経済産業省
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競争法コンプライアンスに関する研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成21年10月29日(木)16:00~18:00
場所:経済産業省本館17階第3特別会議室

出席者

根岸座長、青山氏、阿部氏、小寺氏、多田氏、田村氏、林氏、宮川氏、三好氏、茂木氏

議題

  1. 開会
  2. 事業者団体におけるカルテルに対するコンプライアンスに係る取組及び先駆的事例について(資料5)
  3. 事業者団体に対するヒアリング(資料3(非公開)、資料4)
  4. 討議

議事概要

配付資料について、ヒアリング事業者団体及び事務局等より説明の上、委員による討議が行われた。討議における委員からの意見等の概要は、以下のとおり。
なお、ヒアリング事業者団体からの提出資料(資料3)及びそれに関連する議事については、非公開としている。
  • 統計業務について、事業者団体(以下、団体)の会員が少数である場合には、競争法上のリスクを最小限にするため、慎重に対応すべきである。一方、日本商工会議所のように、会員が多い団体において、統計業務が行われる場合には、通常問題になることは少ないとはいえ、情報交換活動が内在的に有している競争法上のリスクについて十分に配慮する必要がある。
  • 団体の規模や会員の多寡に応じた適切な対応が求められるが、中小企業といえども競争法上のリスクはあり、コンプライアンスに係る取組が重要であることは変わらない。また、団体における統計情報の交換等の活動自体について、競争政策的な観点から、その必要性をよく検討した方が良い。
  • 団体における競争法に係るコンプライアンスを検討する際には、前提として、団体として行って良い活動、見直すべき活動を明らかにすることが不可欠であると考える。また、統計活動については、欧米のように、競争法上のリスクを無くすため、業務を外部の第三者にアウトソースするという方策を採ることも一案。いずれにしても、事業者団体においては、コンプライアンス研修を行う必要性がある。
  • 我が国団体において、EU競争法を意識することは、実際にはほとんど無いものと思われる。また、日米欧で競争法の運用や適用要件等も異なると聞く。そのような中で、どのような団体がEU競争法を意識しなければならないのかという点について、もう少し明確に説明すべき。
  • 前回会合において、日米欧におけるハードコア・カルテルに関する事実認定等の差異について触れた。確かに日米欧において差異はあるものの、リニエンシー制度の導入等により、カルテルに対する事実認定等については、日米欧において統一感が出てきたものと思われる。この点については、報告書において改めて言及したい。
  • EU競争法を意識しなければならない団体と、国内の独禁法のみを意識すれば足りる団体、談合等への対策を意識しなければならない団体とで、それぞれコンプライアンスに係る取組が異なるものと思われる。このように、団体が直面する場面に応じたコンプライアンスに係る取組の仕分けや留意点を明確化すべき。
  • 団体が直面する場面に応じたコンプライアンスの取組について、まず、EUに支部を有する場合には当然EU競争法を意識すべき。また、EUに支部を設けていなくとも、EU市場に影響を及ぼすような活動を行っている場合には、EU競争法を意識する必要がある。この点、報告書においては、より丁寧に記載する予定。
  • 禁止事項を並べただけの簡易なものでも良いので、マニュアルのモデルを作成すべき。また、特に中国独禁法に対するマニュアルについては、大企業にもニーズがあり、今後の法運用の状況について注視していく必要がある。団体の中でも、国際的な活動を行っている団体は、国際的な競争法違反リスクが高いので、そうではない団体と切り分けて、コンプライアンスに係る取組を検討した方が良い。
  • 報告書の取りまとめ後の普及・広報は大事な課題であると認識しており、次回会合でご議論いただく予定。例えば、企業の営業担当者等、本当に見てもらいたい人に見てもらうための簡潔な説明資料の作成・配付や、団体・業界に対する個別の説明等が考えられる。また、国際的な活動を行っている団体とそうでない団体とで、コンプライアンスに係る取組を切り分けることについては、報告書において記載できるかどうか、検討する。
  • 我が国団体にとって、競争法上のリスクを現実的なリスクとして感じることが難しい状況のため、コンプライアンス体制整備の必要性について団体が納得できるよう、説明の仕方に工夫が必要。その点、統計業務については、ある程度、団体独自の競争法上のリスクが存在するものと考えられるが、会合運営における競争法上のリスクは、結局のところ会員の問題であり、団体独自のリスクとして説明することは難しい。団体のコンプライアンスに係る取組を検討する際には、競争法のリスクが現実的に存在するのはどこなのかを考慮する必要がある。
  • 海外における競争を意識すべき団体とそうでない団体とでコンプライアンスの内容を分けるべき、との指摘は重要。実感として、海外競争法まで意識すべき団体はほとんどないものと思われるが、実際の競争法上のリスクの存否は、海外企業まで含む団体であるかどうか、輸出カルテルが行われる可能性を念頭に、団体として輸出に関する業務を扱っているかどうか等で判断するのであろう。
  • 団体における会合後の懇親会等における、いわば居残りカルテルについては、団体の責任として負いきれない部分もあるが、例えば、会合への参加者から原則として営業担当者を外すことを団体のルールで決定することで、リスクを減らすことができるものと考える。また、団体にコンプライアンスの実施を訴えるためには、団体として独自のインセンティブをどう与えるか、ということが大事。
  • 今回提示されている取組は、相当程度、経済的・人的リソースを有する団体に対しては有用であるが、小規模の団体に対しての配慮が必要。また、団体の役職員が会員からの出向者で占められている場合、責任者、担当者が変わってしまうことが多いため、コンプライアンスに係る継続的な取組が行えない可能性がある。そのような事態への対策が必要。さらに、団体の活動が競争法上のリスクを帯びるかどうかについては、会員から選出される団体役員や委員長・部会長等の個性によって左右されることが多いため、それを防ぐための経営者教育についても考える必要がある。
  • 国内の需要が縮小し、中国等の海外に進出しないと生き残れない状況がある中で、中小企業においても海外競争法に係るコンプライアンスを実施する必要性があろう。しかし、人材やファシリティの問題もある為、団体がコンプライアンスに係る指導者として役割を果たすことに対する期待は大きい一方で、団体側に対応できる体制がない。中小企業が1社毎に競争法への対応を行うよりも、団体がイニシアティブをとり、会員に対するサービスとして実施した方が効果的かつ効率的であり、業界総コストも抑えられる。
  • 団体における競争法コンプライアンスを検討する際には、日米欧における団体の機能の違いも関係するのではないか。日本における団体は、相当大きな役割を担ってきた経緯がある。また、今般の独禁法改正における、団体に係る届出制度の廃止とも関係するところがあるのではないか。

文責:事務局(経済産業省経済産業政策局競争環境整備室)

 
 
最終更新日:2009年11月17日
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