経済産業省
文字サイズ変更

総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会・電気事業分科会買取制度小委員会(第1回)-議事録

日時:平成21年7月9日(木曜日)16:00~18:30
場所:経済産業省本館地下2階講堂

議題

  1. 開会
  2. 「太陽光発電の新たな買取制度」について
  3. 閉会

議事概要

1.開会

山地委員長
それでは定刻になりましたので、ただ今から、第1回買取制度小委員会を開催させていただきます。本日は、大変お忙しい中、また暑い中、お集まりいただきありがとうございます。本小委員会は、新エネルギー部会の柏木部会長、電気事業分科会の鳥居分科会長の権限によって設置されるということになっています。両会長から、私に委員長を務めるようにというご指名をいただきましたので、務めさせていただきます山地でございます。よろしくお願いいたします。
冒頭、あらためて言うまでもなく、関係者の方はよくご存じですが、私から一言、この小委員会の意味を申し上げます。皆さんご存じのように、今年2月に、太陽電池の余剰電力分を現在の電力会社さんが自発的に行っている電灯料金のさらに倍ぐらいの価格で買い上げるという提案がなされました。この制度は、ちょうど7月1日に国会で関連法が成立しましたので、今から実施ということですが、本省委員会では、その制度の具体的な内容を詰めていくという非常に重要な使命を持っています。論点につきましては、後で出てきますので、あらためて言うまでもありませんが、この新たな買取の対象となるもの、それから買取価格の水準、また買取費用の負担の方法というところが主要な論点になろうと思っています。短期決戦でありまして、大体8月いっぱいぐらい、この夏に制度の詰めを行うという事務局の覚悟のようですから、皆さま方のご協力もよろしくお願いしたいと思います。
それでは、引き続きまして事務局を代表して、省エネ・新エネ部の羽藤部長からごあいさつをお願いします。
羽藤省エネルギー・新エネルギー部長
省エネルギー・新エネルギー部の羽藤でございます。まずは、本日このような形でお集まりいただいておりますことに御礼を申し上げます。どうもありがとうございます。座って失礼をさせていただきます。
本来ですと、太陽光の買取制度についてですので、太陽の日の差すところで少なくとも開催するのが適切かとも思いますが、傍聴を希望される方が非常に多数に及びましたので、事務局で考えました結果、最初はとにかく可能な限り、いろいろな方々に聞いていただくということが非常に大事なことだろうということで、この講堂が経済産業省の持っておりますスペースの中でたくさん人に入っていただけるということですので、あえてこういう形での設営にさせていただいたことを、まずお断り申し上げたいと思います。
経緯について、あるいはこの委員会でお集まりいただいていることの目的につきましては、ただ今、山地委員長からお話しいただいたとおりです。私からは、繰り返しにはなりますが、委員の皆さま方にこの法律の施行、そして新エネルギー部会、電気事業分科会でこれまで議論されていたことを踏まえた上で、専門的、技術的な点が中心になりますが、その点についての結論をこの場で導いていただきたい。本夏中に結論を出していただきたい。もちろん所要のパブリックコメントなどの手続きを経てということがそれから必要になります。そして、そういうものとの関係で太陽光の新たな買取制度については、年内できる限り早いタイミングで実際の買取ということでの施行に入りたい。このためには並行して、関連する事業者の方々のご協力もいただきたいと思っておりますし、また、私どもから可能な限り、いろいろな手段においてこの制度の意義、あるいは具体的な内容といったことについては、国民の幅広いご理解をいただけるように、大いに工夫をしてまいりたいと思っていますので、そういう点についてもお気付きの点をお寄せいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
山地委員長
羽藤部長ありがとうございました。今回は初回ですので、本来でしたら、委員の皆さんに一言ごあいさつをいただくのが筋ですが、時間の都合もありますので、後刻事務局の説明の後、意見交換の場になりますから、そのご発言の際に冒頭、簡単な自己紹介とごあいさつをいただければと思っています。
では、まず本日の資料について、事務局から確認をお願いします。
(渡邊省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長より資料確認)

2.「太陽光発電の新たな買取制度」について

山地委員長
資料はよろしいでしょうか。それでは早速、議事に入ります。まず、資料2をご覧いただきたいのですが、通例行っていることでもありますが、本小委員会についても議事の公開を資料2に書いているような要領で行いたいと思いますので、よろしくご認識いただきたいと思います。本日は、事務局から小委員会の趣旨と、それから資料3を使いまして、太陽光発電の新たな買取制度の考え方について説明をさせていただきまして、その後、皆さんからご発言をいただきたいと思います。
では、事務局から資料3の説明をお願いします。
(渡邊省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長より資料3を説明)
山地委員長
どうもありがとうございました。それでは、これから皆さま方の意見をお伺いして、意見交換をする時間とさせていただきたいと思います。審議会でいつもやっておりますように、ご発言ご希望の方はネームプレートを立てて意思表示をしていただきたいと思います。できるだけ私は注意を払って、順番を間違えないようにしたいと思いますが、前後するかもしれません。そのときはご容赦ください。
それでは、皆さんの積極的なご発言を希望します。どうぞ。いかがでしょうか。
では、まず秋庭委員どうぞ。
秋庭委員
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の秋庭と申します。消費者の立場で意見を申し上げます。
まず1番目に、この買取制度について国民に徹底的に理解を得るように十分に周知して、国として十分な説明責任を果たしていただきたいというのがお願いです。このたびは国民の全員参加型で負担するという新しい試みですが、全員参加型なら全員知らなければならないわけで、ここのところをきっちりお願いしたいと思います。ソーラー・タウン・ミーティングでは、施工業者さんや事業者さんが多くて、一般のご家庭の方が少なかったと思います。やはり一般の方々が知るということが大事だと思っています。
いつも新エネルギー部会でもこのことが言われていますし、ただ今のご説明でも知らせることが大事だとおっしゃってはいますが、具体的にお願いします。例えば、全国の新聞で全面広告を打つとか、あるいはエネ庁や電力会社のホームページなどは当然のことですが、この件が実施されるとなると、多分、消費者はよく分からないので、どこかに問い合わせると思います。それは結局、電力料金に上乗せされていくとなると、電力会社に問い合わせることになると思います。 例えば、各家庭にはこういう電気の使用量のお知らせが毎月来ますが、この裏のところにお知らせをするとか、あるいは、これを各家庭のポストに入れられるときに、国からのお知らせを入れるとか、一軒一軒に徹底的に知らせていただきたいと思っています。また、消費者からの問い合わせに電力会社の窓口の方がお答えができるように、国として、きちんとこの趣旨は何なのか、どの範囲でどのようにやるのか、あるいは今後どのように負担していくのかなど、分かりやすい説明を現場の方ができるようにマニュアルづくりをして、そして配布していただきたいと思っています。
お知らせをすることについての2番目ですが、これから太陽光発電のシステムを設置しようと思う人たちにとって、今回のことは大変朗報だと思います。設備も安くなり、そして高く買い取っていただけるということで、一気にこれが増えていくといいなと私も思っています。先ほどのご説明にありましたように、設備を入れる年度ごとに買取価格が低減していきますが、そのことをまだ知らない方が多くて、今、買い控えというか、買うのをどうしようとためらっている消費者もたくさんいると思います。少し待っていれば、3~5年後にはメーカーさんの努力によって半分の価格になるというところばかりがどうも耳について、そのことによって買取価格が下がっていくということが分からないということがあります。この辺を徹底してお知らせいただきたいと思っています。
今度は2番目ですが、買取制度の目的は、先ほどは経済危機対策と言われましたが、私たちにとっては、負担する側としては、やはり何といっても低炭素社会の実現のために負担していかなければならないという思いで負担していくことになると思います。そのときには、もうけるためと言ったら何ですが、決して発電事業目的のために私たちは負担するのではありません。ですから、そこのところをあくまでも余剰電力ということで、余剰電力を対象にしているということをきっちり、しっかり制度設計の中で考えていただきたいと思います。これから多分、考えられないようなケースもいろいろあるかと思います。先ほども500kW以内といっても、260kWのものを二つ作るとか、そのようなことが言われましたが、とにかく制度設計が悪用されないようにきちんと設計をしていただきたいと思っています。
3番目に、経済危機対策としてこの買取制度が考えられたということですが、経済危機は産業界だけではありません。私たち消費者も経済危機です。夫がリストラに遭ったり、あるいは給料やボーナスが少なくなったりして、生活が大変ひっ迫してきています。この中で、たとえ30円、100円といえども私たちは一生懸命節約している中で、これを未来の子どもたちの暮らしのためにみんなで負担していこうというわけですが、そういう思いはあってもできない方もいらっしゃると思います。生活がひっ迫なさっている方を除外するという方法が考えられないでしょうか。例えば、電力料金は段階別になっていますが、一段料金の方は除外するなどということが考えられないかなと思っています。ただ、一段料金のところで少ない方であっても、生活がひっ迫しているとは限らないということも考えられますし、ここをどのように設計していったらいいのかということが悩ましいところではありますが、ぜひその点もお考えいただきたいと思っています。
そして、これはお願いです。余剰電力のデータですが、現在、余剰電力がどれぐらいあって、どれぐらいの金額をそれぞれの電力で買い取っているのか、あるいは地域によって不公平があるのではないかと疑問に思います。その辺のところも、余剰電力がどれぐらいなのか、あるいは日照時間がどれぐらいなのかというデータをお示しいただかないとなかなか納得ができないように思います。
最後に、ぜひメーカーの方にお願いしたいと思っています。この制度は3~5年以内にシステム価格を半額にするということで成り立っていると思いますので、半額になるように、ぜひお願いしたいと思います。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。委員の皆さんからのご発言に対して、事務局から、この場で答えられる範囲でお答えいただくということも考えていますが、今、たまたま特にネームプレートを立てておられる方がいないので、今回は今のご意見に対して、まず事務局から、現在、答えられる範囲で少しお答えいただきましょうか。その間、できるだけ事業者の方、それから直接関係の電力の方もご発言がありましたら、プレートを立てていただければと思います。
渡邊省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長
まず、十分な広報といいますか、説明ですが、既に今、お話がありましたように、全国でソーラー・タウン・ミーティングを開催させていただきました。全国各ブロックで、一方的な説明という形ではなくて、むしろフロアからも積極的に議論に入っていただくような形でやらせていただきまして、かなりの反響があったところかと思います。
加えて、これから制度の詳細がこうやってだんだん決まってきますので、折に触れて新聞やインターネットなど、いろいろな広報手段を使ってやっていきたいと思っています。政府公報のテレビといったものも利用予定です。
電力料金のレシートの裏で知らせるというのは、すみません、私の方ではこの瞬間にはお答えできないので、ほかの方からお答えいただければと思います。
それから、お伺いした中では、余剰電力の地域における不公平感のようなお話、データといいますか、そういう話がありましたが、確かに日の当たる地域とそうではない地域もあります。さらに細かく申し上げると、同じ地域の中でも日照量の多い住宅とそうでない住宅、ビル陰や木の陰に入ったりする所もありますので、一律に、「この地域はどのぐらいありますよ」というのを出していくのは非常に難しいのですが、この制度を設計していくに当たって、あまり細分化して「こうなのですよ」というものを示すのはどうかというのがあるところです。ある一律の買取価格、買取期間というものを決めて、それであっても、しかし地域ごとにあまり負担に差があってはいけないので、差がないかどうかをしっかりモニタリングしながら、もし、あまりにも地域の間で差が生じるということであれば、何か調整的なものを検討しなければいけないのかなと考えているところです。
あとは制度が悪用されないようにとか、貧困層の除外など、これもすみません、今、私が100%理解しているわけではありません。負担の話については、また次回、23日に議題になると思いますので、そちらでご議論をさせていただければと思います。
それから、確かに制度の細かい点で、いろいろ抜け道を突いてくる人がいると思いますので、そういうところもきちんと細かい点を突き詰めて、すべてを告示に書くのは適切かどうか分かりませんが、うまく通達等で補完しながらやっていきたいと考えています。
山地委員長
ありがとうございました。秋庭委員のご指摘の後半の点は、次回、議論しようと思っている買取費用の負担の件です。おっしゃることは非常にポイントを突いたところだと思っていますが、また、次回以降、具体的な議論をしていきたいと思います。今日の具体論の説明は、買取対象の部分と買取価格の水準ということですが、事務局から説明していただいたように、具体的な制度の中身を詰めていくとなると、非常に細かい話も出てくるわけですが、ぜひ直接かかわる事業者の方、関係の方からご確認でもよろしいので、ご発言をいただければと思います。
では、鈴木委員どうぞ。
鈴木委員
東京電力の鈴木です。従来の自主的な買取への取り組みとして、太陽光発電設備を設置されている皆さまからの余剰電力の購入を担当させていただいております。今回の制度変更に当たっても、的確に対応させていただく所存です。そういう実務を担当する立場から2点ほど、申し述べさせていただきたいと思います。まず1点目は、ただ今秋庭委員から現場の対応について私どもに配慮いただいたご発言をいただいた件とも関連いたしますが、契約の対応面でお願いがあります。今後は国の法令で定めた買取条件を基に、私どもは個々の設置者の皆さまと個別に契約を締結させていただくことになりますが、この中には、新たに設置される方と最初の契約を結ぶ場合と、既に全国で50万件近いお客さま(設置者)との契約がありますが、これを更新するという二通りがあるかと思っています。
まず、前段の新規にこれから設置される方々とのご契約に当たりましては、先ほど来、課長からご説明があったように、今回の制度の対象となるかどうかの判断にあたり、例えば発電事業目的にあたるかとか、発電設備の規模の大小、あるいは私どもとの電気の供給契約の種別に応じてどう扱うかといった、例外的、あるいは判断に迷うような事例がいろいろと出てくるかと思います。このような制度に関わる問い合わせに対しての対応につきましては、一義的には、私どもが窓口で対応していくわけですが、国の方でもそういった問い合わせに対して、直接、あるいは私どもを介した間接で、適切に対応していただけるような窓口など、組織面での対応をお願いします。
それから、この制度が施行されると既設のお客さまも対象になるということですので、年内の制度の実施を目指すということですと、短期間に50万件近い既設のお客さまとの間で、制度の趣旨についてご理解をいただいた上で契約の結び直しをするという作業が出てきます。従って、ご理解をいただくためのリードタイムが必要になるかと思っていますので、制度の実施時期を設定するに当たっては、そういう事情をぜひご勘案いただければというのがお願いです。
それからもう1点、これも秋庭委員からお話がございましたが、買取価格についてです。3~5年後にシステム価格を半額にすることを目指すということですが、やはり国民負担抑制からも、太陽光普及という目的のためにも、着実にコストダウンを進めていくということが、この制度の肝であり、必要不可欠なことかと思いますので、ぜひこの件について国としてもコミットしていただければと思います。先ほどの資料の20ページに価格の今後のイメージということで出ていますが、イメージというのでは政策の意思としてはちょっと弱いのではないかという感覚で受け止めています。2年目以降の正式な告示価格はこの小委員会を通して、最終的には毎年決めていくということになるかとは思いますが、目指すべき今後の買取価格ということについて現時点においてきちんと明示して、国としてシステム価格を確実に低減させていくという強い意思をぜひ表していただければと思います。
以上、私から2点お願いしたいと思います。
山地委員長
ありがとうございました。それでは、何人かネームプレートが立っていますから、ご発言をまとめてしていただいて、その上でまた事務局から対応していただきたいと思います。
それでは、谷口委員お願いします。
谷口委員
自動車工業会の谷口です。ザッと名簿を見せていただくと、企業ユーザーという立場の委員は、どうも私しかおりませんので、自動車工業会ということで、企業のユーザーを代表しているかというと、そうでもありませんが、自動車の立場で発言をさせていただきます。
自動車メーカーの例でいくと、電力の使用というのは、一つはCO2の削減や省エネルギー、それからもう一つは大気環境保全のような観点で、どんどん右上がりになっています。もちろん中にはソーラー発電をしているという例もありますし、これから増えていくかと思います。先ほど、参考でもありましたように、一般家庭でも8000円に対して数十円~100円ぐらいでしょうか、負担が増えるというようなことがありましたが、企業にとっても電力の料金の負担は使用量そのものが増えていますので、負担も増えていくような方向ということです。買取制度そのものの趣旨は賛同しますが、あまり大きな負担にならないように検討をお願いしたいというのが第1点です。
それから、ダブル発電のご説明がありました。自動車メーカーもソーラーをやったり、自家発をやったり、これはどちらも導入しているようなところが多いかと思います。ただ、今回の趣旨から考えると、化石燃料で発電するところを減らしてソーラーを増やしていこうという趣旨が原則ですので、自家発をしてソーラーでたくさん余った、それを買い取るというようなところについてはちょっと趣旨が違ってくることもありますので、その辺、本来の趣旨をよく踏まえて制度を設計していただきたいというのが2点目です。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。
それでは、本多委員お願いします。
本多委員
京セラの本多と申します。太陽光発電の事業者の立場ですし、また、太陽光発電協会という業界団体のある意味で代表として出させていただいています。最初に、今回の余剰電力についての買取制度ということで、業界もそうですし、私自身もそうですが、大変日本らしい、今まであまり世界に例を見ないような素晴らしい着眼点というか、制度になるのではないかと思っています。というのは、ほぼ半分弱、4割ぐらいは自家消費しているので、これは少なくとも現状の電力価格は担保されているということと、約半分はいろいろな意味で工夫、知恵が働くということで、ちょうどヨーロッパを中心にあったフィードインタリフのように、全量をどういじるかという制度、これはアメリカなどにあるような差し引きするような制度です。これは動きようがないのですが、その中でちょうど中間的な余剰電力ということを倍額買取という今回の委員会ですが、私は日本らしい、大変素晴らしい制度だと冒頭申し上げたいと思います。
それから2点目は、委員の皆さん方から幾つかご指摘のあった業界は3~5年後に半額にという話ですが、この点については、当然のことながら、従来、新エネ部会などでも相当議論されてきました。3~5年がとんでもないという議論は今までなかったと思います。ただ1点申し上げたいのは、例えば業界がこぞって「5年後に幾らにします」といった途端に、それは別の意味の、いろいろな取引の問題、公正取引の問題、その他のものが生じます。そういう意味では、「5年後に幾らです」ということはなかなか申し上げることはできませんが、3~5年後に半額というターゲットは、業界も十分今までの経緯で承知していますし、そこに向かって進むべきものだと思っています。
ここで申し上げたいのは、コストダウンは何で図られるかというと、最も大きな要素は市場での競争です。つまり、現在の制度が天井張り付きでも構わないというようなものが中に含まれるとすると大変問題ですが、市場が広がるに従って、当然のことながら猛烈なしのぎを削って競争が始まります。それが最も大きなコストダウンのインセンティブになっているというのが、従来の経過であり、今後もそういうことだと思います。そういう意味では、価格の半額を全く否定するものでもなし、もう一つは、価格というのは市場競争の中で必ず下がっていくものだということは申し上げたいと思います。
山地委員長
ありがとうございました。では、この辺りでまた一まとめにして、事務局の方で、今のご意見に対して現時点で申し上げられることをご発言いただきましょうか。渡邊課長いかがでしょうか。
渡邊省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長
最初の鈴木委員からのご指摘ですが、早期実施ということと、間違いのないように実施するという、この二つを同時にやらなければいけないということで、非常に難しい作業ではありますが、ある程度のリードタイムをきちんと確保しつつ、他方でできる限り早くと考えております。そのためには、私どもの事務方と電力会社さんの事務方とで、実務的にも細かいところまでよく検討してやらせていただきたいと思っています。これから告示や通達を作る作業において、ぜひ連携をさせていただければと考えています。
それから、20ページの低減のイメージでは弱いのではないかということですが、これはイメージをどのぐらい強いと思うかどうかということはありますが、思い切ってこのグラフを出しているところで、これはわれわれの固い決意というか目標です。「新たな買取制度について」という5月25日の紙の中でも、3~5年で半額程度を目指すということが明記してありますし、これはわれわれの固い決意だとお考えいただければと思います。
また、谷口委員からご指摘のありました、産業界にとっても過度な負担にならないようにということですので、この点もしっかり踏まえて検討していきたいと思います。また、負担につきましては具体的な議論は次回と考えています。
羽藤省エネルギー・新エネルギー部部長
いろいろなケースが実際の現場では起こるのだろうと思います。先ほど秋庭委員からもお話がありましたが、それが意図的に何らかの悪用と見られても仕方がないようなケースであるのか、あるいは、そうではなくて実際に限界事例的なものが自然と生じてしまうケースがあるのだと思います。それを可能な限り、今、申しましたように、今回の考え方で整理をしていただくことに加えまして、個々の解釈などの通達を出すなどで明らかにしたいと思います。個別のケースをどういう形で照会を受けるか、あるいは問い合わせの窓口を設けるかという点で、先ほど鈴木委員からご指摘がありましたが、これは分かりやすい形で何らかのものを、少なくとも制度が発足していろいろなケースが出てくると思いますので、それがある程度、自然と定着していくようなタイミングまでというのでしょうか、そのようなことを考えていくと、これは何らかの形で行政のサイドでもそのようなことに対応できるような体制というか、窓口というのでしょうか、そういうものを作ることが必要ではないかと思います。
具体的にどういう形になるのか。Q&Aというか、そのように応対ができるような形にしておく、そしてそれをウェブで公開するようなとか、いろいろなやり方はあるのだと思いますが、そういう照会、問い合わせに対する何らかの対応ができるような体制を整えるというのは、電力会社さんだけにそういうことを委ねているという点でも限界もあろうと思いますので、今回の議論の全体を通じて、そのような具体的な対応の在り方ということもわれわれとしても併せて考えていくことが必要だろうと思っています。
山地委員長
ありがとうございました。具体的に本当にどういうケースが出てくるのか分からないところですので、今、部長がおっしゃったような対応が必要だろうと思います。
それから、秋庭委員もご指摘で、今、鈴木委員もご指摘の、買取価格がだんだん下がっていくのだということが確かに知られていない。それはまず、そのことを周知すべきです。
また、20ページのイメージ図ではという話ですが、現状ではイメージ図しか描けないのでしょうが、イメージの割には縦軸に数値が入っていたりしていて割とはっきりしているようなところもあるのではないかと私は思っています。
それでは、大橋委員どうぞ。
大橋委員
東京大学大学院経済学部の大橋と申します。地球温暖化という、経済学でいう外部性というものに対処するために、買取制度という形で普及を後押しするというのは、経済学的に見てもそれほどおかしいことではないとは思います。太陽光発電のシステムを10年間かけてコスト回収するというのも、一つのメルクマールとしては分かりやすいスターティングポイントだなとも思います。
ただ、一つ疑問なのは、こういう形の価格48円というものを付けたときに、2020年ごろに太陽光発電の規模が20倍になるということが本当に達成できるのかということが資料からは明らかではありません。そうなればいいなとは私も思いますが、ただ、そこの部分については、今後きちっとモニターしていく必要があるのではないかと思います。それが1点目になります。
2点目は、先ほどから議論になっている20ページの買取価格低減のイメージのところです。過去のデータの旧来型の結晶系のシリコン太陽光発電の電池で見たときに、市場競争が行われる中であっても3~5年で価格が半減するというのはものすごいチャレンジだと思います。旧来型では多分達成されていないと思いますし、10年かけて達成されたかどうかさえ疑問だと思います。
今後、市場競争だけではない、薄膜型という新しい技術にも期待がかかりますし、そのような技術革新等でこのチャレンジをきちっと乗り越えていただくという強い決意がないと、なかなかこの数字は達成できないのではないかというような危機感を私は抱いているところです。
ぜひ達成していただきたいと思う一方で、達成できない可能性も考えてプランBをどうするかということも同時に検討に値するのではないかと思いました。以上です。
山地委員長
ありがとうございます。いずれもかなり本質的な話です。今回の買取制度のきっかけになったとも言える、時間的なもので言いますが、2020年に現在の10倍、それが20倍になったわけですが、その目標が本当に達成につながるものかどうかモニターする必要がある。
それから、買取価格を3ないし5年で半額というのだけれども、過去の例から見ると相当難しいのではないか。そうならなかったときにどう対応していくのかというのはすぐに答えられる問題ではないと思いますが、常に考えておかなければいけないことだと思っています。
今の点で、事務局から何かありますか。
羽藤省エネルギー・新エネルギー部部長
2020年の20倍というのは、先般も麻生総理が中期目標として、15%減ということを打ち出した。その大きな要素を占めている部分ですので、これはいろいろな政策手段を動員して、そういう姿を目指していくということがまず基本です。その中の一つとして、この買取制度の導入がある。買取制度は余剰電力ということですから、例えば余剰電力を前提としないというか、発電事業目的のケースというような、いわゆるメガソーラーのようなケースなども含めて2020年には20倍というものがあるのだということです。この買取制度は、もちろん大きな政策としての手段になると思いますが、またそれがすべてでもないというところはあると思います。いずれにしても、それはどういう進捗状況であるのかということはフォローアップをする。これは繰り返しですが、2020年に15%削減を目指すというような、今、目指そうとしている、打ち出された大きな方針があるわけですので、政府としてフォローしていくということは当然のことだろうと思います。
それから、確かに非常に短い期間でどれだけのマーケットプライスが下がっていくのかという点については、市場としての量の広がりということだけでは、そう短期間にプライスが半減するというようなことは、恐らく今までの工業製品の経験則からいっても、限界があるのだろうというのはご指摘のとおりだと思います。
一方で、技術革新もまた触れられましたが、いわゆるDestructive Technologiesというのでしょうか、そのようなものが出てくるイノベーションによって画期的に下がっていくというようなことも、また期待ができることだろうとは思います。現にそういう端緒というものは、いろいろな革新型の製品の研究開発ということで出てきているものではないか。特に薄膜、あるいは化合物型というような材料のところもあるのだと思います。
ただ、何といっても併せて生産技術をどのように考えていくのかという意味では、いわゆるハードサイドというのでしょうか、太陽電池産業の全体としての商品プライスを下げていくためのコスト削減はどういうものがあり得るのかという点は、新しく参入してこられている企業の事業活動ということをわれわれとしてもよくウォッチをしながら、将来像というのは持っておかないといけないと思います。ただ、そういう将来像をある意味では、マーケットに対するシグナルとして、政策の意思として示していくということもまた必要で、それが3~5年に半減であるということや、先ほども図の中では数値との関係で、それを暗黙の上で具体的な水準としてお示し申し上げていることではありますが、こういうメッセージの中で、各企業の努力なり、取り組みというものをさらに深めていただくように促していくというのでしょうか、そのようなことも必要だと思います。
いずれにしても、これは今回の審議会、そしてこの買取制度小委員会を通じて一定の考え方を整理していただき、実際に先ほど資料3の説明で最後に申しましたように、翌年度以降の買取の価格をまたこの小委員会でも決めていただくということですので、その予見として、実際に量的な広がりがどうなっているのか、あるいはマーケットプライスは一体どのような低減状況になっているのかで見通しはどうだということは、この場でもフォローしていただくということで、われわれとしてもご判断、あるいはご議論いただくに当たって適切な状況もちゃんと提供させていただきたいと思っています。
山地委員長
ありがとうございました。
それでは、中村委員どうぞ。
中村委員
ありがとうございます。エネットの中村です。資料にも出ていますが、私どもはPPSと2000年の電力の部分の自由化で産声を上げた電力の新規参入者です。現在は高圧の領域まで自由化がされて、私どものシェアは2パーセント少しという中で事業をしています。今回の固定買取制度においては、私ども高圧の需要家のお客さまも広く国民全体で負担するということで、どのような形で負担になるかといったところと、また、わずかですが、ここで示されているように、「非住宅」用で学校や自治体といったお客さまが太陽光を付けて、われわれのお客さまの中でこの制度を受けるという場合も出てくるということで、この委員会に参画させていただいています。そのようなことで、私どもは新規参入者のPPSの立場ということで、3点、今回は第1回ということなので、2回目以降のところにも各論で少し触れますが、述べさせていただきたいと思います。
まず始めに、本日の事務局案の11ページにおいて、電力会社と私ども新規参入者のPPSとの公平な競争環境という点に留意していただいて、PPSのお客さまの太陽光の買取についても、PPSが電力会社さんを代行するような形で買取が行えることを記載していただいたということで、まずは感謝申し上げます。引き続き、具体的な制度設計において、競争の公平性の担保という視点で、ご検討をお願いしたいと思います。
2点目ですが、今まで皆さんが言われていることの繰り返しになりますが、この買取制度に当たって、需要家であるお客さまの負担範囲が明確になるようなルールづくりと、国による国民への積極的な説明をお願いしたいということです。買取費用については、全員参加型での負担を国民に求めるからには、国民が負担する費用の範囲を明確にすべきと考えます。また、その必要性についても負担の水準を示しつつ、国が責任を持って説明を行う。新エネ部会の取りまとめにも示されているとおり、積極的に国民の理解を促進する活動を進める必要があると思います。よろしくお願いしたいと思います。
負担の明確化については次回以降の議論になると思われますが、今回の家庭用の余剰買取単価の1キロワット時あたり48円の費用については、一般電気事業者さんにとっては太陽光発電の余剰電力を買い取ることにより抑制される発電原価や環境価値、あるいはRPSの価値も含まれていると考えられることから、費用のダブルカウントが生じないよう、適切な費用負担の範囲を明確にした上で需要家に負担を求めるという考え方が適当であると思います。
3点目も次回の検討になると思いますが、太陽光発電の持つ環境価値の公平な配分をお願いしたいということです。買取制度については、PPSの需要家も含む全需要家がその費用を公平に負担することとされています。それに応じて、太陽光発電の持つCO2のメリット、あるいは環境のメリットについてもPPSの全需要家を含むすべての需要家が公平に享受できるような仕組みが具体的に構築されることが必要であると考えます。
なぜならば、一般電気事業者の需要家は購入電力量のCO2の排出原単位の低下などの形で太陽光導入拡大のメリットが享受できる一方、PPSから電力を購入する需要家は同様のメリットが享受できないにもかかわらず、一般電気事業者の需要家さんと同等の費用負担だけを課せられるということでは公平性や納得感が得られないと思われるからです。ぜひ、そういった視点でよろしくお願いします。
具体的には、例えばCO2の排出係数の算出方法においては、PPSのお客さまが負担した費用分相当のkWh、もしくは費用負担したkW分のCO2について電力会社さんとPPSとの間で付け替えを行い、調整後の係数を算定するといったようなところの、細かいところですが、踏み込んだ制度設計をお願いしたいと思います。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。後半の方はおっしゃるとおり、買取費用の負担に関するところです。また、特にRPS制度との絡みのところもありまして、そちらもそちらの小委員会で検討を続けていますので、ご意見として承っておきたいと思います。ほかに特にご意見はありませんか。
では、村関委員。
村関委員
東京ガスの村関です。よろしくお願いします。今回、ダブル発電についてお取り上げいただきまして、本当にありがとうございます。
今回、新たな太陽光の買取制度については、資料にありましたように、緊急経済対策であるということもよく分かりますが、太陽光発電の普及、加速化に向けた具体策であると認識しています。高い価格での買取が行われているドイツなどに、再度、日本の太陽光電池がキャッチアップし、さらに追い越すための日本国としての大戦略ではないかと思うところです。資料5ページにありますように、ここ3~5年こそが太陽光にとっての正念場であるという記述もありましたが、これについてもよく理解できるところです。
一方で、こうした施策がほかにある国としての重要な技術、あるいは競争力の強化を阻害しないように、ぜひご留意いただければと思います。ガス業界というときに、これはLPG業界も含んでいますが、家庭用のコジェネレーションシステムとして、資料にもありましたエンジンタイプのエコウィル、それから、今年から世界で初めて商品化して発売を開始した家庭用の燃料電池エネファームがあります。エコウィルについては、既に国内で8万台以上の設置の実績がありますが、コジェネレーションに対する促進策を有する欧米諸国からの注目度も非常に高くて、開発したホンダさんでは既に販売を行っているアメリカに続いて、ヨーロッパでの販売も検討中と伺っています。
それから、エネファームにつきましては、日本が最先端を行く燃料電池技術の結晶であるということです。エネファームは5月に発売が開始されましたが、販売の大半を担っていただいているのはハウスメーカーさんです。ハウスメーカーさんでも太陽光発電とエネファームのダブル発電というのを最高の機種ということで、重点的に取り組んでいただいているところです。ハウスメーカーさんによっては、販売されているシリーズの中で半数近くがダブル発電というところもあります。そういったことで、ハウスメーカーさんからも太陽光の買取制度の中でエネファームがどのように扱われるかということについては、非常に高い関心が寄せられています。これから量産していくことで大幅なコスト削減を進めるという段階にありまして、太陽光発電も3~5年が正念場ですが、エネファームにとってもこの3~5年というのは本当の正念場だろうと思っているところです。
言ってみれば、これはガスや石油などの業界の話ではなくて、世界をリードする日本の最先端技術の運命がかかっているということですので、本制度の設計につきましては、ぜひそうした点からの配慮をお願いしたいと思います。
2点目ですが、ダブル発電にかかわる買取価格についてご記述をいただいておりまして、平均的、かつ一定の価格設定、一定の価格の算定に当たっては、家庭用燃料電池導入のケースを中心としてエコウィル等のケースも踏まえつつとありますが、エコウィルと燃料電池につきましては運転パターンが違うということもあります。例えば改正省エネ法のような、公的な考え方に基づくといったようなことで、お客さまにとって公平で適切な価格の設定を慎重に検討していただきたいと思います。
それから、これまでにダブル発電で既に付けられているお客さまについては、購入電力と同等価値である一般的な平均的買取価格24円で買取がされていますので、そういう価値観が定着しているところもありますので、慎重な配慮をお願いしたいと思います。
同様に、既存顧客への配慮ですが、既にダブル発電を設置されているお客さまの問題ということで、ダブル発電を利用されているお客さまは、最大のCO2削減を図りたいという環境意識の非常に高いお客さまです。現在、ダブル発電を使用されているお客さまについては、逆潮する余剰電力についてベース部分と押し上げ部分の区別なく同一の買取単価が適用されています。そういったことで契約の継続性であるとか、制度導入によるお客さまの利益を阻害しないためにも整合性がとれるような検討をぜひお願いしたいと思っています。以上です。
山地委員長
ありがとうございます。ダブル発電の問題は、恐らくダブル発電といわれる自家発設備の種類にもよるでしょうし、同じ種類でも運用によって違ってくるということで、個別に、しかし、一方個別に計測してやるのも難しいという中で、その前にもありましたが、16ページに書かれている「平均的、かつ一定の価格設定を導く制度」というのはなかなか難しいですね。これは読んで分かった人と分かっていない人がいるかもしれません。今のように個別のことを考えるのではなくて、一本化したいという事務局のご提案ですが、そのこと自体にはご理解いただけるということでよろしいですか。
村関委員
一応、理解はしております。
山地委員長
その上で、では実際の押し上げ分の価格水準の議論が残っているという理解でよろしいですか。
村関委員
基本的にはそういうことですが、エコウィルについてもエネファームについても、普及が阻害されないような水準でお願いしたいと、簡単に言えばこういうことです。
山地委員長
それから既契約の部分との継続性というか、接続性の問題があるということですね。事務局も十分に分かっていると思いますが、多分、いろいろ悩んだ末の案が出ていると私は理解しています。しかし、私だけが言うのではなくて、事務局に何か答えてもらった方がよろしいですか。
渡邊省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長
この委員会は、専門家の方にお集まりいただいて、専門的な立場の見解をいただく場です。業界の方の代表というか、これをもって業界を説得したということではありませんので、それは私どもがきちんと個別に説明をする責任を持っていると思っています。別に村関委員にご理解いただいたからといって、それで終わりということではないと思っています。これからきっちり説明をしてまいりたいと思っています。
幾つか申し上げますと、今回の制度は太陽光の余剰電力の買取制度ということですので、言ってみれば、普通に出てくる太陽光の余剰電力は当然買い取るわけですし、一生懸命、節電というか、省エネをやっていただいて出てきた太陽光の電力も買い取るというのは、多分異論のないところですが、問題は別の自家発電設備を回したときに出てくる電気をどうするかということです。見た目には太陽光の電気にも見えるということで、ピュアな太陽光かというと、そこは押し上げられた分だということでピュアではないかもしれないということで、従って、その部分についてもこの委員会の中で一定の考え方を示していくということなのかなと思っています。
そのときに、いろいろな数字があり得るというか、いろいろなデータがあり得ると思うのですが、やはり制度を分かりやすく設計するということが非常に重要だと思っています。これまでいろいろなところで実測をしたりしてオープンになっているデータ等を利用しながら、何とか一定のモデルパターンというか、そういう価格を調整させていただきたいと思っているところです。
それから、先ほど中村委員からのお話で、PPS、公平性の問題というものがありましたが、これは当然、私どももそのように思っています。今、RPS法の運用の見直しの検討を同時にしていますが、そちらにおいても同じように公平性を考えながらやっていきたいと思っています。
それから、戻ってしまってあれですが、2020年で20倍のところを私があまり丁寧にご説明できなかったかもしれません。イメージを申し上げると、2020年で20倍というと、「住宅」の件数で大体530万戸ぐらいをイメージしています。今、日本の一般家庭というか、一戸建てが2650万戸といわれておりまして、それで計算すると、ざっと5分の1に近い感じになるかと思います。従って、5軒に1軒ぐらいは載せていると。今ここに20人ぐらいいらっしゃいますが、20人で今、載せていらっしゃる方は多分二人ぐらいです。一人購入を検討中の人がいますが、そのような状況です。ですから、まだまだ頑張らないといけないというレベルで、非常に高いレベルだということは認識しています。ただ、これは毎年毎年きっちりチェックをしていって、買取制度は非常に大きなインパクトがあると期待していますが、この買取制度に加えて補助金や税制などのいろいろなものを総合して講じていますので、そういうものを使いながら何とかしていきたいと思っています。
それから、本当に3~5年で半減できるのかということをよく質問されますが、こういう場で申し上げるのが適切かどうかあれですが、幾つか企業の方にヒアリングをしてみると、やはり国際競争が非常に厳しいので、今、一生懸命設備投資をされていて、それがうまくいって、本当に量産化に乗って100パーセントフル稼働という状況になれば、工場出荷ベースでは半額ぐらいが狙えるとおっしゃっている会社は複数あります。ですから、そういう点では、多分、メーカーさんには頑張ってご努力いただけるかと思っています。ただ、そのためにはメーカーがフル稼働するような生産量を出していかなければいけないので、それはまさに私どもが一生懸命PRをして需要を増やすということをやっていかなければいけないと思っています。
また、工場出荷額が下がっても、いわゆるBOSといいますか、太陽電池のシステムというのはパネルの値段だけではなくて施工費用もありますので、そこも下げなければいけないということですが、これについても、新築で標準装備されていくような住宅もこれから増えていくと期待していますし、だんだん施工件数が増えていけば標準的な施工方法というものがきっと考え出されていくということです。太陽電池自体の技術革新もありますが、施工方法の技術革新も併せてサポートしていきたいと思いますし、業界の方のご努力もぜひいただきたいと思っているところです。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。それでは、岩根委員どうぞ。
岩根委員
関西電力の岩根です。電気事業者の立場から2点申し上げます。先ほどダブル発電の話が出ましたので、2点目にダブル発電についてコメントをさせていただきます。
1点目ですが、本制度に対する国民の皆さまの理解促進の重要性について、先ほどから委員の方から随分出ていますが、重ねて申し上げたいと思います。今回の制度は新法に基づいて、電気事業者に太陽光の余剰電力の買取を義務付ける制度ですが、やはりこれはそれだけでは成り立ちません。国民の皆さまの理解と協力を得て、初めて成り立つ法だと考えています。制度の概要については、お国の方でもいろいろな立場でご説明いただいていることはよく分かっていますが、今後実施に入りますと、これから国民の皆さまに買取価格の根拠や具体的な支払い義務についてご理解いただかないと成り立たないということで、ますますこういうことが重要になってくると思っています。
これも出ていますが、今回の制度における国民負担の水準ですが、標準世帯において月額数十円~100円程度と示されていますが、使用量の多い法人のお客さまは、このような額とはかなりけたの違う相当のご負担になると思います。今、経済情勢も非常に厳しい中で、こういうことをお願いしていく必要がありますが、現在、われわれ電気の事業者から見ても、理解と協力が得られる状況にはまだまだなっていないと考えています。それ以外にも、制度が開始されましたら、運用においてさまざまな問題が持ち上がることも懸念されています。当然、電力会社としても本制度の趣旨徹底に精いっぱい努めてまいりますが、お国の方でも、今後ともさらに国民に対して説明し、理解醸成に努めていただくことが必要であると思っています。こういう面からも、先ほどお話しのあったお国の相談窓口について、ぜひ検討をお願いしたいと考えます。
それから、ダブル発電については先ほどから出ていますが、今回の制度はあくまで太陽光の余剰を買い取る制度であり、発電の押し上げ分は実質的に太陽光ではないということだと思います。負担をお願いする国民の皆さまが納得できるという考え方の下で価格を設定していただく必要があるのではないかと思います。ですから、自家発が押し上げた部分の比率をどう考えていくかということについては大変難しいとは思っていますが、燃料電池をはじめ、既存の自家発の稼働実態などに基づいた適正な値となるように十分検討をしていただきたいと思っています。
それから、押し上げ分についての価値をどう考えるかということですが、押し上げている分の電気は出力が非常に不安定です。発生時間の予測もできないものですので、電力会社として供給力をまっとうするために、ピークのキロワットを立てていく必要がありますが、押し上げ分の電気はこういうキロワットの価値を伴っていない電気の価値であると思っています。すなわちキロワット時だけの価値であると思っていますので、こうした点も踏まえて価格についてお考えいただけたらと思います。
それから、最後に単価につきましては、資料に記載いただいているとおり、押し上げ効果の基準について、「発電設備の種類や利用形態に応じて個々に定めることは非常に難しい」ということですので、簡明性の点からも買取単価は一つということで考えていただければいいのではないかと思っています。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。冒頭、時間制約もあり、委員の方のご紹介、ごあいさつは省略すると言いましたが、いつもの進行だと、たくさん立って順番を間違うぐらいですが、今日はぱらぱらと出てきておりまして、全員の方に自己紹介も兼ねて発言の機会をお与えしようと思っていますので、よろしくお願いします。
というところで、山口委員が立っていますのでどうぞ。
山口委員
新日本石油の山口です。太陽光のダブル発電の買取ということですが、秋庭委員からお話が出ていたと思いますが、今回は純粋技術論というよりも、むしろ広く国民がきちっと参加して、低炭素社会に対してどういう貢献をしていくか。その貢献というのがある意味、負担ということになってしまうこともあり得る。しかしながら、やはり迫り来る環境問題に対して、日本として企業も個人も何ができるかということを考えていったときに、今回ありましたように、太陽光をきちっと入れていって、20倍、30倍にまで押し上げていって、CO2の削減に何とか貢献していこうというのは一つの現れだと思います。
もう一つは、先ほど村関さんから話がありましたとおり、太陽光だけでなくて、これもまたエネファームに代表されるように、やはり環境志向の高いお客さまが自らコストをある程度負担しながら自分でできる範囲のことをやっていく。このようなことは、一番の根本にあるところの低炭素社会の実現に向けて、国民一人一人がどうやって参加していくのか、貢献していくのかということは理解していただかなければいけない基本中の基本だと思います。この辺のことはひょっとすると負担ばかり表に出てしまって、国民としてどうやって貢献していくかということがうまくPRされていないのではないかと思っています。従って、負担という言葉が本当にいいのかどうかは別ですが、何ができるのか、いま一つPRを含めて徹底させていくということがまず一番大切ではないかと思っています。
それからもう一つ、先ほど鈴木委員からも出ていましたが、片やそれをサポートする電力業界も、ある意味ではコストを回収するのですが、どこへそれをきちっと求めていくのか、料金もどこへ乗せていくのかということも、しっかりした担保がなされないと空中分解してしまう。制度的には成り立たなくなってしまう。ですから、こういったこともしっかりやっていかなければいけないのだろうと思っています。
そうした意味でも、先ほどダブル発電のところに議論が及んでいますが、私としては分かりやすさから考えると、一本価格というのは非常にいいのではないかと思っています。押し上げ分をカウントしながらどのようにやっていくのか。ただ、そのときにいろいろな比率、単価という問題があると思いますが、これはもう少しきちっと慎重に議論していかなければいけないと思っています。
しかしながら、先ほど冒頭に申し上げたように、片やエネファームを入れていくお客さまも、基本的には自ら何とかCO2の削減に貢献していこうというスタンスですので、あまりディスインセンティブになるような政策というのはいかがなものかと思います。その辺はフェアな格好でやっていただきたいと思っています。
最後になりますが、太陽光は私どもでも薄膜ということを検討して会社をつくってやっていますが、先ほど京セラの本多委員からも出ていたとおり、日本でものすごい勢いで技術のブレークスルーがあって、かつ競争原理が働いてコストダウンが進展するということになると、この技術、製品を持って世界に乗り出していくという格好になると、日本で得た技術、ないしは製品が世界のCO2にどれぐらい貢献していくのかという観点も当然出てくると思います。ですから、今回の政策は私どもとしても非常に素晴らしいものになり得るのではないかと思っていますし、ある意味では製品という形になるかもしれませんが、世界で貢献できる製品を生み出せるのではないかと思っています。ただただ、すべていいことばかりではないので、先ほど申し上げたとおり、少しどろどろした世界をお話しすると、ダブル発電のところのコストをどうやって見ていくのか、価格をどうやって決めていくのかというのは、国民全員参加型という観点も含めて、あまり偏った格好の価格にならないようにしていただきたいというのが、私どもからの一つお願いです。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。それでは山内委員お願いします。
山内委員
今回のこの制度について、制度の在り方、あるいは影響について考えたことを述べたいと思います。今もお話があったように、全員参加型ということがかなり強調されていて、資料の5ページにも、導入のためのコストを全員参加型で負担していくということがありますし、この辺のことはかなり重要かなと思っています。
それから、もう一つのポイントは11ページの四角の中にありますが、エネルギー間や電気事業者間の競争の観点を踏まえつつ、電力の需要家すべてが負担するということを基本にすると書いてありますが、この辺が結構重要かなと思っています。というのは、今回の制度は要するに太陽光発電をする。そのために必要な設備については、設備を購入するための補助というものが別にあって、それは実施されている。それにプラスして、買取価格を上げることによって導入を促進しようということだと思います。
これは先ほど大橋さんが言っていたように、経済学で言ってもおかしいことではなくて、一方でCO2を削減するということに対して補助金を出すということですから、原則としては正しい方向だということだと思いますが、幾つか視点があって、前の委員会で申し上げましたが、その補助金の出し方もいろいろあります。設備を買うときの補助と買取のところの補助はちょっと意味が違っています。設備を買うときの補助というのは、所得補助のような形になりますが、どちらかというと、この方がプライスのメカニズムがゆがまないのではないかという話をそのときにはしましたが、それはそれとして、今回は買取をするということで、太陽電池を導入する側へのインセンティブだということが一面あります。
もう一方で、買い取った費用を、先ほどから言っているように電力の需要家すべてで負担をするということですから、その価格が電気の価格に転嫁されるということです。そうすると、電気の価格が変化することによって電気の需要家の行動に影響が出ると。要するに具体的に言えば、価格が上がった分を節約しましょうということになります。そうすると、一つ言えることは、そういう価格が転嫁されることによる効果というのは、ある意味では社会的な費用のようなものをそこに乗せているということは同じ効果を持つので、そこがどれだけだというのはとても重要なポイントです。理屈で言えば、社会的限界費用が計算することができ、それを各消費者が負担しなさいという話になりますが、恐らくそれはなかなか難しい。今回の場合、特にこういうメカニズムの中でやると、一定の収入分というか、それを得られる特定の額を料金に上乗せするということになります。特定の額を調達するための価格の上乗せ分ということになるわけです。そうすると、それが正しいのかどうかという議論が一方であります。しかし、もっと重要なことは、需要家すべてに対して価格の上昇を通じて影響を及ぼす。そうでなければ、価格メカニズムを使った効果というのがよりゆがんできてしまうことになります。
言いたいことは先ほど申し上げたように、全員参加ということです。これは非常に重要で、要するに電力の需要家がすべて価格のある意味では上乗せ分を意識して、それで行動を起こすようなことが担保されていないといけない。今回の制度の一つはそのことがあるのかなと思います。
これは先ほどから言っているように、額がどれだけ正確か、あるいは正しいかというのはまた別の議論があって、これは難しいので、理論上で正しい額をかけられないということがありますが、いずれにしても方向性としてはそういうことで、ちゃんとその辺の意思決定に価格の変化が反映されなければいけない。そのためには、なるべく大口も小口も含めて、負担分をちゃんと意識してもらわなければいけないというメカニズムを作らなければいけないということです。それが一方です。
もう一方は、今度は太陽電池を導入する側です。これは先ほど言ったように補助金をもらう。それは施設の分の補助金と買取の分の補助金の両方で、先ほど絵にありましたように、回収期間が短くなるということだと思います。このときに当然、合理的に考えれば、導入をしようとしている人は、何年間で元が取れるのだろうと。将来の利益のようなものを現在の価値に割り引いて、それで比較をするということになると思います。ポイントは、先ほどの買取価格を低減させるという話がありましたが、これも議論に出ていたように、ではどれだけ低減されるのかとか、本当にパネルの価格が下がっていくのかということがあります。恐らく、導入する側としては、情報として買取価格がどのぐらい下がっていくかということがとても重要で、これが分かっていないと正確な意思決定ができないということになると思います。ただ、これも先ほどのお話だと、その辺の情報の不完全性がある。それはコスト側の不完全性があるからそうだという話ですが、できれば、その辺の情報はできる限りのところで、太陽パネルを入れようと思っている人に正確に与えてあげる必要はあるのだろうという感じがします。
ただ、これは今、特に自動車税制で、エコの自動車に対してかなり優遇したら、ものすごい勢いで増えてしまったということがありますが、それはそれでいいことですが、水準が将来どうなるかということがかなりの程度影響を及ぼすと思います。ですから、これもかなり慎重にならなければいけませんが、ただ、情報としてはやはりそれが出ているのがいいのかなと思います。以上2点です。ありがとうございます。すみません、言い忘れましたが、一橋大学の山内です。
山地委員長
山内先生ありがとうございました。ちょっと講義のような話で難しかったような気もしますが、要するに買取費用の部分を電力の消費者全員にキロワット時あたり幾らということで課すということは、一つの環境コストのメッセージになっているので、それに基づいて消費者も行動を変えるということが必要だとおっしゃった。
それから、設置者に対するインセンティブの方で、買取価格が今後下がっていくことを知らないというのは非常に困りますが、少なくともどの程度下がっていくか、ある程度予見ができるようなものでないとなかなか合理的な行動を促せないというご指摘だと思います。
もう一つ、冒頭ちょっとおっしゃったエネルギー事業者間の競争というところに関しては、しょうがないという感じですか。
山内委員
理屈から言えば、セカンド、ベストの価格を出さなければいけませんが、今回のものはある意味では必要な額を調達するような負担になっているので、理論家である大橋先生に解いてもらった方がいいと思いますが、そんなに簡単には解けない問題ではあるかなと思います。ですから、この状況の中で、要するに今の仕組みの中で考えればということの前提でお話をしているということです。
山地委員長
ありがとうございました。そうしますと、私のカウントが正しいと、あとは村越委員なのですが、自己紹介を兼ねてご発言いただけますか。
村越委員
住環境計画研究所の村越です。私は、省エネルギーの関与が一番大きいので、省エネルギー、それから家庭用、エネルギーサービスを推進していく事業者という二つの立場であろうと思って、今日は参加をさせていただいています。
最初に消費者の立場から申し上げると、もう幾つも議論が出ています。その前に、今日のこの資料に出てきていることは非常によくご検討された結果だろうと思っています。ここに書いてあることに特に注文を付けるというようなものはありません。ただ、まだ不分明で「これから検討します」ということも明確に書いてありますので、それについては、今後の検討結果を待ちたいなというところです。
一つは、ずっと議論が出てきたところで、全員参加というのは非常に素晴らしいコンセプトだろうと思います。それからもう一つ、公平性ということが委員の先生から出てきましたが、どう考えても、基本的になかなか公平にはいかないだろうなと思っています。正直なところ、例えば新エネ部会でも出たという話を伺いましたが、「集合住宅の人はなかなか太陽光を付けられませんね」などという話もありますので、やはりそこは柔軟な運用ということを意識せざるを得ないのだろうと思っています。
その上で、次回以降の負担額をどう考えていくか、負担をどう考えていくかというときに、例えば14ページの中で見ていって非常に分かりやすいグラフですが、不安定要素、変動要素というものがこの中に非常にありまして、まず補助金は今後ずっと同じ金額であるわけはないというのがありますね。これは国も地方もこれから変わっていくであろうというところが変動要素でしょう。それから、今10年間の買取というのは、この図で見ると非常に分かりやすくて、10年で納得しやすいのですが、ほかの変動要素を考えていくと、来年以降の買取期間はもっと柔軟に考えていいのだろうと思います。それは、例えば普及の度合いによっても違うでしょう。そうすると、負担額が変わってくるというようなこともありますし、太陽光パネルの価格によっても変わってくるでしょう。それも数年で半額というような指針も示されていますが、まだそこが不安定要素だろうと思います。
もう一つ、省エネが今後さらに進んでいく可能性は極めて高くて、特に電力に関しても、家庭のところで一世帯当たりの電力の消費量が今、そんなに減っているわけではありませんが、ただ省エネによって減っている分というのは、ここ数年間でかなり効いてきています。ただ、機器の台数が増えているということもありまして、全体的にはそんなに減っていないというか、若干伸びている。地域によって若干違いますが、そういうところもあります。今回、買取期間が10年というように長いということを考えると、2015年を境に世帯数がどんどん減ってくるので、一世帯当たりではなくて、全体の電力の売上というものから考えてくると家庭用に関しては長期的には減ってくる可能性がある。
そういう中で、太陽光そのものの発電量は1回付けてしまえば変わらないわけですから、そうすると、消費量が減って太陽光が変わらなければ、当然、売電量が増えていくというようなこともあります。この辺も長期的には今後の不安定要素になるだろうと思います。従って、そういう不安定要素が何かということをもう1回、整理をし直した方がいいのではないかと思います。ただ、山内先生もおっしゃったように、解を作るのは非常に難しいだろうと、その中で解を見つけるのは難しいだろうと私も思います。ただ、それは毎年毎年議論をしていきましょうということですから、今後の課題ということになるのでしょうが、解は出ないにしても考え方のようなものはきちっと議論をして、不安定要素はこれで、その考え方はこうだと。そのときには、多少柔軟な運用というものも意識しながら考えていきましょうねというような基本的なところはなるべく早く議論してしまった方がいいのではないかと思っています。
それから最後、省エネルギーを推進する事業者の立場から考えると、太陽光の導入というのもビジネスの一つということに当然なりますので、これに推進がかかるというのは極めて喜ばしいことだろうと思います。
それからもう一つは、ダブル発電が出てきまして、自家発も省エネ業者にとっては一つのビジネスですので、こちらもきちっと普及が図られるような配慮をいただきたいと思っています。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。後半におっしゃったところですが、余剰買取のメリットの一つが、省エネのインセンティブになるというところはご指摘のとおりです。前半の公平性のところは本当に難しいですね。これはエネルギー事業者間の公平性とか、あるいはエネルギー事業者でも一般電気事業者とPPSとの間など、さらに負担の公平になるともっと難しいです。新エネ部会でも議論になりましたが、付けられない人にもみんな負担がかかるというようなことがありました。あとは多分次回以降の議論になると思いますが、買取費用の回収のときに秋庭委員がおっしゃった地域間の不公平というのも制度の仕組み次第ではあり得ます。たくさん入った地域の人がたくさん負担するということになりかねない。この辺りの公平の問題に完全な解はないと思いますが、できるだけ問題を小さくする、緩和する方法で考えていきたいと思います。
岩根委員、もう一度ご発言ですね。
岩根委員
今、山地委員にほとんど言っていただいたので、繰り返しになりますが、公平という観点で、地球環境問題の全員参加とか公平性という観点で一言だけ申し上げます。これは非常に重要な問題ですが、やはり国とメーカーさんなり、われわれエネルギー事業者がすべて全体の枠組みというものをお互いに共有した上で、国民の皆さまの理解を得て、皆で推進していくということが重要だと思います。恐らく地球環境問題全体を考えた場合、この太陽光だけでは不十分だと思うので、いろいろな政策を組み合わせてトータルでやっていく必要があると思います。そうした個々の政策では、エネルギー間の公平性にちょっとばらつきが出るかもしれませんが、トータルではエネルギー間の競争の公平性が失われないという全体設計が非常に大事だと思います。本太陽光の買取制度というのは、当然、電力も一生懸命取り組みますが、国民の全負担というものの、国民の皆さまの電気代にだけ上乗せしていますので、エネルギー間の公平性という観点からすると、電力会社が不公平になっているのではないかと思います。全体の公平性という中で、全体設計をぜひお願いしたいと思います。
山地委員長
ありがとうございました。これで大体ひととおり委員の皆さんからご発言いただきましたが、全体を通して、またほかの方の意見を聞いてこう思ったということでも、時間的にはまだ余裕がありますので、結構です。ご発言のご希望はありますか。では、秋庭委員。
秋庭委員
今の公平性のことは、前の新エネ部会で何回も言っているので、これ以上言うつもりはありませんが、やはりこれから国民に理解を得るために一番のポイントはそこのところです。なぜ太陽光システムを付けられない人が付ける人のために負担していかなければならないのかということについて、「なるほど」とみんなが思えるような明解なキャッチフレーズか何かを作らないと、そこのところはまずもって理解を得るというのは難しいのかなと思っています。それは何とかみんなで考えたいと思っています。
それからもう一つ、先ほど村越委員からお話を伺っていて、なるほどと思ったのですが、先ほどの14ページのモデルケースというグラフがありました。ここで変動要素が多いというお話でしたが、電気料金節約額10年間の合計が約35万円となっていますが、これが最も変動要素が大きいのかなと思います。まず、節約額35万円という金額の算出は何を基になさったのかなということが一つです。
今後、エコ家電などで急激に省エネ化が図られてきていますし、そこのところが固定的なものではなくて、どんどん省エネ化が図られて節約分が増えていくと思いますが、その辺はどのように計算なさっているのか、ぜひお伺いしたいと思います。
山地委員長
では、今のご質問に対する答えと、それから後半、事務局から特にご発言をいただいていないので、もし発言することがあったら、それも併せてお願いします。
増山省エネルギー・新エネルギー部政策課長
羽藤部長は、国会と大臣の関係で途中退席しました。今日はありがとうございました。先ほど秋庭委員からご質問のあった、10年間35万円のところですが、標準的な家庭が1カ月約8000円、自己消費というか、自分で消費する分が大体平均をとると、約4割強というイメージの中で計算をし、それが10年間にわたっての価格という形で考えています。おっしゃるとおり、これは家庭の省エネマインドによって大きく変わり得ますし、家電製品の省エネ機能の向上によって大きく変わり得ると思います。むしろそこを私たちも期待して、余剰電力という制度設計にさせていただいています。まさしく、そこが変動することがこの制度の醍醐味だと思っています。それが1点です。
皆さんのご意見を今日、いろいろ聞いてつくづく思ったのは、私は役所に入ってもう24年ぐらいになりますが、役所に入ったときには調整という言葉は非常にいい言葉でしたが、最近は非常にネガティブなイメージが多いです。まさしくこの制度を議論していただくことこそが、いい意味での調整かなと思っています。多分、一般消費者の方、事業者の方を含めて、皆さんがそれぞれ痛み分けをした中でどういう制度を作るかということに非常に意味があるかと思っています。
そういうときにつくづく思うのは、特にダブル発電のところですが、この資料のタイトルは「太陽光発電の新たな買取制度について」というのがスタートだと思います。多分、その大きなところは低炭素社会の構築というのがあると思います。二つ目が、この資料にありますように、この制度は太陽光発電の新たな買取制度ということです。資料の16ページ目には、タイトルに「ダブル発電」とありますが、本文の方では「いわゆるダブル発電」ということです。私が非常に懸念するのは、ダブル発電という言葉だけが横行して、あたかもダブル発電の一つと一つがけんかしているような姿になるのが、国民との関係で多分最も良くない構図かと思います。「いわゆる」と言い続けることが大事なことではないかと思う次第です。そのようにしておかないと、秋庭委員が冒頭におっしゃったように、この議論を見ている、あるいは最終的に負担する需要家の方が納得が行かないように、あるいは誤解するようなことになって、それは多分、いい結末ではないかなと思う次第です。
以上、説明と感想でした。
渡邊省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長
今、説明を差し上げたとおりですが、14ページの35万円という電気の節約金額の考え方ですが、これは今の日本の一般的な住宅用の太陽光を乗せていただく方は、35キロワットぐらいというのが平均的な数字です。大体、年間1000時間ぐらい発電をすると考えています。10年間発電をして、3.5×1000時間×10年間、そして自家消費分が大体4割ということで計算をします。かつ、それが1キロワット時当たり24円の価値を持っているというか、24円分の節約になるということで計算をすると大体35万弱ぐらいになりますので、そういうことです。
恐らく買取制度がこれから始まっていくと、節電インセンティブが働いて、余剰分の方の14ページでいうところのピンク色の部分といいますか、今、「余った電力の売電収入」と書いてある部分を増やそうという意識が働いてきて、余剰が増えるという可能性ももちろんあると思います。他方で、古い太陽電池といいますか、昔の太陽電池については、余剰率が6割も行っていないという場合も恐らくあるのだろうということです。そういう意味では、そういうところは相殺をしながら、古くなったものはだんだん発電力が減っていくということもあるし、他方で節電インセンティブにより余剰が増えていくというのがあって、そういうものを掛け合わせると、恐らくこのぐらいの数字で考えておけば妥当なのではないかと思っています。以上です。
山地委員長
ありがとうございました。ほかに発言のご希望はありませんか。よろしいですか。そうしますと、本日は出だしはそろそろという感じでしたが、だんだんと活発なご意見をいただきましてありがとうございました。今後、これを整理して小委員会としての取りまとめをしていきたいと思います。
事務局から、今後のスケジュールをご説明いただけますか。
渡邊省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長
それでは、本日のご審議を踏まえて、事務局において引き続き検討を重ねてまいりたいと思います。次回の研究会については、7月23日(木)を予定しています。詳細につきましては、事務局から別途お知らせをさせていただきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

3.閉会

山地委員長
それでは、最後になりましたが、電力・ガス事業部の西山部長がお見えですので、最後のごあいさつをお願いしたいと思います。
西山電力・ガス事業部部長
電力・ガス事業部長をしております西山と申します。よろしくお願いします。今日は、冒頭にごあいさつ申し上げましたが、羽藤部長と私のところで、共同事務局ということで山地先生や先生方にお願いしてこの議論を行っていただきました。先ほど、私がいない部分についても話を伺ったところでは、国の説明責任の重要性や買取対象の範囲、買取価格の具体的な水準、さらには制度の基本となる理論的な整理といったことについて、非常にたくさんの論点をご指摘いただいたと思っています。
この制度づくりは日本でも初めてのことですし、世界でも例はありますが、その反省に立って、日本で一番いいものを作るという気持ちでやっています。そういう意味で、たくさんのご指摘をいただいたものを何とかうまくまとめて、最終的には国民に分かりやすい、シンプルな制度にしたいと思っていますので、今後とも引き続きご協力をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
山地委員長
西山部長どうもありがとうございました。
それでは、本日の審議はこれで終了としたいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

 
 
最終更新日:2009年11月6日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.