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総合資源エネルギー調査会需給部会(第2回)-議事概要
日時:平成21年8月25日(火) 16:00~18:00
場所:経済産業省本館17階西2国際会議室
議題
長期エネルギー需給見通し(再計算)(案)
出席者
山地部会長、他各委員
議事概要
- 大変上手く資料を整理していただいたが、これによっていかに容易ならざる対策であるかが明確となった。
- 次世代自動車に関して、自動車業界としては、需要が追いついてこないと安心して設備投資を行い、供給体制を構築することはできない。対策費用12兆円という金額を12年で割れば年間1兆円となる。12年という期間も長いようで長くはなく、自動車のモデルチェンジのサイクルではせいぜい2回か3回である。その前に設備投資を行って工場を建設することを考えると、12年は非常に短い。政策としてこのような対策を進めるのであれば、一定の期間を定めて明確なコミットメントを行っていただきたい。
- 資料の下に「本資料は、モデル計算上の仮の前提を提示するもの」と記載されているが、政府全体として大きな政策をまとめ上げていくといった意気込みを是非示していただきたい。
- 今回の具体的な内容を見て、改めて「2020年15%削減」は大変な数字であると認識した。特に住宅における断熱性の向上、自動車や省エネ家電の買替えなど家庭用での対策、小規模な業務用ビルでのBEMS、グリーンITの導入などは、個人や各企業の取組みに依存することが多いと思われる。こうした対策をより効果的に進めるため、政府における個人や企業の意思決定を促す、あるいは意識改革を促すようなインセンティブや仕組みづくりが不可欠であると考える。我々エネルギー供給事業者としては、対策実現のため、ガス機器メーカーとともに高効率な製品しか生産しないこと、世の中に販売しないことを責務として考えている。給湯、暖房を高効率化することはガス需要を減らすことになるが、全体として環境に関して努力していかなければ、社会から評価されないと認識している。
- 燃料電池については、技術開発に向けて相当な資金と労力を掛けており、早急なコスト低減を図れるものと考えている。「屋根の上には太陽電池、家の横には燃料電池」と、住宅には低炭素エネルギーシステムが当たり前になるように自主的に努力していくが、政府においても燃料電池は「普及拡大が重要」と明確に位置づけていただきたい。
- 鉄鋼業にとって今般の目標、とりまとめは、誠に厳しいものであると認識している。
- 資料の「製鉄革新技術」の「主要な技術導入想定」に列挙されているものは、実際の導入にあたっては経済的、技術的、制度的な課題がある。「廃プラスチックの製鉄所でのケミカルリサイクル拡大」で100万トンの集荷・使用が見込まれているが、実際には20万tに留まっている。今後能力をあげていく必要があるものの、一方で自治体による集荷システムの拡充、あるいは、省エネ、省CO2効果を正当に評価する再資源化のルールの確立を図っていただきたい。
- 今回の目標は、国民経済にとって大変な影響と負担を強いることになるが、先般の麻生総理の中期目標の決定に際して、全主要排出国の参加、国際的な公平性の担保、環境と経済の両立という原理原則を示された。こうした原則を政策に照らしつつ、検討を進めていただきたい。
- 前回、具体的な政策が見えないとなかなか広く伝わらないという話があり、今回このようなかなり細かい政策を各分野で出していただいて大変ありがたい。
- これから世界全体の将来像や将来目標をクリアにするときに、もっと目標値が厳しくなる可能性があるのではないか。2020年に▲(マイナス)15%という目標達成には、私たち国民全員がきちんと全員参加して、色々なライフスタイルや、暮らし、家を全て変えていくことが非常に重要になってくる。最近、環境省や内閣府などで毎年実施している国民の意識調査などを見ると、地球温暖化に対する問題意識などに関してかなり国民の関心が高まっているというデータも出ている。こういう時代にしっかりとした情報、つまりどのように対応すれば良いのかに関する情報が出てくると、私たち市民も具体的にどうしたら良いかが見えてくるのではないかと思う。
- EUの中では、2015年までにゼロエミッション住宅を作っていくといった大きなチャレンジ目標を出して、国民にやる気を持たせるような政策の提案の仕方をしている国もある。またモデル都市をしっかりと作れば、どのようなライフスタイルや家や街になるのか、もっと分かりやすくなってくるのではないか。
- 国民の全員参加が最大導入ケースの実現のために、必要かつ最低条件であることを再認識した。特に一般家庭の取り組みが最大の鍵を握っているものと認識している。
- 最大導入ケースは、あくまで国民の自発的意思が前提である。一般家庭で見た場合、対策を講じることによる追加負担の総額が500万円と試算されているが、全ての家庭がこの負担を許容できるとは考えられない。報道などを通じ、国民の地球温暖化問題に対する知識は高まっているものと思うが、地球温暖化対策を進めるうえでの負担などについて、理解をしても納得しなければ取り組みを進めようとの意思はなかなか働かないのではないかと思う。国民が対策に取組むインセンティブを付与するための政策、国としての強力な取組みが必要と考える。特に正確な情報提供と、国の意思を伝えることが重要である。
- 今回主要対策の具体的取組みが示されたことは評価をするが、その前提として原子力発電が明確に位置づけられていることをより一層強く示すことも必要であると思う。
- 長期エネルギー需給見通しは、わが国のエネルギー政策の要となるものであり、その需給見通しが簡単に変わることがあっては我が国の将来を誤った方向に導くことにもなりかねない。現行見通しの策定における3Eの同時達成、技術の裏打ちという基本原則を今後とも堅持していくことを強く要望しておきたい。
- 総選挙で様々な争点があるが、中期目標をテーマとした議論は、マスコミも含めて誰もしていないことは大変残念である。対策にかかるコストを脅しだと批判する人がいるかもしれないが、今後の外交交渉の現実を考える必要がある。年末のCOP15の交渉も国益をかけた修羅場になる。内閣にとって待ったなしの外交問題であり、安全保障問題でもある。ここできちんと対応しないと後世の批判を浴びることになる。
- 日本のグランドデザインのベースには原子力、メガインフラがあり、これらを低炭素型にしながら、地産地消で新エネルギーを要所に導入していくことになる。志高く取組むのであれば、新エネルギーを大量に導入する必要がある。新エネルギーの導入が、他省庁が所管している法律によって進まないのならば、経産省が主導してインター省庁体制を整備することが重要である。
- 2020年で太陽電池が20倍になり、風力を5倍にするとなれば、社会的なインフラである電力系統の新しい考え方を入れておかなければならない。単純な数字を掲げるだけでは済まないことを理解しておくべきである。
- 対策「省エネIT機器」の先には「グリーン by ICT」がある。このコンセプトは資源エネルギー庁が取組むべきである。ICTは省エネ・新エネ一体型ビジネスモデルにもなる。
- 2020年に向けては運輸・家庭・業務部門で、想像を絶するような省エネを実現することが不可欠であることを今日の資料は示しているのではないか。石油産業でも家庭・業務部門での高効率給湯器や燃料電池の普及拡大に努めている。運輸部門ではバイオ燃料の導入、電気自動車の普及に向けた充電インフラの開発に努めているが、いずれもコスト面、技術面で課題がある。このような取組みに対しては、単に省エネだけのインセンティブだけではなく、政策的な知恵を絞る必要がある。
- 石油精製業としては2020年までに更なる高効率化を実現することになれば、通常では採算のとれない限界費用の高い技術を無理やり導入する必要がある。経営的に言えば合理性を欠いた投資が必要になる。政策的な支援がなければ、産業界のCO2対策は実現しないのではないか。
- バイオ燃料は食糧との競合、生物多様性との関係、コストの問題、そもそも温室効果ガス削減の問題の解決になるのかといった問題がある。特に我が国の場合、バイオ燃料はほとんど外国から輸入しなければならない。持続可能性を基準に、導入量、導入時期に関して慎重に決定していただきたい。
- 数字を交えたデータは理解を進めるうえでわかりやすい。
- これらの政策を進めるには、強い政府のリーダーシップがあって欲しい。省庁連携の調整能力をどこが持つかにかかっているが、経産省に行っていただけると良いと思っている。経産省主導で、専門家や県、市、NPOなども入れて、エネルギーモデル都市のような取組みも行っていただきたい。
- 供給側、需要側双方の取組みが大事とのことだが、私はこの審議会委員であるため理解できるものの、一般市民は数行の新聞記事くらいでしか知るチャンスがない。都道府県の主要箇所で説明会を開催していただきたい。単にCO2削減のことだけではなく、子ども達の未来の産業、経済のことも考えるべきで、説明の際には、経済育成の観点も含めていただきたい。
- 太陽光発電は、全量買取としていただきたい。もしそれが無理なら、グリーン電力証書やグリーン電力基金を活用するなど、多様な制度で実現していただきたい。
- 長期エネルギー需給見通しとは、どのようなスタンスで取組む作業なのだろうか。粛々と長期エネルギー需給見通しを策定するならば、何も中期目標に合わせる必要もないが、中期目標のバックキャスティングをしているのではないかと感じる。(エネルギー起源CO2排出量のグラフについて)最大導入ケースでは中期目標を達成できることを示していると思うが、極端に落ちこんでいる。COP3の目標をクリアしようとすると、このようなラインでなければクリアできないからだと思われる。もしこのような事を起こそうとするのであれば、相当な規制をあちこちで課す必要があるが、それでもできるかどうかは分からない。あるいは、そのような規制で走り始めたら、失速してしまい、このようなカーブにはならず、真下に落ちていくのではないか。
- 数字が多く示されているから良いという話もあったが、この数字を見てどのくらいの方が理解できるのかと思う。大変だというメッセージが伝わらず、何となくできると読んでしまうと大間違いである。省エネ住宅にするための追加コストが100万円との記載があるが、我々の推計では、1年間の家庭の暖房費は3万円である。100万円投資して、仮に暖房費がゼロになったとしても、投資回収は30年かかる。負担額の数字は出ているが、それくらい大変な負担だということが伝わらない。
- 高効率給湯器について。目標達成には本年度から加速度的な普及が求められており、ここ数年が大変重要であろうと考えている。しかし、特に景気が悪い現状にあって、市場メカニズムに委ねるだけでは高効率給湯器の加速度的な普及は難しいと感じている。消費者が行動を起こしやすいように、環境性や経済性について、政府として国民全体に分かりやすい方法で政策をしっかりとPRするとともに、ガス業界やメーカー団体との連携のもと、買い換え需要を抜本的に掘り起こし、高効率給湯器への誘導を行っていく必要があると考える。
- LPG車は現在次世代自動車には位置づけられていない。欧米のエネルギー政策においては、LPガスは輸送用の代替燃料として、電気、水素、天然ガス等と同列に位置づけられ、その普及促進が図られている。ハイブリッド自動車も、ガソリンからLPガスに燃料転換することで、更にCO2削減につながるというデータがある。先進型のLPG車を次世代自動車に位置づけるとともに、その環境性を更に高めるため、LPGハイブリッド車の開発・実用化に向けた支援をお願いしたい。
- 2020年の見通しにおいて、家庭のことを論じるのであれば、今の家庭が2020年にどのような状況に変わっているのかについて押さえていただきたい。人口、人口構成、家族数、核家族化がどの程度進むのかとあわせて、所得がどうなっているのか。(家庭の対策イメージの)機器は耐久消費財だと思うが、いつか必ず耐用年数がきて買い替えが必要になる。タンスのように一生使い続けられるものではないので、買い替えるためにまた投資が必要になってくる。確かに省エネによって戻ってくる分もあると思うので、それもしっかりと見せていただきたい。そのような見せ方でなければ、数字が一人歩きしているだけで、実感として感じられない。
- 長期エネルギー需給見通しを実効性のあるものにするためには、家庭の省エネを見ていく必要がある。簡単に家庭のエネルギー消費を見ることができるように省エネナビを普及させることが重要。
- 省エネ機器の開発が進んできても、それを購入できない収入の世帯もあり、そうした世帯をどうしていくかについても、目をつぶらないで考えていただきたい。また、今現在進められている電球型蛍光灯への切り替えも進んでいない状況のなかで、わずか10年足らずでLED等に移っていくことがあり得るだろうか。わずか10年後なので、実効性ある長期エネルギー需給見通しを策定していただきたいというのが、消費者、一市民としての希望である。
- 私は最もCO2の排出削減に効果があるものとして、原子力が決め手だと考えている。今回の資料では、原子力はレファレンスケースの中に9基建設、稼働率82%が入っているため、原子力がどれだけ意味があるのか、このことがいかに大変なことで、しかしどれだけ効果があることかが、国民には見えていない。
- 省エネ建築、風力、バイオ燃料、都市政策について、なぜ省庁間での議論がないのか。産業政策についても、産業構造の変化があるなど、色々議論すべきことがある。このような議論を深めるためには、審議会の構成を真剣に考える必要があると考える。各省庁で、その分野に強い学識者を集めて本当に議論することが重要である。
- 国際的な広報の徹底について。国際機関では日本のマイナス15%削減が「レファレンスシナリオ」「BAU(Business as usual)シナリオ」として位置づけられている。これだけ難しいと議論しているものを「BAU(Business as usual)シナリオ」というのはおかしいということを理解させるためには、関係者が皆、国際的な発信をするとともに、ジャーナリズムも、この目標が生半可なものでないことを明確に書いて発信する必要がある。
- 出力の変動の激しい太陽光の大量導入と、従来の高品質な電気を届けるということの共存関係を、世界に先駆けていかに創るかについて大変なやりがいを感じている。
- 太陽光発電は短時間で出力が変動する。系統運用技術上重要なのは瞬時の需給の調整であるが、例えば、春や秋の休日の電気使用量が少ない時に動かしている発電は1億kWであり、ここに2800万kWの太陽光発電が入ってくると、30%を占めることになる。太陽が陰ってきた場合、太陽光発電量が減少するため、瞬時に火力や水力の稼動を上げなければならない。安定供給を考えると、今までの発電機と太陽光発電、そして余剰電力対応として開発されている蓄電池をいかに組み合わせて、従来どおりの瞬時の需給調整をするかという技術開発が必要となっている。
- 太陽光の新たな買取制度については制度設計が行われ、費用負担についても議論がされてきた。系統安定化の技術開発の費用については、「低炭素電力供給システム研究会」において相当な金額になるという報告がなされている。このコスト負担については当然ながら、適切な場所・時間に議論が始まるのだろうと考えているが、相当な金額になる。
- 今回ひとつひとつの施策について積み上げとはいえコストを提示されたのは需給部会のなかでも大きな貢献であろうと考えている。ここに挙がっている対策費用を合計して10年で割ると、1年あたり、現在の消費税の約40~50%となり、そのコストを何らかの形で国民が背負わなければならない。できるか、できないかの話になると、10年ではなかなか出来ないという結論になるだろう。しかし、地球温暖化対策について次世代に負担を残さない、目標を実現するためには社会のシステムをイノベートしていかなければならない、というメッセージが重要だと考えている。需給部会の数字は日本全国マクロの数字を扱っているが、実際に実行する場合は地域の問題となる。地域によって事情やシステムが違う中で、実現するためにどのように国民を助成していくかというメッセージを発信する必要がある。できる、できないではなく、これをやるには、日本はどういう変革をやらなければならないかという前向きなメッセージを打ち出すことが、今までできていなかった新しい需給部会の姿として、これから必要とされてくると考えている。
- 非常に苦労して資料を作成いただいた。細かい点はあるだろうが、今の時点ではこれで結構であると考えている。問題は国民の理解をどう深めていくかという点である。また世界に向けて麻生総理が言った15%という数字は、真水として日本がまともに取り組んでいるということは、ジャーナリズムが批判しているよりも、国際的に理解が深まっていると考えている。経済産業省の幹部の方々におかれては、9月の国連の会議からはじまり、国際会議が続いていくので、それらの場でこれらの資料を使って、きちんと説明していただきたい。それが非常に重要であると考えており、応援させていただくので、頑張っていただきたい。
問い合わせ先
資源エネルギー庁総合政策課
03-3501-2096
最終更新日:2009年8月12日
