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クラウド・コンピューティングと日本の競争力に関する研究会(第4回)-議事要旨
日時:22年3月26日10:00~11:30
場所:経済産業省本館第1特別会議室
出席者
村井 純委員長、石川 雄章委員、石田 一雄委員、岩野 和生委員(代理 小池 裕幸氏)、宇陀 栄次委員、角 泰志委員、北野 昌宏委員(香田 克也氏)、篠原 弘道委員(端山 聡氏)、真藤 豊委員(大和 喜一氏)、永田 賢了委員、中村 彰二朗委員、西村 達之委員、廣江 譲委員(竹原 秀臣氏)、保条 英司委員、山田 伸一委員(遠藤 宏氏)、渡辺 弘美委員
議題
- 報告書(案)について
- その他
議事概要
事務局から資料に沿って、「クラウド・コンピューティングと日本の競争力に関する研究会」報告書(案)について説明。委員からの発言要旨は以下のとおり。
- 報告書(案)について
- 日常生活の中で「クラウド」というキーワードに接する頻度が多くなった。クラウドは発展の足が速い分野。本研究会の報告書をまとめるにあたり、変化を予想しながら意見をまとめる必要がある。
- ユーザのクラウドに関する認知度が上がり、閉塞感を抜け、市場が活性化したと思う。クラウドのように新しいものは、新しい市場を喚起する。当社に限っての話だが、ワールドワイドで日本の成長率はNo.1になっている。
- 「資料2」の4ページ目の資料で、SaaSが飛び出して小さな市場という印象を受けるが、決してそのようなことはないため、配慮いただきたい。
- 当社のSaaSサービスでは、2億5,000万トランザクション/日があり、Suicaのトランザクションが3,000万件/日といわれているので、その9倍に上る。このサービスを支える運用技術は非常に高度なものであり、世界的に競争力を確保できる分野と考えている。
- 日本の競争力の要は信頼性であり、BCP(Business Continuity Plan)の高度化も重要な課題であり、報告書の中で言及するべき。
- データセンタは、(1)企業に分散するサーバの集約化、(2)仮想化による処理効率化の2つの側面から、CO2削減に貢献する。高効率な機器の開発とクラウド・コンピューティングの普及により、CO2が削減されることを報告書で強調するべき。
- クラウドにより、既存のレガシーな事業モデルが変化していくことになる。供給側の視点のみではなく、ユーザ側の視点でクラウドを利活用するためには、どうすればよいかについて記述するべきではないか。
- 「資料3 報告書(案)」の56ページにある「クラウド・コンピューティングが牽引する日本経済の成長戦略」の図は元気が出る内容でインパクトがある。この図を報告書の最初に持ってきた方がよいのではないか。
- 産業構造の変革に関して、報告書の説明はエンタプライズ系の話に限定されている。近年はソーシャルメディアの台頭によりクラウドを使うユーザが増えた。Facebookやmixiのアプリケーションなど、今までIT業界といわれなかった企業もクラウドを使わなければサービスができない状況になっているという変化がおきている。
- シンガポール政府はITの普及に積極的であり、シンガポール政府から企業側にダイナミックにワンストップで提案がある。クラウドの足は速く、報告書(案)のロードマップに示されているスピード感では遅い。グローバル企業にとって、もっと早く取り組んでもらう必要がある。
- クラウドに限った話ではないが、ITシステムを海外で構築する際には、例えば外資規制などの法令の整合性を考えながら構築する必要があり、国内システムと同じようには構築することができないことが課題。
- 海外のユーザも日本のクラウドを利用するように、日本の中でシナジー効果が出せるような政策があると良い。
- 報告書は誰向けのものか。業界向けなのか、政府のIT戦略提言用なのか、明らかにした方がよい。
- 当社でもデータセンタサービスを行っているが、ハードウェアは殆どが海外製で、ソフトウェアも海外製が多い。日本の競争力という視点で考えた場合、クラウドに関しては何が競争力の源泉なのかが見えてこない。報告書の中で、競争力を確保するべきポイントはここだという強いメッセージがあると良い。
- 読者には、強いインパクトを与え、やるべきことは何かを考えてもらうことが必要。その意味で、報告書ではクラウドのインパクトの大きさを強めに書いた方がよい。例えば、この分野ではこういう風に変わり、このようなインパクトがあると、具体的に記述すると伝わりやすいのではないか。
- 「資料3 報告書(案)」の56ページにある「クラウド・コンピューティングが牽引する日本経済の成長戦略」の図に、グローバルマーケットの話が抜けている。これまで議論してきたように、また報告書(案)にも随所に記載がある通り、クラウドはグローバルなシステムであり、グローバルマーケットの観点は欠くことができない。
- ユーザの経営者と話をすると、これまでは殆どの経営者はITを知らなかった。ところが最近は、全く異なる反応になってきた。クラウドはITから離れた世界にも関心の高い分野であり、そこにはまるような報告書になると良い。
- 新しいシステムの構築にクラウドを使うことは簡単である。一方で、ユーザはレガシーシステムからクラウドへの移行・共存をどのようにするべきかで悩んでいる。
- 「資料2 報告書(案)の概要」はプラットフォーム的な視点が強すぎる。クラウドは利用する方に興味があり、資料2も使い手側の視点を加えて整理するべきではないか。
- グローバルという視点で考えた場合、クラウドをどう使うか、分野ごとにどう作るかがポイントになる。
- 「イノベーションの創出」の項目に、標準化を入れるべき。一番インパクトが大きいのは、ビジネスプロセスの標準化。ビジネスを効率的にすることで、グローバルに展開することが可能になる。また、・ハードウェア技術によって、ITのワークロードの質が変わる。こういった視点もいれるべきではないか。
- 日本の競争力を高めるためには、全く新しい分野を開拓するか、日本でわかっている課題を解決することで、それを世界に展開していくことが考えられる。後者は例えば、インフラの老朽化などの課題があるが、この解決にはクラウド・コンピューティングが適しているのではないか。
- 既存の情報と新しく入ってくる情報をいかに融合して、新しい価値を生み出すかがポイント。
- センサの活用により様々な情報取得が可能となるが、情報量が大量であり、それをリアルタイムで処理することが課題。並列処理技術がポイントとなるであろう。
- 映像解析により橋梁の危険性がわかる技術が既にあるが、これをクラウドと結びつけることで、広く提供できるようになるのではないか。
- 日本ではコンビニでもATMが利用できるのに、スマートフォンの普及は進んでいない。一方でバングラディッシュではATMがないのに、スマートフォンの普及が進んだ。それはスマートフォンを使って送金を行うため。クリエイティブなビジネスを想像する人材をどのように育てていくのかのイメージが欲しい。
- ボリュームゾーン戦略とクラウドの話は共通性がある。日本の製品は高品質、高機能、高付加価値が売りだが、ボリュームゾーンでは、単価を10分の1にしても、マーケットが100倍になる可能性がある。これはまさにクラウドの戦略である。
- 年1.5兆円の新市場創出という目標は少なすぎるのではないか。指数関数的に増加するはず。
- 新しいシステムをクラウドで実現するのは比較的容易であるような話があり、反対にメインフレームやその他のレガシーシステムの移行が悩みの種だと言う方が何名かいらっしゃるが技術的側面から政策的側面まで網羅したトランジションのエンジニアリングの検討が十分にできていないのではないか。
- 「ローカルなビジネスでもターゲットはグローバルに」など、経営的な側面からはもとより、技術・政治政策的な側面から様々なコメントが出ているが、果たしてこれらをこなしさえすれば、日本の経営者は、グローバルにコンペティティブになれるのであろうか?何かまだ足りていないものがあるのではないか?テーマに「競争力」を挙げる以上、この検討をより深くする必要がある。
- レガシーからクラウドへの移行には3つの問題がある。(1)これまでシーケンシャル/バッチ処理であったシステムを、どのようにして手作りではなく、クラウドの並列処理に移行するか。(2)移行前と移行後で信頼性が、上がったのか、下がったのか、変わらないのかをどのように見える化してユーザに示すか。(3)複雑なレガシーシステムの構成・運用を理解している熟練人材はごく少数な状況で、クラウドに移行して運用が回るのか。
- 日常生活の中で「クラウド」というキーワードに接する頻度が多くなった。クラウドは発展の足が速い分野。本研究会の報告書をまとめるにあたり、変化を予想しながら意見をまとめる必要がある。
- その他
- 本日の意見を踏まえ、報告書を修正し、パブリック・コメントを実施する予定。
問い合わせ先
経済産業省商務情報政策局情報処理振興課
TEL:03-3501-2646
FAX:03-3580-6073
最終更新日:2010年4月5日
