経済産業省
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クラウド・コンピューティングと日本の競争力に関する研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成21年12月25日13:45~15:45
場所:経済産業省別館1020号会議室

出席者

村井 委員長、保条 委員、廣江 委員、東野 委員(代理 岡崎氏)、渡辺 委員、山田 委員、前川 委員、西村 委員、中村 委員、真藤 委員、 楠 委員、北野 委員(代理 香田氏)、角 委員、宇陀 委員、石田 委員、岩野 委員、篠原 委員、大西 委員(代理 加藤氏)

議題

  • クラウド・コンピューティングが実現する新サービスと新しい社会像
  • その他・今後の進め方

議事概要

事務局から資料に沿って、クラウド・コンピューティングが実現する新サービスと新しい社会像、報告書の骨子等について説明。委員からの発言要旨は以下のとおり。

クラウド・コンピューティングが実現する新サービスと新しい社会像について

論点1:資料2に例示した利活用シーンのうち、市場及び産業構造に与える影響が特に大きいと思われる利活用シーン

  • 医療費の削減や、個人カルテ情報の自己保有に対する高い潜在的ニーズを踏まえると、コスト削減が可能であり、かつカルテを作成した病院以外の医療関連施設でも医者等がカルテを閲覧可能となり、患者から説明を受けることなく最適な医療サービスの提供が可能となるクラウド・コンピューティングの導入が注目される。
  • 教育の地域間格差が問題になっているが、ここに情報の共有を本質とするクラウドを導入することで、格差を是正することができる。また、教育分野はIT化が遅れているため、クラウドを導入して効率化を図ることで得られる効率化効果も大きなものになると考えられる。さらに、例えば欧州の一流の演奏家の生演奏を配信する等、教師の授業配信のような閉じた話ではなく、文化・教養を共有するようなサービスの提供も可能であり、教育の幅を広げ、深化させることも可能になると思われる。

論点2:資料2に例示した利活用シーン以外に、市場及び産業構造に与える影響が特に大きいと思われる利活用シーン

  • 防災・防犯サービスにはセンサーやカメラの利用が想定され、公共空間を含めた膨大な情報処理を考慮するとクラウドの活用が濃厚であり、注目すべき利活用分野となるのではないか。
  • センサーネットのような情報源とその利用は人間の知と情報が洗練された共有をされることによって新しい価値を生み出しているのだが、この情報の所有者、管理、共有をどう扱うかを考える必要がある。
  • 行政分野の利活用も考えるべきではないか。センサー技術等の成長著しい技術が進歩したとしても、行政におけるクラウド化なくして、社会全体の連携実現は難しい。
  • 産業の壁を越えた利活用シーンを考えるべきではないか。日本の経営者が組織横断的な経営視点を持つことを比較的不得手としていることに鑑みると、産業を超えた利活用シーンについて報告書で触れることは意義があるのではないか。
  • 企業横断的な、国全体の最適化が必要ではないだろうか。そのために、アイディアを公募し、有望なものを実証実験してはどうか。

その他:本研究会報告書のとりまとめに向けて必要な視点

経済インパクト
  • 純粋に技術的な観点からはクラウドには新しい要素はないが、既存の技術を表す抽象化を考えるとクラウドの新しさが明確化する。この研究会でこの新しい抽象化を考える必要がある。
  • いつ、どのような効果が出るのかという点が重要であり、各利活用シーンの実現時期を見定めた上で経済インパクトを算出してはどうか。
  • クラウド導入による市場全体に与える影響についても検討が必要ではないか。例えば、クラウドの普及・浸透によりサービスが標準化し、中小企業を始め社会全体の生産性が向上することによるビジネスインパクトも考えるべきではないか。
  • クラウドが影響を与える対象として、近い将来に創出される利活用シーンだけでなく、既存のビジネスにクラウドが導入された場合も含めて考えるべきではないか。特に、行政、教育、医療といった、情報化が遅れている分野に関しては、現時点でクラウドを導入することで規模の経済を働かせ、効率化を図ることが必要であると考える。
日本の競争力向上
  • 日本ならではの強みが活かせるクラウド利活用シーンについての記述が本報告書に必要ではないか。
  • 既に競争力のある自動車業界や電機業界におけるクラウド活用と、BOP(Bottom of Pyramid)層など新たな市場向けビジネスへのクラウド活用という2つの視点から考えることで、日本の競争力をより高めることができる。
  • ユーザ、ベンダ、サービサーの目標値となるようにSLA基準を高めに設定すれば、クラウドの品質が高まり、日本の競争力が高まっていくと思われる。
  • アメリカでは、クラウドが乱立し標準化が困難な状態に陥っており、一方ヨーロッパではオープン化が進められている。このような状況において、日本がどのような方針を取るべきか、考える必要がある。
  • 日本の強みは、まだクラウド化が進んでいないがゆえに標準化を進め易いという点、諸外国の導入例を参考に失敗を回避しうる点にあるのではないか。
  • セキュリティやプライバシー、ベンダロックイン等の問題をどうクリアするか考える必要がある。国際標準をある程度考慮せねば、日本の国際競争力を高めることはできない。
標準化推進
  • 日本における標準化は、グローバルでの標準化動向を尊重した上で行い、グローバルでの標準化が欠けている部分に関しては日本が先頭に立って補うというスタンスで推進していくことができるのではないか。
  • クラウドの標準化とデータの標準化の議論を分けて考えるべきである。どちらにしろ、日本で積極的に標準化すべき領域は定めていかなくてはならない。
  • データ標準化については、特に日本は他国より遅れている。例えば文字コードの外字問題などは、中国や台湾など他の漢字圏においても存在しない問題であり、日本が遅れていることがよくわかる。
制度的対応
  • 近未来におけるクラウドの利活用は、市場原理によって発展していくと思われるが、現時点でのクラウドの利活用に関しては、制度整備が必要である。一方で、近未来におけるクラウドの利活用においては、社会的問題として包括的に対処していく必要がある。
  • 現時点でクラウドを導入するに当たり、プライバシーに関する責任の所在が不明確である点が懸念される。関連制度の整備が必要ではないだろうか。
ロードマップ
  • 現在のインターネットサービス、基幹系システムによるビジネスの効率化、そして社会インフラの効率化という大きな流れをまとめ、アカウンタビリティ等担保すべき要件を明らかにすべきではないか。

問い合わせ先

経済産業省商務情報政策局情報処理振興課
TEL:03-3501-2646
FAX:03-3580-6073

 
 
最終更新日:2010年1月6日
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