経済産業省
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BOPビジネス政策研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成21年12月22日(火)15:00~17:00
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

勝俣座長、安部委員、岩本委員代理、大島委員、黒田委員、小島委員、中富委員、廣瀬委員、藤沢委員、水尾委員

議題

  1. BOPビジネス普及拡大に向けた課題と対応の方向性について
    • 論点2.我が国企業によるBOPビジネスへの参入が期待される分野
    • 論点3.BOPビジネス普及拡大に向けた課題、対応策、関係者の役割
  2. BOPビジネス政策研究会報告書骨子(案)について

議事概要

論点2.我が国企業によるBOPビジネスへの参入が期待される分野

  • 日本の強みのある分野として「太陽光発電」が挙げられているが、小規模な原子力発電事業やニュークリアバッテリーといったものも将来期待できるものとして念頭に置いておくと良いかもしれない。
  • BOPビジネスは、事業規模などによってODAと密接に絡むものとそうでないものとがある。ODAとは別の概念で捉えるべきではないか。
  • 世界同時危機への経済対策の中で、各国それぞれ積極的に減税や補助金によってBOPビジネスをサポートし、政策と産業・企業が一体となって戦略的に動いている。日本も戦略的かつ持続的な取組を実施すべきである。
  • 重点対象地域は、アフリカの重要性を認めつつ、日本としてやはりアジアを重視していくべき、というのは妥当。
  • 日本がBOPビジネスという事業分野においてどのように世界のイニシアティブをとっていくかが重要である。そういった視点で、重点分野の中でも優先順位をつけるべきである。
  • BOPビジネスを推進する上では、企業としての利益の追求だけではなく、レピュテーションの向上という観点も重要である。企業及び国のレピュテーション向上を目指すべきである。
  • BOPビジネスが、単純に「低所得の40億人にモノを売りに行く事業」という捉え方をされてしまうと、企業はどのように動けば良いのかがわからない。雇用の創出など、幅広い特徴を含めてBOPビジネスとして扱うべきである。
  • BOPビジネスにはNGO/NPOとの協力が不可欠である。しかし、中にはお金に関わる取組に強い拒否感を抱くNGO/NPOもある。ビジネスの色彩を強くしすぎると、NGO/NPOとの協力関係が微妙になる恐れがあることには注意が必要である。

論点3.BOPビジネス普及拡大に向けた課題、対応策、関係者の役割

  • BOPビジネスには、通常の BtoB や BtoC のビジネスとは大きく異なり、相手国政府やNGO・NPO、そして日本の政府など、さまざまな主体が関わってくるため、きめ細かくサポートしなければ事業の成功は難しい。その意味で、資料にもあるプラットフォームは重要であり、この機能を担う専門の枠組みが必要である。また事業の絵を描くだけではなく、実際に成功に至るまで、各支援機関が粘り強く関与することが重要。
  • 優れた技術を持っている中小・零細企業が、国内での事業展開に限界を感じつつも、海外進出の方法がわからずに足踏みしているケースが多い。BOPビジネスに取り組む中小・零細企業に対しても積極的に支援を行う必要がある。
  • NPO・NGOは政府や民間企業よりも多くの重要な情報を持っており、それらを活用するべき。情報の整理・発信だけではなく、情報の双方向の交流・交換を促進するための機能(プラットフォーム)が重要である。また、日本の行政とNPO・NGO間にパートナーシップという関係性を構築することで、得られる情報にも厚みが出る。
  • BOPビジネスはさまざまな主体が有機的に絡み合って動いていくものである。オーガナイザーは必要だが、日本だけではなく、海外のNPO・NGOとどのように一緒にやっていくのか、という視点を盛り込むべきである。
  • BOPビジネスの研究会としてこの新しいビジネスの考え方・仕組みを一般の人々に紹介・説明することで、関心を持ってもらい、参加してもらわなくてはならない。特に公的資金の流れ(供与先など)を明確にしてほしい。
  • JICAによるODAを活用したBOPビジネス促進のための支援制度として、提案公募型BOPビジネス促進制度を立ち上げ予定である。JICAによる制度であるため、途上国の開発に役立つものを対象とし、形式としては、「委託事業」という位置づけで提案者に資金提供(委託経費として5,000万円/件を負担、期間は数ヶ月~最長3年程度)を行う予定。対象とする事業段階はビジネス計画段階の情報収集からパイロット事業などのビジネスモデル構築段階までを想定している。企業等からの提案の選考の基準としては、途上国にとっての開発のインパクト(公益性)が期待できるかどうか、そのビジネスが持続的に実施可能となるかどうか、そして現地コミュニティへの配慮がなされるものとなるか、を考えている。
  • 海外投融資は、事前の事業性調査を経て本格的な事業展開を開始するタイミングにおいて、リスクカバーの点で非常に有力な施策になる。
  • リスク対策については、貿易保険の支えも大きく、BOPビジネスにも活用すべきである。
  • アジアの多くの途上国には日本商工会議所や日本人クラブがあり、そのような組織の傘下にはさまざまな組織も入っているため、照会して情報を取得することなどが可能である。これらの現地組織と連携することも有効である。
  • BOPビジネスに関する現地の情報提供や現地でのコーディネート、国内での準備などについては外務省や農林水産省等との連携も重要である。
  • 民間企業は、世界中の類似事業者との競争の中でBOPビジネスを実施していかなくてはならない。その際にはスピード感が非常に重要になるので、その点を配慮してほしい。手続き上の煩雑さやルールの複雑さの解決が非常に重要である。
  • BOPビジネスには複数の関係者が存在することは理解するが、個別の支援策において想定されているビジネスの実施主体を明らかにするべきである。特にプラットフォームについては、実際の案件に対し各関係者がどのように関わるのかが不明であり、リスクをどうカバーするのか、などの具体的な検討が必要である。
  • BOPビジネスは、企業にとっては「イノベーションの源泉」になるという視点が必要である。
  • 現在の施策案では、資金需要の充足ということについて記載が十分でないように感じる。マイクロファイナンスの必要性についても記載すべきではないか。

BOPビジネス政策研究会報告書骨子(案)について

  • BOPビジネスの特徴としては「社会課題の解決」と「企業の収益」の2つの柱がある。前者は欠かすことはできない要素であり、「低所得者層向けビジネス」と位置づけることには違和感がある。既に挙げられている重点10分野も、どれも広い意味で社会課題の解決につながるものである。
  • 社会の持続的発展に資する事業を行うということは、多くの企業が経営理念として掲げているところでもあり、社会課題の解決を掲げることに違和感はないのではないか。
  • 社会課題の解決は大事な要素だが、まずそれが始めに出てくると、特に中小企業にとってはBOPビジネスが遠い存在として、高いハードルに感じられる可能性はある。
  • BOPビジネス支援に公的資金が使われる以上は、BOPビジネスにはリスクもあるが、育てていくことが日本の国益にも適うという説明をした上で、国民の理解を求めるべきである。
  • 「関係主体別に見たBOPビジネスの位置づけ・可能性」について、「現地の主体を含む」ということを明確に書いて欲しい。

以上

 
 
最終更新日:2010年1月13日
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