経済産業省
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BOPビジネス政策研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成21年10月2日(金)14:00~16:00
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

勝俣委員、安部委員、岩本委員代理、大島委員、黒田委員、中富委員、西本委員代理、水尾委員

議題

  1. BOPビジネス普及拡大に向けた課題と対応の方向性について
  2. BOPビジネスに関する経済産業省の取組について(最近の主な動き)

議事概要

論点1.BOPビジネスの位置づけ・BOPビジネスが有する可能性

BOP層の捉え方

  • 40億人を一括りに捉えると、ビジネスとして考えにくい。地域や所得階層によってニーズも異なるはずであるため、個別の可能性を探る必要がある。
  • 『アフリカ 動き出す9億人の市場(ヴィジャイ マハジャン著)』ではアフリカ人が所得水準によって3段階に分けられている。直感的には、BOPビジネスの対象はアフリカ2(中所得層)であると考えられる。アフリカ2には相当なボリュームとポテンシャルがあると思う。
  • 中国、インド、ブラジルもあっという間に成長した、それらに匹敵する市場の可能性、状況の変化ととらえることもできる。

BOPビジネスの定義

  • 企業の立場から見ると、BOPビジネスは、捉え方によって扱いが大きく変わる。BOPビジネスは「貧困層を対象にしたビジネス」なのか、それとも「貧困の削減を目的にしたビジネス」なのか。自分は前者だと考えている。

論点2.わが国企業によるBOPビジネスへの参入が期待できる分野

参入が期待できる分野の考え方

  • 今後企業が参入できる分野を考える上で、現場の第一線のニーズを吸い上げることが必要である。オリセットネットも現場の研究者のアイデアから始まったものである。
  • コストの競争になると中国等の新興国に勝てないため、日本企業はユニークな技術で進出する必要がある。
  • シーズとニーズをつなげるという点で参考になるのが、途上国のシーズを日本のニーズにつなげる「一村一品事業」である。JETROもJICAも協力している。BOPはその逆の動きになる。
  • 具体的な成功例を作ることが、今後の方向性を考えていく上で参考になる。
  • 重点的に取り組む事業分野を選定することは重要ではあるが、その選定は情報が無ければできない。全世界の情報を集めることは現実的ではないため、局所的に考える必要がある。特定のエリアを決めた上で、その中で重点的に取り組む事業分野を選定するための情報収集を行うというアプローチが良いのではないか。
  • 今後の調査にあたっては、過去のODA等の実績のたな卸しをすることで、現地側のニーズを明らかにする方法もあるのではないか。

論点3.BOPビジネス普及拡大に向けた課題、対応策、関係者の役割

BOPビジネス普及拡大に向けた課題・対応策

  • 現状の最優先課題は情報不足である。アフリカはとても遠く、宗教もさまざまであるため、はじめの一歩としてどのように動くべきかがわからない。
  • 中小企業の支援が重要である。大企業と中小企業ではまったく資源が異なる。大企業は自らBOPビジネスに取り組むことができるが、中小企業は難しい。手がかりも何も無いため、実行には相当な支援が必要。予算措置で後押ししないと中小企業には対応できない。
  • 中小企業といっても、単なる中小企業ではなく、「ベンチャー」にチャンスがある。なぜなら、この市場では最後は、コストの争いになる。ここでは勝てない。勝てるのは「ベンチャー」のもつ技術・真似の出来ない特徴のみである。
  • BOPビジネスのチャンスに気づいている企業は既に対応を始めている。気づいていない企業に対する啓蒙が必要ではないか。そのためにはノンバインディングな支援が重要である。BOPビジネス参入の垣根を低くするために、ノンバインディングなガイドライン作りをすることから始めることも一考。
  • BOPビジネスを、「顔が見える経済協力」といった形で広く認識・共感をもってもらうよう働きかけるべき。大衆の支持を得ることが重要である。
  • ポテンシャルがあると認識ができたら、次の課題は、リスクの軽減である。投資が収益につながらない期間があるが、その期間をどう扱うかがポイントになる。数年で結果が出ないから失敗とするのではなく、フレキシブルに対応しつつ企業のリスクを軽減する支援が重要である。
  • BOPビジネスの成功の鍵は、良好なパートナーシップを形成することである。住友化学がタンザニアで事業を成功させているのは、現地パートナーとの良好な関係が大きく寄与している。その現地パートナーは国際機関から紹介を受けた。
  • 現地に詳しい関係者がお互いに情報共有する場を用意することが必要ではないか。現地での強いパートナーと組むためには、現場での地の利、知恵、さらに血縁関係など深い分析が必要である。
  • マイクロファイナンスは非常に良いツールである。海外ではマイクロファイナンスの修士課程などもあり、発展を図っている。日本でも検討してはどうか。
  • 青年海外協力隊があるが、ここに参加している人の中には起業を志望している人たちがいる。現地の事情をよく分かっているこれらの人たちの起業支援ができると良い。
  • BOPビジネスにおいて、日本の立ち位置を明確にし、世界を引っ張っていくべきである。現在は政策段階の検討をしているが、その後の実行段階として「BOPビジネスイニシアティブ」の設立を提案する。住友化学や味の素などの先行企業、その他BOPビジネスに意欲的な企業等を加え、成功事例の共有やF/S事例の研究等を行なってはどうか。
  • 企業がBOPビジネスを検討・実行する際に、官のどこに相談すればどのような支援スキームを提供してもらえるのかを明らかにしておくことで、企業はBOPビジネスに取り組みやすくなるのではないか。
  • BOPビジネスを展開するには、実際に現地でBOPビジネスに取り組む人材の確保と育成が重要である。
  • 中国のアフリカ進出は、凄まじい。やり方の良し悪しは別として、中国に代表されるような競合の存在を意識しておく必要がある。
  • あくまでBOPビジネスは、ビジネスである。つまり、戦略的に、地域、或いは顧客層を明確にセグメント化する必要がある。また、世界的(地球的規模の)課題、例えば、MDGsとの関連とか、国際間での日本の位置、プレゼンスを強化するため、日本での成功を世界に発信するという観点からのアフリカ、BOP対象国の課題に結びつける事業にのみ絞るとか、事業選択をするのも一つの方法である。
  • PPPは、国内だけなく、国際的な機関とのPPPも意識すべきである。

BOPビジネス普及拡大に向けた関係者の役割

  • 情報不足の解消は重要である。JETROやJICA、大使館等が現地で情報提供を行っているので、それらをより活用する余地があるのではないか。
  • また、政府(国)は、それらの情報を共有できるような場作り、場を提供する役割を果たして欲しい。NGOと企業の関係作りも出来るし、外務省も間に入れると思う。
  • 企業、政府、援助団体の連携の形としては、まず企業がパイロットプロジェクトを企画・実行し、政府はそのリスク低減をサポートし、そしてその実行支援を援助団体が行うというのがあるべき形ではないか。
  • アメリカの成功例に学ぶとすれば、事業計画段階からNGO、NPOを含めた複数の団体・組織が絡む・関与する形態をとることも重要。そのためには、そのコーデイネーターという役割の重要性を相互に認識する必要がある。
  • PPPの場合は、国民の金を使う事になる。一方、このビジネスには比較的高いリスクが常に存在する。つまり、失敗するケースもあるという事だ。つまり、その場合には、「試験的事業」という位置づけもある(=>BOPビジネスの場合は、ほとんどここから始まる、諦めずにやり通すところだけが成功する)。そういう表現、位置づけをとることで、事前に国民の理解を得る必要がある。
  • 企業にとっての新規事業のシーズ、途上国にとっての開発メリット(社会課題の解決)、そして援助団体の位置づけ、これらの明確化が重要。それぞれの3者がスクラムを組んで、Win-Win-Winの関係を真剣に考えて作っていくことが必要である。
  • WGでは社会起業家の話が出た。社会起業家やNPO・NGO自身がBOPビジネスの主体になる可能性があるはずである。実際、アフリカにおける携帯電話の普及も社会起業家の貢献が大きい。企業、政府、国際機関という従来どおりの関係性だけでなく、より多様な主体を含めた幅広い連携がありえるのではないか。
  • 民間企業がアフリカ市場をどのように自己利益・公益に結びつけるかを考えるべき。そこで問題になるのがリスクの扱い方である。ODAや海外投融資の再開といったツールを賢く使い、リスクテイキングすることが重要。
  • 官民連携については、日本国内だけではなく国連の場でも議論されているため、その視点もあると良い。
  • BOPビジネスの展開プロセスの3つの段階(事業計画検討段階、事業化段階、確立・拡大段階)のうち、どの段階から官民連携を行うのか。例えば、中小企業は独自に市場調査などできないため、最初の段階から現地企業や現地進出企業等との連携が必要ではないか。

その他.WGへの期待

  • 具体的な成功事例を作るために活動にフォーカスするということに答えてWGでは、層、地域、対象、など目的をはっきりさせていただきたい。
  • BOPビジネスの理解を深めるような活動、仕組み創りを具体化する。
  • セグメンテーション軸、ターゲットを明確に整理するようにしていただきたい。

具体的なAction Planに結びつけるようにしていただきたい。

以上

 
 
最終更新日:2009年10月23日
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