経済産業省
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総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会・電気事業分科会買取制度小委員会(第8回)‐議事要旨

日時:平成22年11月8日(月)13:00~15:00
場所:経済産業省 本館 17階 第1~3共用会議室

出席者

柏木委員長、荒川委員、市川委員、遠藤委員、大橋委員、佐藤委員、清水委員、鈴木委員、辰巳委員、月山委員、永田委員、中村委員、西山委員、船越委員、本多委員、前田委員、村越委員、村関委員、山内委員、山口委員、山田委員、横山委員(今井委員代理)

議題

  1. 買取価格・期間に関する事項
  2. 補助制度と買取制度の関係整理に関する事項

配布資料

  • 資料1 買取制度小委員会委員名簿
  • 資料2 再生可能エネルギーの全量買取制度における詳細制度設計について
  • 資料3 第7回買取制度小委員会議事要旨

議事概要

事務局より配布資料について説明の後、自由討議。

委員
  • 風力発電機の平均設備利用率の実績は18%程度であり、試算をしてみると、24円20年で買取が行われないと投資回収が困難。業界の努力で稼働率を22%まで上げることが出来れば、20円20年でも何とか採算がとれるといったところ。風況、金利、為替等のリスクを考慮すると、IRR3%というのは厳しい。この意味でも、やはり20円が生命線だと考える。
  • 風車の設計寿命は20年。実際にはそれより長く運用している。また、現在、およそ17年で減価償却であり、買取契約も17年の場合が通常。買取制度の導入によって少なくとも現状よりは採算がとれる可能性が高くなることを期待している。
  • 再生可能エネルギーの導入拡大は、原油価格変動へのバッファーとなるものでもあり、この点を考慮した上で、価格を設定するべきであり、多少の高値は妥当ではないか。
  • 買取期間終了後の補完策についてもご配慮をいただきたい。
  • 資料に太陽光発電以外の電源はコスト低下余地は少ないと資料にあるが、正にその通り。今年の通常国会で審議されていた環境アセス法により3年の審査が必要となるので、リードタイムも考慮すると価格の見直しは少なくとも5年の周知期間をおく形でお願いしたい。
  • 建築基準法の改正や、環境アセス法への風力発電の追加等、規制が厳しくなることで、風車の建築に要する時間は長期化し、コスト高の要因にもなっている。買取制度の構築のみならず、農地転用の等の規制緩和も御願いしたい。
委員
  • 負担の全体像がわからない。温暖化対策として、税、排出量取引、買取制度が挙げられるが、全体として負担がどれだけのものになるのか示してほしい。
  • 非住宅の価格だが、太陽光に関して試算をしてみると、45円20年ならなんとか元が取れるかといった具合。投資の回収にこれだけかかるのであれば、中小企業単独では手を出しづらいのではないか。工業団地の空き地での中小企業共同での太陽光導入に対して、研究開発という名目で、なにか立地促進のようなことをしていただけると有り難い。
  • HPや電気料金の請求書などで二酸化炭素の削減効果等、買取制度によって目指すところ、明るい側面をもっと訴求して欲しい。
委員
  • 太陽光発電は住宅用より、非住宅用のものの値段が高い。非住宅用は個別設計のものも多くパッケージ化されていないため工数が多く、また、住宅用でみられるようなインバーターの量産効果も小さい。
  • 事業者が太陽光発電を導入するに当たっては、専用線の設置が必要となることが多いが、専用線の設置はどこにどう設置するか等、非常に複雑であり、施工業者には費用の見積もりでさえも困難な状態であり、電力会社の協力が必要。
  • この制度案において、太陽光発電を「全量」で買い取るのは非住宅部分のみ。住宅用のみならず、非住宅用の太陽光発電の普及の更なる普及のため、買取制度開始時においては、プレミアム価格の設定を御願いしたい。
委員
  • 制度の大枠では、15円~20円で一律価格の買取りとしているが、中小水力発電は、ケースによって開発コストが大きく異なる。20円20年での買取が妥当。
  • 水力発電からは安定した電力が得られるので、系統安定化コストが低い。
  • 中小水力発電は発電過程でCO2を排出せず、引き込む水の量も少ないので、環境への影響が少ないエネルギーだが、スケールメリットが小さくコストが高止まりしている。今までは1000kW未満の小規模水力に対して1/2や1/3補助金が出ていたので、全量買取の導入にあたっても、補助制度を継続するか買取価格の上乗せ等、ご配慮を御願いしたい。
委員
  • 何故全量買取制度を創設するかと言われれば、再生可能エネルギーの導入拡大を促進するため。エネルギー間の競争を促すことがかえってあるエネルギー源の発電方式については普及しないといった、促進を阻害する可能性があるのではないか。一律価格とするのではなく、エネルギー毎にコストを計算し、価格を設定し、買取期間も出来るだけ長く取るべき。資料を見ると、エネルギー源ごとにコストはばらばらであるし、諸外国の事例を見ても、エネルギー源毎に価格を設定している。
委員
  • 地熱資源は、ものによって開発コストが大きく異なるが、買取価格を少しでも20円に近い価格に設定し、ある程度ポテンシャルが開発つくされていくものとしてほしい。
  • 資料に提示されているIRRは既存の地熱資源の値よりかなり低い。
  • 地熱資源についての補助事業は、新規地点調査への補助、新規設備建設への補助、既存設備の維持・運用への補助の三種類がある。その中でも特に新規地点調査への補助は、事業者の地熱資源開発のリスクを大きく低減させてきたものであり、是非今後も継続して欲しい。設備の維持・運用への補助も今まで大きな役割を果たしてきたものであり、可能であれば残して欲しい。
委員
  • 温暖化対策の負担の全体像を明らかにして欲しい。全量買取制度は、現在、単独では事業として成立しない再生可能エネルギー発電事業を、自立するまで補助をしていこうというある意味では極めて非経済的な制度。負担の転嫁を御願いするのであれば、国民からの理解が不可欠であり、そのためにも全体像を明らかにして欲しい。
  • 環境変化に応じた制度の見直しの仕組みを組み込んで欲しい。今後の見通しがあまり立たない現在、制度の運用をフレキシブルなものとしておくことが必要。
  • 産業競争力への配慮を御願いしたい。特に、電力多消費型産業への影響が大きい。既にエネルギー効率が高い日本企業にとって、突然のルール変更は大きな負担をもたらすものであるので、この点を意識して欲しい。ドイツの激変緩和措置も参考にすべき。
委員
  • 再生可能エネルギーの導入拡大を図るために、あらゆる種類の再生可能エネルギーを導入する必要があると考えるが、そのためには一律の価格設定は適さないのではないか。
  • 制度の創設後、再生可能エネルギーを純粋に使おうとする人と、事業目的でやる人が出てくるだろう。消費者に負担を強いる制度であるので、信頼できるものだけが買取対象となるよう、この両者を峻別できるような仕組みが必要ではないか。
  • 買取制度を行うに当たっては、皆で負担を分担するということが大切だと考えるが、そのためにはもっと電力会社が再生可能エネルギーの導入に努めるべきではないだろうか。
委員
  • とにかくより多くの再生可能エネルギーを導入して欲しい。15年という買取期間でしっかり導入が進めばいいが、果たして本当に進むのか。
  • 小型風力発電については、品質保証のために認証制度が必要だろう。認証や簡易認証といった形で性能を保証したものを、住宅用太陽光と同様の扱いで買取対象として普及させてほしい。
  • 非住宅用太陽光においても太陽光発電に特別な価格設定がされることはおかしい。出来るだけ経済的な価格に設定してそれを目指してメーカーにも頑張っていただくということではないか。
  • 現在の制度から全量買取制度への移行に当たっては、再生可能エネルギーの導入が止まらないよう、工夫をして欲しい。
  • 再生可能エネルギーの導入は全世界的に進んでいるものであるが、日本に目を転じれば、大型風力発電機への建築基準法の強化等、足踏み状態であることを懸念している。補助金から買取制度への移行期も、スムーズに導入が進むよう配慮すべき。
委員
  • 電気はライフライン。電気料金に係る負担は出来る限り低いものが望ましい。
  • 現在、太陽光発電以外は一律価格となっている。ヨーロッパではエネルギー毎に価格が設定されているのに、日本は一律価格で本当に良いのか。また、一度固定された価格をずっと続けていく方式で本当によいのか。
  • 太陽光発電については、標準ケースとして示している新築の場合のみならず、既築の場合に設置する際のコスト回収イメージも示してほしい。家庭用はメンテナンス費用も含め、コスト回収が可能となるような価格を設定するべきではないか。
  • 消費者に日本の低いエネルギー自給率などエネルギー問題への関心を高めるためにも、また、負担転嫁への理解を求めるためにも、エネルギー政策についての広報活動をしっかりやって欲しい。
委員
  • 再生可能エネルギーの導入に当たっては、イニシャルコストを低減させる補助制度は非常に大きな役割を果たしてきた。住宅用太陽光については引き続き補助制度をやるとのことだが、引き続き、地方自治体の補助制度と買取制度を上手く組み合わせてやっていって欲しい。
  • 太陽光発電の買取価格については、現行制度との整合性を取りつつも、可能な限りシンプルなものとするよう検討して欲しい。
  • 「住宅用太陽光発電」とは、低圧供給のものと認識しているが、間違いないだろうか。
  • 先程電力会社はもっと再生可能エネルギーの導入を頑張って欲しいとの御指摘をいただいたが、実際のところ、再生可能エネルギーはコスト面でも厳しく、採算が獲れないもの。民間企業が再生可能エネルギーを事業として行うことには限界があり、政策的な制度面での支援なしには取り組まないということで、RPS法が措置され、今まで電力会社でもRPS制度の下で、積極的に努力してきたところ。それでもまだ足りないので今般の買取制度の創設となったと理解している。
委員
  • 現在議論されている制度は、市場メカニズムを活用しながら再生可能エネルギーの導入を促進するものとなっており、大まかには評価できるもの。エネルギー間のコスト競争を促す為に、エネルギーの種類に関わらず一律価格を設定したのは、合理的でもある。
  • 他方、太陽光発電については、産業政策の観点から、別途異なる価格を設定しているということかと思う。太陽光発電は住宅用と非住宅用で大きく性質が異なる。非住宅用については、ある意味グローバルな市場であり、価格設定次第で外国のものが入ってくる。価格設定には注意が必要。
  • その上、非住宅分野については、学校での教育・啓発用、遊休地の活用、耕作放棄地の活用などの観点も含まれており、エネルギーに対する対価である電力料金で回収することが果たして妥当なのか不明瞭な箇所での導入も見込まれるところであり、あまり高値で買うことは妥当であるのかについても議論が必要。
  • 温暖化対策の全体像が不透明な中で制度を構築していくので、将来の進捗状況を見ながら調整が出来るよう、制度に柔軟性を持たせておくことが大切。
委員
  • コストを考慮せずに開始される事業がないように、国の制度もしっかりとコストも考慮した上で開始しないと、長続きしない制度となってしまう。税や、排出量取引等、負担の全体像が見えない中で本制度だけ先行してしまうと、最終的に全ての施策が揃った時に、国として実行可能な制度となっているのか疑問を抱いている。
  • どの位の負担の規模を考えているのかしっかりと検討して欲しい。拙速とならぬよう今後の見通しをしっかり立てて欲しい。
委員
  • 全量買取制度が目指す最終ゴールはおそらく長期エネルギー需給見通しで示している絵姿ということだろうが、それとのマッチングが必要。再生可能エネルギーについては、どの部門でどの程度頑張っていくのか、もう少し丁寧に説明する必要がある。
  • 制度へのフィードバックが必要。国民に負担を転嫁する制度である以上、理解を求める必要があり、そのためにも制度をしっかりとフォローアップし、フィードバックしていく体制が必要不可欠。
委員
  • 先が長い制度であり、シンプルなものの方がいい。今後の見通しが立たない時に制度設計をする以上、シンプルなものとするということだろう。特に価格については、同じエネルギー源でのばらつきもあるので、経済合理性の高いものから順番に入っていくのがよいという意味で一律価格で良いのではないか。
  • 期間についても、毎年見直すとしても良いのではないか。
  • 負担限界についてもっと議論が必要。各業界や一般市民はどれだけの負担を許容できるのか、早い段階で議論が必要だろう。
委員
  • 住宅用太陽光発電については引き続き補助制度が必要。
委員
  • PTで制度の大枠を議論した際に、価格設定については、コストベースで決めるべきだという話もあったが、市場メカニズムを活用しながら再生可能エネルギーの導入拡大を図るため、一律価格の設定とした。
  • 今後の技術革新も考慮すべきだが、本日の資料を見る限り、価格は20円と設定しないと再生可能エネルギーの導入は厳しいように見える。
  • 興味深いのは、再生可能エネルギーが沢山導入されるとCO2削減コストは上昇するということ。規模の不経済とでも言うべきか。
  • 住宅用の太陽光発電は余剰買取ということで皆さん異論がなさそうだ。非住宅用の太陽光発電を48円で買い取るのは、コストが高い一方で、ポテンシャルも大きい。政策としてはハイリスク・ハイリターン。他の補助制度との組み合わせも考えるべきではないか。
委員
  • 国民負担を抑えながら再生可能エネルギーの導入拡大を図るためには、経済合理性の高いものから入っていく一律価格が良いだろう。
  • 買取に要する費用が電力ユーザーのみに転嫁されるのはどうだろうか。補助金の復活も是非検討して欲しい。
  • 現行制度との継続性についてはしっかり検討して欲しい。
  • 先程電力会社はもっと再生可能エネルギーの導入を頑張って欲しいとの御指摘をいただいたが、東京電力では平成4年から太陽光発電・風力発電の余剰電力購入メニューにいち早く取り組んできた。また、現在は2020年までに原子力を含むゼロエミッション電源比率を50%とすることを目指している。だが、再生可能エネルギーを普及拡大していく上では、政策支援は必要不可欠なものと思う。
  • 先程系統連系の話をいただいたが、これについてはよく議論させて欲しい。
委員
  • 制度の全体像を明らかにして欲しい。どんなエネルギーが対象で、そのためのコストがどれくらいになるのか、また、産業政策面から国際競争力の維持のために求められること等、一度整理して示して欲しい。
  • 買取価格を一律とすると、あるエネルギーが偏って導入され、それによって系統安定化のコストが嵩むのではないか。そうした視点からも検討をすべきではないか。
委員
  • 林地残材は集荷のコストが大きく、山の中から運び出されるインセンティブがしっかりと働くような価格設定として欲しい。
  • バイオマスに関しては、発電事業者までの運搬コストは様々。買取価格を一律とした方が、安定的にバイオマスが調達されるのではないか。
委員
  • バイオマス発電は、今までコスト的に厳しいものがあったが、今回全量買取制度の導入により、ようやく事業として自立いけるのではないかと思っている。
  • バイオマスの種類は多岐に渡る。価格を設定する際は、コストだけではなく、政策的な意図も考えて欲しい。EUでは、地域経済への影響等を考慮して、政策的に特定のバイオマスについて高い買取価格を設定している。
  • 制度は複雑なものよりシンプルなものの方が、地域資源の活用につながるのではないか。
  • 設備導入支援が無くなっても、研究開発については手を抜かないで欲しい。
事務局
  • 買取価格を一律とするかについては、もし、同じだけの再生可能エネルギーの導入量を目指すとすると、一律価格の方がコストが安く、費用対効果は良い。
  • 15~20円という買取価格は、欧州各国の例からみても、どの再生可能エネルギー源も導入可能な水準。
  • 太陽光発電の住宅と非住宅の価格設定は分かり易さが大切だと思う。
  • 制度のレビューは重要。現在でも、二年に一度見直しをしているところ。
委員長
  • 価格については、国民負担の最小化と国益の最大化がバランスするところで、最終的には政治主導によって決まるものと考えている。各委員からの意見をしっかりと反映させ、まとめていきたい。

事務局から、次回のスケジュールについて連絡して散会。

問い合わせ先

資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課再生可能エネルギー推進室
電話:03-3501-2342
FAX:03-3501-1365

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最終更新日:2010年12月2日
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