経済産業省
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総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会・電気事業分科会買取制度小委員会(第6回)‐議事要旨

日時:平成22年9月29日(水)14:00~16:00
場所:経済産業省 本館17階 第1~3共用会議室

出席者

柏木委員長、荒川委員、遠藤委員、大橋委員、清水委員、鈴木委員、辰巳委員、月山委員、永田委員(高山委員代理)、中村委員、西山委員、船越委員、本多委員、前田委員、村越委員(鶴崎委員代理)、村関委員、山内委員、山口委員、山田委員、横山委員

議題

  1. 再生可能エネルギーの全量買取制度における詳細制度設計について
  2. その他

配布資料

  • 資料1 買取制度小委員会委員名簿
  • 資料2 議事の公開等について(案)
  • 資料3 再生可能エネルギーの全量買取制度における詳細制度設計について
  • 参考資料1 「再生可能エネルギーの全量買取制度」の導入に当たって

議事概要

冒頭、柏木委員長が、総合資源エネルギー調査会の山地新エネルギー部会長、金本電気事業分科会長の指名により、買取制度小委員長として新たに就任したことを報告。その後、柏木委員長、安井省エネルギー・新エネルギー部長より挨拶。
続いて、事務局から資料1~3について説明の後、自由討議。

委員
  • 消費者の負担を抑えつつ、再生可能エネルギーの適正な導入を図っていく「最適最小化」の考え方をする必要がある。
  • 買取制度のための設備等の「10年間無償修理」等の長期保証は消費者の自己管理能力や責任意識を薄れさせる弊害もある。
  • 安全性の確保のための発電設備の認証等が必要になると思うが、既存の機関をうまく活用して行うべき。
  • 昨年11月に余剰電力買取制度が開始されたところ、今回、全量買取制度の設計を行っていることについて、制度変更の理念の説明が足りない。
委員
  • 全量買取制度、地球温暖化対策税、排出量取引の3つの温暖化対策施策を合わせた全体の施策効果や負担を示した上で、地に足の付いた議論を進めていくべき。
  • 国全体で低炭素化を進める施策。国民全体で負担するという観点からは「税その他の手法」の活用も考慮すべき。3~5年で見直すとあるが、他の施策の動向を見ながら、見直す必要が生じた際には見直しを行うべき。
  • 費用負担、再エネ間の競争、発電コストの低減を目指し一律価格にするべき。
  • 太陽光発電については、発電コストダウンを促すため、買取価格を低減させていくべき。
  • 買取制度下では価格が重要なファクター。RPS法による量の規制が残ったままでは事業者にかかる制約が多すぎるため、買取制度の導入にあたってはRPS法は廃止すべき。
  • 補助金制度はイニシャルコストの抑制に効果的であり、自治体の制度とも合わせて検討して欲しい。
委員
  • 世界の大型風力発電は経済的メリットがあるからこそ導入が進んでいるもの。よって、企業努力で買取価格は20円/kWhでも十分にコスト回収が可能だと思う。ただし優先接続が必須条件。
  • 洋上風力については、欧州では200万kW導入されているのに対し、日本は風力全体でも100万kW、洋上風力についても潜在力があるにも関わらず実証プロジェクトが一つあるに留まっている。洋上風力を買取対象とする場合、買取価格については特別の配慮が必要であり、仮に一律価格で買い取るなら、洋上風力への別の支援策をあわせて講じるべき。
  • 小型風力が住宅用太陽光と同じように扱われているのは良いこと。認証制度で動作する事を担保し、住宅での導入を進めるべき。
委員
  • 可能な限り制限的でない制度にすべき。
  • 森林系バイオマス(特に林地残材)の買取りは、林野庁が策定している森林・林業再生プランにも貢献しうるものであり、林野庁ともうまく連携しながらやれると良い。
  • 輸入バイオマスには持続可能性の問題があるところ。輸入された建設材の製材所での端材も、由来は海外であるかもしれないが対象にしてほしい。
  • 食品系、畜産系の買取については、ドイツでは固定価格買取制度の導入でバイオガスの利用が拡大する等、効果が大きく、有効だと認識している。
委員
  • 既存エネルギーに比べ高いコストである再生可能エネルギーの導入を支援することは経済合理性を超えている。温暖化対策、エネルギーセキュリティの観点も加味しつつ制度の合理性を見極める必要あり。エネルギー価格の動向や技術革新のスピードが不透明である現状において、長期にわたる買取制度の措置は不合理であるとの認識。産業競争力・環境変化の観点から、必要に応じて見直しを行うことが出来る制度するべき。
  • 法人税引き下げの議論もある中で、雇用や立地に多大な影響が生じることに留意すべき。
  • 製鉄業界は夜間に傾斜生産しており、エネルギーセキュリティの観点から貢献している。昼夜間別料金も一案ではないか。
委員
  • 制度設計にあたっては、事業モデルやエネルギー源の多様性に十分な配慮が必要。価格一律は正しいのか。
  • 地熱発電は発電事業と、特殊な技術を必要とする蒸気源の探査や開発から蒸気の取り出しまでの事業を別の事業者が行うケースが多い。電力料金の固定価格は発電事業側にしかインセンティブをもたらさない可能性もあるため、蒸気販売側にも何らかのインセンティブがあるような配慮が必要。
  • 地熱発電が可能な地点は山間部にあることも多く、系統への連結コストをどうしていくかも課題。
  • 地熱開発は開発コストが大きいため、リスクが大きく民間だけでは出来ないため、買取制度導入後も補助金、とりわけ調査のための補助等支援を継続することが必須。
  • 地熱発電の有望地域は国有地や国立公園等に偏在しており、国有林の利活用申請や自然公園法等諸規制の緩和、さらに、現状10年程度かかる環境アセスメントの手続きの短縮化も必要。
委員
  • 全量買取制度、地球温暖化対策税、排出量取引の3つの温暖化対策施策による負担が中小企業にどの程度になるか分かりづらいため、ホームページ上などでシミュレート出来るような仕組みを作って欲しい。
  • 再生可能エネルギーの導入が進む欧米では、洋上風力ファームのような大規模で効率的な設備の導入が主流であり、(小規模な)住宅用太陽光発電等の大量導入による再生可能エネルギーの導入量拡大効果は限定的という考え方もある。
委員
  • 買取対象の電気が本当に再生可能エネルギー由来のものかどうかのモニタリングや、設備の耐久性・品質の基準を設けることの必要性は認めるが、他方で、そのことにより制度が重厚になりすぎる事を懸念。今後の海外展開も踏まえ、日本の制度に合わせて特化してしまうことで、設備メーカーの国際競争力を削がない程度の基準に留めるべき。
  • エネルギー間競争の観点から、他電源とは別扱いになっている太陽光発電についてもなんらかのプレッシャーが必要。買取価格の設定に際しては、必ずしも需要家の設備設置コストの埋め合わせのみを考慮する必要はなく、設備設置コストの低減目標に合わせて買取価格を設定していくべき。
委員
  • 供給構造高度化小委員会でも指摘したが、非化石電源導入目標(2020年で2%)と買取制度との関係が整理されておらず、何が再生可能エネルギー電源となるのか、再生可能エネルギ-電源は競争入札で確保できるのか、他社から確保した再生可能エネルギー電源を非化石電源導入量としてどのようにカウントできるのか不明なので、考え方を早急に整理してほしい。
  • 今回の全量買取制度では、入札等を通じてPPSも買取りが出来るよう検討されているものと認識しているが、環境価値をどのように配分されるかは大きな論点であり、入札の際の値付けに影響する。また、環境価値が買取費用の負担に応じて均等配分されるという議論があるが、環境価値の帰属方法次第では、入札に出される再生可能エネルギー由来の電気が減少する可能性もあり、その場合、PPSとしては住宅用太陽光発電による小口の電気を買い取る必要性が生じる。
  • RPS制度は、廃止が前提と議論されているが、バンキングや長期の見込み価値といった観点についても買取制度の設計に当たって配慮すべき。既設電源への激変緩和措置の検討をお願いしたい。
  • PPSも買取可能であることについてしっかり周知・広報いただきたい。
委員
  • 風力発電の普及は遅れている。全量買取制度に期待。
  • 5~20円/kWhの買取で欧米の類似制度並であるとの指摘があったが、一律価格では導入地域に偏りが生じ、ひいては国全体での導入量が低位に抑えられる可能性もあるため、コントロールできない要因に対しては配慮すべき。例えば、発電量が風況により左右されることは多々あり、北海道のある地域では30%の発電効率がある一方、他地域では20%ということもある。
  • 風力発電の導入支援に関しては、周波数変動対策への支援も組み合わせると効果的ではないか。
  • 風力発電の系統への連系について、入札や抽選で連系の権利を得たにも関わらず、後になってから設備の設置を中止する事業者も存在する。買い取られる権利だけではなくて、連系の権利を得たら必ず設備を設置するという責任感も必要。設備設置の義務づけも検討すべきではないか。
委員
  • 国民の理解醸成に関する記述を加えるべき。
  • エネルギーセキュリティの観点での再生可能エネルギーの意義をもっと広報(見える化)すべき。日本のエネルギー調達の現状が分かればコストが高くても需要家も納得できるのではないか。
  • LCAの観点に配慮して商品を消費できるよう、商品の「見える化」が必要。
  • いつまでにどの程度普及したのか、普及が進まない場合にはその原因が何でどのように改善すべきか、PDCAサイクルを回してしっかりと継続的に検証すべき。
  • 一般の需要家には発電の過程は分からない。エネルギー投入量当たりの発電能力や発電設備の能力等を見える化し、質が悪いものが紛れ込まないようなある種のスクリーニングが必要。
委員
  • 今まで水力発電を導入してこられたのは、現行の補助金制度の効果も大きかった。現行補助金を廃止し、(買取期間が10~15年の)全量買取制度に一本化すると、耐用年数が40年の水力発電は事業者の開発意欲が削がれるのではないか。
  • 買取制度によるランニングコストの補助よりも、補助金によるイニシャルコストのほうが事業者にとって有り難い。補助金がなくなるとイニシャルコストが払えない懸念もある。イニシャルコストの上昇も踏まえた価格設定をお願いしたい。
  • 水力発電は安定供給が可能な電源であり再評価が必要。(買取に回せない)所内利用分についてもなんらかの手当をすべき。
委員
  • 新興国など日本よりも電気料金の安い国とも激しく競争している中で、全量買取制度によってさらに電気料金の負担が重くなるのは、国内産業を強化するという、新成長戦略等の政府ビジョンの理念と逆行しているのではないか。エネルギー需給構造転換の必要性も理解するが、過度のエネルギー政策が企業経営に影響し、ひいては国内産業の空洞化に繋がることがないよう、制度設計に際しては国益全体が最大化するよう整合的に進めることが重要。
  • 化学は、太陽光発電や風力発電の推進にあたってもその部材に必要不可欠な産業。全量買取制度、地球温暖化対策税、排出量取引の3つの温暖化対策施策全体による負担の規模が重要。特に国際競争力の観点から配慮いただきたい。
委員
  • 今後、設備容量の大きな太陽光発電設備の導入も増えてくると思うが、特に、非住宅分野のうち高圧や特高の需要家が昇圧トランスを設置する際の負担は重く、追加的費用負担の問題をどうクリアするかが課題。
  • グリッドパリティ実現までは太陽光は、他の再生可能エネルギーと同じ土俵では戦えない。太陽光だけ優遇しているようだが、太陽光は需要サイドに設置する新しい電力供給の形であり、他の電源と比較して配慮した価格設定となることが必要。
  • 買取価格は設備導入負担の補填の側面があるが、グリッドパリティを超えた利益の扱いについては考慮する必要あり。
委員
  • 費用の負担者である電力のユーザー全体が十分納得出来るように進める必要がある。
  • 現行制度では、住宅用・非住宅用等区分の境界の取り扱いについて、現場でトラブルになることが多くあった。今回、既存設備やリパワメント分等買取対象が拡大されるに際しては、明確で客観的な基準を定め、現場で問題が生じないようにする必要がある。政府による対象設備の認定は、現場でのトラブル回避の対策の一つとなり得るのではないか。
委員
  • 木質バイオマスについて、発電用チップと製紙用チップは競合するのではとの議論があったが、製紙用では使えない枝葉・樹皮・切れ端等混入したチップでも発電用であれば利用出来るという差異がある。
  • 林地残材等は山から運んでくるコストが高く、現在利用はあまり進んでいない状況。電気を貯めることは出来ないが、チップは貯めることが出来るという特性を評価し、適正な価格で引き取って役立てていただきたい。
委員
  • 全量買取制度はチャレンジングな取組であり良いと思う。
  • 昨年の太陽光の余剰電力買取制度導入によって、太陽電池モジュール等システム価格全体が下がったかどうか、評価が必要であり、その評価結果は広く国民に公開・広報していくべき。評価のプロセスがあって始めて次のステップに進める。
  • 負担の公平性について、全量買取制度の大枠では地域間調整を行うことが基本とされているが、降雪のため太陽光発電の効率が落ちる等発電側の条件の地域差についても説明が必要。
  • 企業としては、海外展開も踏まえた制度設計が必要と理解。
委員
  • 全量買取制度はかなり大きな枠組みとなるため、環境政策・エネルギー政策・産業政策としての位置付けや目的を明確にする必要がある。国民経済への影響とともに、産業政策という観点からは、次世代の産業にどれほどインパクトがあるかということを念頭に置き制度設計をする必要がある。
  • 買取価格については、全量買取PTにおいても議論になったが、個々の場合について経済的なバイアビリティを追及するときりがなく、予見可能性は限られていることもあり、一律価格とするのが現実的。
  • 買取価格に限らず、基本的に例外がないのが好ましい。その上で必要に応じて個別のインセンティブを与えればよい。
委員
  • 現行余剰買取制度の効果や実態を検証する必要がある。買取期間が10年の現行制度下において、事業者ではない一般の需要家の中には、耐用年数を超える15年のローンを組まされている者もおり、一般の需要家と事業者は区別して考えるべき。
  • 昨年、この買取小委員会で議論を行った太陽光の余剰電力買取制度について、しっかりと政策評価をしっかりと行うべき。
委員
  • 全量買取制度は、実際に発電しパフォーマンスをあげたものを支援する制度であり有効。
  • 発電事業者の採算性、国民負担、エネルギー間競争の3つを両立させることは難しく、バランスをどう取るのかが重要な課題。
  • 各エネルギーによってそれぞれ状況は違い、それぞれが自立的になる必要があるが、キロワット時当たりの環境価値は同じであり、特定のエネルギー源に対し経済合理性に反する形で過度に支援するのは不適切。補助金制度についてもメリハリをつけて継続していく必要がある。
  • グリーン電力証書などの仕組みもあるが、環境価値を個人に帰属させても有効に活用されない可能性が高いため、環境価値を必要とする者が利用できるような仕組みを構築すべき。
事務局
  • 太陽光発電の余剰電力買取制度による政策評価については、太陽光パネルの価格は、1年半前には70万円/kWであったところから、余剰買取制度開始後の現在では60万円/kWまで下がっており、制度の効果は順調に出ていると認識。
事務局
  • 買取制度の導入に伴う費用負担は、産業への影響が大きく、政府が掲げる地球温暖化対策の柱である環境税、排出量取引、買取制度について一体で議論すべき問題である。
  • 買取制度の創設にあたっては、補助金やRPS制度など従来の支援施策との整合性を保つ必要がある。
  • 国民経済への影響が大きい制度であるため、国民への周知徹底を図るべく広報等をしっかり行う必要がある。
  • 昨年11月から太陽光発電の余剰電力制度を開始しており、太陽光発電の導入量の伸びやシステム価格低減を精査し、まずは現行制度についてしっかりと政策評価を行うべき。また、その結果に応じて制度を柔軟に見直すことが可能な仕組みとすべき。

事務局から、次回のスケジュールについては別途連絡することを確認して散会。

問い合わせ先

資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課再生可能エネルギー推進室
電話:03-3501-2342
FAX:03-3501-1365

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最終更新日:2010年11月4日
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