり、複数系統の運転中保全は今後検討していく必要があるということでございます。
次に、14ページでございます。「運転中保全(オンラインメンテナンス)の実施における規制の関与」でございまして、事業者が単一系統の運転中保全を実施する場合は、規制当局としては、安全性が確保されることについて適切に関与することが必要であります。例えば、規制の関与の例としては、以下のとおりでございます。4つございまして、計画的な運転中保全の事前確認、計画的な運転中保全の実施前確認、計画的な運転中保全の実施状況の確認、全体的な保全の実施状況の確認などが考えられます。
具体的には、次の15ページにその確認フローを示しております。まず、計画段階において、事業者は、第Nサイクルの運転中保全を国に届け出ることになります。ここには保全計画に運転中保全の対象機器・系統、実施時期、安全管理等が記載されてきます。
規制当局としては、計画的な運転中保全の事前確認として、届けられた保全計画により、運転中保全の対象機器・系統、実施時期、安全管理等の内容を確認することになります。この確認のタイミングとしては、第Nサイクル保全計画が届け出られたときになります。
次に、実施段階のステップに移ります。事業者は、個別の実施作業計画と実施の事前準備を行います。具体的には、個別の安全管理であるとか、運転中保全を中止する。現状、複数系統の運転中保全は検討段階であることからも、他系統が機能喪失した場合に、運転中保全を中止する場合の判断基準であるとか、復旧手順の整備をすることになります。
それに対して、規制当局といたしましては、計画的な運転中保全の実施前確認ということで、具体的には個別の安全管理ということで、遵守すべき運転上の制限等、例えば、あるECCSのA系統をメンテナンスしている場合については、それに対応するB系統について、ちゃんと運転上の制限を満足していますかとか、あと、運転中保全を中止する場合の判断基準及び復旧手順等の整備状況を確認する。確認のタイミングについては、保安検査、保安調査等によって適宜実施していくことになります。
次に、また事業者側として、実施段階で、今度は実際に運転中保全を実施します。それに対して国はどう関与するかといいますと、計画的な運転中保全の実施状況の確認ということでございまして、個別の運転中保全の実施状況ということで、AOTを超えない範囲での実施、運転上の制限等の遵守等の確認を行います。この確認のタイミングも、同じく保安検査、保安調査等により適宜実施していくことになります。
次に、評価段階です。事業者は、保全の有効性評価の実施をします。ここで、第N+1サイクル、次のサイクルの保全計画が届け出られます。このときに、第Nサイクルの保全の有効性評価にUA時間の監視結果等による保全の改善状況が反映されてきます。
規制当局としては、全体的な保全の実施状況の確認ということで、届け出られた保全計画に対して、保全の有効性評価、UA時間の監視結果による同一系統の断続的な運転中保全の実施状況を含めた内容を確認していくことになります。これも第N+1サイクルの保全計画の届出時であるとか、保全の有効性評価は安全管理審査で確認できることからも、または定期安全管理審査で確認することになっていきます。
これによって、10ページにありました計画的な運転中の保全の実施については、計画段階の保全計画の届出で、計画的な運転中保全の事前確認として確認する。
あと、10ページのAOT内での実施については、15ページの実施段階の運転中保全の実施の中でAOTを超えない範囲で実施することを確認している。
あと、評価段階では、同じく第N+1サイクルの保全計画が届けられますので、そのときにUA時間の適切な管理がなされているかを確認していくことになるということでございます。
次の16ページでございますが、簡単に保全計画とはどんなものですかということが書かれたものでございまして、保全計画とは、まず、原子炉ごとに、各サイクルごとの保全計画が国に届けられるものでございまして、例えば、下の絵で、左から、解列、最終検査があって、解列がありますが、解列をして、第Nサイクルの保全計画が届けられた次にまた解列されます。そのときに第N+1の保全サイクルとして保全計画が届けられる。こういう形でサイクルごとに保全計画が届けられることになっています。
では、保全計画に、先ほど言ったことがどこに書き込まれているかというところですが、例えば、UA時間であれば、真ん中の目次と書かれたII保全活動管理指標として、右側に目を移していただいて、緑の字でUA時間、ここに書かれてきます。
次に、IIIの1.点検計画で、点検等の方法、実施頻度等、いわゆる運転中保全を実施しますか、どうですか、それはどのぐらいのタイミングでやるんですかということが書かれていきます。
次に、IIIの5.運転中保全実施時の安全管理ということで、右側に点検等を実施する際に行う保安の確保のための安全措置が書かれてきます。
あと、有効性評価はどうなるんですかというのは、一番左側の保全の有効性評価の実施状況で、UA時間の監視結果を含むとあるんですが、保全計画の中の添付資料として、この保全の有効性評価の実施状況が入ってくるという寸法になってございます。
次に、17ページに行っていただきまして、これが保全計画の概要でございます。先ほど説明したことがここに具体的に書かれております。例えば、2.保全活動管理指標の設定ということで、余熱除去系については、UA時間の目標値、1系統当たり240時間未満で2サイクルという形であるとか、3.点検計画であれば、実施時期、定期検査中であるか、プラント運転中であるかの識別がなされて、例えば、同じく非常用冷却系高圧注入ポンプであれば、2つ目のポチでポンプモータの潤滑油入替ということで、運転中13か月ごとに実施しますであるとか、一番下の5.運転中保全実施時の安全管理ということで、停止時及び運転中保全実施時の安全管理の計画等がここに書かれてくることになっております。
次の18ページでございますが、今度は「運転中保全(オンラインメンテナンス)実施にあたっての原子炉施設安全規定の変更の必要性の検討について」でございます。
左側のブルーの枠の中に書かれていることについては、保安規定の法体系でございまして、まず、原子炉等規制法の第37条を受けて、保安規定の変更認可申請がなされます。申請書が提出されて、保安規定の審査については、同じく炉基法の第37条第2項に基づいて、原子炉による災害の防止上十分であるかどうかについて判断していきます。
その具体的な審査は、真ん中のピンクの枠で書かれています、具体的な審査は、保安規定審査内規を活用することになります。今、その審査内規にどう書かれているかというのが、矢印が右上に向っていますが、右上のオレンジ色の枠で、保安規定審査内規。現行は、能動的待機除外による予防保全は、やむを得ない保全に限定することを記載されています。
次に、保安規定はどう書かれていますかということですが、その審査内規を受けて、能動的待機除外による予防保全は、現状は、やむを得ない保全しか実施できないというような運用になっております。要するに、運転中保全を実施するに当たっては、この審査内規の改正が必要になります。
では、どのように改正していくかということでございますが、下の枠に目を移していただきまして、保安規定審査内規については、能動的待機除外による予防保全は、単一系統に限りAOT内における計画的な保全であれば、実施できることについて必要な条件を記載していくということになりまして、保安規定もそれを受けて、AOT内における単一系統での予防保全はあらかじめ計画し、その計画に従い実施することについての必要事項を規定していくことになります。
なお、UA時間については、現行の保安規定で既に保全活動管理指標としてUA時間を設定することが規定されていることになっています。
最後に、19ページの「まとめ」でございますが、単一系統のAOT内における運転中保全の検討でございます。LCO対象機器・系統の能動的待機除外によるAOT内における運転中保全については、許容できる条件をまず明確にする。
2.運転中保全を実施する場合の規制の関与でございますが、事業者が単一系の運転中保全を実施する場合は、規制当局としては、安全性が確保されることについて、適切に関与する。
3.複数系統での運転中保全の課題ですが、複数系統の運転中保全については、個別に複数系統におけるリスク情報を含めて評価する必要があります。このため、リスク情報の活用については、今後も検討していくことになります。
以上でございます。
片岡主査
どうもありがとうございました。
それでは、議題3の事業者側からの単一系統の運転中保全の実施についての考え方について、規制当局としての関与という面と、もう一点は今後の重要な課題なんですが、複数系統の運転中保全と、それに関連したリスク情報活用ということで、これについての今後の検討課題という面で御説明がありました。これについて、御意見をお願いいたします。
長崎委員
まず、単一系統に対する対応で、10ページに3つの項目についてそれぞれ条件出しをしていく必要がありますということを書かれていて、その条件というのが、14ページから説明されている、こういうやり方が条件であると、そういう理解でよろしいですか。
弥益保安規定係長
はい。
長崎委員
もう一つは、17ページのところで、今の保全計画が出てきますということですけれども、15ページを見ると、N+1サイクルの保全計画が出てきたときに、Nサイクルでの保全の有効性評価というものが書かれていることになっているんですが、17ページで言えば、N−1サイクルのときのことが書かれるだろうと思うんですけれども、それは具体的にどんなイメージで書かれるのか。そこのイメージがなかったので、どんなイメージになるんですか。
弥益保安規定係長
1番目の質問の条件を明確にしていくということについては、先ほどの14、15ページという御理解でよろしいかと思います。
あと、保全の有効性評価を具体的にどう書かれるかということについては、例えば、15ページで第Nサイクルの保全計画の届出というのがあるんですが、当然、その前の段階でオンラインメンテナンスをやっていたとすると、その段階でまず保全の有効性評価が実施されて記載されてくることになるんです。実際には、例えば、17ページの3.点検計画の中で緑字で書いているところがあるんですが、第N保全サイクルにおける点検結果や最新知見、保全活動管理指標(運転中保全に伴うUA時間等)の実績を踏まえ、保全の有効性評価を行い、より高度な点検計画を第N+1保全サイクルへ反映するという形で、ここで有効性評価をした上で、例えば、保全方式を見直すであるとか、点検頻度の間隔を延ばすであるとか、いろいろな評価をなされた上で、それが次の点検計画に反映されていくというイメージでございます。
長崎委員
それで結構です。
あと、今後のことですけれども、複数系統でのオンラインメンテナンスをこれから更に検討していくんだろうと思いますし、そのときにリスク情報の活用ということが必要になってくる。更に資料1であるとか、資料2のところでもって、これからリスク情報をやっていきますということなんですけれども、私はこちらの分野は勉強不足なので質問なんですけれども、リスク評価します、炉心損傷確率などを評価しますという、データというよりは、評価手法というのか、ハウツーはもう確立していて、研究、あるいは技術開発マターではないところまできているのか、あるいはまだまだいっぱいやるべきことがあって、今もアメリカでも、あるいはヨーロッパでもブラッシュアップされているし、我が国もそういう研究をやっているという、後者で理解していてよろしいでしょうかということが1つ目の質問です。岡本先生がうなずいているので、きっとそうだと思うんですけれども。
もう一つは、私の専門の方からいくと、事業者側と規制側が同じコードを使っているということはあり得ない。結果が同じであっても構わないんだけれども、例えば、事業者側はこういうコードを使っています、規制側は全く違うところで使っていて、データはどこかで共有するところはきっとあるんだろうけれども、そういうふうに独立させてやりましょうという話が必要かどうか議論していますけれども、事業者さん側は、電力さん全体で共有されるのか、各社が持たれるのかわからないですけれども、保安院さん、あるいはJNESさんは、独自で開発されて、どこかでオーソライズされたもので別途こういうリスクは評価をして、確かに事業者さんがやったことは正しいですねというところまで、個々にやっていく予定まであるのかどうか、その辺はどうですか。
片岡主査
いずれも今後の検討課題の中の非常に重要な御提言だと思います。
どうぞ。
JNES(藤本)
今の御質問にお答えしたいと思います。JNESの藤本と申します。
まず1つ、リスク情報の技術は確立しているかということですけれども、勿論、WASHの時代からずっと勉強してきていまして、途中でAM等でもリスク評価してきておりますから、技術的には相当確立してきている。ここにも平野先生もいらっしゃいますけれども、原子力学会でも、その標準等も作ってきていますし、保安院さんの方でも、実際にどういう要件が必要かということも大体まとめてきておりますから、そういう点ではほぼ確立してきているんではないかと思います。
ただ、勿論、評価技術だけではなくて、データの問題等もありますから、例えば、故障率のデータ等も、どういうやり方をして実際に集めていかなければいけないというところがあります。データの計算手法とか、そういうものについても相当進んでいまして、それも学会標準で今、作られつつあります。
ただ、データの問題でありますと、経験を蓄積していかなければいけませんから、それは止まるところなく続けていかなければいけないものですから、例えば、事業者さんの関係ですと、NUCIA等で経験をどんどんためていきますから、そういう点では進んできていることになると思います。
それから、2点目のコードの点ですけれども、計算コードは必ずしも事業者さんとJNESでは同じものは使っておりません。それから、熱力的なものとはちょっと違って、イベントリーとかフォルトリーを作るときに、解析者の判断に相当依存しますから、判断という点では事業者さんとJNESでは完全に独立したものをやってございます。
以上でございます。
片岡主査
岡本先生、よろしいでしょうか。
岡本委員
リスクは、アメリカなどを見ていると、保全に対して一番有効だと私は思っていまして、NRCなどは独自にリスクモニタを自分で持っていたりしますので、将来的には是非そういう方向に進んでいくんではないかなと、すごく強く期待をしているところであります。
片岡主査
最初の調査の御報告でも、リスク情報活用というのは、今後の課題として非常に重要な調査の結果として御報告いただいたことで、こちらにおられる各委員の先生方はリスクの御専門の先生方が多いので、今後どういうふうにしていくかということをここで是非、貴重な御意見を伺いたいと思います。
どうぞ。
渡邉委員
単一系統のオンラインメンテナンスに対してなんですけれども、オンラインメンテナンス中に、例えば、ほかでLCO逸脱が起こったとか、そういう状況が起こったときに、今の複数LCO逸脱が起こったことを適用するのかどうかということを保安規定の中に書くかどうかです。そういう問題とか、オンラインメンテナンスの最中にサーベイランス試験をやっていいかどうかとか、オンラインメンテナンスを導入することによって規定しなければいけない項目が幾つか出てくるんだと思うんです。その辺の整理というのは、次回、報告書にまとめるときに何か出てくると考えてよろしいんでしょうか。
弥益保安規定係長
それで結構です。
渡邉委員
そうですか。そうだとすると、今、複数のLCO逸脱が許されていないものだけははっきりしているわけです。それは全く同じ扱いにするんでしょうけれども、そこからはみ出ているもの、先ほど私が申し上げたような、全然系統の違う同士のものが起こった場合は、今、プラントの停止もなくて、組合せによる要求は全くない。それに対して、片方で意識的にメンテナンスをやっている最中にそういうものが起こってきたときも同じ扱いでいいかどうかというのは、私は十分議論する必要があるんではないか。
それから、サーベイランス試験も同様でして、メンテナンスをやっている最中に、一番怖いのは電源系と信号系、計装系のサーベイランス試験をやって、サーベイランス試験からディスターバンスが入ってしまうみたいなものがある。そういう組合せを少し考えて、どういう扱いにするかを議論しないといけないと思うんです。多分それはこの場での議論ではないと思いますし、実際に保安院と事業者、規制側の間でどういうふうにするかを決めていかなければいけないと思うんですが、こういう検討をしなければいけないケースがどういうものがあるか、少し精査していただきたいという感じがします。
もう一点は、前回はたしかAOTを延ばすというような議論が少しあったかと思うんですが、今回どこにもそれが出てきていなくて、すべてAOTの中でという文言ばかりなんです。ところが、先ほどちらちらと内規を見ていましたら、やむを得ない場合というのは、完了しないことがあらかじめわかっていたら延ばしてもいいというのがある。要するに、こういう内規がある以上、これからほかのところにも展開できるかどうかの検討は進めていくべきだろうと思います。
事業者の方で2分の1を当面やるという話をしていましたけれども、恐らくそういう前提がないと、2分の1だけで終わってしまって、AOTの時間をフルに使ってやるようなオンラインメンテナンスができなくなってしまうと思うんです。そうすると、電事連さんから提示されたものを見ていると、ほとんど2分の1ではメリットがない、やっても余り意味がないような話になってしまいますので、せっかく入れるんであれば、その辺も踏まえて、もう少し合理的な考え方でできるような格好にしたいと思いますので、AOTの延長に関する考え方とか、その辺についてもポジションペーパー的なものを、多分、事業者側と規制側、両方からそういうものを出していただいた方がいいのかなという感じがします。
片岡主査
今後の検討課題についての御提言と、単一系統の運転中保全についての具体的なことについての規制側の方への御意見という2つを御説明になったんですが、どうぞ。
上戸統括原子力保安検査官
今、議論していただいていることに限定して言いますと、やはり我々保安院は安全の確保について一歩も引けないというような立場があります。そういう中で、今、オンラインメンテナンスについて、我々は検討の俎上に乗せているわけでありまして、いわゆるやむを得ない以外の計画的な保全について、待機除外するんだけれども、リスクは確かに上がるんだけれども、その分をコンペンセートするぐらいの、事前にきちっと確かめるとか、確認をしておくとか、何か起こった場合の対策もきちっとやる、そういった条件を我々はこの検討の中で、我々事務局として考えていかなければいけないのかなと思っていて、そういった中で、トータルとして、安全確保については、我々から見て後退していないと言えるような、いわゆる条件づくりといいますか、そういったことが我々の基本になるという心づもりで事務局案をつくっていきたいと思っております。
片岡主査
ありがとうございました。
そのほか、御意見等ございませんでしょうか。では、どうもありがとうございました。一応、議題4まで御意見をいただきました。
今後の予定について、事務局の方から御説明いただきたいと思います。
上野班長
それでは、お手元に配付させていただいております資料5に基づきまして、今後の当ワーキンググループのスケジュールについて御説明させていただきます。
まず、5月26日に第1回のワーキンググループを開催させていただいているわけですが、このワーキンググループは原子炉安全小委員会の下につくられているということもありまして、6月30日にワーキンググループを設置して、第1回目のワーキンググループを開催したということを御報告しております。この場では特段の御指摘とか御質問等は出されておりません。
本日7月24日に第2回目を開催させていただいたところでございます。
当初、8月21日に第3回目を開催させていただく予定でしたが、事情がありまして9月11日に延期をさせていただいております。この場では、先ほどもお話出ておりましたが、本日いただきました議論とか御指摘を踏まえて、当ワーキンググループの報告書としてとりまとめた案を御提示させていただき、御審議いただきたいと考えております。
その後、第4回目で報告書の議決をいただく予定にしておりますが、今、各委員の先生方に10月の上旬から中旬にかけての御都合をお伺いしているところでございます。当ワーキンググループの報告書案として議決されたものに対しまして、原子炉安全小委員会の方に、今度、パブリックコメントにかけることの御了承を10月末ごろにいただきたいと考えております。その後、1か月間、11月いっぱいになろうかと思いますが、パブリックコメントにかける予定にしております。
その後、第5回目としてパブリックコメントの意見を反映した報告書の成案としてまとめたいと考えております。
この辺まで、当初、第1回目に御説明させていただいたものよりも約1か月程度遅れ気味の計画になっております。
それから、一番下に保安規定の見直しに関する事務的な流れを整理させていただいておりますが、第5回の当ワーキンググループの最終報告書案を受けまして、本日、机上資料−8として御提示させていただいておりますが、保安規定の審査内規を改正を要します。改正が終わりましたら、各事業者さんからの保安規定の変更認可申請書を出していただき、年度内に我が方で認可をしたいという予定を組んでおります。その結果、新しい年度から、新しい保安規定に基づく運用が開始できたらというふうに考えております。
以上でございます。
片岡主査
どうもありがとうございました。
このような今後の予定でよろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして「第2回運転管理ワーキンググループ」を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。
 

最終更新日:2009年9月11日